テック大手のクローンが続々登場しようとする中、Clubhouseが4326億円の評価額で調達額非公開のシリーズCラウンド実施

話題のソーシャルオーディオアプリClubhouse(クラブハウス)が、評価額40億ドル(約4326億円)と伝えられるシリーズCの資金調達を行った。Clubhouseによれば、今回の新ラウンドは、Andreessen HorowitzのAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏が主導しDST Global、Tiger Global、Elad Gilが参加したという。今回のラウンドが意味するのは、Andreessen HorowitzがシリーズBの資金調達を主導した2021年1月の時点と比較して、Clubhouseの評価額が3倍になったということだ。

今回の資金調達はTwitter(ツイッター)、Spotify(スポティファイ)、Facebook(フェイスブック)、Telegram(テレグラム)、Discord(ディスコード)、そしてLinkedInなどがみなClubhouse同様のライブオーディオストリーミングルーム機能を準備している中で行われた。こうした機能は、Elon Musk(イーロン・マスク)氏やMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏などのライブチャットを開催して注目を集めてきた。実際、Vox(ボックス)は、Facebookが一連の「ソーシャルオーディオ」製品を発表する予定だと報じたばかりだ

しかし、今回のような後期資金調達としては珍しく、Clubhouseは調達額を明らかにしていない。業界関係者によると、このシリーズCの資金調達ラウンドは「マルチステージ」であるため、公式には終了していないからではないかといわれている。あるいは「ホット」なスタートアップ企業によく見られるように、売り込みに向けて会社を「誇大宣伝」しているのかもしれない。Bloombergによると、Twitter社、40億ドル(約4326億円)の評価額でClubhouseを買収する交渉を打ち切ったと報じられている。

今回の資金調達ラウンドは、今週発表されるFacebookのClubhouseクローンに合わせて行われたように見えるものの、ある有力な情報筋によれば「今回の資金調達ラウンドは、この1カ月月半にわたって行われていた」そうで、40億ドルの評価額の「2倍以上」のオファーもあったという。言い換えれば、クラブハウスに80億ドル(約8653億6000万円)以上の価値があると考える投資家が存在するということだ。

これまでのところ、Clubhouseはこのような話題について肯定しておらず、メディアへの直接のコメントも拒んでいる。同社は、米国時間4月18日日曜日の夜に行われた毎週恒例の「タウンホール」チャットの中で、今回の資金調達に関するニュースを公開し、ブログ記事の中では、今回の資金調達がアプリの新たな成長を支えるものであると述べている。

ブログ記事には「2021年、チームの規模を4倍にし、インフラを安定させ、クリエイターの収益化を支援するPayment(ペイメント)のベータ版を開始し、Androidのローンチに向けて準備を進めてきましたが、世界中のより多くの人々にClubhouseを届けるためには、まだまだやるべきことがたくさんあります。この数カ月間、私たちのサーバーが少々苦戦していたことや、当社の小さなチームが最初に構築した初期の発見アルゴリズムを当社の成長が上回っていたことは秘密ではありません」と書かれている。

また「コミュニティに投資し、多様な背景と声を代表する人々と一緒に、こうしたことすべてを構築することが重要なのです」とも述べているが、ここ数日の間に反ユダヤ主義的なオーディオルームがプラットフォーム上で急増した、という問題に悩まされている。これまでClubhouseは、そのアプリ上で過激行動を抑制することができないように見えることを批判されてきた。

週間のアクティブユーザー数が1000万人に達している、誕生1年を迎えたこのプラットフォームは、人々が隔離され、直接会って会話することが難しいパンデミックの中で成長してきた。

米国時間4月16日金曜日に、Clubhouseの調達の詳細を初めて報じたのはテック系ニュースサイトのThe Informationだった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Clubhouse資金調達Andreessen HorowitzTiger Global音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

Capitolisがa16zが主導する約100億円のシリーズCでフィンテックSaaSプラットフォームを実現

投資銀行や商業銀行などの資本市場関係者向けの技術を提供しているCapitolisは、Andreessen Horowitz(a16z)が主導するシリーズCのラウンドで9000万ドル(約100億円)を調達した。

