1年前に、3800万ドル(約41億円)のシリーズBの資金を調達したBladeは、オンデマンドの航空サービスを提供するスタートアップ。ベイエリアのエリートを対象にタクシー事業を始めた。
Bladeは、新しい試験的なプログラムとして、サンフランシスコとシリコンバレー周辺の200人限定で、同社のモバイルアプリを配布した。それを使ってヘリコプター、プライベートジェット、さらには水陸両用機までも、直前の予約で利用できる。料金は一人200ドル(約2万2000円)からだ。
Bladeは、ベンチャーキャピタルのLerer Hippeau、Airbus(エアバス)、元Google CEOのEric Schmidt氏などからの支援を受けている。現在は、自らの本社があるニューヨーク市周辺で旅客を運んでいる。Hamptonsへの贅沢な800ドル(9万円弱)のフライトをはじめとして、さまざまな価格帯で航路を提供している。Business Insiderによれば、過去にはUberと協力して、交通の便が悪いカリフォルニア州のCoachellaの乗客のために、Van Nuys空港とPalm Springsの間を運行していた。6人乗りのヘリコプターをチャーターすると、料金は1回の飛行あたり4000ドル(約44万円)以上かかっていた。
その最新の試行プログラムは、ビジネス旅行者をターゲットにして、サンフランシスコ国際空港やオークランド国際空港から、Palo Alto、San Jose、Monterey、そしてNapa Valleyへの便を提供する。目標としているのは、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの主要都市で、交通渋滞のために耐え難いほど長くなる移動時間を短縮すること。さらにこのスタートアップは、最近アメリカン航空と提携して、ヘリコプターのネットワークをうまく構築することに成功した。これは、既存の交通インフラとの統合に取り組んでいる同社にとって、大きな1歩となった。
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— Tyler Babin (@Tyler_Babin) March 11, 2019
Bladeを率いる創立者で最高経営責任者でもあるRob Wiesenthal氏は、元Warner Music Groupの幹部だった。これまでに約5000万ドル(約55億円)のベンチャーキャピタル資金を調達している。最初から大きな規模で立ち上げ、最終的には、もはやほぼ公共交通機関のようになったUberのような大企業と競合するためには、さらに多くの投資を呼び込む必要があるだろう。
そのUberも、一般向けの航空機相乗りビジネスを開拓するという崇高な計画を持っている。他にも、同様の計画を持った個人出資のスタートアップが何社かある。Uberは早ければ2023年にも、UberAIRと呼ぶ短距離の相乗りフライトを通勤用に提供する予定だ。同社は、すでに数十億ドルを調達して、このSF的な構想を現実のものにしようとしている。
他にはKitty Hawkもある。元Google副社長で、Udacityの共同創立者でもあるSebastian Thrun氏によって立ち上げられた会社だ。ヘリコプターのように離陸し、飛行機のように飛ぶことのできる、短距離用の都市交通手段として使える航空機を開発している。エアタクシーや、垂直離着陸機の分野では、Volocopter、Lilium、Joby Aviationといった会社もある。すでに何千万ドルもの資金を調達し、交通渋滞を解消することを、あるいは富裕層を焚きつけることを目指している。
Bladeが次に狙いを定めているのはインドだ、とFinancial Times紙が報じている。そこで、MubaiのダウンタウンとPuneの間で旅行者に移動手段を提供するプログラムを試行する。同社はTechCrunchに対し、現在米国内で1つ、米国外でも1つ、試行プログラムを検討中だと明かした。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)