GoogleとFacebookによるセマンティックウェブへの取り組み

セマンティックウェブやナレッジグラフにデータ構造化、そしてGoogleやFacebookの取り組みについて学べる記事を。基本的なことが幅広く網羅されており概要を理解するのに最適です。 — SEO Japan

検索業界ではイノベーションが活発に行われている。その中でも、ナレッジグラフは、改善を続け、そして、ユビキタスな存在になりつつある。この点を考慮し、セマンティックウェブのコミュニティとSEOコミュニティは、頻繁且つオープンなコミュニケーションを一貫して行っている。

今後、SEOの取り組みを行い、この情報を検索マーケティングキャンペーンに活かすためには、、ナレッジグラフの仕組みを深く理解し、そして、セマンティックウェブのマークアップを確実に把握しなければならくなるだろう。

ナレッジグラフは単なる文字列ではない

2012年5月12日、グーグルは、ナレッジグラフを導入し、ブログの記事「ナレッジグラフを導入: 文字列ではなく、アイテムを」の中で、このサービスの説明を行った。このタイトルから、グーグルが、検索クエリをキーワードのグループ(文字列)として理解する取り組みから、実際のエンティティ/コンセプト/物(アイテム)として理解する取り組みへ進化させようと努力していることが伝わってくる。

Google Knowledge Graph1

schemaマークアップには、検索エンジンが理解することが出来る方法で「アイテム」を表示させる効果があるが、グーグルは、マークアップがない状態でも「文字列」を「アイテム」に関連付ける能力を高めつつある。

例えば、検索クエリ[things to do in encinitas] – 文字列 – とschemaのマークアップを使って表示させることが可能な[tourist attractions in encinitas] – アイテム – では、共に全く同じナレッジグラフの結果が返されている。ご自分で好きな場所を選んで試してもらいたい。

Results_String1

Entity Search

検索の文字列をナレッジグラフのエンティティの結果を出すために様々なメカニズムが用いられているはずだが、この点は、「文字列」から「アイテム」(セマンティック検索のアプローチ)への転換を行う目的の一つは、「アイテム」を見つけやすくすることである。

ナレッジグラフの起源

グーグルのナレッジグラフに盛り込まれている情報の多くは、もともとdbpedia(ウィキペディアの「グラフベース」版または「リンクで結ばれたデータ」版)、そして、フリーベース(グーグルがメタウェブを買収して、獲得したサービス)にもともと用意されていたものだ。以下に、この類の記事でよく見かける図表を掲載しておく。

例として、生命科学と生物医学に関するデータベース、MEDLineを取り扱う無料のデータベース、PubMedを取り上げみよう。PubMedは、ddpediaのオープンデータのネットワークの図表の中に含まれている。

Linked Data Pubmed

医学や心理の疾患について、グーグルで検索を行うと、ナレッジグラフの結果が返される。下の画像は、ナレッジグラフに掲載されるPudMedの結果の例をである。エントリに表示されている、「National Library of Medicine」のURLをクリックすると、Cause(原因)、Symptoms(症状)、Tests(テスト)、Treatments(治療)、もしくは、Prognosis(予後)をクリックした場合と同じように、PudMedのURLに導かれる。

depiction pubmed

このメカニズムは、昨年の暮れにグーグルが行ったナレッジグラフに医療情報を加える決断の延長線上にあると思われるが、それでも、オープンデータのネットーワクの図表に記されたデータセットの相関関係は、注目に値する。

グーグルはセマンティックウェブの調査を実施中

グーグルが、デニー・ブランデチッチ氏を正社員に迎えた点も注目を集めている。ブランデチッチ氏は、グーグル、そして、Allen Institute for Artificial Intelligenceが資金を提供したウィキデータプロジェクトを統括した人物である。

グーグルが、セマンティックウェブの人材に投資したのは、今回が初めてではない。schema.orgを統括するダン・ブリックリー氏もまた、グーグルによって採用されている。グーグルが検索エンジンに今後もセマンティックウェブのテクノロジーを統合していくのは、明白である。

フェイスブック、構造化メタデータをユーザーの投稿に加える

フェイスブックは、もともとデータの構造化を行っている。ユーザーがプロフィールに加える基本的なユーザーの情報もその一つである。しかし、フェイスブックは、構造化データの細かさに限界があるため、トラフィックの収益化に問題を抱えてきた。グラフサーチは、この領域に対して、興味深い変化を加えた。

フェイスブックは、この方針を継続しており、最新のメカニズムでは、この領域が大きく改善されている。ユーザー自身の構造化データを投稿に加えることが可能になっており、同社のソーシャルグラフの利便性と収益性に飛躍的な進化をもたらした。グラフサーチを米国全土の英語を利用するユーザーに公開した直後、この機能の告知が行われた。

感情のマークアップ言語

W3Cは、提唱した感情マークアップ言語について、次のように薦めている: 「ウェブが、ユビキタス化、双方向化、そして、多様化するにつれ、テクノロジーは、感情を含む、人間の要素に対応する必要性に迫られている。」

この方針に従い、フェイスブックは、ユーザーが、投稿に対してムードとアクティビティを加えることが可能な、魅力的な機能を新たに加えた。感情を特定するために、自然言語処理、そして、その他の人工知能技術を利用する必要はなくなったのだ。現在、ユーザーは、ムードを伝えるだけでよい(フェイスブックが提供するリストから、自分で選ぶことも可能)。以下にフェイスブックがユーザーに提供しているオプションのイメージを掲載する。

FB Mood Metadata

ムードを使ってユーザーの意図を測定

ムードは、とりわけ、広告スポンサーにとって、ユーザーの意図を計測する上で、素晴らしいメカニズムだと言えるだろう。 例えば、女性のユーザーが悲しんでいる場合、欲しかった靴を買って、気分転換しようと考える可能性がある。あるいは、独身のユーザーが、寂しい思いをしているなら – 出会い系のサイトに登録(もしくは契約の更新)する確率は高いだろう。

マーケッターは、素晴らしいアプリ、プレゼントサービス等を作ることが出来るが、ユーザーの行動に関する構造化された良質なデータセットのおかげで – 顧客維持の課題に関して(出会い系サイト、あるいは、その他の購読サービス)、推測分析エンジンが、とても精度の高い推測を行う事が出来るようになっている。

これは、メタデータの追加により、感情分析の仕事が省略される、典型的な例である。このタグ付けされたデータは、後に機械学習/トレーニングにも利用することが出来る。広告スポンサーは、感情、そして、その感情に関連する情報を把握することが出来るため、“推測”する必要がなくなるのだ。

アクティビティを介して情報を集める

広告主は、ユーザーのアクティビティから、ユーザーの行動(そして、ユーザーが行動を起こすタイミング)を把握する。残念ながら、この記事を作成している時点では、1つのオプションしか選ぶことが出来ないため、マルチタスクは難しそうだ。

FB Activity Data

この情報は、フェイスブックが広告スポンサーに提供する情報にとって、大きくプラスに働く可能性がある。グラフサーチに盛り込まれかどうかは微妙だが、自分と同じムードで、現在、同じアクティビティを行っている、あるいは、興味を示している他のユーザーを見つけたくなるはずである。そして、友達になったり、交流を楽しむようになるだろう。

イノベーションの早さの重要性

冒頭で触れたように、検索におけるイノベーションの早さに関して、現在の検索業界で、早いペースで起きている変化に対応し、「複数のテクロノジー間」の相互作用に携わることが重要になった。そのためには、セマンティックウェブのグループとSEOのグループが緊密にコミュニケーションを取り、SEOの担当者が、最新の検索のノウハウを吸収することが可能な環境を作り出すべきである。

  • セマンティック検索、グラフサーチ、ナレッジグラフ、そして、ソーシャルグラフは、メジャーな検索エンジンおよびソーシャルエンジンにおいて、欠かせない要素である。
  • グラフサーチを活用する方法を理解することは、検索マーケッター全員の命題である。
  • 感情マークアップ言語を使って、ユーザーの意図を計測し、アクティビティを通じた情報を集める取り組みから、広告スポンサーはメリットを得ることが出来る。
  • 存在する矛盾: イノベーションは、「複数のテクノロジー間の相互作用」によって、ペースを早めつつある。現在のイノベーションのペースについていく上で最も効果的な方法は、無料の、利用可能なリソースを活用し、自分自身もミックスの一部になることだ。
  • 複数のテクノロジー間の相互作用とは、セマンティックウェブのグループ、そして、SEOのグループ等の間でコミュニケーションを取る取り組みを差す。これは、トレンド、そして、最新のノウハウを把握する上で、重要な役割を果たす。

現在、SEOを担当していて、セマンティックウェブを学びたいなら、meetup.comを使って、近郊のセマンティックウェブミートアップに参加しよう(無料)。例えばセマンティックウェブ 101のようなイベントが定期的に開催されている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Leveraging Search Algorithms In A Semantic Search World」を翻訳した内容です。

実はこの記事昨年後半の記事で配信を出しそびれてしまっていたのですが、既にGoogleもFacebookもその取り組みはその後さらに進んでいると思われます。。。自らのプラットフォームでないでデータが産み出されるFacebookと外部データを利用するGoogleではその取り組みも自然と変わるわけですが、この記事のように両者を比較するとまた気づきもありますね。 — SEO Japan [G+]

ハミングバード時代に検索のプロが考慮するべきschema.orgの7つのポイント

構造化データマークアップ、今後のSEOの基本になるとも思われる要素ですが、まだまだ導入サイトは少ないのが現状です。導入時の基準になる情報自体はschema.orgで公開されていますが、シンプルすぎるデザイン含めコーダーや開発者でなければ入りにくい難易度の高そうな雰囲気がかもし出ています。そこで今回はサーチエンジンランドからschema.orgの説明及び導入方法を特にハミングバード稼働後のGoogleを対象に解説してくれたお役立ち記事を。 — SEO Japan

2011年6月2日に立ち上げられたschema.orgは、主要な検索エンジンがサポートする構造化データマークアップを提供してきた。schema.orgが登場して以来、このマークアップが多くのウェブサイトに実装されるようになった。しかし、schema.orgのマークアップを導入しているのは(あるいは、コンテンツ管理システムによって実装されているのは)、テクノロジーに長けるサイト、そして、職務に忠実なウェブマスターのサイトのみである。確かに、この構造化マークアップを実装する作業は面倒であり、ウェブマスター達は、時間を割いて、schemaの本当のメリットをフル活用する取り組みを怠りがちである。

セマンティック検索(日本語)を中心とする新しい時代に足を踏み入れるにつれ、さらに多くのウェブサイトがマークアップが導入するようになる、と私は推測している。グーグルのハミングアードアップデート(日本語)、そして、ナレッジグラフへの依存が高まることで、schema.orgの重要性はさらに高くなるはずである。

グーグルは、エンティティおよびカテゴリーをベースとしたクエリに対応するため、インターネット上のエンティティを結びつける取り組みを強化していく中、schema.orgのマークアップは鍵を握る存在となる。グーグルは、ウェブを分類化し、特定のエンティティのポイント(日本語)を識別することを望んでいるが、この願いを実現する手段が、schema.orgである。

それでは、schema.orgについてSEOの関係者に知っておいてもらいたい7つのポイントを挙げていく。

1. schema.orgはコラボレーションプロジェクトである

schema.orgは、単一の検索エンジンが受け入れているマークアップではなく、グーグル、ビング、ヤフー!、そして、ヤンデックスによるコラボレーションプロジェクトである。このプロジェクトに参加する検索エンジンは、すべてschema.orgをサポートしているが、これは、マイクロフォーマットやRDFa等のその他のタイプのマークアップには見られない特徴である。

現在、グーグルは、その他のタイプのマークアップの代わりに、schema.orgを加えるよう推奨している点も注目に値する。つまり、マークアップの標準として認定されているのだ

Call out from Google

グーグルの指摘

schema.org(リンク先は英語)により、Google、Microsoft、Yahoo! のいずれでも認識できるボキャブラリを使用して、ウェブサイトのページで多様な種類のアイテムをマークアップできるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください (ただし、Google では既存のリッチ スニペットのマークアップを引き続きサポートします)。

つまり、何らかの構造化データマークアップを導入するつもりなら、schema.orgを選ぶべきである。

2. すべてのマークアップがリッチスニペットを作るわけではない

現在、schema.orgは、大量の情報を検索エンジンに伝える力を持っているものの、すべてのマークアップがリッチスニペット、もしくは、強化型検索結果を生成するわけではない。「リッチスニペット」とは、SERPのリスティングに表示される、メタデスクリプションではない要素を差す。グーグル(そして、その他の検索エンジン)は、構造化マークアップのデータをリッチスニペットとして解釈し、表示する仕組みを頻繁に変更している。

リッチスニペットに関して、グーグルは、イベント、音楽、団体、人物、商品、レシピ、レビュー、ソフトウェアアプリケーション、動画等、リスティングを様々なタイプのコンテンツとして表示することが出来る。このサイトの読者の多くは、このコンセプトに慣れ親しんでいるはずだが、よく理解していない方のために、幾つか例を挙げて説明する。このリッチスニペットを検討する際は、通常のリスティングと比較して、クリックスルー率を上げるかどうか考えると良いだろう。

リッチスニペット – イベント

Rich Snippet Events

リッチスニペット – イベント

リッチスニペット – 音楽

Rich Snippet Music

リッチスニペット – 音楽

リッチスニペット – レシピ

Rich Snippet Recipe

リッチスニペット – レシピ

忘れずに現在、グーグルがサポートしているリッチスニペットのリストに目を通しておいてもらいたい。多くのケースでは、強化されたリスティングは、CTRを高める効果があり、その結果、言うまでもなくランキングを改善すると私は実感している。この点を実証するため、様々な刺激的な調査が行われているが、その大半は、リッチスニペットを用意することで、より多くのビジターをもたらすと指摘している。

3. schema.org vs オープングラフ

ある意味、schema.orgは、フェイスブックのオープングラフプロトコルに似ているものの、より広範な用途に利用することが出来る。shema.orgのFAQページの一部を掲載する:

フェイスブックのオープングラフは、その目的を果たすものの、ユーザー体験を改善する上で検索エンジンが必要な詳細な情報を用意していない。ウェブページは、様々な要素で構成されていることがあり、トピックが一つだとは限らない。フェイスブックのオープングラフを介してコンテンツをマークアップする場合であっても、schema.orgは、ページ上の具体的なエンティティに関する詳細を提供する新たな手段を与える。

ナビゲーションにおけるグーグルの区分けが進むと、shema.orgのマークアップと緊密に連動し、フェイスブックの検索における区分けのドロップダウンと同じようなデザインになるのではないかと推測する人もいる。事実、ある程度、このコンセプトと既に足並みを揃えている。

因みにフェイスブックのグラフ検索は、オープングラフプロトコルを巧に活用しているように思える。実際に、見事に区別されている。ドロップダウンをチェックしてもらいたい。

Facebook Search Engine

フェイスブックグラフ検索

グーグルが、エンティティをつなぎ合わせ、shcema.orgの助けを借りて分類化していく中で、ナビゲーションは、schema.orgの手法に忠実に従うようになると考えられる。

4. つなげる

文字列ベースのクエリの重要な点は、1つの主なエンティティから派生する検索であり、つながりである。schema.orgは、まさにこのニーズに対応している。例えば、schema.orgを使うと、人物を特定することが出来る。さらに、その人物の特徴、つまり、その子供、誕生日、学歴、死亡日、性別等々を特定することも可能である。以下に特徴の幾つかを掲載する。

Schema.org Thing Person Markup

schema.orgのPersonのマークアップ

ここで、schema.orgがSEOに与える影響を考えてもらいたい。

この情報を使って、データをマークアップする方法を改善することが出来る大きなウェブサイトは、検索エンジンにおいて、当該の情報のプロバイダーとして採用される可能性がある、と私は考えている。そうなると、グーグルが、この情報をどのように処理するのかが気になる。ナレッジグラフに加えるのだろうか、グーグルカードの中で提供するのだろうか?あるいは、何らかの形でウェブページを返すのだろうか?また、リッチスニペットを作ることで、このマークアップは、検索のリスティングを変えるのだろうか?

検索が、今後の数ヶ月間、そして、数年間で進化していく中、SEOのエキスパートは、このような疑問を常に問い掛けることになるだろう。schema.orgを使ってデータをマッピングする大変な作業が、サイトへの検索トラフィックを増加させるのか、あるいは、グーグルに情報を渡して、グーグルが表示するのかどうかを、検索のプロは、見極め必要がある。

今後投稿する記事で、この件をさらに詳しく説明していく。とりあえずは、Barack Obama > How Tall is He(バラク・オバマ > 身長)を検索した際に表示されたカードを見てもらいたい。

How Tall is Barack Obama Example Google Result

バラク・オバマの身長に対するグーグルの結果の例

ここではウェブページを介する必要はない。この検索は、訪問にはつながらない。しかし、これは必ずしも悪い傾向なのだろうか?この訪問がどれだけ有益なのだろうか?繰り返すが、今後の投稿で、より重大なトピックを取り上げていく予定である。

5. schema.orgと言語の最適化

schema.orgのマークアップは、どの言語でも加えることが出来る点を覚えておいてもらいたい。schema.orgは、現在、英語の文書のみを提供しているが、マークアップはその他の言語でも利用することが可能だ。この点は「複数の言語と地域を意識した究極のSEOガイド」に加える必要がある。

6. schema.orgを加える理由

schema.orgマークアップを加えることで、検索エンジンは、ページの内容を遥かに正確に理解することが出来るようになる、とグーグルは指摘している。グーグルは、あるケースでは、schema.orgのマークアップを使って、リッチスニペットを生成しており、今後、さらに多くのリッチスニペットを加える計画を立てている。

たとえば Google では、検索結果に表示されるリッチ スニペットを作成するのに使用します。schema.org のすべてのタイプの情報が検索結果に表示されるわけではありませんが、今後徐々に用途が多様化し、使用されるデータも増えていくことが予想されます。また、マークアップにはウェブページから自由にアクセスできるため、別の組織によってマークアップの興味深い新たな活用方法が発見されるといったこともあるかもしれません。

以前のマークアップで行うことが出来た取り組みは、すべてschemaでも実施することが出来る。それなら、切り替えることに躊躇する理由はない。

7. schemaをウェブサイトに加える方法

それでは、schema.orgを簡単にウェブサイトに実施するにはどうすればいいのか?と言う疑問がここで浮上する。このページに、schema.orgの利用を始める際に有益なガイドが提供されているので、参考にしてもらいたい。実際に、schema.orgをページに加えたら、忘れずに構造化データテストツールを使って試してもらいたい。

まとめ

すべてのページや要素に構造化データマークアップを加える必要はない — 重要なものだけでよい。グーグルは、マイクロフォーマットやRDFa等のマークアップを今後もサポートしていくため、今すぐに切り替える必要はない。

グーグルは、現時点では、schemaマークアップをランキングの要素として利用していないと指摘しているものの、リッチスニペットは、検索結果でウェブページを目立たせる効果があり、より多くのトラフィックをもたらすとも明言している。言うまでもなく、ランキングとトラフィックの増加は、切っても切り離せない関係にある。ユーザーの役に立つなら、ウェブサイトの役にも立つはずである。

その上、音声検索やその他の文字列ベースのクエリが、ウェブ上に拡大していく中(今後の数年間で、大幅に増加していくと私は見ている)、schema.orgは、エンティティ、カテゴリー、そして、コンセプトを結びつける上で心強い味方になるだろう。

schema.orgに関する私の考えに対して、フィードバックをもらえると嬉しい。皆さんのschema.orgプロジェクトが成功することを心から願っている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Schema.org ? 7 Things For SEOs To Consider Post Hummingbird」を翻訳した内容です。

基本を理解する上では参考になる記事だったのではないでしょうか。特にECサイトやデータベース連動型のサイトにおいてはシステム化が必須の要素とは思いますが、意外とまだまだ対応していない商用システムが大半だったりする現状ですし、できることはやっていきたいものです。 — SEO Japan [G+]

リンク構築は時間の無駄…ではない11の理由

「リンク構築」、、、3年後にはかつて存在した懐かしのSEOワード扱いになりそうな雰囲気ですし、実際、現時点で「終わった」と思っている人も多いかもしれません。リンク構築を無視してひたすらコンテンツ制作に精を出すこともまた1つのやり方ではありますが、SEO業界のベテラン、エリック・ワードによるとまだまだリンク構築に意味もある、ということで、最近のリンク構築終焉説を少し皮肉に捉えた彼の意見を。 — SEO Japan

これ以上、リンクを構築する必要はない。今まで、これほど解放された気分を味わったことはない。自由だ。私はコンテンツを見つけやすくするために、長い年月を費やしてきたが、こんな作業を行う必要がないことに、今まで気がつかなかった。163回に及ぶカンファレンスのプレゼンは何だったのだろうか? — 時間の無駄だ。300本を超える記事、カラム、そして、投稿は何だったのだろうか?– デジタル世界のゴミに過ぎない。ソチオリンピックに向けて、完成させた壮大なプロジェクトは何だったのだろうか? — 今、返金の手続きを取っているところだ。

なぜなら、リンク構築が終焉を迎えたことは、誰が見ても明らかである。また、つい最近、友人であり、仲間であり、時折パネルで議論を交わすマット・カッツ氏(必要以上に非難されることが多い)が、ゲストブログを一蹴し、瀕死状態のリンク構築にとどめを刺した。長年に渡って、グーグルをATMのように扱ってきた事実を、マット・カッツ氏のせいにするべきではない。railroad_link

と言うことなので、今すぐにすべてのリンク構築関連、および、宣伝記事関連のアクティビティを中止しよう。コンテンツにおける使命はたった一つ、

最高のコンテンツを提供する、それだけだ。

最高のコンテンツを提供すれば、その素晴らしさを発見し、シェアしてもらえるようになる — これは、1994年の「作れば、訪れてもらえる」アプローチ、もしくは、2010年の「アプリにすれば、ダウンロードしてもらえる」アプローチの2014年ソーシャル版と言える。いいね、ツイート、ピン、そして、プラスを利用することが出来るのに、リンクをわざわざ使う必要はあるのだろうか?<a href>タグは、作成するのが面倒なだけでなく、不自然なリンクの警告をもたらす可能性もある。

どうにかして、ウェブは、リンクを自ら作り出し、端末にダウンロードをもたらす、素晴らしいと言うよりほかに表現のしようのないコンテンツの優れた集まりに進化した。そこで、リンク構築業者(または、リンクストラテジスト、コンテンツパブリシスト、もしくは、その他の呼称)がもう必要でなくなった点を証明するため、リンクのない世界を明らかにする11点の事実を挙げていく。

1. タイトルに「link building is dead」(リンク構築は終わった)と言うワードが含まれる記事は5300本以上ある。実際に確認してもらいたい: http://goo.gl/YatQDIすべての記事が、間違えているとは考えられない — 少なくとも、5300本のうちの1本は、真実を語っているはずだ。

2. ディレクトリは役に立たない(これは事実とは異なる。意図を持たないディレクトリは確かに役に立たない。しかし、トピックベース、業界ベース、分野ベース、そして、管理の行き届いたディレクトリは、トラフィック、そして、信頼性をサイトにもたらす)。

3. プレスリリースは役に立たない(事実ではない。内容がなく、キーワードアンカーばかりのプレスリリースは、確かに戦力にならない。告知する価値のあるプレスリリースは、信頼されている人物に取り上げられる(そして、リンクを張ってもらえる)可能性はある。これは大きな違いである)。

4. 記事のデータベースは役に立たない(事実ではない。大量のコンテンツを網羅し、質の低い記事ばかりが集められた記事のデータベースは、確かに効果がない。ディレクトリと同じように、トピックベース、業界ベース、分野ベース、そして、管理の行き届いた記事のデータベースは、トラフィックと信頼性を与える)。

5. アンカーテキストは役に立たない (事実ではない。アンカーテキストを持つサイトが、長期間にわたってソースとして信頼されてきた点を示すシグナルを以前から形成しているなら、このソースから発せられるアンカーテキストは、役に立つ可能性が非常に高い。また、このタイプのソースは、コントロールすることは出来ない、と言う特徴を持つ。だからこそ、信頼されるのである。例えば、10年間地球温暖化に関するブログを運営してきた大学教授は、その道のエキスパートである。 このブログの地位は、お金に換えることは出来ない。このブロガーは、その他のソースやサイトにリンクを張ることはあり、「キーワード」と呼ばれても仕方のないテキストを利用することもある。しかし、この人物は、SEOと言うワードを今まで一度も耳にしたことがない。それでも、グーグルは、このソースを無視すると思うだろうか?)

6. リンクネットワークは役に立たない(事実ではない。「リンクネットワーク」の定義に左右される。全国的な団体の州別のウェブサイトを集めたら、リンクネットワークになるのだろうか?その通りである。また、この団体に新たに加わり、サイトを立ち上げ、他のメンバーと同じように、リンクを得たら、リンクネットワークの一員になるのだろうか?一員と見なされる — 当然だ)。

7. ウィジェットは役に立たない(事実ではない。リンクを含むソースコードの組み込みをエンベッド、もしくは、求めるウィジェットは、役に立たない。ただし、このタイプのウィジェットとは異なるタイプのウィジェットもある)。

8. 有料リンクを使うと逮捕される。(事実ではない。この件に関しては、特に説明する必要はない)。

9. ゲスト投稿は役に立たない(事実ではない。このコラムは「ゲスト」投稿に当たるはずである。今まさに、この記事を読んでいるのではないだろうか?)

10. インフォグラフィックは役に立たない事実ではない。あらゆる複雑な統計ベースのデータおよび調査結果が、インフォグラフィックのクリエイターによって、まとめられているだろうか?まだ取り上げられていないものもあるはずだ。しかし、その一方で、電子タバコが、健康に良いことを指摘するインフォグラフィックは、7500点に達しており、効果がないのは当然である)。

11. 大金を支払ってリンク構築を依頼した会社が、今度は、必死で追い求めたリンクを削除するために、大金を要求している(残念ながら、大方、事実である)。

上述した11点の指摘は、事実でもあり、誤ってもいる。この指摘が、問題を解決する上で、どのように役に立つのだろうか?現在のリンク構築の環境下では、すべてニュアンスの問題である。すべて効果があるとも、すべて効果がないとも言うことが出来る — 各種の変化する要素や意図に左右されるためだ。

効果があると考えられているあらゆる手法に、弱点が存在する。反対に、効果がないと考えている手法に、効果のあるシナリオが存在する。前からそうだった。リンク構築のエキスパートは、星の数ほどいるものの、検索は、リンク構築のパズルの一つのピースに過ぎず、どう対応すればいいのか心得ているリンク構築のストラテジストは不足している。

適切なコンテンツ、適切な人物、適切な導入

これから、リンク構築が終焉していない理由を一つ挙げさせてもらう。ソチオリンピックのウェブサイトの奥深くに、教職員向けのコンテンツが埋められている。恐らく、こんなコンテンツがあることに気づかなかったのではないだろうか。あるいは、巨大なナビゲーションメニューを使ったものの、見つからなかったのではないだろうか。そこで、私に白羽の矢が立ったのだ。

もし、リンク構築が必要とされていないなら、もし、リンク構築が滅亡したなら、もし、リンク構築が役に立たないなら、私が送信した接触/リンクの要請用のメールに返信してくれたこの人物は、リンク構築が終わったことを知らなったのだろう。

-------- オリジナルのメッセージ --------
件名: Re: 教職員向けのソチオリンピックの教育コンテンツが公開されました
日時: 2014年1月3日 14:56:14 -0000
From: ...学区
To: エリック・ワード <eric@ericward.com>
ワードさん

ソチオリンピックの教育向けの資料およびレッスン計画に関する情報を送って頂き、ありがとうございました。早速、毎週送信するメールに、この資料へ向かうリンクを加え、学区内の500名以上の教職員にURLを紹介しました。来週も、同じリンクをメールに掲載する予定です。
...学区に連絡を取って頂き、感謝しております。
(名前)
コミュニケーション & ディベロップメント部門ディレクター
...学区
(eメールアドレス)
(電話番号)

ご覧の通り、コンテンツに関する情報を提供したところ、リンクを実際に張ってもらえた。信じられないかもしれないが、これは事実だ。と言うことで、今回のコラムは無視して頂いて結構。それでは、これで失礼する。今から、リンク構築に取り組まなければならないからだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「11 Reasons Link Building Is A Futile Waste Of Time ? And One Big Reason It Isn’t」を翻訳した内容です。

私自身もリンク構築が廃れたとは全く思っていませんが、今までのようなドーピング的なスパムトリックは通じなくなっていますし、リンクの対象となるコンテンツをきちんと整備することが過去以上に大事になっていることは事実です。逆にコンテンツ拡充だけに追われてリンク構築をおろそかにすることは、本来のコンテンツの価値を十分にネット上で活かし切れてないとも思いますし、どちらか一方に触れ過ぎずにバランスよく取り組んでいくことが検索経由のトラフィックを最大化するコツかと思います。 — SEO Japan [G+]

Googleの進化の奇跡 – 10本の青いリンクからセマンティックSERPへ

昨年後半はセマンティック検索関連の記事を多数配信してきたSEO Japanですが、今回、セマンティック検索を検索結果も含めて丁寧に解説してくれたサーチエンジンランドの記事がとてもわかりやすかったので新たに紹介します。「セマンティックネタは小難しいからいい!」といわれそうですが、我慢して3回読むときっとあなたもセマンティック検索通、イコールGoogleを現在と今後を堂々と語れるエキスパートに返信できそうな内容です! — SEO Japan

検索は、変化しており、検索結果(SERP – Search Engine Result Page)も変化している。SERPは、順応性を高め、魅力を増し、有益になり、対話性を高め、そして、パーソナライズされている。

セマンティック検索、そして、セマンティックウェブを効果したSERPの表示形式は、ヤフー!、そして、同社のサーチモンキーの結果で、初めて採用されていた。その後、ヤフー!に続き、今度は、グーグルが、リッチスニペット、そして、ナレッジグラフ、さらには、関連する変化を加えた表示を行うようになった。

 

Digital Data Consumed and Processed

消化され、処理されるデジタルデータ

現代の検索エンジンのユーザーは、「ナレッジパネル」、そして、グーグルのナレッジカルーセル内の集められた結果に慣れ親しんでいる。この記事を作成する時点でのグーグルの最新の告知では、同社は、ナレッジグラフの情報が、自然の結果に割り当てられていたスペースの一部に移動する可能性があると指摘している。

グーグルが機能を拡大、および、強化していく中で、この勢いを活用するために、確実に講じておきたい基礎的、そして、重要なステップがある。検索エンジンに対して、最善の方法でコンテンツを提示することが出来るようにするシグナルをグーグルに提供する方法である。

セマンティック SERPを活用する方法を説明する前に、まずはセマンティック SERPとは何かを明らかにしておく。

セマンティック SERPを理解する

セマンティック検索の手法は、検索のプロセスの多くの段階で、検索エンジンによって用いられている。ユーザーの意図を正しく理解するため、または、クエリを変換するため、もしくは、情報を抽出するために、セマンティック検索が用いられる仕組みは、頻繁に取り上げられているものの、検索のプロセスのその他の段階で、セマンティック検索が用いられる仕組みは、あまり語られることはない。この記事では、最後のステージ、つまり、検索結果がエンティティ(コンセプト、または、オブジェクトと呼ばれることもある)として引き出され、続いて、ユーザーに提示される段階に焦点を絞って説明していく。

セマンティック検索は、多くの面で、エンティティ検索と同一視されることが多い。エンティティ検索とは、単純にエンティティのグラフで検索を行うプロセスを差す(もちろん、結果を返すプロセスも含まれる)。

プログラミングの世界に慣れ親しんでいるなら、オブジェクトと見ることが出来る。例えば、製品、場所、人物、レシピ等、オブジェクトが何かによって、オブジェクトが異なれば、オブジェクトに関連付けることが可能な特徴や行動(または、アクションや処理方法)も異なる。オブジェクトを結果として入手していることを考えると、ユーザーに対する結果の提示は、柔軟であり、さらには、実用的である(例えば、製品のタイプのオブジェクト/エンティティが検索クエリの結果として返される場合、関連する行動/メソッド/処理方法は、返された製品の購入が該当する可能性がある)。

SERP内のエンハンストディスプレイ(強化型表示)は、返されるエンティティ/オブジェクトのタイプに左右される。画像、レビュー、価格等は、返されるエンティティ/オブジェクトのタイプに応じた特徴を持つ。このようなオブジェクト/エンティティ内のコンテンツは、ユーザー体験を改善するため、(リッチスニペット等)魅力的にオブジェクトを表示することが可能であり、尚且つ、コールトゥアクションを含めることも出来る。あるイベントに対するコールトゥアクションとして、例えば、イベントのチケットの購入が該当することもある。また、これは、様々なデバイスのタイプ等に順応して表示する結果を促進するメカニズムとしても、当然、理想的である。

セマンティック検索へのシフトチェンジと併せて、ある重要な変換が行われている。最近では、データに照らし合わせた検索(グーグルの場合、内部で収集されたナレッジグラフ)が、文書の照らし合わせた検索(通常、文書にはウェブページが該当する)の代わり、または、連動して行われることが多い。

データに照らし合わせた検索

データに照らし合わせた検索は、通常、クエリに対する直接的な答えを生成する — あるいは、複数の答えが返される場合は、同じタイプの結果のリストが返される。後者は、カルーセルタイプの表示にとても役に立つ。データに照らし合わせた検索は、基本的に、ナレッジグラフの処理と同一視される(グーグルのみに言及する場合)。

文書に照らし合わせた検索

文書(ウェブページ)に照らし合わせた検索は、文書を表示することが多い。グーグルでは、SERP内で結果として、リッチスニペットが表示される可能性がある。リッチスニペットは、ウェブページの結果のエンハンストディスプレイであり、ウェブページから直接メタデータをエンベッドする(当初、ヤフー!が、サーチモンキーで、ビングはタイルで活用した)。

(SEOの観点で考えると)リッチスニペットによる表示を可能にするためには、最低限の量の構造化データをウェブページに盛り込む必要がある点を肝に銘じておくべきである。

セマンティックSERPの変化する状況

検索が、セマンティック検索化への移行をより明確にするにつれ、SERPは、リッチな表示を強化するようになった。以前、私は「エンティティ検索」と呼んでいたが、セマンティック検索と直接関連するため、そして、(ほとんど対処しようのない、味気のない、動かない、退屈な青いリンクと比べて)リッチ & 魅力的な表示が、セマンティック検索の採用と結びつくようになったため、セマンティック SERPと呼ぶようになった。

グーグルやその他の主要な検索エンジンは、SERPの表示を強化する取り組みを常に行い、より有益に、より魅力的に、そして、より双方向的になるよう心掛けている。

コンピュータを、コンセプトの概念を教え込まれた(schema.orgやナレッジグラフ等)何も描かれていないキャンバスと考えると、コンピュータは与えるコンセプトと情報のみに対応する可能性がある。この状況では、認証された、構造化されたソースから得られる情報が多ければ多いほど、当該の情報に対する信頼は強くなる。

Evolving Landscape Of Semantic SERPS

進化するセマンティック SERP

さらにリッチ化するリッチスニペット

リッチな表示は、導入された当時と比べると、遥かに多くの情報、そして、多くの種類の情報を表示するようになっている。その上、表示される情報は、時間の経過と共に進化している。現在、リッチな表示が、クリックスルー率に大きな影響を与えることは、周知の事実である。

エンティティは、完全なエンティティの結果として提示されるためには、十分な量の情報を用意していなければならない点を理解する必要がある。ただし、表示されている既存の「スニペット」をマークアップするだけでは不十分である。適用可能なschema.orgを多く使って、出来るだけ詳しくマークアップしなければならない。また、データが、一貫しており、正確である点を裏付けてもらいたい。例えば、製品のSERPでは、在庫があるなら実際に在庫がある点を、また、ランディングページにリンク切れがない点を確認する。

いずれにせよ、オンページのマークアップを検索エンジンが読むことが可能である点、そして、ユーザーに表示される情報と同じである点をチェックする必要がある。加えて、何らかのデータフィードに、または、APIを介して投稿する情報がマッチしており、検索エンジンとユーザーに提供するその他のデータと同期している必要がある。

リッチスニペットは、さらにリッチ化しているだけでなく、絶えず動いている。この点を意識し、構造化マークアップ形式で、出来るだけ多くの情報をウェブページで提供すると、アドバンテージを得ることが出来る。

Rich Snippets are Getting RIcher

リッチスニペットがさらにリッチ化(スクリーンのスペースをさらに獲得 & 流動化)

増加する直接的な答え

直接的な答えは、セマンティック SERP、グーグルナウ、そして、一般のSERPで大幅に増加している。これは「データに照らし合わせた検索」がもたらした結果である。SEO/SEMコミュニティは、グーグルの結果で提供される答えが、サイトへの自然のトラフィック(またはクリックスルー)と競合する点を以前から指摘してきた。

確かにその通りかもしれない。求めている情報が、SERPに掲載されているなら、ユーザーはクリックしてサイトを訪問することはないだろう。

ただし、店舗のオーナーの視点では、コールトゥアクションへの呼応が、それでも起きるケースもある。これは、所謂辞書を調べる検索(複数の認証されたソースからデータが表示される)よりも、インフォメーショナル検索(クエリに対する直接の答えによって、電話をかける)に該当する。

Proliferation of Answers in SERPS

SERP内の答えが増加中

同様のアイテムの分類、または、検索結果の収集

エンティティのタイプが似ている際に行われる、検索結果の収集は、カルーセルの表示に向いている。[San Diego Universities](サンディエゴ大学)、[restaurants in Atlanta](アトランタのレストラン)、あるいは、[events in Chicago](シカゴのイベント)等の検索は、グーグルのSERPで、カルーセルタイプの表示をもたらす。

表示されるアイテムのタイプ(例えば、イベントの日時やレストランの評価)によっては分類のオプションが提供されており、活用されるケースが増えている。カルーセルの利便性を説明するため、今週の火曜日、グーグルは、ホテルのカルーセルで日時の選択ツールを表示する取り組みを始めたと告知していた。

下の例では、SERP内に表示されたナレッジグラフは、ナレッジグラフ内の「things to do」(オブジェクトのタイプ「tourist attraction」(旅行者向けのアトラクション)にマッチする)に対する結果のリストを描いている。別のカルーセルは、クエリ「Events in San Diego」(サンディエゴのイベント)に対する、結果を表示している。このようなイベントは、(旅行者向けアトラクションと比較して)一時的な特徴があり、イベントの開始時間(および終了時間)と日付が特定されている。

Knowledge Carousel Depicting Events and Things To Do

イベントとアトラクションを描写するナレッジカルーセル

ナレッジグラフが自然なSERPのスペースを侵食中

最近まで、ナレッジグラフの結果は、スクリーンの上部、そして、スクリーンの右側に「パネル」として、掲載されていた。先程も申し上げた通り、グーグルは、先週の告知で、ナレッジグラフの一部の情報が、自然なSERPに盛り込まれるようになると指摘していた(詳細はこの記事を参考にしてもらいたい)。

この取り組みのインパクトは、下のスクリーンショットを見れば一目瞭然である。これは、「Nikon Coolpix camera Y」の自然のSERPを撮影したものである。ナレッジグラフの結果が、もともとはウェブページのみのSERPの領域に侵入している点は明白である。

Knowledge Graph Results Encroaching on Organic SERP SPACE

自然なSERPのスペースに侵入するナレッジグラフの結果

ナレッジグラフのスニペットを優先し、リッチスニペットの情報が、小さく表示される、あるいは、表示されないケースもある。以下の例は、[peanut butter eyeballs]のレシピを検索した際のSERPを描写している。 先週、グーグルがアップデートを行った後、材料はリッチスニペットとして表示されなくなり、代わりに、強化されたナレッジグラフの結果が現れるようになった。

Rich Snippets for recipes

クリックして拡大

schema.orgの構造化データマークアップを使って、出来るだけ多く情報をマークアップする取り組みは、絶対に欠かせない。検索エンジンは、自分が好む情報を選ぶことが出来るものの、出来るだけ多くのアトリビュートをマークアップしておくことで、今後の変更に対して、より有利な立場に身を置くことが出来るようになるためだ。

まとめ

セマンティック検索化への進化が加速する中、SERPも同じように進化を遂げてきた。SERPに対する最適化を行うには、セマンティックマークアップ、そして、ナレッジグラフを考慮する必要がある。

セマンティックマークアップとナレッジグラフの最適化は、グーグルでのウェブページの表示を最適化する上での幾つかの領域と重複しており、その中には、通常のベストプラクティスも含まれる。注目を集めるコンテンツの作成、ポジティブなユーザー体験の提供、または、ユーザーの意図を考慮した最適化等のベストプラクティスとスタンダードは、ここでも守る必要がある。

重要な教訓

1. グーグルボットを常に満足させる — グーグルボットが必要とする形式で、必要とするデータを与える。ボットが読むことが可能であり、すべてのソースにおいて一貫性が保たれている点を確認する。

2. オンページのマークアップが、ユーザーが目にする情報と一致している点、そして、投稿するデータフィードと同期が取れている点をチェックする。

3. 現在サポートされていないアトリビュートであっても、schema.orgを使って、出来るだけ多くデータをマークアップする。こうすることで、セマンティック SERPの変化および変動を活用することが出来るようになる。

4. 検索には順応性があり、また、検索はインタラクティブに行われる点を肝に銘じておく。検索エンジンが提示するSERPと連動するシームレスなユーザー体験を作る。

5. ナレッジグラフの最適化は、今後も留まる可能性が高いため、対応する準備を進めておく。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「From 10 Blue Links To Entity SERPs: Is Your Website Ready?」を翻訳した内容です。

重要なトピック毎にわかりやすい説明で技術肌の人以外にも優しい良い記事でしたね。ちなみにタイトルの「奇跡」はGoogle誕生時からSEOに関わってきた人間として今日のセマンティックSERPに敬意を表しての表現ですので、ツッコミ不要です m(_ _)m — SEO Japan [G+]

Googleが故意に不明瞭な表現を心掛ける理由

SEO関連のポリシーについて公式発言をする度に、底に潜む微妙な曖昧さがウェブマスターを混乱に陥れてきたGoogle。もちろん全ての事象を100%明確に言い切ることはGoogleのアルゴリズム上も難しいでしょうし、それを言い切る事自体はGoogleにとっては予想できない(できますか)火種を抱え込むことになりかねないですし、数々の「のらりくらり」発言もわからなくはないです。とはいえ、Googleのアルゴリズムがかつて以上に圧倒的な進化を見せ、大抵のスパムSEOは完全排除しつつある今日のGoogle。実際、公式見解の曖昧さは以前より改善されてきた気もしますが、なんだかんだいっても検索順位に一喜一憂してしまうウェブマスターにとってはさらなる明確さを求めたいのもまたしかり。今回はそんなGoogleの曖昧発言に潜む意図を考えようという面白くもあり学べることもある記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

SEOコミュニティには、グーグルに対する不満を募らせている人達が大勢いる。その理由の一つに挙げられるのが、コミュニケーションのギャップの存在である。

と言っても、単純な米国英語と英国英語のような違いではなく、スワヒリ語とラテン語の違いに近い。大勢のパブリッシャー — そして、大勢のSEOのエキスパート — が、グーグルが方針を伝える度に腹を立てている。次の視力検査表には、大勢のSEOの関係者の、グーグルのコミュニケーションに対する感情がよく表れている:

Google Clarity in Communication?

要するに、SEO業界には、グーグルは確かに頻繁にコミュニケーションを取っているものの、同社が意図的に曖昧な表現を用いて、誤解を自ら導き出していると考えている人達が大勢いるのだ。 片や、グーグルは、明確に表現する努力をしていると考えている。このギャップは、なぜ出来てしまうのだろうか?その理由を探っていこう。

戦略 vs 原則

毎回SEOの戦略について、グーグルに尋ねることが、問題が発生する要因の一つになっている。この戦略は大丈夫か?グーグルの立場では、このタイプの質問は、羊の皮をかぶった狼のように思えるのかもしれない?グーグルにとっては、次のように質問が続いているような気がするのだろう:

  1. ゲスト投稿しても問題ないか?
  2. プレスリリースを配信しても問題ないか?
  3. dofollowのネットワークに参加しても問題ないか?
  4. 大量のフォーラムにリンクを落としても問題ないか?
  5. 赤ちゃんから飴玉を取っても問題ないか?
  6. 質の高いコンテンツを作っても問題ないか?
  7. 企業の汚職が起きても問題ないか?
  8. 求めていないリンクを受け取っても問題ないか?
  9. 近親相姦は問題ないか?
  10. ニューヨークタイムズからインタビューを受けても問題ないか?
  11. ソーシャルメディアでコンテンツをシェアした結果、優れたリンクを獲得しても問題ないか?

明確な戦略はスパマーを招く

一つ目の質問でさえ意見が分かれる。「ゲスト投稿しても問題ないか?」と言う問いは、「スピンした大量のブログの記事を、全く編集上の管理が行き届いていない質の低いサイトでばら撒いても問題ないか?」と言い換えることも出来る。SEOの潜在的な戦略に関する質問を受ける際に、グーグルが恐れるのは、この「解釈」である。つまり、「こうやってスパムしてもいいか?」とグーグルには聞こえるのだ。

また、戦略的なレベルで良し悪しをハッキリ示してしまうと、スパマーがさらに暗躍するきっかけを作ってしまう難しさもある。良い戦略について明確な指針をグーグルが策定する度に、スパマーは、質、または、量の面で(あるいは両方)悪用する方法を編み出していく。例えば、ゲスト投稿の質問に関して、答えはYesであるべきだが、SEO業界には、このコンセプトを完全に悪用した連中が大勢いる。

グーグルは、SEOの戦略に関して、ハッキリと意思を伝える行為の危険性を次のように理解しているのかもしれない:

Google Sees Spammers at the Gates

スパム万歳

正直に言うと、私の祖先はノルウェー人であり、スパマーをバイキングに例えるのは抵抗があったが、言いたいことは分かってもらえたはずだ。その結果、グーグルは、 パブリッシャーが従うべき原則を取り上げるようになる。グーグルの結論は次のようなメッセージになる:

Google Prefers to Communicate Principles

インターネット上では、検索エンジンの存在は忘れて行動せよ。

心からの支持の証であるリンク以外は手に入れるな。

影響を与えて獲得したリンクは、良いリンクではない。

コンテンツを差別化せよ。

ビジターに最高の価値を提供せよ。

原則 vs 戦略

グーグルは、原則に焦点を絞っている。なぜなら、多くの質問がグレイゾーンに入るためだ。ゲスト投稿の質問を再び例にとって考えてみよう。適切に実施すれば、全く問題はない。審査の厳しい質の高いサイトにターゲットを絞り、優れた作品を提供しよう。その後、ソーシャルメディアで強力にプッシュし(自分のソーシャルメディアのフィードで宣伝する取り組みは、効果が高い)、効果的な宣伝を心掛け、コンテンツ自身がリンクを獲得する環境を作ってもらいたい。すると、提供元を示すリンクによって、価値がもたらされる。これは、先程挙げたアーティクルスピニングとは、正反対に位置する取り組みである。

グーグルが、SEOについて曖昧な表現をする理由はもう一つある。グーグルは、同社が容易に探し出し、無視することが可能な戦略をスパマーが追求し、時間を無駄に費やさせることに快感を覚えているのだ。 グーグルが、必要以上に明確な表現を心掛けるようになると、スパマー達は、有効ではない戦略を諦めて、グーグルがなかなか検知することが出来ない戦略に取り掛かるようになるだろう。スパマーが目立つ状況は、良い傾向である。

オーソリティを築き上げる戦略

明確な表現に関するグーグルのアプローチは、今後も変わることはないだろう。グーグルが採用する原則を理解し、肝に銘じ、優れたコンテンツの作成、そして、効果的なビジネス(およびコンテンツ)の宣伝に力を入れるべきである。

