今日(米国時間6/3)、Instagramを開いたユーザーはいつもと違っていることに気づいたかもしれない。昔からフォローしている相手や親しい友だちの投稿が、それよりも新しい他の投稿を押さえてトップに表示されているはずだ。「ベストの写真を最初に表示する」というInstagramの新アルゴリズムがいよいよライブになった。
TechCrunchでは以前からInstagramが表示順を変えようとしていること報じてきた。
3月に Instagramはそれまでの「厳密に投稿時刻の逆順(一番新しい投稿がトップ)」というアルゴリズムを捨てることを発表した。新しいアルゴリズムは「ユーザーと投稿者との関係や投稿のタイムリーさなどを考慮し、ユーザーがコンテンツを気に入る可能性の高さの順」となるとIInstagramは説明した。
この考え方がInstagramの親会社であるFacebookのニュースフィードの表示アルゴリズム」に似ていると考えるなら、それは正しい。だいぶ以前からFacebookは人々がいちばん見たがる投稿は必ずしも最新の投稿ではないことに気づいていた。ある投稿にどれほどの関心が寄せられるかは、それぞれのユーザーの状況によって異なる。
一方、どんな熱心なファンでも1日24時間サイトにへばりついているわけではない―睡眠時間も必要だ。そういうわけでわれわれは親しい友だちの投稿や重要なニュースに関する投稿を見逃しがちになる。海外旅行などで異なる時間帯にいる場合は特にこの傾向が強くなる。
Instagramが木曜日に発表した短い記事によれば、ユーザーは平均してフィードの70%を見ていないという。Instagramは今や月間ユーザー4億人の巨大サービスに成長した。それに伴って投稿される写真やビデオの数も増加しつづけている。そこでさらなる効率化のためにアルゴリズムのアップデートが必要になったわけだ。
Instagramがアルゴリズムの変更を行うことを発表した当初、当然ながらInstagramのプロ・ユーザーやブランドの間には強い懸念が広がった。投稿が以前ほど頻繁にユーザーの目に触れなくなることを恐れて、通知機能を利用するようユーザーに頼むブランドも多かった。
ある意味でこの不安は正しいといえる。もしユーザーがブランドの投稿に興味を示さず、ほとんど見ていなかったとすれば、今後の投稿はフィードのはるか下の方に埋められてしまう。
しかしこれは同時に Instagramの広告ビジネスに好影響を与えるはずだ。
今週Instagramはまさにこの問題を解決するためのビジネス向けの新しいツールを発表した。どんぴしゃのタイミングだ。
このInsightsツールを使うことにより、ブランドはユーザーの性別、年齢、居住地などの人口動態情報や主としてアクセスする時間などのエンゲージメント情報を分析できる。ある投稿の人気が高いと判明すれば、ブランドはアプリ内で数回タップするだけで投稿をInstagram広告に変換することもできる。
すでに報じたとおり、新ツールは数ヶ月以内にまずアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに導入され、今年一杯かけて世界各地に順次展開されるという。
ユーザー向けの新しいアルゴリズムはすでに導入が開始されている。もし読者のInstagramがまだ新しいアルゴリズムを採用していなくても、すぐにそちらに移行することになるだろう。「すぐ」というのはいつ頃かという疑問が生じるが、Instagramの広報によれば、世界のユーザーへのアップデートが完了するには「数ヶ月かか」るという。
〔日本版〕記事中にも既報へのリンクがあるが、Instagramのビジネス向けツールについては6月1日のTechCrunch Japanの翻訳記事を参照。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)