TwitterやFacebookで自動消滅型投稿を可能とするXpire、Android版が登場(iOS版もアップデート)

FacebookやTwitterといった一般的なソーシャルネットワークに比べて、投稿が自動で消去されるSnapchatなどの方がプライバシーが保護されやすいと感じている利用者も多いようだ。「自動消滅」を完全に信じてしまうことにも問題があるようだが(たとえば2014年にはSnapchatがハックされた)、しかし投稿がオンライン上にいつまでも残るよりも、その瞬間に消費されて(閲覧されて)そして消えてしまう方が良いと考えている人が存在するのは間違いない。

そうした「非永続性」を、一般的なソーシャルネットワーク上でも実現しようという試みもいくつかある。そのひとつが、今回Android版が公開されたXpireだ。Twitter上で自動消滅型の投稿が行えるようになる。

Android版は現在のところTwitterのみをサポートしている。しかしFacebookへの対応も進めているのだとのこと。以前からリリースされているiOS版はFacebook、Twitter、およびTumblrをサポートしている。

Dallasの大学生であるJesse Staufferが作ったこのアプリケーションに対してはMark Cubanがシード資金を提供してもいる。iPhone版がリリースされたのは昨年末のことだった。投稿記事に有効期限をつけ、それに従って自分の投稿を一定時期に消去することができるものだ。またキーワードで過去の投稿を検索することもでき、削除漏れにも配慮されている。

そしてなんと、新しい版では投稿「前」に不適切な内容について警告する機能も備えている。

Staufferによると、Xpireは投稿で使われている単語のリスク度合いを計算して、一定の基準を超えると警告するようになっているのだそうだ。「また、マシンラーニングの機能を搭載して、行おうとしている投稿の内容と普段の投稿の乖離具合などを判断して警告するようなこともできるようにしたいと考えています」とのこと。

FacebookやTwitter、そしてTumblrに自動消滅型の投稿機能が必要なのかと疑問に思う人もいるだろう。しかしXpireは、若者たちの間で流行る使い方を、そうした「トラディショナル」なネットワーク上でも実現しようとしているわけだ。

ダナ・ボイドも数年前、Facebook上でのコンテンツの永続性ないしそれにより何らかの事件を誘引するリスクを減じるための手段を見つけ出すだろうと述べていた。実際、Facebookのプロフィールに何も記述しなかったり、あるいは過去の投稿をすべて削除してしまうような人もいる。また、十分な時間が取れないようなときには、アカウントを一時的に使えなくしてしまうようなケースもある。

2013年のPewレポートでも、ソーシャルメディア上のコンテンツを削除してしまうという振る舞いが増えていることが報告されている。アメリカでFacebookを利用しているティーンのうち、58%が投稿の編集ないし削除を行ったことがあると回答している。また、Instagramなどでは不人気の投稿を削除するなどして、ネットワーク上でのアイデンティティを主体的に作っていこうとすることも多く為されているようだ。

コンテンツをコントロールしようとする動きは、どのソーシャルネットワークであるかを問わずに一般化しつつあるとも言えるのだろう。だが、FacebookやTwitterなど、コンテンツを削除しないことが(少なくとも現在のところ)一般的であるネットワーク上で、コンテンツを操作するためのツールというのは果たして求められているのだろうか。

Staufferによると、どうやら求められているらしい。Xpireは昨年のリリース以来「数万件」単位でダウンロードされているのだとのこと。シード資金を得たといっても微々たるもので、マーケティングや利用者獲得キャンペーンなどが行われていない中での数字としては注目に値するものだと思う。

今後の目標としては、エンゲージメント率を高めるような機能を充実していきたいとのことだ。ごくたまに行う「ソーシャルネットワークの大掃除」の時だけでなく、日々のソーシャルネットワークツールとして使われるようにしたいと目論んでいる。

「ソーシャルメディア上のコンテンツを閲覧するのにかかる時間を減らしたいと考えています」とStaufferは言う。「多くの人は毎日、膨大な時間をコンテンツ消費に充てています。私たちはコンテンツ閲覧に効率性をもたらすためのソリューションを実現しようと考えています。自分の投稿が閲覧され得る時間をコントロールするだけでなく、コンテンツ消費にかかる時間そのものをコントロールするようなツールに育てたいのです」とのことだ。

