Mozillaが今日(米国時間8/30)、そのFirefoxブラウザーがデフォルトでは自動的にすべてのクロスサイトトラッキングをブロックする、と発表した。
この戦略には、3つの部分がある。まず、今ナイトリーリリースでテストしているバージョン63では、Firefoxはすべての遅いロードのトラッカー(広告に多い)をブロックする。遅いとは、ロードに5秒以上かかる、という意味だ。次にFirefox 65では、サードパーティのトラッカーからのすべてのクッキーとすべてのストレージアクセスを取り去る。そしてさらに今後は、暗号通貨の採掘をするスクリプトと、ユーザーの個人識別情報を取るトラッカーをブロックする。ただしこれらはいずれも、最初のテストの結果次第で提供が遅れることもある。
MozillaのNick Nguyenが、こう書いている: “物理的な世界では、いろんな店の何百人もの店員が店から店へとユーザーをつけ回して、見た物や買った物をスパイしたりしないだろう。でもWebでは、ユーザーがそんなことを予想しなくても、どこへ行ってもつけ回されている。それに対して、ユーザーがプライバシーのレベルを設定できるブラウザーは、まだ多くない”。
これらの新しい機能を今すぐ試したい人は、安定に達していないFirefox Nightlyリリースをインストールすればよい。それのプライバシー設定には、トラッカーをブロックする“Content Blocking”という項目がある。それを有効にすると、説明のメッセージと、‘厳しい設定にすると閲覧できなくなるサイトもある’、という警告が出る。
なお、この、トラッキングを防ぐプライバシー設定は、Firefox for iOSにはすでにある。
というか、AppleのSafariブラウザーには、すでに昨年からこのようなプライバシー機能がある。ただし、Appleが機械学習を使っているのに対してFirefoxは、従来的なブロックリストを使っている。もちろん、ねらいは同じだが。
このブロック機能は、ユーザーの選択権を奪わない。サイトが事前にユーザーに、データ収集の可否を尋ねて、ユーザーがOKしたら、そのサイトのトラッカーはブロックされない。Nguyenは書いている: “2004年にFirefoxがポップアップ広告をブロックしたときも、広告主にはユーザーに尋ねるオプションを与えた。2018年には、それと同じ考え方でユーザーに可否決定の権利を与えたい”。