切手サイズで825円、超小型開発ボード「M5Stamp Pico Mate」がスイッチサイエンスで発売中

切手サイズで825円、超小型開発ボード「M5Stamp Pico Mate」が発売

スイッチサイエンスは、M5Stack製の超小型開発ボード「M5Stamp Pico」シリーズ(M5Stamp Pico Mate)の販売を8月12日より開始した。Wi-Fiチップとアンテナ、プッシュスイッチ、LEDを装備している。UIFlowによるグラフィカルプログラミング、Arduino、MicroPython、ESP32-IDFで開発が可能。直販価格は825円(税込)。

なお、プログラムを書き込むためのUSBシリアル変換器が搭載されていないため、プログラムダウンロード用のハードウェアが別途必要になる。スイッチサイエンスでは、「ESP32-DOWNLOADER」をセットにした「M5Stamp Pico DIY KIT」を近日発売する。直販価格は2156円(税込)予定。

入出力用インターフェイスは、ADC、DAC、タッチセンサー、SD/SDIO/MMCホストコントローラー、SPI、SDIO/SPIスレーブコントローラー、EMAC、モーターPWM、LED PWM、UART、I2C、I2S、IRリモートコントローラー、GPIOパルスコントローラーに対応している。付属のピンヘッダーコネクターをハンダ付けすることで、用途に合わせてさまざまな形状にできるようになっている。

「M5Stamp Pico」の仕様

  • ESP32-PICO-D4 | 240 MHz デュアルコア、600 DMIPS、520 KB SRAM, Wi-Fi/Bluetooth、デュアルモード
  • 4MBフラッシュメモリ
  • 入力電源:5V @ 500mA
  • 消費電力:通常スタンバイ時 5V@29mA、Wi-Fi STAモード 5V@60mA、Bluetoothモード(data sending status) 5V@84mA、ディープスリープモード 5V@0.35mA
  • 2.4GHz SMDアンテナ:Proant 440
  • Wi-Fi:802.11 b/g/n(最大150 Mbps@802.11n)、2.4GHz ~ 2.5GHz
  • Bluetooth:Blutooth V4.2 BR/EDRおよびBLE standard、NZIFレシーバ、最大感度-97 dBm
  • 1 x RGB LED(WS2812B)
  • 1 x プログラム可能なボタン
  • インタフェース:ADC、DAC、タッチセンサ、SD/SDIO/MMCホストコントローラ、SPI、SDIO/SPIスレーブコントローラ、EMAC、モーターPWM、LED PWM、UART、I2C、I2S、IRリモートコントローラ、GPIOパルスコントローラ
  • 入出力:12(G0、G1、G3、G26、G36、G18、G19、G21、G22、G25、G32、G33)
  • 入出力端子ピッチ:2.54mm
  • 本体重量:1.6g
  • 全体重量:2.5g
  • 寸法:: 18 x 24 x 4.4mm

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Arduino(製品・サービス)M5Stack開発ボードスイッチサイエンス(企業)Python(製品・サービス)日本(国・地域)

作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表

作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表

「すべての人にIoT開発の機会を」を使命に、誰でも簡単にクラウドと連携したIoTシステムを構築できる開発ボード「obniz」(オブナイズ)を開発販売するobnizは5月31日、エイミーが運営するハードウェア開発者コミュニティー「elchika」(エルチカ)で開催した「obniz IoT コンテスト2021」の最優秀賞と優秀賞を発表した。

obnizは、開発ボード本体である「obniz Board」(オブナイズボード)または「obniz Board 1Y」(オブナイズボード・ワンワイ)を中心とする専用IoTデバイス群で構成される。プログラムはJavaScriptやPythonなど汎用言語を使ってウェブ上で制作できる。システムを制御するobnizOSを通じて、機器をクラウド管理できるため、ソフトウェアの更新もウェブ上で簡単に行える。教育やホビーはもちろん、大手企業も事業に採り入れ利用している。

今回のコンテストでは「電子工作部門」と「スマートホーム部門」が設けられ、2021年3月15日から5月16日にかけて、obnizの公式製品を使ったIoTシステムのアイデアを一般から募集した。応募総数は175点。そこから、obniz開発チームが、各部門の最優秀賞1点、優秀賞5点ずつを選考した。両部門の最優秀賞作品と優秀賞作品は次のとおり。

電子工作部門最優秀賞

非接触空間センサーとobnizで作る”忍びの地図”、作者:3duilab
映画「ハリー・ポッター」に登場する魔法の地図、”Marauder’s Map”(忍びの地図)を非接触空間センサーを活用して創造した作品。

スマートホーム部門最優秀賞

突然の雨でも安心!「洗濯物取り込みくん」、作者:ironikot
急な雨で洗濯物が濡れるのを防ぐために、センサーと仕かけを組み合わせたシステム。

電子工作部門優秀賞

【Wekiの気持ち】植木の環境状態を測定して植木とのコミュニケーションを図る、作者:RYUJI
センサーやLINEで対話しながら手入れを行えるシステム。

オンライン操作のカードシャッフラー、hiro42
指定人数のボタンを押すとシャッフルと配布を行えるシステム。

目覚ましマウスパッド、作者:Satomi
表情から眠気を検知して目覚ましのアクションを行うシステム。

obniz 2個使いでロボットアームを遠隔制御してみた、作者:Hashimoto.Koji
加速度センサーを駆使し、ロボットアームを遠隔から動かせるシステム。

お菓子とってー → 発射!、作者:RyotaIkeuchi
LEGOブロックと人形も組合わせて、手を挙げるとこちらにチロルチョコを投げてくれるシステム。

スマートホーム部門優秀賞

お出かけ先の天気と連動するIoT傘立て、作者:team_shinkaiLab
天気予報データを活用して雨を知らせてくれるシステム。

黙って帰らせないず– obnizとクラッピーで「ただいま」言わせる、作者:makoragi
帰宅時に「ただいま」の挨拶を促してくれるシステム。

obnizでエアロバイクの回転数を取得して、YouTubeの再生速度を変更する、作者:iemong_
動画を見ながらエアロバイクを漕ぎ続けるためのシステム。

データをインテリアにする、作者:Koda
さまざまなデータをインテリアとして飾れるシステム。

ペットのトカゲを現地と同じ環境で飼育する日照管理システムの構築、作者:masahitech
トカゲの実際の生息地に合わせた日照管理を行えるシステム。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)obniz(企業・サービス)JavaScript(製品・サービス)電子工作(用語)Python(製品・サービス)日本(国・地域)

分散型IoTを可能にするブロックチェーン対応開発ボードElk

ブロックチェーンの分散型世界に物理的なオブジェクトを接続するというアイデアを模索しているハードウェア開発者なら、Elk(エルク)に注目すべきだろう。これは、ブロックチェーンを利用するあらゆるIoTプロジェクトに対応した、現在はまだ開発段階にある開発ボードだ。

たとえばこれを使えば、自分の家に出入りできる能力が遠く離れた大手企業のサーバーの稼働時間(と認証)に左右されたり、第三者の企業に出入りの記録をとられることなく、ドアの錠前に接続できる。

また、お勧めの別の例としては、起床せずにスヌーズボタンを何度も押すとビットコインで支払いが請求される目覚まし時計とか。これは痛い。

Elkの開発チームは、プロトタイプを製品化するため、Kickstarterキャンペーンでクラウドファンディングを開始したばかりだ。来年の春に開発者向けの出荷を目指している。

彼らの目標は2万ドル(約217万円)と控えめだ。早い時期にプレッジした人は59ドルで手に入るが、スヌーズボタンを押してしまってタイミングを逃した人でも、あと10ドル追加すれば手に入る。

私たちは昨年にもElkを紹介している。当時はまだ開発初期の段階で、Elkremと呼ばれていた。

そのときは、彼らは昨年末までに出荷したいと考えていた。しかし、クラウドファンディングの準備が整うまでの時間が、いくつかの難題に遭遇したことにより予想よりも長くなってしまった。

これが、彼らの最初のハードウェア製品ではないことを言っておくべきだろう。2013年に開催されたTechCrunch Disrupt Europeでは、彼らはスタートアップ展示場からオーディエンス推薦により引き抜かれ、スタートアップバトルフィールドに参加して大きな注目を浴びた。そこで彼らは、スマートフォンのセンサーをArduinoのシールドとして利用できるようにするアイデアの売り込みを行った。

その後、彼らはクラウドファンディングによって「1 Sheeld」を製品化した。これは今でも販売されている

通常のハードウェアのクラウドファンディングほど、警戒しなくても済みそうだ(もっとも、プロトタイプの出荷時期に関する宣伝文句は、遅れるものと思って聞いておくのが賢明だ)。

その製品の狙いと願望について、ElkのCEOで共同創設者のアムア・サラー氏に聞いてみた。

TC:Elkとは何ですか? 何に使うものですか?

サリー:Elkは、ブロックチェーンと分散型ウェブに対応したハードウェア開発ボードです。Arduinoをシンプルにしたものに、分散型ネットワークのネイティブな対応機能を組み合わせました。ほんの数行のコードを書くだけで、イーサリアム、IPFS、ウィスパーなど数多くのものを利用できるIoTが構築できるようになります!

