Amazonが100以上の消費者サービスをOracleからAWSに移行

AWSOracle(オラクル)は互いにやり合うことが好きだが、このところAmazon(アマゾン)の優勢が続いているから、実はAmazonはOracleの顧客だったと認めざるをえない状況になってしまった。というのも、米国時間10月15日のAWSのブログ記事で同社は、Oracle for AWSを廃止して最後のOracleデータベースを実質的に閉鎖したと発表した。

それは具体的には、7500近くのOracleデータベースに保存されていた75PB(ペタバイト)のデータだ。この移行を発表するブログ記事でAWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏で「このデータベース移行作業が完了したことをご報告できてとても嬉しい。Amazonの消費者事業がついに、その最後のOracleデータベースを廃止した。ただしOracleと密接に結びついている一部のサードパーティアプリケーションは移行しなかった」と書いている。

これまで数年かけて同社はデータベースのOracle離れを進めてきたが、Amazonほどの巨大企業になると移行は容易な作業ではない。しかし、バー氏によると移行すべき理由がたくさんあったという。「何千ものレガシーのOracleデータベースを管理しスケールするために費やす時間があまりにも大きすぎた。データベースの管理者たちは、差別化のための高度な仕事ではなく、データの保存量が増えトランザクションレートが高くなると、とにかく無事に動いていることを確認するだけのために大量の時間を消費した」と彼は書いている。

100あまりの消費者サービスがAWSのデータベースに移された。その中には、AlexaやAmazon Prime、Twitchなど顧客対応のツールもある。AdTechやフルフィルメントのシステム、外部決済、発注など社内的ツールも移った。これらはいずれも、Amazonの中核を支える重要なオペレーションだ。

それぞれのチームが、OracleのデータベースをAmazon DynamoDBやAmazon Aurora、Amazon Relational Database Service(RDS)、Amazon RedshiftなどAWSのデータベースに移した。どれを選ぶかは、それぞれのニーズや要求に応じて各グループに任された。

Oracleに問い合わせたが、この件についての回答はなかっった。

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画像クレジット: Ron Miller

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

メインフレームのCOBOLコードをLinuxのクラウドへ移行するLzLabs、そのためのツールを発表

1960s MAN PROGRAMMING LARGE MAINFRAME COMPUTER SURROUNDED BY DATA TAPE DRIVES INDOOR  (Photo by H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images)

世界は、本誌TechCrunchが毎日書いているような進んだテクノロジーで満ち溢れているが、しかしそんな中にも、まだ一部には古代が生き残っていて、COBOLで書かれたプログラムをメインフレームコンピューターが動かしている場所がある。

COBOLは1950年代の晩(おそ)くに開発された言語で、主に60年代、70年代に使われ、80年代にも使われていたが、今でもまだ絶滅してはいない。現代の企業世界からは完全に姿を消した、と思ったら大間違いだ。

ただし、年を経るごとに、COBOLプログラムをメンテできる人の数は減っている。そしてそれとともに、データや(その古びたプログラムさえ)をもっと新しいプラットホームに移そうとする企業が増えているが、しかし今度は、そんな移行を手伝える人材が見つからない。

スイスのLzLabsは、そこに大きな機会を見出した。“レガシーのメインフレームで動いているコードのメンテナンスにおける、スキルの不足は、今や深刻だ。そんな人材を見つけることが、大きな問題になっている”、LzLabsのCEO Mark Cresswellはこう語る。

この問題を解決するためにLzLabsが編み出したのが、Gotthard〔10世紀の宗教改革者〕と名付けられたツール、それはまず、何年も前に書かれたそのスズメバチの巣のようなコードから、各種のデータや実行コード、構成ファイルなどを拾い上げることから仕事を始める。それから、そういったさまざまな破片をコンテナに収めて密封し、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)が動いているクラウドプラットホームへ移す。

実は同社は、今日(米国時間7/5)の発表よりも前の昨年の冬、ドイツで行われたCeBIT Technology Fairで、ソフトウェア定義メインフレーム(software defined mainframe)と同社が呼ぶものを立ちあげ、Red HatおよびMicrosoftとのパートナーシップを発表した(後者はほぼ同じころ、AzureをRHELに持ち込むためのパートナーシップを発表している)。

同社は、そのツールがインスタントなソリューションを可能にする、とは言っていない。むしろそれは、長丁場の仕事だ。そこで同社は、自分たちが直接客先に接するよりも、サードパーティのSIとパートナーすることを望んでいる。彼らが、現場の面倒な仕事を全部やってくれて、移行の準備を整えてくれることを。

今日の発表は最初の発表からの同社の進化を表していて、レガシーのメインフレームアプリケーションを抱える企業の移行をできるかぎり容易にするためのツールの発表が主だ。それでもまだ、困難で長期にわたる、骨の折れる仕事であることに、変わりはない。しかしとにもかくにも、そのための道具がやっと使えるようになったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))