衛星インターネットスタートアップのAstranis、Falcon 9ロケットによる初打ち上げを契約

Y Combinatorが支援するスタートアップのAstranis(アストラニス)は、来年の第4四半期にFalcon 9ロケットで初となる商用通信衛星を打ち上げる予定だ。Astranisの目標は、現在ブロードバンドインターネットにアクセスできない世界の膨大な人々の市場を開拓することで、既存の衛星よりもはるかに早く製造して打ち上げられる低コストな人工衛星を使い、既存のグローバルな携帯通信ハードウェアの価格を大幅に下げることだ。

Astranisの衛星は小型で製造が簡単なため、コスト効率が非常に高く、今後の通信事業者や接続プロバイダーのパートナーの事業展開を変えうる。このアプローチは、すでにアラスカ州で衛星ブロードバンド接続の拡大を目指して設立された、Microcom(マイクロン)の子会社であるPacific Dataport(パシフィック・データポート)との提携を獲得している。Astranisによると、SpaceXのロケットで静止軌道に1機の衛星を打ち上げることで、アラスカのインターネットプロバイダーのネットワーク容量を3倍となる7.5Gbps以上に拡大し、さらに潜在的にコストを「3分の1」にすることができる。

なお、これはAstranisが宇宙に送る初めての衛星ではない。2018年にデモ衛星を打ち上げ、技術が宣伝どおりに機能することを示した。Astranisのアプローチは、SpaceX自身のStarlinkプロジェクトなど、衛星ベースのインターネットを提供しようとする他のアプローチとは異なり、サービスを提供する地域の上空に留まる衛星を構築することに焦点をあてている。これは、地球低軌道に衛星コンステレーションを構築して、カバーエリアを広げるアプローチとは対象的だ。後者では、常に1機以上の衛星がカバー範囲に存在し、さらに衛星から衛星へと接続を引き継ぐ必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがFalcon 9ブースターの3度目の飛行に成功、フェアリングも洋上キャッチ

SpaceXはFalcon9で同一のブースターで3回衛星を打ち上げることに成功した。用いられた1段目ブースターは今年6月と昨年11月の2回の飛行を経験しおり、今回が3回目の飛行だった。

ペイロードはSpacecommのAMOS-17通信衛星でアフリカ上空の静止軌道に投入される。6.4トンと大重量の衛星のため、SaceXでは「使い捨てモード」で打ち上げた。つまり回収のための燃料を積む余裕がなく、噴射を終えたブースターはそのまま大気圏に落下する。

しかし3回の飛行ができたというのはSpaceXにって大きな成果だ。飛行済み機体が再利用できることは打ち上げコストの削減に寄与したはずだ。飛行ミッションそのものものも万事計画どおりに進行したようだ。AMOS-17衛星は静止遷移軌道に投入された。今後サハラ砂漠付近の赤道上空に静止し、中東とアフリカ大陸に複数バンドでテレビ放送を行う計画だ。
 
SpaceXは今回、大気圏でペイロードを保護するフェアリングの回収に成功した。何回か失敗に終わったが、今回は回収船、Ms. Treeに設置された巨大ネットが無事にフェアリングをキャッチする様子がビデオに収められている。今回、回収されたのは2分割のフェアリングの片方で、他方は洋上に落下したが、SpaceXではこちらも2隻目の専用船で回収を試みる予定という。

spacex fairing catch amos 17

SpaceXがMs. Treeの回収ネットで最初にフェアリング回収に成功したのは今年6月だった。上のビデオはFalcon Heavyの打ち上げで用いられたフェアリング回収の模様。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

2回再使用したFalcon 9が重量級衛星を打上げへ

SpaceXは巨大な通信衛星を搭載したFalcon 9ロケットを、米国東部夏時間の8月6日午後6時53分(日本時間8月7日午前7時53分)に打ち上げる。打上げウィンドウは午後8時21分まで設定されており、天候や他の要因により打ち上げはそのいずれかの時間で実施される可能性がある。また、ライブストリームは最初の打上げウィンドウの15分前から開始される。

打上げに利用されるFalcon 9の第1段は、昨年7月と11月に2回の飛行経験がある。そして今回のミッションがこのロケットにとっての最後ミッションとなり、着陸を行わない「使い捨てモード」での打ち上げが予定されている。

その理由は、Spacecommから委託された1万4000ポンド(約6.4トン)以上の重さとなる人工衛星のAmos-17にある。この打上げのためにFalcon 9はすべての燃料を使わなければならず、コントロールしたうえでの降下が行えないのだ。

しかしながら、今回の打ち上げでは人工衛星を保護するノーズコーン・フェアリングの回収が実施される。SpaceXは以前に、巨大なネットを備えた回収船ことMs. Treeにて、フェアリングの回収に成功している。Falcon 9のフェアリングの回収はブースターと同じく、SpaceXにとって大きなコスト削減に繋がり、また最終的に同社は100%のロケット再使用を目指している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがNASAと契約してブラックホールや中性子星を調査する宇宙船を打ち上げ

SpaceXがNASAからの受注で、画像作成X線偏光測定探査船(Imaging X-ray Polarimetry Explorer、IXPE)を打ち上げることになった。この研究用宇宙船は、中性子星やパルサー星雲、超大質量ブラックホールなどの光源からの偏光を調べて、これまでの宇宙観測よりもさらに多くの画像を提供する。

このミッションは科学者たちによるマグネター(強力な磁場をもつ特殊な中性子星)やブラックホール、パルサー風星雲などの研究を助ける。パルサー風星雲は、超新星の残存物の中にある星雲だ。

SpaceXはこのIXPEミッションの打ち上げを、すでに性能が実証されているFalcon Xで行い、その契約総額は5030万ドルだ。打ち上げは2021年4月で、フロリダ州ケネディ宇宙センターのLC-39Aから行われる。

SpaceXの社長でCOOのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏は、声明でこう述べている。「NASAが重要な科学的ペイロードの軌道打ち上げ用に弊社の実証された打ち上げ船体を信頼していることは、SpaceXの名誉である。IXPEは弊社にとって6度めのNASA打ち上げサービス事業からの受注であり、内二つは2016年と2018年に打ち上げ成功し、同機関の科学観測能力の増大に寄与した」。

NASAとの契約によるSpaceXの今後の打ち上げ計画はほかにもまだまだあり、その中には国際宇宙ステーションへの定期的な物資供給輸送業務もある。

画像クレジット: NASA/JPL-Caltech/McGill

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

成功すれば宇宙産業を変革 、SpaceXの超大型ロケット「Falcon Heavy」

Falcon Heavyは1年前に飛行テストに成功しているが、米国時間4月7日の日曜に予定されているのは、本番の商用衛星打ち上げだ。ライバルの宇宙企業は固唾をのんで成否を注視している。SpaceXの新ロケットが成功すれば、大重量のペイロードを経済的かつ頻繁に軌道に送り込むことできる時代の幕開けとなる。我々は打ち上げを、(ロケット発射場の)ケープ・カナベラルの現場から報じる予定だ。

来る4月7日(日本時間4月8日の月曜)に予定されているFalcon Heavyの打ち上げは、昨年2月のテスト成功以来、初の飛行となる。テスト飛行のときのペイロードはイーロン・マスク愛用の電気自動車、赤いTeslaロードスターでデビッド・ボウイの曲をBGMにダミー宇宙飛行士のスターマンがハンドルを握っていた。今は火星軌道を過ぎているはずだ。この成功によりSpaceXはローンチ・カスタマーを獲得できた。日曜の打ち上げはロッキード製のArabsat-6A通信衛星を静止軌道に送り込む予定だ。下は昨年、私(Coldeway)と同僚のEtheringtonがFalcon Heavyのテスト打ち上げを取材したときのものだ。

今日の地上テスト噴射も成功しているので天候に問題がなければ打ち上げは予定どおり実施されるはずだ。SpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏もツイートしているとおり、今回のFalcon Heavy Block 5(つまり商用バージョン)はオリジナルに比べて推力が10%アップしているという。つまり安全率もそれだけ向上しているとみていいだろう。

なぜFalcon Heavyは宇宙産業にとって非常に重要なのか?アポロ計画の成功以来、何百トンという衛星が地球周回軌道に(あるいはそれを超えて)打ち上げられている。簡単にいえばFalcon Heavyが革命的なのは打ち上げ費用だ。

衛星打ち上げはそれ自身きわめて複雑、困難な仕事であり、重量と軌道高さが増えると難しさは指数関数的に増大する。ロケットの素材、燃料が大きく進歩したことは、中型、小型のシステムに最大限のメリットをもたらした。ミニ衛星、マイクロ衛星はきわめて安価に可能となり、われわれは何千もの小型衛星のネットワークが地球を取り囲む新しい時代の入り口に差し掛かっている。

Rocket LabのElectron(使い捨て)やFalcon 9(再利用)などのシステムは中小型衛星の打ち上げコストをそれまでの何分の1にも引き下げた。

しかし大重量の衛星を高い軌道に打ち上げる能力がある大型システムのコストは依然として極めて高価なままだった。多数の小型衛星10トンぶんを軌道に投入することはスタートアップにも可能になったが、100トンを打ち上げる能力は依然として超大企業に限られる。

Falcon Heavyは大型衛星の打ち上げコストをミニ、マイクロ衛星並みに引き下げられる可能性を初めて示したシステムだ。Falcon Heavyのコストは1億ドル前後と推定されている。これは小銭とはいえないが、ライバルのDelta IVが3.5から5億ドルすると考えられているのに比べれば画期的に安い。

