RICOH THETAの写真データベースが漏洩、1100万枚の写真へパスワードなしでアクセス可能になっていた

リコーが発売している360度カメラのRICOH THETAで撮影された数百万枚の写真(一部はプライベートで非公開)が、パスワードのないオープンなデータベース上で公開されているところをセキュリティー研究者が発見した。

Noam Rotem氏とRan Locar氏はネットに漏洩しているデータベースを発見し、リコーに報告。データベースはその日のうちに保護された。印刷テクノロジーの巨人は、2014年の発売以来360度カメラを数多く販売してきた。ユーザーは自分が撮った写真やビデオをクラウドにアップロードしてシェアできる。

しかしそのクラウドデータベースが世間に晒されていたのだ。報告したRotem氏とLocar氏は今回の件をブログにも書いている。データベースをアクセスできる人なら誰でも保管されている1100万枚の写真をアクセスできた。

研究者らは検証のためにデータのサンプルをTechCrunchに提供した。我々はデータベースで見つけた一意のファイル識別子を、クラウドのストレージサーバーのウェブアドレスに埋め込むことによって、リコーのウェブサイトにアップロードされたプライベート写真を簡単にアクセスできた。

ユーザーの名前やキャプションを読めるものもあった。

リコーが製造した360度カメラ「RICOH THETA」の1機種(画像出典:Andreas Rentz/Getty Images)

リコーの広報担当者であるJohn Greco氏に問い合わせたところ、研究者らの1100万枚という数字を否定せず、データが露出したことを認めた。

「リコーはこの問題を最近認識し、数時間以内に修復した。我々は顧客情報のセキュリティーを極めて重要と考えている。なお、実際に画像を見るためにはレコードをアクセスする以上の操作と高度な専門知識が必要であることを伝えておきたい。現在、プライベート写真は直リンクを経由してのみアクセスが可能であり、ユーザーが画像を共有する際にはこの方法を使うことを意図している」とGreco氏はコメントしている。

後にリコーは、直リンクによる写真のアクセスを無効にしたことを広報担当者がメールで通知してきた。Rotem氏とLocar氏はこの事象を「重大なプライバシー侵害」であると指摘した。

リコーはデータベースがどれだけの期間漏洩していたかを明らかにしていない。データベースのビルド日付を見ると4月1日に作られたことが想像される。しかし、漏洩したIoTデバイスやデータベース情報のデータベースであるShodanは5月9日に問題のデータベースを発見した。

研究者らが漏洩を見つけたのは、データベース作成から1カ月以上たった5月14日だったが、同社の早い対応を称賛した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウェアラブル会話デバイス開発のBONXがリコーから4.5億円を調達、音声ビッグデータの活用も

独自のイヤホン型ウェアラブルデバイスとアプリを連動させたコミュニケーションサービス「BONX」を提供するBONX。同社は7月17日、リコーと資本業務提携を締結したことを発表した。

今後リコーの顧客接点力などを活用してBONXのサービスを拡大させていくほか、両社のサービス間の連携を深めていく方針。また会話ビッグデータの活用にも取り組む。

なおBONXではリコーに対し約4.5億円の第三者割当増資を実施したことも合わせて発表している。

BONXについてはこれまでも何度か紹介しているが、片耳に装着する専用デバイス「BONX Grip」とスマホアプリを組み合わせて使う会話サービス。スマホとBluetoothを接続しておけば、携帯電波の入るところであれば、遠距離や悪天候でも相手と会話ができる。

人の声だけを高精度で検知し、機械学習により周囲の騒音環境に合わせて音声を自動的に最適化する発話検知機能や、誰かの電波状況が悪化しそうなときは音声で通知し、接続が切れても自動的に再接続処理を行う機能などを搭載。

もともと創業者の宮坂貴大氏の「スノーボード中に仲間と話したい」という思いから生まれたプロダクト。激しい向かい風の中でもクリアな会話ができるようにノイズキャンセリング機能も備えているので少々劣悪な環境であっても対応できる。

2017年12月からはビジネス用のコミュニケーションツール「BONX for BUSINESS」も提供を開始。30人までの音声グループコミュニケーションをスムーズに実現できることを特徴に、総合商社や物流企業、小売企業などで活用が進んでいるようだ。

冒頭でも少し触れた通り、今後BONXのソリューションをリコーの顧客接点力やサポート力を活かして拡販するほか、インタラクティブホワイトボードなどのリコー製エッジデバイスにBONXの技術やソリューションを組み込み、企業の働き方改革への取り組みを支援する計画。

また蓄積された音声コミュニケーションデータを用いて職場環境のモニタリングや効率化に活かすなど、会話ビッグデータの活用にも力を入れていくという。

なおBONXは2014年の創業。2018年2月に発表していたシリーズAラウンドでは慶應イノベーション・イニシアティブなどから総額4.5億円を調達。それ以前にも助成金や融資、VCからの出資などにより総額約3億円を集めている。

リコーから新しい360°カメラ、THETA V――4K、スペーシャル・オーディオに水中ハウジングも

リコーが360°カメラをバージョンアップした。新しいモデルはTHETA Vと呼ばれ、4Kビデオ録画、より高い没入感を得られるスペーシャル・オーディオ録音、ライブストリーミングなどをサポートする。

リコーのTHETAは360°カメラのパイオニアであり、高い人気を得ていたが、ここしばらくバージョンアップがなかった。今回の新モデル登場でTHETAは待ち望まれていた現代化を果たした。

リコー THETA VはまたWiFiデータ転送速度を大幅にアップし、現行モデルの2.5倍とした。露出とホワイトバランスの正確性も改良されダイナミックレンジも広げられた。リコーはこれによってあらゆる照明条件下で従来より質の高い画像が得られるとしている。またこうした高度なテクノロジーは同社のPentaxデジタル一眼レフ・スリーズから移植したものだという。

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THETA Vは4Kビデオに加えて14メガピクセルの静止画を撮影し、内蔵の19GBフラッシュメモリに保存する。この容量は静止画なら4800枚、4K動画なら約40分に相当する。記録フォーマットはH.264ビデオコーデックをサポートする。ユーザーは専用アプリを用いBluetooth LEを介してスマートフォンからTHETA Vを操作できる。Wi-Fiで接続すればデータ転送速度は速くなる。

THETA Vのもう一つの新機能はソフトウェア・プラグインのサポートだ。つまりリコーは将来プラグインを投入することによってTHETA Vに新しい能力を追加できる。このシステムを活用した最初のプラグインはリモート再生機能だ。これはカメラで撮影した画像をテレビその他、接続可能なデバイス上でミラーリング再生するもの。

サラウンド録音できるスペーシャル・オーディオもクールな機能だ。360°カメラにはきわめて有効だが、THETA Vのライバルには内蔵されている例は少ない。能力は実際にテストしてから判断したいが、VR再生には特に重要となる機能だ。

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リコーでは、別売のアクセサリーとして3Dオーディオを録音できるマイク・キット(269.99ドル)、水深10メートル程度まで対応できる水中ハウジングを用意している。

THETA Vの価格は429.95ドル。今日(米国時間8/31)からリコーのウェブサイトを始めとする通常のチャンネルから発売される。 3Dマイクは同時に発売されるが、水中ハウジングの発売は10月になる。価格は199.95ドル。

リコーが 2013年にオリジナルのTHETAを発売して以後、360°カメラにはライバルが多数登場した。今週発表されたInsta360 Oneはその最新の例だ。しかしTHETA Vはリコーの製品だけあって高品質で信頼性も高く、消費者向け360°カメラとして最高の実績を持っている。発売開始でこの分野の競争はさらに激しくなりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ricohが360度カメラの中級機を市場に投入

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360度カメラなんて一生要らない、と思う人も多いだろうけど、でもTheta SCは、この分野の新しい最先端を切り拓いたというよりも、普及のための普及機を目指し、Ricohの製品の中では中段に位置する。

中段といっても300ドルだから、最上位機種Theta Sの350ドルに比べてそれほど安くない。しかし、機能性能的に削り落とした部分はあまりない。ルックス的にも、ハイエンド機と比べて見劣りしない。ちょっとばかし、カラフルにはなったけど(上図)。

最大の違いは、micro-HDMIポートがないこと。だからライブのストリーミングができないし、連続録画時間は25分ではなく5分だ。ないもの、ではなく、あるものといえば、f2.0のレンズが2つ、12メガピクセルのセンサーが、スチルと1080pのビデオを撮る。今すでに、Ricohのサイトで買える。

同社はまた、iOSとAndroidのアプリをアップデートしており、それにより撮影撮像過程がさらに合理化された。撮りやすさはすでに、同社のカメラの最大のセールスポイントの一つだけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))