Google、NvidiaのTesla V100 GPUをクラウドで提供開始

Google は今日(米国時間4/30)、Nvidiaの高性能GPU Tesla V100がCompute EngineおよびKubernetes Engineで利用可能になったことを発表した。現在はまだ公開ベータだが、GPU作業でGoogleの完全サポートを必要とする利用者には、やや性能の低いNvidia P100 GPUがベータを終え一般公開された。

V100 GPUは、今もNvidiaの高性能コンピューティングのラインアップの中で最も強力なチップだ。登場からしばらく時間がたっており、Googleはやや遅れた参入となった。AWSIBMはすでにV100を顧客に提供しており、Azureではプライベートプレビューを行っている。

GoogleはNvidiaのマルチGPUプロセッシングのための高速インターフェースであるNVLinkも使用していることを強調しているが、ライバル各社もすでにこれを使っていることは指摘しておくべきだろう。NVLinkはGPU-to-GPUのバンド幅を従来のPCIe接続より9倍速くすることで作業によっては40%性能が高くなるとGoogleは約束している。

もちろん性能のためにはお金が必要だ。V100の使用料は1時間につき2.48ドル、P100が1.46ドルだ(これは標準価格であり、Preemptible仮想マシンは半額で利用できる)。これ以外に通常の仮想マシンまたはコンテナを動かすための料金を払う必要がある。

現在V100マシンは、1 GPUまたは8 GPUの2種類の構成で利用可能で、将来は2または4 GPUの構成も加わる予定。P100には、1、2、または4GPUが用意されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ハイパフォーマンスコンピューティングのためのコンテナプラットホームSingularity ProをSylabsがローンチ

オープンソースのコンテナエンジンSingularityを抱える商用企業Sylabsが、最初の商用製品Singularity Proを今日(米国時間2/8)発表した。

Sylabsがローンチしたのは2015年で、同社は科学計算やハイパフォーマンスなコンピューティングに特化したコンテナプラットホーム作ることを志向した。この二つの分野は同社のファウンダーでCEOのGregory Kurtzerによると、これまでコンテナ化の動きから置き去りにされてきた(本誌TechCrunchのコンテナ入門記事がここにある)。

Dockerが、多くのデベロッパーが選ぶコンテナエンジンとして台頭してきたが、しかしKurtzerによると、コンテナを使用するソリューションの初期のものは、マイクロサービスにフォーカスしていた。それは必ずしも間違いではないが、それにより、サービスではなくジョブに依存するタイプのコンピューティング、とりわけハイパフォーマンスコンピューティングが取り残された。

Kurtzerは、オープンソースの落ちこぼれでは決してないが、これまで20年あまり、アメリカのエネルギー省の研究所で、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のアーキテクトとして仕事をしてきた。そしてそこで彼は、オープンソースのエンタープライズLinuxプロジェクトCentOSと、Warewulfに出会った。後者は、彼によると、もっとも多く利用されるステートレスなHPCクラスターのプロヴィジョナーになっている。

彼が視点をコンテナに向ける決心をしたのは、Sylabsを創業して2016年の4月にSingularityの最初のバージョンをローンチしたときだ。そのときすでに、それの商用バージョンを作る気でいた。彼はSingularityをHPC環境のためのDockerと見なし、自分の会社もDockerみたいに経営して、オープンソースのプロジェクトをリードし、さらにその上に商用ビジネスを築きたい、と考えた。Dockerがまさにそうしているように。

今ではKurtzerは、SingularityをHPCの商用市場だけでなく、エンタープライズにも持ち込み、人工知能や機械学習、ディープラーニング、高度なアナリティクスなど、そのほかのハイパフォーマンスコンピューティング的ワークロードにもフォーカスしていきたい、と考えている。

“これらのアプリケーションはデータ集約的なワークロードを背負っているから、HPC的なリソースを要求し、今後ますます多くの企業がデータ指向の経営をするようになると、そういうワークフローを適正にコンテナ化してサポートするニーズが大きく成長する”、と同社のエンタープライズプロダクトを発表するブログ記事でKurtzerは述べている。

Singularityは、得意とするワークロードのタイプは違っても、KubernetesMesosのようなコンテナオーケストレーションツールを有効に利用でき、また、MicrosoftのAzure Batchツールなどのクラウドツールとの互換性もある。

Kurtzerによると、現在のSylabsの社員は12名で、金額は非公開だがすでにシード資金を得ている。その投資家のRStorも、まだステルス状態のスタートアップだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa