中国へ並行輸入されたゲーム機がグレーマーケットから姿を消す

世界最大のゲーム市場である中国では、コンソールゲーム(家庭用据え置き型ゲーム機)の存在感は相対的に小さく、少なくとも公式発表されている数字では、モバイルゲームやPCゲームと比べて、その収益は長年にわたり微々たるものだった(詳しくは後述)。熱烈なコンソールゲームのファンによるコミュニティは残っているものの、最近は機器やカートリッジの入手が困難になっている。

ゲーマーの投稿をもとにTechCrunchが調べたところによると、淘宝網(タオバオ)のグレーマーケットでビデオゲーム機を販売する業者の一部が今週、販売と出荷を停止している。ここで何が起こっているのかを検証する前に、少し業界の歴史を振り返る必要があるだろう。

2000年、中国では10代の若者のゲーム依存症に対する懸念が高まり、コンソールゲームの販売と輸入が禁止された。それでも輸入されたゲーム機は、一部の熱心なプレイヤーをターゲットにしたグレーマーケットに存在していた。その一方で、PCやモバイルのオンラインゲーム産業は、手頃な価格とゲームの仕組みに組み込まれたソーシャル体験のおかげで繁栄した。

2015年に中国がコンソールゲームに対する規制をようやく解除すると、Sony(ソニー)やMicrosoft(マイクロソフト)などの大手企業はすぐに対応し、現地のパートナーを通じて自社製品の中国語版を発売する。Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)は、それ自体も世界最大のゲーム会社であるTencent(テンセント)との待望の提携により、2019年より中国の販売店に並び始めた。しかし、中国本土版のゲーム機は厳しい規制の対象となっており、ユーザーの選択肢が検閲官の承認を受けた狭い友好的な範囲に限られるため、グレーマーケットの大部分は存続していた。

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というわけで、多くの中国のプレイヤーは、PlayStation(プレイステーション)やXbox(エックスボックス)、Nintendo Switchの輸入版とそのゲームを見つけるため、バザールのような場所に実店舗を構える電器店や、オンラインのマーケットプレイスを利用している。これらの製品は一般的に、国外の正規品を非正規のルートで輸入する並行輸入によって中国に持ち込まれるものだ。そのようなゲームは通常、現地のパブリッシャーでも取得が困難な中国のゲーム認証を取得せずに販売されている。

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淘宝網に出店している大手ゲーム機輸入業者のうち、いくつかの業者が営業を停止している。スクリーンショット:TechCrunch

淘宝網から削除された輸入ゲーム機やゲームの数は不明であり、また、何がきっかけで販売停止になったのか、その理由も明らかになっていない。46万2000人のフォロワーを持つ淘宝網で最大級のコンソールゲーム販売者であるTGBUS(電玩巴士)は、現在商品の掲載数が0件となっている。TechCrunchが質問したところ、カスタマーサービスの担当者は「倉庫で水漏れが発生したため、一時的に出荷を停止している」と答えた。さらに突っ込んで尋ねると、その人物は「電気機器の故障」が原因だと言った。

他の業者は、サービス停止の理由を「特別な理由」とし、回答を濁らせている。「Shanghai Gaming Console Store(上海コンソールゲーム販売店)」を名乗る業者は、淘宝網からの要請で業務を停止したと述べ、それ以上は詳しい説明をしなかった。

淘宝網を運営するAlibaba(アリババ)からのコメントは現時点で得られていない。

今回の出来事は、大規模な商売をしているほとんどのゲーム機販売業者に打撃を与えているようだ。輸入されたカートリッジやゲーム機は、淘宝網の小規模な販売店や、Pinduoduo(拼多多:ピンデュオデュオ)のような他のプラットフォームでは、適切なキーワードで検索すればまだ見つけることができる。

ユーザーの中にはこの動きを、中国がゲーマーのプレイできるものに対する締め付けをさらに強めていると見る向きもある。2020年、Apple(アップル)の中国のApp Store(アップストア)では、中国が公式に許可していないゲームを一掃するため、数千ものゲームが削除された。政治的な理由でゲームが消されることもある。「どうぶつの森」は、香港で最も有名な民主主義活動家の1人がこのゲームを抗議の場として使用した後、淘宝網や拼多多のグレーマーケットストアから撤去された。

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税関職員が定期的に並行貿易を取り締まっていることを指摘するユーザーもいる。並行貿易とは、一般の旅行者を装った商人が商品を運び、輸入税を逃れるというものだ。いずれにせよ、コンソールゲームのグレーマーケットが打撃を受けたのは今回が初めてというわけではない。グレー商品の中には、爆発的に売れる前にこっそりと持ち込まれるものがある。例えば、中国では数週間前から、まだ中国版が発売されていないNintendo Switch専用の新作「Monster Hunter Rise(モンスターハンターライズ)」が大きな関心を集めており、それが平行輸入を促進しているのではないかと見られている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:淘宝網(タオバオ)中国グレーマーケット任天堂Nintendo Switch

画像クレジット:VCG/VCG via Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フリマアプリ「メルカリ」がアリババ傘下のタオバオなどと連携し中国への越境販売を開始

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メルカリは3月1日、中国で最大のECプラットフォームを運営するアリババグループのCtoCマーケットプレイス「淘宝(タオバオ)」およびフリマアプリ「閑魚(シェンユー)」と連携し、中国における越境販売を開始しました。

「淘宝」または「閑魚」上で中国のユーザーが注文するとBUYEE公式アカウントが「メルカリ」上の商品を代理で購入し、検品・梱包後、中国のユーザーへ発送します。「メルカリ」の出品者は、これまで通りの配送方法と配送料での取引が可能です。

「淘宝」「閑魚」は、いずれもアリババグループが運営するECプラットフォームです。「淘宝」は中国最大級のCtoCマーケットプレイスであり、あらゆるカテゴリーの商品を網羅的に取り扱っています。「閑魚」は「淘宝」内の中古品取引用サービス「淘宝二手」を起源とし、現在は月間利用者数が9000万人を超える中国最大のフリマアプリです。

(Source:メルカリEngadget日本版より転載)

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