Facebookはカメラを勝手に起動するiOSアプリのバグを認める

Facebookは、iOS用アプリでユーザーがフィードをスクロールするだけで、カメラが起動してしまうという明らかなバグに対する懸念の矢面に立たされている。

画像クレジット:Getty Images

Joshua Maddux(ジョシュア・マダックス)氏が、iPhone上のFacebookアプリの画面の録画をツイートしたのをきっかけに、週末のツイッターが炎上した。彼は、Facebookのフィードをスクロールしている最中に、カメラアプリがFacebookアプリのバックグラウンドで起動されていることに気付いた。

すでに数人のユーザーは、今月の初めごろから、このバグを発見していた。それを見て「ちょっと心配」と表現していた人もいた。

もっと悪い状況を想定した人もいる。セキュリティの脆弱性ユーザーデータの漏洩や、不注意による露出、といったFacebookの長い歴史を考えると、それも当然だろう。先週同社は、一部のデベロッパーが、1年以上にわたってFacebookのユーザーデータへのアクセス権を不適切に保持していたことを認めたばかりだった。

Guardian FirewallのCEOであるWill Strafach(ウィル・ストラファッチ)氏は、「無害のようだが気味の悪いバグ」と表現した。

このバグは、最新のiOS 13上でFacebookアプリを実行しているiPhoneユーザーにのみ影響し、アプリにカメラとマイクへのアクセスを許可している場合にだけ発生するようだ。またこのバグは、同アプリの「ストーリー」画面に関連したものと考えられている。その画面では、ユーザーが写真を撮れるよう、カメラを開くことがある。

シンプルな回避策としては、iOSの「設定」で、Facebookアプリに対するカメラとマイクのアクセスを無効にすること。Facebookのインテグリティの担当副社長であるGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は「バグのようです」とツイートし、同社としても調査中であることを明かした。TechCrunchがこの記事を公開した後、ようやく同社の広報担当者は、この問題が確かにバグであることを認めた。

「最近、Facebook iOSアプリのバージョン244が、誤ってランドスケープモードで起動してしまうことを発見しました」と広報担当者は説明した。「先週の11月8日にリリースしたv246で、この問題を修正する際に、ユーザーが写真をタップしたとき、ニュースフィードの隣りにあるカメラ画面にアプリが移動してしまうことがあるというバグを、誤って入れ込んでしまいました」。

「このバグが原因で、写真やビデオがアップロードされたという事実は確認できませんでした」と、その広報担当者は付け加えた。このバグに対する修正は、今日、Apple(アップル)に提出され、承認待ちとなっているという。

「Facebookへの信頼が地に落ちているので、ユーザーがそうしたバグを見つけたときも、疑わしきは罰せずという目では見られなくなっているのでしょう。何をか言わんや、ですね」と、ストラファッチ氏は述べた。

Facebookのコメントを受けて更新済み。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOS用WordPressアプリのバグによりアカウントトークンが第三者に漏洩

WordPressは、あるiOSのバグを修正したと発表した。そのバグとは誤ってアカウントトークンを第三者のサイトに公開してしまうというものだ。

同社から顧客への電子メールの中で(TechCrunchも内容を確認した)、このコンテンツマネジメント大手企業は「iOS向けWordPressアプリケーションに、セキュリティ認証情報を扱う方法上の問題があったことを発見した」と語っている。同社は「予防策として」影響を受けたアカウントのアカウントトークンをリセットした。

同社のAndroidアプリは影響を受けておらず、また自前でインストールしたWordPressホストも影響を受けていない。

問題のアプリが誤って秘密のアカウントトークンを第三者に送信する場合があったのだ。なおユーザー名やパスワードは含まれていなかった。

アカウントトークンとは、毎回パスワードを入力しなくてもアプリやサービスにログインした状態を維持できるようにするための、小さなデータである。もしこれが漏洩したり盗まれたりした場合、そのアカウントトークンを使えば、パスワードを必要とせずに、誰でも対応するアカウントへアクセスすることが可能になる。

WordPressの親会社であるAutomatticに問い合わせたところ、さらに追加の説明を手に入れることができた。簡単に言えば、このバグは、外部のサイトで画像をホスティングしているWordPress.comプライベートアカウントから、画像が取り出される方法の中で発見された。例えば、WordPress.comサイトのあるプライベートに、Flickrでホストされている画像の投稿またはページがある場合、画像の取得に際してアプリはWordPress.comアカウントトークンをFlickrに送信する。

これは意図された動作ではない。これが意味することは、アカウントトークンが第三者の企業のログに残る可能性があるということであり、悪意ある者がWordPress.comのアカウントを狙う可能性があるということだ。とは言え、アカウントへのリスクは最小限であり、ユーザーは過度に心配するべきではない。

