IFA 2018のベスト新製品ピックアップ――Alexaルーター、8Kテレビ、3軸回転ゲーム座席など

ベルリンで開催中のIFAはコンシューマー・エレクトロニクス分野で世界的に有名なショーの一つだが、8月末から9月にかけてというタイミングにも大きな意味がある。多くのメーカーにとってIFAはクリスマス商戦に向けて主力製品を世界に披露するのに格好の舞台だ。

このところトレードショーとしてIFAの重要性が増しているのは主にこの理由だ。もっともSamsungやDJIといった巨大メーカーが新製品をIFAが開催される数週間前に発表してしまったため、この点では今年はやや盛り上がりに欠けたかもしれない。

しかしこのショーが面白いのはおかしなな製品が登場するからだ。 IFAはなぜか奇想天外なガジェットを引き寄せる傾向がある。今年もその例にもれなかった。以下ご紹介するのはもっとも重要な、もっとも優れた、もっとも奇妙な製品の例だ。

Alexaルーター

今年の大型トレードショーではいたるとこでスマートアシスタント製品が見られた。最新のトレンドはAlexa搭載ルーターだ。NetgearとHuaweiはルーターをスマートスピーカー化する。別にそんな必要ないと言うなかれ。どうせAlexaが家にあるならルーターにその機能があってもいい。両社の製品を比べると、家中にメッシュ・ネットワークを張り巡らせることができる点でNetgear版の方が説得力があった。

スーパーTV

消費者は隣人が持っているのより優れたテレビを買いたがる。テレビ・メーカーはこの傾向に大喜びで、ますます高精細度のテレビを開発してきた。今年のトレンドは8Kだ。まだメインストリームにはなっていない若いテクノロジーだし、8Kのコンテンツも少ない。しかしIFAのテレビはSamsung、LG、東芝、シャープ、その他、8K一色だった。

スマートフォン、スマートフォン

海外で発表されたスマートフォンの将来は運任せのところがある。アメリア市場への参入はハードルが高い。IFAでお披露目されたスマートフォンの多くはそもそもアメリカ市場にたどり着けないことが多い。とはいえ、今回のIFAでも各社からそれぞれ興味深いフラグシップモデルが発表された。いくつか代表的プロダクトを紹介してみよう。

  • ソニー Xperia XZ2:同社として初の6インチOLEDモデル。ソニーお得意のカメラと画像処理テクノロジーを搭載。
  • LG G7 One: Google Oneはもともと途上国向けのエントリーモデルだが、G7 Oneはフラグシップに近い高性能といういささか異色の製品だ。もっともスマートフォン分野ではLGは異色の製品を出すのを恐れていない。
  • HTC U12 Life:LGと同様、HTCのハンドセットも人目を奪う新機能よりコストパフォーマンスの良さを狙っている。U12はエントリーモデルの価格で中級機の性能が手に入る。

なんだかよくわからないがスゴイ

これがIFA名物の奇天烈な製品の代表だ。おそらく値段も高いはず。私が住んでいるニューヨークののアパートの部屋一杯になるサイズだ。しかし本格的なアーケード式フライトシミュレーターやカーレースを家で体験したいなら3軸で回転するAcer Predator Thronosは理想的なゲーム座席だろう。

その他

  • Lenovo Yoga Book C930:実用性はよくわからないが、興味を引く製品ではある。C930は Lenovoが伝統的なキーボードの代わりにeインクの電子ペーパーのタッチディスプレイを使おうとする努力の最新の例だ。
  • Polaroid OneStep+:おなじみのインスタントカメラの復活。いくつか新しい機能も含まれている。

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滑川海彦@Facebook
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Alexaの動作するデバイスは20,000種類超に拡大中

数値はベルリンで行われたIFAのプレス向け発表で明らかにされたものだ。今年はじめにアナウンスした際は、Alexaが稼働するデバイスは4,000種類とのことだった。そこから順調に伸びているということになるのだろう。

CNETが報じたAmazonエグゼクティブのDaniel Rauschの発言によれば、Alexaは何百万回も「ハッピー・バースデー」を歌い、1億回もジョークを披露したのだとのこと。

1億回というのはすごい数字だ。きっと1つや2つは面白いものもあったに違いない。

Alexaが動作する2万種類を超えるデバイスは、3,500超のブランドからリリースされているものだとのこと。

すなわち、Alexaが動作するデバイスのうち、Amazon純正のものはほんの一部に過ぎないということになる。まだまだEchoスピーカーにさほどのラインナップはないし、Fire TVやFireタブレットを入れてもまったく届かない。Amazonは当初よりAlexaのサードパーティーへの提供に力を入れていて、その方針が実ったものというわけだ。

Alexaのサードパーティー製品への組み込みは、ハードウェアメーカーとのパートナー契約や、ハードウェア系スタートアップに投資するAlexa Fundなどを通じて拡大されてきている。Alexaの利用シーンは、電話、サーモメーター、テレビ、車など拡大の一途をたどっている。やはりIFAで発表されたのだが、HuaweiおよびNetgearがホームルーターにAlexaを搭載している。

Googleも、やはりマニュファクチャーに対して自社アシスタントの採用を働きかけている。しかしいまのところは、Alexaほどの活発な動きを見せてはいないようだ。Googleの5月段階での発表によれば、Googleアシスタントが動作するデバイスの種類は5,000種類だとのことだ。ちなみに1月段階では1,500種類ということだった。

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(翻訳:Maeda, H

二社から発売のAlexaルーターは今や完成された製品のようだ

世の中には、必ず起きることがある。株価の変動、雷雨、金がないときにかぎって好きだったバンドが再編される。そして、Alexaだ。Amazonのスマートアシスタントは、徐々に、どんなスマートホームにも必ずあるものになりつつある。そのあとを、Googleが追っている。

こういうものには、ルーターが最上の組み合わせだろう。ルーターはネットに接続するための重要な部品だし、メッシュネットワークならそれは至るところにある。Alexaにルーターとの一人二役をやらせない手はないね。同じことを、HuaweiとNetgearも考えたようだ。Amazonも、喜んでそれを受け入れている。

両社はそのコンセプトの実装を、今週のIFAで披露した。HuaweiのAI Cubeは、全然キューブではないけれども、より単純明快だ。形がGoogle Homeに似ていることで目立つけれども、そのため空気清浄機Gladeにも似ている。4GのSIMカードでLTEをサポート、 2.4GHz帯と5GHz帯に対応している。

ルーターの下で服を着ているのが、Alexaが応答するための大きなスピーカーで、“音容積は400ミリリットル、アルミ製振動板”だ。“AI”は、Alexaの機能のことだろう。ルーターの特長は何も書かれていないが、速度性能は悪くない。

Netgearは、Orbi VoiceでHuaweiに差をつけている。人気製品にAlexaをつけて、メッシュルーターは家中に置いてWi-Fiの死角をなくすもの、という特徴を生かしている。Echo Dotを家中に置くような感じになるが、ネットワークのカバー率を高めるという余録がある。

Huaweiは価格を発表していないが、Netgearのは300ドルだ。どちらも、Alexaを置こうと思ってた人たちに、確かな付加価値感を与えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ゼンハイザー、完全ワイヤレスイヤホンをアナウンス――価格は300ドルなり

完全ワイヤレスのイヤホンがまだまだ珍しかった時代なら、「300ドル」という値段も「まあそんなものか」と受け入れられたかもしれない。しかし今やいまやありふれた存在になった。そんな時代に、あのAirPodsの倍の価格をすんなりと受け入れるのは難しい。

ただし。このデバイス(Momentum)を扱うのは、あのゼンハイザーだ。外見も満足のいくものであるし、スペック的にも素晴らしいものとなっている。ベルリンで行われたIFA 2018でアナウンスされたもので、ドライバーは7mmのダイナミック型で、AACおよびQualcomm aptX™をサポートし、高音質Bluetoothに対応している。

SiriおよびGoogle Assistantにも対応しており、操作はタッチインタフェースで行う。バッテリーでの動作時間は4時間で、充電ケースは12時間分のバッテリー容量となっている。ケースの表面はファブリックになっていて、Google Homeと親和性の高そうなデザインになっている。

299.95ドルの米国価格もまあ頷けるものだろうか。販売開始は11月中旬の予定となっている。

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(翻訳:Maeda, H