今回の資金調達は既存の投資家であるIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)、S Capital、Spark Capital、SVB Capital、Citi(シティ)、J.P.Morgan(J.P.モルガン)、State Streetが参加しており、Capitolisのこれまでの資金調達総額は1億7000万ドル(約190億円)になる。2019年11月にはSVB CapitalとSpark Capitalが共同で、シリーズBラウンドにて4000万ドル(約44億円)を調達した。

CapitolisのCEOでファウンダーのGil Mandelzis(ギル・マンデルジス)氏によると、2017年の創業以来の同社のミッションは、前回の金融危機ととその後に規制当局が取った「大胆な措置」を受けて、 「資本市場の運営方法を根本的に再考する」 ことだという。

Capitolisは高度なワークフロー技術と独自のアルゴリズムにより、銀行、ヘッジファンド、アセットマネージャーは他の金融機関と連携することで、トレーディングポジションを解消、移動、創出できるという。その結果として資本やクレジットラインが開放され、より多くの資金源から資本にアクセスできるようになると同社は主張している。

Capitolisのネットワークソフトウェアは最終的に、金融機関がバランスシートを最適化し、リスクを低減するのを支援するように設計されている。

Capitolisのウェブサイトによると、現在75の金融機関がCapitolisのプラットフォームを利用している。同社によると収益実行率は2020年に 「6倍」に 増加し、2019年以来でCapitolisのプラットフォームのユーザー数は230%増加した。同社によると、これまでのところ名目総残高で9兆ドル(約1000兆円)を最適化したという。

a16zのパートナーであるAlex Rampell(アレックス・ランペル)氏は、Capitolisが他の金融サービス企業と一線を画しているのは「経営陣の野望の規模の大きさと、彼らが達成した才能、技術、資本のマイルストーンです」だと同社は考えていると述べた。

ニューヨークを拠点とするCapitolisは新たな資本を製品開発、カスタマーサポートおよび営業スタッフの増強に充てる予定だと述べている。また現在は90名の従業員を、年末までに150名以上に増やす予定だ。

Capitolisは現在、外国為替商品と株式スワップを対象としている。ただ顧客の需要があれば、他の分野にも拡大できるとしている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Capitolis資金調達Andreessen Horowitz

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ここ数週間で爆発的な人気のNFTのマーケットプレイスOpenSeaがA16Zから約25億円調達

OpenSeaは、ブロックチェーン上の非代替性トークン(Non-Fungible Token、NFT)の取引にコレクターが殺到する中、ここ数週間で爆発的な人気を集めた数少ないNFTマーケットプレイスの1つだ。新しいスタートアップが毎日出現している一方で、暗号化の初期にローンチされたプラットフォームは、暗号資産やトークンに対する興奮の波が、それ以前のものとは大きく異なっていると捉えている投資家たちから大きな注目を集めている。

米国時間3月18日、OpenSeaはAndreessen Horowitz(A16Z)がリードする2300万ドル(約25億円)のラウンドを完了したことを発表した。参加したのはNaval Ravikant(ネイバル・ラヴィカント)氏やMark Cuban(マーク・キューバン)氏、Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Dylan Field(ディラン・フィールド)氏、Linda Xie(リンダ・シェ)氏といったおなじみのエンジェルたちだ。

OpenSeaは2017年にローンチし、その数カ月後にFounders Fundと数社の仮想通貨関連企業からの200万ドル(約2億2000万円)のラウンドを発表した。当時はEthereumの主な商材といえばCryptoKitties(クリプトキティ)ぐらいで、初期のNFTプロジェクトは、熱心だが何よりも好奇心旺盛なコミュニティに徐々に受け入れられつつあった。

それから5年も経たない2021年の現在、確かにNFTの時代が訪れたようだ。関心の大半は、高額な美術作品のオークションや、NFTに関するElon Musk(イーロン・マスク)氏のツイートに集まっているが、NFTの支持者たちはコンテンツ作成とインターネット上での影響力の経済を大きく揺るがすトークンの未来を見ている。そしてこのブームには、数カ月にもわたる仮想通貨そのものの揺り戻しがともない、EthereumとBitcoinは過去の最高値の数倍にもなった。

デジタルグッズ市場の大きな拡大は、大手ゲーム企業やメディア大手の今後の採用如何にかかっているのかもしれないが、早くからある期待は、デジタルファーストのクリエイターがこれらのマーケットプレイスを利用してファンとダイレクトに結びつき、現在、彼らが依存している大企業プラットフォームをバイパスできることだ。

