AmazonはScoutと呼ばれる新しいショッピングツールの実験を始めた。CNBCがScoutがAmazonのサイトで実際に作動しているのを最初に発見した。消費者は多数のアイテムからビジュアルな好みによってクリックしていくことでこれまでよりはるかに効率的な選択をすることが可能になるという。
Scout Explorerでは商品画像に「いいね」と「よくないね」を投票できるボタンが付され、機械学習によって検索がパーソナライズされる。消費者はPinterest的にAmazonの商品をブラウズしていくことができる。システムは消費者のクリックによって商品紹介の精度をアップしていくという。
現在Scoutは家具、キッチン、ダイニング、インテリア、パティオ、照明、寝具、婦人靴などの分野をカバーしている。Amazonは今後アパレル、ハンドバッグなどの分野にもサポートを拡大していく計画だ。
今日(米国時間9/19)からAmazon.comで利用できるようになった機能を使えば どんなものが欲しいのか自分でも詳しく分からないようなアイテムを選ぶのが簡単になる。たとえば、衣装箪笥、キルトの掛け布団、デッキチェアなどが欲しいなどという場合、商品のスタイルも数も多いため選択は非常に難しくなる。消費者は好みに合わない多数の商品のサムネールを延々とスクロールし続けることになりがちだ。そこでもっと自分の好みを知っているサイト、
たとえばPinterestやHouzzなどに向かってしまう。
Scoutは消費者がすばやく候補を絞り込めるよう助けるのが狙いだ。
Amazonの広報担当者の説明によれば、Scoutは 「どんなものが欲しいのか分からないが、見ればわかる」と「どんなものが欲しいか分かっているが、その名前が分からない」というよくあるジレンマの解決を目指したものだという。担当者は次のように述べている。
Scoutはショッピングの新しいスタイルだ。ユーザーは何万という掲載商品の中からビジュアルな要素によってすばやく自分の好みのアイテムを見つけることができる。Amazonは豊富な品揃えから消費者に何千もの画像を示すことができる。消費者の投票によりScoutは好みを知り、表示する候補を変更する。このショッピングのイノベーションを可能にしているのは高度な機械学習だ。その結果、快適でインスピレーションに溢れた画像フィードによるショッピング体験が生まれた。ユーザーは多数の候補画像の中をゲーム感覚でクリックしながら進むことにより効率的に自分の好みに合致したアイテムを発見できる。
Amazonが候補の発見と選択にあたっての困難に対処するテクノロジーを開発したのはこれが最初ではない。たとえばInteresting Findsという特設コーナーでは衣服、おもちゃ、ガジェット、トラベル、オフィス、家庭、ペットなどトップ層のいくつかのカテゴリーでキュレーションを試みている。消費者は示された候補画像に対してハートマーク(Amazon版の「いいね」 )をクリックしていくことによりシステムに自分の好みを知らせることができる。システムはこの入力をベースにMy Mixというページを作る。
ただしこのInteresting Findsはセレンディピティー的な、つまり偶然面白いものを発見するという使い方をされる場合が多い。ユーザー個人の好みによってパーソナライズされた検索の実現というところまで行っていなかった。
AmazonはまだScoutについて正式な発表を行っていないが、 ユーザーはショッピングをしているときにいくつかのカテゴリーでScout Style
Explorerというリンクを見るかもしれない。このリンクをクリックすると新しいツールにジャンプすることができる。
Scoutには独自のURLは与えられておらず、Amazon.com内のページとなっている( amazon.com/scout)。
AmazonによればウェブとAmazon Appの双方で有効だという。
〔日本版〕アメリカAmazonにアカウントがあれば実際に試してみることができる。上のリンクも作動するが、トップページからcoffee tableというキーワードで検索し、適当なアイテムをクリックして開くとグレー地に白抜きでScout
Style Explorerのバナーが表示され、Scoutに移動できる。
〔原文へ〕
(滑川海彦@Facebook Google+