メルトダウンとスペクターの暴露で、Intel CEOの株式売却のタイミングが問題に

Intel CEO Brian Krzanichが11月に大量の株を売却したことが議論を呼んでいる。証券取引委員会(SEC)の提出書類によると、その取引は同社がMeltdownとSpectreバグについて報告を受けた後だが、公表される前だったからだ。

当該株はSEC 規則10b5-1プランに沿って売却され、同規則は会社幹部が事前に自動売却プランを設定できるようにすることで違法なインサイダー取引を防ぐことを目的としている。しかしKrzanichが提出したForm 4には、売却プランが2017年10月30日に設定されたと書かれている —— バグについてGoogleがIntelや他の影響を受けた会社に通知したという6月より何カ月も後だ。その後今週になってようやくThe Register らのメディアによって公にされた。

Intel広報担当者はTechCrunchに対して、「Brianの売却は無関係だ。取引は事前に設定した株式売却プラン(10b5-1)に従って自動的に行われた。彼は会社のガイドラインに沿って今後も株を保有し続ける」と伝えた。しかし、SECへの申告によって取引が暴露された時点で、Krzanichは25万株を保有していた —— これはIntelのCEOでいるために必要な最低株数だとMotley Foolは言っている。

Form 4によるとKrzanichは、申告書類に書かれていた取引を実行する前に49万5743株を持っていた。Krzanichは11月29日にストックオプションを行使して取得した64万4000株を直ちに売り、持ち株数は変わらなかった。同じ日にKrzanichはあと2回取引を行い、計24万5743株を売却した —— その結果残った持ち株数は25万株ちょうどになった。

ちなみに会社幹部が株を売るのはよくあることで、必ずしも会社の業績を示すものではない。しかし、MeltdownとSpectreによる影響(事態が暴露された後Intel株は2%値下がりした )を別にしても、Krzanichの売り方は注目に値する。一般に会社幹部は最低必要数以上の株を保有することで、投資家に自信を示すのがふつうだからだ。つまり、来週のKrzanichのCESキーノートに暗雲が立ち込めることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コンピュータービジョン機能を搭載した多機能ボード、IntelのJouleは各種リアルタイム機器の可能性を広げる

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Intelがメイカーたちのために作ったボードJouleは、メイカーが強力なコンピュータービジョン製品を作るためのプラットホームを提供する。今日(米国時間8/16)行われたIntelの今年のデベロッパーカンファレンスでIntelのCEO Brian Krzanichは、“プロトタイプから実寸大のロボットや、マシンビジョン、ドローンなどの製品へシームレスに移行できる”、と説明した。

ひとつの例として、PivotHeadはこのボードを使って、超小型で高性能なシステムモジュールを作っている。そこには、同じくIntelの奥行き追跡カメラシステムRealSenseも載っている。

PivotHeadはJouleを主役とするシステムモジュールを利用して、工場労働者等のための安全眼鏡を作っている。それには高度なコンピュータービジョン能力があり、仕事中のリアルタイムにフィードバックを返すことができる。画像の分析と処理はすべてJouleの上で行われるので、別のモジュール等は不要だ。またWi-Fiやセルラーなどによるクラウド等への接続性も要らない。

このように、PivotHeadの考え方は、労働者が今使っている眼鏡に代えて今すぐ使える、というコンセプトにある。そして航空機などの電圧チェックも、リアルタイムでできる。Intelは、その作業の様子を今日のデモで見せた。

すなわち安全眼鏡をPivotHeadの製品に代えても、ユーザー(現場労働者)には新たな作業が発生しないし、仕事のやり方を変える必要もない。昨日までと同じく、ふつうに仕事を続けるだけだ。そして眼鏡自身が、そのコンピュータービジョンの能力で電圧のミスマッチをモニタでき、不整合があればただちに音声で警報するから、対策もすぐにとれる。これまで、航空機の電圧チェックという作業は、面倒な手作業が多くて時間がかかる仕事だった。

システムがリアルタイムで追跡し、全領域をカバーするから見逃しがない。現場作業員は、警報が鳴るまではほかの作業に専念できる。

以上はユースケースのごく一例にすぎないが、Krzanichによれば、“Jouleはオンボードコンピューティングと大量のメモリと人間的な感知能力を提供する”。試してみたいと思った読者には、オンラインで今日注文すると今日発送される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ダイバーシティ指向で知られるIntelのCEOがTrump候補の資金調達イベントをキャンセル

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【抄訳】
IntelのCEO Brian Krzanichは、テクノロジー業界におけるダイバーシティの拡大努力で広く知られている。彼は今週、自分の故郷で、共和党の大統領候補Donald Trumpのための資金集め行事を主催することを計画したが、その行事に関するNew York Times紙からの質問にIntelのスポークスパーソンが対応して以来、イベントを中止した。

そのNew York Timesによると、Intelのスポークスパーソンは、その資金調達行事には“忌憚のない意見交換”も含まれる、と述べた。Intelは行事中止の理由を明らかにせず、Trumpは、その晩はサンノゼで集会を行う、と発表した。

メキシコ人移民を“強姦者”と呼んだことで知られ、今週はTrump Universityに対する訴訟を担当する判事の人種について憶測を述べた、Trumpのための財政的支援は、Krzanichのダイバーシティ活動と調和しないように思われる。KrzanichはIntelにおけるダイバーシティの拡大のために巨額を投じ、ダイバーシティ関連の取り組みにこれまで3億ドルを費消している。また、Rev. Jesse Jackson(ジェシー・ジャクソン牧師)のPUSHTech 2020イニシアチブに、協力している。

しかしIntelの政治家や政党への寄付を詳しく見ると、同社は予想以上に右寄りである。社員たちの会費で成り立っているIntelの政治活動委員会(PAC)は、同社の企業責任年次報告書によると、2015年には政治家たちに78万1784ドルを寄付している。その55%が共和党の議員と彼らの政治団体へ行き、残りが民主党のリーダーたちへ行っている。

【中略】
[寄付のさらに詳しい内訳]

Krzanich自身は政治家や候補者などに、常習的に寄付をする方ではないから、Trumpのための資金調達イベントを自らの意志でホストするという一件は、より一層目立ってしまう。Center for Responsive Politicsのデータによると、2009年にKrzanichは、民主党のWyden上院議員のキャンペーンに1500ドルを寄付している。Wydenはテクノロジー擁護派の議員として知られており、暗号化の強化を支持している。

Intelは2015年の企業責任報告書で、次のように述べている: “株主たちや利害共有者たちの全員が、政治家や業界団体の支持するすべての問題について考えを一にすることはありえない。そういう場合には会社としての意思決定を、株主たちおよび主要な株主たちの利益が最大になるような方向で行う。候補者の履歴と弊社自身のポリシーに重大な不調和がある場合には、弊社の政治的説明責任開示プロセスの一環として、その情報を開示する”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))