暗号資産のCircleがSPAC合併経由で上場へ、評価額は約4940億円

Circle(サークル)は公開企業となる計画を発表した。暗号資産会社である同社はSPAC(特別買収目的会社)のConcord Acquisition Corpと合併する。CircleはCoinbase(コインベース)のCentreコンソーシアム創設メンバーの1社として知られている。他の暗号資産パートナーとともに、Circleは人気のステーブルコインUSD Coin(USDC)を発行してきた。

SPACは上場している白紙小切手会社だ。SPACとの合併はテック企業にとって上場企業になるための人気の手法となった。

Circleによると、取引での同社の評価額は45億ドル(約4940億円)だ。合併に関与している投資家は4億1500万ドル(約456億円)の私募増資を約束した。同社はまた、このほど4億4000万ドル(約483億円)を調達した。つまり、Circleは合併完了時に多額の資金を手にする。

2013年創業のCircleはもともと、主流のビットコイン決済プラットフォームを作ろうと考えていた。しかし後にソーシャル決済アプリへと方針転換した。同社はブロックチェーンテクノロジーを持ち、一種のVenmoのクローンのようなものになった。そのうち、ビットコインを送ったり受け取ったりする能力を取り除きすらした。

「自社のことをビットコインのスタートアップだと考えたことはありません。そうしたテクノロジーに関与していたため、メディアは確かに当社をビットコイン会社だと分類しました。3年前に会社を興した日から、当社は新しい消費者金融会社を構築することに注力してきました。インターネットが機能するようにお金を動かす会社です」とCircleの共同創業者でCEOのJeremy Allaire(ジェレミー・アレール)氏は2016年にTechCrunchライターのNatasha Lomasに語った。

消費者向けのサービスはまだ展開されていないが、アレール氏がすでにプログラムによってお金を動かすことについて考えているのは興味深い。2017年と2018年にCircleは暗号資産に注力するために再び方針転換した。大手の暗号資産投資家のための店頭取引デスクを立ち上げた。

同社は、当時米国最大の暗号資産取引所の1つだったPoloniex(ポロエニックス)を買収した。また、わずかな暗号資産を売買できる実にシンプルなモバイルアプリCircle Investもリリースした。

しかしCircleの最も有望なプロダクトはステーブルコインであるUSD Coin(短縮するとUSDC)だった。名称からわかるように、1 USDCは常に1 USDの価値がある。従来の暗号資産と異なり、USDCの価値は狂ったようには変動しない。発行社が常に流通しているUSDCと同額を銀行口座に持っていることを監査法人が定期的にチェックしている。

USDCにより、1つのウォレットから他のウォレットへと金を動かすことは標準のAPIコールを使うほどに簡単になった。CircleはCircle Accountsなど、USDCに関するさまざまなインフラプロダクトを追加した。同社はまた、フィアット通貨と暗号資産の間のギャップを橋渡しするものも構築した。

現在250億USDCが流通していて、Circleは2023年末までに1900億USDCが流通すると予想する。そして同社はUSDCを有効利用する金融サービスを構築するのにUSDCの人気を活用するつもりだ。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Circle暗号資産SPAC

画像クレジット:Chaitanya Tvs / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

クリエイターと有料会員を結びつけビジネス構築をサポートするCircleが4.3億円調達

Clubhouseが注目を集めているが、個人で利用できる動画やオーディオのストリーミングプラットフォームの普及により、意欲的なユーザーはこれまでよるはるかに簡単にオーディエンスにリーチできるようになった。これによりクリエイターの活動がここ数年で爆発的に増加している。しかしクリエイター活動が持続可能なビジネスにするための鍵はなんといっても活動の規模による。十分な数の加入者を獲得すれば趣味やサイドビジネスとして始めた配信でも、あっという間にフルタイムの事業にできる可能性が十分ある。

