フィットネスサブスクのClassPassが約310億円を調達しユニコーンに

ClassPass(クラスパス)は米国時間1月8日、2億8500万ドル(約310億円)のシリーズEラウンド資金調達のクローズを発表した。このラウンドはL CattertonとApax Digitalがリードし、既存投資家のTemasekも参加した。この調達でClassPassのバリュエーションは10億ドル(約1090億円)になる。

TechCrunchはこのラウンドが進行していることを聞いていたが、本日その内容を、確認できた。

ClassPassは、ユーザーが気軽に運動できるようにすることを目的に、2013年にサービスを開始した。小さなフィットネススタジオと提携し、ユーザーはスマホで一覧を検索してクラスを予約できる。サービス開始以来、ClassPassは経済性を高めようといくつかのビジネスモデルを試した。

2017年に同社は仮想通貨を使ったクレジットシステムを導入すると発表した。クラスの人気度データと組み合わせることでさまざなま価格を導入できるようになった。1カ月に3ないし5、10のクラスを受けるのに月額料金を払う代わりに、ユーザーはバーチャルのClassPass通貨を使ってそれぞれのクラスの需要に応じた額を払ってクラスを申し込む。

現在採用している収益モデルをもとに、ClassPassはこれまで成長に注力してきた。同社は現在28カ国で展開しているが、海外マーケットでの成長が最優先事項だった。小さなスタジオやジム、ウェルネスサービスを含む3万超のパートナーと提携している。

成長するために次に注力したのが、サービスだ。ClassPassは法人が従業員のClassPass利用を助成する法人向けプログラムを導入した。このプログラムでは各従業員が使用するかどうかに基づいて雇用者が助成するというもので、これは他の法人向けサービスと異なっているとCEOのFritz Lanman(フリッツ・ランマン)氏は話す。

これまでのところ、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)やGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)、Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)など1000あまりの企業(雇用主)がClassPassのプラットフォームを活用している。

最後に、ClassPassはウェルネス事業者を取り込みながら提供するサービスを拡大している。共同創業者のPayal Kadakia (パヤル・カダキア)氏は、会社を興す当初からユーザーが新たな体験を見つけて楽しむことができるポータルとしてのClassPassを描いてきた。この考えはフィットネスを超えたものであり、ClassPassの次のターゲットはウェルネスだ。

カダキア氏は、ClassPassで瞑想クラスに申し込むユーザーの大半は初挑戦の人だと述べた。ちなみに、同クラスは、同社が提供するクラスで最も人気のウェルネスだ。

カダキア氏の声明文は以下のとおりだ。

これまでに1億時間を超えるエクササイズが予約されるなど、顧客やパートナーにもたらしたインパクトが我々のモチベーションになっている。今回の資金調達は大きなマイルストーンであり、人々がアクティブでいられるよう、そして時間を有意義に過ごせるようにサポートするという我々の使命を果たすべく今後も邁進する。

ClassPassはいくつかのビジネスモデルを試すなど、2013年からの道のりは平坦ではなかった。しかしランマン氏は、許容性がClassPassの強みだと信じている。

ClassPassのサービスが立ち上がった当初は、会員は定額で好きなだけクラスを受けることができた。その後価格を見直し、1カ月に受けられるクラスの数に上限が設けられた。こうした経緯を踏まえて仮想通貨と変動的価格の立ち上げに至っていて、これはうまくいっているようだ。

「変化は吉となりえる」とランマン氏は話した。「私はこれまでにいくつかのビジネスモデルを試したことを恥ずかしいとは思っていない。今よりも小規模のときにビジネスモデルを試していなかったら、このクレジットシステムにたどり着いていなかったかもしれない」。

そして彼は「パーフェクトなモデルがない事業もあり、永遠に模索することもある。ビジネスモデルの模索・実行というプロセスには多くのメリットもある」と続けた。

今回のラウンドで、ClassPassの累計資金調達額は5億5000万ドル(約600億円)となった。今後はマーケットの拡大と法人向け事業の成長を図る計画だ。

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(翻訳:Mizoguchi

フィットネスサブスクのClassPassは資金調達ラウンドでユニコーンを狙う

フィットネスサブスクリプションサービスのClassPass(クラスパス)は、ニューヨークを拠点とする創業7年目のスタートアップだ。新しい資金調達ラウンドでは2億8500万ドル(約310億円)を調達する予定で、企業価値評価は10億ドル(約1100億円)以上になる見込みだ。

Reutersが、分析会社のLagniappe Labs(ラニャップラボ)から入手した有価証券に関する届け出によると、同社はシリーズEで2270万株の新株を発行する予定だ。

TechCrunchは詳細について同社に問い合わせている。

情報筋によると、ClassPassは少なくとも初秋から資金調達モードに入っていた。

Reutersによると、同社はさまざまなフィットネススタジオのクラスを予約するツールの提供から始まり、最近では企業の従業員福利厚生メニューの1つとして売り込んでいる。

Reutersが引用したPrime Unicorn Indexによると、現在のバリュエーションは5億3640万ドル(約590億円)だ。既存投資家には、シンガポールの政府系ファンドであるTemasek(テマセク)のほか、Alphabet(アルファベット)、General Catalyst(ジェネラルカタリスト)、Thrive Capital(スライブキャピタル)、Acequia Capital(アセキアキャピタル)が名を連ねる。

Crunchbaseによると、同社はこれまで投資家から約2億4000万ドル(約260億円)を調達。直近では8500万ドル(約93億円)のシリーズDラウンドを2018年7月にクローズした。

ClassPassは、現在会長を務めるPayal Kadakia(パヤル・カダキア)氏が創業した。同氏は2017年に、同社の前会長兼協力者であり、現在もCEOを務めるFritz Lanman(フリッツ・ランマン)氏に同職を引き継いだ。

ランマン氏は、今年初めに行われた『Fortune』からのインタビューで、同社がこれまでに数々の浮き沈みに耐えてきたことを認めた。当初はニューヨークで月額99ドル(約1万1000円)で無制限でフィットネスクラスが受けられる仕組みを提供していたが、価格引き上げを余儀なくされた。最近ではスタジオごとの申し込み状況とクラスの空き状況に基づいて価格が変動する仕組みを導入した。現在は、ユーザーが月額9〜199ドル(約1000〜2万2000円)払うと、クラスで使えるクレジットが付与される。

法人会員に関しては、現在、通常のクラスや従業員向けにカスタマイズされたプログラムだけでなく、ストリーミングでワークアウトのための音声と映像提供も行っている。ストリーミングのために同社が投資した放送スタジオで、トレーニングのためのオンデマンドビデオ集も開発した。TechCrunchは、2018年にその開発風景を紹介している。

画像クレジット:Thomas Barwick / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

月額9800円で提携フィットネスに通い放題、グリー子会社が新サービス「Lespas」

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月額9800円でいつでも、どこでも、提携フィットネスのスタジオレッスンが受けられる「Lespas」(レスパス)がスタートした。登録費・入会金は不要。ヨガやダンス、ゴルフ、ボクシング、ボルダリング、ピラティスなど20種類以上のジャンルの中から、好きなレッスンに参加できる。期間限定で初月無料のキャンペーンを行っている。

自宅や勤務先、外出先の近くにあるフィットネスのレッスンを受けられるのが特徴。例えば、仕事が忙しくてフィットネスに通えなくなった人でも、夜遅くにやっているレッスンを選んだり、外出がちで直帰が多い人は、アポイント先近くのスタジオでさまざまなレッスンを試せそう。仕事やプライベートを優先してスポーツクラブに通えず、会費だけを無駄に払い続ける「幽霊会員」でも続くかもしれない。

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現在は都内5区(港区、中央区、千代田区、新宿区、渋谷区)を中心とした、東京23区内で予約可能。ただし、同一事業者のレッスンを受けられるのは月3回まで。同一事業者とは、例えばA社がBスタジオ六本木店とCスタジオ赤坂店を運営している場合、Bスタジオ六本木店とCスタジオ赤坂店のレッスンは、のべ3回までとなる。

提携フィットネスとしては、稼働状況に合わせてレスパスにレッスン枠を提供することで、新規顧客にアプローチできるのがメリット。加盟料は無料で、レスパス経由で利用された回数に応じてグリーに手数料を支払う成功報酬型モデルとなっている。

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米国では「次のUber」と評される優良サービス

フィットネスに通い放題のサービスとしては、2013年に創業した米国の「ClassPass」が有名。創業地のニューヨーク以外に、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ボストンなどで展開していて、予約件数は昨年12月の約30万件から、今年2月には約60万件と倍増。2月の売上高は500万ドルを突破し、「次のUber」とも評される優良サービスだ。

グリーは今年1月に100%子会社「株式会社レッスンパス」を設立し、日本に競合がないClassPassライクなサービスの開発に着手していた。予約システムでは、ホテルの当日予約に特化したアプリ「Tonight」の仕組みを応用。Tonightではホテルが空室状況を入力するが、レスパスではスタジオ側でレッスンの空き状況を入力する。

日本ではグリーに先駆け、月額9900円で都内20箇所のスタジオレッスンに参加し放題の「CLASSFIT」が3月にスタートしている。