成層圏上の気球からインターネット接続を提供するLoon、初めての商用化をケニアで

Googe(グーグル)の親会社Alphabet傘下のLoonは、遠いへき地などに高高度からのブロードバンド接続を提供する。同社はこのほど、その気球の初めての商用バージョンを、2週間前にケニア政府から得られた承認により、ケニアの人びとのインターネット接続のためにローンチした。気球は目下テスト中だが、その結果を待ちながら数週間後には本番のサービスを開始する予定だ。

Loonはケニアの通信企業Telkom Kenyaとパートナーして、同社の契約ユーザーにサービスを提供する。気球は地球の成層圏の高度およそ2万メートルを飛び、地上局のセルタワーも通信衛星も利用できない遠隔地に、安定性の良い高速インターネット接続を提供する。

LoonのCTO Sal Candido(サル・カンディド)氏が書いたMediumの記事によると、気球はプエルトリコまたはネバダ州から離陸し、長い旅をしてケニアのサービス供用地域へ向かう。気球は気流に乗って最終目的地へ向かうが、それは成層圏風に運ばれる最高速のルートなので、かなり回りくどい旅路になる。具体的なルートは、Loonの自動ナビゲーションソフトウェアが決める。

ケニアに到着したら、機械学習を利用するその同じアルゴリズムが、ターゲット圏域の比較的安定性の良い場所に気球を定置させる。気球は上下に動いて異なる気流を捉え、固定された地理的領域の中で気球はそんな短い旅を繰り返しながら、地上の顧客への24時間の高速安定サービスを提供する。

ただし顧客が気球に直接アクセスするのではなく、パートナーのTelkomのセルネットワークからその接続サービスを利用する。それに対しTelkomは当然ながら課金をするため、アフリカのインターネットアクセス性スタートアップBRCKなどは、それが障碍になる人びともいる、と懸念している。でも、やっと初めて商用化にこぎつけたわけだからLoonにとっては重要なマイルストーンであり、今後デプロイの仕方をもっと多様化していけば、さまざまなビジネスモデルが可能になるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マーク・ザッカーバーグのアフリカ訪問は、同大陸の技術的関心の高まりを反映している

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【編集部注】著者のJake Brightはニューヨーク在住のライターである。共著書にThe Next Africaがある。

ナイジェリアの首都ラゴスで技術者との突然のミーティングを終えて、マーク・ザッカーバーグはこの木曜日ケニアに向かった。そこでFacebookのCEOはiHubイノベーションスペースを訪問し、BRCKモバイルWi-Fiデバイスを見たあと、ケニアのICT担当官Joseph Mucheruと昼食を食べて、技術リーダーのJuliana RotichとErik Hersmanに会った。

ラゴス訪問同様、この訪問も事前の発表はなされていない。「元々はFacebookのIme Archibongが来ると聞かされていました」とHersman(iHubの共同創設者)は語った。「しかし、私たちは最後の瞬間までマークの訪問については知りませんでした」。ArchibongはFacebookの戦略的提携ディレクター(Strategic Partnerships Director)だ。

ザッカーバーグの最初のケニア訪問では、正式なビジネスのコミットメントは(FacebookからTechCrunchへの回答によれば)何も計画されていないものの、Hersmanはそれがおそらく何かの先触れになると思っている。

「ね。このナイジェリアとケニアでのミーティングが、皆のための大した宣伝になっていますよ」と彼は語る。「とはいえ、私が観察したやりとりからは…Facebookのチームとこちらの技術コミュニティの様々な人たちの間のやりとりということですが、私は実際の活動がほどなく始まるのではないかと思います」。

ザッカーバーグが、最近になってやっとグローバルな技術ニュースに載るようになったばかりのナイジェリアを訪問することは、あまり予想されていなかったが、一方ケニアの方はそれほど意外なものではなかった。

4400万人を擁する東アフリカの同国は、デジタル金融、技術インキュベーション、そしてBRCKUshahidi crowdsourcingプラットホームのようなローカルなITイノベーションによって、「シリコンサバンナ」との異名を受け、大陸の非公式な技術首都となっている。

