新MacBook Proから他の端末とつなぐのに必要なポートのほとんどが消えた

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Appleはものすごく薄くて、ピカピカのMacBook Proを発表した。しかしMacBook Proがそもそも誕生した目的を果たすため、広く普及した標準規格は姿を消すこととなった。

AppleからMacBook ProからMagSafe 2の充電ポートを取り除いた。HDMIポートもSDカードスロットも葬り去った。Thunderbolt 2ポート(これは多分3回くらいしか使ったことがないだろう)も消えた。そして最も顕著な変更は、標準USBポートが消えたことだ。これらのポートはデータ転送と接続した端末の充電に使うものだが、4つのThunderbolt 3/USB-Cポートに置き換わった。にも関わらず、新モデルにはヘッドフォンジャックの姿があることにAppleの会見にいた観衆は驚いた。

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2014 MacBook Pro

コンシューマーが必要とする接続ポートをなくしていくAppleに文句を言うのも疲れてきた。過去にAppleが消したポートの多くは理にかなっていた。たいていは、Appleのみが活用する標準規格が引退するときにポートがなくなった。例えば、FirewireやThuderbolt 2だ。しかし、新iPhone 7からヘッドフォンジャックをなくしたり、新MacBookでUSBをなくすのは、ユーザーの不満を高める施策だ。手持ちの端末をパソコンにつなげるのにドングルが必要になることにユーザーはまだ準備できていない。

それでもヘッドフォンジャックがなくなった時、Appleはほとんどのヘッドフォンメーカーは近い内にBluetoothを搭載したワイヤレスヘッドフォンを制作するようになると、先を見据えていると主張することができた。だが今回の場合、人々が持つ各種ポートのニーズを認識しつつも、コンシューマーがそれを使うのに別個のアクセサリーを買うことになろうとも構わない姿勢だ。

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MacBook Proの側面にあるUSB-C/Thunderbolt 3は、コンパクトなデザインでより早い転送速度を実現する未来の形なのだろう。USB-CとThunderbolt 3は物理的に同じポートだが、異なる接続規格だ。重要なのは、通常のMacBookのポートはUSB-Cにしか対応していないが、MacBook Proのポートはどちらの規格にも対応していることだ。

権力者のこのような正当化の理由にMacBookの購入者は少し不満に思うかもしれない。Appleは同じ理由でThunderbolt 2のポートの場所をMacBookに設けたが、結局のところハイエンドの周辺機器メーカーしかこの規格を採用しなかった。しかし、今回の場合、USB-C/Thunderbolt 3革命を進めているのはAppleだけではないので、別の結果が見込めるかもしれない。

かといってApple製品を含め、たくさんの端末を持つコンシューマーにとって便利になるということではない。彼らが端末を「プロフェッショナル」なコンピューターに接続するのに、ドングルが必要となる。

新MacBookのUSB-Cポート擁護派ユーザーの言い分は、ポートの利用頻度だ。AirdropやDropboxが普及した時代で、どれだけ端末をラップトップに接続する必要があるだろうか?しかし、そう主張するなら、なぜMacBook Proには4つもポートがあるのだろう。それは、Proが「パワーユーザー」向けだからだ。

精巧な新Touch BarでFinal Cut XやLogicを使い、コンテンツを編集するパワーユーザーの中で、コンテンツの制作の部分ですぐにはUSB-Cに対応しないだろう既存の周辺機器を利用する人はどのくらいいると考えているのだろうか?

ポートはプロに訴求するための装飾ではない。ポートは旅行中であっても新しいツールをつないで試す自由をコンシューマーに与えるのに必要不可欠なものだ。どのくらいの映画監督が自分のプロジェクトを見せる時、プロジェクターのHDMIと接続するドングルを誰か持っていないかと尋ねなければならないのだろう?MacBook ProからSDカードスロットがなくなって、対応しているカードリーダーを持っていないと気づく写真家は何人いるだろう?25ドルの新コードがなければ、自分のiPhoneですらAppleのフラグシップ・ラップトップにつなぐことができない。

この不便さはThunderbolt 3/USB-Cが広く採用されることで徐々に収まるかもしれない。しかし、それまでは数種のデバイスしかこの規格に対応していないのは非常に煩わしい。Appleが次のMacBookのアップデートを出すのは数年後になるだろう。それまでにUSB Type-A、HDMIポート、SDカードがほとんど使われなくなるとも考えにくい。

古いテクノロジーを撤廃し新規格を採用するAppleの姿勢は傲慢だと批判されてきた。Appleはそういった批判を「勇気」であるとすり替えている。これまでAppleは通常の規格と新たな接続規格を統合する手法が多かったが、今回は違う。Apple製品は急速に接続規格以上に薄くなるため、コンシューマーが必要なものまでも撤廃している。Appleの理念は接続規格そのものが、コンシューマーにとって根本的に不便なものと定義しているかのようだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

13インチMacBook Airはまだ生きている

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驚いた。MacBook Airはまだ生きていた! この新しいMacBook Airは、Appleの新たな低価格ノートパソコンだ。12インチRetina MacBookがMacBook Airに取って代る、と誰もが思っていたがそうはならなかった。Appleは発表イベントの終了直後にウェブサイトを更新した。11インチMacBook Airは永遠に消えた(R.I.P.)が、13インチMacBook Airにはマイナーな改訂が施された ― RAMの追加だ。

「MacBook Airの13インチモデルは引き続き当社の製品ラインに残る」とマーケティング担当上級副社長のPhil Schillerが壇上で語り、MacBook Airの状況について他には何も話さなかった。その時の様子がこれだ:

今日まで13インチMacBook Airは、RAM 4GB、1.6GHz Core i5プロセッサー塔載で、999ドルからだった。新しいMacBook Airも同じプロセッサーで999ドルから ― ただし、RAMは8GBになった。他のスペックは変わっていないようだ(128GB SSDストレージ、バッテリー寿命12時間等)。

従来の1199ドルモデルも8GB RAMで同じプロセッサーだが、ストレージは256GBになった。つまり、お手頃価格のパソコンが欲しかった人にとっては、新しい999ドル機が少しパワフルになったことになる。

MacBook Airが消えゆく運命にあることは明らかだ。しかし、最低価格の13インチMacBook Proや12インチRetina MacBookは多くの人にとってまだ高価すぎる。だからAppleは、13インチMacBook Airに生命維持装置を付け、他のノートを1000ドル以下にできるまでの間生かし続けることにしたのだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新MacBook Pro登場―ミニスクリーンはTouch Barだった

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われわれは新しいMacBook Proを待ちこがれていた。AppleがMacebookのハイエンド・モデルを全面的にリニューアルしたのはなんと4年も前になる。その4年の間に、いってみれば製品のヒンジにはガタが来て、ディスプレイの魅力も薄れてきていた。

2012年以來の長い4年間だったが、ついに新モデルが発表されるときとなった。さきほど(米国時間10/27)、クパティーノのApple本社で開催された招待オンリーのイベントでティム・クックがステージに立ち、このところAppleが開発に全力を挙げてきた製品を紹介した。

最初のノートパソコン(PowerBook)から25周年を迎えた後、Appleの最初のメジャー・リリースとなるのがこのMacbook Proだ。セールスポイントは、リーク情報のとおり、キーボードとディスプレイの間に設置されたリボン状のミニスクリーンだった。

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Appleは新しいミニスクリーンをTouch Barと名付けた(Magic ToolBarファンには申し訳ない)、 新しいミニRetinaディスプレイは現行のファンクションキー列を代替する。ミニ・マルチタッチ・スクリーンはタップだけでなくジェスチャーをサポートし、多様な機能を備える。ユーザーが立ち上げているアプリや現に実行している操作に応じてこのスクリーンは入力候補、利用可能なツールなどを表示できる。

Appleはいくつかのセットでミニスクリーンの多機能性をデモした(当面ミニスクリーンのサポートはApple自身のソフトが主となっているようだ)。たとえば写真アプリを開くと、クロップ、傾き修正など多数のツールが表示される。ビデオ編集の場合は、タイムスケールが表示され、左右にスワイプすることで編集点を前後に動かせる。

新Macebook ProにはもちろんSiriがビルトインされているもようだ。Appleの誇るフレンドリーなAIアシスタントを呼び出すボタンが標準で表示される。またiPhoneと違って、ヘッドフォン・ジャックがちゃんと1個装備されている(安心していただきたい)のと同様、ファンクションキーの機能も完全に削除されたわけではない。ミニスクリーンにファンクションキー列を表示するボタンも用意されている。

ユーザーは簡単にミニスクリーンをカスタマイズできる。画面の下部からポップアップする通知センター的な画面に各種の機能が表示され、ユーザーは必要な機能を選んでミニスクリーンに登録できる。ミニスクリーン右端にはTouchIDセンサーが設けられ、Appleの新しいT1チップがセキュリティーを守る。

Appleによれば、今回の製品はProとして最薄、最軽量だという。17インチ・モデルでも厚さはわずか14.9mmだ。15インチ・モデルは4ポンド(1.8kg)で、最小の13インチ・モデルは3.5ポンド(1.6kg)だ。

長い待ち時間を反映してハードウェアは全般的に強化されている。15インチ版のディスプレイは現行製品に比べて輝度、コントラストとも67%アップし、彩度も4分の1向上しているという。スピーカーもまた改良された。

CPUはIntel Core i5またはi7で、Appleによれば、新しい冷却システムのおかげで、騒音、過熱とも軽減されたという(現行製品ではこの問題がしきりに指摘されていた)。またグラフィックスのパフォーマンス改良され、スピードが130%速くなった(これも15インチ版)。

さらに取材中…



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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+