ドッグシッターのスタートアップ、Roverが1.55億ドルを調達

犬の散歩と預かりサービスのスタートアップで、昨年の今頃DogVacayと合併したRoverが、 1.55億ドルの大型資金調達ラウンドを実施する。

この分野ではライバルのWagが圧倒的勢力をもっているが、二番手となり、さらには巨額の資金をバックにWagを追い抜くチャンスもある。DogVacayとRoverはよく似たビジネスモデルで合併にいたり、Wagにとって大きなライバルとなった。 Wall Street JournalによるとRoverのラウンドの会社評価額は9.7億ドル。

Wagは今年、SoftBankのリードで3億ドルの巨大ラウンドを実施した。Softbankはスタートアップに次々と巨額を注ぎ込んでおり、ベンチャーキャピタルの構図を変えようとしている。そして、さまざまなドッグケアサービスに大きな関心をしめしており、Roverももちろんそのひとつだ。サンフランシスコの町を歩いているとすばらしい犬をたくさん見かけるし、犬の飼い主を相手にするビジネスに大きなチャンスがあることは間違いない。

Roverは、ドッグオーナーを、散歩、預かりその他のドッグケアをする人々に引き合わせる。ユーザーは地域内のドッグウォーカーやドッグシッターをアプリで予約する。これはWagがかつて多くの批判に直面した部分であり、劣悪なサービス(迷子を含む)についてBloombergに大きく取り上げられた。 なんであれ日常の仕事を第三者にまかせるUberのようなサービスには数々の試練が待ち受けているのは当然だ。

Roverはウェブサイトに、「シッター候補の20%以下しか採用していない」と明記している。これはWagをはじめとするこの業界全般に対する批判を和らげ、潜在顧客の心配を軽減するためだろう。Roverによると、現在北米全体で20万人のシッターが当路さされている。同社は以前のラウンドで1.56億ドル調達している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファウンダーはVCとの関係を自分でコントロールすべきだ

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【編集部注:本稿の執筆者、Harry Stebbingsは、ベンチャーキャピタルに特化した独立系ポッドキャスト、The Twenty Minute VCのファウンダーでホストを務める。】

資金調達は競争のゲームだ。VCは最新のスタートアップに投資するために、他のVCと競争する。スタートアップは、ブランドVCから資金を獲得するために、他のスタートアップと競争する。

このため、資金調達に成功するためには「ファウンダーはVC同士に競争プロセスを生みだす必要がある」と、DogVacayのファウンダー、Aaron Hirshhornが本誌のインタビューで言った。

締切を設定せよ

パーキンソンの法則が言うように、「仕事は完成までに与えられた時間を満たすまで膨張する」。これは資金調達にも適用される。だから、資金調達を完了すべき締切を設定、管理するのはファウンダーの仕事だ。こうして、ファウンダーとそのチームは計画を立てマイルストーンを設定すると共に、VCらには終了前に参加するきっかけを与える。

具体的にせよ

お金はみな同じではない。Hirschhornが、Bill Gurleyが参加したことの価値を説明して、それを証明している。だから、ファウンダーはこのラウンドに参加してほしいVCの正確で確実なリストを作らなくてはいけない。リストに載せる数はファウンダーによって異なる。SprigのGagan Biyaniは、「私はVCを5社挙げ、それが私の求めているものだった」と私に言った。Hirschhornは、別の考えを紹介し、「資金調達には30社が最適な数だ」と言った。

ピッチのタイミングを計れ

資金調達では、勢いがすべてだ。だから、ピッチの時期を意味のある成長を示すマイルストンと結びつけることは決定的に重要だ。Hirschhornの場合、それはDogVacayが「月額数十万ドル」を売上げている時だった。SaaS会社なら、大きなエンタープライズ顧客と契約した時かもしれない。いずれにせよVCは、成長と勢いに惹かれるので、そのタイミングに合わせることだ。

習うより慣れろ

ファウンダーが初めてVCにプレゼンするとき、それは最高のプレゼンではないだろう。それは困る。つまり、ラウンドで一番欲しいVCは、最初の売り込み相手にしてはならない。Hirshhornが推奨する最適な売り込み時期は第3週だ。この頃までにファウンダーとそのチームは、あらゆる矛盾を正し、ストーリーの語りは完璧になっている。

透明であれ

多くのファウンダーが陥る落とし穴は、調達時期の会社の状態を水増しすることだ。これに陥ってはならない。透明性は資金調達の鍵だ。Hirschhornが言うように、「VCたちは互いに話し合っている。Sand Hill はすべてを知っている」。だから何よりも透明性を保ち、VCには今自分たちがどこにいて、これからどう進んでいくのかを知らせることだ。

最終的に、VC業界はスタートアップを作るファウンダーなしには存在しえない。Hirschhornが強調するように、「会話をコントロールするのはファウンダーの役目」だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

拡大するペット預かりサービス。DogVacayがピアツーピアのデイケアサービスを提供開始

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飼い主が出かけてしまったとき、ペットの犬がどのように過ごしているかを映したホームセキュリティビデオを見たことがあるだろうか。犬好きとしてみれば、両親が遅くまで出かけているティーンエイジャーのように、自分の好きなことをしているんじゃないかと考えたくもなる。しかしどうやらそういうケースは少ないようだ。しょんぼりした様子で、何時間も同じ場所でじっとしているというようなことが多いらしい。あるいはじっとドアを見つめて、飼い主の帰宅を待ち続けている犬も多い様子。どうにも落ち着きをなくしてしまって、カウチのクッションを引き裂いたり、ゴミ箱をめちゃくちゃにしてしまったりすることもある。

犬用のデイケアサービスもあり、これで犬の気持ちを紛らわせることもできるだろう。但し、価格があまりに高額であるケースが多い。たとえばメトロ圏内の大都市あたりでは、1日に45ドル程度もかかってしまう。また、そうしたサービス施設の中で30ないし40匹の知らない犬に囲まれて、愛犬が本当にハッピーなのかどうかは難しいところでもある。

そうした不満ないし不安の声を背景に、DogVacayが「犬のためのAirbnb」を目指すサービスを打ち出してきた。Daycareメニューを新設し、日中の預かりサービスを提供することとしたのだ。DogVacayの主力サービスは、旅行中に犬を預けたいオーナーと、地元のドッグシッターを結びつけるサービスだ。このサービスを拡張して、朝から昼過ぎ、ないし夕方くらいまで預かる保育園風なサービスを提供したわけだ。価格はシッター側で設定するようになっている。ただしCEOのAaron Hirschhornによれば、平均的なデイケアサービスの価格は20ドル程度になるのではないかと言っていた。

Hirschhorn曰く、Uberがタクシーサービスの裾野を広げたように、犬のための安価なデイケアサービスがニーズを掘り起こすことに繋がってほしいと述べている。「現在、犬を対象としたデイケアサービスの市場は10億円規模となっています。しかしこれは潜在規模にくらべればごく一部に過ぎないと考えています。ペットのためのデイケアサービスの存在すら知らず、あるいは簡単に利用するための方法がないために諦めている人も多いと思うのです」とのこと。

UberやAirbnbのように安価なサービスを実現することにも繋がるだろう。自ら施設を運用するのでなく、マーケットプレイスの形で提供することに可能性を感じているのだそうだ。「私たち自らが不動産を保有する必要もありませんし、ドッグシッターを雇用する必要もありません。ニーズを持つ人と、サービスを提供する人を安価な手数料で結びつけようと考えているわけです。かかる費用の大半は、会社運営のためではなく、サービスそれ自体に充てられることとなるわけです」とHirschhornは言う。ちなみにDogVacayは、預ける犬とサービス提供者側の施設にいる犬の双方をカバーする200万ドルの保険も用意している。

このサービスを実現することで、DogVacayの利用者数および売上が大幅にアップさせる可能性もあるだろう。これまでは週末やバケーションでの旅行時のみに利用するサービスであったものが、場合によっては毎日利用するサービスとなったわけだ。サービスの幅を一気に広げることになり、需給バランスを壊してしまうことにはならないのかとも尋ねてみた。Hirschhornはそのような事態にはならないと考えているそうだ。「アメリカおよびカナダで、シッターサービスを提供しようとする人は13万人にものぼります。しかし実際にサービスを提供してもらっているのは2万人に過ぎません。需要を喚起してマーケットが広がることとなっても、シッターの事前審査などを行いつつクオリティを維持できると考えています」とのことだ。DogVacayでDaycareを提供したいと考えている人は、自分でもペットを飼っている専業主婦/主夫や在宅ワーカーが多いらしい。

