500 Startups 22期のスタートアップ36社一挙紹介――デモデーは10月24日

立ち上げ直後のスタートアップを支援、育成する500 Startupsの22回目のデモデーは10月24日に予定されている。36チームがこの22期のバッチに選ばれている。

500 Startupsではこのアクセラレーター・プログラムに参加するスタートアップは「グロースとマーケティングに関する総合的な支援が受けられる」としている。参加する各社はみなこの主張に沿ったものとなっている。業種は金融からデジタル・ヘルスまでさまざまだが、いずれも大きくスケールする可能性があり、かつそのためには有力な支援者を必要とするスタートアップだ。

ただし今回のデモデーはやや微妙なものになりそうだ。500 Startupsの顔だったデイブ・マクルーアが女性に対するセクハラを繰り返したことを認めて辞任した後だからだ。マクルーアはデモデーではいつも奇抜なコスチュームを身に着けて走り回っていることで知られていた。10月のデモデーにはマクルーアの姿はないはずだ―しかしある種の亡霊のようにつきまとうことになる。

しかしタイムマシンを作動させて現在のバッチに選ばれた36社を簡単に紹介しておこう(ABC順)。

Agentbong — アジア発のマーケットプレイスで、家庭における介護、家事補助などのサービスを希望する家庭と資格をもった信頼できる人材との間を仲介する

Botsociety — 会話的なインターフェイスをデザインしプレビューするためのプロトタイピング・ツール。

COR — 専門的サービスを提供する企業のプロジェクトを管理し、収益性を改善するためのプロジェクト・マネジメント・ソフト。

Core Labs — 資格情報、評判、口コミなどを総合して若い知識労働者を助ける「目的志向型」のマイクロ・ネットワーク作成サービス。

Cryptomover — 各種の暗号化デジタル通貨を総合したインデックスファンドを作成して投資家の安全性を向上させ煩雑な手間を省く。

curio.io — フィナンシャルタイムズ、ガーディアンなど一流媒体に掲載された優れた記事を注意深く選択し、プロが読み上げるキュレーション・サイト。

Cushion — ユーザーに代わって不当な手数料に対し銀行に抗議するボットを提供。

Elyse28 —ヘルスとウェルネスを維持するために一対一のアドバイスを提供する女性剥けブスクリプション・プログラム。

FalaFreud —モバイル・デバイスを通じて音声、テキストを通じて資格を有する専門家によろセラピーを受けられるブラジルのユーザー向けサブスクリプション・サービス(ポルトガル語)。

FreightRoll — ユーザーと信頼できる輸送会社、ドライバーとを仲介し、貨物輸送の手配を効率化するマーケットプレイス。

Fyodor Biotechnologies — 血液の代わりに数滴の尿を用いることで発熱の原因がマラリア感染であること非侵襲的に診断するテクノロジー。

Jones — 保険の適用を受ける際の煩雑なコンプライアンス・チェックを自動化して企業の負担を軽減する。

Judolaunch — ドイツ市場参入を目指す中小eコマース企業向けにグロースを助けるサービス。

LaborVoices — 実際に働く労働者の声により外注先企業の労働実態を明らかにしアパレル企業を守るサービス。

MailHaven — 郊外居住者が配線やWiFi接続の必要なしに安全に荷物や郵便の受取りができようになるスマート郵便受けと専用モバイルアプリのペア。

Mediation Online — ブラジルにおける企業と消費者との紛争を迅速、経済的、かつ強制力をもって仲裁するウェブ・サービス。

Mira — 新しいテクノロジーと機械学習にハイリスク・グループを生命保険に加入しやすくするサービス。

Mobile Forms — アフリカ企業の地域および国際的ビジネス展開をクラウドソーシングで助けるプラットフォーム。

Myndlift — 有資格セラピストの指導による「脳波トレーニング」でユーザーの集中力を増強する。

Next Play — 規模拡大可能な個人別メンターによる社員の能力開発プログラム。

Ohalo — 金融機関に対し、データの正当性確保やコンプライアンスを助けるブロックチェーン・ベースのデータ管理ツール。

OpenUp — オンライン、オフラインを総合して消費者行動における広告効果を測定する。

Payment24 — 企業における多数の車両の燃料消費、ガソリンスタンドへの支払処理を一括管理、不正請求を排除して効率性を高める。

Plum — ユーザーの金銭処理を自動化して貯蓄を助け不正請求を防ぐチャットボット。

Prodsmart — 工場におけるペーパーワークを追放し、スマートフォンを利用して製造過程の情報をリアルタイムで入手するトラッキング・システムをメーカー企業に提供する。

Public Goods — 健康によい家庭向け製品を手頃な価格でパッケージで提供する。

Rapa — 外国不動産を購入するアメリカ居住者に対して不動産抵当による新しい資金貸付の枠組み。

reDock — 大企業による複雑な提案募集に応募する専門知識企業がプロポーザルを作成するためにオンデマンドで 企業情報を発掘、カスタマイズするサービス。

Rever — 世界のバイク・ライダーがツーリングの体験や各種のノウハウを投稿、交換できるモバイルアプリ。

Sendoso — B2B企業が潜在顧客の注目を引きつけるためのメール、手書きメモ、ギフトなどのマーケティング・ツール一式を提供。

ShortPoint — コーディングの知識を必要とせずにOffice 365のような既存のコンテンツ・システムをを利用してイントラネットが簡単に作成、管理できるサブスクリプション・ベースのソフトウェア。

Sofy.ai — テスト、デプロイ、サポートなどソフトウェア・デベロッパーの時間を大量に食う反復的作業をインテリジェントかつ訓練可能なボットが代行する。

Texel — ユーザーの既存の行動、視聴データを分析し、VR/ARによるストリーミングの帯域幅を50%以上圧縮するテクノロジー。

TrueFace.Ai — プライバシーに注意を払う企業に対し顔認証システムをターンキー方式で提供する。

VCV — 求職者の履歴書や音声通話をAIを利用して自動的に予備審査し、面接のビデオ録画するなど企業の求人を効率化する求人用ボット。

WayPay — 中小企業向けオンライン支払いシステムを効率化し、地元または国際的企業のオンライン・システムと自動的に統合する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSのディープラーニングフレームワークMXNetがApacheソフトウェアの一員になる、対TensorFlow戦略の一環

Connecting lines, computer illustration.

Amazon Web Servicesの推奨ディープラーニングフレームワークMXNetが今日(米国時間1/30)、Apache Incubatorに加わった。このインキュベータに受け入れらることは、オープンソースのプロジェクトがApache Software Foundationの一員になるための第一歩だ。

Apache Software Foundationは、何千人ものデベロッパーによる、世界中のさまざまなオープンソースプロジェクトのメンテナンス努力を支えている。今後はMXNetも、Apche流儀の実績豊富なオープンソース方式を採用し、またApacheのコミュニティにアクセスできる利点も享受していく。

MXNetは、デベロッパーによるディープラーニングモデルの構築を助ける、今や数多いフレームワークの一つで、それらを使えることによってデベロッパーは、ユースケースごとに‘車輪を再発明’することを避けられる。さまざまな機械学習方式の中でもディープラーニングはとくに、大きなデータ集合からパターンを掘り出す処理に向いている。

それらの中でMXNetの差別化要因は、多様な言語に対応していることだ。デベロッパーはC++とPythonという主軸言語のほかに、R, Scala, MATLAB, JavaScriptなども使える。

MXNetのもうひとつの特長が、スケーラビリティだ。昨年Amazonがこのフレームワークの内部的利用と対外的推奨をを決めたとき、画像認識アルゴリズムを動かすGPUの数が多くなると、ほかのフレームワークに比べてスループットが良い(速い)、と言っていた。ただ速いだけでなく、MXNetは‘拡張効率’が良くて、GPUの台数増加率の85%の高いスループット向上が得られる、という。〔例: GPUの台数を2倍(200%)にすると、スループットは1.85倍に向上する。〕

しかしディープラーニングのフレームワークの中でMXNetは、ユーザー数の多さではGoogleのTensorFlowなどの後塵を拝している。AmazonがMXNetを推奨フレームワークにすることを決めたのは、デベロッパーたちの関心を高める意味もある。AWSはMXNetを機械学習コミュニティの人気者に育てるべく、コードとドキュメンテーションで尽力している。今回Apache Software Foundationの一員になったことも、この目標の実現に貢献するだろう。

Blue - TensorFlow, Yellow - Theano, Red - MXNet, Green - DL4J

青: TensorFlow, 黄色: Theano, 赤: MXNet, 緑: DL4J

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

合衆国エネルギー省がソーラーのソフトコスト低減のための起業企画を募集

このところ、アメリカの商用太陽光発電は、企業への政府補助と中国のメーカーとの厳しい競争で、価格が急落している。エネルギー省の育成事業SunShot Initiativeで、そのインキュベーション部門Catalystを担当しているVictor Kaneによると、2010年に比べて今ではほぼ50%低下しているという。この育成事業の主な目的は、ソーラー発電のコストを2020年までにそのほかの発電方法と互角にすることだ。

一般住宅等への据え付け費用では、いわゆる“ソフトコスト”が増加している。たとえば顧客獲得経費は、売価24000ドルの据え付けで2000-4000ドルを占める。そこでSunShotは、ソーラービジネスにおけるこれらの非効率を取り除くことに、取り組み始めた。

今年、SunShotのCatalystインキュベータは、消費者調査を行って、ソーラーエネルギーにおけるソフトコスト関連の問題を130件同定した。そしてそれにより、ソーラーを購入しようとする消費者が情報を見つけづらい、大規模な据え付けでは検査費用が高い、などの問題が浮き彫りになった。

5月には、ソーラ業界の外部からアイデアを募集する事業が行われ、起業家や技術者等に、ソフトコスト対策のアイデアやプランを素描する5分間のビデオの制作と提供を求めた。提出の締め切りは東部時間で11月7日11:59PMだから、今からでも間に合う。

締切後にはCatalystのチームと外部エキスパートによる審査が行われ、20件がNational Renewable Energy Laboratoryからのガイダンスと最大25000ドルまでの初期的立ち上げ/売り込み費用が提供される。それらの応募の多くはTopCoderにおける競争作品として作成提出され、ホビイストプログラマとプロのデベロッパが横並びでアプリケーションの実装を競える。SunShotの担当者たちは、こういう競争形式のほうが多くの人たちの参加意欲をそそる、と考えている。

2015年の5月に、20のチームは投資家たちに訴求するデモデーのために再び集まる。そして上位5チームがそれぞれ、自分のスタートアップを立ち上げるための資金として10万ドルを受け取る。SunShot InitiativeのディレクターMinh Leによると、エネルギー省の目標は、これらの勝者たちが、次はシリコンバレーの名門アクセラレータに‘本格入学’することだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))