Circleは約1年前、2020年1月にニューヨークを拠点として設立されたスタートアップで、クリエイターと有料サブスクライバーを結びつけ、できるかぎり簡単にビジネス構築ができるよう手助けする。2020年8月には150万ドル(約1億6000万円)のシード資金の調達に成功している。このときTechCrunchではCircleを取材してファウンダーのDNAがオンライン学習コースのTeachableに発していることを知った。以後、同社は非常に強力な初期段階の成長を示している。

同社は2021年1月に100万ドル(約1億500万円)以上の年間経常収益を達成した。現在の有料ユーザーは1000人以上で2000人に近づいている。同社によればエンゲージメントも急速に増加しており、DAU(1日あたりのアクティブユーザー)とMAU(1カ月あたりのアクティブユーザー)の双方で毎月40〜50%の成長を続けている。2021年1月にはiOSアプリをベータ版を終了し製品版をリリースしている。

共同ファウンダーでCEOのSid Yadav(シド・ヤダヴ)氏は、「我々はクリエイター運動、コミュニティ運動が活発化する適切なタイミングをうまくとらえました」と述べている。スタートアップの有料ユーザーは多くのYouTuberをはじめとして、学習コースのクリエイター、Twitchのストリーマー、Patreonのユーザーなどを中心としている。ヤダヴ氏は「プラットフォームのコミュニティの60%が個人クリエイター」と推定している。しかし、多くのブランドも興味を示し始めているという。

こうした有望な情報はすぐにベンチャーキャピタルの関心を集めることとなった。同社は4000万ドル(約42億3000万円)超の評価額で400万ドル(約4億2300万円)のシードラウンドを2020年末に完了したことを公式に発表した。先にプレシードラウンドをリードしたNotation Capitalが今回のラウンドもリードした。ただしNotation Capitalの出資額は4分の1だったという。

Circleのチームは世界各地からの20人に成長した(画像クレジット:Circle)

プレシードの投資の大きな部分はプラットフォームを利用している多数の起業家、クリエイターに割当られた。「もちろん一流企業から多数のオファーを受けましたが、我々はクリエイター向けプラットフォームであり、可能な限りこうしたユーザー自身に出資のチャンスを割り当てることが理に適っているので」とヤダヴ氏は述べている。同社によればラウンドの大部分はプラットフォームを利用しているエンジェル投資家とコミュニティビルダーに割り振られた。これにはAnne-Laure Le Cunff(アン-ローレ・ル・クンフ)氏、David Perell(デビッドペレル)氏、Tiago Forte(ティアゴ・フォルテ)氏、Nat Eliason(ナット・エリアソン)氏が含まれている。

会社が発展段階の早期にある点を考えると、プロダクト開発がなんといっても最優先事項だ。「私たちのアプローチは裁縫的です」とヤダヴ氏は述べた。Circleのコミュニティは「部品」を縫い合わせるページをレイアウトする。Circleサークルの主なモードは、コミュニティのメンバーがSpaceという場所で、お互いにトピックについて話し合うことができるスペースを介すことができるというものだ。Circleで構築されたコミュニティは、独自のドメインを利用できホワイトラベルとしてサードパーティが収益化できる。

Circleのコミュニティプラットフォームを利用することで、クリエイターはコンテンツを公開し、コミュニティに参加できる(画像クレジット:Circle)

Circleの最終的な目標は、ニュースレターやポッドキャストの公開から、動画ストリーミング、イベントチケット販売、商品通販、イベントカレンダーの設定まで、クリエイターがユーザーのニーズを満たすために必要なツールをすべて1つに統合することだ。しかもどのレイヤーであっても支払サービスができる。もちろん多くの機能は未実装で今後開発していかねばならない。しかも、ヤダヴ氏のチームはコア機能の大幅に拡大する野心も抱いている。

Circleのチームは現在20名。メンバーはヨーロッパ、インド、オーストラリア、および米国にいる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Circle資金調達クリエイター

画像クレジット:hobo_018 / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:滑川海彦@Facebook