地域電話会社SafaricomのM-Pesaモバイルマネープロダクトは世界的に認知されている
同社はそのモバイルインフラストラクチャーを多くのデジタルプロダクトの革新に使ってきた、例えば太陽発電(M-Kopa)、オンラインTV、そして最近起業したM-Pesaに統合されたride-hailアプリ(Little:Uberの競合である)などである。

ICT担当局を設立したケニアは、その技術エコシステムを支援することに関してもっとも先行している政府の1つである。そして最近のGSMAの調査によれば、iHubは大陸内で300以上のイノベーションスペースを数えるアフリカの技術インキュベーター運動に拍車をかける支援をしている。

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技術的観点からは、ナイロビを訪問したザッカーバーグの決定は、比較的素直なものである。彼が着目した2つのイニシアティブは、BRCKベンチャーとデジタルプロトタイピングを行うスタートアップGearboxだった。どちらもErik HersmanとJuliana Rotichが設立したiHubインフラストラクチャから生まれたものだ。BRCKはローカルな貧弱なネット接続性と電源事情に起因するITチャレンジに応えるための開発された。

(おおよそ実際のれんが大の)ソーラー充電式のBRCK Wi-Fiプロダクトは、他の機器への充電や、3Gや4Gの回線を使って20台までのインターネット接続を提供する。現在は60以上の国に出荷されている。Hersmanは、小学校の児童のためのBRCKの教育用タブレットを示しながら「彼は次世代のBRCKデバイスのデモを見て、そして私たちのKioデバイスにかなり興味をそそられたようです」と語った。

ザッカーバーグはまた、Gearboxの支援を受けたStrauss太陽エネルギーパネルPayGo Energyホームクッキングプロダクトを見学した。Hersmanは、PayGoのプロダクトがケニア国民に、携帯電話とM-Pesaモバイルペイメントを使った分割払いを許していることを指摘しながら「彼は本当にM-Pesaの他のサービスへの統合に興味を持っていました」と語った。

KIO.TABLET

ザッカーバーグのナイジェリアとケニア訪問はFacebookのアフリカにおける存在感の拡大と、大陸の成長著しいデジタルプロフィールに符合する。広報担当者のSally Aldousによれば、Facebookはサハラ砂漠以南の地帯に8400万、南アフリカに1400万、ケニアに570万のユーザーを抱えている。

以前報告されたように、アフリカにおけるFacebookの利用は、オンライン広告マーケットへの刺激を始めている。大陸のデジタル商取引と歩調を合わせて2025年迄には750億ドルの規模になることが予想されている。

Facebookは、その最初のアフリカオフィスを2015年に南アフリカに開き、OgilvyとMatherを広告エグゼクティブに、Nunu Ntshingilaをアフリカ全土の責任者に指名した。ケニアでは、同社はiHubのイベントとワークショップに金銭的援助を提供した(Erik Hersmanに確認した)。

ケニアはまた、FacebookのInternet.orgによるFree Basics適用国の1つである。Free BasicsはAirtelの利用者にモバイルを介したインターネットアクセスを限定して提供するプログラムだ。Facebookによる、より多くのアフリカ人をインターネットにつなぐという約束は、木曜日に少々後退を余儀なくされた。同社のAmos-6衛星を搭載したSpaceXのロケットが発射直前に爆発したからだ。

ザッカーバーグの訪問後のアフリカで、Facebookから何を期待するかについて、広報担当者は詳細を発表していない。iHub、Gearbox、そしてBRCKの共同創設者Erik Hersmanは、Facebookの接続性向上の努力に期待している。「Free Basicsは成長していますが、まだ開かれたインターネットではありません」と彼は語った。「うまく行くビジネスモデルの周りに、それを広げていくチャンスはあるでしょう」。

Hersmanはまた、FacebookのCEOがシリコンバレーからより多くの注意をアフリカへ引きつけることを信じている。「彼はただ南アフリカを訪問することもできたのですよね、そちらの方がもっと皆に期待されていたことでしたから」と彼は言った。「ナイジェリアとケニアを訪問したことは、他のグローバル技術プレイヤーたちを前面に押し出すメッセージを送ったのです。もしFacebookが、時間や関心そしてお金をこの市場に注ぎ込むのなら、他の会社もかならず注目するでしょう」。

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(翻訳:Sako)