しかしながら、この技術開発には初期的な問題がいくつかある。今、Ethereumは、それまでのエネルギー集約的な仕事量中心のスタンダードから、もっと効率的な市場価値中心のスタンダードへ移行しようとしているが、現在の構造は効率にはほど遠く、気候変動の問題などをめぐって初期のNFTアーチストたちの嫌気がさしている。暗号トークンの経済主体は、何らかの経済的価値を証明する前に、環境問題を心配しなければならないのか。2021年2月にOpenSeaは、もっと効率の良いTezosベースのNFTのサポートを発表した

OpenSeaのようなマーケットプレイスにとって、さらに雲をつかむような課題は、投機のノイズを切り裂いて前進し、アート作品などを実際に所有するために手に入れるユーザーのマーケットプレイスになっていくことだろう。しかしデジタルグッズそのものの購入に使われているデジタル通貨の成長のペースが、首の骨を折りそうなほどの危険な速さであるため、それも難しい課題だ。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:OpenSea資金調達NFTAndreessen Horowitz

画像クレジット:Diane Keough/Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

カーボンオフセットAPIのPatchがa16zのリードで4.8億円調達したことを正式発表

カーボンオフセットAPIを開発するPatch(パッチ)が450万ドル(約4億8000万円)の資金を負債調達した。同社は企業が自社の炭素排出量を計算し、排出量に見合ったオフセットプロジェクトを見つけて資金提供するのを支援するサービスを販売している。

TechCrunchの既報どおり、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)がラウンドをリードし、既存出資者のVersionOne VenturesMapleVCおよびPale Blue Dot Venturesも参加した。

関連記事:a16zによる次の気候テック投資がカーボンオフセットAPIのPatchになる可能性

PatchのAPIは、社内と消費者向けサービスの両方で使用できる。企業は同社のコードを社内向けサイトのユーザー体験に組み込むことで、社員の出張フライトなどを追跡し、出張による炭素排出を相殺するカーボンクレジットの購入を推奨、管理することができる。

このソフトウェアでは、大気中の二酸化炭素除去を支援するプロジェクトのうち、どこち出資するかを選ぶことができる。出資対象のプロジェクトは、実証済みの森林再生・保存プロジェクトから、直接空気補足・隔離プロジェクトのような早期段階の高度技術まで多岐にわたる。

Patchの共同ファウンダーであるBrennan Spellacy(ブレナン・スペラシー)氏とAaron Grunfeld(アーロン・グランフェルド)氏の2人は、アパート賃貸サービスSonderの元社員で、Patchのカーボンオフセット事業は同社のサービスを利用する企業の脱炭素化の代替手段ではないことをインタビューの中で強調した。むしろ彼らのサービスは、企業が事業運営における化石燃料依存からの脱皮に必要なその他の作業を補完するものだと考えている。

Patchの共同ファウンダー:ブレナン・スペラシー氏とアーロン・グランフェルド氏(画像クレジット:Patch)

Patchは現在11社の二酸化炭素除去プロバイダーと提携しており、第1四半期末までにさらに10社を加える計画だと同社は述べている。例えばプロバイダーの1つであるCarbonCureは、二酸化炭素をコンクリートに注入、固定することで、建造物が存続する限り二酸化炭素を建材の中に埋め込む。

「二酸化炭素除去クレジットは、CarbonCureのようなテクノロジーの普及を劇的に加速する可能性があり、気候変動対策の目標達成にとって極めて重要です。質の高い恒久的なクレジットの需要は急速に高まっており、Patchのリストに載ることで、幅広い顧客を呼ぶことができます」とCarbonCure TechnologiesのJennifer Wagner(ジェニファー・ワグナー)社長が声明で語った。

関連記事:財務の収支報告に加えて未来の企業は炭素収支をと訴えるPersefoniが4億円相当を調達

Patchのサービスを利用している企業はすでに15社ほどある、とTechCrunchは報じている。利用者にはTripActionsの他、未公開株式投資会社のEQTのようにPatchのAPIの利用を自社だけでなく、投資先企業にも拡大する予定の会社もある、とスペラシー氏は語った。

グランフェルド氏は、調達した資金は社員増と新商品開発に使うつもりだと述べた。現在社員は6名で、年末までに24名追加する予定だ。

会社の拡大に合わせて、Patchは炭素排出監視・検証サービスを提供するスタートアップを、同社のAPIを統合して販売するチャンネルにすることを検討している。CarbonChainPersefoni、 あるいはY Combinator卒業生のSINAI Technologiesといった会社のことだ。

関連記事:財務分析を応用して企業の炭素排出量削減を助けるYC卒のSINAI

「ますます多くの企業が、地球温暖化防ぐための排出量削減の取組みでリーダーシップをとっています」とAndreessen HorowitzのマネージングパートナーであるJeff Jordan(ジェフ・ジョーダン)氏はいう。「Patchは、企業が中核事業プロセスに炭素除去を組み込むことをより簡単なものにし、認証済みの炭素除去業社を集め、実装が容易なAPIを通じて企業に簡単に利用できるソリューションを提供しています」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:PatchAndreessen Horowitzカーボンオフセット資金調達

画像クレジット:Christopher Furlong / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nob Takahashi / facebook

a16zによる次の気候テック投資がカーボンオフセットAPIのPatchになる可能性

アーリーステージのカーボンオフセットAPI開発会社のPatch(パッチ)は、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)にとって気候テックへの初期の投資の1つになる可能性がある。

この投資ラウンドについて知る何人かによると、OpenTableの元最高経営責任者であり、現在Andreessen Horowitzのパートナーを務めるJeff Jordan(ジェフ・ジョーダン)氏がこの若い会社の最新の資金調達をリードすることを検討している。

このような投資はPatchにとって勝利だ。ますます混みあってきている分野でAndreessen Horowitzのマーケティング力を享受できる。取引が成立すれば、ベンチャー業界で最も(社会的に)活発な投資家の1つがもっと多くの投資を行う予兆となる可能性がある。

PachamaCloverlyCarbon InterfaceCooler.devなどの企業はすべて、同様のAPIを提供している。必要最小限の労力でオフセットによるカーボンニュートラルを目指す企業が増えるにつれ、この種のサービスの市場は拡大しそうだ。成長する市場は複数のベンチャー投資の勝者を生み出す可能性がある。

Patchの共同創業者とAndreessen Horowitzのいずれも資金調達についてコメントに応じなかった。

Patchのようなサービスに関する懸念の1つは、顧客が事業から排出する二酸化炭素の量を削減するための一歩ではなく、最終的な目的としてオフセットを検討してしまうことだ。気候危機の解決にはさらに多くの仕事が必要になる。

Patchはアパート賃貸サービスのSonderの従業員だったBrennan Spellacy(ブレナン・スペラシー)氏とAaron Grunfeld(アーロン・グランフェルド)氏が創業し、2020年9月にVersionOne Venturesから最初の資金調達を行った。

同社の事業運営に詳しい人々によると、現在約15〜20社がこのサービスを利用している。

同社には、企業のERPシステムと統合することにより排出量を計算できるAPIがある。その後、同量の二酸化炭素を除去するオフセットプロジェクトに資金を投じる。

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Pachamaのようなサービスは森林再生や森林管理などの低コストの除去ソリューションを優先するが、Patchはオフセットのためのさまざまな投資機会を提供する。同社の計画に詳しいある人は、同社が新しい技術のコストを削減するために、より高価で高度な複数のオプションに顧客を誘導しようとしていると述べた。

オフセットを自動化する他のサービスと同様に、Patchはプロジェクトの追加性(すでに確立されたベースラインを超えて除去する炭素量)、永続性(炭素排出量が除去される期間)、検証可能性に基づいてプロジェクトを評価する。

また創業者らが同社のサービスについて声明で述べているように、顧客が展開すべき唯一のソリューションを意図したものではない。

多くの気候モデルは大気から二酸化炭素を除去しながらも、地球規模で排出量を削減する必要があることを示しています」と創業者らはMediumの投稿に書いている。「当社は企業の炭素削減の目標に取り組み、企業は排出量の削減に力を注ぎます。企業の努力には、より専門的な事業運営の知識が必要とされます。Patchが企業の行動の変化を補完します。これは気候変動を軽減する真のチャンスです」。

