米国時間9月8日、データベースにアクセスするためのGraphQL APIを生成するオープンソースエンジンを提供しているHasuraが、シリーズBで2500万ドル(約26億5500万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはLightspeed Venture Partnersで、以前に投資していたVertex Ventures US、Nexus Venture Partners、Strive VC、SAP.iO Fundも参加した。
今回のラウンドは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大してから開始されたもので、同社がシリーズAで990万ドル(約10億円)を調達したと発表してから半年しか経っていない。Hasuraはこれで合計3560万ドル(約38億7500万円)を調達した。
Hasuraの共同創業者でCEOのTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏は筆者に対し「2020年に企業からの引き合いが急速に増えた。企業の顧客の成功のために、Hasuraのコミュニティと最近公開したクラウド製品への投資を加速しようと考えた。VCのインバウンドの関心を考えると、アクセルを踏み余裕をもって成長するための資金調達は理にかなっていた」と述べた。
Hasuraは同日、新たな資金調達に加え、MySQLデータベースに対応したことも発表した。これまで同社のサービスは、PostgreSQLデータベースにのみ対応していた。
ゴパル氏が筆者に対して述べた通り、MySQLのサポートはユーザーからのリクエストが最も多い機能だった。医療分野や金融サービス業など多くのユーザーがレガシーなシステムを使い、モダンなアプリケーションと接続しようとしている。そのためには、長く使われてきたMySQLが重要な役割を果たす。
MySQLに加えSQL Serverも新たにサポートするが、こちらはまだ早期アクセスの段階だ。
ゴパル氏は「MySQLとSQL Serverに関しては、医療や金融サービス、フィンテックのユーザーから多くのリクエストがあった。こうしたユーザーはオンラインのデータ、特にこの2種類のデータベースのデータをすでに大量に持っていて、アプリケーションをモダナイズしつつ新しい機能を構築して有効活用したいと考えている」と述べた。
Hasuraは今回の発表のわずか数カ月前に、企業向けにすでに提供していた有料のProサービスを補完するものとしてフルマネージドのクラウドサービスを公開したばかりだった(未訳記事)。
Lightspeed Venture PartnersのパートナーでHasura取締役のGaurav Gupta(ガウラブ・グプタ)氏は次のように述べている。「開発者がHasuraを採用し、GraphQLのアプローチでアプリケーションを構築していることに、たいへん感銘を受けている。特にReactのようなテクノロジーを使うフロントエンドの開発者にとっては、Hasuraを使えばアプリケーションをすべてのデータが保管されている既存のデータベースに簡単に接続でき、セキュリティやパフォーマンスの問題もない。Hasuraはクラウドネイティブのアプローチでアプリケーションを再プラットフォーム化する素晴らしい橋渡しとなるため、企業の開発者にとってもフロントエンドの開発者にとってもますます魅力的なものになるだろう」。
Hasuraは新たに調達した資金でさらに多くのデータベースをサポートし、さまざまなデータベースが加わることによる難しい技術的な課題やアプリケーションレベルのデータキャッシュシステムに取り組む計画だ。ゴパル氏は「市場獲得戦略とエンジニアリングを両輪として成長できるように企業づくりにもしっかりと投資し、こうした分野の上級職の社員を雇用している」と述べた。
画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)