Volvoが新型e-SUVに自律走行機能を搭載へ、LuminarやZenseactと提携

Volvo Cars(ボルボ・カーズ)は米国1月5日、ライダー企業のLuminar(ルミナー)および自律走行(AD)ソフトウェア子会社のZenseact(ゼンセアクト)と協力して、次世代の完全電気自動車にAD機能を導入するとCESで発表した。「Ride Pilot(ライドパイロット)」と命名したこの機能を、今年後半に公開予定の電動SUVにアドオン・サブスクリプションとして導入することを目指す。

Volvoによると、Ride PilotはVolvoが「監視なし」のAD機能と呼んでいるもので、車が自分で運転できるようになるため、乗車する人は「読書、執筆、仕事、社交などの二次的活動」を楽しむ時間がたっぷり取れるようになるという。Volvoが株式の過半数を保有するLuminarとZenseactは、少なくとも2021年3月からこうした機能の構築に取り組んでいて、両社は技術を組み合わせて、他の自動車メーカーに提供できる「全体的な自律走行車スタック」を構築する計画を共有していた。Nvidia(エヌビディア)のシステムオンチップが、Volvoの基幹計算システムを動かす。

Volvoは、自律走行機能を備えた商用車の市場投入に向けた戦略を策定した最新の自動車メーカーだ。Tesla(テスラ)は、誤解を招くような名前の「Autopilot(オートパイロット)」と「完全自動運転」ソフトウェアを世に送り出した。これらは、カメラとコンピュータービジョン技術のみに依存し、はっきりと確認できる車線内での自動操縦、交通状況認識クルーズコントロール、自動車線変更、自動駐車、車呼び出し、交通および停止信号制御といったタスクを処理できる高度な運転支援機能を提供するものだ。中国の自動車メーカーXpeng(エックスペン)も、ライダー、レーダー、カメラに依存し、ドライバーが設定したルートに基づいて地点から地点への自動運転を支援する次世代ADASである「Xpilot」を展開している。

Volvoのデジタルビジネス担当副社長Martin Kristensson(マーティン・クリステンソン)氏は、「Ride Pilotで重要なのは、実際に自動運転ができることです」とTechCrunchに語った。「ハンドルにずっと手を置いている必要はありません。前方を見る必要もありません。実際に車の中で朝食を食べたり、本を読んだり、映画を観たりでき、その間、車が勝手に運転します。私たちは、車が自動運転しているときに責任を負います。そういう意味で、今の市場にはない提案だと思います」

Ride Pilotが市場に出る前に、このソフトウェアは、多くの条件下で高速道路で安全に使用できる技術の検証を含む、厳格な検証およびテストプロトコルを受けるとVolvoは話す。当初、Ride Pilotは限られた運用設計領域で利用できるようになる予定だ。具体的には、 Volvoが検証した高速道路での低速走行に限定される。

カリフォルニア州の顧客が最初にRide Pilotを体験し、その後、他の市場に徐々に展開する予定だが、カリフォルニア州が自律走行試験に対して良好な規制環境にあること、晴天が多い気候、そして高速道路を利用する車が多いことを考えれば、これは理にかなっている。ロサンゼルスの通勤者は平均年119時間も渋滞に巻き込まれており、その時間をもっと有効に使えるとVolvoは考えている。

Volvoはカリフォルニア州の公道で車両をテストするための許可を確保する必要があるが、クリステンソン氏は、同社が「カリフォルニア州陸運局を含む関連規制機関と対話し、必要なすべての承認を確保している 」と話す。今のところ、同社はスウェーデンでZenseactとRide Pilotのテストを行っているだけだが、今年半ばまでにはカリフォルニアの公道でのテスト開始に必要な許可を得られる見込みだ。Volvoがこの技術を実際に商業展開するために必要となる規制は、業界が提供するものに対してまだ追いついていない。例えば、カリフォルニア州には現在、運転中のドライバーの電話使用を禁止する法律がある。これは、自動運転中にTwitterをスクロールしたり、電子メールに返信したりできるとうたってドライバーをRide Pilotに加入させるVolvoの計画にとって障害になるかもしれない。

TechCrunchの情報提供要請に対するカリフォルニア州自動車局からの回答は間に合わなかった。

Volvoは、Ride Pilotサブスク料金や、SUVがいくらで販売される可能性があるかについては情報共有しなかったが、クリステンソン氏によると2022年のVolvo XC90の価格とほぼ同じで、5万ドル(約580万円)程度からになるとのことだ。顧客がソフトウェアを追加するかどうかにかかわらず、車両にはADとADAS機能を実現するために必要なすべてのセンサーを搭載する。その中でも、LuminarのIrisライダーセンサーは、光る宝石のようにルーフトップに取り付けられるのではなく、よりシームレスに車両のルーフラインに統合されるようになっている。さらに、新型SUVには5つのレーダー、8つのカメラ、16の超音波センサーが搭載される予定だ。

「Volvoは、ハードウェアの標準化を決定しました。つまり、人々がRide Pilotをサブスクするかどうかにかかわらず、すべての車両がこのソフトウェアを起動することができ、また、監視して安全で起動できることを確認するために必要なデータを収集することができるハードウェアを備えます」とZenseactのCEO、Ödgärd Andersson(オッドガード・アンダーソン)氏はTechCrunchに語った。 「全ての車両に、急ブレーキや急ハンドルの操作をサポートするような、基本的な安全機能が標準装備されます。この新しいレベルの技術とライダーによって実際に全く新しいレベルに到達し、その上、より優れたセンシングと計算が可能になったため、運転中にアシストするクルーズ機能が新しいレベルに到達したのです」

テスラのFSDと同様に、継続的に冗長性を確保するために、新しい市場のユーザーと既存のユーザーの両方に、ソフトウェアそのものとアップデートを無線で送信することができる。

Volvoは今後展開する電動SUVのデザインの詳細をまだ明らかにしていないが、フラットフロア、ガラス天井、後ろヒンジのスイング式後部ドアを備えたクロスオーバーに少し似ている、7月に公開したコンセプトEV「 “Concept Recharge(コンセプト・リチャージ)」は「実際の車がどのように見えるかをよく示しています」とクリステンソン氏は述べた。Volvoは、EVバッテリーを製造するNorthvolt(ノースボルト)、Google(グーグル)、Luminarといった企業と提携し、このEVや将来の車両を作る。

CESの期間中、Volvoは、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragonデジタルコックピットインフォテインメントセンターを新しい電動SUVに実装する計画も明らかにした。また、Volvoは1月5日にGoogleとの提携の詳細も発表した。Googleアシスタント対応デバイスとの統合により、ユーザーはGoogleに車のウォームアップを頼んだり、YouTubeを車にダウンロードしたりすることができるようになる。

「電気自動車の充電を待っている間、あるいは自律走行車内で運転というより乗ってくつろいでいる状況で、ドライバーが運転以外の時間を車内で過ごすことが増えるとみています。ですので、車内でもっとデジタルサービスを可能にしたいのです」とクリステンソン氏は述べた。

Volvoが戦略的パートナーシップを通じて構築している一連のデジタルサービスは、同社がサブスクリプションモデルを構築し、顧客がこれらの新製品とどのように接したがっているかを学ぶ機会を与える。

デジタル・コンシューマー・プロダクト責任者のAnne-Mette Nygaard(アンネ・メッテ・ナイガード)氏はTechCrunchに次のように語った。「来年には、前もって購入するのではなく、実際にサブスクできるサービスや体験が消費者に提供されるでしょう。ですから、より柔軟なオーナーシップ、そして消費者への透明性を高めることが進むべき道なのです」。

画像クレジット: Volvo Cars

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

高速道路用自動運転技術を自動車メーカーに販売するためLuminarとボルボ子会社が提携

高速道路用の自動運転システムを開発し、最終的には自動車メーカーに販売することを目指しているLuminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)は、Volvo Cars(ボルボ・カーズ)との関係を深めることになった。米国時間3月11日に発表されたこのパートナーシップは、Luminarとボルボの自動運転ソフトウェア開発子会社であるZenseact(ゼンセアクト)の間で結ばれたものだ。

Luminarの創業者でCEOを務めるAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は、両社の技術を組み合わせて、市販車向けの「ホリスティック(全体論的)な自動運転車スタック」を開発すると述べている。ボルボはその最初の顧客となる。ラッセル氏とZenseactのCEOであるÖdgärd Andersson(オッドガード・アンダーソン)氏は11日、このシステムを他の自動車メーカーにも提供する予定だと述べた。

LuminarとZenseactが、高速道路における自動運転をどのように定義しているかは注目に値する。両社が開発しているシステムは、高速道路上でドライバーが手と目を運転から完全に離すことができるというレベルのもの。つまり、人間のドライバーは運転を代わる事態を想定することなく、運転から完全に開放されるということである。このレベルの自動運転と人間のドライバーによる手動運転の切り替えは、これまで自動車メーカーを悩ませてきた厄介な問題だ。

「これは今後2〜3年の間に解決されるでしょう。そしてボルボを皮切りに、実際にお客様が購入できる車両に搭載され、その後も拡大していく見込みです。それが我々の特色です」と、ラッセル氏は今回の発表に関するウェビナーの中で語った。

他の自動車メーカーに供給されるスタックは「Sentinel(センチネル)」と呼ばれ、Zenseactの自動運転ソフトウェアソリューション「OnePilot(ワンパイロット)」と、LuminarのLiDARユニット「Iris(アイリス)」、そして検知ソフトウェアやその他のコンポーネントが、基盤として統合されたものになる。

Zenseactによると、このシステムは高速道路上の自動運転走行に対応できるように設計されており、積極的に衝突を回避する多数の安全機能を装備し、事故率を最大で7分の1に低減することができるという。また、このSentinelの製品には、無線でアップデートできる(Over-the-Air)機能も備わっており、時間の経過とともに自動運転の動作領域を拡大し、自動車の安全性をさらに向上させることができると、両社は述べている。

Zenseactという社名は聞き慣れないかもしれないが、同社の550人のチームは長年にわたってADAS(先進運転支援システム)とソフトウェアに取り組んできた。ボルボはVeoneer(ヴィオニア)との合弁事業を終了した後、Zenseactを設立した。

自動運転産業の多くがロボットタクシーのような用途に焦点を当てているのに対し、LuminarとZenseactは、量産車にシステムを提供することに注力していると、両社は述べている。多くの自動車メーカーやハイテク企業が、LiDARセンサーは自動運転車を安全に展開するために不可欠な技術であると考えている。だが、ロボットタクシーの商業化実現までかかる時間が長くなるにつれて、自動車メーカーは、もっと近い将来に量産車に搭載する技術の開発に舵を切っている。

「自動運転技術の目的は、事故を減らし、命を救うことにあります。今回の提携により、私たちは自動運転技術をより広く普及させ、より大きなインパクトを与えることも可能になります」と、アンダーソン氏は声明で述べている。

今回の発表の約10カ月前に、ボルボはLuminar製のLiDARと検知技術を搭載した車両の生産を2022年に開始し、高速道路用の自動運転システムを展開すると発表した。ボルボは、この自動運転システムについて全責任を負うと述べている。

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タグ:Luminar TechnologiesVolvo Cars自動運転LiDAR

画像クレジット:Luminar

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

MobileyeがLuminarと契約、2022年の無人タクシー実現に向けLiDARを供給

センサーの開発を手がけるスタートアップで、上場企業入りを目指すLuminarは、Intel(インテル)の子会社であるMobileyeに自律走行車用のLiDARを供給するサプライヤー契約を締結した。

米国時間11月20日に発表されたこの契約は、長い間自動車業界を支配してきた企業と組み合わされることで期待の星となりそうだ。

このサプライヤー契約は、Mobileyeの中心事業であるコンピューターによる視覚イメージ処理技術の規模とはほど遠いものの、いくつかの試験プログラムを超えて拡大が見込める重要なコラボレーションだ。LuminarとMobileyeは、約2年前から開発契約を結んでいる。今回の新たな契約は、両社にとって次の重要なステップを示すものだ。

Mobileyeのカメラを使ったセンサーは、ほとんどの自動車メーカーが先進的な運転支援システムをサポートするために使用している。現在、5400万台以上の車両がMobileyeの技術を搭載している。しかし、2017年に153億ドル(約1兆5900億円)でインテルに買収された同社は、ここ数年で手を広げ、いまや先進運転支援技術を超えて、自律走行車のシステム開発に向けて動き出している。2年前にMobileyeは視覚認識、センサー融合、REM(Road Experience Management)マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを発売する計画を発表した。

Mobileyeはそれ以来、自動運転の野心をさらに高めており、業界の一部では、単なるサプライヤーに留まらず、無人タクシー事業に乗り出すという予期せぬ方向に発展するのではないかとみられている。

LuminarとMobileyeの現時点では小規模な契約は、まだ生産契約に過ぎない。LuminarのLiDARは、Mobileyeの第1世代の無人運転車に搭載される予定で、ドバイ、テルアビブ、パリ、中国、韓国の大邱市で試験運転が行われている。Mobileyeの最終的な目標は、無人タクシー事業を拡大し、その自動運転スタック(AVシリーズソリューション)を他の企業に販売することである。MobileyeのAmmon Shashua(アンモン・シャシュア)最高経営責任者(CEO)は、同社が2022年に商業的な無人タクシーサービスを開始することを目標にしていると述べている。

「つまり、この生産契約は基本的に、2022年のサービス開始に向けてMobileyeの車両に装備を整え、同社のカメラソリューションと併用することで、安全性と余剰性を確保する力となるわけです」と、Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は最近のインタビューで語っている。

この「AVシリーズソリューション」の最初の用途は、Mobileyeが自社で所有する車両向けだが、ラッセル氏はその後の機会に興味を持っている。

「Mobileyeは、他のどんな民間の自動運転開発会社ともまったく異なる会社で、まったく異なる戦略を取っています」とラッセル氏は語る。「彼らは何千万もの製品を量産車に搭載しています。つまり、何かを量産するために何が必要なのかを知っているわけです。その波に乗り、量産車の分野に有利な立場として関わることができるというのは、私たちにとって特別な関心事でした」。

Luminarは他にも量産レベルの案件を獲得している。VOLVO(ボルボ)は5月、LuminarのLiDARと認識システムを搭載した自動車の量産を2022年に開始すると発表した。これらを使ってボルボは、高速道路用の自動運転システムを展開する。

いまのところ、LiDARはハードウェアパッケージの一部として、XC90から始まったボルボの第2世代の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ」をベースとする各車にオプションとして用意されている。ボルボはLuminarのLiDARをカメラ、レーダー、ソフトウェアそしてステアリングやブレーキ、バッテリー電力などの機能を制御するバックアップシステムと組み合わせ、高速道路における自動運転機能を実現する予定だ。

ダイムラーのトラック部門は2020年10月、人間が乗っていなくても高速道路をナビゲートできる自律型トラックを生産するための幅広いパートナーシップの一部として、Luminarに投資したと発表している。

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タグ:LuminarIntel自動運転LiDAR自動車ロボタクシー

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ダイムラーがLiDAR企業Luminarに投資、自動運転トラックの高速道路投入を推進

Daimler(ダイムラー)のトラック部門が、LiDAR(ライダー)の開発企業であるLuminar(ルミナー)に投資を行った。これは運転席に人間のドライバーを乗せることなく、高速道路を走行できる自動運転トラックを製造するための、より広範なパートナーシップの一環である。

この契約は、DaimlerとWaymo(ウェイモ)がトラックFreightliner Cascadia(フリートライナー・カスケディア)の自動運転バージョンを共同で開発する計画を発表(未訳記事)してからわずか数日後に公表された。これはロボタクシーや乗合車両を諦め、その代わりに自動運転技術がどのように貨物輸送に応用できるかに集中することにしたDaimlerによる、最新の動きである。

Daimlerによるこの非公開投資は、Luminarが特別目的買収会社(SPAC)であるGores Metropoulosとの合併の一環として調達した、1億7000万ドル(約177億8000万円)に加算される。Luminarは、2020年末に完了する見通しのGoresとの合併により上場企業となる。

Daimlerは、自動運転トラックの製品化を2本立てで目指している。同社は、「レベル4の自動化」が可能なトラックを開発するために社内で取り組んできた。この業界用語は、高速道路など特定の条件や環境において、人間が介入することなく、運転のあらゆる側面に対応できることを意味している。この取り組みが加速したのは、2019年春にDaimlerが、自動運転トラックスタートアップのTorc Robotics(トルク・ロボティクス)の過半の株式を取得してからのことだ。Torcはそれまで2年に渡ってLuminarと共同開発を行っていた。LiDAR(light detection and ranging radar)とは、レーザー光を使用して距離を測定し、車両の周囲の高精度な3Dマップを生成する仕組みだ。自動化された車両技術を安全かつ大規模に導入するための重要なハードウェアである。

この計画では、Torc Roboticsの自動運転システムとLuminarのセンサーをFreightliner Cascadiaトラックに統合し、同時に自動トラックを運用するためのオペレーションとネットワークセンターを構築する予定だ。Daimlerによると、Daimler TrucksとTorcの統合自動運転車両は、高速道路のハブからハブまでの適用、特に物流センター間の長距離で単調な輸送向けに設計される。

一方、Daimler Trucksは、Waymoが自動運転システムを統合できるように、冗長システムを備えカスタマイズされたFreightliner Cascadiaトラックシャーシも開発している。こちらの場合には、ソフトウェア開発はWaymo社内で行われる。Daimlerはシャーシ開発に集中するだけだ。

このデュアルアプローチは、量産型レベル4トラックを世界中の高速道路に投入するという、ダイムラーの野望を中心に据えることになる。またこの取引は、Luminar創業者のAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏の信念である最も商用車への可能性が高く道筋も短いものに集中し、利益の上がる会社を目指すという、Luminar社の戦略をよりはっきりと示すものだ、

ラッセル氏は最近のインタビューで「当社は、常に高速道路上での自動運転のユースケースを中心にしてきました。これは特に旅客用車両やトラックに当てはまります」と述べ、コスト効率の高い生産手段で量産化できる製品を提供することを目標としていると付け加えている。

Luminarはすでに、旅客用車両のユースケースを追い求める自動車メーカーとの契約を公表している。Volvo(ボルボ)は、Luminar社が開発したLiDARと知覚装置を搭載した車両を生産し、2022年から高速道路向けの自動運転システムを投入する予定だ。LuminarにとってDaimlerとの提携は2つ目のユースケースとなる。

「自動運転トラック輸送は、ロボットタクシーよりも大きく、おそらく近い将来には消費者向け車両と同等になる、信じられないほど価値あるビジネスモデルであると、私は絶対的に信じています」とラッセル氏は語る。

関連記事:LiDARスタートアップのLuminarが約3600億円のSPAC合併で株式公開へ

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タグ:DaimlerLiDARLuminar自動運転

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(翻訳:sako)

LiDARスタートアップのLuminarが約3600億円のSPAC合併で株式公開へ

何年にもわたってステルスで活動してきたあと、2017年4月に自動運転車の市場に華々しくデビュー(未訳記事)したLiDAR(ライダー、光を用いたリモートセンシング技術)スタートアップのLuminar(ルミナー)が、SPAC(特別目的買収企業)のGores Metropoulos(ゴアズ・メトロポウロス)と合併した。買収後の時価評価額は34億ドル(約3600億円)になると発表された。

NASDAQ取引所に上場しているGores Metropoulosは、1980年代後半にAlec Gores(アレック・ゴアーズ)氏が設立した世界的な投資会社であるThe Gores Grou(ザ・ゴアーズ・グループ)の関連会社が支援するSPACだ。

SPACを利用した合併は、Luminarが重要な節目を迎え、ボルボが2022年にLuminarとパーセプション・スタック(知覚システム)を搭載した自動車の生産を開始すると発表してからわずか3カ月後のことだ。Luminarの技術は、高速道路用の自動運転システムを展開するために使用される。

Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏はTechCrunchに対して「いつかは株式公開をしたい」と語っていた。「しかし、ボルボとの取引の勢いと公開市場での関心が同社をSPACルートに導いた」とラッセル氏は語った。

Luminarは今夏、従来のIPOプロセスの代わりにSPACを利用した最新のスタートアップ企業であり、2社目のLiDAR企業でもある。LiDAR企業としては、6月にVelodyne LiDARが市場価値18億ドル(約1900億円)でSPACであるGraf Industrial(グラフ・インダストリアル)と合併するための取引を行った。Canoo(カヌー)、Fisker (フィスカー) 、Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)、Nikola(ニコラ)の電気自動車のスタートアップ4社も、ここ数カ月で従来のIPOの道を避け、代わりにSPACとの合併契約を通じて株式を公開することを選択している。

LuminarはAlec Gores、Van Tuyl Companies、Peter Thiel、Volvo Cars Tech Fund、Crescent Cove、Moore Strategic Ventures、GoPro創業者のNick Woodman(ニック・ウッドマン)氏、VectoIQなどの機関投資家と、既存の主要な投資家の大半が参加することで、1億7000万ドル(約180億円)の株式公開投資(PIPE)を調達(Velodyne Lidarプレスリリース)できたと述べている。また、今回の取引には、Gores Metropoulosが保有していた約4億ドル(約423億円)の現金残高も含まれる。

買収が完了した後もLuminarは社名を維持し、Nasdaqにティッカーシンボル「LAZR」で上場する。この取引は2020年の第4四半期に完了する予定とのこと。ラッセル氏は引き続きCEOを務め、Tom Fennimore(トム・フェニモア)氏は引き続きCFOを務める。ゴアーズ氏は取引終了後、Luminarの取締役会に参加する。

ラッセル氏は声明で「この節目は、当社にとってだけでなく、より大きな自動車業界にとっても極めて重要なことです。8年前、私たちは技術的にも商業的にも実現可能な解決策はないと考えられていた問題に取り組みました。私たちは、この問題を解決するためにゼロから技術を構築し、世界の主要な自動車メーカーと直接提携して、その可能性を世界に示してきました。現在Luminarは、テクノロジーと自動車の分野で豊富な経験を持ち、Luminarを原動力とした安全な自律型の未来というビジョンを共有しているGores Metropoulosとの長期的なパートナーシップを通じて、次の飛躍を目指しています」と述べている。

Luminarは2012年にラッセル氏によって設立されたが、2017年春にPeter Thiel(ピーター・ティール)氏らの支援を受けてステルスから姿を現すまで、数年間は秘密裏に運営されていた。現在25歳のラッセル氏は、大学を中退してアイデアを追求する若者に2年間で10万ドル(約1060万円)を与えるThielフェローとしてLuminarの技術に取り組んだ。

LuminarはSPAC合併の発表前に2億5000万ドル(約265億円)を調達。同社は現在、シリコンバレーに350人の従業員を抱え、フロリダ州オーランドの工場のほか、シリコンバレーでも事業を展開している。今後はミシガン州デトロイトにもオフィスを開設する予定だという。

LiDARは、レーザー光を使って距離を測定し、車の周りの世界の高精度な3Dマップを生成する。このセンサーは、自動運転車の商用展開に不可欠と広く考えられている技術だ。自動車メーカーはまた、消費者が利用可能な新しい車のトラックやSUVの高度な運転支援システムの機能と安全性を強化するために使用される重要なセンサーとしてLiDARを認識し始めている。

ボルボは、LiDARを重要と考える自動車メーカーの1社だ。LuminarのIris Lidarセンサーは、TechCrunchが以前「本当に厚いサンドイッチくらいの大きさで、以前のバージョンよりも3分の1ほど小さい」と説明したコンパクトサイズで、2022年からボルボの生産車のルーフに搭載される予定だ。

またLuminarは、米国時間8月24日、現在は解散してしまったサムスンのDRVLINEチームで働いていた16人を雇用したことを発表した。サムスンはかつてDRVLINEプラットフォームを、自動運転車市場向けの「オープンでモジュール化されたスケーラブルなハードウェアおよびソフトウェアベースのプラットフォーム」と表現していた。今年初めにTechCrunchは、サムスンがDRVLINE/Smart Machinesチームを閉鎖したと報じた(未訳記事)。

元DRVLINEチームの採用は、Luminarの戦略にも直結している。ラッセル氏は、ロボタクシーにではなく、近い将来に生産車へLiDARを応用することを考えている。同社はロボタクシーの商業化を目指す企業との協力関係を続けていくが、ラッセル氏はロボタクシーとの提携について「長期的な視点」だと考えている。

「ロボタクシーには長期的に大きな期待が寄せられていると思いますが、市場は2020年代ではなく2030年代に大きく成長すると考えています」とラッセル氏。アクティブ・ドライバー・セーフティ・システムをサポートするために使用されるLiDARは、このビジネスを牽引するボリュームと規模の経済性を提供することになるだろう」とラッセル氏は付け加えた。

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画像クレジット:Luminar

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(翻訳:TechCrunch Japan)