ライブ配信サービス「ツイキャス」の累計配信回数が3億回突破、最大同時配信者数は1万人に

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モイが提供するライブ配信サービス「TwitCasting(ツイキャス)」。2010年2月にスタートしたこのサービスの累計配信回数が3億回を突破した。

ツイキャスのユーザー数は現在1600万人超。最近一般ユーザーにプラットフォーム開放を行った「LINE LIVE」のほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)グループの「SHOWROOM」、ドワンゴの「ニコニコ生放送」、Twitterの「Periscope」などなどの競合がいる中、ユーザー数を拡大。1日の最大同時配信者数も増加しており、この8月には過去最高となる1万人を突破する日も複数回あったという。「配信者数が増えたことが配信数増加に繋がっている。ツイキャスは文化ができているので、(競合が出てきても)あまり大きな影響がない」(モイ)

同社が7月に実施したユーザーアンケートによると、ユーザー登録の理由は「好きなキャス主(ツイキャスの配信者を指す)と交流したい」と「知り合い・友だちを作りたい」という回答が過半数を占めたという。「イケボ(イケメンボイスの略)」なんて言われる人気のキャス主も数多く生まれているそう(7月にはキャス主をまとめたムックも出ている。すでに季刊化が決定した)。またアンケートでは視聴頻度も「ほぼ毎日」という回答がもっとも多かったという。「きっかけはキャス主や知り合いが配信しているというところからだが、LINEやTwitterのようにコミュニケーションのツールとして使うようなことも多い」(ツイキャス)

ところで同社は以前から海外進出についても検討しており、米国にも拠点を構えていたと聞いているが、今回の発表ではそのあたりのアップデートは聞くことができなかった。現在はアジア圏への進出を進めているそうで、韓国、インドネシア、シンガポールなどでマーケティングを進めているという。売上についても具体的な数字は公開していないが、ギフトアイテムやチケット販売機能などで黒字化しているという。

ツイキャスがゲーム実況配信に向けて機能を強化、Twitchやニコ生を追随

twicas2014年にはAmazonがTwitchを買収、2015年8月にはYouTubeも専用のチャンネル「YouTube Gaming」を立ち上げたように、ゲーム実況のストリーミングは世界的なトレンドの1つとなっているようだ。日本だと「ニコニコ生放送」がその文化を作ってきたし、ディー・エヌ・エー(DeNA)も8月にスクリーンの様子をリアルタイムで配信できる「Mirrativ」をリリースして好調だと聞く。

そんなゲーム配信の領域にモイのライブ配信サービス「TwitCasting(ツイキャス)」も参入する。同社は10月14日、ツイキャスにて、外部ツールを使った配信に対応したことを明らかにした。これはゲーム実況配信での利用を想定したものだ。

ツイキャスは4月時点で1000万ユーザーという数字を発表しているが、配信者として最も多いのは、雑談をする女の子。つまりは日常的なことを配信するユーザーだという。ツイキャスのユーザーの6割は女性で、それも10〜20代が過半数。そんなユーザー層もあいまって、「ゲームの実況をしている人は少なかった」(同社)のだという。ツイキャスはアプリによる配信が半分以上だと聞くが、それではテレビ画面を配信すると粗くなってしまう。こういったことも背景にあるのだろう。

だが一方で、ゲーム実況はライブ配信の中でも世界的な盛り上がりを見せている領域。新たなユーザー層を拡大すべく、ニコ生の配信者なども利用する動画配信ソフト「Xsplit」をはじめとした外部ツールへの対応を行ったという。またこれにあわせて、ツイキャス内にゲーム関連の10カテゴリを設置。視聴者の導線も整えた。

では既存のサービスではなくツイキャスでゲーム実況配信をする配信者側のメリットは何なのだろうか。モイによると「プッシュ通知とSNS連携」なのだそう。実況開始時にツイキャスのアプリでプッシュ通知が行われるほか、コメントがTwitter投稿と連携することで、「(ツイキャスというサービスの中に閉じることなく)SNSなどの『外』に情報を発信できることで視聴者が増えることは確信している」(モイ)ということだ。

ツイキャスがECに参入、まずは電子チケットから—配信中に売れれば手数料は無料

4月に入ってすぐ、ユーザー数1000万人突破を発表したモイの動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」。その発表の際にも、コマース関連の機能が提供されると報じたが、その姿がいよいよ明らかになった。同社は4月22日より、EC機能のキャスマーケット」の提供を開始する。

このキャスマーケットでは、ツイキャスの公式グッズのほか、キャス主(動画配信者)の電子チケットの購入が可能になる。また、配信者はツイキャスの配信画面からもチケットの販売が可能だ。なお、ツイキャスの配信中および配信終了1時間以内にチケットが売れた場合、チケットの手数料は無料になる(通常は販売価格の8%)。当初はアーティストや法人など、ユーザーを限定して機能を公開するが、今後は利用可能なユーザーを拡大していく予定。

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前回の記事でも「ツイキャスで女性誌のモデルがおすすめした化粧品が翌日にはAmazonで売り切れになるといった現象も起きている」という話を紹介したのだけれども、ほかにも「iTunesでシングルがリリースするタイミングでツイキャスを配信し、配信中にランキング1位を獲得」「配信中に予約用の電話番号を紹介し、100枚以上のチケットを販売」といった事例も出てきているそうだ。

具体的な割合は教えてもらえなかったが、ツイキャスではアーティストを始め音楽関連の配信者はかなり多いらしい。そこで「彼らの収益のためにお手伝いできないか。ツイキャスで人を集めて、その次の支援ができないかと考えた」(モイ代表取締役の赤松洋介氏)のだそう。「チケット売るのはなかなか大変。EC機能についてそこまで多くの要望があったわけでもないが、せっかくファンが見てくれているのにもったいないと思っていた」(赤松氏)。

同社の公式グッズを除いては、電子チケットの販売のみに対応するとのことだが、今後は物販についても検討しているそう。「商取引のルールを整理するには時間がかかると思っている。まずはフローを確認する意味でも試験的に公式グッズのみ物販を行う。ユーザーとファンがソーシャルでつながっている場所で売買をする場合、さまざまなリスクがある。今回はメールアドレスすら共有せずに売買可能な仕組みを用意している」(赤松氏)

配信で自分のアイテムを紹介して、それをフリマ感覚で販売するなんて世界もちょっと考えたのだけれども、「フリマって知らない人だから(値引き交渉を含めて)成り立つ取引だったりするのでそこは考えていない」(赤松氏)とのこと。さらに、「売ること」自体が配信の中心にならないように配慮したいと赤松氏は語る。「配信者が『売りたい』と思った時にチケットなどを販売するのはいいが、ただ売り子になってしまうのは辛い。ツイキャスはあくまでコミュニティ。ビジネスビジネスしないようにしたいし、あくまで楽しめる範囲で使って欲しい」

ちなみにこの電子チケットは、モイが独自に提供するもの。配信者はチケットの在庫を登録して、購入されればコードを発行。それを当該のイベント会場などでチェックするという仕組みになっている。

ツイキャスが1000万ユーザー突破、動画サービスからプラットフォームへ

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モイが提供する動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」が1000万ユーザーを突破した。4月8日に同社が明らかにした。

2010年2月のサービス開始から5年弱での達成となる。以下がユーザー数を示すグラフだが、サービス開始から順調にユーザー数を増やしていたが、2013年後半からはユーザーが急増。女子高生を中心にしてサービスを拡大してきた。

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また、当初はノンプロモーションながら、海外ではブラジルを中心に局地的にユーザーが増加。現在海外ユーザーの割合は全体の2割ほどだが、その半数(つまり全体の1割程度)はブラジルのユーザーなんだそうだ。そんなこともあって、現在は米国・ブラジルでもユーザーサポートを行っている。

2013年頃まではアクティブユーザー(ユーザー数400万人でMAU200万人程度だったと聞いている)を公開していたが、現在は非公開。ただし、関係者から聞く限り、いい数字を出しているようだ。

おしゃべりツールからプラットフォームに

もう10代だけのサービスではなくなってきた——モイの丸吉宏和氏は語る。海外での利用はさておき(ブラジルでは初期からアーティストが音楽ライブの配信などをしていた)、日本では「女子高生のおしゃべりツール」からスタートしたツイキャス。高画質配信にも対応してからは、政党やスポーツチーム、アーティストなど、さまざまな組織の公式配信ツールとしての役割も担いつつあるのだそう。その結果、ユーザーの属性も(詳細は非公開だったが)30、40代まで広がったという。

特に2014年10月、法人利用を前提として高画質配信に対応してからはその動きが顕著になっている。アーティストが新譜を発売する際などは、ミニライブなどをツイキャスで配信することも増えたそうだ。

すでにPC版の広告やギフト用のアイテムなどで課金をしているツイキャスだが、1000万ユーザーを迎えていよいよ本格的なマネタイズを始める。具体的な話は今後発表していくということだったが、「ライブ配信はPRには使えても、それだけでは(配信でPRする商品の)売上にはそんなに影響はない、と言われるのは苦しかった」(丸吉氏)と語っていることから、マーケティングやコマース関連の機能を実装していくことが予想される。

実際、ツイキャスで女性誌のモデルがおすすめした化粧品が翌日にはAmazonで売り切れになるといった現象も起きているらしいし、法人のキャス主(配信者)を中心に、コマース機能の連携ニーズは高いらしい。このあたりは今春中にもまた発表すると聞いている。

TwitterのPeriscope買収の影響は?

3月にはTwitterがツイキャスの競合サービスであるPeriscope買収し、さらに別の競合サービスであるMeerkatに対して、ソーシャルグラフの使用を禁止するといったことが起きている。ツイキャスには影響はないのだろうか? 丸吉氏は「(ソーシャルグラフの使用制限など)何もないとは言えないが、ツイキャスではすでに独自IDを用意しており、その数も増えている。またAPIの利用なども適切に行っている」と説明した。

10〜20代の人気集めるライブ配信「ツイキャス」、高画質化で法人市場も視野に

スマートフォン1つあれば映像を流せるライブ配信サービス「ツイキャス(TwitCasting)」。10代〜20代を中心にして、今やユーザー数800万人を超えるこのサービスが、一部ユーザー向けに高画質での配信を開始した。

今回提供するのは、画質が通常配信(180〜270p)の1.5〜3倍となる「高画質配信」と、画質が720pになる「HD配信」の2つ。いずれも画質だけでなく、音質も向上させている(正確な数値は公開されなかったが、通常配信では「○」「◎」という表記になっている音質が、◎以上になるそうだ)。高画質配信については、ツイキャスのサイト上から申し込んだユーザーに対して、その内容を精査して逐次招待する。HD配信に関しては、現在約50件ある企業やアーティストなどの公式アカウントに限定して提供していく。なお、当初はPCでの配信に限定して機能を提供する。

通常の画質(左)とHD画質(右)

法人を中心に高画質化の要望

モイによると、今回の高画質配信は、キャス主、つまり配信者側の要望を叶えたものだという(ちなみに試験的に高画質動画を配信したところ、閲覧者からはあまり大きな反響がなかったそうだ…)。ツイキャスの強みといえば、双方向でのコミュニケーション。配信の9割はキャス主と視聴者の雑談だそうだが、最近ではアーティストやパフォーマー(タレント)なども増え、ファンとの交流の場として利用されることも少なくないそうだ。

双方向のコミュニケーションによって人が集まる場所だからこそ、ライブをやることでも価値が出ると認識され始めているのだという(逆に言うと、どんなに画質や音質が良くても、人を集める仕組みがないサービスにニーズがなくなってきているということだろうか)。例えばシンガーソングライターの井上苑子さんのキャス(配信)などは、同時視聴者数で約2900人、1回の配信で合計約3万4700人の視聴者数になったこともあるという。なお、法人やアーティストが公式アカウントを取得する場合、個別にモイに問い合わせる必要がある。

そうなると当然レコード会社や音楽プロダクションなどからの問い合わせも増えてくるのだが、そこで課題になるのはその画質や音質。ツイキャスは3G回線でも閲覧できるようチューニングされているが、それは画質や音質である程度妥協しなければならないのは事実。しかし公式アカウントを望むような法人としては、Ustreamに代表されるようなモバイルにこそ特化していないが、高画質・高音質に対応するといった競合サービスと同じ品質でライブを配信したいというニーズは大きい。そんな彼らのニーズあって今回の機能提供に至ったようだ。

法人向けのマネタイズは未定

さてそんな高画質配信。これによって既存のアイテム課金に加えて、いよいよ法人向けのマネタイズが始まるとも思ったのだけれども、モイ代表取締役の赤松洋介氏いわく当面有料化する予定はないそうだ。「(ビジネスとしての)刈り取りの時期はまだまだ先。法人向けの事業は固い商売になるが、例えばクラウドサービスなら『絶対に落ちない』ということを保証するように、やらなければならないことがある。そこをまず我々がやってからだ」(赤松氏)


10代がハマるサービスってどんなもの–TechCrunch Tokyoでツイキャス、uuum、アオイゼミに聞く


先日、グラフティ社の高校生向け雑誌「HR」を見せてもらう機会があったのだけれど、その読者アンケートに「よく使うLINEのスタンプは?」「よく読む芸能人ブログは?」「Instagramでよく見かける芸能人は?」といった質問が並んでいた。当たり前と言えば当たり前なのだが、LINEの「5億ユーザー」という数字が物語るように、LINEやInstagramといったサービスは幅広いユーザーに受け入れられているわけだ。

僕らテック系のオンラインメディアでは最新のサービスやビジネス動向について伝えている。でも、ユーザー個々の利用実態については、まだまだ伝え足りないところがあるのではないかな、とも思っている。もちろん「ユーザー数○○○○万人突破」という話を紹介することは大事だ。でも、その1人1人がどんな風にサービスを使っているかにだって目を向けないといけない。Instagramが世界で2億ユーザーを抱えていると聞いても、ではどんな芸能人がどんな写真をアップロードしていて10代にウケているかなんてあまり意識することが無かった。TechCrunchの読者は20〜40代のIT系の方々が中心。多くの読者もそんな10代の実態を知らないのではないだろうか。

そこで、11月18〜19日に開催するTechCrunch Tokyoのセッションには、10代のユーザーを多く抱えるスタートアップ——モイ、uuum、葵の3社に登壇頂き、サービスの利用動向を聞いてみたいと思う。

モイはスマートフォンを使ったライブストリーミングサービス「ツイキャス」を手がけている。9月時点でのユーザー数は750万人、これまでの総配信回数は1億回にも上る。ユーザーの55%が24歳以下と、10代後半から20代前半にも人気のサービスだ。

ちょっと驚く数字だったのだけれども、Twitterのフォロワーが10万人以上いる配信者が世界に1000人以上もいるそうで、ここから歌手やタレントデビューした人もいるという。モイ代表取締役の赤松洋介氏には当日、若者が集うストリーミングサービスの実態を教えてもらいたいと思う。

uuumはYouTuberに特化したタレントプロダクションを運営している。同社には、HIKAKINをはじめとした国内の人気YouTuber約30人が所属している。

実は米国で10代に対して行われた「影響力のある人物」に関する調査では、上位20人のうち半数(かつトップ5は全員)はYouTuberが占めるていたそうだ。まだ米国と比較すると、日本には影響力のあるYouTuberは少ないかも知れないが、すでに広告代理店などでは専門のチームも設けられているという。uuum代表取締役社長の鎌田和樹氏には、日本のYouTuberの現状などについて聞いてみたい。

葵が手がけるのは中高生向けオンライン学習塾「アオイゼミ」。都内にあるスタジオで毎週月〜木曜日にライブ授業を配信している。会員登録をすればPCやスマホアプリから無料で受講できるサービスで、現在3000人以上のユーザーがリアルタイムに授業を視聴している。

質問やスタンプの投稿も可能で、リアルタイムかつ活発な意見交換が行われているアオイゼミだが、葵代表取締役の石井貴基氏には、10代のユーザーが学習を継続するためのモチベーション設計などを聞いてみたいと思う。興味があるユーザーは是非ともチケットを購入頂き、イベントに遊びに来て欲しい。

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photo by Joris_Louwes