DogVacayはロサンゼルスに拠点をおくサービスで、これまでに4700万ドルの資金を調達している。フルタイムの従業員数は85名程度となっている。もちろんこの業界にも競争があり、たとえばシアトルのRoverはよく知られている。こちらも同様のサービスを提供しており、これまでに5090万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H

犬のためのAirbnbサービスを手がけるDogVacay、新たに2500万ドルの資金を調達

Fortuneの記事によれば、DogVacayがシリーズB1にて2500万ドルの資金を調達したとのことだ。

DogVacayとは、犬用ホテルの代替となるサービスを提供している。2012年に運営を開始しており、調達額の合計は4700万ドルになる。2013年10月に1500万ドルを調達したシリーズBはFoundation Capitalがリードし、以前から出資していたGSV Capital、Science Inc.、First Round Capital、Benchmark、Foundation Capital、およびDAG Venturesなどが参加して行われていた。

DogVacayサービスの利用スタイルは2通りになる。すなわち、犬を預かる側か、あるいは犬を預ける側だ。旅行に行く時に飼い犬を預けたいと考えたとき、信頼できてかつ良心的な価格で預ける先を見つけることができるようになる。カスタマーサーポートには毎日24時間体制で対応しており、飼い主および飼い犬が最適なケアを受けられるようにするための保険も用意している。従来のペットホテルサービスと比較すれば安価ながら、しかしケージに閉じ込めることなく、十分な愛情をもって面倒をみることを約束している。

このDogVacayだが、昨年1年でかなりの成長を遂げた。犬を預かる側の人は現在、2万名が登録されている。また先月には、犬たちの「宿泊日数」も100万日に到達した旨を発表していた。このうち90%は、この1年半のうちにカウントされた数値なのだそうだ。間違いなく、サービスは成長の波に乗っているようだ。

調達資金はサービスの拡大・拡充のために使っていくのだそうだ。

但し、サービスを拡大していくと、品質維持やカスタマーケアなどの面で難しさも出てくるのではなかろうか。そんな疑問を共同ファウンダーであるAaron Hirschhornにぶつけてみた。

「ビジネス規模が広がっていく際、カスタマーケアこそが最重要課題であると常に意識しています。前業務の半分は、このカスタマーケアに向けられています。評価や感想など、あらゆる話に耳を傾け、適切な判断および運営ができるように心がけています」とのことだった。

DogVacayが目指すのは、もちろん「全員の満足」だ。一度に面倒を見ることのできる頭数は3頭までとし、満点以外のレビューについては必ずフォローアップを行なっているのだとのこと。ちなみに現在のレビュー平均は5点満点で4.96となっている。

さらにDogVacayでは厳格な基準を定め、かつトレーニングなども用意して、品質の高いサービスを維持するための努力を継続的に行なっている。ホストとして仕事をするためには書類審査を経て、教育用ビデオを見て、そしてテストにもクリアする必要がある。電話インタビューも必須であり、またいったんホスト役としての仕事を始めても、継続的に教育を受ける必要がある。

DogVacayは預ける際の料金から15%を取る仕組みとなっている。現在のところ、ホスト役での利用者の20%が収益の80%を生み出しているのだそうだ。一部の人はフルタイムの仕事として犬の預かり業務を行なっていて、年間7万ドルから9万ドルを得ているのだとのこと。ホスト役のうち残りの80%の人は、タイミングを見て預かり業務を行なっているとのこと。この80%が残り20%の利益を生んでいる。この利益がいったいいくらであるのかについては教えてもらえなかった。

Hirschhornは「現段階ではより多くのペットシッターに登録を促したいとは考えていません」と述べている。「実際のところ、ペットシッターになりたいという申し込みは10万件以上もありました。そのうちに登録をお願いしているのは2万件だけです。私たちは量よりも質を求めているのです。有能な方々と一緒に、さらにハイレベルなサービス実現を目指していくことにより、預ける飼い主の方にも、そしてやってくる犬にとっても最善のエクスペリエンスを提供できると考えています」。

DogVacayは現在、アメリカおよびカナダにおける30万の都市で運用中だ。Hirschhornによると、国際展開も視野に入れているのだとのこと。

「私たちの展開するようなサービスを海外にもっていく場合、それぞれの国で全くの0からスタートすることとなり、それがなかなか難しいところです」とHirschhornは言っている。

DogVacayに興味をお持ちの方は、ウェブサイトにいろいろと細かい説明がある。

サービスの仕組みを説明するビデオを下に貼っておこう。

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(翻訳:Maeda, H