これほどの価格引き下げはあらゆる宇宙事業を根本的に変える。NASAは同じ費用ではるかに多くの惑星探査ミッションを実行できるだろう。もちろんDelta IVの打ち上げ実績は優秀で、過去15年以上にわたって100%の打ち上げ成功率を誇っている。この信頼性がDelta IVのプレミアム価格の理由の一部となっている。しかしFalcon Heavyが実績を積めば状況は変わってくる。

Delta IVの打ち上げ(2016)

大型衛星の打ち上げは(ミニ衛星の場合も同様だが)、 極端にサプライサイド優勢だ。つまり打ち上げ能力が最大の制約要因となっている。政府や巨大企業は衛星(ないし惑星探査機)打ち上げの順番を待つために何年も行列に並んでいるのが現状だ。SpaceXではFalcon Heavyのペイロード・スペースをロケットが製造される端から埋めていくことができる。Flacon Heavyの中央本体は使い捨てだが、両側のブースターは再利用可能だ。これはライバルに比べてはるかに大きな供給能力を約束する。Falcon Heavyが成功すれば巨額のビジネスとなるだけでなく、その影響は宇宙産業全体に及ぶだろう。

低軌道への衛星投入50トン以上というFalcon Heavyの能力には、今のところライバルがほとんどいない。しかしこの閾値の下は競争が激しい。ロッキードとボーイングの共同事業であるULA、EUの宇宙事業、Arianeをはじめ、ロシア、中国、さらにはジェフ・ベゾス氏のBlue Originのようなスタートアップも低価格の次世代衛星打ち上げシステムの開発に全力を挙げている。この宇宙事業の将来も我々にとって重要な課題だが、詳しく論じるのは別の機会に譲りたい。

現時点ではFalcon Heavyは桁外れの打ち上げシステムだ。能力を高めたほか、大きくコストを引き下げ数多くの宇宙事業を手の届くものにするというのは、野心的であるだけでなく歓迎すべきビジョン。現地時間日曜の打ち上げはこの変化が起きる瞬間を目撃するチャンスになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

初の民間月面探査機、SpaceXロケットで打ち上げ成功

Update: 打ち上げは成功。すべてのペイロードは予定軌道に投入された。後は、月への着陸を待つだけ……。

初となる民間による月面着陸ミッションが、ケープカナベラルから始まった。SpaceXのファルコン9ロケットはSpaceILの着陸機「Beresheet」を搭載し、2月22日5時45分(太平洋時間)に打ち上げたのだ。

この打ち上げは、着陸機だけのものではない。実際に着陸機は副ペイロードで、主ペイロードはインドネシアの通信衛星「Nusantara Satu」となり、同国の遠隔地に通信網を提供する。またこれが静止軌道に到達すると、U.S. Air Force Research Labの「S5」実験衛星を分離する。S5は同高度付近の物体やデブリを追跡する。

しかし、これらのペイロードが打ち上げから44分後に分離されているころ、Beresheetはすでにその旅路を開始しているのだ。月へと着陸する遷移軌道に投入されたBeresheetは、4月に着陸を実施する予定だ。

もしこれが成功すれば、Beresheetは民間として初の月面軟着陸に成功することになる。これまでロシアやアメリカ、中国が月面着陸に成功し、他国は月を通過したり周回したりするにとどまったが、Beresheetは月面への軟着陸と写真撮影を達成する予定だ。

もともと、Beresheetの計画はGoogleが資金を提供し、達成チームなしで終わった「Lunar Xprize」のものだった。レースは各チームの準備が整わずに失敗に終わったが、参加チームのいくつかは独自の月探査計画を開始している。

約1億ドル(約110億円)のBeresheetのプロジェクトは史上最も廉価な月面着陸ミッションで、初となる民間開発のロケットにより打ち上げられ、民間企業の仲介により副ペイロードとして搭載され実現した。もし成功すれば、初めてづくしの計画だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceX、新GPS打上げ成功で今年のミッション完了

SpaceXはアメリカ空軍が運用する新しいGPS、Global Positioning System IIIの第1回打ち上げに成功し、2018年のすべてのミッションを完了した。今日(米国時間12/24)、ケープカナベラルから打ち上げられた新しい衛星はVespucciと名付けられた。SpaceXにとって初の国家安全保障に直結するミッションだった。

SpaceXは当初もっと早い日時を予定していたが強風のため延期され、クリスマスの打ち上げとなった。

SpaceXは2016年に空軍からNational Security Space (宇宙国家安全保障)プロジェクトの契約を得ており、この後さらに4回のGPS III衛星打ち上げが予定されている。これにはすべて2段式のFalcon 9ロケットが用いられる。

GPSは米軍の管轄下にあり、運用は空軍が行っている。 冷戦時代に構築されたシステムであるが、2000年代に民間利用が休息に普及した。新しいGPS衛星はロッキード・マーティンが製造し、現在のシステムの3倍の精度を提供できる。SpaceXの発表によれば妨害に8倍強いという。.

「新世代GPSは測地、航法、タイミング情報を提供する。GPSのユーザーは世界で40億人に上り、適切なサポート体制の提供は極めて大きなミッションだ」とSpaceXは述べている

2002年にイーロン・マスクによって創立されたSpaceXにとって今年は大きな意味がある年となった。2018年にSpaceXは21回の打ち上げを行いすべて成功させている。これは2017年の18回の打ち上げから3回のアップとなっている。また305億ドルの会社評価額で5億ドルのラウンドを行っているという情報もある。これは1000個以上のミニ衛星のネットワークで全世界にインターネット接続を提供するStarlinkプロジェクトのための資金となるという。現在のラウンドが目標を達成すれば、SpaceXの資金調達総額25億ドルとなる。

今日の打ち上げのビデオを上にエンベッドしたが、SpaceXのサイトはこちら

〔日本版〕ビデオでは6:58でリフトオフ、8:13でマックスQ、9:50からメインエンジン停止、ブースター切り離し、第2段エンジンスタートと続く。全世界をカバーするため軌道傾斜角が55°と大きく、衛星も大型であるためブースターの回収は行われなかった。Vespucciはコロンブスより先にアメリカに到達し、アメリカという命名の起源となった探検家、アメリゴ・ヴェスプッチにちなむ。

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滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXのFalcon 9″Block 5″ロケットの、初の再飛行を見よ

SpaceXは米国時間8月7日早朝に、最新のFalcon 9ロケットを2度目の宇宙へと送り込もうとしている。

Falcon 9″Block 5″ロケットは、100回以上宇宙との往復ができるようにデザインされているが、まだ初期の段階だ。今日発射されるロケットはインドネシアの衛星Merah Putihを載せて、2度めの宇宙飛行へと飛び立つ。全てがうまく行きSpaceXのロボットドローンが計画どおりフロリダ沖でロケットを回収すれば。5月の発射に続いて、このBlock5が2度めの発射を成功させたことになる。

会社にとっての次の大きな課題は、ロケットの再発射に対して必要となる期間とコストの圧縮だ。明らかに、ターンアラウンドタイムの​​短縮とコスト削減によってもたらされる利点は沢山ある。しかし何よりも、今回のロケットは宇宙に3回行く最初のFalcon 9になるかもしれないのだ。

打ち上げの様子は上のSpaceXライブフィードで見ることができる。

(訳注:既に発射は成功裏に終わり、ブースターも無事回収されている。発射直前のカウントダウンは21分46秒あたりから)。

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(翻訳:sako)

SpaceX、明日NASAの重力観測衛星を打ち上げへ――地球の水循環をモニター

明日(米国時間5/22)打ち上げが予定されてSpaceXのFalcon 9ロケットには5基のIridiumコミュニケーション衛星と2基のNASAの観測衛星が搭載される。Iridium衛星の高度は800キロだがNASAの衛星は480キロ前後なのでFalcon 9は複雑な機動をする必要がある。NASAのGRACE-FO衛星は地球の重力を精密に測定して水の循環をモニターするのが目的で、いわばレーシングカーがシケインを抜けるような動きをする。

もちろん宇宙にシケインなどはないし、衛星のスピードも時速何万キロと桁外れに速い。しかし速度が変化する点は同じだ。

Falcon 9からNASAの衛星は一つが上方に、一つが下方に分離される。2つの衛星が220キロ離れたとき、下方の衛星が加速して他方の衛星の軌道に同期する。この動作には数日かかるが、Falon 9自身はNASAのGRACE-FO衛星を放出すると10分後にはIridium衛星打ち上げのためにエンジンを再点火する。

GRACEはGravity Recovery and Climate Experiment(重力取得による気候実験)の頭文字でFOはフォロー・オンの意味だ。Gravity Recovery and Climate Experimentはドイツの地球科学研究センターとの共同プロジェクトだ。オリジナルのGRACE衛星は2002年に打ち上げられ、15年間にわたって地球の水(地下水を含む)の循環をモニターしてきた。これは気象学の進歩にきわめて大きな影響を与えたが、今回のGRACE-FOはさらに精度をアップさせてその続きを行う。

地表の大きな質量の上空を一対の衛星が通過すると重力の変化によって軌道に微小な変動が起き衛星の間隔が変動する。これによって地表とその地下のようすを詳しく知ることができる。オリジナルのGRACEではこれによって地下の水を探知した。GRACE-FOにはレーザー測距装置が装備され、衛星間の距離測定の精度が文字通り桁違いにアップしているという。

今回用いられるロケットはこの1月にZuma衛星を打ち上げたその同じ機体だ。ZumaはFalconの2段目から無事に放出されたものの、衛星の不具合により軌道投入に失敗している。機密ミッションだったため何が起きたのか正確な情報がほとんどないが、SpaceXに原因がなかったことだけは間違いない。

Falcon 9は明日午後12:30にカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射される予定だ〔日本時間は水曜日の明け方、4:30〕。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

超機密衛星Zumaの失敗はSpaceXに責任なしと米政府も結論――ペイロードアダプターの不具合だった

今日(米国時間4/9)のWall Street Journalの報道によれば、今年初めに軍事衛星Zumaの打ち上げが失敗した問題で、アメリカ政府は打ち上げを実施したSpaceXに責任はないと判断した模様だ。Zuma衛星はFalcon 9に搭載されて発射されたものの、軌道投入に至らず太平洋上に落下して破壊された。

Zuma衛星の目的その他の詳細はきわめて高度な秘密事項でうかがい知ることができないが、 この衛星の開発費用は35億ドルにも上っていたという。発射のもようは通常どおりライブで広く公開されたが、ペイロードは厳重に秘匿されていた。情報源によれば、2つの異なるアメリカ連邦政府機関が調査を行い、それぞれが失敗の原因はペイロード・アダプターにあったと結論した。ZumaをFalcon 9の2段目にセットするアダプターを改造したのは衛星を開発したノースロップ・グラマンだった。

記事によれば、このペイロード・アダプターは無重量状態では所定の作動ができなかったという。

ノースロップ・グラマンはペイロード・アダプターを下請け業者から購入し、同社で大きな改造をした。事情に詳しい人物によれば、同社の3回の地上試験ではいずれも正常に動作していたという。しかし衛星軌道に達した後、無重量状態になるとアダプターはペイロードをロケットから切り離すことができなかった。

情報源によれば、衛星のセンサーは状態を適切に地上に送信できなかったため、当初、地上では重大な問題が発生していることが認識できなかったという。2段目の高度が低下し大気圏に引き戻される軌道になって始めて地上では衛星がロケットからの切り離しに失敗していることが判明した。衛星は最終的に2段目から放出されたたが、ときすでに遅く、失敗回復のすべがない高度にまで落下していた。

Falcon 9による打ち上げの成功の中にもかかわらず、Zumaの切り離しが失敗したことは目立ったいてが、u衛星自体の機密性のためにこれまで詳しい状況は明らかにされていなかった。SpaceXのロケットは過去にはなばなしい失敗を何度か繰り返しており、信頼性に対する公衆のイメージは必ずしも高くない。そのため同社は事故後「Falcon 9の作動は万全だった」と発表し、同社のテクノロジーに原因があったのではないかという憶測を否定した。

その後、Zumaの失敗はSpaceXのせいではないとする報道が相次いだ。政府による公式の調査も同様の結論に達したようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、Falcon 9のフェアリング回収にネット装備艀を準備

SpaceXが目標とするのは、なんといっても打ち上げコストの削減だ。現在同社が取り組んでいるのはフェアリングの回収だ。フェアリングはロケットの先端に取り付けられ、なんであれ搭載されたペイロードを保護する部品だ(Falcon Heavyのテスト飛行の場合はTesla Roadsterとスターマンが搭載されていた)。これまで打ち上げのたびにフェアリングは使い捨てとなっていた。

フェアリングの製造コストは600万ドルだという。多数の打ち上げでフェアリングを回収し、複数回使えることになればコスト削減の総額は大きい。SpaceXでは昨年フェアリングの回収に成功しているが、今回はさらに信頼性が高く、再利用にも適した新しい方式を開発した。

それがMr. Stevenと名付けられた自動航行艀だ。Teslaratiの Pauline Acalinが撮影した写真によれば、Mr. Stevenには巨大なアームが装備され、その間にネットが張り渡してある。Mr. Stevenは次回Falocon 9が打ち上げられる予定となっているカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地の近くの港に停泊している。Falcon 9のPAZミッションではスペインのレーダー地上観測衛星の他に、SpaceX独自の通信衛星も搭載される。これはSpaceXが計画しているインターネットのブロードバンド接続を提供するサービスのための実験だという。

Falcon 9のこの打ち上げは日は若干延期され、2月21日(日本時間2/22)に予定されている。フェアリングはGPSによる位置制御が可能なパラシュートによって太平洋上に降下し、それをMr. Stevenが待ち構えてキャッチする計画だ。

フェアリングは2つの部分からなるが、SpaceXがその片方でも無事に回収し、再利用できるなら打ち上げコストをさらに引き下げることができるだろう。完全使い捨ての場合の場合、Falcon 9は打ち上げコストは6300万ドル程度と推定されている。そこでブースターの回収はもちろんだが、600万ドルのフェアリングであっても回収に成功すれば利益に対する寄与は大きい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、2017年を18回目の衛星打ち上げ成功で締めくくる――新世代Iridium10基を軌道投入

SpaceXは今年18回目となる衛星打ち上げ成功で2017年を締めくくった。衛星打ち上げ回数として同社の新記録で、昨年の打ち上げ回数を10回も上回った。

今回の打ち上げのペイロードはIridium衛星10基で、Iridium NEXT衛星電話ネットワークの一部を構成する。SpaceXがIridiumを打ち上げるのはこれが4回目のミッションだ。これまで高い実績を上げてきたFalcon 9が今回も打ち上げロケットとして用いられた。2017年1月のIridiumミッションは、実は2016年9月に発射台上でFacon 9が爆発した事故でFacebookのインターネット通信衛星を失うという.悲劇の後の最初の発射だった。

SpaceXはカリフォルニア州ヴァンデンバーグズ空軍基地から打ち上げられた。今回のミッションにはブースターの回収は含まれていなかった。打ち上げが日没前後だったためロサンゼルス周辺では息を呑むようなスペクタクルとなった。大勢の住民がTwitterに動画や静止画をアップした。UFOではないかと驚いた人々もいたようだ。

Iridium NEXTネットワークの目的は世界中あらゆる場所を飛ぶ航空機に常時接続を提供することで、このテクノロジーはまた世界中の船を常にネットワークで結ぶことができるようになる。

SpaceXには次の大きなチャレンジが迫っている。2018年1月に巨大なFalcon Heavyロケットの最初のテスト発射が行われる予定だ。Falcon Heavyは現在ケープカナベラル空軍基地の施設で最終調整が進行中だ。最初のペイロードはイーロン・マスクの愛車のチェリーレッドのTesla Roadsterだという

〔日本版〕Falcon 9の打ち上げとほぼ同時刻に日本のJAXAもH-2Aロケットによる科学衛星2基の打ち上げに成功している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、謎の衛星Zuma打ち上げへ――11/17 10:00AM(JST) ライブ中継

SpaceXは今日(米国時間11/16)、特殊なペイロードを搭載したFalcon 9を発射する予定だ。打ち上げに適した、いわゆる「ウィンドウ」が開くのは東部時間で今日の午後8時で、およそ2時間開いている。発射はフロリダのNASAのケネディ宇宙センターで行われ、SpaceXはファルコン9ロケットのブースターをケープカナベラルのLZ-1ランディングパッドに回収する予定だ。ただし今回のミッションのいちばん興味ある点は、"Zuma"と名付けられたペイロードそのものだろう。この謎の衛星についてはまったくといっていいほど情報がない。

SpaceXが発表したミッション概要にはペイロードがZumaだという以外、一切言及がない。その存在が発表されたのも法規で必要とされる書類中だけだ。われわれの理解するところでは軍需企業のノースロップ・グラマンがアメリカ政府の代理としてZumaの搭載を仲介したもののようだ。

ノースロップ・グラマンの公式声明によれば、ペイロードは「機密」だそうだ。我々が知っているのはZumaという名称と打ち上げは低軌道に対して行われるということだけだ。これだけ秘密なペイロードであれば、Falcon 9の飛行を追跡するライブビデオ中継はペイロードの分離の段階で打ち切られるだろう。ともあれFalcon 9の発射と着陸のもようはライブ映像を見ることができる。

SpaceXは打ち上げウィンドウが開く15分前からライブ中継を開始するはずだ。YouTubeはこの記事のトップにエンベッドしてある。

〔日本版〕現在YouTubeには「5時間後にライブ配信開始 11月17日10:00」と表示されている。

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SpaceX、Falcon 9で韓国の通信衛星打ち上げに成功――ブースターも洋上回収

さきほどSpaceXは今年に入って16回目のFalcon 9による衛星打ち上げに成功した。顧客は韓国の衛星企業KT SATで、フロリダ州のNASAのケネディー・スペース・センターから発射された。ペイロードのKoreasat-5A衛星は静止軌道上からKT SATのユーザーにブロードバンド接続を提供する。

今回の打ち上げでもFalcon 9の1段目(ブースター)は大西洋上を航行するドローン艀、Of Course I Still Love Youの甲板に無事着陸した。

Space Xのブースター回収はこれで19回目の成功となる。最後の回収失敗以後、回収方法にも各種の改修が加えられたが、成功が連続し始めてすでにかなりの期間が経った。ブースター回収により衛星打ち上げのコストを劇的に低下させるというSpaceXの戦略にとって回収の成功が続くことには大きな意味がある。

〔日本版〕上のビデオは16分ごろから中継録画が始まる。Koreasat-5Aタレス・アレニア・スペースが製造した通信衛星で東アジアからペルシャ湾までの地域に衛星ブロードバンド接続を提供するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、イリジウム衛星10基の軌道投入に成功

今朝(米国時間10/9)、SpaceXはカリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地から今年14回目となるFalcon 9の打ち上げを行った。ペイロードは10基のイリジウム(Iridium)衛星で、SpaceXはすべての衛星が所定の軌道に投入されたことを確認した。今回の打ち上げはSpaceXによるイリジウム打ち上げの3回目のミッションで、Iridium NEXT衛星電話システムを完成させるためには合計8回の打ち上げが必要とされる。

SpaceXは今回もFalcon 9の一段目ロケットの回収に成功した。一段目は太平洋上のJust Read The Instructionsという船名の自動航行艀に着陸した。

今回のミッションの目的はもちろん衛星打ち上げであり、発射1時間後にSpaceXは10基の通話衛星がそれぞれ計画された軌道に乗ったことを発表した。

SpaceXはこのすぐ後、10月11日にもさらにFalcon 9の発射を予定している。これはEchoStarとSES共同の高出力通信衛星でフロリダ州のケネディー宇宙センターから打ち上げられる。このFalcon 9の第1段はすでに打ち上げに用いられ、回収された機体で、これまで再利用のための整備が行われていた。

〔日本版〕イリジウム衛星電話は日本ではKDDIが運用窓口となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、台湾の大型観測衛星打ち上げに成功――年間打ち上げ回数トップ、ブースターも洋上で回収

先ほどSpaceXは台湾国家宇宙センター(NSPO)の資源観測衛星の打ち上げに成功した。NSPOのFORMOSAT-5衛星を搭載したFalcon 9ロケットはカリフォルニアのバンデンハーク空軍基地の4E発射台から打ち上げられた。予定通り衛星を軌道に投入した後、ブースターは洋上の自動航行艀に無事着陸した。

これはSpaceXにとってこの12ヶ月で12回目の衛星打ち上げ成功だ。Facebookの通信衛星を搭載したFalcon 9が打ち上げ直前に発射台上で爆発するというきわめて痛い失敗を経験したのが昨年9月だということを考えれば驚くべき立ち直りといえる。1年間に12回の衛星軌道投入でSpaceXはライバルであるロシアの国営宇宙機関をわずかに抜いて打ち上げ成功回数でトップに立った。 さらにSpaceXはこの1年で回収整備したロケットの再打ち上げ、回収整備したDragon補給船の再利用にも成功している。

今日の打ち上げで2段目と分離した後、1段目ブースターはカリフォルニア沖の太平洋を航行するSpaceXのドローン艀に予定通り垂直着陸した。これにより2017年にSpaceXが回収したブースターは9基となった。SpaceXではこれまでの合計15基のブースター回収に成功している。

すでにSpaceXにとっては大成功の年となっているが、この11月にはFalcon Heavyの最初テストが予定されている。この大型ロケットの打ち上げに成功すればイーロン・マスクは宇宙にさらに大きく一歩を進めることになる。マスク自身は「Falcon Heavyの最初の打ち上げで予定どおり軌道投入に成功する可能性は低い」と慎重な態度だ。しかし無事に発射に成功すればそれだけでも大きな達成だろう。SpaceXは貴重なデータと経験を入手できる。やがてFalcon Heavyは大重量貨物や有人宇宙船の打ち上げに用いることができるようになるはずだ。

〔日本版〕SpaceXの打ち上げの録画はまもなく<a target="_blank" href="http://

“>こちらから視聴可能になるはず。ペイロードの衛星については台湾側の公式ビデオがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、ISS補給船12回目の打ち上げに成功――Falcon 9ロケットも回収

SpaceXは今回も衛星打ち上げとブースターロケット回収に成功した。ペイロードはDragon補給船で、国際宇宙ステーションに補給する約2.9トンの物資を積んでいる。CRS-12というミッション名のとおり、これはNASAとの契約によりSpaceXがISSに対する12回目の物資補給であり、また科学研究の観点からもっとも意義が大きいものとなった。

CRS-12のペイロードの75%は宇宙における科学実験のために資機材で、これはいままでのミッションの中でももっとも割合が高い。通常Dragon補給船のペイロードはISSで生活するクルーのための物資が大半を占めていた。しかし今回から来年にかけてステーション上の科学者による実験に比重が移されている。クルーの作業をさらに効率化するための拡張現実(AR)システムも搭載された。

Falcon 9はケープカナベラルのケネディー宇宙センターから今日(米国時間8/14)、東部時間12:31に打ち上げられ、予定どおりDragon補給船は軌道に投入された。
ISSとの会合は8月16日に予定されている。補給船はステーション側のCanadarm 2ロボット・アームで捕獲され、ステーションに接続される。1ヶ月後に補給船は1.4トン弱の物資を積んで地球に帰還し、太平洋に着水する予定だ。

科学実験の機材(有人火星旅行を助けるために設計されたスーパーコンピューターも含まれる)の他に、今回の打ち上げで重要な点は、今後SpaceXはCRS補給ミッションでDragonカプセルの再利用を続けると発表したことだろう。つまり新品のDragonが使われるのは当面これが最後となる。

今日の打ち上げではFalcon 9の1段目ブースターの回収も行われた。ブースターは打ち上げ後9分でケネディー宇宙センターの LZ-1着陸パッドに無事着陸した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、2週間で3度目の衛星打ち上げに成功――大型静止衛星のためブースターは使い捨て

SpaceXのFalcon 9の打ち上げは今日(米国時間7/5)も成功した。ケネディー宇宙センターのLC-39A発射台から打ち上げられたFalcon 9は2週間で3基目となった。6月23日と6月25日のミッションも完全な成功を収めている。

今回のペイロード、Intelsat 35eはボーイングがIntelsatのために製作した大型の静止衛星でブロードバンド接続とビデオ配信のために高速のスループットを実現している。カリブ海、ヨーロッパとアフリカの一部がカバー予定地域となる。

SpaceXは当初、日曜に打ち上げを予定していたが軽微な技術的理由で中止された。【略】月曜の打ち上げもエンジン点火の10秒前に中止された。原因はロケットのセンサーの読み出し値がデータベースの設定値と異なっていたためだが、その後ロケットにはまったく不具合がなかったことが確認された。

今日の打ち上げではブースターの回収は行われなかった。 衛星が5.9トンと巨大であり、静止軌道への投入が必要なためFalcon 9の打ち上げ能力の最大限に近かったためだ。そのため着陸脚や姿勢制御用のグリッドフィンなどは装着されていない。

SpaceXはこの月曜日、Dragon補給船の回収に成功している。6月上旬に打ち上げられ、Dragonは国際宇宙ステーションに物資を補給した後、.太平上に無事着水した。

打ち上げから30分後にIntelsat 35e衛星は静止遷移軌道に投入され、Falcon 9は任務を完了した。SpaceXは一段と成功の記録を伸ばしつつある。

〔日本版〕打ち上げの模様はこちらで中継録画を見ることができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、Falcon 9再利用による打ち上げコストは初回の「半分以下」

実際SpaceXはFalcon 9ロケットの再利用でいくら節約できたのか?それほどでもないと思うかもしれない。なにしろ今回のSES-10の打ち上げは彼らにとって初めてのロケット再利用だったのだから。しかし、SpaceXのプレジデント、Gwynne ShotwellはSpace Symposiumカンファレンスで、昨年の宇宙ステーション補給ミッションCRS-8で使用したFalcon 9ロケットの再生コストは、新品を作るのと比べて「半分よりはるかに少なかった」と言った。

これには回収したロケットを運用可能な状態にするために必要な多大な作業も含まれているとShotwellは言った。Space Newsが報じた。つまり、今後もコスト削減は進ばかりだという意味だ。SpaceXは今回の再生作業に「将来行うときよりもはるかに多くの力を注いだ」からだとShotwellはカンファレンスで言った。

しかし、だからといって現在SpaceXが請求している打ち上げ料金が大きく下がるとは限らない(現在会社が公表している費用は約6200万ドル)。以前Elon Muskは、これまで再利用可能ロケットの開発にかかった費用について話したことがあり、個々の打ち上げコストが下がったとしても開発費用は回収する必要がある。

さらにShotwellは、SpaceXが打ち上げに使ったペイロードフェアリングの回収も試みていると語った。これはロケットが宇宙に送り出すもの(衛星、補給物資等)すべてを、発射の際に受ける力や空力加熱から保護するためのハウジングだ。SpaceXはSES-10の打ち上げで2つの部分からなるフェアリングの一部を回収することに成功し、状態も極めて良好だった。フェアリング一つに600万ドルの費用がかかるため、これを再利用することでさらに打ち上げ費用を下げることができる。

SpaceX CEO Elon Muskは打ち上げ成功の後、会社の次の目標は、同じロケットを再打ち上げするまでの時間を24時間以内にすることだと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、中継切れのあのシーンを公開―Falcon 9ブースターがドローン艀に垂直着陸

SpaceXは衛星打ち上げミッションの一部始終を生中継で公開している。われわれも報じたとおり、前回のSES-10放送衛星打ち上げでは、回収したFalcon 9ブースターの再利用に成功し、さらに上の写真のように大西洋上のドローン艀への回収にも成功した。しかし SpaceXが公開していた生中継ビデオはブースターの大気圏再突入時にカメラの不具合でビデオの送信が途切れ、ドローン艀からの送信も中断してしまった。

Instagram Photo

艀からの中継も切れたのは衛星アップリンクを失ったからだという。しかしSpaceXではブースターの着陸の瞬間を艀上のカメラでローカルに記録していた。このほどその瞬間のビデオが公開された。

着陸は複数のアングルから記録されており、タッチダウンの瞬間にわずかにバウンドする(安定性のため)ところも捉えられている。この成功の意味は大きい。いくら強調しても強調しすぎることはない。ロケットの回収と再利用により衛星打ち上げコストを劇的に減少させるというpaceXのビジネスモデルそのものがが有効だと証明された瞬間だった。

〔日本版〕上のInstagramビデオは再生時に音が出るので注意。キャプションにある"Of Course I Still Love You"はSpaceXが運用する2隻のドローン艀の1隻の船名。もう1隻は"Just Read the Instructions"。どちらもSF作家、イアン・M・バンクスの作品名から。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+