【レビュー】Sonos Roamはほぼ完璧なポータブルスピーカー

Sonos(ソノス)が2021年3月に発表した新型スピーカーは、さまざまな点において同社のこれまでの製品とは大きく異なる。米国では4月20に発売される(日本では2021年夏に発売予定)この「Sonos Roam(ソノス・ローム)」は、内蔵バッテリーとBluetooth接続を備えたコンパクトなポータブルスピーカーだが、無線LANストリーミング、マルチルーム機能、音声アシスタントのサポート、そして驚くほど優れた音質を備え、Sonosシステムの一員であることに変わりはない。

基本仕様

価格169ドル(約1万8500円、日本での価格は未定)のSonos Roamは、高さ168mm×幅62mm×奥行き60mmと小さなサイズで、重量は430グラム。カラーはマットホワイトとブラックの2色から選べる。また、IP67規格に準拠しており、水深1mまでの場所で30分以内の耐水性を備えている。

スピーカーの操作系は本体の側面片側に配置されており、マイクボタン、ボリュームコントロール、再生 / 一時停止ボタンが備わる。これらはすべて物理ボタンが採用されており、他のSonosのスピーカーに見られるようなタッチセンサー式ではない。外へ持ち出すことを想定したスピーカーとしては、雨や水に濡れてタッチ操作が効かなくなる場合も考慮した、理に適った設計と言えるだろう。

背面には電源ボタンがあり、その隣に充電用のUSB-Cポートも備えている。スピーカーの底面に組み込まれたレシーバーを介して、ワイヤレス充電も可能だ。専用にデザインされたマグネット式充電アダプター(別売り)の他、一般的なQi対応のワイヤレス充電器と組み合わせて使用できる。

Sonos Roamは、Wi-Fiストリーミングに加えて、Bluetooth 5.0であらゆるデバイスと接続することができる。Apple(アップル)製デバイスとWi-Fi接続するためのAirPlay 2にも対応しており、箱から取り出して電源を入れればSpotify Connectにもすぐにつながる。内蔵のバッテリーは、フル充電で最大10時間の再生が可能で、スリープ状態のスタンバイモードでは最大10日間保持される。

デザインと性能

本機はSonosからこれまでに発売されたスピーカーの中で最も小型の製品だが、このカテゴリーのデバイスとしては、その小ささは間違いなく大きなプラス要素だ。全体のサイズはレッドブルの缶を少し高くしたような感じといえば、携行性の高さがおわかりいただけると思う。Sonos初のバッテリー内蔵ポータブルスピーカーだったSonos Move(ソノス・ムーブ)と違って、Roamはバッグに入れて本当にどこにでも持ち運べるように設計されていることが感じられる。

小さなサイズにもかかわらず、Sonos Roamは迫力のあるサウンドを発する。おそらく、このサイズのポータブルスピーカーとしては、筆者がこれまで聞いた中でベストだ。その内部にはデュアルアンプ、ツイーター、そしてSonosが独自開発した楕円形ミッドウーファーが詰め込まれており、通常の小型スピーカーでは得られない低音と中音を忠実に再現する。Roamはそのサイズから予想するよりかなり大きな音を出すことができるが、それと同時に音質はクリアで歪みのない状態を維持する。

Roamの優れた音質を生み出す鍵の1つとなっているのが、Sonosの自動チューニング技術「Trueplay」だ。これは周囲の環境に合わせて音質を積極的かつ継続的に調整する機能で、これを作動させるにはマイクを有効にする必要があるが、ほとんどの設定でオンにしておく価値がある。Wi-FiだけでなくBluetoothでストリーミングする際にも利用でき、サウンドに大きな違いをもたらす。この機能は、スピーカーの向きが水平から垂直に変わったときの調整にも役立つため、このサイズと価格帯の他のスピーカーと比較して、Roamが優れている理由の1つとなっている。

この価格であれば、Roamは音質だけでも勝負できるが、Sonosシステムに特化した機能を追加することで、真のカテゴリーリーダーになることができた。例えばRoamは、自宅システムに接続してSonosアプリ経由のWi-Fiストリーミングに備えた状態のまま、バッテリーを保持するスタンバイモードに移行できる(これは便利だ。電源ボタンを5秒間押し続けると、本当の意味での電源オフになり、さらに長くバッテリー残量を維持できるので、旅行の際などスピーカーを使用しない時にはそうした方がいい)。

Roamの驚くべき機能の1つに、再生 / 一時停止ボタンを長押しすると、聴いていた音楽をシステム内の最寄りのSonosスピーカーに受け渡すハンドオフ機能がある。まるで魔法のようなこの機能は、Roamをポケットに入れて家の中を歩き回ったり、庭で雑用をするときに優れた能力を発揮する。

結論

Sonosは、旅行に適したポータブルスピーカーを初めて発売するまでに長い時間を費やした。しかし、その長い時間を賢く使ったことは明らかだ。Sonos Roamは、200ドル(約2万2000円)以下で購入できるポータブルスピーカーの中で、最も考え抜かれたデザインと豊富な機能、そして最高のサウンドを備えている(さらに、多くのもっと高価な製品と比べても優れている)。たとえ自宅にSonosシステムを持っていなくても、ポータブルで頑丈なBluetoothスピーカーを探しているのであれば、この製品は選ぶ価値がある。もし、あなたがすでにSonosユーザーであるのなら、さらにその価値は増すだろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカースピーカーオーディオSonosAirPlayレビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Apple Fitness+にAriPlayでのキャスティング機能追加、ただし消費カロリーなどは表示されず

Time to Walkを導入した1週間後、Apple(アップル)はそのFitness+の機能を拡大することを目的とした、別のソフトウェアアップデートをリリースした。米国時間2月1日にリリースされたベータ版のwatchOS 7.4とiOS 14.5では、AirPlay対応テレビにワークアウトをストリーミングすることが可能となる。ただし、いくつかの注意点がある。

ユーザーはAppleのサブスクリプションベースのフィットネスアプリのオーディオとビデオを、AirPlay 2対応システムにストリーミングできる。たとえばApple TVを持っていない人や、ホテルの互換性のあるテレビでこのサービスを利用したいと考えているユーザーにとって朗報だ(再び気軽に旅行ができるようになることを祈ろう)。

キャスティングされたFitness+の最大の違いは、メトリクスが画面に表示されないことだ。つまり、達成目標のリングや消費カロリー表示などを失うことになる。これらを確認するには、接続されたApple WatchやiPhone、iPadに頼る必要がある。これは世界の終わりではないが、Fitness+体験の重要な部分だ。Appleはエクササイズアプリを成長させながら、自社のハードウェアエコシステムを奨励し続けたいと考えているに違いない。

Fitness+は新型コロナウイルス(COVID-19)によって、多くの人が自宅でのワークアウトを選択し、ジムの会員権を失効させたAppleにとって最適なタイミングで登場した。一方で多数のワクチンが開発される中、ホームワークアウトの需要がどれだけ持続するのかについても疑問がある。

これらのアプリケーションを維持し継続的に成長させていくには、柔軟性が必要になる。先週、AppleにFitness+について話をしたところ、同社は人々が外出先でもアプリを持ち歩くことを想定していると述べた。これはジムでiPadからFitness+のワークアウトをしたり、バッグに入れて旅行中に使ったりすることを意味する。

この機能は現在、新しいwatchOSとiOSの開発者向けバージョンの一部として利用可能であり、最終バージョンがリリースされた時には一般ユーザーでも利用できるようになるはずだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter