ゲームのスタープレーヤーたちによるライブストリーミングをメディアコンテンツととらえるKamcordが、日本韓国を皮切りにグローバル進出を開始

screenshot-2015-11-20-11-17-38

モバイルで自分のゲームプレイを録画したりストリーミングできる、という合衆国のサービスKamcordは、1年近く前に1500万ドルを調達してアジア市場の開拓に着手したが、ついに今日(米国時間11/19)、日本と韓国でそのサービスを開始した。

Y Combinatorを2012年に卒業したKamcordは、この二か国の人気上位のゲームストリーマーの多くと組んで、両国におけるライブストリーミングサービスを立ち上げた。

同社のライブストリーミングは合衆国でも、始まったのはやっと今年の夏だ。スタープレーヤーのデバイス上で行われていることをリアルタイムでブロードキャストすると、ファンたちが自分のモバイルやWeb上でそれを見て楽しむ。合衆国でKamcordはスター級のプレーヤーをたくさん囲い込み、サービスの立ち上げを飾った。たとえばClash Of Clansが得意なChief Patは、YouTube上の視聴会員が140万人もいる。日本(明日ローンチ)や韓国(今日ローンチ)でも、やり方は同じだ。

Kamcordの協同ファウンダAditya Rathnamによると、韓国での立ち上げ記念に参加したライブストリーマーたちは100万名あまりの視聴を稼いだ。スターたちの代表格がMinecraftをプレイするDottyだ。日本では参加ストリーマーたちの、YouTube等におけるファンの累計が60万だ。

kamcord

“合衆国と同じく、パートナーたちはライブストリーミングのできるデスティネーションを求めている。Twitchを試してみたが、だめだった、という人が多い”、とRathnamは言っている。

合衆国でもライブストリーミングは始めてまだ4か月だが、すでに手応えは十分だそうだ。

だいたい一人のユーザがストリーミングを見る時間は平均20分ぐらいだが、これまでで一番人気のストリームは視聴者計が19万2000に達した。Kamcordの上位8名のパートナーの合計フォロワー数は、これまでの計で30万、Clash of ClansをプレイするGaladonは、Kamcordのフォロワー数(64000)の方がTwitch(22000)よりも多い。

東京のオフィスには5名、ソウルには2名の社員を置くが、Rathnamによれば、これは世界進出のほんの端緒にすぎないという。まだ当面は、合衆国が主力になりそうだ。

“でもポテンシャルは、世界の方が大きいからね”、と彼は語る。“言語はまだ英語だけなのに、すでに英語以外の国からのダウンロードがとても多い。ライバルたちの多くがまだ国際市場にあまり手を出していないから、そのことを好機と捉えて、各国の高品質なローカルコンテンツをどんどん出していきたい”。

Rathnamによると今同社は、合衆国、日本、韓国に次ぐ第四の市場を模索中だ。

“たぶん、中国かまたは、ヨーロッパのどこかだろうね”、とRathnamは言うが、まだ現時点では決まっていない。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

スマホゲーム動画録画のKamcordがニコニコ動画と連携、今夏をめどにローカライズも

スマートフォンゲームの動画録画ソリューションを手がけるKamcord。2014年10月に日本に拠点を設置し、ディー・エヌ・エー(DeNA)やガンホー、KLabなどから資金を調達して本格的な日本展開を開始していた。そんな同社が2月12日にはドワンゴとの提携を実施した。今後Kamcordで録画した動画をニコニコ動画に共有することが可能になる。

Kamcordは、iOSおよびAndroidアプリゲーム向けの動画録画ソリューション。SDKを導入したゲームアプリでは、ユーザーは自身のゲームプレイ動画を録画して共有できる。これまで米国を中心にして480タイトルにSDKを導入。シェアされた動画は3300万件以上になるという。

米TechCrunchの記事にもあるが、Unityに併合されたApplifierをはじめ、Kamcordの競合にもなるゲーム動画の共有ソリューションは多い。日本ではカヤックのLobiなどがその競合にあたる。実際に、ミクシィのゲーム「モンスターストライク」などは、英語版ではKamcordを採用するが、日本語版ではLobiを導入している。

Kamcordでもこの点は意識しているそうで、今夏をめどにプロダクトのローカライズを進めており、今後は日本のデベロッパーとの連携をより強化していくとしている。


いよいよ儲かるビジネスになってきたゲームプレイ録画ビデオ、YC育ちのKamcordには日本のDeNAも投資

GoogleがTwitchを買収するかも、という噂は衰える気配がない。ゲームプレイをビデオに撮ることには、大きな市場があるからなのだ。2年前からは、モバイルのゲームにも2社ほど、同じコンセプトのスタートアップが活躍している。Y Combinator出身のKamcordは、その一つだ。彼らが作ったレイヤ…ビデオ撮影機能…をデベロッパが自分のゲームに組み込めば、ゲーマーたちは自分のプレイを簡単に記録して共有できる。5月の初めに710万ドルを調達したKamcordは、その後ビデオの共有数がそれまでの4倍に増えた。

CEOのAditya Rathnamによると、毎分、1時間ぶんのゲームプレイビデオがアップロードされているという。それは、YouTubeの1/100ぐらいのペースだ。これまでに記録したビデオの総本数は、約1400万である。これだけの量を扱っていながら、Kamcordの社員は17名しかいない。

彼曰く、“うちは今とてもいい位置につけている。なにしろものすごい成長ぶりだから”。

ビデオの量の急増を支えているのは、提携している人気ゲーム、Outfit7のTalking TomシリーズやStickmanのサッカーゲームの力も大きい。

同社の次の構想は、デベロッパのためのレイヤだけでなく、一般消費者のためのデスティネーションサイト/アプリを作ることだ。すでに、同社が作ったモバイルアプリを使えば、友だちや競争相手のゲームプレイビデオをウォッチできる。プレーヤーをフォローする、ほかのゲーマーからワザを教わる、ビデオのトレンドについてチャットする、などのソーシャルな機能も、そのアプリにはある。

Kamcordの競合他社は多い。たとえば最近ゲームエンジンのUnityに併合されたApplifierもその一つだ。

でもRathnamに言わせると、お互い製品哲学が違うそうだ。まず、Kamcordではユーザ登録が要らないし、広告ネットワークによるクロスプロモーション的な広告が、それほどしつこくない。Kamcordでは、ほかのいろんなゲームのビデオを、あんまり、見ろ見ろと言われないのだ。

Kamcordの投資家には、Translink Capital SV Angelのほかに、日本のDeNAや中国のInnovation Worksも含まれている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマホゲーム動画の録画共有を実現するKamcord、DeNAとKLabが出資して日本進出を支援

YouTubeのチャンネル登録数を見ると、実は「ゲーム」カテゴリの登録が7924万人と、音楽(8578万人)に次いで多いことに気付く。

その動画の中には、PCゲームから家庭用ゲーム機、モバイルゲームの攻略動画から解説動画まであるのだが、1つのジャンルとして、モバイルゲームのプレイ動画がアップされているのに気付く。そのモバイルゲームのプレイ動画を録画し、共有するという仕組みを提供するのが、Y Combinator出身の米Kamcordの「Kamcord」だ。

同社は、モバイルゲーム向けのSDKをゲーム開発者に提供している。このSDKを組み込んだゲームでは、ゲームのプレイ中にバックグラウンドで動画を録画。ゲーム終了後などにその内容を即座にKamcordのプラットフォームやソーシャルメディアに投稿できるようになっている。導入デベロッパーは160以上、導入ゲームは200以上、Kamcordを通じてネット上に投稿された動画数は、合計20億件に上るという。国内でも、バンダイナムコゲームズやコロプラをはじめとしたデベロッパーがすでに導入している。投稿された動画が視聴、共有されることは、新規ユーザーの獲得やリテンション(利用継続)といった観点で強力なツールとなる。

そんなKamcordが米国時間5月1日に、TransLink Capitalなどから合計710万ドルに上る資金調達を実施したことを明らかにした。その中には国内のディー・エヌ・エーKLab Venturesも含まれている。両者の出資額は非公開。

まだ具体的な取り組みは明らかにされていないが、DeNA、KLabの両社は今後、Kamcordの日本およびアジア進出をサポートしていくようだ。すでに両社で提供するモバイルゲームの一部にはSDKの導入が開始されているそうで、今後は検証のほか、国内デベロッパーへの導入を進めていくという。

実はKamcordの競合サービスである「Everyplay」を提供するフィンランドのApplifierが3月、Unity Technologiesに買収されたばかり。今後開発環境にUnityを選択した場合はEveryplayがバンドルされることになるが、KLab Venturesの楠田雄己氏は「KamcordがEveryplayの2倍のリテンションを記録した事例もある。バンドルされているから使うのではなく、クオリティが重要」としている。なおKamcordの収益化だが、当面は検討していないとのこと。「まずはデベロッパーに導入されないことには始まらない」(楠田氏)