Googleに負けじとAmazonがS3, EC2, ElastiCache, Elastic MapReduce, RDSを大幅値下げ

Amazonが今日(米国時間3/26)、同社のクラウドプラットホーム上の一連のサービスの料金値下げを発表した。値下げの対象となるサービスは、ストレージサービスS3、クラウドコンピューティングプラットホームEC2、ElastiCache、Elastic MapReduce、およびクラウドデータベースRDSで、この値下げによりAmazonのプラットホーム上でアプリケーションを運用する費用が、Googleが今週初めに発表した額に接近する。

S3の場合は、標準ストレージの料金が、最初の1テラバイトまでは1ギガバイトあたり3セント、低冗長性ストレージでは2.4セントになる。EC2は、クラウドコンピューティングのインスタンスの価格が最大40%値下げされる。

データ保存料が49テラバイトを超えるユーザには、さらにストレージの料金値下げが適用されるが、標準ストレージの場合の最低料金は2.6セントで、これより安くはならない。2.6セントはGoogleの今の料金と同じで、Googleはいろんな区分けをなくして単一の料金制にした。

標準ストレージの最初の1テラバイトに関しては、それまでの使用料が85セント/GBだから、ものすごい値下げだ。Amazonによると、今回の値下げ幅は全体として36%から65%のあいだとなる。

EC2は、最大の値下げ幅が40%になる。たとえば標準のm3.mediumインスタンスは、これまでの1時間11.3セントが1時間7セントになる。それはGoogleのベーシックなインスタンス、n1-standard-1インスタンスと同額だ。

値下げされないインスタンスもある。たとえばメモリの最適化を伴う高額なインスタンスcr1.8xlargeインスタンスは、1時間3.5ドルのままだ。メモリ最適化インスタンスでもlargeでないインスタンスは、大きく値下げされる。また最小のインスタンスであるマイクロインスタンスも、1時間2セントに据え置きだ。

なお、予約インスタンスも大幅に値下げされる。

データベースサービスRDSも、多くのインスタンスタイプが40%値下げされる。キャッシュノードElastiCacheは34%安くなり、Elastic MapReduceは27~61%の範囲内で値下げされる(EC2の値下げに加えてさらに、という意味)。

値下げの適用開始日はGoogleの値下げと同じく4月1日だ。

明らかに、Googleの値下げ攻勢がクラウド業界に大地震を発生させたようだ。Amazonの次は、当然ながら、Microsoftだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonの関係データベースサービスがメモリ244GBの巨大インスタンスタイプを提供

Amazonの関係データベースサービス(Relational Database Service, RDS)はデベロッパに、データベースエンジンMySQL、Oracle、またはMicrosoft SQL Serverへのアクセスを与える。このサービスにこのほど、大量のメモリを必要とするアプリケーションのための、新しいインスタンスタイプが加わった。244GBのメモリを提供するこのタイプはHigh-Memory Cluster DB Instance Classと呼ばれ、これまでの最大タイプ”quadruple extra large”(68GB)の3.6倍に相当する。ただし当面このインスタンスがサポートするのはMySQLデータベースのみである。

この新しいインスタンスは性能も高く、Amazonの計測によると、その計算力は2007年モデルのOpteronないしXeonプロセッサ(1.0-1.2 GHz)88基ぶんに相当する。Amazonによると、8コアのIntel Xeon E5-2670プロセッサ2基がこのインスタンスを駆動し、広帯域のネットワーク上で稼働する。同社の主張では、デベロッパはこのインスタンスを使うことによって、これよりも小さなインスタンスの約60%増のスピードを達成する。AmazonのJeff Barrの考えでは、この新しいインスタンスタイプは“これまで以上に要求の苛酷なデータベース駆動型アプリケーションに門戸を開く”、という。

Amazonによると、これだけ大量のメモリが使えるとデベロッパは、データベースを使用するオンライントランザクションのほとんどすべてをメモリ内で行うようMySQLを構成できるので、そういう種類の用途にとってこのインスタンスタイプは理想的である。AmazonのRDSはSQLとMemcachedのAPIでアクセスできるから、複雑なSQLトランザクションはもとより、単一のデータベースからデータを取り出す高性能なNoSQL的操作も可能である。

当然ながらこの新しいインスタンスタイプは、お値段も相当に高い。3年契約で1時間あたり2.074ドルからだが、前金3000ドルあまりを支払う。AmazonのUS EastとWestリージョンにおけるオンデマンド利用は、1時間4.725ドルからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonのクラウド・データベースRDSからベータが外れる―月間アップタイム99.95%を保証するSLAを提供

今日(米国時間6/6)、AmazonはRDS(リレーショナル・データベース・サービス)を公式に一般公開し、マルチアベイラビリティーゾーン配備の場合、月間99.95%のアップタイムを保証するSLA(サービス・レベル契約)の提供を開始した。

RDS自体はすでに3年半も稼働している。しかしAmazonは新機能を付け加え続け、またSLAも提供していなかったのでこれまで「一般公開」とは呼ばなかった。

Amazonが発表しているように、RDSはNASAのジェット推進研究所、ユニリーバ、Flipboard、Airbnbなど数千の企業で利用されており、すでに月間で何兆回ものI/Oリクエストが処理される規模になっている。

ユーザー企業やデベロッパーにとって重要なのはAmazonがRDSからベータ版を外したことではなく、SLAを提供し始めたことだ。月間99.95%のアップタイムjということは、Amazonが各インスタンスのダウンタイムを月間22分以下と想定していることを意味する。月間アップタイムが99.95%未満かつ99.0%以上だった場合は料金の10%、99%未満の場合は25%が割引される。ただしこのSLAがt適用されるのはマルチアベイラビリティ・ゾーン配備のみだ。この場合標準配備より料金は50%高くなる

RDSは現在Amazonが提供する4つのデータベース・サービスの中でMySQL、Oracle、SQL Serverをサポートするなどいちばん古典的なものだ。同時にこの分野ではGoogleが最近Cloud SQLアップデートするなどして競争力を増している。またMicrosoftもクラウド・データベースやビッグデータ・サービスの分野に参入を図っている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+