ソーシャルメディアを閲覧する時間を減らしたいというのも、多くのティーンが望んでいることだとする話題の投稿もある。十代の若者が、友達たちのソーシャルネットワーク上での行動様式などについて記したものだ。記事の中で、若者の間ではInstagramが人気で、その理由のひとつは流れてくるフィードの量が適切であることだと書かれている。Xpireは、他のソーシャルネットワーク上においても、フィードの「シンプルさ」を実現しようと考えているのだろう。

Xpireは無料で、Android版はこちらにある。アップデートされたiOS版はこちらからダウンロードできる。

(訳注:日本語処理の問題なのか、訳者のAndroid版では正常に動作しないようでした)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


FacebookやTwitterなどふつうのサイトに短命画像/ビデオをポストできるモバイルアプリPhantom、東京のスタートアップから

Phantomという新しいモバイルアプリは、Snapchatのような“それ”専門のサイトでなくても、ふつうにFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアや、ブログなどにポストした写真が、そのうち勝手に消えてしまう。また、その写真を見れる人の人数を制限するなど、そのほかの機能もある。

Facebookなど一般的なサイトの上で短命な共有ができるのはおもしろいけど、Phantomでできるいろんなコントロールを使いこなすのは、ふつうに写真を共有したい人にとって、面倒かもしれない。

どうやるのか

このアプリはiOSとAndroid両バージョンがあり、写真やビデオを撮る、スマートフォン上にすでにあるそれらを選ぶ、などのことができる。そしてその写真などにコメントを付けたりお絵かきができる点も、Snapchatに似ている。しかしSnapchatのように、それらの画像やビデオを友だちが見られる時間を指定するだけでなく、何名の人がそれを見たら、その後は見られなくなる、という指定もできる。

つまり、見た人の数とは関係なく、期限切れとなる時間を指定できるだけでなく、見る人の人数を制限して共有の広がりをコントロールできる。

Snapchatでも、写真やビデオを特定の連絡先(コンタクト)にだけ送る、という形で見る人の数を制限できるが、Phantomでは人に送るのではなくFacebook、Twitter、Google+、WordPress、Bloggerなどふつうのサイトにポストする。さらにTumblrやPinterest、Whatsapp、LINE、Telegram、Movable Type、iMessage、SMS、メールなどでもよい。

いわばそれは、どこでも使えるSnapchatだ。

でもPhantomは設定項目が多いから、事前にお勉強が必要で、それが普及を妨げるかもしれない。また画像やビデオをPhantomのサーバにアップロードするのも、時間がややかかる。

でも、そのめんどくささを我慢する価値はある。その写真をふつうに見ようとすると、左の写真のようなモザイク状になっている。まともに見ようと思えば、iOSやAndroidの上でPhantomアプリを使わなければならない。

スクリーンショットも取れません

Phantomを作った東京のOsamu Date(伊達修)はこう語る: “画像を見ることはできても、コピーや保存はできない。しかも画像を見ている間はAndroidのスクリーンショット機能は無効になっている”。というわけで、短命性そしてプライバシーは完璧だ。

スクリーンショットが取れないだけでなく、取ろうとしたやつの名前が画像を提供したユーザに報告される、という厳しい方式だ。

Phantomを作っているDateの会社は”LinX Corporation“というすごい名前だが、それはDate一人が自己資金だけでやっている東京のスタートアップだ。

このアプリがローンチしたのは数か月前だが、これまではあまり報道もされなかったようだ。

たぶん言葉の問題などもあって、英語によるプロモーションを開始するのが遅れたのだろう。Webサイトもほとんど日本語だ。Dateから来たメールには、彼の肩書が”Representative Director of LinX Corporation”(LinX Corporationの代表取締役)とあり、 あまりスタートアップ的ではない。でもPhantomのアイデアはおもしろいと思ったから、彼とコンタクトしてみた。

このアプリは、もうちょっと洗練されないとヴァイラルな普及浸透は難しいかもしれない。でもSnapchatやYik Yakも、最初は荒削りだった。Phantomの大きな問題はアプリの機能やルック&フィールではなくて、ビジネスとして離陸できるだけのユーザを集めるための努力だ。

PhantomはiTunesGoogle Playで無料でダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))