発芽大豆由来の植物肉(代替肉)「ミラクルミート」を開発・生産するDAIZは2月1日、プレシリーズCラウンドにおいて、第三者割当増資による総額30億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、日清食品ホールディングス、丸井グループ、三菱ケミカルホールディングス、長谷川香料、物語コーポレーション、東洋製罐グループホールディングスの事業会社6社と、インベストメントLab、三井住友海上キャピタル、グローバル・ブレインなどの金融投資家4社。累計資本調達額は60億5000万円となった。国内のフードテック・スタートアップとしては、最大級の資金調達額。また、植物肉市場の成長が著しい海外での事業展開を見据えており、現地生産拠点の確保のために2022年中に追加で数十億円規模のシリーズCラウンドの資金調達を計画している。
プレシリーズCラウンドで調達した資金は、ミラクルミートの生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化、グローバルでの事業展開、成長を支える人材採用などにあて、さらなる事業基盤の拡充を図る。生産体制の拡大として、2023年の稼働を目指して熊本県内に新工場を建設する計画が進行しており、現在の年間生産キャパシティ4000トンの5倍の年間2万規模になるという。
また、成長資金の獲得と提携企業との協業によりミラクルミートの商品開発や販路拡大、SDGs観点の差別化訴求などを推進する。
DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした熊本発のフードテック領域のスタートアップ。DAIZが生み出した環境負荷が小さい次世代の植物肉ミラクルミートは、大手ハンバーガーチェーンや、大手スーパー各社、飲食店など50社を超える採用実績を持ち、味の素やニチレイフーズなどの大手食品メーカーとの共同開発も進めてきた。
大手企業と連携して日本の食品技術を結集させた「オールジャパン構想」のもと、さらに研究開発を重ねることで「ミラクルミート」の価値向上を図っているという。また、2021年5月には米国・ボストンにDAIZ初の海外子会社を設立し、欧米市場へ進出した。