Elkは、私たちが「Decent IoT」(ディーセントIoT、良識あるIoT)と呼んでいるものの開発を促します。ディーセントIoTとは、分散型で、本当の支配権と本当のプライバシーを私たちに与えるもので、支払い、オラクル、個人情報の販売などといった、まったく新しい使用事例を可能にします。

Elkを使えば、デバイスの使用を監視したり制御したりするクライドプロバイダーに依存することなく、玄関の鍵を遠く離れた場所から操作できるスマートロックが作れます。また、イーサリアムで借りられるチャージングステーションやランニングマシンにお金を入れてロックし、運動を終わらせなければお金を取り戻せないなど装置ものも作れます。可能性は無限代です。

TC:ブロックチェーンIoTデバイスを作るのに、専用のハードウェアがなぜ必要なのですか?このハードウエアの利点は、ライバルの製品、例えばRaspberry Piを使った場合と比較してどこにありますか?

サリー:ブロックチェーンIoTデバイスは、Raspberry Piを使っても、もちろん作れます。Elkを使う利点は、ハードウエアの面から言うと、マイクロコントローラーとマイクロプロセッサーが一体になっているところです。Wi-Fiモジュールと、専用OSをプリインストールした固定記憶領域の両方を備え、ブレッドボードにも対応しています。これにより、Arduinoにプログラムをするときと同じような、プラグ&プレイの開発が行えます。

Raspberry Piを使う場合と違うのは、Elkではウォレットとキーの管理や、ノードの設定で苦労したり、内蔵デバイスをうまく動かすために変数を調整したり、クラッシュに対処したりといったことが不要になることです。私たちは、10倍簡単なArduino感覚のブロックチェーンIoTの開発を提供します。Arduinoが対応しているライブラリもすべて使えます。開発者は、オーバーヘッドを気にせず、アプリケーション開発だけに集中できるのです。

TC:Elkは誰のためのものですか?ブロックチェーン・ハードウェアのコミュニティは、現在どれくらいの規模でしょうか?これから数年で、どれくらい大きくなると考えていますか?

サリー:現在、ブロックチェーンハードウェアの開発はまだ限定的で、ブロックチェーン愛好家のためのハードウェアウォレットの構築程度に留まっています。

私たちは、ブロックチェーンと分散型ネットワークは、もっとずっと大きく広がると信じています。Elkは、ブロックチェーンマニアだけのものではありません。プライバシー意識の高いメイカーのためのものでもあります。分散型ネットワークは、IoTをずっとプライベートで、安全で、便利なものにしてくれます。私たちはそれをディーセントIoTと呼んでいます。それはまさに、私たちがElkによって広めたいと思っているものです。

現在のIoTアーキテクチャは、通信とデータ保存に関しては中央集権的なクラウドプロバイダーに依存しています。ということはつまり、クラウド・プロバイダー(とそれをハックするすべての人間)は、私たちのデバイスをコントロールでき、私たちのアクセスを拒絶し、私たちの私生活を覗くこともできてしまうということです。

新しい分散型ウェブは、IoTのまったく新しいパラダイムを実現します。私たちの通信を取り仕切る中央の権威を介さずに、分散型ネットワークの中でプライベートに通信ができるパラダイムです。第三者が私たちのデバイスの使用状況を記録したり、私たちのデバイスを操ることもありません。加えてこれは、支払い、オラクル、個人データの販売といった新しい可能性も切り拓きます。

Elkは、たった数行のコードを書くだけで簡単にディーセントIoTを構築できるツールとユーザー・インターフェイスを提供します。これがやがては、ハードウェアコミュニティでの分散型ネットワークの拡散につながればよいと期待しています。

TC:Kickstarterのローンチが遅れたのはなぜですか? Elkのプロトタイピングで遭遇した困難について、また出荷日を守る自信のほどを聞かせてください。

サリー:ブロックチェーンと分散型ネットワークは、芽生えたばかりの分野です。Elkの安定したプラグ・アンド・プレイ体験を確実なものにすることが、本当に難関でした。

もうひとつ、私たちが遭遇した大きな難関は、Elkに搭載する機能の適切なバランスをとることでした。たとえば、当初私たちは、Elkを安全なハードウェアの飛び地にすることがもっとも重要だと考え、それに即したプロトタイプの開発に数カ月を費やしました。その後、ハードウェアのセキュリティーを緩和して、安定性と開発のしやすさを重視することに決めました。ディーセントIoTの開発のしやすさは、セキュリティーをさらに強化するよりも、ずっと大切だと私たちは考えています。

現時点で、私たちはこのハードウェアに関して、4回の個別の練り直しを行い、賢明に努力した結果、自信を持って製品をお届けできるまでになりました。特別なこともなく生産に移行できるはずです。私たちは、すでにハードウェアの製造過程を経験しています。前回のKickstarterでは、予定どおりバッカーたちに出荷できましたし、その翌年には、数万ユニットの製品を販売できました。

TC:ビジネスモデルはどのようなものですか? ハードウェアの開発だけでなく、SDKの配布やサポートで儲けるつもりはありますか?

サリー:今、私たちは、ElkをブロックチェーンIoTデバイス開発の標準にすることに集中しています。このキャンペーンが終わったら、より厳格なハードウェアの条件やサポートが要求される使用事例に着手する予定です。

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(翻訳:金井哲夫)