プライベートサイトを使うすべてのWordPress iOSユーザーに対しては、アカウントトークンがリセットされた。つまりパスワードを変更する必要はない。

TechCrunch宛ての電子メールでAutomatticの広報担当者は次のように述べている。「最初に影響を受けたバージョンは2017年1月にリリースされたものでした。2019年3月15日にリリースされたバージョン11.9.1ではこの問題が解決されています」。

WordPressは何人の顧客が影響を受けたのかをすぐには回答しなかったが、モバイルインサイト企業のSensor Towerは、アプリは2012年以来iOSで930万回インストールされ、昨年は約130万回インストールされたと電子メールで回答してきた。

ユーザーはできるだけ早く自分のアプリを更新する必要がある。

We found a massive spam operation — and sunk its server

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:sako)

NetflixのiOSアプリが、App Storeの売上トップランキングで第1位を獲得

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1年以上前、NetflixはiOSアプリから直接の会員登録ができるオプションを導入した。それにより同社は、ストリーミングサービスの会員数を伸ばすことに成功し、App Storeの「売上トップ」ランキングに仲間入りすることができた。Netflixのアプリが売上トップ・ランキングに初めて姿を表したのは、昨年11月のことだ。当時の順位は9位だった。そして今日、Netflixはもう1つの偉業を成し遂げた。Netflixアプリが米国App Storeの売上No.1アプリとなったのだ

同アプリが売上No.1となったことに最初に気づいたのは、アプリ調査会社のSensor Towerだ。彼らはNetflixが昨年秋にアプリ内からの会員登録オプションを追加して以降、同アプリの動向を追っていた。Sensor Towerが発行したレポートによれば、アプリ内会員登録が可能となって以降、当時は5万ドル程度だったNetflixアプリの週次売上高は、現在では290万ドルにまで増加しているという。

またSonsor Towerは、Netflixアプリがこれまでにも売上トップ・ランキング第1位の座に近づいていた時期もあると話す。2016年11月14日、同アプリはそれまでの最高記録である第2位にランクインしている。これを言っても仕方がないかもしれないが、Sensor Towerのライバル会社であるApp Annieでは、Netflixが第2位に到達したことを記録しておらず、彼らの記録では、2016年11月8日に同アプリが売上トップ・ランキングの第3位となった時が同社の最高記録ということになっている。

この矛盾は、この2社のアプリデータの記録の仕方の違いによるものだが、どちらにしろ、この2つの調査会社によってNetflixアプリがランキング第1位を達成したと認められたのは、今回が初めてのことだ。

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Netflixがランキングで第1位を達成できたことは、彼らにとって非常に意味のあることだ。飽和状態に近づいているとささやかれる米国市場において、同社が顧客ベースを順調に伸ばせていることを表しているからだ。Netflixの第3四半期決算を見ると分かるように、彼らは米国市場の成長鈍化をすでに乗り越えている ― オリジナル・コンテンツを充実させたことが、この成長に寄与したと言われている。

「Fuller House」や「Gilmore Girls」など、視聴者を懐かしくさせるようなオリジナル・コンテンツもあるなかで(調査会社によれば、この2つの番組はそれぞれ、Netflixのオリジナル番組の人気ナンバー1とナンバー3だ)、Netflixはより幅広い視聴者から受け入れられるようなオリジナル・コンテンツも製作している。

その例として、多くの人々に受け入れられた政治ドラマの「House of Cards」や、SFシリーズの「Stranger Things」、コメディーの「Unbreakable Kimmy Schmidt」や「Orange is the New Black」、麻薬捜査官を主人公にしたドキュメンタリー・ドラマの「Narcos」、マーベル・コミックに登場するキャラクターが主人公の「Daredevil」、「Jessica Jones」、「Luke Cage」などが挙げられるだろう。

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Netflixがストリーミング・サービスであることの利点とは、シリーズを継続するために毎回視聴率の高いコンテンツを生み出さなければならないテレビ局とは違い、Netflixではすべての番組が大ウケする必要はないということだ。その代わりに彼らはニッチな視聴者の要望に答えることができ、それが結局は同社の利益拡大につながるのだ。

Netflixは今後もオリジナル・コンテンツを強化して、新しい顧客の獲得を目指していく ― 2017年は今年に比べ、コンテンツの長さにして2倍以上のオリジナル・コンテンツを製作する見通しだ。同社は現地時間5日、トークショーなどの台本のないオリジナル番組を来年に20本以上製作することを発表している。

Netflixが米国のApp Storeで売上トップ・ランキングの第1位を達成したのは今回が初めてだが、外国ではすでにランキング1位を獲得している市場もある。NetflixのiOSアプリは現在、インド、メキシコ、コロンビアの売上トップ・ランキングで第1位を獲得している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter