Appleは3000億ドルの資本利益事業の資金源として社債をさらに発行する

Appleがこのほど、株式買い戻し事業と株主への配当金の資金を得るために社債を発行を開始した、とBloombergが報じている。キャッシュが山のようにある企業にしては、ちょっと不可解な行動だが、実は同社のキャッシュの多くは海外にある。

Appleの第四四半期の決算報告では、キャッシュと換金可能有価証券の計が2689億ドルだった。しかしその94%は、国外にある。

今日の時点でその全額がアメリカに戻れば、Appleはその35%を支払うことになるだろう。トランプ政権は海外利益の法人税を12%と約束しているが、まだそれは実現していない。

Appleは、その税制改革を待てない。しかも同社は、アメリカでも多少のキャッシュを持つ必要がある。今国内に持っているのは有価証券も入れて約160億ドルなので、それではWhatsAppを買うことすらできない。

同社は前四半期で70億ドルの社債を発行したが、今度もそれと同じことをしようとしている。しかしそれでも、海外利益を本国へ還流する(法人税を払う)よりは、長/中/短期債の方がコストは安い。

Appleは、そのキャッシュを自分で使うわけではない。そのお金は、株式買い戻しと株主配当に充てられる。Appleの約束では、同社は今後2019年3月までの資本利益事業で3000億ドルを費消する。Bloombergによれば、Appleはすでに2250億ドルあまりを株主に還元している。

社債発行過程の詳細は現時点では不明だが、同社の計画では定率債を6回に分けて発行する。Appleがさらに今後もこのペースで社債の発行を続ければ、債券市場にはAppleの社債が大量にあふれることになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、「ペイデーローン」の広告を禁止へ

shutterstock_192086159

Googleは今日(米国時間5/11)、ペイデーローン(給料担保金融)の広告を禁止すると発表した。こうした融資の高い利息と短い支払い期間が、借り手の負債を増しているためだ。

ペイデーローンは、低所得者に手軽な現金を提供するが、借り手はその後短期間に借金を返す必要がある。返済できなければ、法外な利率によってたちまち借金地獄に追いやられる。

「ポリシーを見直す際に調査した結果、この種の貸付けは、返済不能と高い貸し倒れ率を招いていることがわかった」とGoogleのグローバル製品ポリシー責任者、David Graffが、ポシリー変更を発表したブログ記事で言った。「この変更は、われわれのユーザーを詐欺的で有害な金融製品から保護するためである」。

Googleは過去にも様々なカテゴリーの広告を禁止している ― 違法ドラッグ、銃、タバコ、その他Googleが推進する家族に優しいイメージから外れる製品の広告は許していない。ユーザーにとってリスクのある広告も禁止している。昨年だけで、詐欺やフィッシングに関連する広告を7.8億件以上禁止したと同社は言っている。

Googleはペイデーローン広告の定義を、返済期間60日以内、年利36%以上の貸し付けを行うものとしている。同ポリシーは2016年7月13日に有効となるが、住宅ローンや学生ローン等、他の金融広告には影響を与えないとGraffは書いている。

以前からGoogleにこうした修正を求めてきた擁護者たちは、この発表を歓迎している。

「お金に困った人がインターネットに助けを求めた時、1000%の利子を要求するペイデーレンダーの広告に遭遇すべきではない」と、ジョージタウン大学ローセンター、Center on Privacy and Technologyのエグゼクティブディレクター、Alvaro Bedoyaは言う。「今日、世界最大の検索エンジンが、『われわれはその片棒をかつぎたくない』と宣言した。この種の広告をGoogleが禁止することで業界標準が作られ、他のインターネット会社も後に続くだろう」

人権グループらは、ペイデーローンに反対して政府や民間業界にロビー活動を行い、有色人種を不釣り合いに標的とし、経済的困難にある人々を食い物にしていると糾弾してきた。米国の約1/3の州が、ペイデーローンを禁止する法を定めている。

BedoyaはGoogleの決定を人権の勝利であるの観迎しており、Yahoo、Microsoft等の主要検索エンジンがGoogleに追従することを望んでいる。

現在GoogleのAdWordsは、ユーザーが「ペイデーローン」等の関連ワードを検索した場合に、ペイデーローンの広告を表示している。しかし、7月の禁止以降は完全に排除される。ペイデーローンの情報は、通常の検索結果に表示されるが、広告はなくなる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitter、債券新規発行で15億ドル調達へ

Twitterはまだ現金を欲しがっている。同社は、6.5億ドルの債券2口の新規発行を申請中であることを今日(米国時間9/10)発表した。購入者が定員を超えれば、それぞれ1億ドルの追加発行の可能性がある。もし、増加分1億ドルを含めて完売すれば、Twitterは計15億ドルの現金を手にすることが見込まれる。

債券の半分は2019年、残りの半分は2021年に満期を迎える。

同社がIPOで18.2億ドルを調達したことはよく知られている。直近四半期の収支報告で、Twitterは現金および現金相当物、21億ドルを保有し、前四半期末より約1億ドル減少したことを公表している。

Twitterは、以前から大型買収への意欲を見せている。SoundCloudを買う直前まで行ったことは有名だ。

Twitterは、10億ドルの信用枠を持っている。今日公開された別のSEC申請書によると、Twitterが同信用枠に関連して保有していると思われる総債務額が変更され、与信限度額は30億ドルに引き上げられた。これは重要な変更だ。なぜなら、もしTwitterが債券で15億ドルを調達した場合、総債務額が10億ドルを超えないとする与信に関わる取り決めに違反するからだ。

これでTwitterは、他に債務がないと仮定すれば、信用枠を限界まで使い切り、取り決めに違反することなく、15億ドルを借りることが可能になった。

なぜ、Twitterは巨額の資金を欲しがっているのか? 他社の買収における柔軟性を高めるためだと私は考える。加えて、現金は近いうちにかなり高価になる可能性が高い。政府の量的緩和政策が近々終了することを受け、標準金利が引き上げられるというのが大方の予測だ。その結果広く金利が押し上げられ、この種の資金調達もより高くつくようになる。

つまり、もしTwitterが大金を確保しておきたければ、今がその時だ。

TwitterはGAAP基準では利益を上げていないが、これは株式ベース報酬のための多額の出費が原因だ。同社の調整後EBITDAはプラスであり、これは典型的な非GAAP的基準であるが、会社経営における現金原価を見る上で有用な指標だ。

もしTwiterが買収祭を始めたければ、少しでも多くの現金を得て取引を魅力的にしたいことは間違いない。株は偉大だが、現金はもっと偉大だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook