世界初のチーフ・コンテンツ・オフィサーが明かす仕事の流儀

米国、そして日本でもコンテンツマーケティングがブームとなっています。日本では黎明期ということもありコンテンツマーケティングのサービス業者の大半が、大量にライターを抱えたブログ記事執筆代行エージェントだったりする現実もあるわけですが、米国ではコンテンツを大量生産する前にその前の戦略から深く考え、社内に編集チームを置いてコンテンツマーケティングを運用する企業も増えているようです。そして、ついにトップレベルでコンテンツ戦略を統括するチーフ・コンテンツ・オフィサー、CCOなる職種まで現れたようで。。有名女性ブロガーとして米国で知られ、最近大手マーケティングメディアのCCOに就任したアン・ハンドリー氏が語るライティングの極意とは。 — SEO Japan

image of Ann Handley

コンテンツが魅力的かどうかを、手っ取り早く、なりふり構わずテストしたいなら…

ティーン世代に見てもらい、次の問いに答えていこう:

  • 30秒後、1分後、5分後、15分後、あるいは、30分後も引き続き読んでいた(見ていた、あるいは、聴いていた(だろうか?
  • 喜んだだろうか?混乱しただろうか?それとも怒っただろうか?
  • その子は自分の子供だろうか?

自分の子供が30分後もコンテンツを聴いているなら(読んでいるなら/見ているなら)、そして、楽しんでいるなら、素晴らしいコンテンツを作ったと言えるだろう。

10代の反応を軽視していた方に知ってもらいたい科学的な事実: ティーン世代のDNAには、大人、とりわけ両親に対する行動への反感が刻み込まれている。

自分の娘にプレゼンを聞いてもらったところ、気に入ってもらえたシーンを想像してみよう。

これは、アン・ハンドリーが実際に経験したシナリオである。 続きを読む 世界初のチーフ・コンテンツ・オフィサーが明かす仕事の流儀

米国ウェブ業界の有名ライターが語る成功の秘訣

10年以上の歴史を誇る人気SEOブログTop Rank Blogの著者でもあり、コンサル会社の経営者でもあるリー・マッデン。その活躍の場はSEOのみならずコンテンツマーケティングやソーシャルメディアまで幅広く、米国の各種カンフェレンスでも引っ張りだこの一人です。今回はそんな彼がコンテンツマーケティングの老舗ブログであるコピーブロガーに語ったインタビュー記事をお届け。人気ライターとして成功してきたその理由を誠実に語ってくれており、成功を夢見るブロガー&ウェブライターのヒントになる点があるかも。 — SEO Japan

image of Lee Odden with Authority Intensive colors and branding

Wall Street Journal、The Economist、そして、New York Timesに登場したことがある。

香港、ロンドン、サンフランシスコ、そして、ニューヨークで講演を行ったことがある。

Content Marketing World、Social Media Marketing World、そして、BlogWorld Expo等の毎年恒例のイベントの常連である。

キーノートを担当したイベントのリストもまた壮観である:

  • Search Congress(バルセロナ – スペイン)
  • NMX BlogWorld(ネバダ州 – 米国)
  • Fusion Marketing(アントワープ – ベルギー)
  • Social Media Junction(オークランド – ニュージーランド)
  • Search Exchange(ノースカロライナ州 – 米国)
  • MN Blogger Conference(ミネソタ州 – 米国)
  • Online Marketing Summit(ミネソタ州 – 米国)

2010年には、注目のソーシャルメディアストラテジストの一人に名を連ねていた。2008年には、トップ 100オンラインマーケッターで、15位を獲得していた。そして、Twitter Power 150リストでは、トップ 10入りを果たしている。

この多産のライターは、本(Optimize: Win more customers with Social Media, SEO and Content Marketing)も出版しており、また、Online Marketing Blog(良質なオンラインマーケティングのウェブサイト)ではエディターを務めている。

  • Content Marketing Instituteは、Online Marketing BlogをNo.1のコンテンツマーケティングのブログに3度選んでいる。
  • Social Media Examinerは、ソーシャルメディアブログで2位に選んでいる。
  • AdAgeは、Power 150 Listの一人に挙げている。

検索、ソーシャルメディア、そして、コンテンツマーケティングが交わるポイントを心得た人物と言うだけでは、過小評価に当たる。

Duct Tape Marketingの代表を務めるジョン・ジャンツ氏は、リー・オデン氏をこのように表現している:

リー・オデンは、オンラインツールと戦略を誰よりも心得ている。さらに、この一見テクニカルなトピックを誰でも利用することが出来るように、分かち合い、分かりやすく説明し、そして、教える才能を持っている。

Minnesota Interactive Marketing Association、DMA Social Media Advisory Council、そして、DMA Search Engine Marketing Councilで役員を務めていた経歴を持っていても、驚くようなことではない。

最後になるが、コンテンツ、ソーシャル、検索マーケティングエージェンシーのTopRank Online Marketingでは、CEOを務めている。このエージェンシーは、McKesson、LinkedIn、そして、Dell等のB2B企業を顧客に抱えている。

さて、Copybloggerが主催するイベント「Authority Intensive」でオデン氏が講演を行う点は既に伝えただろうか?必ずや場を盛り上げてくれるはずだ。

紹介はこれくらいで十分であろう。後は、ライター自身に語ってもらうことにする。

ライターについて…

自己紹介して下さい

「自己紹介」とは、随分と抽象的な項目で始まりましたね。そうですね、基本的に、私は人間とテクノロジーが交差するポイントに強い関心を持っています。好奇心に身を任せた結果、複数のキャリアを経て、TopRank Online MarketingのCEO & 共同創設者に落ち着きました。

過去13年間、私は世界中を旅して、大勢の読者のために文章を綴り、多数の大企業の相談に乗り、弊社で賢く、創造力豊かなマーケッターで構成されるチームと共に働き、そして、毎日のように新しい発見をしてきました。

大学生の頃に、未来から誰かがやって来て、私がライターとして活躍し、講演活動を行っていると言ったら、ビール、いや、スプライトを吹き出してしまったはずです。

私達のマーケティングエージェンシーでは、私は弊社自身のマーケティング、執筆の多く、そして、コンテンツの作成を担当しています。記事の執筆であれ、インフルエンサーと共同して行うカンファレンス用のEブックの作成であれ、あるいは、業界イベントでのプレゼンであれ、常にコンテンツ関連のプロジェクトに関わることを好みます。

基本的に、私はマーケッターですが、良き父親であり、旅を楽しみ、食に興味を持ち、そして、全く関係ありませんが、立派なヒゲを蓄えています。

ライターとして専門とする分野は何ですか?

執筆の大半(なんと過去10年間で120万ワードに達しています)は、ブログ — toprankblog.com — を介して行っており、このブログでは、マーケティングとパブリックリレーションズの交わるポイントを取り上げています。

通常、ブログの記事、業界紙の記事、eブック、レポート等のコンテンツを作成しています。また、複数の本に寄稿したことがあり、私自身も、本「Optimize: How to Attract and Engage More Customers by Integrating SEO, Social Media and Content Marketing」を出しています。

どこで作品を見ることが出来ますか?

MarketingProfs、Content Marketing Institute、そして、ClickZに至るまで、様々なサイトに寄稿していますが、定期的に記事を投稿しているのは、Online Marketing Blogです。ただし、今年の後半には、marketingblog.comで新たなブログを立ち上げる予定です。

ライターの生産性について…

一日の中で、読む取り組み、または、調査にどれぐらいの時間を費やしますか?

ケースバイケースです。私は多数の仕事を担当し、また、移動することも多いため、読む時間と調査する時間を分散させています。恐らく、合計で2時間ほど調査に費やしていると思います。

書き始める前に、何か事前に行う儀式やしきたりはありますか?

特定の時間において記事を作成する際は、決まった習慣がありますが、儀式と呼べるほどのものではありません。始めてみた方が良いかもしれませんね。

例えば、ブログの記事を書く前はオレンジを食べ、雑誌の記事を執筆する前には、ブライアン・クラークさんに悪戯電話をかけてみる、と言うのはいかがでしょうか?

記事を書く際に、好んで聞く曲はありますか(あるいは、音楽を聞きませんか)?

音楽は大好きですが、書く際は邪魔になります。曲を聞いていないほうが、あるいは、ホワイトノイズに囲まれているほうが、確実に流れに乗ることが出来ます。

文章の作成(Eメール、ソーシャルメディア等は除く)に1日にどれぐらいの時間を割きますか?仕事がはかどるのは何時ごろですか?

平均で、1日に3時間ほどを書く作業に当てています。しかし、移動する際は、大きく異なります。私にとって最も仕事がはかどるのは、静かになり、邪魔が入らない時であり、大抵、飛行機に乗っている時間、あるいは、朝早く、もしくは、夜遅くが該当します。

毎日文章を作成していますか?それとも、何か特別なシステムにこだわっているのでしょうか?

システムですか…教えても構いませんが、生きて帰れなくなりますよ。

と言うのはもちろん冗談です。かつては、ブログの記事を全て私が作成していました。今でも大半の記事は私が書いています。そのため、毎日書く作業は欠かせません。私は、指定されたトピックのコンテンツ計画を実行する取り組みと、経験、ニュース、そして、コミュニティとの交流を通じて現れた機会を活用する取り組みを組み合わせています。もしかしたら、おみくじも効果的かもしれませんね。

「ライターズブロック」の存在を信じていますか?信じているなら、どのように回避していますか?

ライターズブロックは、私にとって天敵です。過去5年間、ライターズブロックに何度か遭遇しました。状況を変えると短期的には効果がありますが、長期的な効果をもたらしたのは、実際の生活で、そして、インターネット上の双方で、同じ考えを持つ人達、そして、異なる考えを持つ人達と濃い交流の機会を作る取り組みでした。

コミュニティとの交流が濃ければ濃いほど、多くのアイデア、そして、答える必要がある疑問が浮かんでくる、と私は考えています。

ライターズブロックに打ち勝つアイデアが、コミュニティには沢山眠っているのです。

ライターの創造力に関して…

創造力を定義して下さい。

創造力は、独特で、魅力的で、尚且つ、予想外の方法でアイデアを見て、伝える能力のことを指すと私は考えています。

オンライン、または、オフラインで好きな作家を教えて下さい。

子供の頃は、サイエンスフィクションが大好きでした。アイザック・アシモフ、ロバート・ハインライン、J.R.R トールキンの作品もたくさん読みました。また、フランツ・カフカの作品にも手を出しました。

一番好きな名言を教えて下さい。

「人が想像すること、そして、信じることは、実現する」 ナポレオン・ヒル

ライターとして、創造力をどのように高めたいと願っていますか?

今まで多くの作品を書いてきましたが、いまだに自分が優れたライターだとは思えません。そのため、あらゆる改善が、成長をもたらすのです。

長期間において、様々なコンテンツのタイプとメディアに、様々なレベルのストーリーを組み込む取り組みを大幅に上達させたいと思っています。そのため、現在、トランスメディアのストーリーテリングのリサーチを集中的に行っています。

書く作業を行う際、現在、誰から、または、何からインスピレーションを受けていますか(具体的に刺激を受ける作品等)?

スタン・リーの作品です。子供の頃よく読んだMarvelのコミックを何冊も読み返しています。全く新しい角度で、ストーリーテリングや視覚の要素を見ているのです。

優れたライターの条件を教えて下さい。

優秀な商業ベースのライターは、「情報で読者をもてなし」、ストーリーを使って、ビジネスのトピックを関連させており、ライターが伝えようとしているポイントを伝え、読者に実感させることに卓越していると私は考えています。

ライターのワークフローについて…

どのハードウェアとタイプライターのモデルを好んで利用していますか?

13インチのMacBook Airは、デジタル版タイプライターとして活躍しています。また、iPhoneやiPadをリサーチに用いることもあります。

書く取り組み、そして、通常のワークフローに対して、どのソフトウェアを頻繁に活用していますか?

書く作業と調査の整理にはEvernoteを愛用しています。このツールは、クラウドと同期するため、どこにいても容易にリサーチを行い、一つの場所にメモを残すことが出来るのです。そして、どのデバイスでもアクセスすることが出来ます。

先送りを回避するコツを持っていますか?締め切りを忠実に守っていますか?

このアンケートに取り組むタイミングから判断すると、私は締め切りに追われるタイプのようです。先送り、または、テキパキと行動する努力は同時進行で進んでいます。そのため、マーケティングアシスタントを採用するのです。

それでも多少は進歩しています。期限を定め、逆算して作業を進め、残りの量、そして、いつまでに終える必要があるのかを把握するように心掛けています。また、5-6本の記事の作成を同時に進め、中断が頻繁に生じる問題を解決しています。個人的には、数週間に渡って、徐々に作業を進めてきた800ワードの記事を完成させる方が、1時間、あるいは、2時間腰を落ち着け、リサーチを行い、記事を一気に書き上げるよりも遥かに楽なのです。

どのように整理された状態を保っています(方法、システム、あるいは、「常識外れなテクニック」)?

EvernoteとGoogleドキュメントに助けられています。

一生懸命仕事をした後、どのようにリラックスしていますか?

子供と一緒に過ごすこと、家族との食事、50キロほど自転車に乗ること。

おまけ…

恩師は誰(または何)ですか?

実験、常軌を逸した困難な状況から抜け出す方法を見つける取り組み、失敗、そして、成功から、多くのことを学んできました。

人生で一番の成功は何だと思いますか?

私にとっては家族が最も重要であるため、家族のために素晴らしい生活を作り出すことは、とても大きな意味を持ちます。長年に渡って、この目標を実現する上で貢献してくれた、社内のスタッフ、クライアント、そして、仲間にとても感謝しています。

仕事の面では、カンファレンスで、誰かと出会った際に、私のブログ、記事、そして、本が仕事の役に立った、会社を成長させる上で役に立ったと言ってもらえると、この上ない喜びを感じます。これは期待していなかったことであり、実際に起きると感激します。

現在、最も腹立たしく思っていることを教えて下さい(執筆に関連することでも、全く関係がなくても構いません)?

個人的に関わっているプロジェクトにのめり込み過ぎてしまうことです。制御して、もっと任せる必要があります。

一緒に食事をしたい作家(故人でも構いません)は誰ですか?

難しい質問ですね。ベンジャミン・フランクリン…いいえ、ドクタースース(絵本作家)にします。

明日、世界のどこにでも行くことが出来るとしたら、どこに向かいますか(コストや仕事は度外視して下さい)?

ネパールに行きたいですね。ブラジルも良いですね。でも、ハワイが一番です。オアフ島のノースショアに行きたいです。

仲間のライターに対して、時間を遡ることが出来たら、自分自身にも伝えるであろうアドバイスを何か送って下さい。

気合で試行錯誤してライティングスキルを磨こうとすると、無駄に時間がかかってしまいます。そのため、講座を受講する、相談相手を探す、そして、出来るだけ実戦経験を積むと良いでしょう。最も好きな取り組みにこだわり、粘り強くチャレンジしてもらいたいです。

本サイトの読者に何か他に知ってもらいたいことはありますか?

仕事ばかりで、遊ばないでいると、つまらない人間になってしまいます。

ウェブ上で連絡の取れる場所を教えて下さい。

ライターの仕事場…

私は、執筆作業の大半を飛行機の中で行っていますが、本腰を入れ、仕事を終わらせる聖域も持っています。

仕事中に集中力が切れそうになると、信頼するパートナーのココが脱線を食い止めてくれます。

また、退屈になったら、創造力を活性化してくれる巨大なシェイクスピアの本を読むようにしています。

Image of Lee Odden desk

ライターファイル…

私達に刺激を与えてくえるライターの作品の中に、さらに多くの問いや答えが眠っている。アーカイブを調べたい方は、このページをクリックして、インスピレーションを得てもらいたい。

Copybloggerをeメール、または、RSSを介して既に購読している方には、通常のコンテンツと同様に、次回の連載も送信する。購読していないなら、貴重な情報を見逃さないように、今すぐに購読しよう。

それでは、締め切りを大胆に決めて、仕事に戻ろう。次回をお楽しみに!

また、この記事に関する議論に参加したい方は、Google-Plusにアクセスしてもらいたい。

編集者注

Copybloggerが主催するコンテンツマーケティング & ネットワーキングイベント「Authority Intensive」では、リー・オデン氏の講演が予定されており、期待は膨らむばかりだ(2014年 5月7-9日 コロラド州デンバー)。チケットは完売しているが、来年のAuthority Intensiveの詳しい情報を提供するので、しばらく注目して頂きたい。


この記事は、Copybloggerに掲載された「Here’s How Lee Odden Writes」を翻訳した内容です。

なんというか、特に特別な秘訣があるわけではなかったと思いますが、逆に考えれば誰にでもチャンスはあるともいえるかもしれません。多産で有名な彼ですが、そんな彼でもライターズブロックを何度も経験しているんですね。結局は諦めずに書き続けることが大事、ということでしょうか。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告は倫理的に見て問題ないのか?

ネイティブ広告に関する記事を連投してきたSEO Japan、最後はネイティブ広告が批判される理由でもあるその倫理性について深く考えた記事を。コンテンツか広告か区別がつきにくく、受け手の混乱を招く、場合によっては騙す手法として批判もあるネイティブ広告、日本でも有名人ブログのステマが一時問題になりましたが、昔から米国以上に使われている雑誌のPR記事なども一読して広告やコンテンツか判断出来ないような内容が多いのもまた事実です。そんなネイティブ広告の倫理性に関する様々な議論を。 — SEO Japan

image of mountainous wilderness with varying shades of light and shadow

早速、検証していこう。

ある日曜日、怪しげな6ページの折り込み広告がDenver Postに掲載されていた。

広告をめくると、「埋め立ては環境のバランス、そして、エネルギーのニーズを改善する」や「コロラド州の環境の規制は、全米の模範となっている」等の記事が現れる。

このセクションは「Advertising Supplement to the Denver Post」(Denver Postの広告付録)と記されていた。見た目、そして、デザインにおいては、Denver Postの他のセクションとは若干異なっているものの、通常の記事に似せようとする意図は明白であった。

しかし、実際には記事ではない。

これは、コロラド州を拠点に活動する2つのエネルギー供給会社によって設立された団体、Coloradans for Responsible Energy Development(CRED)の広告である。

皆さんなら、どのような反応を示すだろうか?

コロラド州の大勢の市民(Denver Postの大勢の職員を含む)は、激怒した。

抗議を受けて、CREDの広報は、「これほどの嬉しいニュースは滅多にありません。この朗報を皆さまと分かち合う機会だと私達は考えています。賛否両論があるから語られないのではなく、純粋に良いストーリーなのです」と主張している。

そのストーリーを伝える最適な方法と言えば、当然、PR記事(日本語)が真っ先に思い浮かぶ。

と言うことで、ネイティブ広告シリーズを締めくくる今回の投稿では、「ネイティブ広告に関する一般的な懸念」を取り上げる。

懸念その1: 消費者が混乱する

ネイティブ広告において最も厄介な点は、詐欺を連想させてしまうことだ — 広告が実際には編集コンテンツ(メディアが自主的に作成した記事)だと、巧みに思わせる意図を持つためである。

これが、冒頭で紹介した件で、「広告」と明記されているにも関わらず、大勢のコロラドの市民を怒らせた原因であった(のではないだろうか)。

ここで、「無害の団体(キルト作りの団体等)が見開き広告を買ったなら、ここまで批判されていたのだろうか?」と言う疑問が浮かぶ。

恐らく、これほど大勢の人達が、目くじらを立てることはなかっただろう。

広告と明記されているか否かに関わらず、「私達の自然」をスローガンに掲げる州では、エネルギー開発はデリケートなトピックに該当する。

しかし、「表記」が問題ではないことを示唆する証拠が、増え続けている。

サンフランシスコ大学で法律を教えるデビッド・フランクリン教授が実施した調査では、大半の読者が、「スポンサー」と言う表示を見ていない点が判明した。単純に飛ばしているのだ。

その上、大半の参加者 — 過半数 — は「スポンサー」の意味すら理解していない。「スポンサー」の意味を理解する人達は、この表示を重要視しているのだろうか?フランクリン教授は、否定的な考えを持っている。

また、この調査で、同教授は、60%以上がコンテンツを気に入っていることも発見していた。

「読者は、マーケッターが仕掛けた刺激を楽しみ、「People Magazine」を読むように、好みのページを読むだけだ」とフランクリン教授は指摘している。

BuzzFeedのジョン・スターンバーグ社長による消費者の混乱は作り話に過ぎないと言う主張は、あながち的外れではないのかもしれない。

また、スポンサードコンテンツを楽しんでもらえるかどうかは、コンテンツの質にも左右される。

しかし、Buzzfeedのオーディエンスに受け入れられることが、New York Timesのオーディエンスにも受け入れられるとは限らない。この件に関しては、ネイティブ広告の現状を把握する意識調査(日本語)の中で説明した。この調査では、BuzzFeedと比べ、The Timesがブランデッドコンテンツを配信した場合、懸念を持つ人が多いことが判明していた:

graphs showing differing opinions on how much people would care if brands published content in the New York Times and BuzzFeed

ニューヨークタイムズは「真面目なジャーナリズム」、一方のBuzzFeedは全く毛色の異なる存在と見られているためだ。

教訓: 意図を徹底して明白に記し、ネイティブ広告計画(PDF)の開示の推奨事項を学び、常に、質の高いコンテンツを作成する。

懸念その2: Googleはネイティブ広告を嫌う

状況に左右される。

約1年前、Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏がPR記事に関する動画を投稿していた。カッツ氏は、紛らわしい広告を掲載する行為、もしくは、売買したリンクを介してページランクを渡す行為を糾弾していた。

カッツ氏の発言を以下に掲載する:

また、PR記事 — ネイティブ広告の一種 — にも注目している。この手の広告は、品質ガイドラインに違反している。従って、取り上げる代わりに、もしくは、広告等を行う代わりに金銭を受け取っているなら、この広告にページランクを循環させるべきではない。

Googleのルールを違反すれば、検索ランキングにペナルティーが科される。

しかし、この動画から1ヶ月も経過しないうちにGoogleは、DoubleClick Digitalにネイティブ機能を加えていた。Facebookが広告で大儲けしていると言う噂を耳にしたのかもしれない:

J.P Morganは、ネイティブ広告の長所として、支出に対して大きな利益をもたらす点を挙げている。同社によると、ネイティブ広告は、2013年にはFacebookのインプレッションの5-10%に過ぎなかったものの、収益の60%以上を占めていたようだ。

ネイティブ広告から60%以上の収益を得た、と聞けば、誰だってこの広告ユニットに対する立場を見直すはずである。

教訓: ペナルティーの対象になる行為は慎む必要がある。要するに、インターネットユーザーが求める有益なコンテンツを作ろう。

懸念その3: 利害の対立

このタイミングで、ネイティブ広告業界は、二分されていることを伝えておく(ネイティブ広告の例を紹介した記事(日本語)のハーフタイムで示唆した)。

スポンサーやブランドによるコンテンツ、および、PR記事等の編集コンテンツを持つグループ、そして、スポンサー記事、プロモツイート、推奨ウィジェット、モバイルアプリ広告等のコンテンツを持つグループが存在する。

後者に関しては、異なる定義が存在する。

AppsFireのオーリエル・オハヨンCEOは、「ネイティブ広告とは、製品の購入、アプリのインストール、サービスの利用、登録、ニュースレターの購読等、直接的な反応をベースにしている」と指摘している。

オハヨンCEOは、さらに次のように述べていた:

広告を読んだ後なら、もしくは、双方向的なやり取りを行った後なら、全てを計測することが可能だ。例えば、恐らく、ネイティブ広告の中では最も進歩した部類に入るモバイルにおいては、特定のソースからアプリをダウンロードしたユーザーのLTV(障害顧客価値)まで把握することが出来る。経験上、ネイティブ広告のCTR(クリックスルー率)とCVR(コンバージョン率)は、通常の割り込む広告形式よりも、5-20倍高い。これは、多くのスポンサーにポジティブな印象をもたらす。

つまり、このタイプのネイティブ広告(日本語)は、割と容易に計測することが出来る。

この広告ユニットは、利益の対立に関する懸念を呼び起こす可能性は低いだろう。媒体の流れから逸脱していないためだ。

利害の対立に関する懸念が生じるのは、例えば、Forbes、New York Times、Gawker、あるいは、Denvor Postに代表されるような、編集コンテンツである。

その前に、利害の対立とは、何のことを言っているのだろうか?「利害の対立とは、一次的な利益に関する仕事上の判断や行動が、過度に二次的な利益による影響を受ける状況を指す」。

例えば、CNET(NBCの子会社)が、競合する製品に賞を与えることをCBSが禁じる行為に代表される。

教訓: 良質なブランデッドコンテンツは、混乱を招くことを意図しているわけではない。商業的な動機を明確に公表し、顧客候補に対して、適切な背景で有益なコンテンツを提供することを重視するべきである。

懸念その4: 人材不足

コンテンツマーケティングにおいては、規模が課題となる。

一般的に、大量のコンテンツを作成する取り組みは、中小企業には向いていない。誰もがこの点を心得ている。薄っぺらいコンテンツを作成するのとは、大いに異なる。中身のあるコンテンツを作るには、遥かに多くの人的資源が必要になる。

例えば、本サイトが「ブログの記事に欠かせない11点の材料」を記したインフォグラフィックを作成した際は、2週間に渡って、1名のライター、1名のエディター、そして、1名のデザイナーが参加していた。

ブランデッドコンテンツやスポンサードコンテンツのようなネイティブ広告作品には、多くの労働力が求められる。Forbesは毎日400本の記事を配信しているが、それが出来るのは、400名の寄稿者が毎日記事を投稿しているからだ。

この大規模な労働力は、ブランドに代わってコンテンツを作成する、Studio@Gawker等の社内の代理店によって満たされる。当然、費用は要求される。また、CopyPress等のコンテンツマーケティングサービスを提供する会社も存在する。

直接反応広告ユニットによって、中小企業でもネイティブ広告を利用することが可能である。

キャンペーンを軌道に乗せ、管理するために必要な労力は、大規模なコンテンツマーケティングプログラムに比べれば、少なくて済む。もちろん、無数のアプローチから適切なものを選び、ある程度の予算を持っていることが前提となる(ちなみに、コンテンツマーケティングの代わりに、この取り組みを推奨しているわけではない)。

教訓: 予算を組み、(どれだけ規模が小さくても)コンテンツマーケティングプログラムに資金をつぎ込む。 オーディエンスを構築することが真の目標であり、そのためには、まず、ブログのようなメディアサイトの運営に着手する必要がある。その後、ネイティブ広告ユニットを用いて、このサイトにトラフィックを送り込み、拡大する取り組みを継続していくべきである。

懸念その5: 連邦取引委員会(FTC)

最後に、この類の広告をマークすると思われる米国政府の機関 — 連邦取引委員会(FTC)を取り上げる。

懸念としての唯一の問題点は、機能しているようには思えないことだ。

昨年末、FTCは1日限りのワークショップ「曖昧な境界線」を行い、「警戒していることを」印象づけようとしていた。しかし、広告を専門とするオーガスト T. ホーバス弁護士も指摘しているように、FTCはネイティブ広告が何かさえ理解していないようだ。

事実、主催したカンファレンスで認めてしまっている

FTCは、スポンサードコンテンツ(曖昧な境界線と言っておきながら、ハッキリとスポンサードコンテンツと名指ししていた)に焦点を絞っているようだが、先程も説明した通り、これはネイティブ広告の半分でしかない。

FTCは、Google、Facebook等の広告ネットワークやモバイルアプリの広告をマークしているとは、私には思えない。なぜなら、単なる広告にしか見えていないためだ。また、ブランデッドコンテンツの領域において、消費者を保護する活動は、無意味だと考えられる。

先程紹介した、ネイティブ広告に対する意識調査を行ったサンフランシスコ大学のフランクリン教授は、このカンファレンスに参加していた。フランクリン教授は、調査結果(ほとんどの調査参加者が「スポンサー」を見ていなかった)を発表し、その後、「消費者を何から守ろうとしているのか?」と発言していた。

教訓: 明確に表記する。また、(まだ読んでいないなら)今のうちに.com Disclosures: デジタル広告で効果的に開示する方法(PDF)に目を通しておこう。

最後に

壊れたレコードのように聞こえるかもしれない — ネイティブ広告に関わる懸念を避けたいなら、明確に表記するべきである。意図が明白に伝わるように心掛けよう。

唯一の適切な表記は「広告」だと主張する消費者保護団体も存在する。パブリッシャーはこの考えを受け入れられないはずだ。しかし、全て正当な懸念である。New York Timesを見てみよう。このような表記には「注目しないで下さい」と合図する意図があるのだろうか?

しかし、Denver Postの件で発覚したように、気候変動、銃規制法、あるいは、性と生殖に関する権利等、デリケートなトピックにおいては、抗議問題に発展する可能性もある。

それでは、ネイティブ広告に対する最終的な結論を提供する。

PRのエキスパート、エリス・フリードマン氏の考え方は、個人的に気に入っている:

ネイティブ広告は、最悪、おとり商法になり得るが、最高のケースでは、役に立ち、有益なアイテムとなり、たまたま、金銭の享受が行われている、と言うことも出来る。

どのアプローチを私達が支持しているのかは、皆さんなら容易に判断することが出来るはずだ。

Google-Plusのディスカッションに参加し、意見を発表してもらいたい。

ネイティブ広告シリーズ

ネイティブ広告シリーズの記事に全て目を通しているだろうか?まだ読んでいない記事があるなら、今のうちに追いついておこう:


この記事は、Copybloggerに掲載された「Is Native Advertising Ethical? (It Depends On Who You Ask)」を翻訳した内容です。

一人一人が考えたい、常にどこかで意識していたい問題でした。批判はありつつも、その効果の高さからさらなる利用が見込まれるネイティブ広告、こうした議論を通じてより良い形で普及していってほしいですね。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告はブランドに利益をもたらすのか?

ネイティブ広告関連記事を連投しているSEO Japan、今回はネイティブ広告の主要な利用主となるであろう、ブランドにとってネイティブ広告は実際に活用できる存在なのか?という記事を。ネイティブ広告の意味から効果、各種意見等、様々な内容が盛り沢山のネイティブ広告について考える上で色々参考になる点が多い記事になっています。 — SEO Japan

vintage image of a man looking at bags of gold

新たな収入源を必死で求めるパブリッシャー達が、ネイティブ広告に大挙して押し寄せている。

パブリッシャーは、ウェブサイトの貴重なスペースを、トラフィックを獲得し、ブランドアウェアネスを強化する新たな手段を探しているブランドに渡している。

そして、このスペースに対して、プレミアム価格を請求する。

PR記事、スポンサードコンテンツ、そして、モバイルフォンアプリのインタースティシャルに至るまで、ネイティブ広告(日本語)には、様々な形がある。そして、選択肢は増え続けている。同時にネイティブ広告に費やされる金額も増加の一途を辿っている。

しかし、(簡単な答えは存在しないが)ブランドは、「ネイティブ広告に費やす資金に対して、プラスの利益を得ているのか?」を問う必要がある。

そこで、私はこの分野の複数のキープレイヤーに見解を尋ねてみた。

ネイティブ広告が台頭していることは明白

コンサルティングエージェンシ-のKIA/Kelseyは、米国のソーシャル広告の収益は、2012年の47億ドルから、2017年には110億ドルに大幅にアップすると推測している。

年間18.6%のペースで増加することになる。

このような成長率を経験すると、当然ながら、ネイティブ広告に関するアドバイスを送る取り組みが増え続ける(もちろん、我々も参戦している)。

さらに、パブリッシャーは、この需要に応えるため、社内にエージェンシーを作っている。Onion Labs、Snap、そして、Studio@Gawker…この分野で台頭するプレイヤーが続出している。

また、SharethroughOutbrainRespondHQ、そして、AppsFire等、ネットワークを設立して、フィード内広告を支援する企業も現れている。

Sharethroughのダン・グリーンバーグCEOは、Eメールを介して、「ネイティブ広告によるフィードの収益化は、パブリッシャーにとって、収益を増やしていく究極のチャンスである。適切に実施すれば(つまり、通常の広告ではなく、コンテンツを活用する必要がある)、品質の高い、礼儀を重んじたユーザー体験を読者に与えることが出来る」と主張している。

パブリッシャー、そして、メディアの仲介者は、毎年、バナー広告の見返りが減り続けているため、スポンサーはこの形式を採用すると指摘するようになるだろう。しかし、Chartbeatのトニー・ハイレCEOは、この考え方を完全に否定している(後ほど詳しく説明する)。

このように、ネイティブ広告を利用する動きは活発になっている — しかし、実際に効果はあるのだろうか?

ネイティブ広告の効果

AppsFireのオーリエル・オハヨンCEOは、「ネイティブ広告には2つの種類がある。すぐにROIを求めるのではなく、ブランディングを意識して作られる広告、そして、すぐにROIを計測し、その要因を特定することが可能なネイティブ広告が存在する」と明言している。

オハヨンCEO曰く、Jeep等の自動車メーカーのInstagramでの広告は、恐らく、直後の販売増加を期待しているのではなく、エンゲージメント(参加を介した交流)と接触範囲を成功の基準として計測するようだ。

「大半の編集関連のコンテンツに同じことが言える。データを持っているわけではないが、直接的なレスポンスではなく、ブランド構築、あるいは、購入/意思決定の援助を考慮しているのではないだろうか。つまり、ROI主導のパフォーマンスを求めているわけではない」とオハヨンCEOは続けた。

SharethroughのグリーンバーグCEOは、ネイティブ広告の効果を評価するために実施された調査を幾つか紹介してくれた。

まず、SharethroughとIPG Labsが協力して実施した調査: 「ネイティブ広告の有効性」を検証する。

クリックすると新しいウィンドウで拡大した画像を閲覧することが可能。

infographic exploring the effectiveness of native ads

結果の概要を紹介する:

  • 消費者は、バナー広告よりも、ネイティブ広告を見る確率が高い。
  • ネイティブ広告は、ブランドの好感度を高める効果がある。
  • ネイティブ広告は、購入する意欲を高める。
  • ネイティブ広告はシェアしてもらえる確率が高い(32% vs 19%)。
  • 広告するブランドに個人的に共感する確率が高い(71% vs 50%)。
  • ネイティブ広告をオリジナルのコンテンツと同じように読み、同じ時間を費やす。

別のSharethroughのレポート(Neilsen Labsとのコラボレーション)「最もブランドの好感度を上げる動画広告のメソッドは?」では、ネイティブ動画広告とプレロール動画広告の比較が行われている。

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ネイティブ動画広告は、ユーザー側が再生を始める広告であり、時間の長さは決まっていない。一方のプレロール広告は、動画が始まる前に自動的に15-30秒間再生される。

それでは、この調査の結果を簡単に説明する:

  • ネイティブ動画広告は、ブランドのイメージを85%アップさせる。
  • プレロール動画広告は、ブランドの好感度を下げる確率が高い。

さらに、昨年の8月には、InMobiの製品部門を統括するピユシュ・シャー氏が、フルページのインタースティシャル(「間」の別の言い方)モバイル広告は、動画の視聴数が25倍、コンバージョンは7倍、そして、広告スポンサーの収益は9倍に増やすと述べている。

シャー氏は、「通常、インタースティシャルは、ゲーム、ソーシャルアプリ、そして、娯楽関係のアプリの宣伝において特に効果が高い」と結論付けている。

これまでは文句のつけようがない。

ネイティブ広告の効果を測定する方法

そもそも、何を計測しようとしているのだろうか

クリックスルーが測定基準として最も適切しているだろうか?エンゲージメントは向いているだろうか?オンサイトまたはオフサイトだろうか?ページビューを数えればいいのだろうか?ページの滞在時間がベストだろうか?

何よりも最も重要なのは、「ネイティブ広告は利益をもたらしているかどうか」である。

パブリッシャーは、様々なアプローチを考案している。Forbesのチーフレベニューオフィサーを務めるマーク・ハワード氏曰く、Forbesは、「ページビューのカウント、ユニークビジターのカウント、フォロワー、シェア、コメントのカウントをスポンサーに伝え、好きな時にいつでもこのデータを分類することが出来るようにしている」ようだ。

また、SheKnowsのチーフレベニューオフィサー、サマンサ・スカイ氏は、「私達はコンテンツの有効性を計測する方法とほぼ同じ方法でネイティブ広告の有効性を計測している。つまり、基本的に、関心の大きさ、ユーザーが広告に没頭した時間、そして、シェアする欲求が計測の対象となる」と明言している。

また、NewsCredは、下の便利なガイドの中で、適切なソーシャル広告のオプションに対する、適切な計測基準を特定している。

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proper measurement for the proper social ad option

どうやら、ネイティブ広告は、堅実で、健全な生活を送っているようだ。しかし、このようなバラ色の未来を予測していない人物が少なくとも二人はいる。

ネイティブ広告否定派

一人目は、ネイティブ広告は滅亡すると確信しているジャーナリスト/マーケッターのカーク・チェイフィッツ氏だ(ただし、その他の否定派のように連邦取引委員会が、滅亡に追い込むとは考えていない)。Story WorldwideのCEOであり、編集長を務める同氏は、ネイティブ広告は、単なる一時的な流行に過ぎないと断言している(つまり、バナー広告と同じだと言うことだろうか?)。

チェイフィッツ氏の主張は、ネイティブ広告が、ブランドの信頼性を落とすと言う仮説に成り立っている。「コンテンツマーケティングがここまで成功している中、なぜネガティブに考えるのか?」

と言う問いに対して、同氏は次のように説明している:

ニュートラルなプラットフォーム(例えばYouTube)、または、広告スポンサーが所有するサイトに表示される際、ブランドを語るストーリーはブランドのために全力を尽くす。

つまり、ブランドは、ネイティブ広告が、自らのコンテンツに関して、期待に応えていないことに気づくようになる、と同氏は指摘しているのだ。

この見解には一理ある。

2011年のCustom Content Councilの支出調査で判明した事実を以下に挙げていく:

  • マーケッターの72%は、雑誌の広告よりも、ブランデッドコンテンツの方が効果は高いと考えている。
  • 62%は、テレビのCMよりも効果が高いと考えている。
  • 69%は、ダイレクトメールとPRよりも優れていると答えている。

もう一人のやや悲観的な考えを持っているのは、先程紹介したChartbeatのトニー・ハイレCEOである。

このTimeの記事で、トニー・ハイレ氏は、インターネットに関して、私達の見解はいつも誤っていると主張している。「バナー広告は役に立たない等の一般的な考えは、現実とは異なる」と同氏は述べている。

ネイティブ広告が、パブリッシャーの救世主であると言うアイデアもハイレ氏は否定している。

「通常の記事では、読者の3分の2が15秒間没頭するものの、ネイティブ広告の場合、その割合は3分の1に激減する」と言うのが同氏の持論だ。

要するに、ネイティブ広告を見ても、オーディエンスに没頭してもらえないことになる。

「ブランドが料金を支払い、パブリッシャーがトラフィックをもたらすコンテンツは、ビジターの注目を集めることも、クリエイターの目標を達成することもない。平たく言うと、ネイティブ広告は、注意欠陥障害を患っているのだ」とハイレ氏は指摘している。

この指摘は当然と言えば当然である。

試しに、Inc.、The New York Times、または、Gawker等のサイトのブランデッドコンテンツを見ると、コンテンツが、売れるコンテンツの重要な要素を満たしていても、編集記事には勝てないことは明白である。

Buzzfeed: ネイティブ広告大使

しかし、あるパブリッシャーは、有益なビジネスモデルを確立している可能性がある。それは、BuzzFeedだ。そして、そのモデルは、直感に訴える、優れたコンテンツを目玉に掲げている。

ネイティブ広告の現状を把握する意識調査」(日本語)で私はCaptain Morganを例に出したが、それはコンテンツの質が高かったためだ。

しかし、上の記事では言及しなかったが、この件に関して、少し奇妙な点があった。Captain Morganは、自社のウェブサイトでこの記事を15ヶ月間以上も掲載していなかったのだ。その理由を考えてみよう。

色々な理由が考えられる — 予算が枯渇した、他のことに注目していた、目標を達成した等々。気になったので、Captain Morganに連絡を取ってみた。すると、同社の代わりにキャンペーンを行ったエージェンシーを紹介してもらえた。そこで、担当者に質問を投げ掛けたが、まだ返事は受け取っていない。

また、BuzzFeedの広告部門にもeメールを送ったが、こちらも返事は貰えていない。

このページには、BuzzFeedでの広告に関して、次のように記されている:

  • ブランデッドコンテンツは、ソーシャルメディアでのシェアが平均で1.3倍増える。
  • クリックスルー率は、1-3%増える(大して増えていないと思うかもしれないが、業界の平均の20倍と聞けば考えが変わるはずだ)。

そして、Taco Bell、Mini、そして、Virgin Mobile等の一流ブランドによるケーススタディを見る限り、BuzzFeedは価値を与えているように見える。しかし、どのぐらいの価値を与えているのだろうか?また、この価値は全ての広告スポンサーにメリットを与えているのだろうか?現時点では、ハッキリとした答えは分かっていない。

結論: ライターが再び得をする

ネイティブ広告は滅亡することはない。

そうではなく、現在、ネイティブ広告の価格 — とりわけ、ブランデッドコンテンツとスポンサードコンテンツの類 — が、マーケットの価値に合わせて、下がる現象が起きている。何を測定するべきかに関して賢くなり、測定するツールが開発されるようになると、ROIを明確に理解することが出来るようになり、その後、プレミアム価格は下がる。

最後にもう1点気になったことを言っておく。

私は「ネイティブ広告が圧倒的な勝利を収める」と言う考え方には、懐疑的な立場を取っている。しかし、ライター、特に優秀なライターにとってチャンスであることは疑いようがない。

Contentlyでジョー・ローソースカス氏が指摘しているように、かつてブランドは編集コンテンツを深く理解しているとは程遠い状態であったが、最近では、プロのジャーナリストが参加し、また、Red Bull、Chipotle、そして、GE等の優れたブランドによって模範が示されていることもあり、大きく進化を遂げている。

事実、ライター冥利に尽きる1年がまた訪れようとしているのかもしれない。

意見募集

ネイティブ広告は、大事な成果をもたらすことに、どの程度成功しているのだろうか?

この記事でスタッツや裏話に目を通した結果、ネイティブ広告への期待度は高まっただろうか、それとも、下がっただろうか?

奮ってGoogle+で議論に参加してもらいたい。

ネイティブ広告シリーズ

ネイティブ広告シリーズ記事に全て目を通しているだろうか?まだ読んでいない記事があるなら、今のうちに追いついておこう:

Flickrのクリエイティブコモンズの画像 — The University of Washington


この記事は、Copybloggerに掲載された「Is Native Advertising Even Profitable for Brands?」を翻訳した内容です。

色々意見はあるようですが、成長していくことは間違いないこの分野、さて皆さんどう思われたでしょうか? — SEO Japan [G+]

最高のPR記事(アドバトリアル)を成功させる14の手順

コピーブロガーのネイティブ広告関連の記事を集中投稿しているSEO Japanですが、今回はネイティブ広告の一種であり、日本でも雑誌メディアを中心に古くから使われてきたPR記事を書くティップスを14まとめた記事を同じくコピーブロガーから。 — SEO Japan

still life image of a desk with Mac products, colored pencils, books, etc

PR記事はネイティブ広告であり、「読者から特定のアクションを引き出す」と言う意図を持つ。

例えば、チャリティ団体への寄付、PDFのダウンロード、Eメールニュースレターの購読、店への訪問、あるいは、製品の購入等が、このアクションに該当する。

効果的なPR記事は、読者の心をつかみ、– 具体的な言葉を介して向けられた、次に起こすべき行動に論理的に導く。これが コールトゥアクションと呼ばれるものだ。

様々な種類のPR記事がある。

  • リストやガイドの形式で提供されることもある。
  • 動画や印刷媒体の記事の形式を取ることもある。
  • 1ページの作品もあれば、6ページの作品もある。

フォーマットやメディアに関わらず、大半のPR記事には、ストーリーが存在する。

そのため、ブログの記事の欠かせない要素とPR記事の欠かせない要素の間には多くの共通点が見られる。

しかし、知っておかなければならないPR記事特有のポイントもある。

以下に、成功する — つまり売れるPR記事を作成する際の基本的なステップを挙げていく。

1. メディアを調べる

PR記事は、雑誌やウェブサイト上で、背景を踏まえて掲載される。

そのため、この背景を詳しく調べる必要がある。

  • レイアウト、フォント、そして、列の選択等、デザインの技法
  • タイトル、キャッチコピー、署名欄等、編集の技法。

それよりも、メディアのオーディエンスを理解しなければならない(後ほど詳しく説明していく)。

2. タイトルを調べる

タイトルのスタイルを一致させる必要がある。

そのメディアは、Time誌の「法廷、ベルルスコーニに社会奉仕活動を求める」等、ニュースの断片を取り上げるタイトルを採用しているだろうか?あるいは、Quartzの「大気汚染が原因で何年寿命を縮めていますか?」等、好奇心を刺激し、完全な文章のタイトルを用いているだろうか?

もしくは、Upworthyのように長く、それでいて、ルーズなタイトルだろうか?それとも、BBCのように短く、内容の濃いタイトルだろうか?

3. 冒頭を調べる

複数の記事の最初の2、3行を調べてみよう。当該のメディアがどのように読者をストーリーに引き寄せているのか理解してもらいたい。

特に人気の高い記事から始めると良いだろう。

  • キャラクターを紹介することから始めているだろうか?
  • 詳細に説明しているだろうか、または、簡単に説明しているだろうか?
  • 場所を説明しているだろうか?
  • どの感覚に焦点を絞っているのだろうか: 視覚?触感?音?
  • 冒頭の文は、短く、パンチが効いているだろうか?それとも、長く、詳しく説明しているだろうか?

4. 本文を調べる

メディアは、American Conservativeのようにテキストの塊を規則正しく用いているだろうか?それとも、Sports Illustratedのように会話が不規則に散りばめられているだろうか?

Scientific Americanのように洗練された言葉が用いられているだろうか?それとも、BuzzFeedのようにシンプルな言葉で綴られているだろうか?

短い文を好むだろうか?長い文を好むだろうか?

PR記事でも全く同じパターンを採用するべきである。

5. オーディエンスを調べる

どんな人が読んでいるのだろうか?

何よりも重要なのは、オーディエンスが何を求めているのかを探ることだ。

  • 読者層と読者の心理に関するレポートの提供をメディアに求める。
  • コメント欄やお便りのコーナーを読む。
  • 読者層に関して、編集者に見解を尋ねる。
  • 数名の読者とEメールでやり取りする。

6. 広告のポリシーを把握する

メディアに広告ポリシーを尋ねてもらいたい。その際は、PR記事に関する立場を把握することを心掛けよう。

不安があるなら、具体的な質問を投げ掛けるべきである。

7. ストーリーを作る

ジャーナリストの視点で、PR記事の作成に取り組んでもらいたい。データを集め、格言を集めよう。

キャラクターを紹介し、キャラクターの人生を描写し、葛藤を伝えると良いだろう。

優れたストーリーは、紆余曲折した構想を基に展開されていく。

要するに、ストーリーテリングのスキルを磨き上げる必要があると言うことだ。

8. 読者の痛みを特定する

理想的な読者の悩みを一つ特定しよう。

眠れない原因は何だろうか?何を心から求めているのだろうか?

そして、理想の読者にどんな感情を持ってもらいたいだろうか?

9. 痛みを悪化させる

優れたストーリーでは、キャラクターの紹介が行われる。キャラクターの日常生活を紹介し、その後、この日常的な習慣を徹底的にぶち壊し、キャラクターをどん底へと突き落す。

順調に出世街道を突き進んでいた…乳がんによって戦線離脱するまでは。

何もかもがうまくいっていると思っていた…妻が他の男を愛し、家を出ていくまでは。

読者が共感するストーリが必要になる。

10. 敵を紹介する

この痛みの原因は何だろうか?

  • 給与を根こそぎ奪い、無駄遣いする政府が、原因に該当するときもある。
  • 製品の製造過程を隠ぺいした大企業が、痛みをもたらすこともある。
  • 平穏な週末をぶち壊しにした奇妙な隣人が怒りの対象なのかもしれない。

憎らしい敵が登場すれば、読者はストーリーに引き込まれる。

11. 解決策を紹介する

読者が動揺したら、解決策を与えよう — この解決策こそが、製品であり、サービスである。

例えば、自分が値する給与額の交渉を行う方法を、メンタープログラムがどのように教えるのか実証しよう。薬品を使わずに、青々とした芝生にする方法を伝えよう。

ここで、製品、または、解決策のメリットを伝えてもらいたい。問題が消えてなくなるほどの大きな利点を分かってもらうのだ。

12. 大胆な主張を裏付ける

ストーリーは主張として受け取られる。そのストーリーが、実際の人物に関する、実際のストーリーであるなら言うことはない。

  • 孫と過ごすのどかな時間が、突然やってきた鬱によって台無しになった。
  • 同僚に裏切られた結果、重役が思い描いていた財務の見通しが、根底から覆されることになった。

データ、テストの結果、そして、スタッツを用いて、製品やサービスに関する主張を立証しなければならない。この情報を豊富に提供してもらいたい。

自分の製品が提供するメリットを提供する製品が他には存在しないと思わせる必要がある。

13. ハッピーエンドで終わる

これはブラックユーモアでもなければ、アバンギャルドなフランス映画でもない。サンダンスやカンヌを狙っているわけではない。

工夫は必要だが、ハッピーエンドでストーリーを締めてもらいたい — 最後に正義は勝ち、敵を倒し、再び平穏な日常生活が戻って来る。

14. コールトゥアクションを加える

13までを実行に移したら、読者は連絡を取る方法を求めているはずだ。例えば、製品を買いたくなっている、もしくは、雇用したくなっているのだ。

そのため、何をするべきか具体的に示してあげよう

  • 購読する方法
  • Eブックをダウンロードする方法
  • アプリを購入する方法

具体的な行動に導こう。推測は禁物だ(Star News OnlineがこのPR記事をどのように締めているのか確認してもらいたい)。

結論

良質なPR記事は、読む人、見る人、そして、聞く人を意識している。受け手側が、自分自身を記事の中に反映することが出来るのだ。

優れたPR記事の最終的な目標は、「広告」と言うラベル、企業名、そして、コールトゥアクションを削除すると、コンテンツがメディアに溶け込むことだ。

効果的なPR記事の例(日本語)を参考にすると良いだろう。

次回の予告

PR記事において見て見ぬふりが横行しているポイントがある — それは、編集作品の背景に溶け込ませる方法である。悪質な会社は、何の躊躇いもなく、境界線をまたいで、詐欺に走りがちである。だからこそ、今後の記事では、PR記事、そして、ネイティブ広告全般における倫理的な懸念を考察していく。

しかし、次回の投稿では、広告スポンサーにとって、そもそもこのタイプの広告が利益をもたらすのかどうかを検討する。

意見募集

PR記事について、どんな考えを持っているだろうか?詐欺に近いと思うだろうか?あるいは、広告の形式としてポテンシャルを秘めていると感じているだろうか?とりわけ巧みに実施されたPR記事、もしくは、見事に失敗した記事を見たことはあるだろうか?

奮ってGoogle+の議論に参加してもらいたい。

ネイティブ広告シリーズ

ネイティブ広告シリーズに全て目を通しているだろうか?まだ読んでいない記事があるなら、今のうちに追いついておこう:

  1. ネイティブ広告が古いジャーナリストを黙らせる5つのポイント ? ネイティブ広告徹底解剖シリーズ パート1(日本語)
  2. ネイティブ広告の現状を把握する意識調査(日本語)
  3. ネイティブ広告の実例集12選(日本語)

画像: Aleks Dorohovich — Unsplash


この記事は、Copybloggerに掲載された「The 14 Keys to Writing Advertorials That Sell」を翻訳した内容です。

ネット業界どっぷりの私ですが、意外と雑誌にPR記事を定期的に出しているのですが、ウェブでも雑誌でもPR記事を考えている人には基本を理解できる良い内容だったと思います。PR記事は日本の場合、雑誌の広告はかなりの比率で何らかのPR記事的なメニューになっていますし、ウェブと比べても提案内容・実績含めかなり充実していると思いますが、これからウェブにもこういった手法が広まってくるのでしょうか。

記事の内容については途中の「読者の痛みを特定し、悪化させ、敵を紹介し、解決策を紹介して主張を裏付ける」という一連の流れは定番ながらいわれてみるとそういうことだよね、と思ってしまいました。最後にハッピーエンドで終わる、というのはアメリカらしい?でもんですか。

ちなみに日本のPR記事というと、私だけかもですが古くは大手メーカーが有名作家にエッセイ風に書いてもらったブランディング?記事が思い浮かびますが、あれはブランデッドコンテンツの部類に入るのですかね。明確に最初から「何らかのアクションを誘う意図を持つ」と書かれていたので米国ではそういう用途なのかな、と思いました。最も前述の例もそこでブランディングしてそのメーカーの商品を買ってもらいたい、という意図はあるのでしょうけど。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告の実例集12選

ネイティブ広告関連の記事を連投しているSEO Japanですが、なんとなくネイティブ広告の意味は分かっていても具体的にどういうものかといわれると、すぐにイメージできない人も多いのではないでしょうか?ということで、今回はネイティブ広告の実例を12集めた、ネイティブ広告を理解するにはもしかすると一番簡単かもしれない記事を。 — SEO Japan

Guinness Guide to Cheese advertorial

大きな注目を集めているものの、ネイティブ広告(日本語)は、大半のマーケッターにとって、今も尚、曖昧なコンセプトである。

2014年の現状調査(日本語)によると:

  • 調査参加者の49%はネイティブ広告が何だか全く理解していない。
  • 24%はほとんど理解していない。
  • 24%は少し理解している。
  • 十分に理解しているのはたった3%である。

今回の投稿では、この認知度の低さ(そして、スポンサーシップ等と勘違いする人達が多いこと)を踏まえ、ネイティブ広告の例を幾つか紹介し、うまくいく理由を検証していくことにした。

それでは、早速例を見ていこう。

1. 印刷媒体のPR記事…一番手は古典的な作品

基礎、つまりPR記事から紹介していく。

デビッド・オグルヴィの「Guinness Guide to Oysters」は、上の「Guinness Guide to Cheese」と同じく、典型的なPR記事である。PR記事が話題に上がる際は、大抵、このPR記事が言及される。ブライアン・クラークもその一人だ。

一見すると、記事のように見える:

David Ogilvy Guinness Guide to Oysters advertorial native advertising example

先週(日本語)、このコンテンツがPR記事である理由を説明した(来週は、コンバージョンをもたらすオンラインPR記事の書き方を詳しく説明する予定だ)。ここでは、このコンテンツを活かすためには、通常の記事のように見え、また、背景の様式とマッチしていなければならない、とだけ言っておこう。

つまり、ブランドの名前を削除した際に、メディアのスタイルにフィットする必要がある。

Guinness Guideは、印刷媒体の広告であり、「PR記事はウェブ上でも効果があるのか?」と言う疑問が湧く。一緒に考えていこう。

2. オンラインのPR記事

これはAtlanticに掲載されたIBMのPR記事である:

Example of IBM's branded content on The Atlantic

ご覧のように、「Sponsor Content」(スポンサーのコンテンツ)と明記されている。また、ヘッダーとナビゲーションバーを除くと、その他のIBMのコンテンツに組み込まれている。

さらに、この記事を作成したのは、IBMのマーケティング、ビッグデータ、および、分析部門のバイスプレジデントを務めるデビッド・ラバティー氏である。それでも、Atlanticの編集スタイルとデザインにマッチしている。

これはPR記事なのだろうか?実はPR記事ではない。明確なコールトゥアクションが掲載されていない。そのため、スポンサードコンテンツ、または、ブランデッドコンテンツと言うことになる。

Gawkerに掲載された以下のコンテンツはもっと分かりやすい。

この記事はGawkerのルートドメインを用いており、また、Gawkerの編集スタイルとデザインのスタイルとマッチしている。

example of an advertorial on Gawker

そして、「Sponsored」(スポンサー)と明記されている。

また、2段落目に進むと、スポンサーの意図が明確に記されている — 番組を見て下さい!

example of Gawker advertorial call to action

これは明確なコールトゥアクションである。リンクをクリックすると、King of Nerdsを放映するTV局のウェブサイトに導かれる。これは正真正銘のPR記事である。

3. オンライン動画のPR記事広告

オンライン広告が話題に上がる際は、必ず動画も話題に上がる。

PR記事広告は動画にもなり得るのだ。Onion Labs クリエイティブエージェンシーを介して、The Onionは、まさにこの取り組みを行っている。

先週投稿した記事で、Southwest Airlineの動画を紹介した。今回は、知る人ぞ知る企業、Microsoftの動画を紹介しよう。

Microsoftは、この愉快なパロディーを介して、Onionの洗礼を受けているが、メッセージを伝えることに成功している。

コールトゥアクションは明確だ — Explorer 9を試してみよう。

4. PR記事…失敗

AtlanticによるScientologyの実験(失敗に終わる)により、「ネイティブ広告」と言うワードが広告業界に浸透するようになったと言える。

この実験の前では、「native advertising」(ネイティブ広告)の検索結果は、2011年の2月まで遡らなければ見つからず、しかも、2012年の11月になるまで1桁に達していなかった。

以下に、配信した直後に削除した当該のPR記事を掲載する:

Image of controversial Church of Scientology  sponsored post on The Atlantic

PDF形式でならPonyterで全体を見ることが可能だ。

なぜAtlanticはこの記事を引っ込めたのだろうか?専門家は、Atlanticが失敗したポイントを挙げている:

  • 「Sponsor Content」(スポンサーコンテンツ)と言う曖昧な表現を使った。これは、Guardianのライター、ダン・ギルマー氏曰く、広告を広告のように見せたくない際に使う表現のようだ。
  • デザインのレイアウトが、Atlanticのデザインと似すぎている。
  • 記事がAtlanticの記事と似すぎている。

コールトゥアクションも見当たらない。

しかし、このジョークは、Atlanticではなく、Scientologyに向けられたものである。この宗教団体は、広告が下手クソだ。個人的には、Atlanticがプレッシャーに屈したことが意外であった。広告が目立たないと言うなら、なぜ大量のクレームが出たのだろうか?

それでは、スポンサードコンテンツを見ていこう。

5. スポンサードコンテンツ

スポンサードコンテンツとは、パブリッシャーが作成し、その後、企業が製作費を支払うコンテンツを指す。The OnionによるH&R Blockのスポンサードコンテンツを紹介しよう。

example of sponsored content on The Onion for H and R Block

明確なコールトゥアクションはなく、このコンテンツは、ブランドアウェアネスに該当する。

しかし、この記事はH&R Blockのバナー広告で囲まれたページに掲載されている。

Screen shot showing banner ads surrounding H and R block sponsored post on The Onion

このバナー広告には、コールトゥアクションが含まれているが、クリックしてもらえる可能性は、あまり高いとは思えない。

オフラインの世界では、Mutual of OmahaによるWild Kingdom(テレビ番組)がスポンサードコンテンツに該当する。 保険会社のMutual of Omahaが、この番組の製作費を支払っていた。コールトゥアクションはなく、単なるブランドアウェアネスである。

6. シングルスポンサー号

印刷メディアの世界では、単一の広告主が、雑誌全体のスポンサーを務める状況を、シングルスポンサー号と呼ぶ。

Targetが、2005年にThe New Yorkerの8月22日号の広告欄全体(表紙を含め、約18ページ)を買ったケースが、最も有名である。

Image of two Target ads in the New Yorker

スチュアート・エリオット氏は、このキャンペーンを報道しようとした際、「シングルスポンサー号の目的は、広告スポンサーが、テレビ番組シリーズのCMの時間を買い占める際の目的 — つまり、広告の環境を整理することで、注目を集めるのと同じ」点に気づいた、と指摘している。

このケースでもコールトゥアクションは存在せず、ブランドアウェアネスのみである。

オンラインでも仕組みは似ている — シングルスポンサーは、ウェブサイト(または関連するウェブサイトのネットワーク)の広告インベントリの大半を期間限定(1日、半日、あるいは、1時間)で購入する。例えば、Subwayは、通常、特定の注目に値するイベントに合わせて、スポーツ関連のウェブサイトでこの取り組みを実施している。

本サイトのコンテンツディレクター、ジェロッド・モリスがスポーツブログ「Midwest Sports Fans」を運営していた頃、スポーツブログネットワークのYardBarkerとの関係のおかげで、1ヶ月に1度の頻度でこのような機会に恵まれたようだ。

既に配置されたYardBarkerの広告をコントロールする特別なコードをヘッダーに加えると、ネットワーク内の参加するサイトは、同じスポンサーの同じ広告のみを表示する。

7. ブランデッドコンテンツ

スポンサードコンテンツとブランデッドコンテンツの唯一の違いは、ブランドがパブリッシャーに対してコンテンツを作成している点である。

NYTimes.comのDellの記事を以下に掲載する。有償のコンテンツである点を示すシグナルに注目してもらいたい。

dell-ny-times-branded-content

このように、有償のコンテンツの名称に関しては、広告の基準が存在しないため、用語を正確に利用すると、混乱を招く可能性がある。

今まで紹介してきた例、そして、これから紹介する例では、ネイティブ広告に対して様々な名称が用いられている。デビッド・ロドニツキ氏は、連邦取引委員会が定めた虚偽的広告の規定に違反する可能性があると指摘している。しかし、この件については、また別の機会で検証していく。

Spotifyのブランデッドプレイリストをこのカテゴリーに含めることも出来る。

必ずしもブランド側が楽曲を作るわけではないものの(セサミストリートは作った)、テーマに沿って楽曲を集めている。

Jaguar USAAbercrombie + Fitch、そして、ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事(クリスティ知事もブランドである)は、良い例だ。

8.プロダクトプレイスメント

1993年に公開された映画「The Firm」で使用されたRed Stripeのビンが典型的なプロダクトプレイスメントである。

American Idolの審査員の前に置かれたCokeのカップもこの手法に該当する。

映画E.Tには、Reese’s Pieces(チョコレートキャンディー)が登場していた。

それでは、インターネット上では、どのような取り組みが行われているのだろうか?

必ずしもViceを読んで欲しいとは思わないが(間もなくその理由が分かる)、リサーチを実施している際に、同サイトがネイティブ広告の分野で何を行っているのか気になった。

その時、この逸品に遭遇した(仕事中には見ないこと): 「Talking to Girls About the Good Ol’ Number Two Taboo」。このスライドショーは、American Apparelを中心としたアパレルメーカーのファッションショーと化している。

1ページ目のコメントに手掛かりが掲載されている(さもなければ、このスライドショーを取り上げることはなかった):

example of product placement on vice

なるほど、Ericha Kemmは、良い嗅覚を持っている。そこで、私はこの記事の作者に問い合わせてみた。

この記事を作成したのは、Caisa Ederydであり、スウェーデン人のとても謙虚なライターである。私はネイティブ広告を取り上げており、「記事」ないの写真のほぼ全てに、American Apparelの服を身にまとったモデルが写っている点を指摘した。さらに、American Apparelがスライドショーの製作費を支払っているのか尋ねてみた。

Ederydさん曰く、American Apparelは料金を支払っていないようだ。

「これはスウェーデンの記事であり、このプロジェクトには予算がなかったため、無料で服を貸してくれる会社を探さなければいけませんでした。偶然、Beyond RetroとAmerican Apparelが、私達のスタイリストが求める服の大半を持っていたのです」とEderydさんは説明してくれた。

しかし、私がさらに「このプロジェクトには予算がなかった」の意味を追求してみたところ、この記事を投稿する時点では、回答はない。

これは明らかにプロダクトプレイスメントである。

金銭の享受が行われなかったとしても、利益の享受は行われていた。たとえ少額であっても、無料で服を提供する行為は、American Apparelにとってはコストとなる。その代りに、同社は、大勢の人に見てもらうと言うメリットを得た(少なくとも24時間にわたって、この記事は「人気の高い記事」に指定されていた)。

Onionの記事でも、プロダクトプレイスメントを見たことがある。例えば、このCanon PowerShot S1100 IS デジタルカメラの言及だ:

Canon product placement in Onion article

Canonはこの広告に料金を支払っているのだろうか?広告部門によると、支払いは行われていないようだ。しかし、それなら、なぜここまで具体的なのだろうか?

宣伝の意図がないなら、「Cannon」または、単純に「カメラ」と言っても良かったはずだ。この疑問に対する回答も、まだ受けていない。

プロダクトプレイスメントもまた、ブランドアウェアネスを意識した取り組みである。明確なコールトゥアクションは存在しない。またH&R Blockの例とは異なり、コンテンツはCannonのバナー広告で囲まれているわけではない。

ハーフタイム

ネイティブ広告の現状を把握する意識調査(日本語)の中で、これから取り上げるFacebookのスポンサードポストやプロモツイート等のプロモーテッドコンテンツは、ネイティブ広告ではないと私は指摘した。フィード内広告とGoogle Adwordsも同じくネイティブ広告とは一線を画している。

その理由は、私のネイティブ広告の定義を読めば分かる:

ネイティブ広告とは、配信媒体の編集基準にマッチし、尚且つ、オーディエンスの期待に沿う有償のコンテンツである。

FacebookとTwitterは、どちらも配信媒体ではないため、この定義を満たしていない。Google Adwordsにも同じことがいえる。所謂、従来の編集部が存在しないのだ。

TwitterおよびFacebookに関しては、ブランドが再シェアのために料金を払うユーザー生成コンテンツが該当するが、これは、パブリッシャーが作成した編集コンテンツを装うわけではない。一方、Googleの場合、広告スポンサーが、オーディエンスに見てもらうために、料金を支払っているだけである。

これは通常の広告だ。

この点に関して、Sharethroughのダン・グリーンバーグCEOは、 異論を唱えるだろう。さらにリサーチを行った結果、グリーンバーグCEOの主張にも一理あることを認めざるを得なくなった。

ソーシャルストリームや検索リスティングに表示されるため、この類の広告「スポンサードポストやプロモツイート」が、ネイティブ広告に該当する、と言う原理である。つまり、広告の分類では、プロモーテッドコンテンツはPR記事に関連することになる。しかし、私は編集を経ていないため、やはりネイティブ広告とは異なると考えている。

要するに、誤りを認めている、ようなものである。:D

それでは、この告白を最後にハーフタイムに区切りをつけ、4つのネイティブ広告のアプローチを再び紹介していく。

9. フィード内広告

「ウェブ上」のコンテンツを推薦するウィジェットを目にしたことがあるのではないだろうか?

Slateのウィジェットを以下に掲載する:

Examples of in-feed ads on Slate

このリンクは、多少の宣伝と共にユーザーを別のサイトに導く。

SharethroughOutbrain、そして、Respond等のサービスは、このような広告を運営するネットワークを提供し、広告スポンサーはクリックに対して料金を支払う。

しかし、次に紹介するフィード内広告は一味違う。明らかに宣伝する目的を持っている。

Example of commercial in-feed ad on Slate

ヘッドラインは、Slateの編集スタイルとマッチしているものの、「Sponsored」と記されている。リンクをクリックすると、業界最高の会社として、航空会社が進化した経緯を説明する動画が掲載された、British Airwaysのブランドページに導かれる。

次に、別のサイトに導くフィード内広告を紹介する。どんなアイテムだか想像がつくのではないだろうか?

  • お腹の贅肉を燃やすたった1つの単純な運動。
  • 地域の逮捕に関する情報。

ボールド体の「ウェブで話題を集めているコンテンツ」の下に、目立たない薄いグレーで「広告」と記されている類の広告である。

この手の広告は、コンテンツに関して、そして、導くウェブサイトに関して、パブリッシャーによる編集を感じさせるものの、商業的な意図を持っている。このタイプの広告は嫌われているものの、広告スポンサーにとっては有効に働く気がする。なぜなら、今でも利用されているためだ。

10. スポンサードポスト(Facebook)

Facebookのスポンサードポストの良い例を見つけることが出来なかった。私が避けているからだろうか?と言っても、スポンサードポストが何なのかは、よくご存知のはずだ。

以下に比較的良い例を掲載する:

example of a sponsored post on Facebook

スポンサードポストの投稿はここで確認しよう。

11. プロモツイート

プロモツイートは割とベーシックな部類に分類される。Twitter自身のプロモツイートを以下に掲載する。

example of a promoted tweet

プロモツイートの詳細はこのページで確認してもらいたい。

12. Googleのテキスト広告(検索リスティング)

広告がどれだけ分かるだろうか?

google-text-ads

Bingでも状況は同じだ。

example of text ads on bing

Googleのテキスト広告の詳細はここで学ぼう。

コンテンツマーケティングがネイティブ広告と同類扱いされる理由

コンテンツマーケティングは、同じ家で生まれ、そして、同じ目標を掲げている。コンテンツマーケティングでは、ブランドがパブリッシャーになる点が主な違いだ。

コンテンツマーケッターの模範を紹介しよう:

  • Red Bull
  • GE
  • Mint
  • Magnolia

本サイト、Copyblogger Mediaでも同じようにコンテンツマーケティングを巧みに実施していると思いたいものだ。ちなみに、常に収益の成果は、期待を満たす、あるいは、超えている。

上記したブランドは、情報を与える、教育する、あるいは、楽しませるコンテンツを作成している。これはビジネスを構築するオーディエンスを構築する方法そのものである。

そのため、ネイティブ広告は、コンテンツマーケティングのコンテンツにトラフィックをもたらす有償のコンテンツと言うことも出来るだろう。

最後に、もう1つ比較をしておこう — ゲスト投稿は、ウェブサイトのコンテンツにトラフィックをもたらす償のコンテンツである。

次回の予告

このシリーズの次回の作品を紹介する。

まず、コンバートをもたらすPR記事の作り方を説明する。

その後、ネイティブ広告は、利益をもたらすかどうかを結論づけるリサーチを提供する。 パブリッシャーにとって利益があることは分かっているが、広告スポンサーにとっても利益はあるのだろうか?それをこれから調べていく。

最後に、ブライアン・クラークの言葉でこの記事を締めさせてもらう:

良質なネイティブ広告は、読む人、見る人、そして、聞く人を重視したコンテンツである。しかし、New Rainmakerから無料のレポートを承諾するように、広告スポンサーにとって実用的な目的が存在するはずである(今後、この件を取り上げる予定)。

この記事に関して意見をお持ちなら、あるいは、ネイティブ広告の他の例を紹介したいなら、Google+でのディスカッションに参加すると良いだろう。


この記事は、Copybloggerに掲載された「12 Examples of Native Ads (And Why They Work)」を翻訳した内容です。

整理された分類と丁寧な解説で、私自身、ネイティブ広告の理解が深まった記事でした。SEO Japanの読者にはお馴染みのリスティング広告でさえ、ネイティブ広告の一種と捉える考え方もあるのですね。見た目もユーザー体験上もコンテンツのように見える、という意味ではそうかもです。細かな定義はともかく、ソーシャルウェブ時代の広告の新しい流れとして今後さらに普及が進んでいくことは間違いないでしょう。この記事の実例を参考にあなたならどんなネイティブ広告にチャレンジしてみたいか考えてみては? — SEO Japan [G+]

コンテンツマーケティングと芸人のネタ作りの深い関係

コンテンツマーケティングを導入したものの、なかなか効果が出ず頭を悩ませている方も多いと思いますが、芸人のネタ作りにコンテンツマーケティングの神髄を学んでみようという記事自体がネタかと思いきや読んで納得の内容をコピーブロガーから。 — SEO Japan

Image of Hemingway Editing a Draft

以下の質問は他のどの質問よりも受ける回数が多く、また、会社を宣伝する上で、その答えがとりわけ重要な意味を持つ質問でもある:

実際に効果のあるコンテンツマーケティング戦略を策定するにはどうすればいいのか?

この質問の答えを綴っていくと、随分と長くなってしまうだろう。また、答えを聞いたところで、独自の戦略を練らなければならない。そう、結局自分次第なのである。

まずは、正しく考える姿勢が必要になる。

つまり、第一に、適切な見解を持ち、マーケティングツールとしてインターネット上のコンテンツを成功に導く必要がある。

通常、早い段階で、終わり(望む成果)を考慮しがちである。ここでコンテンツマーケティングは失敗する — 実行可能な戦略が存在しないためだ。

この問題を解決するのが、アジャイルコンテンツマーケティングである。なぜなら、最初にどれだけ誤っていても、この哲学に従っていれば、いつでも方向を修正することが出来るためだ。

ここでも、他の会社によって成果が証明されているメソッドを借りることが可能である。一部のソフトウェア会社は、アジャイルのメソッドを随分昔から取り入れている。

この背景で用いられるアジャイルは、ソフトウェア開発の専門用語であり、反復、漸増に基づいている。要するに、リーン生産方式と同じように、シンプルなアイテムから着手し、改善の必要性を理解し、そして、フィードバックを基に素早く改善を行う。

アジャイルコンテンツマーケティングでは、最低限の実行可能な製品から着手するのではなく、リーン生産方式の反復と漸増の原則を用いて、最低限の実現可能なオーディエンスの構築から始める。オーディエンスを増やす方法を理解し、オーディエンスが求めている製品を的確に把握するためだ。

コメディアンは、このようにして抱腹絶倒のコンテンツを作り上げていく。アジャイルコンテンツマーケティングも同じ手順を踏む。

コメディアンがコンテンツを作る方法

コメディアンが、ネタを書き、テストし、そして、改良する手法を通して考えると、アジャイル開発を正しく理解することが出来る。

一般的な考えとは対照的に、創造力豊かな天才の下に、笑いの神様が降臨するようなものではない。反復、漸増的にジョークを発展させていくのだ。

まず、コメディアンは、ネタを書く。このネタは、コメディアン自身が、経験を頼りにオーディエンスにとって面白いと思うストーリーをベースにする。

コメディアンは、ネタを試し、改善する必要がある点を心得ている。そのため、小さなお笑いショーに出向き、実際のオーディエンスの前で、初期段階のネタを披露する。

オーディエンスの反応に応じて(笑いが起きる、または、滑る)、コメディアンは、一部を切り捨て、別の一部を調整し、新たなジョークを書き、ステージに戻り、再び、パフォーマンスを行う。 ある時点で、ネタは仕上がり、このネタを大きな会場のショー、HBOのコメディー特番等、より洗練されたネタが欠かせないステージに持ち込む。

単純だが、簡単ではない。発表する勇気が求められ、そして、客観的、漸新的に適応させていく必要がある。

ジョークではないコンテンツを作る方法

アジャイルコンテンツマーケティングもまた同じ3ステップのプロセスを用いる:

  1. コンテンツのアプローチを経験を頼りに考える。
  2. 欠点があることを理解しながらコンテンツをリリースする。
  3. フィードバックを基に常に改善を行う。

これは、規律のある取り組み持続的なイノベーションの双方を促す珍しいアプローチである。この準備して、撃って、狙うメソッドは、4つの明白なステップにまとめることが出来る:

1. リサーチ

経験に基づく推測を行う段階である。この推測は、接触を試みるオーディエンス、オーディエンスが現在購入している製品、問題を解決し、欲求を満たすために学ぶべきこと、この答えと購入を求める製品との関連性に対するマーケットリサーチを基盤とする。

2. リリース

リサーチは重要だが、いずれウェブサイトの全体的な位置づけを決め、コンテンツを公開していく必要がある。映画館やスタジアムを満員にするほどのオーディエンスが必要なのではなく、小さなお笑い劇場と同程度の規模で構わない。それでも、有意義なフィードバックを得るために、コンテンツを見てもらい、シェアしてもらえるように、作業を行わなければならない

3. 改善する

3段階目までは、雑誌の編集上の焦点、テレビシリーズの生産サイクル、もしくは、スタンドアップコメディアンのキャリアのように、プロジェクトを続ける限り、何度も反復される。ミスをして、方針を転換する。しかし、ウェブサイトに欠かせないコンテンツが、コンテンツマーケティングの取り組みの働き手として、整理され、改善されていくことに気づくだろう。

4. つながり

この背景では、つながりとは、徐々にコンテンツを広め、オーディエンスを拡大するために構築する関係、提携、あるいは、ネットワークを指す。関連するサイトでのゲスト投稿から、ソーシャルネットワークの拡大に至るまで、コンテンツを出来るだけ大勢の人達に見てもらえるよに、常に努力しなければならない。

詳しく知りたい?

その気持ちはよく分かる — しかし、冒頭でも申し上げた通り、まずは、アジャイルコンテンツマーケティングの考え方を理解する必要がある。この哲学を徹底しなければ、その取り組みは、反復から、愚行に成り下がってしまうだろう。


この記事は、Copybloggerに掲載された「Agile Content Marketing: How to Attract an Audience That Builds Your Business」を翻訳した内容です。

コンテンツマーケティングに限らず今日のウェブマーケティング、成功させるには全てがアジャイルである必要がありますよね。代理店やコンサルに頼りすぎず、自ら主体者となって日単位でとはいわずとも週単位で取り組み少しずつ改善させていくことが大切なのかな、と思います。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告の現状を把握する意識調査

ネイティブ広告関連の特集記事第二弾は、ネイティブ広告に関しての意識調査を米国の有名コンテンツマーケティングブログ「コピーブロガー」の読者を対象に行った紹介した記事を。そもそもコピーブロガーの読者なので、何らかの形でウェブマーケティングに関わる人が中心とは思いますが、2000人以上が参加したというこの調査、一見の価値ありです。原文ではインフォグラフィックで結果が公表されていたので、グラフィックの下に翻訳した調査結果も記載しました。 — SEO Japan

blog post title image for Copyblogger's 2014 State of Native Advertising Report

ネイティブ広告とは、配信媒体の編集基準にマッチし、尚且つ、オーディエンスの期待に沿う有償のコンテンツである。

BuzzFeedでのCaptain Morgan(酒造メーカー)のキャンペーン、とりわけ、「キャプテン、コマンダー、征服者について知らなかった15の事実」を思い浮かべてもらうと良いだろう。

まず、記事のテーマは、ブランドの価値 — Captain Morganは、実際に存在した海賊であり、冒険と荒々しい征服を生き甲斐にしていた — とマッチしている。そして、このテーマは、BuzzFeedの読者にとって、それほど異質ではない。

その上、この記事は、BuzzFeedの編集基準も満たしている — 大きな画像と短く、奇抜なコピー。これはBuzzFeedのオーディエンスが期待する形式である。

ここで重要なポイントを3つ挙げておく:

  • コンテンツには明確に「BuzzFeedのパートナー」と記載されている。
  • 何も販売されていない。コールトゥアクションは、「Captain MorganのYouTubeのページへのアクセス」であった。
  • Captain MorganのBuzzFeedの作者ページは、同ブランドによって運営されている。

これは典型的なスポンサード、または、ブランデッドコンテンツである。ネイティブ広告の例をもう一つ見ていこう。次に紹介する広告は、随分昔の作品である。

今のうちて言っておくが、お腹が空いてしまうかもしれない。

ネイティブ広告としてのPR記事

デビッド・オグルヴィによる「The Guinness Guide to Oysters」は、古典的なPR記事だ。ちなみに、ブライアン・クラークが、数週間前にこの広告記事を検証していた。以下に大事なポイントを挙げていく:

  • 関連する背景: 生活や食べ物に関する雑誌の中で、もしくは、パブやクラブでポスターとしてこの広告が掲載されていたはずだ(オグルヴィ& メイザーに連絡を取ったものの、誰も分からなかった)。
  • 明確なコールトゥアクション: カキを食べるときは、Guinessを飲もう。カキを食べなくても、Guinessを飲もう。とにかくパブに行って、Guinessを飲もう。

このガイドは典型的なPR記事であり、Betty Crocker(ケーキミックスのメーカー)等の企業が、料理本の中で、製品を楽しむための便利な方法を紹介する取り組みと同じ働きをする。

要するに、消費者の想像力に火を付ければ、売り上げは増加するのだ。

もっと最近では、AtlanticでのIBMの取り組みや、サウスウェスト航空のThe Onion Labの動画等が例として挙げられる(下の動画を再生するか、ここで視聴してみよう)。

すべてのケースにおいて、コンテンツにブランドの宣伝が色濃く反映されている。

スポンサード/ブランデッドコンテンツ、そして、PR記事の後に続くのは、フィード内広告、コンテンツウィジェット、プロダクトプレースメント、そして、プロモーテッドポストとリスティングである。

また、ポール・キアーズも言っているように:

当然だが、料金を支払うブランドにとって適切であり、個性を維持する必要があるパブリッシャーにとって適切であり、そして、コンテンツに価値を見出さなければ没頭することはないオーディエンスにとって適切なコンテンツを作る能力に成功は左右される。

少し先走りしてしまったようだ。

Copybloggerが実施した「ネイティブ広告の現状調査 2014」

イントロの段階で、くどくどと説明したのは、ネイティブ広告の調査結果を公開する前に、実用的な定義を確立したかったためだ(この件に関しては以前約束した通りだ)。

その場しのぎでも構わないなら、Copybloggerのローレン・マンケがデザインしたシェア可能なポスターにざっと目を通すだけでも良い。

ポスターの下には、見解、そして、2088名の参加者の意見の一部を掲載していく。

blog post title image for Copyblogger's 2014 State of Native Advertising Report

サイトにポスターを埋め込む

次のコードをコピーし、ブログの記事やウェブページに貼り付けよう:

調査結果と参加者の言葉

まずは基本から。この調査では:

  • 2080名を超える方々が参加した。
  • 640点以上のコメントが寄せられた。

言うまでもないが、一番気に入ったコメントは、「ネイティブ広告って何なの?」であった。今なら、何だか説明することが出来るのではないだろうか — 348番さん。

1. ネイティブ広告が何だか分かりますか?

  • いいえ、全く分かりません – 49%
  • あまり分かりません – 24%
  • 少し分かります – 24%
  • 良く理解しています – 3%

参加者の半分近くが、ネイティブ広告について全く知識を持たず、また、48%は少ししか理解していないことが判明した。曖昧な広告モデルなのではないか、と言う疑いが、この問いの答えで証明されたことになる。

2. 次のうちネイティブ広告と考えられるのはどれですか?

  • プロモツイート – 9%
  • PR記事 – 16%
  • ブランデッドコンテンツ – 14%
  • 上の3つすべて – 23%
  • 分かりません – 38%

正解は「上の3つすべて」である。

私自身は「プロモツイート」と「Facebookのスポンサードポスト」がネイティブ広告だとは考えていなかったものの(後ほどその理由を説明する)、リサーチによって複数のソースがこのモデルもネイティブ広告として扱っていたため、この問いを設けた。

3. ネイティブ広告に関して、どんな感情を持っていますか?

  • 全く気にしていません – 25%
  • 反対です。邪悪な取り組みだと思います。 – 3%
  • 大好きです。 – 21%
  • 疑っています。 – 51%

「全く気にしていません」と答えた25%の回答者は、ネイティブ広告が何だか分からなかった可能性が高い(Gravity Formsの条件機能を利用するべきであった)。

4. あなた(または、あなたの会社)はネイティブ広告に予算を用意していますか?

  • はい – 9%
  • いいえ – 91%

思った通りの結果であった。

5. 広告予算のうち幾らをネイティブ広告に当てていますか(毎月)?

  • 0ドル – 100ドル – 91%
  • 101ドル – 500ドル – 5%
  • 501ドル – 2000ドル – 2%
  • 2001ドル – 5000ドル – 1%未満
  • 5000ドル以上 – 1%未満

意外にも、ネイティブ広告に毎月5000ドル以上を費やす参加者が16名もいた。この人達のことをもっと知りたくなった。

6. フリーランスとエージェンシーの方へ: 仕事のうち、ネイティブ広告は何%を占めていますか?

  • 0% – 81%
  • 少なくとも25% – 13%
  • 少なくとも50% – 3.5%
  • 少なくとも75% – 1.5%
  • 100% – 1%

この問いの答えも予想通りであった。

7. ネイティブ広告を広告、または、サービスの選択肢として今後提供する可能性はありますか?

  • 絶対に提供しません – 37%
  • 恐らく提供しません – 22%
  • もしかしたら提供するかもしれません – 30%
  • 提供する可能性が高いです – 11%

ネイティブ広告を利用する人達よりも、しない人達の方が明らかに多い。しかし、11%の差は大きな差ではない — ネイティブ広告を深く理解していくと、このギャップは埋まるだろう。

8. ネイティブ広告を効果的に利用しているブランドを一つ挙げて下さい。よく名前が挙げられた10社のブランドを以下に掲載する。

  • Amazon
  • Apple
  • Buzzfeed
  • Coke
  • Copyblogger
  • Nike
  • Red Bull
  • Starbucks
  • Target
  • Virgin Mobile

特に意外な名前は出てこなかったが、コンテンツマーケティング全体をネイティブ広告と認識している人達が多少いるのではないかと、私は気になった。AmazonやStarbucksがネイティブ広告を利用しているとは、少なくとも私は認識していない。もちろん、私にも知らないことはある。

9. ネイティブ広告は読者を欺くと思いますか?

  • はい – 39%
  • いいえ – 61%

この問いに対して、「時々」や「たぶん」を答えに用意して欲しいとコメントした人達がいた。その通りであった。このような選択肢を用意していたら、どのような答えになっていたのだろうか?

10. New York Times等のメディアで、ブランドがコンテンツを作成したら、どの程度懸念しますか?

  • まったく懸念しない – 33%
  • ほとんど懸念しない – 18%
  • 少し懸念する – 31%
  • 大いに懸念する – 18%

参加者の一部もコメントしていたように、The New York Timesは既にネイティブ広告を利用している。ご指摘に感謝する。

結果がほぼ二分したため、興味を惹かれた。懸念しない派を合わせると51%になり、懸念する派は49%に達する。

BuzzFeedとは大きく異なる結果であった…

11. ブランドがBuzzFeed等のメディアでコンテンツを作成したら、どの程度懸念しますか?

  • まったく懸念しない – 45%
  • ほとんど懸念しない – 27%
  • 少し懸念する – 22%
  • 大いに懸念する – 6%

ある参加者は「既にBuzzFeedはブランドのコンテンツを提供しているのではありませんか?」と指摘していた。その通りだ。

否定的な意見(下の2つ)はたった28%だったが、肯定的な意見は72%に達していた。The New York Timesは真面目なジャーナリズムの媒体と見られ、一方、BuzzFeedは、全く毛色の違う媒体と見られているような気がした。

12. 企業や広告スポンサーがニュースを報道したら、どの程度懸念しますか?

  • まったく懸念しない – 19%
  • ほとんど懸念しない – 12%
  • 少し懸念する – 25%
  • 大いに懸念する – 44%

信じられない結果が出た — 参加者の半分近くが、大いに懸念すると答えていた。信じられない、と言ったのは、企業は既にニュースで報道を行っているからだ。あらゆるメディアが収益を得ている。メディアも企業である。

この調査に寄せられたコメントを幾つか紹介していく:

「最後の方の問いは、個人的には、特に重要だと思った。有償の広告をニュースのコンテンツや作成を混合することに、当初は懸念を持つべきだと考えていた。つまり、編集者と企業お抱えのライターを一つ屋根の下で生活させる方針(宗教と政治)には、反対であった。しかし、もともとニュースを信頼していない市民は多く、だからこそ、ネイティブ広告に懸念を持たない人が多いのではないだろうか。結局、コンテンツが面白く、役に立つなら、作成費を誰が支払ったかなど、わざわざ気にしない。」 No. 631

「新しいトレンドだとは思えない。良くてもPR記事、卑劣なものもある。宣伝戦略だと思う。」No. 15

「消費者が目にするコンテンツが、企業/ブランドによって作られたことが明確なら、ネイティブ広告がメディアに掲載されることに、特に問題があるとは思わない。うまく実施すれば、とても簡単に消費者とのつながりを築くことが出来るような気がする。緻密さが要求されそうだ。」No. 1417

「支持するスタンスに左右される。PR記事は、企業を宣伝する素晴らしい手段ではあるものの、経験上、私のようなライターは、トピックに関して何も知らない企業が、まるで権威のように思えるような記事を作ることが出来る。誤解を招く恐れがあるが、企業が成功するためには、欠かせないマーケティングツールである。しかし、結局、あまり前には進めない。成功は、宣伝ではなく、結果に現れるのだ。」 No. 1822

「編集済みのコンテンツとしてコンテンツを提示するものの、実はブランドによって作られているなら、その点が判明した際に、欺かれた気になる。」 No. 971

次の記事では、ネイティブ広告の定義を深く追求し、起源を探り、さらに、ネイティブ広告に対する土壌を整えた、3点の新しいディスラプション(破壊)について検証していく。

お楽しみに。

この調査結果に関して言いたいことがあるなら

皆さんの意見を是非聞かせてもらいたい。

「ネイティブ広告の現状調査 2014」に関する記事をブログで投稿し(目玉としてポスターを利用する手もある)、@copybloggerにリンクをツイートして、私達が目を通せるようにしてもらいたい。

また、Google+で議論に加わることも可能だ。


この記事は、Copybloggerに掲載された「Copyblogger’s 2014 State of Native Advertising Report」を翻訳した内容です。

まず、半分の人がネイティブ広告を知らない、と答えたのは少し驚きました。ネイティブ広告に予算配分している人も9%止まり。月額予算50万円以上の人(2000人以上が参加した調査)が16人。ネイティブ広告がそもそも何なのか余り分かっていない人がまだまだ大半のようですが(コンテンツマーケティングをネイティブ広告と勘違いしている人が一定数いそうなのはナルホドという感じでした)、ニューヨークタイムズなど既存の有名メディアが利用することには何となく躊躇を覚える人は半数いるようです(Buzzfeedなど新興ウェブメディアは2/3が許容)。

米国で注目を集め出しているネイティブ広告ですが、まだまだ知らない人も業界内でも多数いる状況なようですね。ネイティブ広告の1種であるPR記事やタイアップ広告はジャーナリズムとメディアの境目が良くも悪くも緩い日本では米国以上に長年行われてきたことですが、その境界線が日本よりははるかに厳格な米国ではある種の気持ち悪さを感じる人も多いようですね。とはいえ、広告の新しい形として注目されていることには疑いがありませんし、普及も相当進んでいくと思われるだけに、今後の発展に注目していきたいです。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告が古いジャーナリストを黙らせる5つのポイント – ネイティブ広告徹底解剖シリーズ パート1

単なるバズワードなのか検索・ソーシャルに続く本命なのか、ネイティブ広告という言葉がインターネット業界、特にメディア界隈で話題になっています。あるリサーチによれば2017年には4500億円を超える市場になるといわれるこの分野、その内幕に迫った記事をネイティブ広告と切っても切れない関係のコンテンツマーケティングを長年提唱してきたCopybloggerが語る。 — SEO Japan

image of young journalist diligently writing while older journalist stands beside her looking dumbfounded

この記事はネイティブ広告に関する連載の第一段である。序論のようなものと位置づけてもらって構わない。

今のうちに、賛否両論があることを、伝えておこう。

そもそも、なぜネイティブ広告に関する連載を始める必要があるのだろうか?

答えは単純だ: なぜなら、ネイティブ広告は、ビジネスの世界で、知名度は圧倒的に低いものの、熱過ぎるほど熱いトピックだからだ。

事実、ネイティブ広告を定義することが出来る人は少ない。この業界の外部の人達においては、存在することすら気づいていないはずだ(この指摘の正しさを証明するデータを持っているので、後程紹介する)。

それでも、メディアリサーチグループのBIA/Kelsey社は、2017年までに、企業は、ソーシャルネイティブ広告に45億7000万ドルを投資すると見込んでいる。

45億7000万ドル…間違いなく、これは大金に入る額である。

それでは、この曖昧な広告に対して、熱気憎しみが同居するのはなぜだろうか?

それは –

効果が高いからだ。

広告 vs 編集

ネイティブ広告は、効果が高い。その高さ故、ジャーナリストを筆頭に、懸念を持つ人達がいる。

ネイティブ広告に対する意見が分かれるのは、広告を記事に挿入するためだ。ただし、必ずしも相対する必要はない。

ネイティブ広告、そして、優れたジャーナリズムは、両立しないわけではない。事実、どちらも広告モデルであり、どちらも利益を上げるポテンシャルを持つ。

それでは、(過去を振り返る、もしくは、紛れもない現在のトレンドを指摘して)保守的なジャーナリストを苛立たせる5つのポイントを指摘して、主張を展開していく。

1. ジャーナリズムは広告と手を組んでいるはずだと言ってみる(実際に手を組んできた)

これは、ある職業(広告)は汚れており、もう一方の職業(ジャーナリスト)は神聖であるため、分けるべきだ、と言う考えに基づいている。

しかし、この考え方は、ニュースの歴史では、割と新しい部類に入る。

シカゴのイリノイ大学でコミュニケーション学部の学部長を務めるケヴィン・バーンハースト教授は、18世紀の新聞においては、「広告と記事の違いは明確ではなかった」と指摘している。

新聞は、全てニュースで埋め尽くされており、当時の読者は「これは広告で、これは記事ですね」と区別していなかった。

事実、この時代、ニュースと広告の融合は問題視されていなかった。営業を続けるためには、新聞と言えでも、利益を上げなければならなかったためだ。

ボストン大学でジャーナリズムを指導するクリストファー・ダリー教授は、著書「Covering America: A Narrative of a Nation’s Journalism」の中で、ニュースビジネスを理解するためには、ニュースをビジネスとして理解することが重要である。これが、この本のテーマである」と述べている。

要するに、新聞社も収益を上げなければ成立しなかったのだ。

これは現在にも当てはまる — だからこそ、(デジタルメディアも印刷メディアも)パブリッシャーは、倫理的に、合法的に、そして、確実に収益を得る方法を見つけ出さなければならないのだ。

ネイティブ広告は、その方法の一つであり、ジャーナリズムと広告の間にある壁を溶かしている。

そして、それは、望ましいことである。

2. 報道における絶対的な客観性の考え方に異議を唱える

作家のジョーン・ディディオン氏は、「ライターは常に他の誰かを裏切っている」と指摘している。

その通りだ。

ストーリー、つまりスクープを私達は狙っている。そして、私達は、偏見、そして、好みがあり、意図を持っている。そのため、報道における絶対的な客観性など、所詮フィクションに過ぎない。

この考え方は、一部のジャーナリストを苛立たせる。

それでも、ジャーナリストのジョン B. ジュディス氏が指摘しているように、「より客観的な判断は、偏見、希望、恐れ、そして、願いの影響をほとんど受けず、客観性に欠ける判断は、反対に影響を受けている」と言える。

ソースが、意図、贔屓する派閥、あるいは、広めたい見解を持っている可能性がある。しかし、報道に影響を与えることは許されないため、ジャーナリストは、このような(そして、自分自身の)スタンスから距離を置く必要がある。

さらに、ジュディス氏は、この主観性に打ち勝つ方法に関して、素晴らしいアドバイスを提供している:

思い込みを疑問視すること、草稿を二回目、三回目と作成していくこと、再び録音したインタビューを聞くこと、編集者は質問をすること、そして、事実確認の担当者も質問すること。そうすれば、– たとえ自分の希望や願いとは相反していても、正確で、客観的な記事を書くことが出来る時もある。

コンテンツマーケッターの私でさえ、このような習慣を認識している。そして、これはネイティブ広告にも当てはまるのだ。

良質なネイティブ広告は、客観性と正しさを両立させることが出来る。しかし、客観性よりも重要なことは、ネイティブ広告には、透明性をもたらすことが出来る点である。

3. ジャーナリズムの計算を見直す

ベンジャミン・フランクリンは、「プリンター達(1700年代半ばのジャーナリスト)は、スキャンダルと問題を明らかにすることで、公共の役に立っている。彼らを苦しめたり、処刑したり、殺したりするのではなく、感謝するべきだ。」と述べている。

そんな中、イエロージャーナリズム(註:深い考察や調査もせず、派手な見出しの数多くのニュースを流し、より多くの新聞を売ろうとするスタイル)が台頭することになる。

1920年代、ジャーナリストは、専門的な指針を基に、洗練された職業にする欲求を持つようになる。

カリフォルニア大学サンディエゴ校でコミュニケーションを教えるマイケル・シャドソン教授は、米国新聞編集者協会が「もともとの営利目的から距離を置く」と規則に記しているように、次第に高尚化する倫理上の目標 — 客観的な真実、そして、「公共の関心への忠誠を除く、あらゆる義務からの解放」– をジャーナリストは、体系化しようと試みた、と示唆している。

そして、デジタルの時代が幕を開けた瞬間から、この見解は攻撃の対象になった。

この難題は、ルイス・ドゥヴォーキン氏(Forbes Mediaの製品担当役員)によるジャーナリズムの公式に要約されている: 質 + 量 + 種類 = オーディエンス

ある意味、これは効果的なビジネスモデルである。事実、Forbesは、3000万のユニークビジター/月を集めている。

しかし、デビッド・カー氏も指摘しているように、この公式は、Forbesの焦点を薄めてしまう弊害を持つ。

かつては、富裕層にアドバイスを与える雑誌として知られていたものの、現在は、世界のビリオネアのリストに加え、履歴書の書き方、気候変動、癌、そして、全米大学競技協会に関する記事も掲載されている。なんと、Forbesでは、1日に400本近い記事が配信されているのだ。

驚くべき事実である。

希釈と取る人もいるが、Forbesの会長兼CEOのマイク・パーリス氏は、ディスラプション、つまり、破壊と表現している。そして、これは生き残りをかけた戦いでもある。

創業97年の老舗と言えども、環境に対応しなければ、生き残ることは出来ないのだ。

ネイティブ広告は、生き残るためのメカニズムの一つである(テクノロジー企業になる手もその一つ)。

4. 記者や編集者の職を守るための解決策として、コンテンツマーケティングを提案する

20年以上前、新聞と雑誌は、莫大な利益を得ていた。購読率、そして、広告料金は、非常に高かった(毎日のようにロブスターが昼食で提供されるぐらい儲かっていた)。

その後、インターネットが登場する。

しかし、インターネットは、従来のビジネスモデルを一夜のうちに崩壊させたわけではない。インターネットは、従来のモデルを支持していた会社を一社ずつ葬っていったのだ。その結果、ジャーナリスト達は、自分達の職が、消えていくことに気づき始めるのであった。

生き残るため、大勢のジャーナリストは、広告代理店や広告会社と手を組む決断を下した。そして、このニーズにより、ジャーナリストを雇用する会社が登場する。例えば、Contentlyだ。

以下に、Adweekの一部を抜粋する:

Contently等の企業では、大勢のフリーランスのジャーナリストが、IBM等の企業のために、調査および報道をベースとしたネイティブ広告のコピーを作成して、収入を得ている。しかも、この手の企業は、大半の報道機関よりも、多くの報酬を支払っている。

一部の保守的なジャーナリストは、企業のためにジャーナリストが記事を書くようになると、真実と意見広告の間の境界線がぼやけてしまうと懸念している。

そこで、私はContentlyのコンテンツ部門上級役員のサム・スローター氏に接触し、この懸念に関する見解を聞いてみた。以下に、スローター氏の意見を掲載する:

広告と記事の間の境界線がぼやけてしまう危険は確実に存在する。しかし、新聞で企業が広告を始めた時から、その危険は存在していたはずだ。だからこそ、スポンサー付きのコンテンツを書く側、そして、買う側にとって、完全に、むしろ積極的に誰が報酬を支払っているのか明らかにする必要がある — そうすることで、コピーが、企業の代わりに宣伝しているのかどうかを読者自身が判断することが可能になる。無視したければ、無視すれば良い。

因みに、太字にしたのは私ではない。

5. 「ネイティブ広告」だと打ち明ける

例えば、昨年、アンドリュー・サリバン氏は、BuzzFeedのスポンサー付きコンテンツの利用を批判していた。不満の対象として名指しされたのは、BuzzFeedであったが、ネイティブ広告全般にサリバン氏は、懸念を持っている。

アンドリュー・サリバン氏は、典型的なジャーナリストとは異なる。しかし、BuzzFeedも典型的なニュースメディアではない。いずれかを少しでも知っているなら、すぐに両者のジェネレーションギャップに気がつくはずだ。

サリバン氏は、ベビーブーム世代(X世代と言っても許されるかもしれない)である。一方のBuzzFeedは、30歳以下の若年層のためのメディアであり、この違いは、サリバン氏が公開した読者のeメールにも如実に表れている:

スポンサー付きコンテンツモデルに対して、あなたが嫌悪する要因は2つあると思う: 1) 職業、そして、2) 世代だ。私のような世代(27歳)にとっては、広告とコンテンツの差はあまりない。どちらのカテゴリーにも、読む価値があるものもあれば、ないものもある。YouTubeでミュージックビデオを検索するのは、好きなコマーシャルを探すようなものだ。PS4の記事を広告だと知らずに私は読んだものの、(あなたのサイトを通して)広告だと知った時、特に怒りを感じたわけでもなければ、騙されたとも思わなかった。

それでは、ネイティブ広告への反応の違いは、やはり、世代の違いが影響しているのだろうか?ニュースは、商業を優先するルーツへと原点回帰しているのだろうか?

これからその答えを探っていく。

今後のネイティブ広告の調査

このトピックを今後数週間/数ヶ月間にわたって取り上げていくなかで、ネイティブ広告が、実に曖昧なトピックである点に気づくことになる。

双方(ジャーナリズムと広告)に紛らわしい点が多数存在し、実に複雑な構造を持つ — しかし、パブリッシャーも企業もこの構造からメリットを得られる。

この連載では、次の点を学ぶことが出来る:

  • PR記事、スポンサー付きコンテンツ、ブランドコンテンツ、そして、宣伝用コンテンツの違い(重要)。
  • 消費者の混乱等の懸念を解消する方法。
  • 人手が少ないブランドやパブリッシャー向けのネイティブ広告戦略。
  • Googleが嫌うネイティブ広告のタイプ。
  • ネイティブ広告のケーススタディ(真似して、最高の成果を得ることが可能だ)。
  • バイラルコンテンツに関して知っておきたい点。

等々。

因みに — この問題の紛らわしさを分かってもらうため、次回の投稿では、ネイティブ広告の現状をひも解く調査の結果を紹介する。全体像が見えてくるのではないだろうか。

会話に加わりたい方へ

ネイティブ広告に関する経験をお持ちなら、Google+に参加し、考えを発表してもらいたい。

画像: Flickr(クリエイティブコモンズ指定の作品) Chris Beckett


この記事は、Copybloggerに掲載された「5 Ways to Rankle an Old-School Journalist」を翻訳した内容です。

話題のネイティブ広告に関しては、まずはその批判がそもそもどういう視点から出てきたのか、という所までさかのぼって考えた中々に面白い記事でした。ジャーナリズムの歴史の中で、広告と分離した公正な記事が求められそれを実践してきた時代に育ち活躍しているジャーナリストにしてみればバズフィードの人が語る「広告とコンテンツの差はない」という意見は言語道断、歴史を知らない恐ろしい意見に聞こえると思いますが、さて今後も記事が続くということでその内容が楽しみです。SEO Japanでも随時紹介していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

ネイティブ広告が古いジャーナリストを黙らせる5つのポイント – ネイティブ広告徹底解剖シリーズ パート1

単なるバズワードなのか検索・ソーシャルに続く本命なのか、ネイティブ広告という言葉がインターネット業界、特にメディア界隈で話題になっています。あるリサーチによれば2017年には4500億円を超える市場になるといわれるこの分野、その内幕に迫った記事をネイティブ広告と切っても切れない関係のコンテンツマーケティングを長年提唱してきたCopybloggerが語る。 — SEO Japan

image of young journalist diligently writing while older journalist stands beside her looking dumbfounded

この記事はネイティブ広告に関する連載の第一段である。序論のようなものと位置づけてもらって構わない。

今のうちに、賛否両論があることを、伝えておこう。

そもそも、なぜネイティブ広告に関する連載を始める必要があるのだろうか?

答えは単純だ: なぜなら、ネイティブ広告は、ビジネスの世界で、知名度は圧倒的に低いものの、熱過ぎるほど熱いトピックだからだ。

事実、ネイティブ広告を定義することが出来る人は少ない。この業界の外部の人達においては、存在することすら気づいていないはずだ(この指摘の正しさを証明するデータを持っているので、後程紹介する)。

それでも、メディアリサーチグループのBIA/Kelsey社は、2017年までに、企業は、ソーシャルネイティブ広告に45億7000万ドルを投資すると見込んでいる。

45億7000万ドル…間違いなく、これは大金に入る額である。

それでは、この曖昧な広告に対して、熱気憎しみが同居するのはなぜだろうか?

それは –

効果が高いからだ。

広告 vs 編集

ネイティブ広告は、効果が高い。その高さ故、ジャーナリストを筆頭に、懸念を持つ人達がいる。

ネイティブ広告に対する意見が分かれるのは、広告を記事に挿入するためだ。ただし、必ずしも相対する必要はない。

ネイティブ広告、そして、優れたジャーナリズムは、両立しないわけではない。事実、どちらも広告モデルであり、どちらも利益を上げるポテンシャルを持つ。

それでは、(過去を振り返る、もしくは、紛れもない現在のトレンドを指摘して)保守的なジャーナリストを苛立たせる5つのポイントを指摘して、主張を展開していく。

1. ジャーナリズムは広告と手を組んでいるはずだと言ってみる(実際に手を組んできた)

これは、ある職業(広告)は汚れており、もう一方の職業(ジャーナリスト)は神聖であるため、分けるべきだ、と言う考えに基づいている。

しかし、この考え方は、ニュースの歴史では、割と新しい部類に入る。

シカゴのイリノイ大学でコミュニケーション学部の学部長を務めるケヴィン・バーンハースト教授は、18世紀の新聞においては、「広告と記事の違いは明確ではなかった」と指摘している。

新聞は、全てニュースで埋め尽くされており、当時の読者は「これは広告で、これは記事ですね」と区別していなかった。

事実、この時代、ニュースと広告の融合は問題視されていなかった。営業を続けるためには、新聞と言えでも、利益を上げなければならなかったためだ。

ボストン大学でジャーナリズムを指導するクリストファー・ダリー教授は、著書「Covering America: A Narrative of a Nation’s Journalism」の中で、ニュースビジネスを理解するためには、ニュースをビジネスとして理解することが重要である。これが、この本のテーマである」と述べている。

要するに、新聞社も収益を上げなければ成立しなかったのだ。

これは現在にも当てはまる — だからこそ、(デジタルメディアも印刷メディアも)パブリッシャーは、倫理的に、合法的に、そして、確実に収益を得る方法を見つけ出さなければならないのだ。

ネイティブ広告は、その方法の一つであり、ジャーナリズムと広告の間にある壁を溶かしている。

そして、それは、望ましいことである。

2. 報道における絶対的な客観性の考え方に異議を唱える

作家のジョーン・ディディオン氏は、「ライターは常に他の誰かを裏切っている」と指摘している。

その通りだ。

ストーリー、つまりスクープを私達は狙っている。そして、私達は、偏見、そして、好みがあり、意図を持っている。そのため、報道における絶対的な客観性など、所詮フィクションに過ぎない。

この考え方は、一部のジャーナリストを苛立たせる。

それでも、ジャーナリストのジョン B. ジュディス氏が指摘しているように、「より客観的な判断は、偏見、希望、恐れ、そして、願いの影響をほとんど受けず、客観性に欠ける判断は、反対に影響を受けている」と言える。

ソースが、意図、贔屓する派閥、あるいは、広めたい見解を持っている可能性がある。しかし、報道に影響を与えることは許されないため、ジャーナリストは、このような(そして、自分自身の)スタンスから距離を置く必要がある。

さらに、ジュディス氏は、この主観性に打ち勝つ方法に関して、素晴らしいアドバイスを提供している:

思い込みを疑問視すること、草稿を二回目、三回目と作成していくこと、再び録音したインタビューを聞くこと、編集者は質問をすること、そして、事実確認の担当者も質問すること。そうすれば、– たとえ自分の希望や願いとは相反していても、正確で、客観的な記事を書くことが出来る時もある。

コンテンツマーケッターの私でさえ、このような習慣を認識している。そして、これはネイティブ広告にも当てはまるのだ。

良質なネイティブ広告は、客観性と正しさを両立させることが出来る。しかし、客観性よりも重要なことは、ネイティブ広告には、透明性をもたらすことが出来る点である。

3. ジャーナリズムの計算を見直す

ベンジャミン・フランクリンは、「プリンター達(1700年代半ばのジャーナリスト)は、スキャンダルと問題を明らかにすることで、公共の役に立っている。彼らを苦しめたり、処刑したり、殺したりするのではなく、感謝するべきだ。」と述べている。

そんな中、イエロージャーナリズム(註:深い考察や調査もせず、派手な見出しの数多くのニュースを流し、より多くの新聞を売ろうとするスタイル)が台頭することになる。

1920年代、ジャーナリストは、専門的な指針を基に、洗練された職業にする欲求を持つようになる。

カリフォルニア大学サンディエゴ校でコミュニケーションを教えるマイケル・シャドソン教授は、米国新聞編集者協会が「もともとの営利目的から距離を置く」と規則に記しているように、次第に高尚化する倫理上の目標 — 客観的な真実、そして、「公共の関心への忠誠を除く、あらゆる義務からの解放」– をジャーナリストは、体系化しようと試みた、と示唆している。

そして、デジタルの時代が幕を開けた瞬間から、この見解は攻撃の対象になった。

この難題は、ルイス・ドゥヴォーキン氏(Forbes Mediaの製品担当役員)によるジャーナリズムの公式に要約されている: 質 + 量 + 種類 = オーディエンス

ある意味、これは効果的なビジネスモデルである。事実、Forbesは、3000万のユニークビジター/月を集めている。

しかし、デビッド・カー氏も指摘しているように、この公式は、Forbesの焦点を薄めてしまう弊害を持つ。

かつては、富裕層にアドバイスを与える雑誌として知られていたものの、現在は、世界のビリオネアのリストに加え、履歴書の書き方、気候変動、癌、そして、全米大学競技協会に関する記事も掲載されている。なんと、Forbesでは、1日に400本近い記事が配信されているのだ。

驚くべき事実である。

希釈と取る人もいるが、Forbesの会長兼CEOのマイク・パーリス氏は、ディスラプション、つまり、破壊と表現している。そして、これは生き残りをかけた戦いでもある。

創業97年の老舗と言えども、環境に対応しなければ、生き残ることは出来ないのだ。

ネイティブ広告は、生き残るためのメカニズムの一つである(テクノロジー企業になる手もその一つ)。

4. 記者や編集者の職を守るための解決策として、コンテンツマーケティングを提案する

20年以上前、新聞と雑誌は、莫大な利益を得ていた。購読率、そして、広告料金は、非常に高かった(毎日のようにロブスターが昼食で提供されるぐらい儲かっていた)。

その後、インターネットが登場する。

しかし、インターネットは、従来のビジネスモデルを一夜のうちに崩壊させたわけではない。インターネットは、従来のモデルを支持していた会社を一社ずつ葬っていったのだ。その結果、ジャーナリスト達は、自分達の職が、消えていくことに気づき始めるのであった。

生き残るため、大勢のジャーナリストは、広告代理店や広告会社と手を組む決断を下した。そして、このニーズにより、ジャーナリストを雇用する会社が登場する。例えば、Contentlyだ。

以下に、Adweekの一部を抜粋する:

Contently等の企業では、大勢のフリーランスのジャーナリストが、IBM等の企業のために、調査および報道をベースとしたネイティブ広告のコピーを作成して、収入を得ている。しかも、この手の企業は、大半の報道機関よりも、多くの報酬を支払っている。

一部の保守的なジャーナリストは、企業のためにジャーナリストが記事を書くようになると、真実と意見広告の間の境界線がぼやけてしまうと懸念している。

そこで、私はContentlyのコンテンツ部門上級役員のサム・スローター氏に接触し、この懸念に関する見解を聞いてみた。以下に、スローター氏の意見を掲載する:

広告と記事の間の境界線がぼやけてしまう危険は確実に存在する。しかし、新聞で企業が広告を始めた時から、その危険は存在していたはずだ。だからこそ、スポンサー付きのコンテンツを書く側、そして、買う側にとって、完全に、むしろ積極的に誰が報酬を支払っているのか明らかにする必要がある — そうすることで、コピーが、企業の代わりに宣伝しているのかどうかを読者自身が判断することが可能になる。無視したければ、無視すれば良い。

因みに、太字にしたのは私ではない。

5. 「ネイティブ広告」だと打ち明ける

例えば、昨年、アンドリュー・サリバン氏は、BuzzFeedのスポンサー付きコンテンツの利用を批判していた。不満の対象として名指しされたのは、BuzzFeedであったが、ネイティブ広告全般にサリバン氏は、懸念を持っている。

アンドリュー・サリバン氏は、典型的なジャーナリストとは異なる。しかし、BuzzFeedも典型的なニュースメディアではない。いずれかを少しでも知っているなら、すぐに両者のジェネレーションギャップに気がつくはずだ。

サリバン氏は、ベビーブーム世代(X世代と言っても許されるかもしれない)である。一方のBuzzFeedは、30歳以下の若年層のためのメディアであり、この違いは、サリバン氏が公開した読者のeメールにも如実に表れている:

スポンサー付きコンテンツモデルに対して、あなたが嫌悪する要因は2つあると思う: 1) 職業、そして、2) 世代だ。私のような世代(27歳)にとっては、広告とコンテンツの差はあまりない。どちらのカテゴリーにも、読む価値があるものもあれば、ないものもある。YouTubeでミュージックビデオを検索するのは、好きなコマーシャルを探すようなものだ。PS4の記事を広告だと知らずに私は読んだものの、(あなたのサイトを通して)広告だと知った時、特に怒りを感じたわけでもなければ、騙されたとも思わなかった。

それでは、ネイティブ広告への反応の違いは、やはり、世代の違いが影響しているのだろうか?ニュースは、商業を優先するルーツへと原点回帰しているのだろうか?

これからその答えを探っていく。

今後のネイティブ広告の調査

このトピックを今後数週間/数ヶ月間にわたって取り上げていくなかで、ネイティブ広告が、実に曖昧なトピックである点に気づくことになる。

双方(ジャーナリズムと広告)に紛らわしい点が多数存在し、実に複雑な構造を持つ — しかし、パブリッシャーも企業もこの構造からメリットを得られる。

この連載では、次の点を学ぶことが出来る:

  • PR記事、スポンサー付きコンテンツ、ブランドコンテンツ、そして、宣伝用コンテンツの違い(重要)。
  • 消費者の混乱等の懸念を解消する方法。
  • 人手が少ないブランドやパブリッシャー向けのネイティブ広告戦略。
  • Googleが嫌うネイティブ広告のタイプ。
  • ネイティブ広告のケーススタディ(真似して、最高の成果を得ることが可能だ)。
  • バイラルコンテンツに関して知っておきたい点。

等々。

因みに — この問題の紛らわしさを分かってもらうため、次回の投稿では、ネイティブ広告の現状をひも解く調査の結果を紹介する。全体像が見えてくるのではないだろうか。

会話に加わりたい方へ

ネイティブ広告に関する経験をお持ちなら、Google+に参加し、考えを発表してもらいたい。

画像: Flickr(クリエイティブコモンズ指定の作品) Chris Beckett


この記事は、Copybloggerに掲載された「5 Ways to Rankle an Old-School Journalist」を翻訳した内容です。

話題のネイティブ広告に関しては、まずはその批判がそもそもどういう視点から出てきたのか、という所までさかのぼって考えた中々に面白い記事でした。ジャーナリズムの歴史の中で、広告と分離した公正な記事が求められそれを実践してきた時代に育ち活躍しているジャーナリストにしてみればバズフィードの人が語る「広告とコンテンツの差はない」という意見は言語道断、歴史を知らない恐ろしい意見に聞こえると思いますが、さて今後も記事が続くということでその内容が楽しみです。SEO Japanでも随時紹介していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

185億円の損失を出した大コケ映画に学ぶあなたのビジネスを失敗作にしない6つの方法

SEO、コンテンツ関連の真面目な記事を連投してきた後は、コンテンツマーケティングの一例を。日米共に昨年公開されたジョニー・デップ主演の超大作かつ大コケ作品を反面教師としてビジネスを失敗させないためのアドバイスを考えたコピーブロガーらしいブログ記事です。世の中で話題のトピックを記事ネタに活用する好事例。 — SEO Japan

新しいローン・レンジャーの映画を見ただろうか?もしもあなたが大部分の映画常連客と同じなら、見ていないはずだ。

あなたは、代わりに他のヒット作品を見た。もしくは、ビーチへ行った。もしくは、家でTVドラマを一気に見た。ローン・レンジャーは、15ドル(さらにポップコーンも)を支払って見る気のするものには思えなかったのだ。

では、なぜここでこの数億ドルの失敗作について話すのか?

なぜなら、この映画がうまくいかなかった(利益を得るという意味で)理由は、来る日も来る日もビジネスをダメにする理由と同じだからだ。そして、大失敗を分析することによって、私たちはあなたのビジネスを成功させる要因のいくつかを発掘することができるのだ。

ローン・レンジャーは失敗するはずではなかった。ディズニーの配給責任者Dave Hollisは、Yahoo Moviesに悲しそうにこう伝えた:

私たちにとって悔しい点は、私たちがここに全ての材料を持っていたということです。最高傑作のフランチャイズ権、世界で最も成功しているプロデューサーと受賞歴のあるディレクターと世界の映画大スターのチームがあれば、成功の可能性は著しく高いとあなたは考える。しかし、私たちはそれをうまくできなかったのです。

失敗は繰り返す。成功と同じように。なぜローン・レンジャーが撃沈したのか、そして、あなたのビジネスはその最悪の結果を避けるためにどのようなことを学ぶことができるのかについて話をしよう。

問題点その1: 批評家が寛容ではなかった

この夏は、一般的にヒット作にとっては素晴らしい夏ではなかった(いくつかの例外はある)が、ローン・レンジャーは特に際立っていた。

もしローン・レンジャーが専門家の懸念通り1億9000万ドルを損失すれば、この映画は史上最大の失敗作という残念な栄誉を手に入れることになるだろう。~ World News Views

共演スターのジョニー・デップは、この映画の失敗を、映画が公開される前にすでに始まっていた酷いレビューのせいにしている。The Guardianの“全速力なんてものではなく、電気ソケットにひずめが引っ掛かった死んだ馬のむち打ちをダラダラと続けた感じ”というようなフレーズを引き出す映画なら、興行成績で何らかの問題に直面するかもしれない。

しかし、私たちみんなが知っているように、批評で失敗してもたくさんのお金を稼いでいるものは数多くある。実際、ワールド・ウォーZは、ローン・レンジャーと同じように、公開前に批評家に激しくけなされていたが、それでも興行成績で5億ドルを記録し、ブラッド・ピットの最高のヒット映画となっている。

ここからは、もっとビジネスライクな視点から見ていこう。

問題点その2: ローン・レンジャーは右へ倣えの製品だった

ディズニーのDave Hollisが言ったように、ローン・レンジャーは、私が押出映画製品(Extruded Film Product ―EFP)と呼んでいるもの―お金を稼ぐために計画された“確実な”要素の型通り集めたもの―の典型的な例だ。

ビジネス版で言うと、自分が特別にしたいことではないかもしれないが、世間一般の通念では常に需要があると言われている“安全な”ビジネスである。あなたの魂は創作ダンスに打ち込みたいと叫んでいるのに、ママは歯科矯正医になりなさいと言っているのだ。

大きな予算のついた映画を見に行く人なら誰でも知っているように、押出映画製品はたくさんのお金を稼ぐことができる。ディズニーは、一体なぜ今回はそうならなかったのか嘆き悲しんでマスコミに話したのだ。しかし、その理由を見つけ出すのは難しいことではない。

ローン・レンジャーのような失敗作には、成功するEFP(およびビジネス)が絶対に持っている材料が欠けているのだ。例えば、『怪盗グル―のミニオン危機一髪(Despicable Me 2)』にはそれがある―そして、興行成績でローン・レンジャーをピシャリと叩いた。

その欠けている材料については後で話すが、まずはそれほど“確実”ではない要素について話そう。

失敗を防ぐためのアドバイス

自分のビジネスを一般的な右へ倣えの製品にさせないこと。あなたと同じ製品またはサービスを提供する他の全ての人とあなたの違いが何であるかを見いだすことに時間をかけるのだ。

問題点その3: ローン・レンジャーはブロッコリー・アイスクリームだった

映画界での一般通念では、もはや西部劇を見たい人などいない。海外の観客は特にだ。

そして、それは取るに足りない要因ではない。“宇宙空間での西部劇”という説明が、恐らく、壮大なテレビ番組『ファイヤーフライ 宇宙大戦争(原題:Firefly)』を運命づけたのだろう。それは、ブロッコリー・アイスクリームのように聞こえた―番組製作者(Joss Whedom)は興味があったが、実際、その他の人達は求めていなかったのだ。当時、その口コミがたくさんのオーディエンスに広まり、その番組はなくなった。

(もちろん、Whedonは、次第に自分の才能を観客が飢えているものへと向けるようになった―それがスーパーヒーロー『アベンジャーズ』だ。)

映画―そして、ビジネス―は、観客がすでに渇望しているものに取り組むことによって、より安全な賭けをすることができる。だから、“パーソナルトレーナー”は、“メクラネズミの世話係”よりも安全なキャリア選択なのだ。

しかし…

『ランゴ』、『ジャンゴ 繋がれざる者』*、『許されざる者』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『明日に向かって撃て!』は全て西部劇だが、西部劇が特に流行っていなかった時代にたくさんの観客を魅了した。

なぜそれらの映画は、“西部劇が終わった”時代に成功したのだろうか?それらの映画には、ジャンルを超越した素晴らしい脚本があった。それらが非常に素晴らしかったために、見ないわけにはいかなかったのだ。そして、それを見た全ての人が、あなたの肘をつかんで、あなたもそれを見に行くように言ったのだ。

失敗を防ぐためのアドバイス

あなたが提供するものに対して実際に顧客の欲求があることを確かめること。あなたのビジネスは、まあまあ良いものならば、“変な”製品やサービスのアイディアでも生き残るかもしれないが、次のファイヤーフライ、つまりその時代にオーディエンスを見つけることのできなかった見事なアイディアになるのは楽しいことではない。

問題点その4: ローン・レンジャーの脚本は最悪だった

ローン・レンジャーに対する一部の良いレビューは、脚本についてはあまり触れず、ほとんどがトント役のデップの演技や華麗なアクションの連続について話している。

良いレビューでさえも、脚本が曲がりくねっていて、構成が欠けていることについて触れている。

その膨れ上がる予算問題を見て、ローン・レンジャーの崩壊を予測した観察者もいる。なぜなのか?理由はこうだ:

コントロールの利かなくなっている予算は、通常、映画制作者が映画を作り始める時に確固たるビジョンを持っていないことを意味する。将来のビジョンがなければ、映画がどんなものに仕上がろうと、事実上それは膨大な量の書き直しとイメージし直しの結果であるということを意味する。それでは、なぜこれが問題なのか?なぜなら、それが起こる時、最終的な製品は、それが持つはずだった効果的なストーリーテリングの力と同じ種類の力、始めから非常に興味を引き付けて話さない物語そのものを生み出さないからだ。~ James Gadea at policymic

成功するヒット映画の世界では、ライター(それとは反対のジョークをよそに)が主導権を握る。壮大なストーリーの力がなければ、押出映画製品は、単に押し出されたようにしか感じないのだ…

優れた文章がヒットの可能性を作り出す。そして、力強い文章―特に説得力のあるストーリーを伝える文章―が成功するビジネスを作ることができるのだ。

あなたのビジネスがビッグアイディアを持っている時―そして、興味をそそる方法でそのアイディアのストーリーを伝える時、オーディエンス(顧客)はあなたに引き付けられ始めるのだ。

失敗を防ぐためのアドバイス

自分のビジネスのビッグアイディアを知ること。時間をかけて、説得力があり興味のそそる方法で自分のストーリーを伝えること。私たちは、あなたがこれをどうやってすればいいのかを教えるための完全無料のライブラリを用意している。

問題点その5: ローン・レンジャーにはG.A.Sが欠けていた

最後に、ローン・レンジャーが撃沈したのは、G.A.Sの欠乏が理由だと私は考える。(ごめんなさい、これは、Give A Shit(気を使う、注意を向ける)の略だ―詳しいことはこの投稿で読むことができる。)

書き直しによって脚本は長すぎて分かりにくいものに膨らんでしまっただろうか?気にするな、オーディエンスはバカだからそんなことに注意は払わない。

親は、時折タランティーノレベルの暴力に逸脱するバカなコメディに子どもを連れて行きたくないと思うだろうか?そんなこと心配するな。どっちにしても子どもが何をしているかなんて誰も監視していない。

この映画は平凡でつまらない?そんなわけがない。だってジョニー・デップを使ったんだから。頭には鳥が止まってるし

私は、その映画がEFPであることを責めているのではない―それは、近頃のハリウッドが生み出すものだ。

しかし、もしあなたが公式を書くつもりなら、それについて気にかけなければならない

実際、私は、この映画の先駆け(同じ優秀なチームで作られた)であるパイレーツ・オブ・カリビアンがこれほどものすごい成功を収めたのはこれが理由だと思うのだ。誰もが海賊映画を特に強く求めていなかった。ディズニーの乗り物を基にした映画なんてもっとだ。

それは、脚本から演技や衣装や監督まで、全てが想像以上に良かったのだ。この映画は素晴らしい、本当に素晴らしいといううわさが立った。公式通り?間違いなく。しかし、それは見事に実行された公式だった。

今、あなたのビジネスはユニークな存在かもしれないし、超競争率の高い右へ倣えの世界で自分自身を差別化することに毎日励んでいるかもしれない。

オーディエンスを見つけることができれば、どちらの場合も上手くいく。

しかし、あなたはそれにたくさんのG.A.Sを注がなければならない。

* 注: 『ジャンゴ 繋がれざる者』は、“西部”ではなく“南部”だが、西部劇のような外観で、西部の音楽で、テーマとストーリー展開は完全に西部劇そのままだし、Sergio Corbucciによる1966年の西部劇“ジャンゴ”からかなり多くを取り入れている。もし、西部劇が興行成績の害となるなら、『ジャンゴ 繋がれざる者』は失敗していたはずだ。


この記事は、Copy Bloggerに掲載された「How to Prevent Your Business from Becoming an Embarrassing Failure」を翻訳した内容です。

流石コピーブロガー、映画をネタに思わず読んでしまう内容に仕上げていますし、コンテンツマーケティング、そしてビジネス自身にとってもそれなりに学べる点もあったのではと思います。余談ですが、ローン・レンジャーは製作費250億円、宣伝費175億円で合計425億円(1円=1ドル計算)かかったそうです。ハリウッドの大作映画、毎年100本以上作られていますが、IT業界も真っ青の投資ビジネスですよね。。。 — SEO Japan [G+]

Googleの「ゲスト投稿はペナルティ対象」騒動を一刀両断

日本では余りこれまで有効活用されてこなかったゲストブログ、他のブログやサイトに自分の記事を掲載してもらい、そこからリンクを得る、一種のホワイトハットなリンク構築手法として海外ではかなり活用されてきました。ところが最近、余りにSEO目的で質を伴わない記事や、手法が行き過ぎた例が出始めたため、Google自らゲストブログはペナルティ対象になりうるという宣言を出す始末。ゲストブログ自体を完全否定した発言ではなかったと思いますが、こういう時には少なからず大騒ぎする皆さんが一定数表れるのも日米問わずまた事実ですよね。米国を代表するコンテンツマーケティングブログであり、自身のサイトにも多数のゲスト記事を掲載しているコピーブロガーがそんな騒動に一言。 — SEO Japan

Guest Blogging is Not Dead

最近、グーグルのスパム対策を統括するマット・カッツ氏が、ゲスト投稿に関して、相手選手を罵倒したリチャード・シャーマン(アメフト選手)のように激しく口撃した。

ゲスト投稿の衰退と崩壊」と言うタイトルが与えられた記事の要点をまとめると、次のような内容になる:

ゲスト投稿は、かつて、インターネットユーザーに接触する上で信頼のおける手法であった。しかし、現在は、スパム行為が横行している。そのため、ゲスト投稿を配信するブログは、グーグルのお仕置きの対象になると考えるべきだ。

以下に、実際の記事の一部を抜粋する:

もうダメだ。ゲスト投稿は終わった。スパム化が進み過ぎたからだ。

Copybloggerでは、ゲストの寄稿者が記事を配信している。同じことをサイトで行っている方もいるははずだ。また、ゲストとして記事を1度、2度、あるいは、何度も投稿したこともあるのではないだろうか?私達は、とんでもないヘマをしてしまったのだろうか?一人残らずお仕置きを食らうことになるのだろうか?

そんなことはない。しかし、私の言葉を鵜呑みにしてもらっても困る。

ゲスト投稿は終わっていない

カッツ氏のブログの記事が、ツイッターユーザーの間で広まり始めた頃にツイートを投稿した、CopybloggerのCEOの言葉なら信頼することが出来る:

本物のメディアを作るためにサイトを運営している人にとって、この「ゲスト投稿の危険性」を指摘する現象は、バカバカしいと思えるはずだ。

— ブライアン・クラーク(@brianclark)2014年1月20日

その後、次のように解説している:

@MichelleDLowery @mattcuttsが、数名の寄稿者を抱えるオンラインマガジンに言及しているはずがない。

— ブライアン・クラーク(@brianclark)2014年1月20日

@MichelleDLowery 厳しく品質の基準を設定している雑誌のように対応すれば、全く問題はない: @mattcutts

— ブライアン・クラーク(@brianclark)2014年1月20日

そして、最後に究極の教訓を送っている:

@joehall 確かに君の言う通りだ。しかし、@mattcuttsの発言に応じて、サイトのタイプを変える必要があるのか?たとえ何があろうと、品質を優先するべきだ。

— ブライアン・クラーク(@brianclark)2014年1月20日

何があろうと質を優先するべきだ

万が一、コンテンツが、ゲスト投稿と言う形式を採用していることを理由に、質の高いコンテンツを提供しているサイトにペナルティーを与えるなら、グーグルは検索エンジンとして失格である。一方、仮想のアルゴリズムの変更を追求する戦略を採用しているなら、その時点で、私達もパブリッシャーとして失格である。

品質を求める戦略は無敵だ。

ゲスト投稿は、「終わった」わけでも、滅亡したわけでも、破滅したわけでもない。厳しい基準を設け、オーディエンスを適切にもてなし、目先の利益ではなく、長期的に成功を収めることが出来るように心掛けるべきである。

つまり、スパマーのように振る舞うべきではない。こう言えば、分かってもらえるはずだ。

このシンプルな原則に従っていれば、外部の寄稿者による記事を配信していても問題ない。そして、他のサイトに寄稿していても問題ない。

グーグルが愚かなら、そして、パブリッシャーがスパマーなら、確かに危険な状態に身を置かれていると言えるだろう。しかし、そんなことは、マット・カッツ氏に言われるまでもなく、誰にでも分かるはずである。

アップデート: 誤解を解く

マット・カッツ氏は、次のようにゲスト投稿に関する記事をアップデートしている:

追加: ほとんどの人は私の言いたいことを理解してくれたようだが、もう少し情報を加えたいと思う。私は大切なものを取り上げようとしているのではない。今でも、ゲスト投稿を行う理由は数多くある(見てもらう機会を増やす、ブランディングを行う、接触範囲を拡大する、コミュニティを構築する等)。このような理由は、グーグルが生まれる前から存在し、今後も消えることはない。実に素晴らしい、質の高いゲストブロガーも存在する。検索エンジンに対する最適化を行う(SEO)ためのゲスト投稿に言及している点をハッキリさせるため、少しタイトルをいじった。

また、私は数名のライターを抱えるブログに言及しているわけでもない。Boing Boingのような数名のライターが所属する品質の高いブログは、ウェブが生まれる前から存在し、魅力的であり、素晴らしく、そして、有益である。

私が強調したいのは、品質の低い多くのサイト、あるいは、スパムサイトが、リンク構築の手法として「ゲスト投稿」にしがみついており、このスパム行為は右肩上がりに増え続けている、と言うことだ。そのため、見知らぬ人から連絡があり、ゲスト投稿を提案されたら、まずは疑うべきである(少なくとも注意してもらいたい)。


この記事は、Copybloggerに掲載された「Matt Cutts Declares Guest Blogging “Done” … Are We All Screwed?」を翻訳した内容です。

最後はマット・カッツのフォロー発言まで紹介されていましたが、まさしく読んで納得の記事でした。「バカバカしい」ことは気にせず、優良メディア作りに励むのみ。 — SEO Japan [G+]

2013年の総括と2014年に成功するコンテンツクリエイターの条件

明けましておめでとうございます。2014年最初の記事は、SEOにもウェブマーケティングにも大注目のコンテンツに関する記事を。優れたコンテンツを産み出すコンテンツクリエイターの条件とは?コンテンツマーケティングを長年啓蒙してきたコピーブロガーが語る。 — SEO Japan

約1年前の今日、私は「2013: オンラインライターの1年(日本語)」を綴った。この記事で、私はこの業界が転機を迎えたことを指摘した。成功を望むすべての会社が、次の点を理解するようになった:

  • 求められているのはコンテンツ。
  • シェアされているのはコンテンツ。
  • 購入の決定を左右するのはコンテンツ。

上述のポイントを理解する企業が増えた結果、優れたコンテンツライター、特に優秀なライターが必要とされるようになった。

2014年は、このトレンドがさらに続くものの、新たな捻りが加わる。

良質なコンテンツは、確かに素晴らしい。しかし、そのコンテンツが、ビジネスの目標に関して、何を達成しようとしているのか考えたことはあるだろうか?

この点を説明する前に、まずは昨年の暮れに私が指摘した3点の強力なポイントを振り返り、それぞれのポイントが、2013年にオンラインライターに与えた影響を確認していく。

1. コンテンツがオンラインマーケティングを動かす

昨年、私はコンテンツマーケティングは、単なる流行語や一時的なブームではないと言う姿勢を崩さなかった。2013年、私の指摘が正しいことが証明された。効果的なオンラインマーケティングを動かしていたのは、今年もコンテンツであった。

Altimeter Groupに所属するレベッカ・リーブ氏は、堂々と次のように指摘している:

コンテンツは、あらゆるデジタルマーケティングの原子に等しい

コンテンツマーケティング業界は、今年大きく成熟した。大手の消費者ブランドが、引き続き、メディア企業モデルに向けたシフトチェンジを進めただけでなく、次のような取り組みも行われていた:

  • マーケティングサービスのMarketoが華々しくIPOを行った。
  • Oracleがコンテンツマーケティング会社のCompendiumを買収した。
  • Salesforce.comが、ExactTarget/Pardotを買収した。

このオーディエンスを中心とした動向の理由は明白である。コンテンツマーケティングは、従来のマーケティングの手法と比べて、コストが62%低いにも関わらず、より効果が高いのだ。

より少ない成果を求めて、より多くの資金を投じる行為を好む企業を除き、コンテンツへのシフト変更は、来年(2014年)、そして、再来年以降も続いていくだろう。

これは本格的なビジネスである — 数十億ドル規模の業界であり、ブロゴスフィアの草の根活動も規模の拡大に貢献している。今でも多くの会社や起業家に対する門戸は大きく開かれている。

2. グーグルがオンラインライターをレベルアップさせる

今年(2013年)を迎えるにあたって、絶対的な条件として、質の高いコンテンツが求められるようになったきっかけを作ったのは、明らかにグーグルであった。パンダアップデートは、質の高いコンテンツを求め、ペンギンアップデートは、 (当然、優れたコンテンツから)自然に集められたリンクこそが唯一の持つ価値のあるリンクである点を巧みに知らしめた。

グーグルオーサーシップは、質の高いコンテンツをクリエイターに結びつけ、オーサーのアイデンティティを、アルゴリズムにおけるランキングの要素にする下地を作った。2013年、誰がコンテンツの作ったのかが、重要になったことを示す手掛かりを見つけた企業やスタートアップが増加し、優秀なライターに十分に見返りを与える方針が、プラスに働くようになった。

今年最大のグーグル関連のニュースは、何と言ってもハミングバードである。ハミングバードは、グーグルのアルゴリズムの完全な整備であり、パンダ、ペンギン、そして、その他の過去のアップデートを盛り込む一方で、セマンティックおよび会話型の言語の機能を強化している。

(要するに、グーグルは、ユーザーが実際にどのように会話を交わしているのかをより深く理解するようになったと言えるだろう。)

ハミングバードは、(狡猾なライターのみが得をする)ぎこちないキーワードフレーズから、オーディエンスに焦点を絞った言語のパターンを引き続き重要視するグーグルの方針を表している。

オンラインライターにとって、最も嬉しかったニュースは、Demand Mediaの衰退だったのではないだろうか。同社は、超低賃金で雇ったライターを介して、コンテンツファーミングを行い、グーグルを悪用していた。新たなオンラインの環境下では、「大きな企業は失敗しない」と言う常識は常識ではなくなり、Demand Mediaの崩壊は、ライター達にとって、象徴的な勝利以上の意味があった。

3. 起業プロデューサーとしてのライター

2013年は、オンラインコンテンツ生成の世界から、サクセスストーリーが次々に生まれた1年であった。その中でも、コンテンツマーケティング戦略を用いて、2億円の収益を得たソーシャルメディアツールのBuffer、そして、ポッドキャストを巧みに活用して、オーディエンスを先に作ることで、ビジネスを成功に導いたスリニヴァス・ラオ氏は、特筆に値する。

また、起業家精神に満ちた作家達の存在も忘れてはならない。ヒュー・ハウィ氏のベストセラー Siloは、今年、自己出版界で同氏を一躍スターダムに押し上げた。ノンフィクション作家のジャイムズ・アルトゥチャー氏は、より本格的な自己出版のレベルを活用し、従来のルートを見事に圧倒していた。また、ジョアンナ・ウェイベ氏とランス・ジョーンズ氏は、eブックを用いて、コピーライティングとコンバージョンをスタートアップに教えることで、自身のスタートアップを成功に導いていた。

最も需要が高いコンテンツクリエイターは、クライアントや仕事を得る必要がない人材である。つまり、自ら会社を立ち上げ、思い通りに収益を獲得し、好きなように生きることが出来る人物だ。

それでは、なぜ、わざわざ他の会社のために働くのだろうか?それは、Noとは言えないほどの好条件を出されるからではないだろうか。

今後の展開 新しい(メディア)で収益を得る人材

優れたコンテンツが(ほぼ)ノルマと位置づけられるまでに、ここまで時間がかかるとは、正直意外であった。今後は、質の高いメディアの作成が、新たな基準になると思っているのではないだろうか?

残念ながら、事実上、このレベルに既に達しているため、適当にコンテンツを作っていればいいと言う考えは、思い違いである。ビジネスの目標を達成するクリエイティブなコンテンツを作ることが求められる。

今こそ全体のレベルを押し上げていくべきだ。

自分自身で、あるいは、他の人を指導して、情報を与え、魅了し、楽しませ、その結果、収益を得られるようなコンテンツを作ることが出来るだろうか?

それが可能なら、2014年はバラ色の1年になるはずだ。収益をもたらす人物が、ルールを作ることが出来るためだ。

しかし、お楽しみは2014年に取っておこう。

まずは、年末年始を楽しんでもらいたい。このブログは、クリスマスから12月29日まで、活動を停止する。

最後になるが、この場を借りて、感謝の意を伝えたい。読者の方々の支援がなければ、何一つ成果を上げることが出来なかったはずだ。


この記事は、Copybloggerに掲載された「2014: The Year of the Rainmaker」を翻訳した内容です。

Bufferの売上2億円は微妙としても、コンテンツがこれまで以上にウェブマーケティングの中心となり、それを創り出すコンテンツクリエイターがより注目される1年になるのは、今のネット世界を考えるとある種当然のことではあるのでしょうね。私も昨年は更新が微妙だった点もありますし、今年は昨年以上に量はともかく質にはこだわった記事を紹介していきたいと思います。。。ということで、SEO Japan、本年もよろしくお願いいたします! — SEO Japan [G+]

アート作品をPRする99通りのマーケティング手法

年末になると、こんな記事を上げたくなる、ということで、アート活動に日々励む皆さんに少しでも参考になるかもしれない様々なPR・マーケティング手法を一挙まとめたお役立ち記事を。アーティストじゃなくとも読むだけで学ぶことが多い読み応えのある内容になっています。 — SEO Japan

Image of Working Pottery Wheel

ライター、ミュージシャン、イラストレーター、ダンサー — 皆、アーティストである。人形の彫刻、記念品の宝石作成、ファッション写真の撮影、屋外での絵画、テクノのBGMの作曲等、創作活動に携わる人は、アーティストを名乗る資格がある。

創作に関しては肝が据わっているかもしれないが、作品の宣伝に関しては、考えるだけで冷や汗が出てくるのではないだろうか?

自慢するくらいなら、大砲の弾となって大空に打ち上げられたいだろうか?作品を買ってもらうために頭を下げるぐらいなら、綱渡りをする方がましだろうか?

心配ご無用。そう思っているアーティストは、大勢いる。

この記事で元気が湧くようなマーケティングのアイデアを多数紹介していくので、読み進めていってもらいたい。これで今後数ヶ月間は忙しくなる。

逃げたくなるかもしれないが、得られるものは大きい

最新の創作プロジェクトを宣伝するか、あるいは、ムチを持って、象と対峙するかの究極の選択を迫られると、アーティストの中には、気まぐれな象と向かいあうことを選ぶ人もいる。

創作には自信を持っている。そのため、作品を持ち歩いて、行き行く人々に迷惑をかけるのではなく、作ることに時間を注ぎたいと思うのは当然である。マーケティングは、得意ではないのだろう。

しかし、現実として、優れたマーケティングの手法を学ぶことは、アーティストにとって死活問題である。製品を買ってくれなければ、ショーや展示会に足を運んでもらえなければ、あるいは、作品を読んでもらえなければ、収益を得ることは出来ない。

しかし、暗いニュースばかりではない。退屈ではあるものの、安全な鳥カゴの内側に一生隠れる必要はない。

適切な訓練を積み、準備を行い、そして、安全対策を講じていれば、マーケティングのエキスパートになれるだけでなく、大胆に商売を行うスリル、そして、命懸けでキャッシュを獲得する技術を存分に味わうことが出来る。

競技に参加する

ライバルになることを正式に、そして、堂々と宣言しよう。

無一文になり、車での生活を余儀なくされ、芸術作品でお金を儲けるぐらいなら餓死することを選ぶと言う、一般的な思い込みに対して、アーティストとして立ち向かおう

  1. 獰猛な虎を可愛いネコに変える。 マーケティング、そして、営業と言う言葉は、サーベルタイガーよりも強烈な恐怖心をアーティストに与える。実際にこの言葉に恐怖を感じる人達にアドバイスを贈る — 話しかけよう。ただ、話すだけでよい。情報を伝え、会話を交わし、学んでもらう。インターネット上でも、昼食中でも、あるいは、ステージ上でも構わない — 会話と関係を意識してもらいたい。既に興味を持っている人達に作品を紹介しているだけだと言う点に気づけば、プレッシャーは消え去る。
  2. その類稀な才能を良いことに使う。 現実に、どこかで誰かがその力を切に望んでいる。芸術がもたらす、つながり、刺激、楽しさ、美しさ、笑い、奥深さ、一時的な気晴らし、暖かく、ほっとする感覚、そして、思い出が、誰かに求められているのだ。癌の治療法を見つけたものの、自分だけの秘密にしておくのは、道義的に間違えている。アーティストだって、必要としている人達に、その作品を提供する道徳的な責任を持っているはずだ。芸術によって、生きるか死ぬかが決まるケースは稀だが、楽しい旅行に出掛けるか、退屈に時を過ごすかくらいの違いをもたらす力はある。
  3. 特別功労賞を受賞する光景をイメージする。 何に対する功労賞を受賞するのだろうか?何を達成したのだろうか?作品が人々に与える影響について考えてもらいたい。辛い時期を乗り越える上で、芸術のビジネス、そして、起業家としてのキャリアに対するビジョンが必要になる。主な目標からぶれないように、自分の未来の姿、オーディエンスに与える影響、そして、今後の方向性を知る必要がある。
  4. 長期間に渡って力を尽くす。 我慢強く、自分に対して、思いやりの気持ちを持とう。簡単な道のりではないかもしれない。学ぶことも数多くある。しかし、君なら出来る — それだけだ。一歩ずつ前に進んでいけばよい

最もスリリングな取り組みを特定する

大々的な宣伝活動の仕組みがよく分からないなら、これから紹介する手法を幾つか試してもらいたい:

  1. 既に勇敢であることを理解する。 友達、ファン、そして、顧客に対して、取り組みの中で、スゴイとは思うものの、自分だったらやる勇気がないことを尋ねてみよう。ピアノの作曲や脚本の執筆等が挙げられると思うかもしれないが、仕事として創作活動自体、する勇気がないと答える人は意外と多いのではないだろうか?実際に会って話をするのも良いし、eメールで幾つか質問を投げ掛ける手もある。意外な答えが出てくるかもしれない。
  2. 拍手喝采の状況を思い出す/思い返す。 過去を遡り — ファン、顧客、または、クライアントを心から喜ばせた時のことを思い出してもらいたい。当時、何がきっかけで、お金、そして、称賛の声が続々と寄せられたのだろうか?紙に書き出し、意図的に同じ取り組みをもっと実施しよう。
  3. スポットライトを堂々と浴びる。 誰も真似することは出来ない。その点をアピールするのだ。競合者と大きな違いをリストアップし、言葉で伝えるべきである。「これ知ってるよ!あの人が作ったんだろ!」と言ってもらうのがゴールだ。
  4. 心を読む。 顧客の頭の中に入り、考えていることを読む。実際に頭の中をのぞき込む必要はないが、何を好むのか、どのような時間を過ごしているのか、どこで遊んでいるのか、何を感じているのか、どのように夜更かしをしているのか自分自身に問いかけてもらいたい。現在のファンと顧客にインタビューし、なぜ作品を買うのか訊いてみよう。ちょっとした贈り物と引き換えに、短い質問に幾つか答えてもらえるか、数名に頼んでみよう。その後、同じ質問をSurveyMonkey等のオンラインツールを使って、もっと大勢の人達に投げかけよう。答えてくれたら、耳を傾けること。

熱狂的な、冒険好きのファンを探し出す

集団の緊張感、刺激、そして、エネルギーによってアーティストは突き動かされる。

  1. 指令センターを作る。 ちゃんとしたウェブサイトを構築しよう。ソーシャルメディアのサイトは、全てのトラフィックをウェブサイトの運営および交流の中心的な場所に戻す必要がある。
  2. 魅力的なストーリーを作成する。 今の地位を確立した経緯を伝えよう。命知らずのライダーは、いきなり谷から谷へとバイクでジャンプするわけではない。最初は数十センチの高さからジャンプの練習をスタートさせたはずだ。つながりを作る方法として、ストーリーは強力だ。これはどんな世界にも当てはまる。どのような経緯で今の地位を確立したのだろうか?ターニングポイントは何だっただろうか?どのような困難を乗り越えたのだろうか?何を学んだのだろうか?ユーモアと感情を巧みに取り入れよう。
  3. 何もかもさらけ出す(例え)。 何を目指しているのだろうか?なぜその取り組みを行っているのだろうか?どのようにオーディエンスを助けたいのだろうか?スリル満点の芸術家肌の起業家精神を、何が突き動かすのか伝えよう。
  4. 褒められたらカメラの電源を入れる。 推薦状を集めよう — 正式なものでも、非公式なものでも、あるいは、その組み合わせでも構わない(一番良い)。作品を褒められたら、少しメッセージを録画させてもらおう。アーティスト自身の言葉よりも、他の人の意見の方が強力である。そのため、自分自身にプレッシャーをかける必要はない。証言広告は、より理想的なファンとの架け橋になる。
  5. 舞台の中央を分かち合う。 喜ぶ顧客の姿が映し出された動画と写真をかき集めよう。作品を利用する姿、作品を見せる姿、そして、作品を聞く姿を写真に撮り、投稿してもらおう。新しいファンは、好意的に受け取り、自分自身を重ね合わせるだろう。
  6. 記事の切り抜きを集める。 ツイッター、フェイスブック、そして、ウェブサイトに寄せられたファンのメッセージの切り取りを集め、シェアしよう。オンライン、オフライン問わず、このような賞賛の声は、格好のターゲットであり、容易に集めることが出来るはずだ(許可を得る必要はある)。

記憶に残るアーティストになる

人前に出るだけでは十分ではない。今度は、作品に感動してもらう必要がある。自分の実力を信じよう。まずは、以下のアイデアから試してもらいたい:

  1. 欲しいものを与える。 ファンが何を求めているのか把握するのは、ファンの仕事ではなく、アーティストの仕事である。ファンが買っているのは作品自体ではないことを、アーティストなら理解しているはずだ、あるいは、今後理解することになるだろう — つまり、本も、CDも、コーヒーテーブルの彫刻も、作品自体は重要ではない。ファンが買っているのは、感覚、体験、一生の思い出、そして、感情的なつながりである。
  2. 恐怖を与えてファンを刺激する。 もちろん、本当に危険に晒すわけではないが、ファンは本気で怖がっている。何がファンを心配させ、イライラさせるのか想像しよう。その作品は、ファンが落ち着きを取り戻す上で、どのように役に立つのだろうか?作品を通じて、退屈を紛らわせ、心を落ち着かせ、笑わせ、楽しませることが出来るはずだ。
  3. 最高のスリルでファンをじらす。 クライアントの著しいニーズ、問題、欲望を特定しよう。その紡いだ文章を読み、作品をチェックし、展覧会を訪れ、最終的に財布を開いて、作品を購入する「きっかけ」が存在する。それが何か把握しなければならない。作品が生み出す刺激だろうか?良い思い出を何度も何度も記録し、思い出したいと言う欲求だろうか?それとも、ムーブメントを直に感じたいと言う直感だろうか?
  4. 心の憶測にある願望で興奮させる。 本当は何が求められているのか分かったら、オーディエンスの顔の前にぶら下げよう。ファンが求めている結果を使って、誘惑しよう。嫌とは言えない状況を作り出すのだ。
  5. マインドコントロールを極める。 マーケティングを行う際は、一人の心の奥底を覗き込み、その人物のみに話しかけよう。理想的な顧客のプロフィールを作り、この人物に話しかける光景を想像すれば良い。過去に既に実施済みなら、見直してもらいたい。損はしないはずだ。一度も実施したことがないなら、是非、実行してもらいたい。非常に多くの情報を得られるはずであり、やる価値はある。
  6. 度肝を抜き、予想外の行動を取る。 現状を打破しよう。やり方を変えてみよう。頻繁に驚かせて、オーディエンスを釘付けにするのだ。

サポーター組織を作る。

一人だけでは偉業を達成することは出来ない。問題なくプロジェクトを前に進めるため、通常は、チームが一丸となって取り掛かる。

現時点では、どれだけ規模が小さくても、支援してくれるファンを随時加えていくことが可能であり、また、そうするべきである。

  1. 大ファンを集める。 地の果てまでも付いてきてくれるファンを集めよう。特別なプレゼント — 限定版の作品、または、オンライン上や対面式のファン感謝パーティーを開催する手もある。次に、熱狂的なファンを増やすため、より多くのオーディエンスにアピールしていってもらいたい。
  2. 支持者を見つける。 業界のインフルエンサーを見つけ、偽りのない関係を作ろう。関係の構築には時間がかかるため、今すぐに行動を起こしてもらいたい。ただし、いきなり頼み事をするのはよくない。冷静に、寛大な態度で接するべきである。作品がインフルエンサーのオーディエンスにとって適切な場合、オーディエンスに紹介するだけでなく、アーティストのファンの人数を増やしてもらえる可能性もある。
  3. ボランティアを募集する。 助けてもらおう。頼むだけで済むこともある — こんな単純なことを忘れてしまいがちである。ポスター作り、イベントの企画、または、近所や地域のお店でのフライヤーや名刺配りを得意にしている人が周りにいるかもしれない。とりあえず頼んでみよう。
  4. ストリートチームを作る。 とりわけ忠誠心が高く、熱心なファンをチームに迎えよう。ファン自身を高揚させる告知、そして、感動させる作品を宣伝してもらうのだ。ポスターを貼ってもらうことも、特別なオファーを口コミで宣伝してもらうことも、または、イベントにオーディエンスを招待してもらうことも可能だ。
  5. 友達と家族を受け入れる。 1番のサポーターは友達と家族である。理解してもらえないこともあるかもしれない。過保護になることもあるかもしれない。それでも、苦しい時も嬉しい時も、常に応援してくれるはずだ。また、周りの人達に自慢してくれるだろう。
  6. 特別なチームを招集する。 臨時で助けが必要な際に呼べば飛んでくる予備の人材を集めよう。誰がどんなスキルを持っているのか、どのプロジェクトに快く力を貸してくれるのか把握する必要がある。まずは、バーチャルアシスタントを試してもらいたい。E-lanceでプロジェクトを提案しよう。
  7. 声援を送り、歌い、ウェーブを起こす。 チーム、共通の敵、夢、または、目標に関して、メンバー間の団結をもたらすスローガンを利用する。簡潔で、覚えやすいスローガンにしよう。カトゥーン作家のヒュー・マクラウドは、「意味のあるオフィスアートを」をスローガンに掲げている。「長続きさせるためではなく、楽しい時を過ごすため」 、「嫌でも笑顔になる写真を」、または、「行動を起こさざるを得なくなる短編小説」等のようなスローガンを考えてもらいたい。

興奮を煽る

まさに求めているものを与えると、ファンは再び戻って来る。次の作品を息を弾ませて待つようになる。友達に紹介し、無理やり作品の展示会に連れてくるようになる。

炎に油を注ぐのだ。

  1. ファンに今後の作品の予告を行う。 今後の作品のリリース、ショー、そして、展示会の場所を紹介する。上辺だけではない、本物の切迫感を演出して、必須のイベントにしよう。見せ掛けの期間限定は見破られてしまう。緊迫感を賢く利用してもらいたい。
  2. バックステージパスを与える。 スタジオを実際に、または、インターネット上で、もしくは、その双方で公開しよう。セット、機器、好きなテーマや素材を紹介してもらいたい。仕事の工程、創作活動に突き動かすもの、または、アイデアを考案する方法を説明する手もある。すべてファンにとっては、たまらない情報である。
  3. テープカットイベントを開催する — 盛大に新作を祝う。 手書きで署名した招待状を送ろう。巡業を提案することも可能だ。スタジオと機器を紹介する短い動画を作成して、バーチャルなイベントを開催することも出来る。プレスリリースを配信し、地域の新聞に掲載してもらおう。
  4. 創作活動の模様を伝える。 実際の創作の工程を紹介する短い動画やブログの記事を作成しよう。書籍やCD等、大きなプロジェクトに対する、日誌形式の投稿を行おう。プロジェクトを最初から最後まで追い、写真、動画、または、日誌を使って、ドキュメンタリー作品を制作することも出来る。その作品をブログ、または、ユーチューブで共有してもらいたい。
  5. ファンに試してもらう。 ファンなら絶対に欲しくなる出版物、短編のeブック、または、サンプルのCDやDVD等、限定の、魅力的で貴重な作品を考案する(少なくとも20ドルに相当する作品)。この作品をeメールアドレスと引き換えに無料で提供する。そして、このメールアドレスを使って、関係を構築していく。
  6. 頻繁に会合を開催する。 ショーやイベントの前後に積極的にファンと対面式の会合を企画しよう。ツイッターのチャット、グーグルハングアウト等、インターネット上の会合も有効だ。本気でインターネットの交流に力を入れてもらいたい。友達の人数を増やすために、追加するだけでなく、出来るだけ関係の構築に力を注ぐ必要がある。会話を交わし、おファンのことをよく理解する努力をしてもらいたい。
  7. 定期的に姿を現す。 インタビューを投稿したり、よくある質問集を作成してもらいたい。報道関係者に知り合いがいないため、インタビューを実施することが出来ないなら、話しやすい話術に長けた友達を選び、会話の模様を録画して、サイトで公開すればよい。カメラが苦手なら、この方が簡単だ。会話の内容を文字に起こし、サイトで提供しよう。
  8. 積極的に広報を行う。 ユーチューブでチャンネルを作成しよう。ユーチューブの視聴は、時間の無駄使いにつながると思うだろうか?まさにその通りである。しかし、ユーチューブは、世界最大規模の検索エンジンでもある。つまり、オーディエンスはユーチューブを利用し、アーティストを探しているのだ。そこで、自己紹介の動画、ちょっとした指南を行う動画をユーチューブで公開してもらいたい。また、作業場やイベントの模様を収めた動画をアップロードしよう。すべて有益なコンテンツであり、このコンテンツを使って、オーディエンスを魅了すれば、メインのサイトにアクセスしてもらえるようになる。
  9. ファンクラブを発足する。 本格的なメーリングリストを作り、登録したくなるようなインセンティブを与えよう。常に没頭してもらえるように、メーリングリスト限定のコンテンツを与え続けるべきである。頻繁にコンテンツを探し、大きな告知の合間を見計らって、定期的にシェアしよう。個性を存分にアピールしてもらいたい。
  10. ファンのファーストチョイスになる。 時が熟し、オーディエンスが、刺激、楽しさ、または、気晴らしを受け入れる準備が整った際、誰よりも先に思い浮かべてもらう必要がある。その上で、メーリングリストやソーシャルメディアを通じて、連絡を取り合うことが重要になる。
  11. いっそのこと、たった一つの現実的な選択肢になる。 ファンに多くの価値を与え、多少、製品を買わなければいけないと思ってもらえるように仕向けるべきだと指摘するマーケッターが存在する。この戦略は有効であり、十分な効果をもたらす。しかし、効果をさらに高めるため、誰よりもファンのことを気にかけている点を実証しなければならない。そのために関係を構築する必要がある。ファンにとっての良き友、そして、良き相談相手になろう。
  12. スケジュールを埋める。 カンレンダーに予定を記載する際は、ファンへの最新情報の提供を優先しよう。その後、スケジュールを守り、実際に最新の情報を投稿していってもらいたい。

状況をモニタリングし、環境をチェックする

快晴、曇り、強風、雨 — このような天候状況は、大事な日へのアプローチに影響を与える。周りの状況を把握し、各状況に備えた対策を整えておく必要がある。

  1. ライバルを認める — ただし、怯える必要はない。 競争はプラスに働くことを理解する — ニーズがあり、マーケットが存在することを意味する。オーディエンスは、作品に対して代金を支払う。オーディエンスが作品の価値を既に理解しているなら、売るために必死でアピールする必要はなくなる。素晴らしい作品を持って、オーディエンスの前に姿を現すだけでよい。
  2. ライバルに対応し、その後、軽視する。 重要なのは、アーティスト自身であり、パフォーマンスであり、そして、ファンである。競合者、そして、競合者の行動にこだわり過ぎるのはよくない。自分の方が優れている点、そして、ファンのことをより大事に考えている点を伝える必要がある。自分だけの良さ、そして、熱意に焦点を絞ってもらいたい。比較の落とし穴には注意してもらいたい。比較する度に、不愉快になり、無力だと思うようになるためだ。
  3. 賞賛の声は快く受け入れ、応える。 ファンとサポーターの声を頻繁にチェックしよう。称賛の声を(控え目に)受け入れ、感謝する。良いリアクション、レビュー、または、eメールを目にした場合も同じように対応する。
  4. 毎晩拍手喝采を浴びられるように努力する。 常に徹底して改善を行い、作品を完璧に仕上げる。アンコールが自然に湧き出るくらいオーディエンスを感動させよう。

安全対策を講じる — ヘルメット、ゴーグル、そして、パラシュート(または全身を覆う鎧)

失敗して、木端微塵になるケースだけは避けたいはずだ。そのため、出来るだけ多くの安全対策を講じるべきである。

  1. ピットのクルーを厳選する。 ピットのクルーによって、レーシングカーは正常な状態を保ち、スムーズに走ることが出来る。同じように、アーティストのチームもまた同じ状況を作り出す。必要になったら、すぐに対処してもらえる経験豊かな人材を探す — スピンばかりしていると時間の無駄になる。自分にはない強み、知識、そして、コネを持つ人材による公式または非公式のアドバイザー集団を結成しよう。
  2. 一流のクルーのまとめ役を任命する。 相談相手やアドバイザーが、目的地に導いてくれると100%信じたいはずである。相談役がいないなら、尊敬できる存在であり、考え方と価値観が似ている人物を選ぼう。苦労して手に入れた知識を分かち合ってくれるはずだ。また、代償が大きく、多大な時間をロスする間違いを回避する上で、手を貸してくれるだろう。アーティストとして成長するにつれ、信頼するアドバイザーの人数も増えていく。
  3. スパイする。 最新のマーケティングのトレンドを把握する。勉強が必要だ。業界のブログ、ジャーナル、書籍等を読み漁ろう。競合者や関連するアーティストを密かに調査し、交流する(偵察を行い、上辺を取り繕うのではなく、良いものは認める努力をすること)。新鮮なアイデアを得る上で、競合者が有効に働く。また、効果的な広告を作成する方法も学べるだろう。
  4. 盗む。 盗作して、大きな問題に巻き込まれるのではなく、別の業界に注目し、異なる考え方、インスピレーション、そして、提携の機会を探してもらいたい。自分の作品の宣伝に有利に働くように、別のアーティストのアプローチを調整する方法を考えよう。例: フォトグラファーなら、ミュージシャンと手を組み、展示会とコンサートを組み合わせ、双方のオーディエンスを活用することが可能だ。
  5. 説得のプロになる。 ウェブサイトおよびマーケティング資料に利用する優れた、共感せずにはいられないコピーを作る方法を学ぼう。コピーライティングが苦手なら、ウェブページやその他のオンライン & オフラインの宣伝を改善することが出来る人材を雇用してもらいたい。
  6. 限定のファンイベントを開催する。 新しい製品を小規模なフォーカスグループを介して試して、反応を見る。プライベートイベントを開催し、メーリングリストに登録している人のみを招待する。オンラインおよびオフラインでこのイベントを企画することも可能だ。
  7. ハイテクのプロトタイプを作る。 出来るだけ初期投資を抑えて、新しい材料や芸術の方向性を試そう。例えば、新しい楽曲のアコースティックのデモを作ったり、写真集を印刷する前にウェブサイトでプレビューを作成したり、あるいは、eブックを配信する前に、ブログで記事を何本か投稿することが出来るはずである。作品の生産に多額の資金を投じる前に、何が最もオーディエンスの共感を得られるのか特定しておきたいところだ。
  8. 撃沈しないように、命綱を用意しておく。 マーケティングに割り当てることが可能な妥当な金額を特定しよう。最悪のケース — つまり、反応が全くない状態をここでは想定してもらいたい。その額の資金を投じることは出来るだろうか?出来るなら、予算を忠実につぎ込んでいこう。有料広告は、あっと言う間に資金を吸い取っていく。私自身も若い頃多額の資金を広告によって奪われてしまった苦い経験を持つ。慎重に、小さな規模で行い、臨機応変に対応してもらいたい。
  9. 安全を最優先して、トレーニングを行う。 (有料および無料)広告をテストして、うまくいく公式が見つかるまで、頻繁に言い回しとコールトゥアクションを調整しよう。クレイグズリスト、フェイスブック、または、ツイッター等無料のメディア、そして、地域のイベントカレンダーでショーやイベントの告知を行うことが可能だ。ターゲットの絞られていない、一般的なオーディエンスに一度に接触するため、多額の資金を投入させようと説得する営業スタッフに屈しないでもらいたい。
  10. コラボレーションを積極的に行う。 出来るだけイベントで他のアーティストとコラボレーションを行い、忘れられないパフォーマンスを見せる。
  11. 回数をこなす。 どれだけ忙しくても、毎日必ずマーケティングのアクティビティに時間を費やし、マーケティングを極めよう。コミュニケーションと関係構築を活動の一部に指定してもらいたい。一貫性のあるマーケティングの取り組みを実施すると、売り上げが芳しくない際に最高の保険となる。
  12. 多数の作品を制作する。 技に磨きをかけ、カタログを作ろう。最初のCDにとって最高の宣伝は、2枚目のCDだと言う指摘を聞いたことがある。まさにその通りだ。本当のファンは、すべての作品を購入することで、好きなアーティストを支援する。
  13. マーケティング術を極める。 説得力のあるストーリー、そして、信頼できるプレスリリースを作成する方法を学び、ウェブサイト、マーケティングの資料、そして、地域のメディアで出来るだけ頻繁に活用する。
  14. 強固な安全対策を講じる。 一つの戦略に固執するべきではない。成果が表れていないなら尚更だ。複数の戦略を試し、効果を測定しよう。オーディエンスに、どのように作品を見つけたのか訊いてみるとよい。良好な結果が出ているなら、その戦略を続けてもらいたい。私はローカルマーケティングに対して、3-4つの優れた戦略を用意しており、新たな販路で試すようにしている。
  15. 定期的に計測 & チェックする。 現状を把握しよう。徹底的に自分自信に正直でいてもらいたい。作品に対する反応が薄いなら、振り出しに戻って、創作活動にさらに力を入れることを検討してもらいたい。次のレベルに進みたいなら、作品も次のレベルに高める必要がある。助けてくれる人を探し、不当な批判に対処する方法を学ぼう。

勇気を持って飛び出す。

大事な日がやってきた。今まで投じてきた全ての作品から見返りを得る準備が整ったのだ。関係構築は、プロセスの全行程で、そして、今後も継続して行う必要がある。アーティストなら、長期間に渡って、ファンにサポートしてもらいたいはずである。

常に喜んでもらう必要がある …

  1. ファンを導く。 次に何をする必要があるのか、ファンに明確に伝えよう。無料のプレゼントを受け取ってもらいたいのだろうか?本、イラスト、DVDを買ってもらいたいのだろうか?友達に宣伝してもらいたいのだろうか?
  2. 惨事を回避し、対策を実施する。 顧客候補の考えられる反発を理解し、言葉で、そして、よくある質問集で回答を用意しておこう。
  3. 低価格の作品を用意する。 低価格の作品、または、払いたいだけ払うシステムを導入して、創作活動への貢献を望む人達全員に機会を与えよう。このようなオプションを調整し、組み合わせを幾つか作っておくことを薦める。例えば、個人的な話になるが、最新のCDを既に持っている人達は、過去の作品を求める傾向がある。片や、全ての作品を持っている人達は、ハーモニカのネックレストとTシャツを欲しがる。
  4. 豪華セットを販売する。 恐れずに堂々と販売すればよい。価格を上げ、密接な協力関係を望む人達にプレミアム製品を用意しよう。オーダーメードの作品、顧客の自宅でのイベントの開催、あるいは、創作活動の参加に対する料金を支払ってもらおう。
  5. スポンサーを宣伝し、感謝する。 営利または非営利で実施することが可能だ。スポンサーを相手にするほど、大物ではないと考えているなら、その考えを改めるべきだ。オーディエンスへの接触を望む人達がどこかにいる。夏の間、アウトドアの一連のコンサートイベントに喜んで60ドル/月を支援するカフェのオーナーを私は知っている。この資金提供のおかげで、アウトドアの屋根付きのスペースを借りることが出来た。例えば、ホルトインターナショナル等のチャリティ団体は、年に少なくとも25回公演活動を支援している。
  6. 戦略的な提携を構築する。 地域のレストランやコミュニティセンターで作品の展示を行おう。地域のビジネスと協力して、作品の制作や展示会、コンサート、映画鑑賞会を実施してもらいたい。その際は、勇気を持って、上述した取り組みを組み合わせてみよう。
  7. 見習いを鍛える。 次の世代を鍛えることで、当該のジャンルの成長に貢献しよう。見習いは、自然にファンに加わっていく。ここでも、知名度の低さを嘆き、また、教えられるほどの地位に達していないと考え、勝手に諦めないでもらいたい。自分が思っているよりも多くの知識を持っているはずであり、初心者よりも知識が深ければ、それで条件はクリアしていることになる。教えることこそ、学ぶ上で最も効果的な取り組みだと言えるだろう。
  8. 講座を主催する。 具体的にトピックを絞った講座を行い、知識の習得に積極的な人達が、次のレベルに進めるように導いてあげよう。この手法は、長期的な生徒および顧客を集める際に、抜群の効果を発揮する。教えた経験がないなら、パートナーを募集して、手を貸してもらおう。
  9. 販売に力を入れる。 関連する製品を販売しよう。コーヒーカップ、ワイングラス、または、春の花を専門とするフォトグラファーがいると仮定する。その場合、写真集と一緒にコーヒーカップやワイングラスや花を販売することが可能である。打楽器が主役の曲を多数抱える、あるバンドが、ドラムスティックを販売したところ、飛ぶように売れたそうだ。
  10. 勢いに乗る。 ファンが作品を購入し、幸せになっているその瞬間を見計らって、シェアと推薦をお願いしよう。一度きりに限定する必要はない。インセンティブと感謝の証を提示するべきである。No. 17と同じように、作品を楽しむ、または、展示する姿を写真また、動画に収め、ウェブサイトに投稿し、ソーシャルメディアとブログの記事でシェアしてもらうのだ。交流を促す上でとても効果的な手法である。
  11. 盛大な二次会を開催する。 サポートを感謝していることを証明する、とっておきのボーナスやプレゼントを用意しよう。地域のファンのためにパーティーを開催する手もある。
  12. 恩返しをする。 一年を通して、ファンに感謝の気持ちを伝えよう。誕生日を尋ねて(年と月だけでも構わない)、ギフトを贈呈しよう。その後、ファン一人一人に応じてメッセージを作成してもらいたい — 歌、写真、マンガ、詩、または、短編小説でも良い。

全ての記録を破る

革命的な作品を残し、歴史の1ページにその名を刻もう。

  1. 現状を打破する。 ライバルよりも一つでも多く重要な取り組みを行おう。マーケットで必要とされているものの、欠けていることが多いアイテムを探し出し、どうすれば提供することが出来るか考えてもらいたい。単純に、より個性的なアプローチを採用する、もしくは、さらに一歩踏み込んだサービスを提供する等の手が考えられる。
  2. 新天地を開拓する。 今まで行われていなかったことを実施しよう。変わったメディア、または、斬新な提供方法を用いて、新しい方法を試そう。
  3. ライバルとして手強い存在になる。 個人のアーティストであっても、あるいは、ライバルよりも協調的だと思っていても、常に成長することを心掛けてもらいたい。
  4. 未来に向けてハードルを上げる — 他のアーティストが目指す新たな基準を作る。 20台の車をバイクで飛び越える技が浸透している場所で、3台飛び越えても、格好がつかない。ちょっとでも顧客の普段の生活にプラスの影響を与えた点を全てリストアップしよう。その後、マーケットで常識になるように、一貫して、リストアップされた取り組みを行おう。
  5. 不可能なことを行う。 水中の潜水時間の世界記録を打つ立てるようなものだ。関心があることを全て挙げてもらいたい。ファンが求めるものを与える取り組みに対する情熱、専念、そして、偽りのない願望が、絶対的な忠誠心を呼び込むのだ。
  6. 胸にロゴの刺繍を縫い付ける。 スーパーマンのように、キャラクター、ペルソナ、そして、ブランドを作ろう。そして、様々な場所で堂々と表示しよう。
  7. 勇敢な戦士になる。 何のために勇気を振り絞って戦っているのだろうか?どのような大義や主義を掲げ、信じているのだろうか?怖がらずに主張しよう。一部のオーディエンスは興味を失うかもしれないが、同じ意見を持つ大勢のファンが集まってくるはずだ。
  8. ハングリーであれ。 以前達成した業績や贈呈された賞に満足しないでもらいたい。成果を祝福したら、さらに高い場所を目指し、次のチャレンジの準備を進めよう。
  9. 支持者になる。 人生、そして、アートにおいて、何を重要視しているだろうか?何のためなら、どんな苦労も惜しまないだろうか?その答えが友情なら、ファンとの関係構築に力を入れ、ファンには友達として対処しよう。チャリティの作品を大事にしているなら、宣伝しよう。インディースのバンドを支援しているのだろうか?相互的な利益が、絆を作る。恐れずに立ち上がろう
  10. 限定する。 全員を仲間に入れる必要はない。デレク・シヴァーズも「堂々と限定せよ」と言っている。女々しいファンよりも、本気のハードコアメタルマニアのみを迎え入れた方が良いのかもしれない。赤ちゃんの思い出を写真に残すことを望む、若い夫婦にアピールするべきかもしれない。グラノラを主食とするヒッピーにしかその作品の良さを理解してもらえないかもしれない。
  11. えり好みする。 理想的なファンを特定したら、そのファンが集まる場所に向かおう。洗練されたネオジャズのフュージョンを好む人達を求めているなら、地元の大衆的な居酒屋に行っても、時間と労力を無駄に使うだけである。(ポップアートスタイルの作品がフィットするなら話は別だが)テイクアウトのピザ屋ではなく、ワイナリーや高級レストランで作品を展示した方が無難だ。マッチするなら、どこにでも作品を持って出掛けよう。
  12. 賛否両論を覚悟する。 万人受けを狙うなら、誰にも受け入れてもらえない。一部のオーディエンスに嫌われても、その他のオーディエンスの忠誠心を勝ち取ることが出来る。有名なブロガーのジョン・モローは、「たとえ気に入られなくても、心の中でやらなければならないと感じたら、行動するべきだ」と指摘している。

人気が爆発的に高くなる

知名度と富が全てではない。接触する範囲が広くなればなるほど、生活にプラスの影響を与えることが出来る人達が増える。このようにして、作品を通じて、世界が変わっていく。

インパクトが大きくなればなるほど、作品の人気は高まり、晩年になって、アーティストを助ける。

  1. PRマシンになる。 面白いコンテンツ、啓蒙的なコンテンツ、そして、有益なコンテンツを多数作成し、インターネット上でシェアしよう。eメール、ブログ、そして、ソーシャルメディアを介して、ファンに定期的に最新の情報を与える。存在感を確立し、忘れられないように注意しよう
  2. 大きなブログに寄稿する。 ファンを増やすため、ゲスト投稿 — 他のブログに寄稿する方法を学ぼう。アーティストもこのような機会を活かして、大きなメリットを得ることが可能であり、実際に行動を起こしているアーティストは多い。漫画家であり、作家でもあるヒュー・マクラウド、ライターのジョニー B. トルアントにジェフ・ゴインズ、そして、俳優のジョシュ・パイスは、良いお手本になる。
  3. メディアの取材に対する準備を整える。 実物、および、インターネット上のプレスキットとポートフォリオを用意しよう。
  4. ファンレターに全て目を通す。 作品のどんなところを気に入ってもらえているのだろうか?ファンに評価されているのはどんなポイントだろうか?どのようにファンに元気を与えているのだろうか?出来るだけファンの声に応え、関係を構築していってもらいたい。
  5. サインする。 ファンは何がきっかけで作品に出会ったのだろうか?どのように作品と個人的なつながりを築くようになったのだろうか?人は、ブランドや会社よりも、実在する人間に親しみを感じる。毎年、ファン感謝BBQ、ファン感謝ボーリングナイト、または、ファン感謝川下り大会を開催しよう。チャットやオンラインセミナーを開き、ブログのコメントに返答しよう。
  6. ファンの心の中で不動の地位を確立する。 ファンのお気に入りのアーティストになり、欠かさずに、そして、真っ先にメールを読んでもらえる存在になろう。このレベルの親しみ、好感度、そして、信頼を作り上げるには、何をすればよいのか考えてもらいたい。
  7. ファンを家族の一員として迎える。 素晴らしいグループの一員に迎え入れてもらうことは、お金では買えない価値があり、スリル満点の体験である。熱狂的なファンに、活動、そして、現状を改善する取り組みについて伝えよう。どうすれば参加することが出来るのか教え、より楽に参加してもらえる環境を作る必要がある。
  8. 何がうまくいっているのか特定する。 顧客にどこで作品の存在を知ったのか尋ねる癖をつけよう。そして、この情報を分析してもらいたい。イベント、舞台、または、ワークショップ用の登録フォームやeメールの登録を利用しているなら、このデータを集める最高の機会を手にしていることになる。また、購入プロセスの最後のステップとして、あるいは、電話やeメールで問い合わせがあった際に、訊くことも可能だ。
  9. あらゆる場所に姿を現す。 ソーシャルメディアプラットフォーム間でコンテンツを共有するツールについて学ぼう。そして、実際に利用してもらいたい。グーグルプレイス、ビング、ヤフー等で無料のリスティングを確保しよう。
  10. 有名になる。 取り組み、そして、対象のオーディエンスを明確に記した宣伝メッセージを作成しよう。次の例と同じような形式を利用してもらいたい:「 [作品名]を[オーディエンス層]のために作った。」「[現在の状況]は間違えていると思う。そのため、[変えようとしている対象]を使命として取り組んでいる。」
  11. 広報担当を雇う、または、自分で宣伝を行う。 強力な経歴書を作成しよう。履歴書のデータをそのまま利用するべきではない。説得力のあるストーリー、モチベーション、そして、何よりも、創作活動によって、ファンが親近感を持ち、ファンの生活にプラスの影響を与える経緯を積極的にアピールしてもらいたい。
  12. メディア担当スタッフを雇う、または、自分で行う。 アバウトページに注目してもらいたい。自分のことではなく、作品がどのような影響を見る人に与えるか、どのような体験を味わうことが出来るのか、そして、どんなことを期待することが出来るのかを伝えよう。

地位を確立する

必死で働いて、今の地位を獲得している。その地位を自分のものにしよう。

  1. 伝わりやすい写真を用意する。 創作活動が明確に伝わる、見栄えの良い魅力的なロゴや写真を手に入れよう。高価なものや、オーダーメードにこだわる必要はなく、「一目で分かる」写真があればよい。
  2. 手を抜かない。 全てのソーシャルメディアのプロフィールを更新し、習慣的に放置するプロフィールがあれば削除しよう。お気に入りの対応可能な数のプラットフォームでつながりを作り、交流に励んでもらいたい。利用していないプロフィールを削除するか、あるいは、改善し、時折リンクとコンテンツをアップデートして、頻繁に利用しているサイトにビジターを導こう。
  3. 正常に動くことを確認する。 時々、ページとリンクをくまなくチェックし、全て有効に動くかどうか確認しよう。必要ならば助けを求めても構わない。新たなファンを最もコンバージョン率の高いページに導くのだ。
  4. 利益を分かち合う。 現在の地位まで引き上げてくれた人達と祝杯を上げ、感謝しよう。得た教訓を惜しみなく分かち合ってもらいたい。
  5. 心から謙遜する。 過去と現在の苦労を堂々と伝えよう。何でも出来る人達には親近感がわかないはずだ。ファンは、自分達が直面する問題と同じ問題に実在する人間が立ち向かい、乗り越える姿を見たいのだ。

マーケティングの技

マーケティング自体が芸術とも言える。

信じる信じないは別として、既にスキルの多くを持っているはずだ。後は、努力、そして、熱意を介して、残りのスキルを学ぶことが出来る。

創作活動を通じて、学び、練習し、継続し、批判に動じない強い心を持ち、オーディエンスの声に耳を傾け、そして、共に成長することを学んできたはずだ。マーケティングが、創作活動とは正反対の取り組みではなく、創作活動の延長線上にあると考えてもらいたい。

たった一人で作品を手掛け、死後に功績が認められるケースもある。

しかし、もっと実りある人生を求めてもいいのではないだろうか?自分自身、そして、作品に対する要求を高めて欲しい — 人生を振り返る時に、「ちゃんとアピールしていたら、どうなっていたのだろう?」と後悔してもらいたくない。

そのため、殻を打ち破り、恐怖と不安を乗り越えよう。前に進み、値する功績を勝ち取るのだ。


この記事は、Copybloggerに掲載された「99 Ways to Market Your Art」を翻訳した内容です。

ただのティップス集かと思いきや、読むだけで色々と考えさせられる中々に深い内容でした。このアドバイス集をどう受け止め活用するかは、あなた次第。 — SEO Japan [G+]

テクノロジーを過大評価し、言葉の力を過小評価する理由

アドテクノロジーの進化と活用が加速化する一方、改めて人が産み出すコンテンツの大切さも問われているウェブマーケティングの世界。どちらかというと、革新的でビジネスとしてもスケールし、関連スタートアップやGoogleなど大手企業による買収話も多いアドテクに注目が集まりがちですが、本当に役に立つのはどちらなのか?そんな疑問にコンテンツマーケティングを5年以上に渡って啓蒙してきたCopybloggerに答えます。 — SEO Japan

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大勢の専門家が、アマゾンのソーシャル推薦機能は、心強い味方になると考えている。しかし、なぜこの機能が役に立つのだろうか?

そもそも、アマゾンの究極のソースとは何だろうか?

当然だが、様々な変化する要素を把握する上で、幾つか予測値が存在する。恐らく、この値は、アマゾンのトップシークレットなのだろう。しかし、このソースは、アマゾンの内部にも存在するのではないだろうか。

このソースの最も重要な材料は、コピーだと私は思う。

優れたアルゴリズムによって、ユーザーに対して、それぞれのユーザーが好む(買うことを望む)製品が提示される。推奨エンジンは、ユーザーが本当は何を求めているのか理解している。大量の変数を演算することが、消費者の行動を予測する上で鍵となる…と言われている。

私にはそうは思えない*。ブラックボックスは確かに影響を与えているとは思うが、確実にコピーも影響を与えている。

ちょっとした言葉の力

「この商品を購入したお客様はこの商品も購入しています」と言うフレーズは、社会的証明の手掛かりとなる。

これは、社会心理学の有名な原則である。社会的に証明するメッセージ付きのオファーは、どっちつかずのメッセージが添えられたオファーよりも効果が高い。

アマゾンが、推奨テクノロジーを用いて、「この商品もいかがですか」と表示したらどうなるだろうか?これは中立的なメッセージになる。「この商品もいかがですか?」と「この商品を購入したお客様はこの商品も購入しています」をテストすれば、アマゾンのソースにおけるテクノロジーとコピーの割合が見えてくるだろう。

このテストを行いつつ、さらに、信頼性の手掛かりと共に「編集者は…を推薦します」を試してみよう。中立的なメッセージよりも効果が高いはずだ。

テクノロジーが後押しすると見られるコマースの中で、心理が受け持つ重要な役割を理解する科学者が増え続けている。テクノロジーによって、不公平な競争上のアドバンテージが与えられているなら、その裏にある本当の仕組みを把握することが肝要である。ブラックボックスが秘密のソースだと言うだけでは不十分だ。

テクノロジーだけのために、テクノロジーに大金を投じるべきではない…と私は思う。

推奨システムを購入した人達は、ヨットも買っています。**

コンピュータが主役になるのは、まだ時期尚早だ。

私は技術者ではない。だから、テクノロジーを批判することが好きなのだ。

そんな私は高級なソフトウェア専門店を運営している。また、多くの企業が、これでもかと思えるぐらいテクノロジーを求める現実に驚かされている。大方、大した理由はないように思えるのだが。

少し脱線する…

なぜヨットを買いたくなるのだろうか?A地点からB地点に移動するための、頼りになる移動手段が欲しいのだろうか?その可能性は低い。破廉恥なパーティーを開催する場所を必要としているからだろうか?

正解に近づいてきた…

仲間に自慢したい欲求が、豪華なヨットを購入する主な理由だと言えるだろう。「ねぇ、あなた、ヘンリーが奥さんにヨットを買ってあげたんだって。私達も買おうかしら?」

A地点からB地点に行きたいなら、資金の投入先として、推奨システム(テクノロジー)が最も適しているだろうか?製品を買ってもらいたいなら、私ならブラックボックステクノロジーに望みをすべて託すようなことはしない。

本当の有効なアプリ

消費者の行動の心理を深く理解してもらいたい。

製品を購入する理由を把握することで、テクノロジーが頻繁に約束する、あの「不公平な競争上のアドバンテージ」を得ることが出来るのだ。

消費者の行動を理解することで、推奨システムを購入する理由、そして、破廉恥なパーティーを開く理由が見えてくるかもしれない。

コメント欄で皆さんの意見を聞かせてもらいたい。

*このトピックにおいて学術的な見解を導いてくれたシナン・アラルディーン・エッケルズマッツ・エイナルセンの3名に感謝の意を伝えたい。

**2013年#DataGothamでのK ヤングの発言。


この記事は、copybloggerに掲載された「Why We Overestimate Technology and Underestimate the Power of Words」を翻訳した内容です。

言葉の力を信じるコピーブロガーライターの愚痴とは言いませんが独り言のような記事でした。わかるといえばわかりますし、アドテクの世界は時に人の心を全体のプロセスの中の一部分として無機質にとらえてしまうような傾向が無い気がしなくもありません。とはいえ、最適な結果を改善・追求するという意味では、アドテクで回すPDCAサイクルと効率化に勝るものは無いと思いますし、過大かはともかく評価されてしかるべきものという気もします。同時に、言葉の力、人の力はそういった効率化の追求を超える部分にある気もしたりする最近です。最近、私が仲間と新たに設立したデータアーティストという会社のスローガンが「論理をシステム化し、“ひらめき”に集中する」という一文なのですが、これもアドテクを駆使して言葉や人の力を最大限活用していこう、というコンセプトに基づいています。両者を団結させて、最強タッグ実現を目指したい。 — SEO Japan [G+]

超有名作家は元コピーライター&デビッド・オグルヴィの弟子だった

元広告マンの作家は日本でも数多く存在しますが、エンタメ小説分野では良く見かけますが、純文学の分野では限られてる気もします(スミマセン、ただの偏見かも)。海外文学を代表する名作の一つであるインドの独立動乱時代を描いた「真夜中の子供達」の筆者が実は元広告業界で活躍するコピーライターだった、しかもあのダイレクトマーケティングの神様デビッド・オグルヴィの元で働いていた、という驚きの事実と、そんな彼のルーツに名作の秘訣を探る記事をコピーブロガーから。「真夜中の子供達」を知らずとも(正直、私も若い時、名作といわれて読むには読んだものの、余りピンと来なかった過去があります)、十分に面白い内容です。 — SEO Japan

Image of Vintage Schoolhouse Interior

サルマン・ラシュディは、現役の小説家の中で、5本の指に入る名作家である。

ラシュディは、1981年に真夜中の子供達でマンブッカー賞を獲得した。そして、2008年には、この作品は、ベスト・オブ・ブッカーに輝き、この賞が設立されて以来、最高の名作として、称えられている。

しかし、サー サルマン・ラシュディは、ナイトの称号が与えられるほどの作家になる前は、実は、ダイレクトマーケティングの草分け、デビッド・オグルヴィの下で、コピーライターとして働いていた。優秀な小説家は、優秀なコピーライターから教訓を得ていたのだ。

コピーライティングとクリエイティブライティングには、どのような共通点があるのだろうか?「何もない」と主張する人もいるかもしれない。オグルヴィ & メイザーのロンドンのオフィスで働いていた時代を、単に小説を書きながら、「会社勤め」していただけだと指摘するのは容易である。

しかし、コピーライターとしてラシュディが学んだ教訓は、小説家として成長する上で、欠かすことの出来ないものであった。事実、ラシュディが、コピーライティングの仕事の合間を縫って、真夜中の子供達を書き上げていたことを考えると、もしかしたら、仕事を辞めるべきではなかったのかもしれない。

それでは、小説家であり、コピーライターでもあるサルマン・ラシュディから、効果的なライティングの手法を学んでいこう。

1. ヘッドラインに途方もない時間を割く

真夜中の子供達を書き終えようとしていた頃、ラシュディは、小説のタイトルを選ぶために長時間を費やし、最終的な二つの候補「Children of Midnight」と「Midnight’s Children」を何度も何度もタイピングしては、悩んでいたようだ。

現在、至る所にタイトルとヘッドラインが存在する。

フェイスブックやツイッター、そして、eメールの受信箱でも、誰かが魅力的なタイトルを用いて、注目を手に入れようと試みている。 ブログの記事や本を誰かに読んでもらいたいなら、時間を割いて、明確で、好奇心をそそるタイトルを作る必要がある。

サルマン・ラシュディは、本のタイトルがいかに重要かを理解しており、何時間もタイトルの選択に割いていた。

皆さんは、ヘッドラインにどれだけ時間をかけているだろうか?

2. ピンチを成功に変える

チョコレートバーの味を1つのワードで伝えなければいけない仕事があるとする。もちろん「Delicious」(おいしい)では、報酬をもらえない。

これは、ある日の午後に、実際にラシュディが遭遇した状況である。エアがふんだんに詰まったイギリスのチョコレート菓子、エアロの新しいスローガンがなかなか浮かばず、パニック状態の同僚から、アイデアを求められたのだ。アイデアを出し合うなかで、信じられないことが起きた。クライアントから電話が寄せられ、すぐに結果を聞かせてほしいと言われたのだ。

この同僚は、ラシュディ曰く、「パニック状態に陥ると、やたらと汗をかき、何度も口ごもる癖がある」ようだ。クライアントから電話がかかってきた時、この人物は、「impossib-ib-ib-ible」(む、む、む、む、むりです)」と言った。

その瞬間、ラシュディに妙案が浮かんだ。同僚が汗をかきながら、モゴモゴと話を続ける中、「able」や「ible」で終わるワードを次々に紙に書き出し、「bubble」に置き換えていった。最終的にラシュディが選んだのは「Irresistibubble」であった(Irresistible(抵抗できない)+bubble)。このキャッチフレーズは、この電話から30年以上が経過した今もなおエアロのスローガンとして利用されている。

パニックが、創造力を活性化することがある。以下に、パニックを創造に活用する容易な方法を2つ挙げていく:

  1. 責任を持つ: ラシュディは、電話の向こう側にはクライアントが、そして、後ろを振り向けば、上司であるデビッド・オグルヴィがいたが、通常のブロガーは、このように誰かから責任を課されているわけではない。しかし、ブログにはオーディエンスがいる。そのため、オーディエンスが目の前で、次の投稿を今か今かと待ち、なぜ時間がかかっているのか訝しむ状況を想像してもらいたい。オーディエンスは、本当にそんなことをしているのだろうか?その可能性は低い。それでも、想像することは可能だ。
  2. 期限を決める: フィードバーナーをeメール購読サービスとして使っていた頃、朝の11時までに記事を作成することが出来なければ、次の日まで購読者に配信されない設定を私は採用していた。10時55分になると、冷や汗をかき、急いで仕上げにかかった。設定を変更して、時間を遅らせることも出来たが、この方がパニックに追い込み、生産性を高めることが出来るような気がしたのだ。文章を書くスピードを上げたいなら、購読の設定を調節して、期限を決めてみてはいかがだろうか?

3. 少ないワードで大きなことを伝える

2008年のIAPI Advertising Effectiveness賞の授賞式で、ラシュディは次のように述べていた:

広告の素晴らしいところは、言葉を多用せずに、多くのことを伝えることが出来る点だ。限られた数の言葉、または、写真で、大きく主張する試みが必要である。しかも、時間も限られている。この全ての条件が、私には、とても、とても、とても、有効だと思える。

短い、シンプルな文章は、効果が高い。事実、読者は、作者の伝えたいことを理解するため、シンプルな文章によって、読者は作者を賢い人物だとイメージするにようになる。

5つの音節を持つワードを使って、複雑な文章を書く方が難しいと思うかもしれないが、現実には、少ないワード数で、言いたいことを伝える能力こそが、名人の証である。

(ラシュディが、もう少しオグルヴィの下で働いていたら、「とても」を幾つか省略していたはずだ)

4. 仕事と考える

オグルヴィ & メイザーに勤務する以前から、ラシュディは優れたライターであった。しかし、コピーライターのキャリアから、作家として成功するために必要であった厳しい規律を学んだ。ラシュディは、次のように説明している:

私は仕事のように小説を書いた。朝から働いた。期限を守った。広告業界に身を置いた経験が、プロとして執筆する上で存分に生かされており、この点には常に感謝している。

執筆においては、才能は関係ないと思っている。実践を積むか、積まないかが決め手となる。

高給取りのコピーライターであれ、楽しむためにブログを運営しているのであれ、ライターとして成長したいなら、仕事のように文章の作成に向かうべきである。

5. 拒否に負けない

ラシュディが、Fresh Cream Cakesの広告の担当者に指名され、「Naughty. But Nice」(やんちゃ坊主。でも、素敵)と言うスローガンを提案したところ、クライアントは首を縦に振らなかった。しかし、一年後、オグルヴィ & メイザーを退社し、小説家になった頃、ラシュディが考えたスローガンは、ビルボードやテレビを含む英国の至る所で、見られるようになった。

ラシュディは、拒絶に負けなかった。また、小説家としての処女作が、出版社に却下されると、作家として成長することを心に誓った。先日行われたインタビューの中で、ラシュディは、このように話している:

私は、長い時間をかけて、学び、作家になった。作家になるには、編集者を見つける必要がある。それがダメなら、作品について正直な意見を述べ、恐れることなく「いまひとつ」だと言える人達を確保しなければならない。「いまひとつ」と言える人がいなければ、「素晴らしい」作品になるまで、どのように改善を重ねればいいのか分からないからだ。

クリエイティブライティングとコピーライティングの共通点

サルマン・ラシュディは、デビッド・オグルヴィの下で働く前は、貧しい、売れない俳優であった。コピーライティングを辞める頃には、既に小説家デビューを飾っており、後世に残る名作を発表する直前であった。

コピーライティングとクリエイティブライティングを別物と考えるのは簡単だが、ラシュディは、この2つの間の境界線は、意外に曖昧だと言う点を教えてくれた。どちらも読者に新たな機会を与え、読者が世の中を異なる視点で見るように促す。

文芸に携わっているなら、コピーライティングに挑戦してみると良い。サルマン・ラシュディのように、かけがえのない経験を得られるかもしれない。

最後に、コピーライティングから、読者の皆さんが、どのような作文術を学んできたのかコメント欄で教えてもらいたい。


この記事は、Copybloggerに掲載された「About Writing from David Ogilvy」を翻訳した内容です。

コピーライティングというと短文に全てを込める世界で、小説とは世界観の構築から具現化まで同じライティングでも全く違う領域に感じますが、トップクラスのコピーライターともなれば、ベースの思考や手法には相当に通じるものがあるのでしょうね。記事自体は、一般論で共通点を絞り出したような何にたいしてもいえそうな内容ではありましたが、アウトプットの形は違えど、その背景で思考する世界やレベルは優秀な人であればある程、実はかなり共通する部分があるのかなぁ、、と、私もこれまで様々な業界の優秀な方にお会いしてきましたが、改めて感じさせられる記事でした。 — SEO Japan [G+]

あなたのEメールを読んでクリックしてもらうための37のアドバイス

インバウンドマーケティングへの注目へと共に、その重要性が改めて見直されているEメールマーケティング。メールリストはそれなりに溜まってきていても、効果的なマーケティング活用は仕切れていないままの企業やサイトも多いのではないでしょうか?そして今日のEメール事情はあなた自身も多分体感している通り、かつて以上に大量のスパムや営業メールが氾濫しているメールボックス、適切なメッセージを対象ユーザーに確実に届けることはかつて以上に困難になっています。今回はコンテンツマーケティングを古くから推奨・実践してきたコピーブロガーがEメールを実際に読んでもらい、そしてリンクをクリックし次のアクションにつなげてもらうためのティップスを37一挙にまとめたお役立ち記事を。 — SEO Japan

私たちはみんな同じ経験をしている…

注意深くEメールを書き上げた。一つ一つの文に磨きをかけた。最高の件名のために知恵を働かせた。

安堵のため息と共に送信ボタンを押した。これで完了だ。

しかし、Eメールの統計を見てみると、開封数は期待していたほど良くなく、クリックスルー率はがっかりなことに気が付く。気分は最低だ。

人々にEメールを開いて読んでもらうことは大きな課題のように感じるだろうか?そして、クリックに進むことも?

それは、そこまで難しいことではない。さあ、あなたはこれから、人々に開封され、読まれ、クリックされるEメールを書くことについて最も大切なアドバイスを学ぶのだ。

準備はいいかい?

心から期待されるEメールを作成する方法

簡単な質問:

あなたはどちらのメールを受け取ることを楽しみにするだろう:親友からのメール?大企業からのメール?そして、それら2つのどちらのメールを読みたいと思うだろう?

簡単な選択でしょう?

では、リストにメールを送信する時、あなたはどうするだろうか?膨大な数の顔の見えない群衆に向けているかのように書く?大企業のマーケティング部門と同じように書く?

もし読者にあなたのメールを楽しみにしてもらいたいのなら、もっと友人のように振る舞うことを検討すべきだ。

あなたは、自分の友人を知っているし、好きだし、信頼している・・・そうでしょう?

その会社っぽい感じを抑えて、もっとミニマリストなメールデザインを作るのだ。対話的な礼儀正しい口調で書くのだ。

フレンドリーで心から期待されるEメールのためには、以下の8つの基本ルールに従おう…

  1. 自分のリストに対して話すのをやめる。自分の購読者に対して話すのをやめる。まるであなたが1人の人だけにメールを送信しているかのように書くのだ。それがあなたのメールを一瞬にしてもっと個人的なものにする。
  2. 人々の時間を無駄にするのをやめる。本当に価値のあるものや役に立つことがある時にだけメールを送信すること。
  3. 役に立つこと。あなたが読者から何かを必要としている時にメールを送信しないこと。役に立て。フレンドリーであれ。本当の友達のようになれ。
  4. 差出人に実際の名前を使用する。自分の名前と評判をさらすのだ。そのほうがより個人的ではないだろうか?
  5. 信頼できる人になれ。予期すべきことを人々に知らせる。確かに、セールスメッセージはあなたのEメールマーケティングの一部であるべきだ。それは問題ない。ただ、彼らが登録する際にそれに関して明確になるのだ。
  6. 気味悪くなるな。Eメールは自由にパーソナライズしてもらって構わないが、人の名前を頻繁に繰り返さないこと。コールセンターの脚本のように聞こえる。
  7. 読者の見方になる。独りじゃないということを人々に気付かせること。あなたが彼らの苦しみを理解しているということを伝えるのだ。彼らに共感し、どうすれば助けることができるのか尋ねるのだ。
  8. 読んでくれた見返りを与える。人々があなたのEメールを読んで必ず得をするようにすること。どうやって?役に立つアドバイスを共有する。彼らの気分を良くする。彼らをインスパイアする。

Eメールを開封してもらう方法

ほとんどの受信箱は過密状態だ―興味のわかない退屈なEメールでいっぱいだ。

あなたのメールは、あふれ出る騒がしい受信箱の中で簡単にかき消される。そして、Gmailタブが気付かれるのをさらに難しくするのだ。

あなたのメールを開封するように人々を誘惑するような魅力的な目立つ件名をどうやって書けばいいのだろうか?

Eメールの件名は、見出しと同じように、注目を集める必要がある。それに関してはいくつかの秘訣がある:

  1. いいことを約束する。もし人々が、自分が何を学ぶことになるのかを具体的に知っていれば、もしくは、あなたが彼らをどれくらい幸せにするのか、どれくらいの情報を与えるのか、どれくらい彼らのビジネスのためになるのかを正確に知っていれば、もっと読みたくてしかたがなくなるだろう。
  2. パワーワードを使用する。感覚的で感情的な言葉は注意を引くし、あなたの件名を混み合った受信箱の中で目立たせる。
  3. 数字を使用する。 なぜなら、数字は―4や37のように―きょろきょろした目を止める
  4. 好奇心をあおる。 場合によっては突拍子もない言葉を使うことを恐れないこと。情報不足でむずむずさせるか、情報不足で期待を裏切るのだ。読者は、もっと知りたいという気持ちになるだろう。
  5. よくある間違いを指摘する。 バカだと思われたい人はいないからだ。
  6. 賢くするのをやめる。 シンプルで具体的な件名は、毎回、賢い件名に打ち勝つ
  7. 実験。 反逆者となって、何か新しいことを試す。思い切って違うことをする。あなたは、何が機能し何が機能しないかに驚くことになるだろう。
  8. 達人から学ぶ。 優れたEメールリストに登録し、彼らの件名を分析する。何かを学ぶことは間違いない。
  9. 意味のない統計を追うことをやめる。最適な件名の長さのようなことだ。平均的な読者というものは存在しない。読者があなたのメールを楽しみに待ち、あなたの名前を認識することによって―たとえ件名が最悪の時でも―メールを開封するように、真のリレーションシップを築くのだ。

興味をそそるEメールを書く方法

そう、あなたは人々に自分のメールを開封してもらった。さて、次は?どうやって彼らの注目を維持するのだろう?どうやってメールの本文を読み続けさせるのだろう?

読者を魅了するメールを書くために、以下の11のアドバイスに従おう:

  1. 素早く書く。そうすることによってあなたの熱狂とパーソナリティが伝わるからだ。
  2. 短くまとめる。 厳しくメールを編集する。長くて手に負えないメールは、読者の興味を徹底的に打ちのめす。編集する時に半分にテキストをカットするように頑張ること。
  3. 質問をする。 読者と顔を合わせて会話をしているところを想像するのだ。そういう状況なら質問をするのではないだろうか?
  4. 厳密な定型に従わない。詳細な計画の立てられたメールは、すぐに読者を飽きさせる。
  5. 個人的なタッチを追加する。 あなたは、読者にあなたのことを知ってもらおう、好きになってもらおう、信頼してもらおうとしているのでは?
  6. 挨拶を機械的にしない。warm wishes、‘best regards、‘greetings from sunny Englandなど、よりパーソナルな挨拶文を使ってみよう。挨拶を混ぜることで機械っぽさは少なくなり、より個人的になる。
  7. Youという言葉を使用する。 なぜなら、それが英語で最も説得力のある言葉の1つだからだ。
  8. ありのままの声を届ける。 Eメールマーケティングについて考えるのをやめる。Eメールは自分の顧客や読者と話す手段だと考えるのだ。
  9. パーソナリティを追加する。 あなただけが使うことのできる言葉や表現を使うのだ。人間になれ。
  10. 切れ味が悪くならないようにする。 退屈な文章の明らかな兆候を理解すること。短く、力強い文を書く。要領を得た文にする。そして、高校で習った規則を破るのだ。
  11. 自己中心的になるのをやめる。 冷酷にならないこと。読者について心から気にかけるのだ。

Eメール内で販売する方法

あなたはただ楽しむためにEメールを書いているわけではない。ビジネスオーナーとして、ビジネスを継続するためには販売しなければならない(好むと好まざるにかかわらず)。

では、悪魔に魂を売らずに販売する最良の方法は何だろうか?

より多くの読者を購入者にコンバートするために以下の9つのアドバイスに従おう:

  1. 見込み客の準備が整う前に販売しないこと。 まずは友達になって情報の信頼できるソースになるのだ。そうすれば、読者はためらうことなくあなたから購入するだろう。
  2. メリットを強調する。 製品を販売するな。代わりに、顧客に提供するメリットを販売するのだ。
  3. 読者が見逃しているものを示す。 大部分の人はリスクを避けたがる。 彼らは、不便、異常、複雑を避けたがる。あなたが提供するもののメリットを、あなたが避ける手助けをする問題に言いかえることを検討しよう。
  4. 厳密な定型に従わないこと。 定型的なEメールは、機械的に聞こえるし、つまらないからだ。
  5. 自分の目的に向かって努力する。 セールスメッセージにつながる興味深いストーリーを伝える
  6. 明確な期限を提示する。 人々が先延ばしにするのを防ぐため
  7. 複数のリンクを挿入する。(同じページへの) 人々がそのリンクをクリックするチャンスを増やすため。
  8. 非の打ちどころのない明確な行動喚起を入れる。 あなたが次は読者に何をして欲しいと思っているのかを伝え、購入することが彼らにとって得策である理由を思い出させる。
  9. PSの力を利用する。 人々に期限を思い出させる。もしくは、もしあなたのオファーに応じなければ何を失うことになるのかを繰り返す。

Eメールに関する厳しい現実

全ての人の受信箱があふれかえっている。もっと多くのEメールを受け取りたいと願う人は誰もいない。

あなたは、人々があなたのリストを選択し、あなたのメッセージを喜んで受け取ることを誇りに思うべきだ。それぞれの購読者が、苦労して得た信任投票をあなたに入れたのだ。

しかし、注意しなければならない。決して、誰かの注目を当たり前に思わないことだ。全ての人の時間は貴重なものなのだ。

毎週毎週、あなたは、メール購読者に自分の価値を証明しなければならない。読者の苦しみに共感できるように、読者のことをよく知るのだ。質問をするのだ。助けを申し出るのだ。

1人の親友にメールを送っているかのように書くこと。そうやって、人々はあなたのことを知り、好きになり、信頼するようになるのだ。

あなたがそれら3つのことを獲得した時、あなたがビジネスを推し進め、成長させる能力を獲得したということなのだ。


この記事は、Copybloggerに掲載された「37 Tips for Writing Emails that Get Opened, Read, and Clicked」を翻訳した内容です。

カテゴリ別にわかりやすく整理され、単なるリスト記事をはるかに超えたどれも素晴らしいアドバイスだったと思います。同時にこれを実践、特に定期的に弛まなく行っていくことは相当の努力と情熱を要することもまた事実だな、と感じました。だからこそ、今までその効果はわかっていても、活用されないままだったメールマーケティングでもあるのでしょうし、コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングが注目される今の時代だからこそ、改めてメールマーケティングに注目が集まっている(はず?)のでしょう。メールリストはそれなりに溜まっている企業やサイトも多いと思いますし、眠った宝の山を起こせるかはまさにあなた次第です! — SEO Japan [G+]

パーミッションマーケティング、2013年の進化

パーミッションマーケティングという言葉を懐かしく感じる方、ネット業界歴10年以上の強者(または厄介者)に違いありません。最近話題に上がる**マーケティングのベースに常にあるともいえるパーミッションマーケティングの基本概念ですが、今回は改めて2013年現在のパーミッションマーケティングについて考え直してみた記事をコピーブロガーから。 — SEO Japan

あなたは、パーミッションマーケティングというフレーズに馴染みがあるだろうか?

もしあなたがオンラインで何か(アイディアを含む)を販売しようとしているのなら、その言葉に馴染みがあるはずだ。

1999年、ある賢いマーケッターが、21世紀に入ったらどんな種類の説得的コミュニケーションが効果的なのか、そしてどんな種類がそうでないのか、に関していくつかの所見を述べた。

“パーミッションマーケティングは、個人的に関連があると予測できるメッセージを、それらを実際に手にしたいと思っている人々に届けるという特権(権利ではない)である。” ~Seth Godin

20世紀は妨害の時代だった。あなたのお気に入りのテレビ番組は、石鹸やシリアルや光り輝く新車の騒々しい広告によって“提供”されていた。テレビ、新聞、ラジオ―ほぼ全てのマスコミュニケーションが、広告によって支援されていたのだ。

インターネットは違うものをもたらした。

広告でウェブを“マネタイズ”しようとする試みには、いろいろな側面があった。数少ない輝かしい成功(そう、1つの輝かしい成功が、Google AdWordsだ―顧客が実際に探しているまさにその時にマーケティングメッセージを届けることが理由で成功している)と、たくさんの失敗があった。

もしあなたがウェブ上でしばらく過ごしてきたのなら、あることに気が付いているはずだ:あなたは、インターネット上で誰かにしたくないことをさせることはできない。

”ネットは検閲を悪と解釈し、それを避けて通る。”~John Gilmore

インターネットは、単に検閲だけでなく、ユーザーがしたいと感じることを妨げる障害を避けて通る。彼らがしたくない体験を“避けて通る”ことはインターネットの本質だ(より端的に言えば、インターネットを使用する人々の本質だ)。

あなたは、オンラインで自分に注目を払うように誰かを強制することはできない。あなたにできることは、気を引くことだけだ。

パーミッションマーケティングは、その事実を拡張した見解であり、代わりとなるものの探求だった。ますます感じ悪くなることによって注目を獲得しようとする代わりに、私たちは、メッセージを届けることについて見込み客の許しを得ることができる。

これは、全く新しいツールキットを必要とする。もし人々があなたに彼らとコミュニケーションを取ることを要求するのであれば、あなたは、価値があり過ぎて放り投げることのできないマーケティングの形を思い付かなければならない。広告コピーがコンテンツ―非常に情報に通じた顧客に語りかける情報豊富で興味深いマテリアル―に取って代わられるのだ。

パーミッションマーケティングは“Eメール”を表す単なるもう一つの用語なのか?

長い間、Eメールはパーミッションマーケティングにとって“キラーアプリ”だった。RSSは前途有望な候補者のように思われたが、決して広範囲に採用されることはなかった。もしあなたに大きな予算と豊富な経験があるなら(ほとんどのビジネスにはないが)、パーミッションとダイレクトメールを使ってできる面白いことはいくつかある。

Eメールはパーミッションマーケッターにとっては宝のツールだが、悲しいかな、大部分のEメールマーケッターはいまだにそれを間違って行っている。パーミッションの基本的教義―見込み客の注意を引き付ける十分な本質的価値を持ったコンテンツを作る必要がある―がほとんどの場合無視されているのだ。スパマーとフィッシャーが今もすり抜け、見込み客の信頼を蝕み、善良な人達のコンバージョンを台無しにしている。企業は今もEメールリストを購入し、それらを使って迷惑なゴミを送信する。

つまり、ほぼ全ての人のメール受信箱は大量のガラクタでいっぱいなのだ。だからパーミッションマーケティングが発展する時、疑問は、単に人々が選択するほどに素晴らしいコンテンツどのように作るのか?ではない。

それは、そびえ立つゴミの壁と戦って自分のメッセージを聞いてもらうにはどうすればよいのか?でもある。

どうか誤解しないでほしい。Eメールは今でも機能する。しかし、世の中には、あなたのビジネスにとって、そして、もっと重要なことにはあなたのオーディエンスにとって、もっと機能するツールが他にもあるのだ。

コンテクストを改善することによってコンテンツの力を押し上げる

2013年のパーミッションは、これまで以上にコンテクストに左右される。あなたのサイトデザインはどんなものなのか?あなたが無料で発行するマテリアル(例えば、ブログ記事やホワイトペーパーやeブックのような無料リソース)の質はどうか?あなたに対するオーディエンスの評判はどうか?同僚、仲間、競合相手の評価は?Google+やFacebookなどのソーシャルプラットフォームで人々はあなたのビジネスについてどんな話をしているのか?

そう、あなたには極めて優れたコンテンツが必要なのだ。それが、パーミッションマーケティングが走り続ける燃料なのだ。しかし、さらにあなたは、そのコンテンツを並み以上に押し上げるコンテクストにそれを置く必要がある。

影の側面に耐える

パーミッションマーケティングへの意識の高まりと共に、見せ掛けのパーミッションのあからさまな増加がある。

  • 一連のEメールを実装し、その後、それらに下手くそで面白くないコンテンツを投入する企業。
  • コンテンツマーケティングは“賢い広告”であると考える企業。
  • ブログの中身が薄い企業。
  • 自分達自身に素晴らしい部分が完全に欠けているのをカバーするために、有名で活発なスピーカーを連れて来る企業。

この全ての裏には勇気の欠如がある。企業は大きくなりすぎて、法律に縛られすぎて、もしくはベンチャーキャピタルの世話になり過ぎて、実際には何も言うことができないのだ。

もしあなたが実際に何かを支持する勇気がなければ、コンテンツはあなたにとって機能しない。そんなわけで、それは小企業(そして、たまたま、大きいがフレキシブルな企業)にそのような巨大なアドバンテージを与える。恐竜が流れ星を見て心配そうに空を見つめている間に、あなたには、サッと動いて世界を征服するチャンスがあるのだ。

学習できること、できないこと

この全ての特性の中で最も重要なのは、ボウル一杯の生ぬるい価値のないことではなく、言う価値のあること―本当のこと―を言う意欲だ。

他の全てのことは、アウトソースしたり、学習することができる。

もしあなたが非常に優れたコンテンツを作る方法を知らないのなら、あなたのメッセージに活き活きとした声を与える力強いライターを連れて来ることができる。

そして、もしあなたがそのコンテンツを宣伝する方法を知らないのなら、それを魅力的な方法で配信し、より多くのトラフィックのためにそれを活用し、それを戦術的に展開し、頑強なコンテンツ戦略を作るのだ…そのために私たちがいる。もしかするとあなたは、進化したパーミッションマーケティング戦略―より見事なオーディエンス体験を作り出すために標準的なEメールオプトインを超える方法―に関する金曜日のウェビナーに参加することから始めるかもしれない。

それに関する詳細はこちら。そこであなたに会えたら嬉しい!


この記事は、Copybloggerに掲載された「The Evolution of Permission Marketing: What You Need to Succeed in 2013」を翻訳した内容です。

パーミッションマーケティング、元々Eメールがマーケティングツールとして認識され出した中で普及した概念だけあり、内容のメール中心の話ではありました。今日ではスパマーの大量メールの脅威ばかりかGmailに代表されるようにメールサービス側であなたのメールを勝手に解析し、スパムや広告フォルダに自動振り分けしてしまう始末。SEOじゃありませんが、理想論とは別にコンテンツ、コンテキストも重要ですし、いかに様々なフィルターやノイズを掻い潜りユーザーにメッセージを見てもらえるか、ということがかつて以上に難しく重要な時代になっています。

最後は宣伝になってしまった記事でしたが、インバウンド、コンテンツマーケティングしかり、今日の時代にマーケティングを仕掛けていくことの難しさやあるべき姿を改めて考えさせられる記事でした。 — SEO Japan [G+]

究極のAuthor Rank(オーサーランク)講座

コンテンツマーケティングの台頭やGoogle/SEOの進化で注目されるAuthor Rank(オーサーランク)の概念。過去にも幾つか記事で紹介してきましたが、今回はコンテンツマーケティングの巨頭CopyBloggerから初心者から上級者まで参考になる決定版的な記事を。 — SEO Japan

“Author Rank(オーサーランク)”という言葉を口にすると、オンラインライターは大抵、首をかしげるか、片方の眉を上げる。

彼らは恐らくそれについて聞いたことはあるが、それは全く異なる動物だと定義している

なぜなら、それは現実よりも伝説のように思え、しばしば混乱を引き起こすことがある不明瞭なGoogleアルゴリズムについて言及しているからだ。

しかし、もしあなたが私が書いた過去の記事を読んでいるのなら、Author Rank(Google+、Search + Your World、オーサーシップ・マークアップ)の背後にある開発が、あなたのウェブサイトにより多くのトラフィックをもたらし、あなたのオンライン・ビジビリティを高め、オンライン・オーソリティを確立するということに恐らく気が付いているだろう。

つまり、Author Rankと呼ばれるものには確固たるメリットがあるのだ。しかし、それらのメリットを活かすのは手ごわいかもしれない。あなたは、もしかすると以下のような疑問を持っているのでは…

  • どこから始めればいいのか?
  • 自分は技術的なスキルを持っているのか?
  • それは自分にとって効果があるのか?
  • それが機能していることをどうやって知るのか?
  • 自分は何を成し遂げようとしているのか?
  • これをする時間があるのか?

このアルゴリズムに取り組むのに必要なリソースを持つことができない(もしくは、持っていない)ために、注目やオーソリティやリードを棚上げにする恐れがあるという考えをこれらの心配と合わせると・・・不安が高まる。

うまくいけば、この記事が(このシリーズの前の記事と同様に)その不安をいくらか解消するだろう。

Author Rankの概要

最初から始めよう。

Author Rankは、2005年にGoogleが申請したAgentRankと呼ばれる特許から生まれた。私は、Google+でオーソリティを築く7つの方法(日本語)の中でこう書いた:

AgentRankは、本来、“エージェント”(ライターやその他のコンテンツクリエイターのこと)のためのデジタル署名を作って、その後、彼らのコンテンツ(コメント、ソーシャルシェア、リンク)への大衆の反応に基づいて評判を蓄積するものだ。

ここでの重要な特徴は、このスコアが“ポータブル”だったことだ。それはサイトには結びついておらず(つまりウェブを横断しない)、人(それを作る人)に結びついていた。しかしながら、あなたが“エージェント”を特定するプラットフォームを確立しない限りは、それをするのは不可能だ。

上記特許の1つの問題は、アイデンティティがポータブルではなかったことだ。それは可動性のものではなかったのだ。だから、Googleはその特許をAuthor Rankへとアップデートして、オーサーがGoogle+のアカウントとオーサーシップ・マークアップを埋め込んでいる限りは、オーサーのアイデンティティをウェブ中で追跡できるようにしているのだ。

うん、自分の言葉を引用してみた…

Googleは、スパマーが検索ランキングを操作することを許していたPageRankの抜け道に迫っていた。コンテンツは間違いなく王様だったが、王座は空っぽだった。

つまり、GoogleアルゴリズムをAuthor Rankのようなものでアップデートすることの背後にある目的は、証明されたオーサーに高いビジビリティとクリックスルーを与えて報いつつ、匿名プレイヤーにペナルティーを科すことなのだ。

AJ Kohnは彼のAuthor Rankに関する記事の中でこんなことを言った:

…Google+(アイデンティティのプラットフォーム)のローンチとrel=author(デジタル署名)を一緒にして、アクティビティとエンゲージメントを採掘する2つの会社(PostRankとSocialGrapple)の買収を加えると、Googleがデジタルコンテンツの殺到に対処するためにAuthor Rankを使用することを切望しているのは明白だ。

ついに…目的と手段が正しく並んだ

Author Rankスコアとはどんなものなのか

Author Rankは理屈のままであるが(それをサポートする強力な証拠はある)、コンテンツクリエイターは恐らくPageRankでページ持っていたスコアによく似たスコアを持つことになるだろうと言ってもよいだろう。

あなたのAuthor Rank(以後“AR”と呼ぶ)のスコアは何に基づくのだろうか?

それは、オーサーがもたらす価値が全てだ。そして、その価値は、あなたが誰で、あなたが誰と付き合い、あなたが何を作るかに基づく。まず、あなたのGoogle+アカウントから始めよう:

  • 参加の度合い – Google+での参加が多いことは、高いARスコアを意味する。Googleはあなたが共有するコンテンツを詳細に評価することさえあるかもしれない:あなたはテキストを投稿しているのか、動画なのか、画像なのか?オリジナルの作品を作っているのか、他の人の作品を再シェアしているだけなのか?リンクをしたり、コメントをしたりしているか?受け取ったコメントに返答しているか?ハングアウトをしているか?コミュニティに参加しているか?それらのチャンネル内であなたの参加具合はどんな風に見えるのか?プロフィールを具体化しているか、Circleを作ったか?
  • オーディエンスの規模 – Google+上にどれくらいのコネクションを持っているのか?何人の人があなたと繋がっているか?それらのコネクションのクオリティは?あなたと繋がっているソートリーダーはいるか?
  • コンテンツとのやり取り – Googleは恐らく、あなたが他のコンテンツとどのようにやり取りするかも見ている。あなたは質の高いコメントを残しているか?人々はあなたのコメントやレビューに返答しているか?あなたのコメントは+1を獲得しているか?

もちろん、あなたのスコアはGoogle+アカウントだけと結びついているわけではない。Googleは、自分たちのソーシャルネットワークの外部にあるコンテンツの要素も利用する。

例えば、Googleは以下のようなことを見る:

  • あなたが発行したコンテンツの平均PageRank – PageRankのコンセプトについて知識がないなら、Danny Sullivanの記事、What Is Page Rank? A Guide for Searchers & Webmastersをチェックしよう。
  • 他のソーシャルメディアプラットフォームでのオーソリティ – Googleは、他のソーシャルメディア上のあなたのプロフィールを、それらのサイトから受け取る限られたデータを基に因数分解しようとするだろう。
  • トップレベルのオーソリティの指標WikipediaThe New York Times、大学または政府のサイトなどの権威あるウェブサイトにおける言及は、あなたがその分野で著名なエキスパートであるということをGoogleに示す。

しかし、Googleはあなた自身のウェブサイト上のコンテンツも見るということを忘れないこと:

  • コンテンツの質 – あなたのコンテンツは便利で、オリジナルで、超具体的か?読者はあなたを見つけると、しばらくそこにいるか?Pandaはそれを罰するだろうか?誰があなたのコンテンツを共有しているか?それはどれくらいの頻度なのか?権威あるサイトがそれにリンクしているか?
  • コンテンツの量 – あなたは自分のサイトにどれくらいの頻度で投稿するか?他のサイトはどうか?そのコンテンツの質はどうか?他のサイトに投稿する時、同じクオリティのシグナルを獲得しているか?

ここから核心に移る。

Author Rankのカンニングペーパー

以下のリストでは、あなたはAuthor Rankの要素を活用する方法を知ることになる:

  • Google+アカウントを作成する – これは簡単だ。必ず堅実な略歴を作ること。自分の専門知識の分野を特定するキーワードを使用すること。そして、Google+で私たちをフォローするのを忘れないこと。
  • オーサーシップ・マークアップを埋め込む – Googleが初めてオーサーシップ・マークアップを公開した時、それは手ごわかった。私は、クライアントのためにこのプロセスを説明しようとしていくつかのガイドを書いたが、それは簡単ではなかった。Googleは、オーサーシップ登録ツールを用いてこのプロセスを簡略化した。しかしながら、もしあなたがWordPress用のGenesis Frameworkを使用しているなら、ほんの数分でやってのけることができる。必ず、自分のGoogle+プロフィールと関連付け、見栄えのいい顔写真を使用し、リッチスニペット・ツールを使って自分のステイタスをチェックすること。
  • ソーシャルサイトでの活動を増やす – ソーシャルメディアサイト、特にGoogle+での交流にいくらかの充実した時間を注ぐこと。自分のトップ3に焦点を合わせるのだ。例えば、私にとってそれは、自分のブログとTwitterとGoogle+になる。あなたにとっては、それはGoogle+とPinterestとLinkedInを意味するかもしれない。
  • インフルエンサーと繋がる – 友人やソートリーダーからコンテンツを再共有する習慣を身に付けること。彼らの投稿に“+1”したり、知的なコメントをする。Google+に面白い投稿を書いたり、これらのインフルエンサーを名前付きで引用する。彼らがすでに作ったコンテンツを足場として、再共有の中でそれに追加したり、彼らの仕事に食ってかかるのだ。
  • 優れたコンテンツを作って配信し続ける – あなたは最終的にこれに基づいて判断される。これは、Author Rankの裏にいるライターの質的な経歴を中心となって後押しする。よく考えられた、役に立つブログ記事を書いて配信し、権威あるひとそろいのコンテンツを築き続けるのだ。

現在、オーサーシップ・マークアップの埋め込みの採用率はあまり振るわないが、自分のコンテンツを主張することには、はっきりとしたメリットがある。だから、ためらわずに、より高いクリックスルーから恩恵を受けようではないか。

あなた次第

あなたがGoogle+アカウントを開くまでは、誰もあなたを水の中に押し込むことはない。彼らは、あなたがオーサーシップ・マークアップで自分の記事を主張するまでは、定規であなたの拳をたたくことはない。彼らは、あなたが優れたコンテンツを作るまでは、あなたから睡眠を奪うことはない。

素晴らしいライターになること、そのライティングによって功績を認められることは、あなた次第だ。

そこでお願いがある。もしあなたが、偉大になるという願望をほんの少しでも持っているライターなら、pull a Cortez、自分の後ろにいる船を沈めるのだ。そうすれば、もう後戻りはできない。

今年は、あなたがストーリーの主人公になる年になると宣言するのだ…今年は、あなたが采配を振るう年なのだと宣言するのだ。

全てはあなた次第だ。


この記事は、CopyBloggerに掲載された「The Writer’s Author Rank Cheat Sheet?」を翻訳した内容です。

基本概念から各種ティップス、実践法までうまくまとめた、少し肉付けすれば十分本一冊分のなりそうなレベルで充実した記事でした。オーサーランクを言葉は知っていても何となく漠然と理解していた方もこの記事で大分その意味や重要性、使い方が理解できたのではないでしょうか。記事の最後にもあるように、後はあなた次第です。 — SEO Japan [G+]

最新版Pinterestの現状:今コンテンツマーケッターが知るべきこと

一時、Pinterestに関する記事を多く紹介していたSEO Japanですが最近はご無沙汰していました。しかし米国を中心にユーザー数も着実に伸びており、さらには最近企業向けツールの拡充などマーケティングチャンネルとしても相当進化してきている、ということで改めてPinterestの現状を最新版の機能と共に紹介します。 — SEO Japan

Pinterestについての噂はここ数か月で少し落ち着いたように思えるが、それは今もコンテンツマーケッターとってかなり強力なツールだ。

ソーシャルメディアアナリティクス会社Simply Mesuredの調査によると、今では世界のトップ100ブランドうち69ブランドがPinterestアカウントを持っていて、Pinterestは今も、TwitterやLinkedInやGoogle+やYouTubeよりも多くのトラフィックをウェブサイトやブログにもたらしている。

今のところ、Pinterestがどこかへ行ってしまうようには思えないし、マーケッターにとってそのデータはとても励みになる。Pinterestユーザーの5人に1人が、このサイト上で見たものを購入したことがあり、彼らは1回の購入でおよそ80ドルを費やす―それはFacebookで購入する人の2倍だ。

そして今、Pinterestは大改造をしている―ここ数か月でこのサービスに興味深い変化があった。

それでは、これらの最近の追加と修正に目を向け、それがコンテンツマーケッターにとってどんな意味があるのかを見てみよう。

企業向けに新しいツールをローンチ

Pinterestは、自分の会社を売り込むためにピンを使用したいと思っているブランドのために、新しい企業アカウントを追加した。あなたは、自分の既存の個人アカウントを企業アカウントに変えることもできるし、企業として全く新しいアカウントを始めることもできる。

アカウントの変更は簡単だ―Pinterestの新しいビジネスセンターへ行き、“Convert My Account” をクリックするだけだ。または、新しい企業アカウントを作るなら、“New to Pinterest? Join as a business”をクリックする。

企業アカウントとして、あなたのプロフィールは通常のPinterestと違って見えるわけではなく、ボードやピンは同じように見える。

Pinterestは、企業アカウント所有者に、ウェブサイトやブログ用にいくつか新しいボタンとバッジとウィジェットを与えると同時に、ビジュアルマーケテイングのベストプラクティスとケーススタディへのアクセスを与える。

もしあなたが企業アカウントを始めることを考えているなら、実行する前に新しいTerms of Serviceを必ず読もう―それらは通常のPinterestのTOSとは異なる。

これはコンテンツマーケッターにとって何を意味するのか…

今すぐに企業アカウントに移行する大きな動機はない―特にあっと驚くようなことが手に入るわけではない―が、私は、近い将来Pinterestがブランドやビジネスオーナーのためにもっとツールをリリースすると見込んでいる。私は、ブロガーやビジネスオーナーにPinterestの企業アカウントを獲得する(またはそれに移行する)ことを奨励している。

新しい外観になる

Pinterestは、ユーザーのために全く新しいインターフェースを広げるプロセスの最中で、あなたは自分のタイミングでいつでも新しい外観に変更することができる。しかし、忠告がある―新しい外観に一度変えると、それは永久的な変更で、古い外観に戻すことはできない。

新しいインターフェースは少しバグが多いという噂があるため(ユーザーがこの変更をした後にボードへのピンに問題があるという報告を聞いた)、実行する前に慎重に検討しよう。

新しい外観に変更したいのなら、Pinterestウィンドウの左上にある自分の名前(企業名)にカーソルを持って行き、“Switch to New Look”までスクロールダウンする。

Pinterestがあなたの選択を確認するので、“Get It Now”をクリックする。

新しい外観からあなたはいくつか新しいものを手にする:

  1. 拡大されたピン。変更すると、自分のピンが全て大きく表示されるのが分かるだろう。大きな画像はあなたのPinterestホームページに取り上げられ、ピンをクリックすると拡大する。拡大されたピンは、幅735ピクセル(前のバージョンは600だった)だ。Pinterestは、よりはっきりとした見やすいインターフェースを提供するためにこの変更をしたが、画像が大きすぎると文句を言っているユーザーも目にしている―特に、ノートパソコンの小さな画面でPinterestを見ている場合だ。
  2. より良い発見。ピンをクリックして拡大すると、ピンの右側にはそのエリア内の関連コンテンツなどの新しいものがたくさんある。あなたは以下のようなものを目にする:
    • 同じボードからのピン―このユーザーによって、同じボード上に分類された画像
    • 同じソースからのピン―同じウェブサイトからピンされたもの
    • 同様にピンされたもの―この画像をピンしたのと同じユーザーによってピンされた画像

これらの新しい発見機能を用いて、Pinterestは、あなたが現在見ているピンと類似したコンテンツを見つける手伝いをする。この機能を気に入って、これがなければ見つけることができない新しいコンテンツをPinterest上で発見するのに役立つと言うユーザーもいれば、この機能がユーザー体験を乱すと言うユーザーもいる。

  1. “Repin”ボタンがなくなった。古いPinterestのインターフェースでは、各ピンの上にマウスを置くと“Repin”ボタンが左上の角に現れた。Pinterestは、その“Repin”ボタンを“Pin It”と書かれたボタンに置き換えた。
  2. 設定が別々になった。今は、Pinterestの設定を2つの異なる場所で編集する必要がある―アカウント設定(Eメール通知など)は右上のドロップダウンメニューの中にまだあるが、ウェブサイトや写真などのプロフィール設定は違う場所にある。プロフィール設定を編集するには、プロフィールの左下の角にあるペンシルアイコンをクリックすればいい。

これはコンテンツマーケッターにとって何を意味するのか…

この新しい外観は、様々なレビューを獲得している。私は、大小のバグ(全ては、自分のボードにピンすることができないというインターフェースの問題から来る)の報告を目にしているし、残念なことに、Pinterestのヘルプデスクは反応がとても早いとは言えない―だから、もし問題があっても迅速な回答は得られないかもしれない。

Pinterestの新しい外観は、ユーザーにとって発見をより簡単にする―これは、あなたがピンする画像が目立って人々にクリックしてもらうためには、魅力的で興味深いものでなければならないことを意味する。

必ず、興味深く魅力的な写真とバッジをブログ記事に埋め込んで、読者がそれらをPinterestにピンするようにするのだ(そうすれば、あなたは自分のサイトにより多くのトラフィックを獲得するだろう)。

さらに、Pinterestにオリジナルコンテンツをピンすることがとても重要だ(他の人のピンをリピンするだけでなく)。統計によると、Pinterest上のコンテンツの80%が他のPinterestユーザーからリピンされたものだ―つまり、あなたが外のソースから興味深いコンテンツをピンする時、それは本当に目立って、あなたがフォロワーを獲得するのに役立つのだ。

ウェブサイトの立証とPinterestのアナリティクス

あなたは今、自分のPinterestアカウント内で自分のウェブサイトのオーナーシップを立証することができる。ウェブサイトが立証されると、他のPinterestユーザーは、あなたのPinterestプロフィール内のドメインの隣にチェックマークを見る。

確かに、自分のウェブサイトを立証するのは良いことだ―しかし、それは絶対的に重要なことではない(あなたがオプラやマット・デイモンでない限り)。そうは言っても、自分のウェブサイトを立証することが、他の重要なPinterest機能にアクセスすることを可能にするため、それをするのは良い考えだ。

HTMLウェブサイトを持っているなら、自分のサイトを立証するためにPinterestから出ているこれらの指示に従う。WordPressウェブサイトを持っているなら、このプラグインを使用して自分のサイトにメタデータを追加してそれを立証する。

このプラグインに惑わされないこと―あなたはただ、Pinterestから提供されるほんの少しのタグを入力する必要があるだけだ(content属性内の英数字の文字列)。

自分のサイトを立証して新しい外観に変更したなら、あなたは優れた新しいPinterest機能へのアクセスを手にする―新しいアナリティクスモジュールだ。Pinterest画面上の右上の角で自分の企業名をスクロールして、ドロップダウンメニュー内の“Analytics”を選択する。

すると、アナリティクスデータページへと連れて行かれる。この画面から、あなたは以下のようなデータを見ることができる(ダウンロードも可能):

  • あなたのウェブサイトからのピンとピンした人の数
  • Pinterest内からのリピンとリピンした人の数
  • Pinterestから送られたウェブサイト訪問者数
  • あなたのサイトからピンされた最近の画像
  • 最もリピンされた画像と、最もクリックされた画像
  • あなたのピンがサイト上に表示された合計回数とそれらが閲覧された回数(インプレッション)

この新しいAnalyticsツールの使用についてもっと詳しく教えてくれる優れた動画を見たければ、Pinterest Web Analyticsページをチェックしよう。

これはマーケッターにとって何を意味するのか…

この新しいPinterestアナリティクスツールがあれば、私たちは素早く簡単に自分のPinterestアクティビティに関するデータを見ることができるし、自分がピンしているものがウェブサイトへのトラフィックに違いを生んでいるかどうかを知ることができる。

あなたは、どのピンがPinterest上で上手くいっているかを知ることができる(そして、何が上手くいっていないかも)。どんな種類のコンテンツが最もリピンを獲得するかを知ることもできるし、ピンするのに一番良い時間を知ることもできる。

それは、Pinterest上で異なることをテストして、それらが成功しているかどうかを測定するよりもずっと簡単だ―だから、このアナリティクスモジュールは、絶対に手に入れる価値がある!

Pinterestはマーケッターにとって今も最高のツールだ

去年、私たちは、あなたのビジネスを売り込むためにPinterestを使用する方法の長いリスト(日本語)取り上げた記事を配信した。あなたは今もそれらの手法全てを利用することができるが、今あなたは、Pinterestプラットフォームに対する最新の変更をふまえて、自分の進化を追跡し自分の戦略の計画を立てる方法を改善したのだ。

コンテンツキュレーションは、Pinterestで最も重要なことだ。Pinterestで上手くやっている人(そして大きな支持を得ている人)は、優れたキュレーターである。それはつまり、彼らが、自分の分野で最高のコンテンツを選択し、それをきちんと整理された魅力的なボード上で共有しているということだ。

Pinterestは、ブロガーやコンテンツクリエイターにとって、トラフィックおよびエンゲージメントの素晴らしいソースになり得る。だからこそ、このビジュアルマーケティングツールを試しに使ってみて、自分の進化を追跡し、それが自分にとってはどのように機能するか確かめるのだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The State of Pinterest: What Content Marketers Need to Know Now」を翻訳した内容です。

かなり充実した記事でこれを読めば最新のPinterest事情はほぼ理解できる内容でした。企業用アカウントの設置や解析機能の充実はPinterestのマーケティング活用が進んでいる米国では当然の進化ともいえますが、今からPinterest活用を考えている日本企業にもありがたい話でしょう。若干、設定は面倒そうですが、最初から以前に比べかなりの効果測定が行えるのは魅力ですね。最近日本で流行っているのかイマイチ不明なPinterestですが、世界的には利用は進んでいるようですし、これらの機能拡充が日本での利用を後押ししていくでしょうか? — SEO Japan [G+]