eスポーツのコーチングアプリ「DOJO Madness」が600万ドルを調達

米国時間5日、オンラインゲーマー向けの分析/コーチングツールを開発するベルリンのDOJO Madnessが総額600万ドルを調達したと発表した。

これが本当にビジネスになるという「ばからしさ」はさておき(年老いた僕は、前々回のWorld of Warcraftの拡張パックがリリースされた頃にゲーミングを辞めた)、eスポーツビジネスは急速な成長を遂げている。僕たちの大統領に代わって言えば、このビジネスは「YUGE(トランプ流のhugeの発音)」だ。

今年、eスポーツの観戦者は世界中で4億人に達すると予測されており(これはアメリカの全人口より大きい数字だ)、熱狂的なファンからカジュアルな観戦者まで様々なタイプの人々がいる。しかも、DOJO Madnessが引用するNewzooの調査によれば、その数は今後3年で50%増加すると言われている。

今回の調達ラウンドをリードしたのは、米国の投資銀行The Raine Group傘下のRaine Venturesと、韓国のメッセージング・プラットフォームKakaoの投資部門であるK Cube Venturesだ。

既存投資家のMarch Capital、DN Capitalも本ラウンドに参加していて、今回調達した資金を含む累計調達金額は1275万ドルとなる。

Raine VenturesのBlair Ford氏は、「人気ゲームタイトルの学習曲線は非常に急なカーブを描きます。DOJOのプロダクトは、より良いゲーム体験とエンゲージメントをプレイヤーに与え、同時に、ゲーム配信会社にも大きな価値を与えるものです。豊かな経験と情熱を持ち合わせたDOJOと手を組むことができ、とても興奮する思いです」と語る。

DOJO MadnessはLeague of Legends、Overwatch、Dota2向けに自動化されたコーチングツールを提供している。それぞれのプロダクト名は、LOLSUMOOVERSUMODOTASUMOだ。また、同社はコーチング・マーケットプレイスのLeaguecoaching.ggを買収しており、プロフェッショナルゲーマー向けにトレーニングセッションも提供している。

これらプロダクトを見ても同社が合計1275万ドルを調達できたことを不思議に思っている読者に伝えておくと、彼らは大会に出場するチームやブロードキャスター向けにデータ分析ツールも提供している(対応ゲームはGlobal Offensive、League of Legends、Dota2)。

DOJO Madnessの創業は2014年。eスポーツのベテランでEsports LeagueのファウンダーでもあるJens Hilgers氏、Delivery Heroの共同創業者であるMarkus Fuhrmann氏、元Red Bull Mediaのデジタルマーケッターで自身のエージェンシーを立ち上げた経験をもつChristian Gruber氏の3名が創業者だ。

[原文]

(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Eスポーツのプレイスタイル分析ツールを提供するMobalyticsがシードラウンドで260万ドルを調達

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Disrupt SFのStartup Battlefieldで優勝したMobalyticsは、苦労の後にデータ分析を駆使したEスポーツのコーチングサービスを公開するまでにこぎつけた。すでに2万人のユーザーがベータ版の利用登録済みだ。

Disrupt SFが閉幕してから6週間が経過した本日、同社はシードラウンドで260万ドルを調達したことを発表した。この資金を利用して同社は人員の強化を目指し、ビジネスをグローバルに展開していく予定だ。本ラウンドにはAlmaz CapitalFounders FundGeneral CatalystGGV Capitalが参加しており、これが同社にとって初の外部調達となる。

Mobalyticsは今月末、世界中で大人気のPCゲーム「league of Legends」に対応したベータ版のローンチを予定している。まずは、ベータ版に登録済みのユーザーの中から先着で1万人に公開していく予定だ。

Mobalyticsでは、既存のAPIなどから得たデータを分析することで、プレイヤーが自分自身のプレイスタイルを理解するための情報を提供している。彼らはGamer Performance Index(GPI)と呼ばれる指標を利用し、ユーザーのプレイスタイル、強みや弱点などをまとめたスナップショットを提供しているのだ。これにより、ユーザーはみずからのプレイスタイルの改善すべき点を把握できるだけでなく、自分の能力に合った対戦相手を探したり、バランスのとれたチームの構成に役立てることができる。

同社は今後しばらくPCゲームに注力していく予定だと話しているものの、将来的にはコンソールゲームへの拡大も視野に入れているという。2017年初旬にはPC向けシューティングゲームの「Overwatch」にも対応する予定で、同社のGPIをシューティングゲーム向けに改良することで、ユーザーに射撃の正確性やスピードなどの情報を提供していく。Overwatch対応のベータ版の事前登録はすでに始まっている。

現状では、同社はプロダクトをより多くの初期ユーザーに届けることに集中している一方で、Eスポーツにおけるスキルを評価する指標としてGPIを業界標準の指標にするという、彼らにとってより大きな目標を達成するためにも前進を続けている。チームメイトのGPIをチェックすることで、そのプレイヤーのスキルを素早く把握し、頼れるチームメイトなのかどうか判断することができるのだ。

