Media Templeが今日(米国時間5/17)、新たにエンタープライズクラスのWordPressホスティングサービスを立ち上げる。ここで興味深いのは、この今やGoDaddyがオーナーである企業が、AWSの上でサービスをホストすることだ。
つまりこのプロダクトには、同社の(mt) Oneによるきめ細やかなWordPress運用サービスと、サポートサービスのCloudTech Premier、およびAmazonのクラウドコンピューティングサービスのスケーラビリティが組み合わされている。
Media Templeのようなホスティング企業が自前のサーバーではなくAmazonのプラットホームからサービスを提供するのは奇妙に思えるかもしれないが、実は同社はすでに、AWS上の管理サービスを伴うクラウドホスティングを、前から提供している。
MediaTempleのプロダクトマネージメント担当シニアディレクターBrendan Fortuneによると、“Media Templeのサーバーも悪くはないけど、仮想プライベートサーバーではできないことがAmazonの技術ならできる、という場合もある”、という。たとえばAmazonのサーバーレスコンピューティングサービスLambdaとか、EC2 Container Serviceによるロバストなコンテナサポートなどだ。Fortuneによれば、Amazonのコンテナ管理サービスを利用した方がMedia TempleもWordPressのデプロイを、ニーズに応じて迅速にスケールアップ/ダウンできる。
そしてそれは同時に、ユーザーに安心感を与える、ということでもある。たとえばユーザーは専用のアカウントマネージャーを持ち、いろんな問題を解決できるとともに、ユーザーとMTが共にプロアクティブに仕事ができる。WordPressのインストールそのものはMedia TempleのCloudTechのチームが行うが、そのときモニタリングシステムを使ってインストールの過程を見守ることもできる。
セキュリティ問題の監視やWordPressインストールのパッチの自動化などはMedia Templeが本来的に提供するが、同時にAmazonのDDoS防御システムCloudFrontの利用もできる。
ただしユーザーへの課金に、AWSの料金が直接現れることはない。Media Templeとしてのプランは2つあり、ひとつは月額2500ドルのエンタープライズ標準プランで、サイトは5つ、クラウドストレージは1TB、月間最大1.5TBまでのCDN利用、コンテナを使用するEC2インスタンスは最大10まで、AmazonのRDSデータベースの利用、などがセットとなる。
もうひとつの、“最大パフォーマンスプラン”は、カスタムメイドのプランなので、料金はその構成によって異なる。
料金を見てもこの新しいエンタープライズホスティングサービスが、巨大企業までは行かない中〜大企業をねらっていることが分かる。一見高い料金のようだが、従来の同社の、管理サービス付きWordPressホスティングサービスPagelyも、ハイエンドのプランではこれぐらいの料金になる。
Fortuneによると、AWS以外にAzureやGoogle Cloud Platformなども検討したが、チームが比較的よく知っている技術であることと、AWSのコンテナサービスを使いたい、というところからAmazonに決まった。