June、スマートオーブンの新モデル発表――599ドルに大幅値下げ、低温から高温までソフトウェアがベストの調理

2016年にJuneがスマートオーブンをリリースしたときは、機能について高い評価を得た一方で、ある重要な点で問題を指摘された。つまり値段があまりにも高かった。革命的なジューサーという触れ込みで多額の資金を調達して登場した後でひどい失敗に終わったJuiceroと比較された。ある記事は「シリコンバレーの悪いところの代表」とまで評した。

これは明らかに言い過ぎだ。機能に問題があったJuiceroとは違い、Juneのオーブンには期待すべき点が多数あった。しかし価格となると…。

そういう次第で、Juneのスマートオーブンの新モデルは価格に重点を置いている。今回も安くはない。しかしオリジナル・モデルの1500ドルという超高額な値札からすれば大幅に安くなった。第2世代のJuneのスマートオーブンは599ドルからだ。さらに今回は期間限定で1台100ドルの割引がある。高性能なオーブンを探しているなら今がチャンスかもしれない。

第2世代の製品は批判を受けて戦略を修正したように見えるが、共同ファウンダー、 CEOのMatt Van HornはTechCrunchの取材に答えて、「価格引き下げは当初からの計画だった」と述べた。

Van Hornは「〔この価格は〕外部からの影響ではない。当初からの計画だった。われわれの最初のオーブンはいわばTeslaロードスターのような製品だと説明してきた。今回のオーブンはModel Sだ」という。

Teslaとの比較が当を得ているかどうかはともかく、 Juneはオリジナルモデルでユーザーから貴重なデータを集めることに成功した。旧モデルは新しいモデルに道を譲って退場することになる。大幅に値下げされても本質的な機能は前モデルと変わりないという。

低価格のオーブントースターと599プラスのスマートオーブンの違いはどこかという質問に対して、Van Hornは「われわれのオーブンは、人々が普段オーブンで作っていなかったような料理を作ってみようと意欲をかきたてる製品だ。たとえば誰もステーキをオーブンで焼こうとしなかった」と答えてた。

私はGoogle Hangoutのビデオチャットで取材していたのだが、この時点でVan HornはJuneオーブンでステーキを焼き始めていた。

このスマートオーブンには100種類のレシピがプログラムされており、伝統的なオーブン料理と考えられているもの以外に多彩な調理が可能だという。コンベクションオーブンであるのはもちろん、スロークッカー、トースター、グリラー、保温器、乾燥機にもなる。パン生地の発酵や高温空気による揚げ物、エア・フライもできる。コンパクトで多機能なので狭いキッチンや大学の寮の部屋にも適している。テイクアウトを温めるのにも良い――もちろん600ドルの出費は痛いが。

このオーブンはカメラを内蔵しており、AIが食材を認識しレシピによって炭素繊維ヒーターが適切な温度まで予熱を開始する。Juneによれば平均的なオーブンに比べて3倍もスピーディーに調理ができるという。食材をAIが認識するという機能の実用性については正直私は懐疑的だが、レシピを探して延々とタッチスクリーンをスクロールする手間を軽減してくれるという効果はあるかもしれない。またオンボード映像はリモートで見ることができるので調理の仕上がり具合を専用アプリから確認できる。

それからこのオーブンはAlexaをサポートしている。

またこのオーブンのソフトウェアはWi-Fi経由で随時アップデートされる。つまり超高額の前モデルのオーナーも最新のソフトウェアをインストールできるわけだ。

599ドルにはオーブン本体に加えて専用オーブンパン、ロースト網、トレイが付属する。延長保証、3年分のレシピ・アップデート、それにエア・フライ用バスケット3個のセットは200ドルで別売となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Homeはキッチンで一層便利になった…より親切なレシピ機能に

Google HomeとAmazon Echoは、手が濡れたり汚れたりしていることの多いキッチンでとくに便利だ。でもこれまでは、Google Homeにレシピを尋ねると、それを嬉々として教えてくれるけど、しかしあなたがアメリカの大統領で世界最強の記憶力の持ち主でもなければ、話が終わったときに材料の半分以上を忘れているだろう。しかし今日(米国時間4/26)からは、Google Homeで500万のレシピにアクセスできるだけでなく、それらを一歩々々たどって、質問することもできる。

このように、Google Homeに料理を始めると告げ、各ステップを繰り返させ、次のステップに進む機能は、それだけでも便利だ。しかしそれだけでなく、ユーザーはBon AppetiteやThe New York Times、Food Networkなどのレシピにも検索でアクセスできる。

そして今回のアップデートでは、レシピを見つけるのも容易になった。画面のないデバイスで料理のレシピを検索するのはちょっとたいへん、とたぶん気づいたGoogleのチームは、スマートフォン上のGoogle AssistantやGoogle検索でレシピを見つけ、それをボタンをクリックするだけでGoogle Homeに送れるようにした。

Google Homeは、レシピに関する質問をすることもできるし(“ラードはどれだけ必要?”)、また間違いを正してくれる(例: 質問の中で素材の名前を間違えた場合)〔以上はすべて英語〕。またもちろん、料理中に音楽を流したり、タイマーをセットすることもできる

この新しい機能はすでに展開中で、来週中には全ユーザーに行き渡るだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

家庭用真空調理ヒーターのAnovaがバージョンアップへ―Kickstarterですでに50万ドル集まる

昨日のMellowにつづいて、真空(低温)調理器の話題だ。

私が以前にレポートしたAnovaが真空調理用ヒーターのバージョンアップを発表した。鍋にこのヒーターを取り付けると、湯音を指定の温度に精密に温度をコントロールして調理ができる。AnovaのKickstarterプロジェクトは目標額10万ドルをはるかに越して50万ドルに達している。

現行の第一世代のAnovaは、タイマーや温度設定をすべてデバイスの中で行うものだった。 新システムではスマートフォンから専用アプリを通じて詳細なコントロールができるようになる。また外出先からリモートで調理をスタートさせることもできる。昨日紹介したMellowとは異なり、Anovaはユーザーの手持ちの鍋にクリップで取り付ける方式。またMellowと違って食材を入れるプラスチック・バッグは真空にする必要はなく、市販のジップロックでよい。

新しいAnovaは市販予定価格は169ドルと業務用真空調理器はもちろん、400ドルのMellowとくらべても大幅に安い。開発者のJeff Wuはこの種のデバイスを以前から作っており、最初に完成させたのは2013年だった。

家庭用真空(低温)調理器市場は現在立ち上がりかけているところで、まだまだ大きなチャンスがある。本来なら大手家電メーカーから製品が出ていてもいいはずなのに、私は一つも見つけられないでいる。デバイスのスタートアップを狙っている起業家には絶好の時期だ。低温調理の柔らかいステーキのファンとしては、この市場がさらに活気づくことを期待したい。


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートフォンからコントロールできる真空調理器、Mellowが予約受け付け中


真空パックした素材を温水で長時間加熱する低温調理法あるいは真空調理法は肉や野菜を驚くほど柔らかくする料理手法だ。これまでは主に業務用として利用されてきたが、最近Anovaのように手頃な価格の家庭用の製品も出始めている。

ここで紹介するMellowはいわば「スマート低温調理ポット」だ。スマートフォンのアプリから自動的にコントロールでき、素材と分量に応じて最適なタイミングで調理ができる。

この調理器には予約した調理開始時間まで5℃で素材を保存するための冷蔵機能もある。調理が開始されると水温を最高90.5℃まで上げ、熱した水を真空パックした食材の周囲に循環させる。Mellowには真空シール機能も含まれており、繰り返し利用できる真空バッグも付属している。内蔵の秤が素材の重量を測り、素材の種類にしたがって適切な調理時間が設定される。ユーザーは材料をMellowに入れ、アプリからスタートボタンを押すだけで理想的に調理されたステーキが食べられる。

このアプリは調理開始時間を予約でき、調理が完了したら通知を受け取れる。さらに新しいレシピをユーザーに提案してくれる。

Mellowは現在予約受付中で価格は400ドルだが、値段に見合う価値があるだろうと思う。しゃれたデザインのプログラマブルな大型コーヒーメーみたいに見えるが、このコンパンクトな筐体に驚くほど多くの機能が詰め込まれている。正しく低温調理されたステーキやチキンは驚くほど柔らかく、野菜は不思議に歯切れよく調理され、すばらしい味わいを楽しめる。

Mellowを開発したのはCatarina ViolanteとZe Pinto Ferreiraのポルトガル出身のチームで、現在はイギリスを本拠として各種のキッチンウェアを製造販売している。

〔日本版:記事中で紹介されているAnovaはユーザーが手持ちの鍋にセットする電気ヒーターで25℃から99℃まで正確に水温を設定できる。価格は199ドルでAmazon USからも購入できるようだ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)</P