「現時点での最重要項目は、私たちのアルゴリズムが有用な情報を生み出し、プレイヤーのゲーム体験に価値を加えられることを証明していくことです。」とMobalyticsの共同創業者であるAmine Issaは語る。「GPIを見れば、プレイヤー自身のことが手に取るように分かるようにしたいと考えています。そうすることで初めて、プレイヤーたちは私たちのプラットフォームを信用し、ゲームをプレイする上でMobalyticsを信頼するようになるのです」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Twitchは、基本的にリーグオブレジェンドを見るためのサービス

【本稿のライターは Kyle Russell】
Googleは、事実上1種類のゲームをプレイする人々を見る観衆たちのために、10億ドルを払おうとしているのかもしれない。

Twitchで最も多く見られているゲームのランキングを見ると、明らかに際立ったフロントランナーがいる。それは League of Legends。絶大な人気を誇るオンラインマルチプレーヤーゲームで、1月時点のプレーヤー数は2700万人だ

どの瞬間をとっても、同サービス上のLeague of Legends視聴者数は10~20万人で、次によく見られているゲームの3~6倍に上る。

この視聴人数の規模を実感するために例を挙げると、Fox Newsをプライムタイムに見ている25~54歳の視聴者数は約20万人だ。TwitchでLeague of Legentsを見ている人数は、日中それを上回る ― そしてその内訳は殆どが価値ある若い男性層だ。

単一のゲームにそこまで依存することは脆弱性とも受け取れるが、事実はといえば、League of Legendほどパワフルなゲームはそもそも他に存在したことがない。

Counter-Strike、Quake、StartCraft等のゲームは、Eスポーツ分野を確立させたかもしれないが、League of Legendsは、毎月7000万人のプレーヤーを集め、昨年の推定売上は6.24億ドルだった。同ゲームのReddit内セクション3月中に2億ビュー以上をもたらし、同サイトのユーザーが〈入会時に自動的に登録される〉サブセクションの数々を上回っている。

これらの数字は、ハードコア・ゲーム業界にとっては天文学的だ。League of Legendsのライバルで、Half-LifeゲームシリーズSteamのビデオゲームストアやソーシャルプラットフォームを作った会社が運営するDota 2は、先月790万人のプレーヤーを集め、少額取引きによる昨年の売上は約8000万ドルだった。

GeekWireのTricia Duryeeは、Googleによる買収の話題が報じられた時、Twitchを「ビデオゲーム業界のESPN」と呼んだ。現在のところ、この表現はあまり意味をなさない ― Azubuなどのライバルは、何ら比較できるような実績を残していない。

Googleのリソースを得て、Twitchが主要ゲーム機に内蔵され、League of Legendsのプレーヤー基盤が飛躍的な伸びを続ければ ― 2012年末以来2倍以上に増えている ― Twitchがあらゆるプラットフォームのゲーマーにとって必須のサービスになる可能性もある。ESPNがテレビを見るあらゆるスポーツファンにとって必須であるように。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


新記録: League of Legends Season 3 Finalのビューワ数が3200万を達成, eスポーツがメジャーメディアに成長

若者たちのあいだで、対戦ゲーム(eスポーツとも呼ばれる)の人気が急騰している。今週は、世界最高の人気を誇るビデオゲームLeague of Legendsが、ロサンゼルスのStaples Centerが全席売り切れとなった最近のSeason 3のファイナルイベントにおいて、全世界のビューワ数3200万という記録を達成した。瞬間最大風速ならぬ瞬間最多同時ビューワは850万に達した。

比較してみると、10月に同じくロサンゼルスで行われたLeague of Legend Season 2のファイナルはビューワ数が820万となり、瞬間最多同時~~は110万だった。つまり、Leagueのオーディエンスは、二つのイベントの間にこれまでの1年分以上の増加を見たことになる。

なぜこのことが重要か? それは、Leagueのようなeスポーツが、人びとの、とくに若い男性層の、メディア消費パターンを変えつつあると思われるからだ。しかもこの層は、広告の最大のターゲットでもある。また、Xbox OneやPlaystation 4が出たことによってゲーム専用機の高機能化が進んでいる中で、依然としてPCゲームの人気が高いことを、あらためて認識させてくれる点でも、重要だ。

League of Legendsは5人対5人のチームゲームで、各人が100種類あまりの中から選んだ‘チャンピオン’を演じつつ戦う。チームの目的は敵の基地を破壊することだが、そのためにモンスターを使ったり、戦闘をしたり、あるいはプレイ中に得たゴールドで購入したアイテムを使ったりする。カラフルで楽しいとも言えるが、混沌のきわみでもあり、ゲームプレイはものすごく難しい。

eスポーツの人気急騰の原因は、アジアでテレビが取り上げたからだけではない。むしろ、ライブストリーミングのTwitchによって、あらゆるゲームのオーディエンスが一挙にグローバル化したことが大きい(まだときどき不具合はあるが)。SonyとMicrosoftがともに、この技術を自社の新鋭機に取り入れたのは、偶然ではない。

上で見た数字に対する疑問は、単純だ: 2014年のシーズンにLeagueはどれだけ大きくなるのだろう?

画像クレジット: LoLEsports

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))