美容医療の経験や悩みをシェアするSNS「Meily」が資金調達

メイリーCEOの川井優恵乃氏(写真中央)と、NOW共同代表の家入一真氏(写真左)、梶谷亮介(写真右)

美容医療SNS「Meily(メイリー)」を運営するメイリーは1月18日、NOW、YJキャピタル、EastVentures、およびフリークアウト代表取締役の本田謙氏など複数の個人投資家から数千万円規模の資金調達を完了したと発表した。

2018年4月にリリースしたMeilyは、美容整形をした人や近い将来したい人が交流するSNSだ。他のユーザーの施術例を写真で見たり、Q&A機能を通じて他のユーザーに質問したりできる。現在のユーザー数やダウンロード数は非公開とのことだが、同サービス上では現時点で1万件以上の投稿が寄せられているという。

従来、美容整形に関する情報を集める手段としてはWeb上のポータルサイトや口コミサイト、Twitter、Instagramなどの既存SNSなどがあった。しかし、美容整形に関する情報は複数サイト(サービス)に分散している、信憑性に欠ける、美容整形に特化していないSNSでは情報の検索性が低いなどの問題があった。そのことから、代表取締役の川井優恵乃氏を中心として6人の開発メンバーが集まり開発したのがMeilyだ。

川井氏自身も過去に美容整形を行った経験をもつ。大学在学中に総額430万円もの費用をかけて美容整形を行ったという。川井氏は自身が身をもって感じた課題感をもとに創業を決意。マッチングアプリの「Tinder」で創業メンバーを見つけ、同じくマッチングアプリの「paters」で先輩起業家や投資家などとのコネクションを作りながらMeilyのアイデアを徐々に形にしていった。創業後、メイリーはYJキャピタルとEastVenturesが共同で運営するアクセラレーターの「CodeRepublic」に採択され、同アクセラレーターから700万円を調達している。

メイリーにとって、今回の調達ラウンドは2回目となる。同社は今回調達した資金を利用して、開発体制の強化を図るほか、ユーザー獲得のためのプロモーションにも力を入れる。川井氏は、「美容医療や美容整形のハードルを下げるためには、今のプロダクトだけではカバーできない点もある。心理的なハードルを取り除く保険や金銭的なハードルを取り除く金融のサービスも必要だと感じている」と話し、回答率やその質の向上などに取り組むほか、関連事業への意欲も見せた。

ブロックチェーン導入コンサルのBlockBase、家入一真氏ら率いるNOWから数千万円を調達

ブロックチェーン技術の導入コンサルティングを行うBlockBaseは12月3日、起業家の家入一真氏と投資家の梶谷亮介氏が代表を務めるNOWから資金調達を行ったと発表した。金額は非公開だが、数千万円規模の調達と見られる。

「ブロックチェーン」という言葉はすでに市民権を得ているように思うが、実際にその技術をビジネスに導入しようと思うと何から手につけていいか分からないという企業も多いだろう。BlockBaseはそういった企業向けにブロックチェーン技術の導入コンサルティングを行うスタートアップだ。コンサルティングの具体的な内容は以下の通り。

  • 課題の把握とプロジェクトスコープの再設定
  • 現場の技術者とチームを組み、プロダクトアウト的な高速プロトタイピングの実行
  • チームビルドを通じ、ボトムアップ的なロードマップの策定、経営層への提案支援

また、同社はブロックチェーン関連技術を活用した自社プロダクトの企画・開発も手がけている。BlockBaseによれば、特にビジネスのセクターや採用する技術に制限は設けておらず、今後もプロダクトのプロトタイピングを高速、大量に繰り返していく方針だという。

今回の資金調達ラウンドに参加したNOWは、2018年6月にCAMPFIRE代表の家入一真氏、ファンドや証券会社でスタートアップ投資やIPO支援などを行ってきた梶谷亮介氏が設立したVCだ。家入氏は連続起業家としてこれまでもエンジェル投資を行い、若手起業家に対してアドバスする立場にあった。NOWは、その家入氏が“VCでありながらエンジェル投資家である”という姿勢を維持しながら投資を行うというのが特徴のVCだ。

NOWはこれまでに、ブロックチェーンを政治コミュニティサービスに活用したPolipoliや、オープンソースコミュニティを運営するBoostIOなどに投資を行ってきた。なお、NOWは同日、BlockBaseへの出資とともに、新生銀行、大和証券グループなど計7社から20億円の出資を受け、セカンドクローズを実施したことも併せて発表している。

インスタメディア「古着女子」のyutoriがNOWから資金調達、リアルコミュニティも開設へ

写真左から、NOW 家入一真氏、yutori CEO 片石貴展氏、NOW 梶谷亮介氏。

おしゃれに古着を着こなす女性をピックアップして紹介する、古着情報のインスタメディア「古着女子」を引っさげ、アカウント開設から5カ月で元エウレカの赤坂優氏らから資金調達を実施したyutori

今度は、家入一真氏らが率いるベンチャーキャピタルのNOWを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達金額は前回のエンジェルラウンドと同様に非公開だが、“前回よりは、やや大きめの金額”らしい。

古着女子は、2017年末のインスタグラムアカウント開設から5カ月でフォロワー10万人を突破。現在でもフォロワーが1日約1000人のペースで増え、10月の1投稿当たりの平均いいね数は約7500、最高1万5000いいねを獲得する、古着ファッションの一大メディアとなっている。

またyutoriでは、90年代をテーマにしたボーイッシュ古着の「9090」やミレニアル世代特化のスポーツブランド「dabbot.」を、古着ECショップ連動型のインスタグラムアカウントとして展開。dabbot.はアカウント開設後2ヶ月でフォロワー数が1万人近くに到達。第2回販売分のアイテムは、ほぼ全ての在庫が即日完売となる勢いだったという。

ほかにも、男性向けの古着メディア「古着男子」や、一点ものの古着のコンセプトショップと連動した「イチゴイチエ」を運営するyutori。全アカウントの累計フォロワー数は、現時点で26.8万人に達する。

こうして「古着×SNSを使ったメディア発信」で拡大してきたyutoriでは今後、インスタグラムマーケティングからECへ展開してきたノウハウをもとに、事業展開を加速させるとしている。具体的にはインスタグラムだけでなく、TikTokやYouTubeなど、動画も含めたメディア連動による、立体的なメディア価値の向上や、古着コンセプトショップの複数展開、海外展開によるアパレル事業拡大を目指す。

また、yutori CEOの片石貴展氏は、前回の資金調達時のインタビューで「ネット通販だけでなく、古着を通した人との出会いづくり、リアルなコミュニティ運営にも力を入れていく」と話していたが、いよいよ11月下旬に「直接インフルエンサーやユーザーと触れ合えるリアルな場所」をプロデュースするということだ。

片石氏は「インスタ起業からミレニアルコンテンツカンパニーへ」として、今後の構想について以下のとおり、コメントを発表している。

僕たちは“古着ビジネス”の会社なのだろうか…

『古着女子』は間違いなく自分たちの好きを体現したプロダクトであり、今後もこの領域を中心としたメディア・アパレル事業は展開していきます。しかし“インスタ起業”から数ヶ月が経過した今、自分たちがどのような価値貢献を社会にしていくべきかあらためて根本から見直し、この度皆さまに宣言することにいたしました。

実は、弊社にはアパレル出身のメンバーは1人もおりません。『古着女子』も“古着のファッション情報を伝えるメディア”ではなく、これまでクローズアップされていなかった切り口に光を当てた“コミュニティプラットフォーム”が本質だと思っています。

では、このプロセスを抽象化させ、再現性を持たせることができれば様々な領域で「臆病な秀才の最初のきっかけをプロデュース」し、「誰も恐れずに好きを体現できるゆとりのある社会」を実現できるのではないかと考えました。

そこで、心の奥底に大切にしまっているピュアな「好き」に繋がり、決して言語化できない自分自身の「感性」と、インスタグラムを筆頭にSNSで定量化される「トレンドデータ」の両方を掛け合わせ、ミレニアル世代に対してヒットコンテンツを継続的に生み出していく【ミレニアルコンテンツカンパニー】としてyutoriを定義することにいたしました。

連続起業家の家入一真氏らが50億円ファンド設立へ、「僕たちはエンジェル投資家のスタンスを貫く」

写真左より、NOW共同代表の梶谷亮介氏と家入一真氏

CAMPFIRE代表取締役で連続起業家の家入一真氏と、VCや証券会社においてスタートアップ投資やIPO支援を行ってきた梶谷亮介氏は6月26日、最大50億円規模のベンチャー投資ファンド「NOW」を設立した。

同ファンドのアドバイザリーボードには、グリー代表取締役の田中良和氏やフリークアウト・ホールディングス取締役の佐藤祐介氏など業界の第一線で活躍する起業家らが名を連ねる。

「これまで行ってきたエンジェル投資を、もっとシステマティックにできないかと考えていた」と話す家入氏。これまで個人で起業家を応援するつもりでエンジェル投資を行ってきたが、それには限界があると感じ、家入氏が2004年に立ち上げたpaperboy&coが上場する際の主幹事証券会社でIPO支援を行っていた梶谷氏とタッグを組むことにした。

そんな彼らが重要視するのは、“VCだけれどVCではない”という姿勢を貫くことだ。「大抵のエンジェル投資家は、みずからも起業家であるからこそ、投資先の気持ちが分かる。VCがお金を投資してアドバイスを行うということは役割であり、それを口実に起業家の時間を奪ってはいけないと思う。僕の特技は人生相談。起業家の悩みにのってあげたり、迷ったときには背中を押してあげる存在になりたい」(家入氏)

投資領域も特に制限をかけていない。家入氏にはC向けサービスの相談が来ることが多く、必然的に投資先もC向けサービスが多いというが、同ファンドでは基本的にインターネットで“居場所”を作る企業に投資をするという。

「僕自身、中学生のときにいじめられて学校に行けなくなったという経験がある。それ以降、自分の居場所になったのがインターネットです。SNSやシェアエコノミーなど、(誰かの心の拠り所になる)居場所をつくる企業を軸に投資をしていく」と家入氏は語る。

「日本経済全体が縮小していくなか、これまでの大きな経済からこぼれ落ちてしまう人たちがいる。そうした人を救うためには、彼らの救命ボートとなるような小さな経済をたくさん作っていく必要がある。少子高齢化などの課題がある日本で、なぜ自分が起業するのか、という課題感をしっかりと持つ起業家に投資をしたい。PLやBSで判断できないスタートアップ投資では、“人”を見るしか方法がないんです」(家入氏)

NOWはすでにファーストクローズを実施しており、LINE、グリー、セプテーニ・ホールディングスなどの企業がLPとして同ファンドに参加している。NOWは年内〜来年春をめどに目標金額である50億円を集め、ファイナルクローズを実施する予定だ。

Google Glassを受け取ってきた!―ファースト・インプレッション

Google Glassの開発者向けExplorer版を受け取れることになったというメールが来たことは昨日書いた。次は実際の受け取りだ。指定の受け取り場所はマウンテンビューのGoogle本社、ロサンゼルスとニューヨークの支社だ。もちろん遠隔地のユーザーは配送してもらうこともできるが、そんなのはぜんぜん面白くないだろう。

今日(米国時間4/17)、私はマウンテンビューの本社に出向いてGlassを受け取ってきた。その際に簡単な説明があり、デバイスの調整もしてくれた。なお、念のためにに申し上げておくが、この記事はGoogle Glassのレビューでもテスト・レポートでもない。箱を開ける儀式のビデオも載せてない。スペックについてはこちらを参照。そもそも今回配布されたGoogle Glassは一般ユーザー向けの製品ではないので良いとか悪いとかの評価の対象にはならない。購入者はGlassの将来に可能性を見出し、Googleが挑戦する新しいプラットフォームをより深く知ろうという人々だ。

Glassを新奇なだけのオモチャで、今日の世界に特に必要な存在ではないとみなす人々も存在する。一方で、GlassはGoogleはもちろんユーザー、デベロッパーにとって胸の踊る冒険へのドアだと考えるものもいる。私はどちらかといえばこれを新たな冒険の始まりとみたい。このデバイスがわれわれの日常生活、テクノロジー、ひいては社会全体にどんな影響を与えるのか、現在はまだ皆目予測がつかない状態だ。

セットアップ

私がGoogleキャンパスに着くとGlassチームのメンバーが何人か出迎えてくれた。去年のGoogle I/Oカンファレンスでが2000人のデベロッパーがGlassのExplorer版を予約してからほぼ1年経った。今日は待ちに待った日だ。

箱を開けた後、チームのメンバーが正しく装着する方法を教えてくれた。画像が投影されるスクリーン・ブロックは右目の正面ではなく斜め上に来る。その位置は鼻パッドで簡単に調整できる。次に最近リリースされたMyGlassアプリを利用してGlassとスマートフォンをBluetoothでペアリングさせる。ペアリングがすむまでGlassは事実上なんの動作もできない。

次にユーザーはGoogleアカウント(個人アカウント。ビジネス・アカウントは不可。) でログインする。

なお、この記事のスクリーンショットはMyGlassアプリのスクリーンショット・ツールでキャプチャーされたものだ。このアプリはユーザーが見る画像をすべて記録することができる。ペアリング、ログイン、Wi-Fiまたは携帯ネットワークの選定が終わるといよいよGlassを起動できる。

メガネのツルの部分にあるタッチパッドに指を滑らせるとGoogle Nowカード(起動してる場合)、設定、そしてこれがもっとも重要だが、音声コマンドのリストが次々に表示される。「オーケー、グラス」という魔法の合言葉の後に音声コマンドを付け加えることでさまざまな動作が行われる。

音声コマンドで、Google検索、道案内、メッセージ送信、写真やビデオの撮影と再生などが行える。Glassの上部にはビデオや写真の撮影のためのシャッターボタンがある。音声はイヤホンではなく耳のそばのスピーカーから聞こえるが、うるさくなく明瞭だ。

Glassチームは「投影される画像に正しく焦点を合わせることができるようになるまでに少し時間がかかるかもしれない」注意してくれた。Googleの社員の中には慣れるまでに1週間かかった人もいたそうだ。正直に言って、斜め右上を見るというのはわれわれが普段自然に行う動作ではない。しかし私の場合、ちらりと画面を見てから今まで見ていた対象に視線を戻すことが、慣れるにしたがって素早くできるようになった。

早く慣れるコツは、各機能のスクリーンショットをすべて取って、どこに何が表示されるのかよく覚えておくことだ。

Glassはそういうものではない

まずGlassが本来の目的としていないことについて触れておこう。Glassはスマートフォンの代わりにはならない。逆にスマートフォンとペアリングし、さらに携帯電話網ないしWi-Fiに接続しなければ何の役にも立たない。映画やYouTubeのビデオを見るためのデバイスでもない。もちろんコンピュータを代替することもない。スクリーンが小さいから検索結果もフルには表示できない。しかしそのときそのときに本当に必要な情報を即座に得ることができる。

Glassを数時間使ってみたところでは、情報収集を効率化するだけでなく、われわれに起きている間一日中繰り返しやっていることの一部を非常に便利にできるようにすると思う。ただしアプリがほとんどないので具体的な体験として乏しい。現在、デフォールトで連携しているサードパーティーのサービスはPathだけだ。

毎日繰り返しやっている行動というのは、たとえば時間を調べる動作だ。われわれは何回となく携帯電話を取り出して時間を見たり、メッセージが届いていないかとチェックする。誰かと会話しているとき携帯を取り出す動作というのは「これから先30秒かそこらは相手とコミュケーションする気がない」ことを示すものだ。右目の斜め上にスクリーンを装着しているというのも社会性という観点からは同様に問題があるかもしれないが、少なくとも今やっていることを中断せずにもっと短時間で同じ情報を得ることはできる。

Glassを実際に手にすれば、これほど多様な機能がこれほど小さなパッケージに収められていることにあらためて驚くだろう。Glassをかけて外に出ればしばらくの間好奇の視線を浴びることになるだろうか? そうであっても私には気にはならない。しかしGoogleGlassの社会的反響がどのようなものになるかは大いに気になる。しかしこれは一般ユーザーの手に製品が届くようになってから少なくとも数週間しないと判断できないだろう。

Glassの将来

近い将来、Glassにはどういうことができるようになるだろうか? もちろんこれが一番興味ある点だ。先週われわれが報じたように、投資家はGlassアプリのデベロッパーに投資を始めようとしている。病院での医師から学校の教師まで応用は無数に考えられる。

Glassを鼻の上に載せているだけでGoogle+ハングアウトに参加したり、友だちと会話ができてりすれば便利だ。それもその他の応用も、結局はデベロッパー次第だ。もの珍しいオタク・ガジェットに終わらせず、Glassを一般ユーザーの生活を豊かにするプラットフォームに推し進めることができるかどうかはすべてデベロッパーの熱意と創造力にかかっている。もちろん前途には数多くの困難が現れるだろう。一般ユーザーがどうしても欲しくなるキラーアプリの開発が必要だし、価格も中流アメリカ人に手の届く範囲に下がらねばならない。

いずれにせよ今回のExplorer版の出荷は最初の一歩にすぎない。とりあえずハンズフリーで読める料理レシピ・アプリが欲しい。そういった生活を実際に便利にするアプリを開発をしようとするデベロッパーが多数現れることを強く期待する。もちろんそうしたことが起動に乗るまでにはかなりの時間があかかるだろう―実際、私の犬も私のGlassを不審に思っているようだ。

読者がGlassアプリを開発している、あるいは開発に興味を持っているデベロッパーだったら私にお知らせいただきたい

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+