Apple TV: 2013年の売上台数は1000万, コンテンツを合わせると売上額は$1Bを超す

Appleのテレビ事業といえば、いまだにOTTタイプのストリーミングメディアボックスだけで、長らく噂があるにもかかわらずテレビ受像機本体はない。でもその小さなボックスは、実は侮(あなど)れない。昨年だけでも推定1000万台売れた、とAppleのCEO Tim Cookが今日行われた毎年恒例の株主集会で述べた。

2013年のApple TVデバイスと関連コンテンツの売上は10億ドルを超えたから、AsymcoのHorace Dediuの説ではApple TVの売上台数は約1000万台と推定されるのだそうだ。2012年は5000万台あまりだったから、なんと、Appleの全製品中、売上伸び率トップの主席優等生がApple TVなのだ。つまり前年比成長率は約80%である。

Apple TVの成長には、いくつかの要因がある。昨年はハードウェアの大型バージョンアップはなかったけど、提携メディア企業が増えたためにコンテンツが一挙に豊富になった。Apple TVはNetflixを見るために買う人が多いのだが、Netflixそのものも昨年は会員が大幅に増えた。

まだテレビ受像機を出してないAppleだが、別の観測筋によるとApple TVの売上台数はすでに、フラットパネル型テレビ受像機の全売上台数のほぼ1/4に達している。だから、今更この小さな市場に参入したってしょうがない、とAppleは思っているのかもしれない。

噂ではこの春、Apple TVハードウェアのリニューアルが行われるらしい。3月5日までにApple TVを買った人には25ドルのiTunesギフトカードがおまけでつくという売り出しも始まったから、これは新製品準備のための在庫一掃努力なのかもしれない。ストリーミングボックスの性能がアップして、しかもいろんなサービスが増えれば、2014年のApple TVはさらに大きく成長するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleの新たな製品戦略

このところAppleは、主要な発表サイクルを中断し、過去の仕様改訂とは異なるやり方でデバイスやバージョンを変更することに熱心だ。Tim Cookの下市場のトレンドに応じ、製品提供の最適化に向けられた新しい時代の軽量な改訂だ。それは様々な意味で、サプライチェーンの達人らしい動きだ。

“新しい” iPad、iMac、MacBook、iPod

Appleが今年実施した製品サイクル間の変更は数多い。2月のレティナMacBook ProとAirの改訂は、新しいプロセッサーの導入もあり、特段変わったものではなかった。同社は長年Mac製品ラインの内部スペック強化を続けている。しかし、128GBの第4世代iPadVESAマウント付きiMac、そして背面カメラのない新16GB iPod touchは、Appleの一般的製品サイクルの運用から大きく外れていた。

いずれの変更も、少なくとも普段Appleが新ハードウェアを送り出す時と比べると、ひそやかに発表された。せいぜいプレスリリースが出るだけで、今日発売されたiPod Touchにいたってはオンラインストアが変更されただけだ。それでもメディアはこれらの変更に群がるが、微々たる改訂は正式なイベントに値するほどの大きな出来事ではない。しかし、こうした変更は継続的な改善を約束する証しであり、Appleの製品発売サイクルに対する考え方の劇的変化につながるかもしれない。

最適化

Tim CookはかつてAppleのCOOとして、Appleがサプライチェーン史上最も効果的で効率の良いサプライチェーンを構築した実質的立役者だ。それは、Appleが倉庫にいるだけの在庫を殆ど抱えることはなく、製造過程における誤りが劇的に減少し、そうした改善と取り組みの結果、利益率を高く維持し続けていることを意味している。Cookは、今でもこの領域の最適化のかなりの部分に関わっているに違いないが、彼がそのスキルを、製造プロセスに留まらず、Apple製品そのものに適用することは十分理にかなっている。

上に挙げた製品の改訂は、それぞれが特定の最適化を意図したものだ。iPadでいえば、ストレージの拡大は、Surfaceをはじめとする他社の新規参入製品に対抗し、教育やエンタープライズ分野への適応性を高める。iMacは、前世代と比較して大きな欠点の一つとしてレビュワーから指摘されていた点を改善し、再びビジネスユーザーをターゲットにした。そしてiPod Touchは、同社の製品ラインアップの隙間を埋め、サプライチェーンを単純化し、デベロッパーがスクリーンサイズにデザインを最適化しやすくした。

柔軟性

Appleの製品に対する新しいアプローチは、柔軟性の拡大を反映したもののようだ。Cookが指揮をとる前と比べて、発想がより変化に富むようになった ― たとえわずかであっても。以前商品を買った怒れる人々への対応という問題は残る。4ヵ月前にiPadを買った人は新モデルを見て判断を誤ったことを後悔するかもしれない。しかし大部分においてこれらの改訂は、潜在ユーザーを拡大することを意図した個別の変更であり、既存ユーザーを遠ざけるものではない。こうした精度の高いリフレッシュが続く限り、製品開発に対するこの修正されアプローチからAppleが得るものは多いだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)