Geolonia、ベクトルタイル形式地図開発を支援する2つのツールを国土地理院との契約により開発―オープンソースとして公開

Geolonia、ベクトルタイル形式の地図開発を支援する2つのツールを国土地理院との契約により開発―オープンソースとして公開

地図、地理空間情報、ロケーションデータの分野で事業を展開する位置情報テクノロジー・スタートアップGeolonia(ジオロニア)は3月29日、ベクトルタイル形式の地図開発を支援する2つのNPMパッケージ「itoma」(イトマ)と「kata」(カタ)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開したと発表した。これは、国土地理院との契約により開発されたもので、国連OpenGISイニシアチブが推進する国連ベクトルタイルツールキットプロジェクトの一部として、MITライセンスで公開されている。同社としては、政府機関からオープンソース化を前提として受注した初めての事例という。

国連OpenGISイニシアチブとは、国連の平和維持活動に必要なオープンソースのGIS(地理情報システム)を開発するための取り組み。Geoloniaは、2021年11月から、地図デザイン編集ソフトウェア「Charites」(カリテス)を提供し参画している。今回開発された2つのツールは、ベクトルタイル形式の地図データを処理するためのNPMパッケージ(JavaScriptのパッケージ管理システム)となる。

itoma」は、ベクトルタイル形式の地図をプレビューするためのコマンドラインツールだ。データで配信されるベクトルタイルを地図として表示する。これを使うことで、ウェブサイトに地図を表示させたり、地図を使ったアプリケーションの開発が楽に行えるうよになる。

kata」は、地図データのデータ形式を他の形式に変換するためのコマンドラインツール。metadata.json形式のファイルを表形式に変換したり、YAML形式のファイルを、地図開発プラットフォーム「Mapbox」がオープンソースで提供するツール「Tippecanoe」の形式に変換するといったことができる。

Geoloniaは、今後もデジタル地図のオープンソース化を進めるべく活動してゆくとのことだ。

オンラインプログラミング学習サービスProgateが登録ユーザー数240万人と発表、人気レッスンのランキングも公開

オンラインプログラミング学習サービスProgateが登録ユーザー数240万人と発表、人気レッスンのランキングも公開

オンラインプログラミング学習サービス「Progate」(プロゲート。Android版iOS版)を展開するProgateは1月18日、ウェブ版および同名スマホアプリの合計登録ユーザー数について、2021年12月に全世界で240万人を突破したと発表。また、2021年に実施したレッスンの人気ランキングを公開した。1位は「HTML & CSS」、2位は「JavaScript」、3位は「Python」と、3位までの順位は前年と同じだった。

動きが見られたのは4位以下だ。前年の4位は「Ruby on Rails5」だったが、2021年は前年5位だった「Java」が上がってきた。そして、5位には「SQL」が入った。これは、Progateの法人契約が増え、自社のデータ分析を目的にデータベース言語であるSQLを選ぼうという人が増えたからだとProgateでは見ている。

またProgateでは2021年、実践的な課題に取り組む「Quest」や、具体的な目標を立てて学習する「プロジェクト」といったコンテンツの試験導入を行った。2022年はその結果をもとに、「さらに奥深い学習」を提供するコンテンツの拡充を予定しているとのことだ。

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)を手がけるpaizaは10月18日、バンタンと協業し、全国の中高生向けプログラミング共通テスト「P共通テスト」(バンタンテックフォードアカデミー中高プログラミング共通テスト)を開始すると発表した。P共通テストの第1回は、2022年1月22日に実施予定(オンライン開催)。10月18日より受験希望者の申し込みを受け付けている。

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

「P共通テスト」概要

受験の流れ

  1. 受験の申込(無料)
  2. paizaラーニング」への登録(無料・任意)
  3. P共通テストサイト(paizaラーニング for TEAM)の登録
  4. サイト内容の確認
  5. 試験の最終案内(12月頃予定)
  6. 試験本番前にログイン

ルール

  • 個人で参加すること
  • テストの開催時間は90分
  • テストの開催中に問題および提出コード、ヒントをブログやSNSなどに掲載するのは不可。ただし、テストの終了後には掲載可能
  • 解答やヒントを教えてもらったり他人のコードを利用するのは不可。ただし、ウェブで検索するなどの調査行為は可能(paizaスキルチェックと同様)
  • 利用できるプログラミング言語は、paizaスキルチェックと同様で、Java、 PHP、Python2、Python3、Ruby、Perl、C、C++、C#、JavaScript、Objective-C、Scala、Go、Kotlin、Swift
  • コード採点時の実行環境もpaizaスキルチェックと同様
  • 問題ごとに、提出するコードのプログラミング言語を選択可能。例えば、Q1はC#で提出し、Q2はJavaで提出するなどが行える

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

P共通テストは、プログラミング初学者からITエンジニアを目指して学習している方まですべての中高生を対象に、現在の自分がプロのスキルに対してどのレベルにいるのかを理解できるテストという。問題の作成にあたっては、2022年度から新しく始まる高校の情報科の科目「情報Ⅰ・情報Ⅱ」を考慮しており、今後導入を予定されている「大学共通テスト」に対する実力の参考として活用することも可能(情報Ⅰは、2024年度以降の大学入学共通テストの出題教科となっている)。

全国の中高生のプログラミング能力の向上を目指し、才能ある中高生を社会へつなぐことで、急速に進むデジタル社会が抱えるIT人材不足をサポートするものという。才能のある人材を社会へつなぎ、IT業界が抱える人材不足に貢献するとしている。将来的には、漢字や英語の検定のように、中高生がプログラミングスキルを測る共通テストとして一般に広く定着させていきたいと考えているとした。

今回の協業においては、paizaは問題の監修と採点を担当。同社は、サービス開始以来総受験回数1500万回以上(2021年10月現在)という、転職・就職を希望する方やプログラミングを学習する方の実力を判定する「paizaスキルチェック」を提供している。同システムをバンタンに提供し、中高生向けに出題範囲を設定して出題する。

IPAが高校「情報Ⅰ」の共通必須科目化に伴いITパスポート試験の内容を改訂

IPAが高校「情報Ⅰ」の共通必須科目化に伴いITパスポート試験の内容を改訂

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は10月8日、令和4年(2022年)度から高校で「情報」が共通必履修科目となるのに伴い、ITパスポート試験の出題範囲や「シラバス」の改訂実施を発表した。

ITパスポート(iパス)とは、「ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識」を証明するための国家試験。開始は2009年。2021年8月末までの間に約131万人が受験し、約59万人が合格している。

日本国民のデータリテラシーに関する幅広い知識を身に付けさせることがiパスの狙いだが、学校教育においては、言語能力、問題発見、解決能力などに加えて情報処理能力も教科横断的に育てる旨が新学習指導要綱に明記され、さらに令和4年度からは、高校で「情報Ⅰ」が必須履修科目として新設されるなど、プログラミング的思考力、情報モラル、情報活用能力を育てる教育の充実がはかられることになっている。

そうしたなか、IPAは、高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」にもとづいて、iパスの出題範囲と、ここでは試験の合格を目指した学習指針に利用できる資料を意味する「シラバス」(ver6.0)の見直しを行った。内容は次のとおり。

  • 期待する技術水準:高校の「情報Ⅰ」にもとづき、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などを追加
  • 出題範囲およびシラバス:高校の「情報Ⅰ」に関連する項目、用語例を追加
  • 出題内容:プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題を追加。情報デザイン、データ利活用のための技術、考え方を問う出題を強化

試験時間、採点方法、合格基準に変更はない。また、擬似言語を用いた出題について、擬似言語の記述形式やサンプル問題が公開されている。実施は2022年4月の試験からとのことだ。

iパスに関する公開資料

「試験要綱」Ver. 4.7
「試験要綱」Ver. 4.7(変更箇所表示版)
「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0
「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0(変更箇所表示版)
「試験で使用する情報技術に関する用語・プログラム言語など」Ver.4.3
「ITパスポート試験 プログラミング的思考力を問う擬似言語のサンプル問題」

ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

2021年8月、ヤフー主催学生ハッカソン「Hack U 2021」が2回に分けて開催された。いずれもオンライン開催で、合計54チームがエントリーしたが、チームのメンバー同士も集まることが禁止された完全オンラインの状況での参加となった。ヤフーは10月5日、その最優秀作品2点を紹介するとともに、2020年と2021年の参加者の傾向を分析し、ブログ記事「学生たちがハッカソンで使う技術トレンドは半年で変わったか?」で発表した。

ヤフーは、Hack Uを「夏の風物詩のようなものにしたい」と考えつつ毎年開催を続けているとのことだが、今回は両日とも1日で申し込みが埋まってしまうほどの人気だったという。小学生以上の学生なら誰でも参加でき、サポート役としてヤフーのエンジニアが付くという親切なイベントになっている。審査基準は、新規性(オリジナリティー)、技術性(技術の高度さ)、発展性(将来性や波及効果が期待できるか)、再現性(実現可能なアイデアか)の4つ。ブログでは、最優秀賞を獲得した2つの作品が紹介された。

「スローターム」(チーム名:この素晴らしいコードに祝福を!)

開発時に発生するプログラミングのエラーをワンタップで共有してくれるVisual Studio Codeのプラグインと、共有先のSNS両方を作り上げた作品。コード制作中にエラーをハイライトするだけで、GitHubでの質問文が簡単に作れる。さらに、その質問にうまく答えてくれそうな人を自動的に選んでつなげてくれる。コロナ禍で人に質問がしにくくなった問題を改善してくれる。

3pt Manager(チーム名:OAO)

バスケットボールの3ポイントシュートをiPhoneで練習できるアプリ。シュートするごとにiPhoneがボールの軌跡を取得し、角度のデータを蓄積する。毎日の練習結果がグラフ化されるので、効率的に練習ができるというものだ。

参加者が使用しているプログラミング言語と開発環境の傾向

同ブログでは、2020年と2021年のHACK Uで、参加者が使用しているプログラミング言語と開発環境に違いがあるかを分析している。使用言語は、どちらもJavaScriptとPythonがトップと変わらないが、2021年はRubyが上位に入ってきた。2020年はRubyを使うチームは1割に満たなかったのに対して、20201年はPythonに次いで3位に上がってる。その理由は、大学の年次に関係があると、筆者であるヤフーCTO室Developer Relations Hack Uプロデューサー中村友一氏は書いている。参加学生は大学3年生が中心だが、去年2年生だった学生は、授業などで手軽に始められるRubyを使う機会が多くなったからだとの分析が面白い。

  1. ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

開発環境については、Flutter、React Native、Xamarinなど多くのOSに対応できるクロスプラットフォームフレームワークを利用するチームが増えたのこと。iOS、Android、ウェブのすべてに対応するソフトウェアの開発を目指すということは、チームが継続開発やサービスの公開を考えているためだと中村氏は分析した。

また同氏は、Dockerの浸透を挙げている。今回、Dockerを使いサービスのデプロイまで考えて作ってきたチームが大幅に増えたという。Dockerが学生にも浸透し始めていることがうかがえ、今後ハッカソンにおいても環境構築におけるメインストリームになるかもしれないと指摘している。

この2年間はオンライン開催のため、参加者同士の交流が制限されたが、「今後ハイブリッド開催になった時にどのように変化するかが楽しみです」と中村氏は話している。

作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表

作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表

「すべての人にIoT開発の機会を」を使命に、誰でも簡単にクラウドと連携したIoTシステムを構築できる開発ボード「obniz」(オブナイズ)を開発販売するobnizは5月31日、エイミーが運営するハードウェア開発者コミュニティー「elchika」(エルチカ)で開催した「obniz IoT コンテスト2021」の最優秀賞と優秀賞を発表した。

obnizは、開発ボード本体である「obniz Board」(オブナイズボード)または「obniz Board 1Y」(オブナイズボード・ワンワイ)を中心とする専用IoTデバイス群で構成される。プログラムはJavaScriptやPythonなど汎用言語を使ってウェブ上で制作できる。システムを制御するobnizOSを通じて、機器をクラウド管理できるため、ソフトウェアの更新もウェブ上で簡単に行える。教育やホビーはもちろん、大手企業も事業に採り入れ利用している。

今回のコンテストでは「電子工作部門」と「スマートホーム部門」が設けられ、2021年3月15日から5月16日にかけて、obnizの公式製品を使ったIoTシステムのアイデアを一般から募集した。応募総数は175点。そこから、obniz開発チームが、各部門の最優秀賞1点、優秀賞5点ずつを選考した。両部門の最優秀賞作品と優秀賞作品は次のとおり。

電子工作部門最優秀賞

非接触空間センサーとobnizで作る”忍びの地図”、作者:3duilab
映画「ハリー・ポッター」に登場する魔法の地図、”Marauder’s Map”(忍びの地図)を非接触空間センサーを活用して創造した作品。

スマートホーム部門最優秀賞

突然の雨でも安心!「洗濯物取り込みくん」、作者:ironikot
急な雨で洗濯物が濡れるのを防ぐために、センサーと仕かけを組み合わせたシステム。

電子工作部門優秀賞

【Wekiの気持ち】植木の環境状態を測定して植木とのコミュニケーションを図る、作者:RYUJI
センサーやLINEで対話しながら手入れを行えるシステム。

オンライン操作のカードシャッフラー、hiro42
指定人数のボタンを押すとシャッフルと配布を行えるシステム。

目覚ましマウスパッド、作者:Satomi
表情から眠気を検知して目覚ましのアクションを行うシステム。

obniz 2個使いでロボットアームを遠隔制御してみた、作者:Hashimoto.Koji
加速度センサーを駆使し、ロボットアームを遠隔から動かせるシステム。

お菓子とってー → 発射!、作者:RyotaIkeuchi
LEGOブロックと人形も組合わせて、手を挙げるとこちらにチロルチョコを投げてくれるシステム。

スマートホーム部門優秀賞

お出かけ先の天気と連動するIoT傘立て、作者:team_shinkaiLab
天気予報データを活用して雨を知らせてくれるシステム。

黙って帰らせないず– obnizとクラッピーで「ただいま」言わせる、作者:makoragi
帰宅時に「ただいま」の挨拶を促してくれるシステム。

obnizでエアロバイクの回転数を取得して、YouTubeの再生速度を変更する、作者:iemong_
動画を見ながらエアロバイクを漕ぎ続けるためのシステム。

データをインテリアにする、作者:Koda
さまざまなデータをインテリアとして飾れるシステム。

ペットのトカゲを現地と同じ環境で飼育する日照管理システムの構築、作者:masahitech
トカゲの実際の生息地に合わせた日照管理を行えるシステム。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)obniz(企業・サービス)JavaScript(製品・サービス)電子工作(用語)Python(製品・サービス)日本(国・地域)