VersionOneのAngela Tran(アンジェラ・トラン)氏は2020年9月の発表で、Patchのテクノロジーの防御可能性に関する懸念に答えた。

「また、防御可能性には、質の高い供給の集約と『デジタル化』がともなうと考えています。Patchを市場と見なすとき、企業(需要)は排出量を中和するために購入するプロジェクト(供給)の種類に関心があると考えています」とトラン氏は書いている。「たとえば企業は、持続可能性の遺産を林業や鉱化プロジェクトに結びつける選択をする場合があります。Patchは、最高の炭素除去開発会社および最新の負の排出技術を持つ会社と提携し、低コストで影響力のあるプロジェクトのネットワークを構築しています」。

Patchは気候変動にはっきりと特化しているが、Andreessenは持続可能性というテーマに幅広く、アーリーステージの投資を複数行っている。2020年はSiloへの900万ドル(約9億5000万円)の投資をリードし、2019年にはKoBold Metalsに投資した。

Siloは生鮮食品のサプライチェーン向けにエンタープライズリソースプランニングツールを開発した。現在、卸売農産物に特化する同社は2020年の声明で、来年には肉、乳製品、パントリー製品にサービスを拡大すると述べた。

「Siloのようなイノベーターが廃棄物を削減し、マージンを改善する市場の可能性は非常に大きい。私たちは米国で食品流通の記録システムとしての取り組みをサポートできることをうれしく思います」とAndreessen HorowitzのゼネラルパートナーであるAnish Acharya(アニッシュ・アチャリヤ)氏は当時の声明で述べた。「Siloは西海岸を越えて拡張する潜在力があります。より多くの顧客がペンと紙からソフトウェアへと業務を最新化し、移行できるよう支援します」。

一方KoBoldは、機械学習とビッグデータ処理技術により、企業が新しいバッテリーと再生可能エネルギー生成技術を開発するために必要とする貴金属の新しい分野を開拓するソフトウェア開発者だ。

「KoBoldのソフトウェアは、コンピュータービジョン、機械学習および現在業界では利用できない高度なデータ分析により(ゼロからフルスタックで)デジタルプロスペクティングエンジンを開発することにより、これまで利用できなかったダークデータを従来の地球化学的、地球物理学的、地質学的データと組み合わせます。他のデータネットワーク効果と同様に、時間の経過とともに良くなるモデルにおいて見通しを示します」と、当時のブログ投稿でConnie Chan(コニー・チャン)氏は書いている。

以上を踏まえると、Andreessen Horowitzとその運用資産165億ドル(約1兆7300億円)のプールが再生可能エネルギー業界にどのようにアプローチするかがわかる。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:PatchAndreessen Horowitzカーボンオフセット投資

画像クレジット:Luke Sharrett/Bloomberg / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

VC会社a16zが2つのファンドをクローズ、管理資産は計1.7兆円兆に

Andreessen Horowitz(a16z、アンドリーセン・ホロウィッツ)は計45億ドル(約4670億円)になる2つのファンドをクローズした、と米国時間11月20日朝のブログ投稿で明らかにした。同社はコンシューマー、企業、フィンテックにフォーカスしたアーリーステージファンド向けに13億ドル(約1350億円)を調達した。そしてレイターステージ投資のために32億ドル(約3320億円)のグロースステージファンドをクローズした。同社はコメントの求めには応じなかった。

2つのファンドは、同社が近年調達してきた新規ファンドのサイズを考えると典型的なもののように思える。それでもa16zがわずか11年前に設立され、メンロパークとサンフランシスコにオフィスを構えていることを考えると、これらのファンドの額は並外れたものだ。

並外れているといえば、同社が管理する資産は今回のファンドにより165億ドル(約1兆7130億円)になる。

a16zが直近のファンド2つをクローズしたのはわずか20カ月前のことだ。20億ドル(約2080億円)のレイトステージファンド、そして7億4000万ドル(約770億円)のフラッグシップアーリーステージファンドだ。

同社はまたこれとは別に、仮想通貨にフォーカスした5億1500万ドル(約535億円)のファンドを2020年4月に発表した。この手のものとしては2つめのビークルになる。また2月には3つめのバイオテック・ヘルスケア投資ファンドを開始し、支払い確約額7億5000万ドル(約780億円)でクローズした。

1年で扱う資本としてはかなりの額だ。同社のリミテッドパートナーがポートフォリオについて楽観的だった理由がある。例えば1月には、a16zが2018年後半のシリーズCラウンドに加わったフィンテック企業のPlaid(プレイド)は、計3億1000万ドル(約320億円)を調達した後に、53億ドル(約5500億円)でVisa(ビザ)に買収された。

司法省は最近、独禁法の観点からこのディールを阻止しようと提訴したが、このディールが反故になったとしても業界観測筋はPlaidの展望を好意的にみている。

a16zはまた、間もなく上場するAirbnbの投資家でもあるが、AirbnbのS-1によるとa16zは2011年にAirbnbのシリーズBラウンドをリードし、a16zのゼネラルパートナーであるJeff Jordan(ジェフ・ジョーダン)氏がAirbnbの役員を務め、結果として同社の株式所有を示す必要がると考えられるにもかかわらず、S-1書類に記載されるほどa16zの持分は十分でない。

TechCrunchはa16zが持分の一部あるいはすべてを2020年始めに売却する可能性があるか尋ねたが、いまだ返事は得られていない。

a16zのポートフォリオにある別の企業、現金払い主義の貸付会社Affirm(アファーム)も上場申請した。a16zはAffirmの2015年のシリーズBラウンドで初めて参加した。AffirmのS-1書類にもa16zは記載されていない。つまり持分は5%以下であることを意味する。

そしてa16zはゲーム会社Roblox(ロブロックス)の投資家で、2020年初めの1億5000万ドル(約156億円)のシリーズGラウンドをリードした。Robloxは今週初めにS-1を提出したが、ここにもa16zの名はない。

アーリーステージ部門では、ボイスチャットアプリClubhouse (クラブハウス)の1億ドル(約104億円)のバリュエーション、Y Combinator卒業生Trove(トローヴ)の7500万ドル(約78億円)のバリュエーションなど、a16zは派手な取引でよく知られている。

a16zは直近ではまた、過小評価されている創業者たちに投資するためにドナーアドバイズドファンド(助成先の分野を指定して資金を出す制度)を使っているTxOアクセラレーターを立ち上げた。a16zのパートナーNait Jones(ナイト・ジョーンズ)氏が率いるTxOは最初のグループの7社にそれぞれ10万ドル(約1040万円)を投資し、7%の持ち株を得た。

ドナーアドバイズドファンドは最初の取り組みで220万ドル(約2億3000万円)を立ち上げ、Ben Horowitz(ベン・ホロウィッツ)氏とFelicia Horowitz(フェリシア・ホロウィッツ)氏は最大500万ドル(約5億2000万円)とすると発表した。このファンドの企業からのリターンは投資ビークルに再利用される見込みだ。a16zはファンドの総規模については明かさなかった。

a16zは現在185人を雇用し、直近ではニューヨーク証券取引所の最高規則責任者だったAnthony Albanese(アンソニー・アルバネーゼ)氏を仮想通貨チームのパートナーとして採用した。

a16zのこれまでで最大の成功の1つは、GitHub(ギットハブ)のようだ。GitHubは2018年に75億ドル(約7790億円)の全株取引でMicrosoft(マイクロソフト)に売却された。報道によるとこのディールでa16zは10億ドル(約1040億円)超を手に入れた。a16zがGitHubに投資した際、その額は当時のa16zがそれまでに発行した小切手の中では最高の1億ドル(約104億円)だった。Benchmark(ベンチマーク)などとの厳しい競争でディールを獲得するには十分なものだった。ゼネラルパートナーのPeter Fenton(ピーター・フェントン)氏が最近述べたように、Benchmarkもまた当時GitHubにいい寄ろうとしていた。

a16zは仮想通貨取引のCoinbase(コインベース)の初期投資家だ。Coinbaseは直近では投資家に80億ドル(約8300億円)と評価され、来年初めにもIPOを検討していると報道されている。加えて、a16zは人気の投資アプリRobinhood(ロビンフッド)にも出資している。Robinhoodは9月に117億ドル(約1兆2000億円)と評価された。

Robinhoodも近い将来IPOを検討するといわれている。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Andreessen Horowitz

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(翻訳:Mizoguchi