この三軸ツールビロン機構は驚異的な3Dプリントだ、しかも美しい

三軸ツールビロン(トゥールビヨン)は、時計の複雑なメカニズムの中でも、もっとも複雑なもののひとつだ。時計メーカーのAbraham-Louis Breguetが最初に作ったこのタイプのツールビロン、通称“つむじ風”は、時計の各部に対する重力の悪影響を打ち消すために、時計のテン輪(balance wheel)を回転させる。それは巧妙複雑で、原子時計とナノ素材の時代には無用な仕組みだが、でもすごくクールだ。

オリジナルの、もっとシンプルなモデルに基づく、この新しい三軸ツールビロンはここでダウンロードできる。複雑な部品が70あり、簡単なモーターで動く。

ご覧のように主な部位はテン輪であり、それが行ったり来たりして時計を動かす。テン輪はスパイクのような形のかごに収められ、それが複数の軸の上で動く。テン輪がスピンのスピードをコントロールし、このようなデバイスはもっと複雑で高価なツールビロン時計の上で中古品として使われていることが多い。ツールビロンは元々、時計が乗馬用ベストのポケットなどに入っているとき、時計の精度を良くすることが目的だった。時計に、水平でなく垂直の動きが加わるときには、重力が時計のテン輪をおかしな方向に引っ張る、と考えられていた。三軸で回転させることによりテン輪は、ありとあらゆるすべての姿勢に対応でき、見てて楽しい、少々やり過ぎの時計製造技術が完成する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleよ、ロレックスに勝つのは難しくない

昨日(米国時間9/12)、Apple Watchがほとんどの主要時計メーカーを売り上げで上回ったとき、インターネットがざわついた。Apple WatchがRolexやOmegaなどの高級時計メーカーより多く売れたからといって驚くにあたらない。驚くべきは、RolexとOmegaがこの負け戦をいまだに戦い続けていることだ。

たとえば、Rolexの市場を考えてみて欲しい。私は、Rolexオーナーのほぼ全員がApple Watchを持っていることに賭けてもいいが、Apple WatchオーナーでRolexを持っている割合はごくわずかだ。多くの人にとってApple Watchは所有する唯一の腕時計であり、もしスマートウォッチというものがなければ、そもそも時計を身につけなかった人たちだ。先週長々と書いたとおり、Apple Watchを身につけるのは、これが最高のスマートウォッチだからであり、おそらく所有する最後の腕時計になるだろう。

Appleは間違いなく、売上の数字を誇りを持っている。具体的な数字を語ることは少ないが、われわれの推計によると、Apple Watchは昨年60億ドルの売り上げを立てたのに対して、Rolexは2015年に45億ドルを売り上げている。これは、Appleが1つの製品だけで、Rolexの全製品ラインの売上を越えたことを意味している。

これは、高級腕時計の世界の現状を表している。ごくわずかな非常に特別で非常に高価な製品を除いて、2000ドル以上の高級腕時計はほとんどが今や汎用製品だ。Rolexは1台か2台の時計を売って45億ドルの収益を上げたわけではない。かりに平均的Rolexの値段が8000ドルだとしても、Rolexは約50万台を売ったことになる。これはRolexが、ほかの人気スマートウォッチほど多くは売れていないが、まったく手に入らないと言われないほどには売れているという意味だ。高級腕時計メーカーは、われわれに彼らの製品は引っ張りだこで入手困難だと思って欲しいようだが ―― 稀少性を偽装することさえある ―― どの会社も一台でも多く時計を売るビジネスを続けていることは明らかだ

たしかに製造にかかる手間が増え、分解掃除なしで何年も ―― あるいは何十年も ―― 使えるほど頑強な精密機械を作るのに必要なスキルを持つ人は消えつつある。しかし時計業界は、まず1970年代にクォーツ時計を無視して大きな痛手を受け、今またスマートウォッチでも、雨が上がる前に傘を売り切ろうとパニックになっている売店の店主のような失敗を繰り返している。

つまるところ、ロレックスやオメガやカルティエを抜くのは難しくない。数百万の人たちが使いたくなる安くて良い製品を作ればいいだけだ。むしろ本当に驚きなのは、RolexやOmegaやCartierが未だに競争相手だとみなされていることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

多すぎて感覚が鈍麻しそうなKickstarter上のウォッチ、そんな中でTactico Geomasterをぼくが記事にする理由とは

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このところKickstarterに登場するウォッチの数は、ビーチの砂よりも多い。クォーツのムーブメントとNATOのストラップさえあれば、誰もがファッションウォッチを作って大衆的に売れる、と思い込む。愚かで間違った考えだ。そんな中で、しかし、Tactico Geomaster GMTは本当におもしろい。まず、ETAの機械式ムーブメントを使っている。今どき、珍しくて希少だ。デザインは、一見ふつうだが実はユニークだ(後述)。簡単に言うとこれは、ウォッチでクラウドファンディングするのなら、せめてこれぐらいのものを出せ、と言いたくなる製品だ。

このGeomasterはGMTウォッチだから、世界中どこの標準時にも対応する。それは、ベゼルの読み方次第だ。だから旅行者やパイロットに向いている。針はSuperluminova仕上げ、ケースはコーティングをしたスチール、日付ダイヤルはユーザが設定できる。つまり、とてもユニークで、とても巧妙だ。これを作ったCompañía Relojera Especializada para Actividades Subacuáticas(CREPAS)は、スペインのZaragozaにある特注ダイバーウォッチのメーカーだ。

GMTウォッチに900ドルは高すぎるようだが、ムーブメントをはじめ、そのクォリティとデザインを見れば決して高くはない。GMTの針は実は文字盤の下のダイヤルだ。最初にざっと見たときよりもおもしろいと感ずるのは、そこだ。

日頃から機械マニアで、友だちにかわいい絵文字の盤面の時計なんか絶対に贈りたくない、と決意している人は、これを検討してみたらどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa