3.3インチの小型スマホ「Palm Phone」のアンロック版が約3万8000円で販売開始

初めてPalm PhoneをTechCrunchのスタッフに見せた時、彼らはとても興奮していた。これは少なくとも、大きくかさばるデバイスを必要としない人のためのセカンド端末としてデザインされた、カテゴリーとしてユニークな試みだった。

しかし、すぐに現実に直面することになる。デバイスの機能はサイズなどの要因によって厳しく制限されているのだ。さらに最大の問題は、これがVerizon(ベライゾン)専用の端末で、既存アカウントに紐付けられた2台目のスマートフォンとしてしか購入できないことだった。

今年4月、Palmは3.3インチディスプレイを搭載したPalm PhoneがベライゾンやUS Mobile経由ではなく、単独のデバイスとして購入できるようになると発表した。そして米国時間6月18日、ついにその販売網を拡大しアンロック版が発売され、AT&TやVerizon、T-Mobile、MetroPCSのSIMでも動作するようになった。

Palm Phoneの価格はわずか350ドル(約3万8000円)だ。これはフルサイズのミッドレンジ向け端末よりは安いが、廉価さはコンセプトと関係している。2代目のスマートフォンとしては多機能で、また確かに魅力的ではあるのだが、メインのスマートフォンとして購入することは絶対に避けるべきだ。これは、単独のMP3プレーヤートとしてもそれほど優れてはいない。

それでも製品に興味があるのなら、本日から予約することができる。また、Palmはネックバンドとリストバンドを備えたレザーケースも30ドル(約3200円)で販売する。こちらは、6〜8週間後に出荷される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

2018年最高・最悪ガジェット記事が1位(2018年12月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。12月30日までのアクセスは「2018年の最高&最悪のガジェットまとめ」が1位だった。

この記事で最高のガジェットとして登場したのは、スマートスクリーンの「Google Home Hub」、スクリーンがビルトインされた349ドルのジンバル「DJI Osmo Pocket」、そしてスタンドアロンのVRヘッドセット「Oculus Go」など。一方、最悪として紹介したのは、スマートフォンとして復活した「Palm」、1293ドルのスマートフォン「Red Hydrogen One」、スマートスクリーンの「Facebook Portal」など。最悪ガジェットに選ばれた製品は、発展途上で今後進化する可能性があるものの、現時点では期待値を大幅に下回ったことで評価が低くなってしまった。

12月20日公開ながら、ホンダジェットエリート(HondaJet Elite)の記事が3位にランクイン。実はTechCrunchは、同機の国内初の個人オーナーとなった千葉功太郎氏がジェネラルパートナーを務めるDrone Fundに招待されるかたちで発表会に参加した。「千葉さん、どこにいるのかな?」と会場を探していたのだが、まさかファーストデリバリーの相手が千葉氏だったとは。

4位にランクインした記事にも注目だ。「タクベル」からサービス名称を変えた「MOV」はタクシー配車アプリとしては後発だが、企業とタイアップして地域限定ながら高速料金や迎車料金を含むタクシー代を無料にするというゼロ円タクシーを開発。話題性は抜群だった。このタクシーが走行するだけで商品の宣伝となり、実際に乗車した人は車内でその商品を激推しされる。ゼロ円タクシーのファーストスポンサーとなった日清食品にとっても費用対効果の高い施策になったはずだ。

1位 2018年の最高&最悪のガジェットまとめ
2位 Google Pixel SlateがOSの課題を浮き彫りにする
3位 ホンダジェットの国内第一顧客は、千葉功太郎氏、堀江貴文氏、山岸広太郎氏と発表
4位 ゼロ円タクシーも登場!DeNAのタクシー配車サービス「MOV」始動
5位 NORADのサンタクロース追跡サービスは政府が閉鎖しても継続する

新Palmは欲しいMP3プレーヤーに近いのだが…

iPod Classicはいまだに僕のお気に入りガジェットであり続けている。当然、テクノロジーという点では他の多くのガジェットがiPod Classicをしのいでいて、聴いている音楽を自分が所有していないという常につきまとう懸念はSpotifyの偏在性でなくなったものの、音楽狂の僕にとってiPodがやはりパーフェクトだ。

もちろん、全てのガジェットがいずれそうなるように、iPodは過去のものになった。3年くらい前、僕は結局降参してしまった。iPodがAppleのラインナップから消えてずいぶんたち、中古で買うにはお高めだった。そうして僕はストリーミングに移行し、僕のMP3に入っていたコレクションは外付けハードドライブの中に行ってしまった。

TechCrunchでは最近、Mightyの最新バージョンについて取り上げた。このデバイスをSpotifyモデルのiPodシャッフルの大ファンである同僚に渡す前に、僕はつい最近のアジアへの旅行時にわずかな時間ながらこのデバイスを使ってみた。

そして、この週にアフリカに行く前に、Palmを再度試してみることを思いついた。TechCrunchでは特にPalmを絶賛したわけではないし、他のテックコミュニティも大方その評価に賛同した。しかしこのプロダクトについて包括的に取り上げていたわけではないのは恥ずかしい。もちろん、このプロダクトでは多くのことができるけれど、スマホマーケット全体の一部分をターゲットにしている。だが、おそらくこのプロダクトには救いが隠されている。

ハードウェアのつくりは確かにしっかりしていて、概ねiPhoneの小さい版に等しい。この2台目としてのデバイスには他に何かがあるはずだ。iPodに頼っていたころのことを思い返すと、僕はいつもClassicを一つのポケットに、スマホを別のポケットに入れて家を出ていた。Palmと同じくらいスリムでタッチインターフェースのMP3プレーヤーがあったらよかったのに。

Palmは使うには実に理想的なサイズだ。チェンジポケットに滑り込ませられるほどに小さく、音楽ライブラリーを閲覧できるだけの大きなスクリーンがある。10時間超のフライトを控え、そして到着後数日はインターネットに接続できるかどうかとわからないこともあり、僕はPalmを取り出し、Spotifyからダウンロードした曲をPalmに入れた。

それが初めにしたことだ。しかしこれはPalmとは関係がないが、Spotifyの曲をオフラインで聴けるようにするのに面倒なことといったらなかった。アプリがオフラインのときにも表示される状態とはほど遠く、表示させるためにいくつものハードルを超えなければならなかった。プレイリストをスクロールする最も簡単な方法は、検索バーをもってくるために下にスワイプして、それからオフラインの曲を表示するためだけに“フィルター”をクリックすることだった。

また、Palmには同様の方法で回避しなければならないミュージックプレイヤーとしての最大の欠点がある:音量ボタンの欠如だ。この点に関しては、ユ曲がかかるまで待ち、それから音量スライダーを持ってくるために下にスワイプしなければならない。もし音楽がかかっていなければセッティングからアクセスしなければならない。全てをボタンで操作するということに否定的なAppleですら、音量ボタンは搭載している。

バッテリーもまた問題だ。もちろん、飛行機モードにすると少しはましだーとは言っても、しっかりとした長さの国際線ではもたない。しかし明らかにトレーニングジムに行く間に使うには十分で、ランニングするときにポケットにしのばせるにはうってつけのサイズだ。

いろいろ検討してみた結果、試みは価値があったどころか、トラブルに終わった。実際、テック業界のほとんどが音楽プレーヤー専用という考えを過去のものにしてしまっている。それでも僕は、ハードウェア(ヘッドフォンジャックを加えるのは遅すぎるだろうか?)とソフトウェア(安くて、契約なしの統一価格)にわずかなひねりを加えることで、Palmが音楽プレーヤーという炎を再び燃やすことができるかもしれない、という考えを振り払えないでいる。

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(翻訳:Mizoguchi)

Palmの小さな二台目のスマートフォンは11月2日に発売

自分のでっかい手でPalmのちっちゃい“ultra-mobile”に触(さわ)るのを待ちきれない人、到着は意外と早いようだよ。というか、来週の金曜日なのだ、それは。本誌TechCrunchのオーナーであるメディア・コングロマリット企業のオーナーである巨大通信企業Verizonの今日(米国時間10/25)の発表によると、その奇妙な新製品をローンチするのは11月2日だ。

この3.3インチのデバイスは、無契約なら349ドル、キャリア契約ありなら1か月14ドル58セントで2年間だ。キャリアのストアかBest Buyのキオスクで買える。Kate Spade, Zagg, LifeActiv, そしてVerizon自身などが、アクセサリが売れることに賭けている。

小さいから、スマートフォンとスマートウォッチの中間みたいで、センスが良い。小さな二台目のスマートフォン、というコンセプトも新しい。これを作って売ろうとしているスタートアップは、わざわざ、なつかしいレトロな名前をライセンスした。しかもそのサイズは、なつかしい初代のiPhoneを連想させる。というレトロ満載の製品だ。

正直言ってぼく自身も、ぜひ使ってみたい。ぼくの最初の印象からすると、しっかり作りこまれている。iPhoneの縮小版みたいなデザインだから、使い方もまごつかないだろう。特定一社のキャリアというコーナーに最初から自分を追い込んでいるのも、市場参入の難しさを自覚しているからだ。

この新しく生まれ変わったPalmに投資し、ブランドのアンバサダーでもあるStephen Curry(上図)が最近絶好調のようだから、こうなったらすべてがうまくいくしかないだろうね。

この記事に、スライド写真が11点あります(ウェアラブルでもある!)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Palmブランドのスマートフォンが今年戻ってくる、ただしPalm OSではない

Palmのスマートフォンの復帰は、2018年の今も生きているようだ。昨年、中国の家電企業TCLの役員は、あの惜しまれつつ亡くなったモバイルブランドが、同社のスマートフォンコングロマリットのポートフォリオの一部として復帰することを確認し、その年もあと5か月足らずというタイミングで、“PVG100”がFCCとWi-Fi Allianceに登録された。

そのハンドセットを見つけたのはAndroid Policeだったがそれでも、名前と二つのWi-Fiバンドぐらいしか情報はない。でもその記事によると、5GHzのサポートがないから、大々的なニュースになりそうな旗艦機ではない、という。Androidは8.1だが、でも今のところAndroid PieはGoogleのPixelなど一部の機種だけだから、しょうがないだろう。

TCLに問い合わせてみたが、そのスマートフォンの正式発売までは何も言うことはないようだ。でもこれは、最近の同社の、BlackBerryブランドの復活に似た状況になるのだろうか。それなら、TreoやPreのような過去機種の化粧直しによる、ノスタルジーに訴える製品になるのだろう。

でもそのBlackBerryのKeyOneと同じく、過去の著名ブランドの名声への依存は、それほど強力なマーケティング戦略にはならない。しかもPalm OSのないPalm機を、Palmと呼べるのか? 悲しくも後者は、LGのテレビや冷蔵庫の中で生きている。でもそのおしゃれなAndroid機が、もしかして、昔のPalmの栄光を思い出させるかもしれない。

TCLはPalmの商標を2014年に取得し、BlackBerryのブランド復活がある程度成功したことにより、Palmで二匹目のどじょうを狙うのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa