語学講師と生徒をマッチングする「フラミンゴ」が「メルカリアッテ」とサービス連携を開始

語学講師と生徒のマッチングアプリ/ウェブサイトの「フラミンゴ」は、外国語を学びたい人が講師を探してレッスンを予約でき、カフェで待ち合わせてレッスンが受けられるサービスだ。1月16日、そのフラミンゴが「メルカリアッテ」とのサービス連携を開始した。

フラミンゴは2016年10月から、iOS版アプリの提供を開始。フラミンゴを通したレッスンの利用料金は講師側の設定により異なるが、教わる側がその設定額に一律プラス500円を手数料として支払う仕組み。講師側は登録・承認後は無料で利用することができる。

メルカリアッテはメルカリ子会社のソウゾウが提供する、地域コミュニティアプリ。ネイルや家事代行など、直接会ってサービスを提供する場合や、大きな家具などをご近所同士で売買する場合のマッチング、またスポーツチームやバンドのメンバー募集や、飲み会などイベント情報のやり取りに利用されている。

今回のサービス連携により、メルカリアッテのアプリ内から「習い事」「外国語」「英会話」といったカテゴリやキーワードで、フラミンゴに登録されている語学講師を見つけることができるようになった。気に入った講師が見つかったら、講師の紹介ページに表示されたリンクからフラミンゴのウェブ版サービスサイトを開き、レッスンの予約を行うことが可能だ。

運営会社のフラミンゴは2017年6月に、メルカリとエンジェル投資家らから資金調達を行っている。メルカリは2017年7月に投資プロジェクトとして「メルカリファンド」の立ち上げを発表しているが、フラミンゴへの出資はメルカリファンドによるものと位置付けられていて、今回の連携はそのシナジーの一例といえるだろう。

またフラミンゴは2017年11月にも、グロービス・キャピタル・パートナーズ、グローバル・ブレイン、および個人投資家を引受先として総額1.7億円の資金調達を実施している。11月の資金調達後には、iOS版に加えて、講師からもユーザーからも要望が多かったウェブ版・Android版をリリース。登録する外国語講師数は在留外国人コミュニティの口コミを中心に増え、サービス開始から1年あまりで2000人を超えた。

今回のサービス連携により、フラミンゴではさらに在留外国人の活躍の場を増やしたい考え。 今後もアライアンス連携や新規事業をとおして事業規模の拡大を目指す。

クラシファイドサービス「メルカリ アッテ」、招待制を廃止して本格稼働

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先月突然App Storeに現れて僕らを驚かせたCraigslistライクなクラシファイドサービス(売ります・買います掲示板のような三行広告が並ぶサービスだ)「メルカリ アッテ」がいよいよ本格的にサービスを展開する。メルカリは3月17日にメルカリ アッテのサービスの招待制を廃止。誰もが利用できるように仕様を変更した。

メルカリ アッテは無料で利用できるクラシファイドサービス。アプリ(現在iOS版のみ。Android版も今後提供予定)をダウンロードし、メールアドレスとユーザー名を設定すれば、すぐにサービスを利用できる。インターフェースはメルカリに似ており、写真と商品、価格の一覧がフィードとして流れ、気に入ったアイテムに「いいね(ハートマーク)」を付けたり、コメントをつけたり、購入ならぬ「応募」をすることができる。投稿のカテゴリは「あげます・売ります」「ください・買います」「貸して・教えて・助けて」「貸します・教えます・助けます」「仲間募集・イベント」「求人」「賃貸・ルームシェア」の7つ。

特徴的なのは出品するユーザーの所在エリアがざっくりと表示されること。アッテでは手渡しでの商品の譲渡・売買を推奨しているためにこのような仕様になっているようだ。出品されるアイテムも「徒歩圏内」「自転車圏内」「バス圏内」という範囲で検索できるようになっている。

このサービス、App Store上ではメルカリのアカウントで配信されているが、2015年9月に立ち上がった同社の100%子会社であるソウゾウが開発・運営を行っている。ソウゾウ代表取締役である松本龍祐氏は、コミュニティファクトリーの創業者で同社をヤフーに売却した後に同社のモバイル部門に注力。その後、新規事業を立ち上げるためメルカリに参画した人物だ。

ソウゾウ代表取締役社長の松本龍祐氏

ソウゾウ代表取締役社長の松本龍祐氏

「メルカリの“次”を何にするかという難題をもらった」——メルカリ参画当時を振り返って松本氏はこう語る。

会社としてはCtoCやシェアリングエコノミーという文化にはこだわりたい。そう考える中で「TaskRabbit」を代表とするようなサービスCtoCを考えたが、メルカリも特化型ではなく「全方位」のサービスだ。そこで幅広いカテゴリをカバーする「アッテ」の原型が生まれた。

ドリコムが提供する「Clip」の記事でも書いたけれども、この領域はまだWeb1.0…どころか下手すると0.5の世界。そこで米国でも打倒Craigslistを掲げるサービスは続々登場しているそうだ。松本氏率いるソウゾウでは、「チャット形式のUI」でやりとりできるサービスとしてクラシファイドサービスの再構築を目指すとしている。

アッテの提供に先立ち、メルカリとソウゾウでは共通IDを開発。すでにメルカリのIDを持っていれば、アドレス登録だけでログインできるようにした。今後メルカリからの送客などでユーザー数の拡大を狙う。

メルカリからの送客と聞くと、ユーザーを食い合うのではないかという疑問も生まれる。松本氏は「社内でそんな議論はあった」としつつ、「だが市場は大きいので、取れるならば取っていくほうが早いと考えた。後は仕様的に近所(遠くても「バス圏内」だ)の出品しか見えないようにしている。競合するとしたら、『港区内の住人同士の売ります・買います』というものくらい」と考えているそうだ。

また、基本は「会って、手渡し」という世界観を目指しており、決済システムを用意する予定は直近ではないようだ。そうなると、売ります・買いますという相手の信頼性が気になるところだが、「メルカリでの評価情報を始めとして、信頼性をグループでどう作っていくかは課題。カスタマーサポートもメルカリチームと連携してやっていく.CtoCは信頼できるかが大事だと考えている」(松本氏)としている。

マネタイズについては当面は検討せず、まずはサービスの拡大に努める。「数百万ダウンロードを実現しないとプラットフォームにはならないので、まずは拡大に注力する。将来的には掲載順位課金などもできると思うが、アクティブなサービスになってから。メルカリも数百万ユーザーになってからマネタイズを始めた。遅くはない」(松本氏)