GitHubのSponsors機能はオープンソースにお金で支援参加できる新たな寄付形式

GitHub(ギットハブ)は米国時間5月22日、オープンソースのデベロッパーに誰でも経済的な支援ができるツールSponsorsを立ち上げた。デベロッパーは自分のGitHubリポジトリにある「Sponsor me」ボタンを押し、オープンソースプロジェクトへの支援モデルを選ぶ。それはデベロッパーへの個人的な支援でもいいし、あるいはPatreonやTidelift、Ko-fi、Open Collectiveなどを利用するかたちでもいい。

GitHubの言うそのミッションは「オープンソースへの参加や構築の機会を拡張すること」だ。お金を出すことも参加と見なす。

一部のオープンソースデベロッパーは、金で人の仕事を左右されるのは嫌だとか言うだろう。それに、金のことなど考えずに自分にとって面白い、やりがいのあるプロジェクトをやっていたデベロッパーが、経済的な支援を得やすいプロジェクトに乗り換えたりすることがあるかもしれない。この件をGitHubに聞いてみたが、まだ確答は得られていない。

この支援事業はオープンソースのデベロッパーだけが対象だ。デベロッパーがこの制度に参加してから最初の1年は、GitHubと親会社のMicrosoft(マイクロソフト)も最大5000ドルを寄付する。さらに次の1年を過ぎるとGitHubは手数料を課金する。

支払いはGitHub自身がビジネスをしている国ならどこでも得られる。「そのチームに参加する機会を増やすことが中心的な目的だから、世界中のデベロッパーがこのツールを利用できるようにしたことを、誇らしく思う」と同社は言っている。

なお支援対象はコードとデベロッパーだけでなく、オープンソースへのいろんなコントリビューター、たとえばドキュメンテーションを書いたり、新人デベロッパーの指導やメンター役をしたりする人たちも含まれる。それらの人たちもGitHubのプロフィールがあれば、支援対象になる。

支援を受けやすくするためにGitHubは、「Community Contributors」と名付けた浮遊カードで、例えばあなたが使っているアプリケーションが依存しているコードを書いた人(デベロッパー)をハイライトする。

さて、コミュニティはこのSponsorsツールにどんな反応を示すだろうか。このアイデアは完全に新しいわけでもないし、すでにGitHubはBeerpayのような寄付アプリケーションを統合している。でもオープンソースがお金を得られる従来のルートは、プロジェクトに協賛するであろう企業に正社員またはパートタイムで就職することだった。

Sponsorsのほかに、GitHubは新しいセキュリティ機能をいくつか導入した。まず、今日買収を発表したDependabotは、プロジェクトがつねに最新のライブラリを使ってるようにするツールだ。GitHub Enterpriseは監査機能を改善して一般公開、またメンテナーはGitHubの中のプライベートスペースという機能のベータにアクセスできる。

これはハッカーに知られたくないセキュリティの話題などを議論できるスペースだ。トークンスキャンニングも一般公開された。これはデベロッパーがうっかり自分の認証情報を、Alibaba CloudやAmazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud、Mailgun、Slack、Stripe、などのサービスからリークするのを防ぐ。

GitHubのエンタープライズエディションも、パーミッションの細粒度化とその一般公開(脱ベータ)などいくつかのアップデートが行われた。Enterpriseアカウントも一般的に供用化、そして内部的リポジトリや組織のインサイトは今回ベータ入りした。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GitHub Enterpriseがアップデート、クラスタをサポート、デザインを一新

2b38e278-8c46-11e5-8a25-06aa80342ad1

コード管理ツールGitHubのオンプレミスバージョンGitHub Enterpriseが今日(米国時間2/9)、大型アップデートを行う。最近はしかし、このプロダクトの重要性をめぐって、GitHub内で経営陣のごたごたがあったばかりだ。

アップデートされたGitHub Enterprise 2.5の最大の目玉は、クラスタのサポートだ。企業はGitHub Enterpriseのサーバー群をクラスタとしてセットアップでき、それが単一のインストールのように動く。それにより、従来より相当大きなチームでもサポートできる。

GitHubのプロダクト担当VP Kakul Srivastavaはこう述べる: “GitHub Enterprise 2.5は、チームが大きくなって人数が増えても利用できる。顧客の中には、何万人ものデベロッパーを抱えてその全員が協働しなければならない企業もある。だからスケーラビリティの提供が、きわめて重要だ”。

さらに彼女は、GitHubのクラスタリング機能はエンタープライズのユーザーに新たなコストを発生させない、とも言った。

このニューバージョンでは、ログイン画面からGitHubリポジトリのルック&フィールに至るまで、インタフェイスが全面的に改良され、デザインも新しくなった。エンタープライズバージョンが通常のクラウドバージョンと肩を並べた、と言えそうだ。

また、gitをバージョン管理システムとして使わない場合の、サブバージョンのサポートも改良された。そして、保護ブランチを保護するためのAPIが提供された(そのブランチは削除もコードの強制プッシュもできない)。ただしこのAPIは、まだプレビューである。

Srivastavaにどうしても聞きたかったのは、最近のエンタープライズ顧客への注力によって社内がギクシャクしているという噂と、従来からのクラウドプラットホーム上のユーザーとの関係だ。

Srivastavaが書いてくれた返事では、GitHubは今、“新しい種類のエンタープライズ企業を作りつつあると思う。社内的にもまた顧客にとっても、それは、オープンソースかエンタープライズかという問題ではない。むしろ、オープンソースもエンタープライズも、だ。GitHubは、デベロッパーがコードを書くとき、どんなときでもお役に立ちたい。それは、個人的なプロジェクトでもよいし、オープンソースのコミュニティでもよい、そしてまた、銀行やリテイルや製造業など、大規模で本格的なエンタープライズの開発でもよい”。

全然、企業文化の変化に関するぼくの関心には答えていないが、でも企業としてのGitHubの将来が、コード管理ソフトウェアとしての、エンタープライズ顧客による採用の増加にかかっていることは、確実だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GitHubに特化したプロジェクト管理サービスZenHubがGitHub Enterpriseにも対応…GitHubとの“直接統合”が売り

hero-background

ZenHubはチームがGitHub上のプロジェクトを、Trello的なドラッグ&ドロップのタスクボードで管理するサービスで、GitHubのアカウントを持っていれば誰もが利用できる。しかし今日(米国時間8/8)からは、GitHub Enterpriseをオンプレミスで使っているユーザも、ZenHubを利用できるようになった。

ZenHubのこのエンタプライズバージョンは、GitHub Enterpriseと直接に統合するコラボレーションとプロジェクト管理のサービスで、すでにImgurやICON Health & Fitness、日本の旅行企業Ikyuなどの協力でベータテストを終えている。今ではNBC、Facebook、Sony、Microsoftなどもこのサービスのユーザだ。

ZenHubのファウンダAxiom Zenによると、今回の新サービスは“大企業がGitHubの利用を一箇所で集中管理できるためのもので、あちこちでプロジェクトごとにいろんなサードパーティツールを使っている状態を一掃する”、という。ZenHubはGitHubに特化され、GitHubのいろいろな機能を便利に使えるようになるので、チームの一日の労働時間が従来に比べて1時間半は減るそうだ。

GitHub、そしてGitは、今、企業による採用が急速に進んでいる。そのため企業向けのサービスも続々登場しており、たとえばwaffle.ioはGitHub Enterpriseにも対応し、MicrosoftやAtlassianにもGitのためのプロジェクト管理ツールがある。それらの中でZenHubが際立つのは、GitHub Enterpriseと直接に統合しているため、プロジェクト管理のためにまた別のツールを動かす必要がないことだ。

  1. zheshot2.png

  2. zheshot1.png

  3. zheshot3.png

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GitHub EnterpriseをこれからはAWS上で利用できる、企業の”クラウド慣れ”に対応

GitHub Enterpriseの最新バージョンでは、大企業がこのサービスの仮想マシンにアクセスして、スケーラビリティのきわめた高いGitHubのサービスをAmazonのクラウドコンピューティングプラットホーム上に立ち上げることができる。

7年前にローンチしたGitHubは、今ではクラウド上で自分のソースコードを開示提供/管理しようとする多くのデベロッパにとって、デファクトスタンダードになっている。しかし大企業は自分たちのコードが会社のファイアウォールの外にあるという状態に不安を感じるため、数年前にGitHubはサービスのオンプレミスバージョンを大企業向けにローンチした。

今日では、約10万名の技術者が毎日、自社(等)にインストールしたGitHub Enterpriseを毎日利用している。しかし企業がクラウドの快適さに慣れてくるにつれて、今度は、その自社専用のGitHubをAWSのようなパブリッククラウドに置いて展開管理したい、という欲求が生まれた。

GitHubのストラテジ担当VP Brian Dollによると、AmazonはヘルスケアサービスのHIPAAや合衆国政府のFEDRAMPなどの規格に準拠しているので、GitHubのコードをクラウドに移すことに不安はなかった。GitHubをAWSに載せるにあたっては若干の技術的課題はあったが、結果的に、企業ユーザにとってスケールしやすく可利用性の高いGitHubインスタンスを提供できた。

“うちでは、いつも言っている。そのうち、すべての企業がソフトウェア企業になるのだ、と”、とDollは言う。大企業のIT部門は保守的、と思いがちだが、でもGitHub Enterpriseを使うようなところは違う。“いちばん意外なのは、企業の中でクラウドをフルスケールで採用しようとしているのは、大企業中の大企業であることだ”、とDollは言う。

今日からAWS上で提供されるのはGitHub Enterprise 2.0で、その新しい機能等はAWSからホストされる/されないに関わらず同じだ。たとえば既存のシングルサインオン方式をそのまま使いたい企業は、LDAPやSAML互換のソリューションをそのために利用できる。また新たに導入されるセキュリティオーディットログによって、アドミンは個々のアカウントやチーム、それにリポジトリへのアクセスを経時的に監査できる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))