BMWの次世代電動コンセプトカーには特製のサウンドトラックがついている

【抄訳】

6月25日にデビューした「Vision M NEXT」は、BMWの電動コンセプトカーで、ショウルームに登場するとしてもそれはまだかなり先だ。でもそのサウンドは、有名な映画音楽作曲家Hans Zimmer氏とBMW Groupの音響技師でサウンドデザイナーのRenzo Vitale氏が作り、同社の次の車に搭載される予定だ。

たしかに、電動車は無音だ。それらは、内燃機関を載せた車のような音を出す必要がない。このコンセプトカーも、それは同じだ。でも今回わざわざ作ったサウンドは、無音の電動車の楽しいおまけ機能として、ドライバーが有効/無効に設定できる。

今月の初めにBMWはZimmer氏を起用してVision M NEXTと、可能ならばその次の世代の電動車のサウンドの制作を委託した。でもそのとき発表されたビデオはノイズが多くて、バックグラウンドの音楽はよく聞こえなかった。

BMWはその後Webページを作ったので、この未来的な車を近くで見ることができる。無料のSTLファイルが提供されているので、この車の縮小バージョンを3Dプリントすることもできる。壁紙もダウンロードできる。そして、Zimmer氏がVision M NEXTのために作ったサウンドも聴ける。

下のビデオで聴けるサウンドは、加速されたVision M NEXTが「Boost+ Mode」モードに入ったときに鳴る音だ。

最初は、映画館で上映前に鳴るTHXの音みたいだが、加速を表す音に変わっていく。音のピッチがだんだん高くなってスピード感を感じさせる。

Blade Runnerを思い出してしまう。なかなか、よろしい。

【後略】

画像クレジット: BMW

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ブレードランナー2049、公開近づく――オリジナルを超えないがやはり気に入った

続編を必要としない映画ということならブレードランナーはその筆頭だろう。

だいいち続編はあのロサンゼルスをどうやって描写したらいいのか? なるほど現実のLAは2019年になっても無数の飛行車が飛び回ったり巨大な日本語の電光広告が壁面を彩ったりすることはなさそうだ。しかし今でもブレードランナーのオリジナルは暗くシリアスなSF映画の教科書となっている。

さらに重要なことだが、オリジナルのエンディングは両義性の典型だった(少なくともリドリー・スコット版やファイナルカット版はそうだ)。

それでも今週末に公開されるブレードランナー2049は続編が陥りがちな罠を巧みに避けた作品になっている〔日本での公開は10/27〕。ブレードランナー2049はオリジナルと同様、それ自身で完結した物語となっており、シリーズ化といった方向に動く要素はない。
また安易な謎解きもしていない。オリジナルのエンディングが両義的であったのとまったく同じように2049のエンディングも両義的だ。【略】

ブレードランナー2049でもオリジナルと同様に人々はレプリカントについて「人間の魂を持っていない」として劣等性を叫ぶ。しかしそれがレプリカントの奴隷化を正当化するためのウソであることがオリジナルの場合よりもさらにはっきりと感じられる。

2049のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はロサンゼルス市そのものより、市外の光景を創造することにいっそう興味を惹かれたようだ。市外はオリジナルでも存在が暗示されていたが、実際には描写されていない。新ブレードランナーではほとんど無人で環境破壊により荒廃した広大な風景が写し出される。皮肉なことにブレードランナー2049はオリジナルよりもフィリップ・K・ディックの原作、『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』 に近い雰囲気だ。

ここまで私はストーリーにも登場人物にもほとんど触れてこなかった。これは映画を配給するワーナー・ブラザーズがレビュアーに対してネタバレをしないよう強く注意を喚起しているからだが、ライアン・ゴズリングのブレードランナーがオリジナルのエンディング以来市外に隠れ住んでたハリソン・フォードのリック・デッカードを探しに行くということは紹介しておいてもいいだろう。

ゴズリングは新しい主役にふさわしい演技をみせた。寡黙さ、有能さ、突き放した態度のミックスはドライブの主人公に通じるものがあるが、この映画ではさらに突然の暴力と怒りのシーンがさらに多くなっている。ハリソン・フォードは2049でもスターウォーズの新作で帰ってきたときの「気難しい老人」のイメージからそう遠くない。しかしフォードの感情表現はさすがだ。

この映画は全体として静かに進行する。ビジュアルの美しさを鑑賞するのに十分な上映時間がある(163分!)。もしかするといささか静かすぎ、いささか長過ぎるかもしれない。しかし私は美しく物悲しいSF映画の大ファンだ。ただしオリジナルのエンディングでのデッカードとレプリカントのリーダー、バティーとの対決は映画史に記憶される瞬間だと思うが、2049はそこまでは到達していないようだ。

私は感情を揺さぶられるという以上に映画の出来栄えに感心した(こればヴィルヌーブ監督の前作『メッセージ』にも言えることだ)。ブレードランナーのオリジナルは続編を必要としないという考えは変わっていないし、続編のインパクトはオリジナルには及ばないだろう。

それでもこれは良く考えぬかれた素晴らしいSF映画だ。もちろん料金を払って見る価値は十分にある。

〔日本版〕日本での公開は10月27日(金)から。公式サイトには「オリジナルとの間に何があったのか?」という疑問を埋める渡辺信一郎監督によるアニメが掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「ブレードランナー2049」の最新予告編が公開

Blade Runner 2049の新しい予告編をまだ見ていない人は、見れば来るべきこの新作映画がますます楽しみになるだろう。私はこのブレードランナーの続編について、製作中であるということ以外ほとんど知識がなかった。

この予告編でライアン・ゴズリングとハリソン・フォードが憂鬱な未来について語り合うのを見て私は驚いた。リドリー・スコットのオリジナル版と同じく、この映画の醸し出す雰囲気は他のSF映画とはかなり違っている。

私は今も、ネオンサインと霧に包まれたブレードランナーの象徴的シーンを思い出す。数回しか見たことはないのだが。この続編もまた記憶に残るシーンをいくつか生み出してくれることを願っている。

ブレードランナーは父親世代に人気の映画のひとつだが、私の年代の人たちはあまり気にかけていないようだ。1982年の初公開以来目立ったことは起きていない。だから私はこの新作映画が、若い人たちにあのSFの名作を振り返らせることを期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

『ブレードランナー 2049』予告編ついに公開―ゴズリングがフォードと対決する

映画『ブレードランナー』の続編の公開が次第に近づいている。いよいよ公式予告編の発表となった。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作は今やSF映画の古典となった1982年製作のオリジナルの雰囲気をよく再現しているようだ。加えてライアン・ゴズリングとハリソン・フォードの対決も見られる。

『ブレードランナー 2049』(Blade Runner 2049)のアメリカ公開は2017年10月6日が予定されており、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、ロビン・ライト、ジャレッド・レトらが出演する。舞台はオリジナルが描いた事件が起きた30年後。ゴズリングが演じるブレードランナーがハリソン・フォードを追って長く隠されていた謎に挑む。

オリジナル作品は強い実存的不安をかき立てるエンディングだった。続編がこの点をどう扱っているのか興味がもたれるところだ(予告編ではまったく見当がつかない)。そもそも続編がこれに答えるような映画になるのかどうかも含めてわからないことだらけだ。しかし一瞬ではあるものの、予告編に映るシーンから察すると、われわれの期待を裏切らない作品になっていそうな予感がする。

〔日本版〕製作者、出演者以外の内容についての情報はまだ非常に少ないが、日本での公開は2017年11月予定という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+