SEO業界は、リンクを大量に獲得する巧妙な手法を探すよりも、現実の世界の評判を築き上げ、最終的に、その他の信頼されている人達から認めてもらえるような戦略に焦点を絞るべきである。これこそグーグルが求めている行為であり、最高のリンク構築戦略である可能性が高い。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google And SEO Communications: Swahili Vs. Latin」を翻訳した内容です。

気合を入れて前置きを書いたのですが、意外とすんなり終わってしまった汗 記事でした。スパマーが存在する以上、100%全てを明かすことはできない、検索の隙間を突くようなSEOを考える暇があれば良いコンテンツを作りオーソリティを築いてGoogleのアルゴリズム変動に簡単に左右されないサイトを構築せよ、という結論はいつものパターンでした。結論、最初のGoogleの画像が一番面白かったですね m(_ _)m — SEO Japan [G+]

検索エンジンの世界国別市場 2014年最新版

検索エンジンといえばGoogleのみが注目される国内市場ですが、海外に目を向けると、意外とGoogle以外の検索エンジンが頑張っている国がまだまだあるのも事実。肝心の米国市場でさえ、Bingが頑張っている結果、Googleのシェアは日本より低いです。今回はそんな世界各国の検索エンジンのシェア率をまとめた記事を。米国、ヨーロッパ、中国、韓国、ロシア、他諸々、、グローバル市場の俯瞰に最適。 — SEO Japan

検索は、世界中のインターネットユーザーを結びつける。このつながりを作るきっかけを与えるのが、検索エンジンである。世界的なブランドにとっては、各種の検索エンジンおよび文化に対して、最適化を行うことで、認知度、ビジビリティ、トラフィック、そして、コンバージョンを高める効果が見込める。グローバルなSEO、そして、コンテンツマーケティングは、今まで以上に重要な存在となりつつある。

2013年、検索エンジン業界の強者と弱者が、世界のマーケットシェアを巡って、戦闘を繰り広げた。米国では、今年もグーグルが国内の検索マーケットの大半を獲得していた。その一方で、ヤフー!がシェアを失い、ビングが着実に勢力を伸ばした。

世界全体を見ると、グーグルが覇権を掌握したものの、ロシア、中国、そして、韓国等の国産の検索エンジンは、ホームでは王座の地位を譲らなかった。

世界の検索およびインターネットの利用は、右肩上がりに増加している。毎年、インターネットを利用する地域は増え続けており、デスクトップおよびモバイルでの、売買、そして、ソーシャルメディアでの交流が盛んに行われている。そのため、グローバルなSEOおよびデジタルマーケティングを担当するマーケッターは、日に日に拡大し、ビジネスを行う場所と言う意味において、世界の縮図ともいえるグローバルな市場で、事業を展開するには、迅速に動く必要がある。

グーグル、ヤフー! & ビングの2013年の成果

グーグルは、米国のマーケットの67%を獲得した状態で、2013年に突入した — このレベルのシェアを初めて獲得したのは、2012年11月であった。comScoreが発表した最新のデータ(2013年11月)によると、グーグルは1月から若干シェアを落とした状態、66.7%で2013年を締めくくろうとしている。

 comScore Explicit Core Search Share Report* November 2013 vs. October 2013

comScoreの明確なコア検索シェアレポート

2013年10月と11月の比較

米国全土 — 家および職場

ソース: comScore qSearch

コア検索エンティティ 明確なコア検索シェア(%) 2013年10月 2013年11月 ポイントの変化

明確なコア検索の合計 グーグルのサイト マイクロソフトのサイト ヤフー!のサイト Askのネットワーク AOL,Inc.

**明確なコア検索では、検索結果を利用するユーザーの具体的な意図を反映しないコンテキスト主導の検索は除いている**

ビングは、16.5%のシェアを確立した状態で2013年に臨み、ゆっくりとしたペースではあるものの、毎月着実にシェアを増やし、2013年11月には18.1%までシェアを伸ばした。

一方、ヤフー!にとっての2013年は、シェアを維持することもままならない1年間であり、12.1%が最も高い状態であった。10月になると、シェアは11.1%に落ち、11月のcomScoreの最新のデータでは、11.2%に留まっていることが判明している。

今年のcomScoreのデータから、ビングとヤフー!による、検索のマーケットシェアを巡る戦いが浮き彫りになっている。このレポートを参考にする限り、6月にビングが獲得したシェアと同じ%のシェアをヤフーが失っていた。

ヤフー!のマリッサ・メイヤーCEOは、この問題に関して、マイクロソフトとヤフー!の検索における提携が、期待された効果を上げなかったと指摘している: 「提携を行う目的の一つは、お互いからシェアを奪うのではなく、共にシェアを増やすことであった。」

2013年の始め、comScoreが非公式にリリースした(結局、注目を浴びることになった)調査は、グーグルの世界での人気を取り上げていた。この調査結果を参考にする限り、2012年の12月までに、グーグルの検索回数は1147億回に達し、同社のシェアは約65%に届いていたことから、世界の検索マーケットを牛耳っていたと言える。

Google Still World’s Most Popular Search Engine By Far, But Share Of Unique Searchers Dips Slightly

しかし、この調査があぶり出したのは、現在のグローバルマーケットにおけるグーグルの地位だけではなかった。

アジア太平洋地域 — インターネットの利用と検索エンジンの人気

アジア太平洋圏のインターネットマーケットは、急速な成長を遂げている。事実、10月にはcomScoreが、アジア太平洋地域は、北米に続き、世界2位の広告市場の地位を獲得しており、2014年の年末までに、インターネット広告への出費が、新聞広告への出費を抜くと指摘している。 comScore曰く、2015年には、インターネット広告は、すべての広告の支出の21.9%を占めるようになるようだ。

また、中国等の台頭する国々では、検索に関して、興味深い展開が起きている。

中国 — 百度、最新の動向

中国は、世界で最も人口が多く、インターネットは一般家庭に普及している。comScoreによると、中国のインターネット人口は、アジア太平洋地域 & 世界で一番多い。

Asia Pacific Audiences

アジア太平洋地域のインターネットユーザー人口

成熟した台湾と香港の成長率は同じ

(吹き出し)中国のインターネット人口は、昨年比で4%増加。一方、台湾と香港はともに2012年3月から2%増加

(左から)中国 348,177(000) インド 73,872(000) 日本 73,640(000) ベトナム 16,055(000) オーストラリア 14,371(000) インドネシア 13,628(000) 台湾 11,861(000) マレーシア 11,800(000) タイ 9,485(000) フィリピン 7,432(000) 香港 4,595(000) シンガポール 3,397(000) ニュージーランド 2,895(000)

さらにcomScoreの調査結果を提供する:

  • 中国のインターネット人口は、3億4700万人を超え、その他の地域のユーザーを加えると、4億6000万人に達する。
  • 中国のインターネットユーザーは、平均で150分間/月オンラインショッピングサイトを利用する。
  • 不動産、自動車、美容/ファッションスタイル等の分野で人気の高いウェブサイトは、数百万人のアクティブユーザーを抱えている。

中国のソーシャルメディアの範囲は、平均を超えているものの、利用は平均以下である:

China Social Networking

中国と台湾でのソーシャルネットワークの浸透度は平均を超えるものの、利用は平均以下。成長するポテンシャルは大。

(左)ソーシャルネットワークの浸透のカテゴリ

世界 82% 米国 79% 英国 77% 日本 53% 中国 86% 香港 79 % 台湾 86%

(右)ソーシャルネットワークを利用する平均の時間(分)

世界 324分 米国 363分 英国 448分 日本 88分 中国 69分 香港 251分 台湾 398分

2013年8月の時点で、comScoreは、中国で人気の高い5つのソーシャルネットワークを報告している:

  1. QQ.com Qzone
  2. QQ.com microblogging
  3. SINA microblogging
  4. Pengyou.com
  5. Renren.com

中国には、厳格な検閲の規定が存在するため、国産の検索エンジンを活用する点は理に叶っている。iResearch Globalの第三四半期のデータ からは、中国の検索エンジンの収益が増加していることが分かり、前年と比較すると成長率は41%近く増加している:

Revenue of China Search Engine Market

中国の検索エンジン市場の収益 2012年の第一四半期 – 2013年の第三四半期

収益(元) % 前四半期比の成長率 % 前年比の成長率

注記: 検索エンジン企業の収益とは、検索エンジンチャンネルの代理店の収益を除く、検索エンジンを運営する会社の収益の合計を指す。

ソース: このデータは、企業側が発表した決算、専門家とのインタビュー、そして、iResearchのスタッツモデルを基に算出し、推測している。

2013年第一四半期、iResearchは、過去3年における中国の検索マーケットの収益のシェアを公表した。百度は、約81%にシェアを伸ばし、明らかに市場を制している。一方、グーグル中国は、シェアを約14%まで減らしていた。

Revenue of China Search Engine Market

中国の検索エンジンマーケットの収益 2010年第一四半期 – 2013年第一四半期

注記: 検索エンジン企業の収益とは、検索エンジンチャンネルの代理店の収益を除く、検索エンジンを運営する会社の収益の合計を指す。

ソース: このデータは、企業側が発表した決算、専門家とのインタビュー、そして、iResearchのスタッツモデルを基に算出し、推測している。

検索のシェアに関しては、6月のレポートを参考にすると、百度は約66%のシェアを獲得し、グーグルは3%に急激にシェアを落としていた。

今年(2013年)、中国の検索エンジンは、覇権を巡り、戦略的なバトルを繰り広げた。シェアを獲得するための一つの手段として、合併を用いる動きが見られた。7月、2番目の規模を誇る検索エンジンのQihooが、3番目に大きい検索エンジンのSogouを買収すると示唆する報道があった。しかし、9月には、Sogouが4番目に位置する検索エンジンのSosaを買収すると報じられていた

また、その一方で、密かに中国最大のEコマースサイトのアリババが、Aliyun Searchを立ち上げていた。Aliyunが中国の市場でどこまでインパクトを残せるのかは、今後の展開次第だが、comScoreが10月にリリースした「China Digital Future in Focus 2013」レポートは、アリババのユーザーが、平均で137分間を同サイトで過ごしていると指摘している。これは、2位のサイトの利用時間の約4倍に匹敵する。

韓国 — モバイルとNaver

Webcertainが公開した調査結果によると、韓国の携帯電話の利用は、その他のアジア太平洋地域の国々、さらには、世界の国々に勝っており、世界の平均の3倍に相当する。2013年の第一四半期、インターネットへのアクセスの60%近くがスマートフォンを介して行われたと、Webcertainのグローバルモバイルレポート 2013は指摘している。

Screen Shot 2013-12-24 at 11.53.08 AM

(上)スマートフォンの契約者 3800万人

携帯電話契約のスマートフォンの契約が占める% 67%

スマートフォン契約者数 前年比で18%の増加

インターネットのトラフィックのうちモバイルが占める% 31.3%

(左下)携帯電話 & タブレットの利用

携帯電話およびタブレットを使ってインターネットにアクセスしたインターネットユーザーの%

2011年6月 携帯電話 32.5% タブレット 6%

2012年第二四半期 携帯電話 50.3% タブレット 6.7%

2013年第一四半期 携帯電話 59.6% タブレット 9.7%

(右下)モバイルOSマーケットのシェア

モバイル経由のインターネットトラフィックを占める%

2012年5月 (上から)その他、iOS、アンドロイド

2013年5月 (上から)その他、iOS、アンドロイド

韓国の検索マーケットシェアを最も獲得しているのはNaverだ。インターネット上で韓国語を使ってサイトを成功に導くためには、Naverにリストアップしてもらう必要がある。comScoreによると、Naverのシェアは2011年から減り、一方、グーグルは多少シェアを増やしているものの、まだまだNaverには遠く及ばない。

South Korea Search Market Share

2014年のNaverでのマーケティング

Naverは独自のビジネスモデルを持っている。基本的には、ヤフー!のサイトと同じように、その他のNaverのサイトに導くポータルサイトだが、エンジンでもあり、多面的な検索結果を用意している(グーグルのユニバーサル検索結果に似ているが、より凝ったフォーマットを採用している)。グローバルなブランドは、出来るだけ多くの場所に出没することで、ブランドへのビジビリティを集めることが出来る。

naver-serp-explained - brightedge

NAVER

SERPの説明

(上から)有料リスティング

製品のリスティング

登録したブログ

登録したウェブサイト

登録したサイトでインデックスした画像

自然な結果

エンサイクロペディアのディレクトリ

ソーシャルの結果

ユーザーが作ったコンテンツ

製品のリスティング

雑誌のコンテンツ

ニュースセクション

Naverで成功を収めるには、検索エンジンに登録し、参加を認証してもらう必要がある。Naverでマーケティングを始める上でのヒントを5つ紹介する:

  1. 韓国語を使うことが鉄則。
  2. NaverのKnowledge iNでユーザー生成コンテンツに参加する。
  3. ブログを運営し、積極的に活動する。
  4. Naverの「Cafe」プラットフォームでソーシャル活動を行う。
  5. すべての取り組みで基本的なオンページSEOを実装する。

日本 — ヤフー!、ソーシャルメディア & モバイル

日本は、世界で四番目インターネットユーザーが多い国である。日本では、ヤフー!のサイトの人気が最も高く、モバイルの利用が浸透している。また、ツイッターとフェイスブックがソーシャルネットワークシーンを牛耳り、大勢のインターネットユーザーが、特にエンターテイメント系のサイトで時間を過ごしている。

5月にリリースされたcomScoreのデータによると、ヤフー!は、6万5000人近くのユニークビジターを擁し、利用者が最も多いものの、約6万4000人が利用するグーグルが肉薄している:

Top Web Properties Japan

利用に関して目立つヤフー!とグーグル

ブログサイトも健闘

上位のウェブサイト – 日本

ユニークビジター ビジター当たりの滞在時間(分)

(上から)ヤフー!サイト グーグルサイト FC2 Inc. NHN Corporation アマゾンサイト マイクロソフトサイト サイバーエージェント 楽天 ウィキペディア NTTグループ

日本のインターネットユーザーは、その他のアジア太平洋地域のユーザーや世界のユーザーと比べて、エンターテイメント系のサイトでより多くの時間を過ごしている。2013年5月のデータでは、エンターテイメント系のサイトの滞在時間が、世界では平均3.5-5時間のところ、日本では約5時間と記録されている。

Japan Websites

日本のウェブユーザーは、同地域および世界のユーザーと比べて、エンターテイメント系のサイトで時間を費やす傾向がある

エンターテイメント系のサイト

訪問するウェブユーザーの% サイトで過ごす平均時間(時)

世界 アジア太平洋地域 日本

5月12日 5月13日

また、comScoreは、日本には1億200万人を超えるモバイルユーザーが存在し、34%以上のペースでスマートフォンの浸透が進んでいると報告している。

Japan Smartphone Users

日本でのスマートフォンの浸透は34.8%に到達

昨年比で40%以上の増加

スマートフォンユーザーのシェア – 日本(%)

ヨーロッパ — デジタル情勢

多数の国々で構成されるヨーロッパでは、国によってインターネットの利用に差があるものの、インターネットユーザーの人口は増え続けており、より大きな機会をマーケッターに提示している。2013年の3月にcomScoreがリリースしたデータによると、世界のインターネットユーザーのうち、ヨーロッパは27%を占めている

Worldwide Internet Audience

世界のインターネットユーザーの分布

オンラインユニバースの中心は米国ではない

1996年 米国外 34% 米国 66%

2012年 米国外 87% 米国 13%

アジア太平洋地域 42 % ヨーロッパ 27% 北米 14% 中東・アフリカ 9% ラテンアメリカ 8%

ヨーロッパのデジタル情勢をかいつまんで説明していく(comScore 2013年3月):

  • イタリアのインターネットユーザーは、昨年と比べて17%増え、ヨーロッパで最も増加するペースが早い。
  • トルコは若年層のウェブユーザーが多く、一方、ドイツは熟年層にも浸透している。
  • 2012年12月の段階で、EU5ヶ国(イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、英国)のモバイルデバイスの75%をスマートフォンが占め、スマートフォンユーザーは2300万人を超えている。
  • ヨーロッパのインターネットユーザーは、ソーシャルネットワーク、または、ブログで平均6.7時間/月を過ごしている。
  • ヨーロッパのウェブユーザーのうち10人に8人が、ニュースサイトや情報サイトにアクセスしている。
  • スマートフォンユーザーの約14%が、デバイスを介して製品やサービスを購入し、スマートフォン経由の買い物客の37%は、服やアクセサリを買っている。

ヨーロッパでは、グーグルが検索市場を独占しており、シェアの86%を獲得している(米国よりも遥かに高い)。そして、Yandexが2位につけている。

インターネットの利用に関しては、comScoreのデータを見ると、トルコが最も検索回数が多いものの、インターネットを利用する時間は英国が最も多い。

Engagement across EU audiences

ヨーロッパでのインターネットの利用

ヨーロッパでは、平均で27時間弱インターネットが利用されている

(上から)英国 37.3

トルコ 31.0

オランダ 30.6

ポーランド 29.3

フィンランド 27.8

フランス 27.7

ヨーロッパ平均 26.9

ロシア 26.1

ノルウェイ 24.9

ドイツ 24.6

スペイン 23.8

ベルギー 22.4

スウェーデン 22.0

ポルトガル 20.8

デンマーク 20.6

アイルランド 19.5

イタリア 18.5

スイス 16.6

オーストリア 14.4

(吹き出し)ベルギーは、利用時間/ビジターにおいて、ヨーロッパで最も伸びが大きかった。1年前と比べ、インターネットを利用する時間が2時間増している。

また、ヨーロッパのインターネットユーザーは、eBay、フェイスブック、そして、アマゾン等のサイトでも、検索を行っている。

European Websites

ヨーロッパのインターネットユーザーは、グーグルとYandexだけでなく、フェイスブック、eBay、アマゾンでも検索を行う

(右上)検索エンジンのユーザー当たりの検索回数

ロシア — インターネットの利用とYandex

アジアとヨーロッパ諸国の間にあるロシアは、comScoreのデータによると、ヨーロッパのインターネットユーザーの大半を抱えている。そのため、同国の国産の検索エンジン、Yandexが世界で4番目にユーザーが多いことも納得できる。

Europe Countries Online

ヨーロッパ諸国のインターネットユーザーの人数

4億800万人を抱えるヨーロッパのインターネットユーザーの15%をロシアが占める

(左)前年比の成長

(左中央)ユニークビジターの合計

(吹き出し)イタリアとロシアは、特に増加ペースが速い — それぞれ、17%と15%。

Yandexにとって、2013年は浮き沈みの多い1年間であった。Islands(次世代のリッチスニペットテクノロジー)をリリースする一方で、創業者の一人、イリヤ・セガロビッチ氏が帰らぬ人となった

今年(2013年)の始めには、2012年の11月 & 12月の段階で、月間検索クエリの数で、Yandexがビングを上回ったと言う報告が上がってきた。2012年12月、Yandexは、48億4000万件のクエリを処理し、マイクロソフトは、44億8000万件のクエリを処理していたようだ。世界のシェアに換算すると、Yandexが2.8%、一方、ビングは2.5%であった。

Bloombergがリリースしたさらに新しいレポートでは、Yandexの検索のシェアはロシアで62%、グーグルは26%、そして、国産の別の主要な検索エンジンのMail.ruが約9%を獲得していることが判明した。

Yandexは、ウクライナやトルコ等の海外への拡大に向けた取り組みを強化しており、ロシア語以外の言語にも対応している。事実、CNNの報道によると、Yandexは、参入するマーケットで、グーグルに続くNo.2の検索エンジンになることを戦略に掲げているようだ。

また、収益のデータを見る限り、Yandexは順調に成長しており、2013年の第三四半期の収益は、2012年の同時期よりも40%多く、約3億2000万ドルを記録している。

2014年版 世界を見据えた最適化の5つのヒント

国際的なブランドにとって、グローバルな最適化は欠かすことの出来ない取り組みである。検索エンジン、そして、地域の文化には差があるものの、グローバルなSEOを行う上で有効なアドバイスを幾つか提供していく:

1. 地域のユーザーを理解する

グローバルSEOとローカリゼーションを取り上げた9月のコラムでは、各地域と言語において、答えを用意する必要のある重要な問いを提示した。この記事の一部を以下に掲載する:

  • キーワードリサーチ: 自分のビジネスのオーディエンスにとって、どのトピックが重要なのか?フレーズ/キーワードの形で、どのように関心を表現すればいいのか?検索の要求にどのように転換すればいいのか?ヘッドとテールの用語(& グループ)にクローズアップすることは可能か?
  • 競合者分析: 言語、地理、そして、検索エンジンの組み合わせにおいて、競合するサイトはどこか?競合者はどのキーワードに力を入れているのか?そのキーワードは、自分のビジネスおよびオーディエンスにとって重要か(重要なら、ターゲットのキーワードに加えよう)?競合者はどのサイトからリンクを獲得しているのか?そのサイトは、自分のビジネスと関連しているか?そのサイトのユーザーにとって、自分のサイトのコンテンツに向かうリンクは適切か?
  • コンテンツ計画: 再利用するつもりの既存のコンテンツにターゲットのキーワードを盛り込むことは可能か?ただし、無理やり組み込んではならない。可能ではないなら、新しいコンテンツの作成を検討しよう。それぞれの組み合わせのオーディエンスは、どのように情報を取得しているのか?好むフォーマットは何か(例: テキストとビジュアル)?このフォーマットに一致するコンテンツを作る計画を立てているのか?

2. 地域に的を絞ったコンテンツを作る

営業を行う地域のオーディエンスに接触するつもりなら、その地域の文化に見合ったコンテンツを作るべきである。様々な文化圏で、マーケティングを行う際に注意するポイントを幾つか挙げていく:

  • その文化にとって、重要な価値は何か?タブーとされているのは何か?
  • 自国独自のコンテンツの作成に取り掛かっている場合、当該のコンテンツの感情は、別の言語でも、十分に伝わるのか?
  • その他の検索エンジンの言語の要件に従う必要がある — 例えば、Naverで成功を収めるためには、ネイティブの言語を利用する必要がある。
  • それぞれの検索エンジンで、贔屓してもらえるコンテンツのタイプを把握する — 世界共通ではないので注意しよう。

3. SERPのレイアウトを理解する

世界中のマーケッターの大半が、グーグルの検索エンジンを活用しているが、米国のSERPで2013年にもたらされた変更点、そして、この変化が2014年のSEOに与える影響を理解することは重要である。

また、次の取り組みにも力を入れる必要がある:

  • 地域の検索結果のカルーセルを意識して最適化を行う。
  • Naver、Yandex、百度等、その他の検索エンジンのSERPの構成も把握する。
  • ユニバーサル検索の結果とモバイルの検索結果に対して最適化を行う方法を極める。

4. 地域の規制を考慮する

ロシアや中国等の国々は、特別なインターネットの規則を定めている。海外でビジネスを実践するなら、その国で受け入れられる慣習とコンテンツを理解し、ルールに従う必要がある。

以下に、熟知しておきたいトピックを幾つか挙げていく:

5. 適切な人材とテクノロジーを投入する

世界の各地域でマーケティングを行うには、接触を望む地域に人材を配置する必要がある。現在の取り組みをそのまま別のマーケットにコピーしてしまうと、ブランドとオーディエンスが分断されてしまう可能性がある。国際的なブランドなら、言語、条件、コンテンツ、イメージ戦略、スタッツの策定、そして、成果を記録するために用いるテクノロジー選択に至るまで、ありとあらゆる取り組みに貢献する国際的なスタッフの存在が欠かせない。また、地域での検索のパフォーマンス、検索エンジン、デバイス、そして、SERPのタイプを管理する上で有効なテクノロジーを選ぶことも肝要だ。

2014年の全体像を理解する

グローバルなSEOを行う上で、今回紹介した提案は役に立つものの、2014年に向けたより広範なSEO戦略 & コンテンツマーケティング戦略と併せて、実施する必要がある。この全体的な戦略を策定する上で、参考になりそうな情報を挙げる:

  1. 2013年に劇的に変化したSEO & 2014年を勝ち抜くための条件
  2. 安全な検索を千載一遇のチャンスに変える安全な検索の五箇条

2014年、皆さんのSEOとコンテンツマーケティングが成功することを心から願っている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Global SEO & Content Marketing Landscape」を翻訳した内容です。

筆者が日本のYahoo!のエンジンはGoogleであることを認識しているかは不明ですが、、、グローバル展開したいと思っているあなたには情報満載の記事でした。しかし検索エンジンのシェア以上にインパクトがあったのは、1996年にはインターネットユーザーの66%が米国だったのが、2012年にはたったの13%になっているという事実。それだけアジア、ヨーロッパでネットが普及してきたということでしょうし、今後アフリカや途上国の人口増加も含めても米国市場のシェアは下がる一方でしょうね。セカイで勝負したいと思っている方も米国以外の国に今から目を向けていけば意外な商機&勝機があるかも? — SEO Japan [G+]

Googleが道順を検索順位の要素にするかもしれない話

Googleでご近所情報やお店の場所を検索した際に地図情報が同時に表示されることは普通にありますよね。これがスマホ、Google Glass等のモバイルデバイス、または諸にカーナビともあれば、場所はもちろん、その場所へのルートが同時表示されるようになることは普通に想像がつくでしょう。その際、同じような店が多数ある場合、どの場所から表示すべきなのでしょうか?エリアをある程度絞り込んだ後は、レビュー数や評価ポイントを参考に表示順を決めるべきでしょうか?それとも、より自分の現在値に近い店から表示すべきでしょうか?全ての人に最適な答えを返したいGoogleの選択肢とはいかに。久々のSEO by the SeaからGoogleの進化を考える上でも興味深い問いを。 — SEO Japan

大学生の頃、私は現地のレストランで調理のアルバイトをしていた(腹を空かせた大学生にとっては、食事付きのバイトは魅力的であった)。私がバイトをしたレストランの1つは、街の中心地、メインストリートの終わりにあり、地元の常連客でいつも賑わっていた。評判は高く、口コミで店の噂は広まっていった。私は別のレストランでもアルバイトをしていた。このレストランは、街の中心からは遠く、州間ハイウェイの傍で営業していた。評判はあまり良くなく、常連の客も少なかった。客の大半は、食事時に、休憩するドライバー達であった。そのほとんどは、ハイウェイから見える「食事」の標識に吸い寄せられてやって来ていた。

前者のレストランの常連客の多くは、場所を調べることなく、地図を見ることなく店に来ていた。それだけ、有名なレストランだったのだ。 後者のレストランの客は、初めて店を訪れる客ばかりであり、ハイウェイの標識を頼りに、足を運んでいた。現在、この場所には、別のレストランがあるが、この店の客も同じように、モバイルデバイスの地図やナビゲーションアプリ、もしくは、車載のカーナビで発見し、店にやって来ているはずである。何でこんなことを話したかと言うと、実は最近グーグルに付与された特許について、納得できない点があったためだ。

A screenshot from the patent that shows the different parts of a ranking system for local search that includes directions and reviews.

今週、グーグルに付与された特許は、検索エンジンが、実際に訪問することが可能な店舗に対するルートを探す頻度等、「人気」のシグナルを検索エンジンが検証する仕組みを描いている。また、この特許は、ルート検索が少ないケース等、場合によっては、グーグルが、店舗のレビュー等、代わりのシグナルを使って、ページのランキングを行う可能性も指摘している。

この特許の4名の発明者は、数年前にブログの記事「グーグルマップ、そして、地域の検索ランキングの要素としてのルートをGPSを使って是正」の中で触れたグーグルの報告書を綴っていた。その報告書とは、「ハイパーローカルなルートベースの店舗のランク付け」(PDF)である。

ルートのリクエストとレビューの数の相関関係

グーグルのルートをランキングシグナルとして利用する技術を説明するため、この報告書に言及していたが、記事では、店舗のレビューの数とルートの利用を比較する点を指摘するセクションは取り上げていなかった。この結論は、とても刺激的であった。

店舗に寄せられるレビューの数と店舗へのルートを検索する回数の間に、相関関係があると考えられているようだ。グーグルが実行した調査の詳細は省略したが(興味がある方は、上のリンクをクリックして目を通してもらいたい)、比較の結論を以下に掲載する:

この実験では、ルートの記録をその場所の人気/重要性の代わりに利用することが出来るかどうか評価している。私達は、ルートベースのシグナルと、場所に対するレビューの数(通常、人気を計測する要素として受け入られている)との相関関係を比較した。レビューの数は、グーグルのビジネスディレクトリから抽出し、ウェブ上の各種のデータソースに掲載されているレビューの総数を用いている。

…結果のランキングと場所に寄せられたレビューの数の間には明確な相関関係が見られた。よって、ルートのログは、場所の人気を示唆すると言うことが出来る。

この報告書は、この結論の重要性も説明している:

  • ルートのログは安価な金額で集めることが出来る。
  • ルートは、ユーザーによるレビューが場所に投稿される頻度よりも、遥かに多くリクエストされる。
  • ルートのログは、「ほぼリアルタイム」で、レビュー、さらには、ページランク等の他のタイプのシグナルでは、把握しにくい感情の変化を示す。
  • ルートのログは、レビューよりも広範なタイプの場所に対して提供されている。

この特許と報告者が同じ人物によって作成されている点以外にも、この2点の文書の間には、一致する部分が数多く見られる。

それでは当該の特許を紹介する:

地域の検索クエリによって返される場所のルートベースのランク付け

発明者: Hector Gonzalez、Petros Venetis、Christian S. Jensen、Alon Y. Halevy

付与先: Google

米国特許番号: 8,538,973

付与日: 2013年9月17日

申請日: 2010年6月4日

概要

地域の検索クエリの検索結果をランク付けするシステムおよびメソッド。地域の検索クエリ、そして、ユーザーの現在地の情報が、送信されてくる。次に、地域の検索クエリを満たす2ヶ所、または、2ヶ所以上の場所が特定され、それぞれの場所に対して、ユーザーの現在地から、それぞれの場所への距離が算出される。

続いて、少なくとも部分的において、2ヶ所、または、2ヶ所以上の場所の人気、そして、ユーザーの現在地からの距離を基にしたスコアに応じて、ランク付けが行われ、一連の場所に対するランキングの結果を生成する。その後、場所に対するランキングの結果が、ユーザーに提供される。

この特許は、ルートのリクエスト数が、地域の結果に対する人気を計測するランキングシグナルとして、そして、より望ましい結果を検索エンジンのユーザーに提供する上で、有益である別の理由も用意している:

  • ルートのリクエスト数は、特定の距離以内のページを格付けするためだけに用いられる — 食事するために、一定の距離を超えてドライブする可能性は低い。ただし、アンティークショップや、史跡を訪ねるためには、さらに長い距離をドライブすると思われる。
  • 歩行ルートのリクエストが行われる場合、さらに距離が短いと推測される。
  • ウェブページへのリンクの本数等をベースとしたランク付けは、実際に訪問することが可能なスポットの実際の人気を正確に反映しない可能性がある。

ルートリクエスト検索機能

この特許は、固定のルートのリクエストとモバイルのルートのリクエストの違いを明記している。モバイルのリクエストに対して集められる距離は、検索エンジンのユーザーの実際の位置を、デスクトップを経由した場合よりも、遥かに正確に特定することが出来る。モバイルのロケーションは、WiFiの位置特定、または、携帯電話の中継塔まで遡ることが出来るためだ(三角測量を介して)。

ルートに関する情報が集められると、リクエストが行われた時間、曜日、さらには、提示された距離に関する情報も保存される。すると、朝食の人気が高いレストラン、夕食、または、夕食後にフードの注文が増えるナイトクラブ等を表示することが出来るようになる。また、異なるタイプの店舗に向かうために、ユーザーが進んで移動する距離を把握することも出来る。

時間などの特徴を検討する際、次のような、その他の人気に関するシグナルも考慮される可能性がある:

  • 場所に関するユーザーによる評価
  • 場所のに関するーザーによるレビュー
  • 場所に関連するウェブページのクエリに依存しないランキング

ある場所よりも別の場所に移動することをユーザーが好むなら、その点も、そのスポットに対するローカル検索のランク付けにおいて考慮される。

結論

この記事の冒頭で述べた例の中で、私は二軒のレストランに言及した。一軒目は、とても見つけやすく、口コミによる宣伝によって、大勢の客を集めていた。二軒目のレストランよりも、遥かに多くのレビューが寄せられるはずである。また、とても分かりやすい場所で営業を行っていた。

二軒目のレストランは、一軒目のレストランと比べると、評価は落ちるものの、交通量の多いハイウェイの傍で営業するメリットを享受し、レストランのことを一度も聞いたことがなく、また、二度と戻ってこないであろう一見の客を獲得していた。このレストランは、州間ハイウェイから数百メートルの距離にあり、ハイウェイを移動するドライバーがルートをリクエストする際に、取り上げてもらえる確率は高い。

二軒目のレストランにやって来る客は、レビューを残す可能性が低い — 食べ物はこれと言って美味しいわけではないが、手っ取り早く腹を満たしたいドライバーにとっては、十分なレベルであった。交通流の多い州間ハイウェイの近くに位置することが、人気の源であった。

数日前、友達が、最高のハードウェアストアを探している人物に対して、32キロほど離れた店を紹介していた。数キロ以内にもハードウェアストアは存在するものの、品質の高い製品の在庫の量は、遠い店と比べると、遥かに少ない。

このように、素晴らしいレビューが一貫して寄せられるスポットは、移動距離で人気を獲得しているスポットよりも、場合によっては、良い選択肢となる。しかし、大半の個人的なニーズを満たす上では、わざわざ遠い店までドライブすることはない。

グーグルが、スポットへのルートのログ等、人気のシグナルを実際に利用しているかどうかは定かではないが、大勢のユーザーはレビューを求めているため、グーグルが店に対するレビューを集め、提供したがっていることは確かである。

グーグルは、ルートの情報のみを使って、あるいは、レビューの情報と合わせて、地域の検索結果のランク付けを行っている可能性がある。恐らく、店を検索するために時間を割くことを考慮すると、ユーザーは双方のタイプの情報を調べていると考えられる。モバイルデバイスで検索を行っているなら、レビューの情報を得る余裕はないだろう。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Driving Directions vs. Reviews as Ranking Signals for Google Maps」を翻訳した内容です。

もちろん「絶対的回答はない」ということは簡単ですし、「切り替えられるようにすればいい」のもまた事実ですが、できるだけより多くの人にとって満足度が高い回答を提供したいのがGoogle魂。例えば「渋谷 ラーメン屋」1つをとっても、その人の過去の履歴はもちろん、検索の時間帯によっても、人気店から表示するか近場の店から表示するか、絶妙な加減で適度に両者をブレンドした順番で表示するか、無限の可能性がありそうです。夜中、さらにはその数時間前に飲食店検索をしていれば、「限りなく酔っ払っており締めのラーメンを食べたいに違いない」と判断し、レビュー無視で近場の店から順番に表示させるといいかも?車で移動中で検索中には刻々とロケーションが変化するようであれば、そのスピードに応じて進行方向**kmまでを追加検索対象にし「10分我慢してでも食べたい」人気店を表示するなんてことも?こういうことを考えていくと、サーチマーケティングやそれこそ新サービスの需要まで新たな発想が浮かびそうですね。 — SEO Japan [G+]

2014年に実現したい14点のリンクの誓い

Googleのアルゴリズム&取締り強化で意図的な外部リンク施策がペナルティにつながりかねない最近のSEO。そうはいっても、順位向上にリンクが必要なのもまた限りなく絶対的な事実。余計なトラブルを抱え込まずに被リンク対策に取り組みたいあなたのための2014年版リンク構築のアドバイス集。 — SEO Japan

2013年のリンク構築業界を一言で表すなら、「刺激的」と言う言葉がピッタリである。大きな変化に関しては、大勢のエキスパートが既に語り尽くしているので、ここでは取り上げない。代わりに、2014年の新年の誓い候補となる14点の決意を挙げていく。

1. 被リンクのプロフィールを精査する

リンクレポートを自分で実施したことがないなら、今すぐに実施するべきである。素晴らしいツールが提供されている(独自のデータベースを利用するツールもあれば、他のソースからデータを引き出すツールもある)。人気の高いツールは、有益なものばかりだ。お試しアカウント、無料の1日有効アカウント、あるいは、リンクプロフィールが小さいなら、単純に無料版を利用するだけでも良い。リンクプロフィールが莫大なら、適切な有料のリンク分析ツールの利用を検討してもらいたい。有料ツールは、極めて有益である。

グーグルとビングのウェブマスターツールから情報を得ることは可能だが、検索エンジン以外の情報源を用意しておくと良いだろう。また、リンクを評価する方法も学んでおいてもらいたい。

問題を抱えていると思うなら、あるいは、ペナルティーを与えられたなら、リンクの専門家に相談することを薦める。しかし、プロのようにデータを徹底的に調べることは出来なくても、リンクをリストアップする方法、そして、リンクプロフィールの基本的な分析を行う方法に関しては、すべてのウェブマスターが知っておく必要がある。

以下に、私が利用したことのある人気の高いツールを挙げていく:

2. リンクを常にチェックする

特に疑わしいリンク構築が行われている場合、あっと言う間に、収拾がつかなくなることがある。誰もが、メソッド、そして、関連するリスクを包み隠さずに明らかにしているわけではない — そのため、リンク構築のスタッフが何をしているのか知らない状態で、突然、全く関係のないフォーラムのコメントから、500本のネットワーク化されたリンクが姿を現したなら、さらに1500本のリンクが追加される前に急ブレーキをかけるべきである。 すべてのリンク先を訪問し、詳細に分析する必要はない。しかし、誤った方向に進みつつあるなら、感じ取ることが出来るはずである。

3. グーグルとビングのウェブマスターツールを設定する

ウェブマスターツールのアカウントを作らない状態で、見極めることが出来ない問題に遭遇するウェブマスターは、意外に多い。ウェブマスターツールは、数分間で設定することが可能であり、無料で利用することが出来るので、各サイトにアカウントを用意するべきである。ウェブマスターツールでは、被リンクに関する情報を得ることが可能であり(ただし、全体像としてこの情報に頼ることは出来ない)、また、グーグルで手動ペナルティーを受けた場合、通知してもらえる。ただし、ウェブマスターツールを設定したものの、全くアクセスしない状態は好ましくない。ウェブマスターツールには、サイトを分析する上で役に立つ素晴らしい機能が搭載されている。

4. 店舗/オフィスを持っている利を活かす

フォースクエアとフェイスブックのアカウントを作り、利用するべきである。少なくとも、グーグルとビングの地域のセクションで、会社のアカウントを作成しておこう。

注記: ローカルに真剣に取り組んでいるなら、アンドリュー・ショットランドが綴った「利用するべき5つの信頼されるアカウント」を参考にしてもらいたい。

5. 数字に執着しない

数字を軽視するべきだと薦めているわけではない。それはあまりにも割り切り過ぎであり、誤った見方だと言わざるを得ない。ただし、実際に、数字に過剰に執着するクライアントが存在する。
metrics

サイトが、数字以外のすべての点において、リンクを獲得する価値があると思うなら、行動に移すべきである(ペナルティーを受けているサイトを除く)。全く関係のないPR 4のページからは、ランキングの押上げ以外(もちろん、それはそれで有効ではあるものの、この点だけに固執するのは良くない)、何もメリットが期待することが出来ない。そのため、例えば、ソーシャルネットワークで勢いを得つつあるものの、裏付ける数字を得ていない新しいブログからリンクを得るチャンスがあるなら、是非、リンクを獲得してもらいたい。

6. eメールを接触するために使うなら、巧みに実施する

この誓いは様々な意味を持つ。まず、eメールを受信するのが男性だと仮定するべきではない(事実、私の下には「Sir」を用いるメールが多数寄せられる)。また、全く同じサービスを提供する人物にサービスを提案する必要はない(リンク構築を提案するメールもまた多数寄せられる)。eメールリストへの登録を解除するオプションも忘れずに提供してもらいたい。

eメールによる接触は、現在も主力のメソッドであり、実際に効果は高い。しかし、時間を割いて、接触のメールをパーソナライズし、メールを送る際に相手の時間を無駄遣いしないように細心の注意を払う必要がある。また、二度とメールが送られてこないオプションも用意するべきである。

7. SERPにページがどのように表示されているのか確認する

自分のサイトのSERPのリスティングをクリックしたいと思うだろうか?SERPで2位を獲得しているものの、トラフィックが少ないなら、上下のサイトを確認してみよう。自分のサイトではなく、上下のサイトをクリックしたいと思うだろうか?クリックしたいと思ったなら、何かしら対策を練る必要がある。オーソリティの高いサイトのリンクは、ランキングを高める効果があるものの、ランキングが上がったら、トラフィックも増えるように工夫するべきである。マジシャンではないので、実際に対策を講じなければならない。

8. サイトでゲスト投稿を募集する

eメールを使って、相手のサイトでのゲスト投稿を呼び掛けるだけでなく、自分のサイトでゲスト投稿を募集する、もしくは、サイトでインタビューに応じてもらえるように交渉しよう。すると、若干「利他的」なアプローチとなり、ギブ & テイクの関係が生まれる。事実、他の人達に関心を示すことで、素晴らしいリンクを獲得することに私は成功している。

9. アイデアを出す

私はブレインストーミングを 多用している。アイデアを重要視してもらえた感じると、素晴らしいアイデアが生まれてくる。実際にすべてのアイデアが功を奏するかどうかを心配する必要はない。バカバカしいと思う時こそ、有効なアイデアが生まれるものだ。スタッフの人数が多いなら、オフィス以外の場所で、ブレインストーミングセッションを開催する手もある。外に出ることが出来るなら、是非、実行に移してもらいたい。デスクとは異なる環境に身を置くことで、創造力が高まる場合もある。例えば、コンテンツに関するアイデアを考える、問題や解決策に関して話し合う、接触するための新しい手段やサイトの交流を活発にする方法を提案する等が出来るはずだ。

10. リスクの許容範囲を見直す

自然のリンクを大量にもたらす巨大なサイトを運営していても、悪徳リンク構築サービスを用いているケースも考えられる。今までは、効果があり、一度もペナルティーを課されていないとしても、2013年の大規模な取り締まりを考慮すると、確証は持てない。リンク構築の手法におけるリスクを受け入れられるなら、これ以上とやかく言うつもりはないが、ペナルティーから復帰したばかりであり、問題の元凶となった手法に再び手を出すつもりなら、次に捕まった際は、さらに厳しいペナルティーが待っていることを理解するべきである。

network busted

11. ペナルティーを受けた場合、もしくは、インデックスから除外された場合の対策を練る

フォロワーの多いツイッターであれ、顧客に大々的な最新のプロモーションに関する情報を提供するeメールリストであれ、あるいは、ファンの多いフェイスブックページであれ、どこか別の場所でアピールする必要がある。一時的であれ、インデックスから誤って除外されてしまうこともある。事実、robots.txtファイルで誤ってグーグルをブロックしたため、インデックスから姿を消してしまうサイトは、両手では数えきれないほど多い。何が起きてもおかしくはないので、準備をしておくべきである。

12. ソーシャルメディアを利用するなら、維持する

1年半以上、ツイートを投稿しない企業ほど迷惑な存在はない(この行為よりも迷惑だと思うのは、会社のアカウントで、自分のコンテンツに向かうリンクしかツイートしない行為ぐらいだ)。ソーシャルメディアを利用するつもりなら、適切に利用してもらいたい。話しかけられたら反応し、批判に対応し、そして、注目を集めるだけでなく、注目を返すことに時間を注ごう。また、ブランドに関する発言に目を光らせるべきである。グーグルは、発言の内容をリストアップし、カスタマイズすることが可能な無料のアラートツールを用意している。Talkwalkerのアラートもまた無料であり、グーグルアラートの代わり、または、バックアップとして活躍するはずだ。ブランド、少なくとも、URLを監視してもらいたい。

13. グーグルウェブマスターツールの「その他のリソース」を確認する

グーグルがサービスを閉鎖する行為を嘆く度に、このタブで提供されているツールの素晴らしさを思い出す。例えば、Page Speed Insightsは、たとえ利用料を支払ってでも(実際は無料)使うべきサービスであり、サイトの一部にこのサービスの提案を実施したところ、パフォーマンスが大きく改善された。

other resources

14. 最新の状況に対応する

SEO業界のあらゆる最新情報を消化するのは、とても時間がかかる。しかし、オンラインマーケティングを実施しているなら、– 自分で作業しているのであれ、賃金を支払って代行してもらっているのであれ — 少なくとも基本を押さえておく必要がある。グーグルは、時折、ウェブマスターガイドラインを更新しており、侵害に該当する行為をリストに加えている。そのため、このページをブックマークし、最低でも月に1度は訪問するよう心掛けてもらいたい(特にリンクプログラムのページ)。毎日15分間、メジャーなSEOのサイトのヘッドラインに目を通すか、週に一度のリンクに関するコラムを購読しよう。メジャーなSEOサイトをツイッターでフォローする手もある。

以上、すべて妥当な決意だったのではないだろうか?(あとは私自身のサイトでも、この決意を実現させれば、完璧である)

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「14 Link Resolutions for 2014」を翻訳した内容です。

どれも基本、王道の内容ばかりでつまらないと思う人もいるかもしれませんが、2014年の外部リンク構築は、こういう話なのもまた事実。とはいえ、全く意識的にリンクを獲得する手法が一切語られていないのは実践的でないというか、「理想論はわかったから」といいたくなるのもまた真実。過去に何度も語られてきたような戦略(リンク構築で「コンテンツ・イズ・キング」は絶対か?)や具体的手法(11のクリエイティブなリンク構築戦略これからのSEOに勝利するリンク構築の10手法)から自分なりのリンク獲得法を考え実践していくしかないですかね。 — SEO Japan [G+]

2014年版 SEOの計画書 – 内部最適化編

昨年末の2014年版 SEOの計画書 – ハミングバード、コンテンツ、オーソリティに注目という記事を紹介しましたが、今回はその続編に位置する内部最適化に焦点を当てた記事をご紹介。項目毎に簡潔に書かれており、SEO初心者はもちろん上級者も2014年のSEO始めの際に頭の整理に記事です。 — SEO Japan

2014 SEO Playbook今回は、毎年恒例、SEO計画書のパート 2(パート 1はこちら(日本語))をお届けする。まずは、SEO計画書のパート 2を作る上で最高のアイデア(SEOを成功に導く要素の周期表)を与えてくれたことを、ダニー・サリバンおよびサーチエンジンランドのスタッフに感謝したい。

パート 2では、コンテンツ、HTML、そして、アーキテクチャを含む、オンページの要素を取り上げていく。間違いなく、思考回路を刺激するはずだ。また、行動に移すことが可能な提案も行う予定である。これは、手順を追ってSEOを説明するガイドではなく、形式には全くこだわっていない。そのため、SEOキャンペーンに取り掛かる前に、自分でリサーチを行うか、エキスパートに相談することを薦める。

Periodic Table of SEO

コンテンツ: 品質

2013年は、ワード数や奥深いコンテンツ等、品質に関する議論が多く行われた。

パンダアップデートが行われると、短い「薄っぺらい」記事を作る行為に終止符が打たれたと誰もが感じた。しかし、新鮮なコンテンツを投稿することに苦労していたウェブサイト、特に企業のウェブサイトは、この行為を継続している。最近、ある企業が、10点の必読書を紹介するブログの記事を投稿していた。この記事は、本のサムネイルのイメージとタイトルを挙げ、オンライン書店にリンクを張っていただけであった。このような安っぽい記事は、パンダによるペナルティーの格好のターゲットであり、何度も投稿するのは危険過ぎる。

反対に、推奨されているのは、1500ワード以上で構成される詳細なコンテンツ(ページ & 記事)である。このタイプのコンテンツを持つウェブサイトは成功しており、多数の短く、「安っぽい」記事を作成するための時間を、少数の長く、より有意義なコンテンツを作成するために利用する方が無難である。いずれにせよ、文法、および、誤字脱字に注意して、まともな文章を綴る必要がある。意見を出すだけでなく、思慮に富んだ見解、または、リサーチして発見したデータで裏付けを行ってもらいたい。肉付けをする必要があるのだ。私個人は、450ワード以下のコンテンツに関しては、その他のコンテンツと組み合わせるか、あるいは、書く価値がないコンテンツと位置づけるようにしている。

以前、Eコマースのデスクリプションには、250ワードが最適だと考えていた。しかし、現在は、ワード数よりも、優れたリストを作成し、メリットと機能のマッチングさせることに力を入れている。

コンテンツ: キーワード

キーワードリサーチは、今後も姿を消すことはなく、今も尚オンサイトSEOの基盤として健在である。ハミングバードアップデートが導入された後、エンティティの役割を取り上げるようになり、結果ページでキーワードに代わり、トピックが表示されるようになった。グーグルは、類義語の検知とコンセプトの分類において飛躍的に発展を遂げている — ロングテールキーワードの終焉を宣言する専門家もいる(しかし、SEO業界のあらゆる終焉宣言に共通することだが、この主張もまた大げさである)。

各ページを、トピックとして、独立させることが出来るようにしてもらいたい。別のキーワードに対する最適化を実施するために、同じトピックに対して、複数のページを作成する行為は慎むべきである。そうではなく、単一の、良くまとめられた、言及に値するトピックページにこだわり、このページを複数のキーワードに対して最適化するべきである。この点もまた、長文形式のコンテンツを用いる理由の一つに数えられる。

コンテンツ: エンゲージメント

ビジターが時間を割いてコンテンツを読んでいるか、もしくは、直帰するかが、エンゲージメント(参加を介した交流)を左右する。ここでも、やはり、有益なコンテンツが鍵を握る。何においても、最終的に品質が運命を決める。オーディエンス、または、ターゲットのユーザー層が読みたいと思うコンテンツを提供しているのか、編集カレンダーを埋めるためだけにコンテンツを配信しているのか、もしくは、最近、記事の投稿が滞っていたため、罪悪感からコンテンツを抵抗しているのか、どのタイプに当てはまるのか考えてもらいたい。

また、エンゲージメントは、テキストのコンテンツだけに限定されるわけではない。ウェブページのデザインも大事である。エンゲージメントを活性化するだけでなく、見た目も重要である。読みやすさには、ページのレイアウト、フォントの選択、文字と行間のスペース等が含まれる。さらに、ナビゲーションと他のコンテンツへ向かうリンクの表示にも注意してもらいたい。このような要素は、直帰率や滞在時間等のビジターエンゲージメントのスタッツに大きな影響を与える。

コンテンツ: 広告

広告を配置するレイアウトにも気を配る必要がある。検索エンジンは、広告を掲載することに対して、罰を与えるわけではない。そこまで厳しくはない。検索エンジンがペナルティーを与えるのは、過剰な量の広告を掲載する行為、または、不適切な位置に広告を掲載する行為である。

現行の検索エンジンのポリシーが強化される以外は、この領域において、2014年に大きな変化が起きることはないだろう。 ただし、広告の表示に加え、テキストリンク広告に関して、特に注意が必要である。コンテンツに適切である点、または、コンテンツにマッチしている点、nofollow化している点を確認してもらいたい。今でもコンテンツ内に自動フレーズリンク広告を利用しているなら、削除することを強く薦める。インタースティシャル広告やポップアップ広告を利用しているなら、検索エンジンによるページのクロールを妨げないように気をつける必要がある。

コンテンツ: 新鮮さ

私は新鮮なコンテンツを大々的に支持している — と言っても、人気のあるトピックに関するコンテンツを投稿するだけでなく、定期的、または、頻繁に新しいコンテンツを投稿するべきである。新しいコンテンツは、読者を集めるだけでなく、クロールの頻度と深さを改善する上でも重要である。先程、投稿カレンダーを埋めるためだけに、コンテンツを作るべきではないと指摘した。しかし、投稿カレンダーを用意していないなら、まずはこの予定表を策定し、コンテンツの作成に取り掛かる必要がある。

コンテンツを、知名度と信頼度を高めるためのツールと考えるとよい。つまり、会社、そして、製品やサービスに関する記事を投稿するだけでは、不十分である。活動範囲を広げ、– ターゲットのマーケット、そして、ターゲットのマーケットに属する消費者や企業にとっての情報源になることを目指すべきだ

この広範なアプローチにより、さらに多くのトピックが生まれ、ターゲットのマーケットが関心を持つトピックに焦点を絞ることが出来るようになる。これが、オーディエンスを増やすことが可能なコンテンツのタイプである。マーケティングファンネルの上部の層でオーディエンスを獲得する試みを行っていないなら、方針を誤っている可能性がある。当然ながら、例外はある — ただし、例外に該当する会社よりも遥かに多くのの会社が、この試みに失敗している。

HTML: タイトル & ヘッダー

現在、タイトルタグに注目が集まっている。最適化したタグとヘッダーを作成する基本的なルールは、変わっていない。検索エンジン(特にグーグル)が、より多くのタイトルタグをアルゴリズムを基に書き換えるようになると私は予想している。グーグルにタイトルタグを書き換えられているなら、試しに、HTMLをグーグルがSERPに表示するテキストと同じテキストに変えてみよう。「試しに」と言ったが、あくまでも賢明に変更するテキストを選び、パフォーマンスのスタッツの変化をチェックしてもらいたい。改善が見られたら、より広い範囲でタイトルタグを最適化する価値があるかもしれない。

エンティティの検索、そして、複数のキーワードに対する最適化に話を戻す — トピックの最適化を行う際は、タイトルタグおよびH1タグでどのキーワードを利用しているか、認識する必要がある。確実な公式を紹介したいところだが、そんなものは存在しない。類義語を検討する際は、完全に一致する検索を最も獲得しているワードとフレーズに留意し、人気の高い言葉に関しては、自分の直感に従おう。

HTML: デスクリプション

メタデスクリプションタグの最適化に関しては、特に変更は見られない。各ページに固有のデスクリプション(記述)を用意する必要がある。ランキングを変動する力はないものの、質の高い記述は、クリックスルー率を高める効果がある。

私は長さが150ワード前後になるように心掛けている。現実として、実際の長さは、文字の画素幅に左右されるものの、結果に表示された際に、全文が記されるように工夫する必要がある。

サイトリンクで表示されるページに対しては、各リンクの下に現れるデスクリプションの部分が、分かりやすく表示されるように工夫するべきである。これは、多くの企業のサイトやブランドが改善する余地のある領域である。

HTML: 構造化データのマークアップ

毎年のように、構造化データのマークアップが重要なトピックとして挙げられている気がする。

まず、自然なSEOに利用するべきかどうかについて、意見が分かれる。この業界の一部のベテランは、構造化マークアップ、または、コンピュータが読み取れる言語の利用を嫌う。なぜなら、訪問を活性化しない形式で、検索エンジンに情報を提示してもらいたくないためだ。

例えば、好きなNFLのチーム名を入力すると、グーグルは、次回の試合の予定を含むこのチームの情報をSERPで提供する。例えば、今でもよく覚えているのだが、動物園のウェブサイトを運営する際、検索結果の上部に営業時間を表示してもらった方が良いのか、あるいは、ウェブサイトに訪問してもらい、現在の動物の展示および催しを知ってもらった方が良いのかと尋ねられたことがある。もっともな質問である。そして、動物園により多くの来園者をもたらす方法を選べ、と言うのがもっともな答えであった。

グーグル、ビング、そして、ヤフー!は、気に入ったデータを、ウェブサイトのオーナーやビジターの気持ちを考慮せずに、好きな形式で表示する。個人的には、たとえウェブサイトの情報がSERPに表示されたとしても、情報源として信頼してもらうことを選ぶ。そのため、私はschema.orgやRDFa等の構造化データマークアップの利用を推奨している。

なかには、authorタグやpublisherタグ等、問題視されず、ベストプラクティスとして評価されつつある構造化マークアップの形式もあるので、是非、利用してもらいたい。

HTML: キーワードスタッフィング & 要素隠し

キーワードスタッフィングや隠しテキスト等、ランキングにマイナスの影響を与える要素は、一昔前の用法であり、大半のSEO業者は、利用していない。しかし、残念ながら、この問題は割と奥が深い。

キーワードスタッフィングは、Eコマースサイトのショッピングカートを最適化する上で、絶対に欠かせない要素として君臨している。同じワードやフレーズが、カテゴリや製品の説明欄で利用されている場合、繰り返しを避けるのは非常に難しい。ショッピングカートによって、ウェブマスターが管理することが可能な領域も異なる。容易に最適化することが出来るカートもある。一方、カテゴリページで、各ページに表示する製品の数を制限することしか出来ない可能性もある。ショッピングカートの最適化を詳しく説明するつもりはないが、これだけは言っておく — 過去2年間、一度もショッピングカートの見直しを行っていないなら、今すぐチェックしてもらいたい。eコマースのプラットフォームが時代の流れと共に進歩しているかどうか確認する必要がある。

また、意図的ではないクローキングを、驚くほど多く見かける。通常は、テンプレートのライターが、コンテンツ管理システムの予測のつかない事態を避けようとした結果、この問題が発生する。しかし、一部のページでdisplay: noneを使ってクロークしたテンプレート内に静的なリンクが掲載されており、カテゴリ等、何かしらの要素によって、リンクが表示されるケースに遭遇することもある。

アーキテクチャ: クロール

クロールに十分に注目しているSEOの専門家は少ない。大ざっぱな表現である点は百も承知だが、この業界の関係者の大半は、その他の取り組みに忙殺されており、赤い、ど派手なエラーメッセージが表示されない限り、まずクロールを軽視する。検索エンジンが、ウェブサイトの全てのページ(少なくともクロールしてもらいたいページ)をクロールすることが出来る状態を維持しなければならない。サイト全体のページランクの流れを台無しにしたくないなら、ページを除外する際は、robots.txtではなく、メタのnoindex、followタグを利用しよう。

検索エンジンのクロールおよびキャプチャのアップデートが、タイミング良く行われているかどうかを確認することも重要である。タイミング良く行われていないなら、ドメインオーソリティの問題、もしくは、十分な量のページランクがサイトの隅々まで行き届いていない可能性が考えられる。

更新したレベル 2以降のページに到達するまで、ホームページ、または、レベル 1のページから更新したページにリンクを張る等、この問題を解決する手法が幾つかある。しかし、より健全なアプローチを求めているなら、更新されるコンテンツを、よりオーソリティの高いコンテンツ、または、コンテンツのセクションに自然に近づけるか、あるいは、オフサイトのページランクを持つ関連するコンテンツから妥当な内部リンクを構築する手法を勧める

すべてのコンテンツが常にクロール可能な環境を作れと命じているわけではない。それ相応の理由があって、検索エンジンは、クロールの頻度と深さを重視している。要するに、ウェブサイトのクロールの量を管理し、適切に利用する必要があるのだ。成り行きに任せるべきではない。

アーキテクチャ: 重複するコンテンツ

2013年の始め、マット・カッツ氏は、重複するコンテンツに関して心配する必要はないと述べ、SEO業界を震撼させた。 カッツ氏は、グーグルは重複するコンテンツを特定し、分配されたオーソリティを組み合わせ、SERPに1本のURLを表示すると断言していた。

グーグルは随分と前からこの方針を採用しており、実は、驚くような展開ではなかった。ウェブマスターツールには、自動パラメータ確認機能が用意されており、グーグルの代表者は、重複するコンテンツの統合について、以前から説明を行っていた。

以前指摘したことを繰り返すが、検索エンジンはグーグルの他にも存在し、グーグルの指摘と現実が異なることもある。つまり、重複するコンテンツを、出来るだけ、予防、もしくは、削除することで管理し、残ったものに関しては、カノニカルタグを利用するべきである。

カノニカルタグと言えば、1つのカノニカルなURLを、不適切に、複数の記事の全てのページで利用する手法がよく見受けられる。カノニカルの手法は他にもある。この手の手法には注意する必要がある。 カノニカルタグ、検索エンジンが読み込めるコンテンツ、もしくは、高度なメタタグを利用しているなら、ウェブサイトが技術を駆使しており、SEOを活用していることを、検索エンジンにアピールしているようなものである。要するに、特に吟味して欲しいと自ら望んでいることになる。

グーグルが、このタイプの技術的な誤りに対して、ウェブサイトの取り締まりを強化する可能性はある。検索エンジンは、無実のウェブサイトを葬ってしまうことを恐れて、アルゴリズム主体でペナルティーを課す行為には躊躇する傾向がある。しかし、パンダとペンギンで身をもって学んだように、積極的に行動することもある。クライアントのサイトを最適化しているなら、清廉潔白なサイトを維持するべきである。

アーキテクチャ: スピード

ウェブサイトのスピードアップによって得られるSEOのメリットを理解するウェブサイトは少ない。グーグルは、ランキングアルゴリズムのこの領域の影響を受けるサイトはごく僅かだと常に指摘している。この見解は、相関関係の調査によって裏付けられているように思える。近場のカフェに行って、ウェブサイトを実際に閲覧すると、スピードを実感することが出来る。ページがスムーズに読み込まれるなら、問題はないと見てよい。

ただし、大企業のサイトとeコマースサイトは例外である(つまり、スピードに気を配る必要がある)。このタイプのサイトを最適化しているなら、読み込みにかかる時間を数ミリ秒短縮するだけで、直帰率を下げ、コンバージョンとセールスを高める効果が見込める。

アーキテクチャ: URL

URLの現在のベストプラクティスは、2014年も活用することが出来るはずだ。シンプルで、読みやすいURLは、SEO以外のメリットももたらす。現在のブラウザは、複数のタブを用意しているため、ウェブユーザーは、タイトルタグよもURLを目にする機会の方が多い。

また、検索エンジンの結果ページに表示される際に、読みやすいURLは、無意味なURLよりもクリックされる可能性が高い。利用しているコンテンツ管理システム(CMS)が、タイトルタグをベースに分かりやすいURLを作る機能を提供していないなら、そのCMSを見直すべきである。これは基本的なSEOの機能であり、この機能すら提供されていないなら、残りのSEOの機能の効き目も疑わざるを得ない。

アーキテクチャ: モバイル

2013は、モバイル SEO(日本語)にとって、刺激的な1年であった。グーグルとビングは、全てのデバイスに対して、単一のURLを用意し、デバイスに合わせてサイトを表示するためにレスポンシブなウェブデザインを利用する構造が理想的だと認めた。現実として、全てのCMSが、この構造に対応しているわけではない。また、ウェブデザイナーのコミュニティによって、検索エンジンのスタンダードが、現実的でもなければ、望ましくもないことを示すケーススタディが提示されている。

グーグルとビングが推奨する取り組みを実施することが出来るなら、実施するべきである。しかし、実施することが出来ない、もしくは、実施しないまっとうな理由があるなら、各ページの最も完全な形に近いバージョン(恐らくデスクトップ版が該当する)に向かうカノニカルタグを利用し、スクリーンのサイズごとにブラウザのプラットフォームを基にリダイレクトを採用しよう。

ウェブサイトが全てのデバイスのユーザーを同様に扱い、検索エンジンのスパイダーを特別扱いしていない限り、検索エンジンからペナルティーを課される危険はない。基本的に、言語の好みにおいて、場所を基に、ビジターを自動的にリダイレクトする取り組みに似ている。

2014年に注目するべきオンページ SEOの要素は、これで全て紹介した。パート 3では、リンク構築に関するオフページのSEOの要素、ローカル検索、そして、ソーシャルメディアを取り上げる予定なので、楽しみに待っていてもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Playbook: On-Page Factors」を翻訳した内容です。

 

基本的な概要まとめ記事かと思いきや、意外と参考になる点も多かった良記事でした。内部最適化を語る時、コンテンツ、HTML、アーキテクチャとカテゴリを分類するのは分かりやすくていいですね。次回は外部最適化を取り上げるということで、ますます見逃せません! — SEO Japan [G+]

2013年に姿を消した5つのSEOの常識

コンテンツ、オーソリティ、セマンティック、、、2014年のSEO戦略の方向性はわかっていても、実際にその具体的戦術を考える上で大事なのがSEOの基本ルール。最近のGoogleの急激な進化と共に既に消え去っていると思われる過去のSEOの常識を再確認した記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

grill-seoSEOの基礎は、過去15年間、大きく変化したことはない。それでは、合言葉「質の高いコンテンツを作り、質の高いリンクを得る」も変化していないのだろうか、あるいは、変わったのだろうか?

今回は、2013年に使命を終え、永遠の眠りについた5つのSEOの「基礎」を挙げていく。いまだに利用しているものがあるなら、今こそ卒業し、2014年に見合う取り組みに改めるべきである。

1. キーワードは検索結果にとって鍵になるワード

2013年に9月23日、グーグル経由のリファラーの文字列内のキーワードが反映されなくなり、「not provided」化が完了すると発表されると、大勢のウェブマスターが一斉に落胆した。しかし、検索において、キーワードではなく、意図が最も重要である点を見過ごしている人達が多い。過去においても、意図は重要であったものの、SEOの関係者は、キーワードを意図の代わりに用いていた。

誰かがキーワード「buy」(買う)を使っているなら、そのビジターは、何かを買おうとしているはずである。これは理に叶った推測である。しかし、検索エンジンのアルゴリズムが進化を遂げる中、平均的な検索エンジンのユーザーは、クエリに「買う」を入れなくてもよい点に気づくようになった。都合よく表示された買い物の結果をクリックする、あるいは、いっそのこと、検索エンジンをスキップし、Nextag等の(買い物)専門の検索エンジンを用いればよい。

まだ信じられないなら、グーグルトレンドを確認してもらいたい。キーワード vs 買う + キーワードを比較すると、製品(キーワード)に対する関心は高まっているものの、製品に「買う」を加える傾向は下火であることが分かる。以下に分かりやすい例、「power tool」(赤)と「buy power tools」(青)を紹介する。その気になれば、このようなデータは容易に掘り起こすことが出来る。

Google Trends for "Buy Power Tools" and "Power Tools"

「Buy Power Tools」と「Power Tools」をグーグルトレンドで確認

2. ジオロケーションのキーワードは重要

サイトを特定の街の検索結果に表示させたい場合は、キーワードを使って街、または、街と州を特定するページを作ればよかった。その結果、次のようなページが、インターネット上に次々と姿を現すことになった:

SERP for a site with geo-located pages

この手法は、「薦められない」どころではなくなった。パンダアルゴリズムに、狙われるようになったのだ。そのため、今後は、地域の認証した住所に対するプロフィール(グーグルプレイス/ページ等)を用意しなければならない。

また、schema.orgのタグ(またはHcard等)を使って、住所をマークアップする作業も求められる。どういう風の吹き回しか、検索エンジンは、オフィスの住所が、ノースカロライナ州のローリーだと、その他の地域よりもこの場所に対して関連性が高いと考えるようになった — クライアントの大半は、ノースカロライナ州の会社ではないにも関わらず。そのため、ここでも常識が通じなくなっている。

この問題がすぐに解決されることを望む。やはり、検索エンジンのユーザーは、さらに経験を積み、街の名前を入力することなく、地域の結果を得る方法を習得しつつあるためだ — ただし、当然ながら、現在の場所とは異なる地域の結果を求めている場合は、話は別である。…少し脱線してしまったようだ。この問題はやがて解決されるとは思うが、今のところ、有益な代わりの解決策は見当たらない。

3. 302 リダイレクトはSEOの役に立つ

かつて、検索エンジンは、四六時中サイトをクロールしているわけではなかったため(現在のように1日に数回ではなかった)、302 リダイレクトがSEO目的で使われることがあった。長期間にわたって維持するつもりではない変更をページに加える際は、302 リダイレクトを投稿して、検索エンジンが、過去のURLに戻る前に、リスティングを変えないように指示していた。

検索エンジンに新しいURLに全ての被リンクを更新してもらいたくないことが、SEOにおける本当の理由であった。この点は、w3.orgでも示唆されている: 「302 Found… リクエストされたリソースは一時的に別のURLに格納されている。リダイレクトは、時折変わることがあるため、クライアントは、今後のリクエストのためにRequest-URIの利用を継続するべきである。Cache-Controlヘッダーフィールド、または、Expiresヘッダーフィールドで指示されている場合のみ、このレスポンスはキャッシュ可能になる。」

その後、今度は、グーグルが、2012年の8月、ジョン・ミューラー氏の発言を通して、302に関する処理を明言した: 「302には今でもページランクを回すことがある。要するに、リダイレクトされたURLを維持し、リダイレクトされたURLのコンテンツを利用する可能性がある。」

2013年では、サイトに質の低いリンクが向けられていることを理由にペナルティーを課されるサイトが増え、実際にこの取り組みの成果が表面化するようになった(特に目立ったのは、302を使って、ページランクの流れを止めようとすることが多いアフィリエイトリンク)。

4. 404 エラーページは期限切れのページに取っておくべき

スパマーの息の根を止めるグーグルの取り組みにおいて、これもウェブマスターにとって迷惑な展開の一つに数えられる。多くのサイトが、コントロールすることの出来ない被リンクに対処し、目的地のページを404または410の結果に向かわせなければならなくなった。グーグルの強制的なペナルティーにより、ウェブ上には大量のリンク切れが発生するようになった。

ユーザー体験においては好ましくないものの、サイトに入ってくるリンクをコントロールすることが出来ないなら、そして、ウェブマスターに削除してもらえないなら、グーグルに再び認めてもらうには、404ページを利用するしかない。質の低いリンクを否認することが出来るとグーグルは言うが、その一方で、リンクを削除するために、まずは努力しなければならないとも言っている — しかも、経験上、スプレッドシートで「反応なし」を立て続けに報告するだけでは、十分な努力とは認めてもらえない。

site: レベルで検索結果を見てみると、この問題がどれだけ大きくなっているのかが、よく分かる — とりわけ、多数のプレスリリースを配信したものの、後になって、そもそもプレスリリースを同時配信した側のウェブマスターからプレッシャーを受け、削除せざるを得なくなったニュースサイトはひどい目に遭っている。

リンク切れは深刻な問題であり、グーグルがさらにこの問題に拍車をかけている。リンク切れの数が、今後の数ヶ月間でどのように変化するのか興味深い。しかし、(今月リリースされたばかりの)この調査結果から、ハッキリとした傾向を見ることが出来る:

Linkrot Study by the Chesapeake Digital Preservation Group - 2013

Chesapeake Digital Preservation Groupが行ったリンク切れ調査 2013年度版

5. 被リンクは害にはならない

これは2012年および2013年に姿を消したSEOの常識の中で、恐らく最も規模が大きいと言えるだろう。2007年10月、Wysz(当時有名なグーグルのスタッフ)は、このように述べていた : 「スパムサイトにリンクを向けられることで、ランクが落ちるのではないか?と心配する必要はない。(大方)サイトにリンクを張る行為をコントロールすることが出来ない点は、グーグルもよく理解している。」

しかし、今週、グーグルのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、次のように指摘していた: 「スパムを本気で止めたいなら、少し意地悪に思えるかもしれないが、スパマーを再起不能になるまで叩きのめす必要がある。」このメッセージに対して、「hGn」が分かりやすいコメントを残していた: [グーグル]の実験の巻き添えを食らった犠牲者は、アルゴリズムが止めようとした、あるいは、失望させようしたスパマーだけではない

SEOコンサルタントとしての立場から言わせてもらうなら、徹底的に打ちのめされたのは、何をするのか分からない状態で、スパマーを雇ってしまった会社である。スパマーはとっくに次の犠牲者にターゲットを移している。

と言うわけで、今回は、憂慮すべき2013年のSEOの変化を紹介した。確かに、ビジターが活用し、シェアしたくなるような質の高いコンテンツを作る取り組みは、美しく、利他的で、理想的な目標ではある。しかし、検索エンジン(特にグーグル)が、新たなSEOのベストプラクティスが、意図した通りの効果を発揮するまで、スパマーとの抗争を中断してくれるとは、私にはどうしても思えない。2014年こそは、良い年になることを願っている。

イメージはライセンス契約の下Archology Inc.から利用した。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「5 “Foundations” Of SEO That Were Torched In 2013」を翻訳した内容です。

キーワードやジオロケーションなど消え去った常識と言い切るにはまだ早すぎる気もしますが、そういう流れであることは意識しつつ、今後のSEOに取り組みたいものです。404ページや302リダイレクトも下手に取り扱うと逆効果になりかねないですし、またしかり。しかし最後の「徹底的に打ちのめされたのは、何をするのか分からない状態で、スパマーを雇ってしまった会社である。スパマーはとっくに次の犠牲者にターゲットを移している。」という一言には、ある意味納得できてしまうところが怖すぎます。 — SEO Japan [G+]

SEOの新三大要素:ユーザー、意図、そして意味

ペンギン、パンダ、ハミングバード、、、SEOに携わっているとついつい様々なアルゴリズムに踊らされてしまいがちですが、大局的にGoogleの動きを眺めれば、必然的にGoogleが向かっている方向性、そして今後のSEOのあるべき姿もわかるはず。などと偉そうにいってみても、私自身も100%確信があるわけではありませんが、コンテンツにオーソリティ、セマンティックと今後のSEOを占うキーワードは想像がつきます。今回はそういった個別のアルゴリズムや専門用語は無視して、今後のSEOの本質を担う要素を考えてみようという深みのある記事を。 — SEO Japan

どんな未来が待ち受けているのかを推測する方法は2つある。魔法の水晶玉をじっと見つめて、何が起きるのか予想する方法が1つ。そして、もう一つは、冷静に論理的な視点で、事実を直視し、そこから明確な結論を導く方法である。SEO Quote

信頼は王

SEOは王女

二人が力を合わせれば、検索の世界で天下を取ることが出来る

SEO業界の急速な変化を理解するため、推理小説に登場する名探偵「エルキュール・ポアロ」に倣い、「人間の心理」…と言うよりも、SEO業界の話なので「グーグルの心理」を考えることから始めたい。

グーグルの考えを把握する

何らかの理由があって、グーグルは様々な取り組みを行っている。その理由は、ありふれた風景に溶け込んでいる。これは、オンライン検索の多数の変更の裏側にある謎を解決する手掛かりとなる。

グーグルの収益の大黒柱は、広告である。グーグルは、ユーザーに検索エンジンを使って、答えを見つけてもらうことで、利益を得ている。自然の検索結果の周りに掲載されたアドワーズの広告をクリックするであろうユーザーが、グーグルにアクセスしなくなったら、どうなるのか考えてもらいたい。

そのため、グーグルは、スパム対策、そして、関連性の低い検索結果の削除を必死で行い、ユーザーが望む場所で、望むタイミングで、望むものを提供している。これは無理難題のようにも思えるが、グーグルは、積極的に解決に取り組んでいる。

そして、少なくても今までは、成功していると言えるだろう。

グーグルは検索結果をどのように改善するのか?

3本柱の戦略をグーグルは採用している。

グーグルは、検索フレーズだけにこだわらず、クエリの本当の意味を求め、ユーザーの意図を把握している。

1. ユーザーのニーズに合わせて結果を調整する: グーグルは、ユーザーに関する膨大な量のデータを抱えており、有効に活用している。セマンティック検索やトラストランク(信頼度)等をカウントして、結果をユーザーのニーズに合わせて調整している。

ウェブ検索クエリが、発見の出発点であることを理解し、グーグルは、セマンティック検索戦略を介して、人間が世の中をどのように解釈しているのかを描写しようと試みている。検索ボックスに入力する用語 — または携帯電話に問いかける用語(会話型検索(日本語)) — からユーザーが何を求めているのかを判断するためだ。

これで終わりではない。

2. 早く結果を提供する: 答えをすぐに提供する — 場合によっては、SERPで直接与える(特にすぐに行動を起こす結果)

グーグルは、SERPの再編成を行い、さらに多くの情報を盛り込んでいる。ソーシャルネットワーク経由の「リアルタイム」のデータと組み合わせると、インターネットユーザーが検索を行う仕組みを大きく変えるポテンシャルを持っていると言えるだろう。

例えば、パリ、または、シドニーで歩いている時に、近くに自分好みのパブや惣菜店があるかどうか知りたい状況を想像してもらいたい。そんな時、親友が薦める店へのルートが、グーグルに助けを求めた数秒後に、スマートフォンに表示されたら、どれだけ便利だろうか?

実はこの取り組みは既に行われている。グーグルが、信頼の置ける正確なデータソースを微調整した暁には、さらに改善されるはずだ。

3. 関連する結果を提供する: 検索データを暗号化し、そして、操作することが難しいシグナルを多用することで、SEOによる結果の操作を最小限に抑える。

グーグルは何を信頼しているのか?

長年に渡り、グーグルは、ユーザーに関する莫大な量のデータを収集してきた -

  • 誰が何をクリックしたのか
  • ページにどれだけの時間滞在したのか
  • 次に何をしたのか
  • 何を、どこで買ったのか
  • その他諸々

グーグルは、常にユーザーの行動を学んでいる。

なぜグーグルはここまで徹底してデータを集めるのだろうか?

世の中、そして、人物に関するナレッジグラフを拡大して、検索結果を補強し、ユーザーにとってより有意義なサービスにするためだ。グーグルは、人物、場所、ニュース、イベント、セール、そして、データを一瞬で見つけることが出来るように支援している。

ナレッジグラフが拡大し、進化し、そして、学習するにつれ、プログラマーがデザインしたこのアルゴリズムは、世界 — そして、人間の行動を、今まで以上に理解することが出来るようになるかもしれない。

また、サービスのパーソナライゼーションを介して、グーグルは、大勢のユーザーに関する、本質に迫る(そして、相関的な)プロフィールをまとめている。このようなデータは、「トラストランク」のスコアとしてまとめられ、特定のユーザーやリソースに容易に割り当てることが出来る。

グーグルが信頼している対象を挙げていく:

  • グーグルが把握している人物
  • グーグルが利用することが可能なデータ
  • グーグルがコントロールするソーシャルプラットフォーム

だからこそ、グーグルはソーシャルネットワークを立ち上げたのだ。

「ソーシャルネットワークの分野において、フェイスブックを倒すため」ではない。グーグル+はフェイスブックと比較されることが多いが、比較すること自体が誤っている。両者は完全に異なるサービスである。グーグル+は単なるソーシャルネットワークではないが、この点を見誤っている人は多い。

グーグル+は、ソーシャル、ローカル、そして、モバイルのユーザー体験に大きな影響を与える、アイデンティティのプラットフォームである。当然、検索マーケティングにインパクトをもたらす。

検索におけるソーシャルメディアの重要性を言い争っている人達は、グーグルが信頼することが出来るソーシャルシグナルのソースこそが、グーグル+であると言う大事なポイントを見失っている。現段階で、質の低いコンテンツでは、グーグル+を欺くのも、操作するのも難しく、また、居場所のデータとチェックインのスパム対策が実行されれば、このネットワークを操作することは、事実上、不可能になる。

このようにして、グーグルの+1が、ランキングに影響を与えるようになる。数年後には、グーグル+の利用は、上位にランクインする上で、欠かせないアイテムになるだろう。

そしてハミングバードの導入が行われた

2013年9月の下旬に告知が行われた、ハミングバードアップデート(日本語)は、2001年以来、最も劇的なアルゴリズムへの変更であった。検索の「精度とスピードを上げる」ことを目標としたハミングバードは、インデックス内で大量のウェブページをランク付けする前に、グーグルが、検索関連のシグナルを処理する仕組みに影響を与える。

ハミングバードは、ハイパーローカル検索とソーシャルシグナル、モバイル検索とユーザーの意図、そして、トラストランクとナレッジグラフを統合するためのイノベーションであり、究極のアンサーエンジンになるための取り組みが、急ピッチで進んでいる。

既にSEO業界は影響を受けているのだろうか?

その可能性はある。SEOとトラフィックのログのデータを分析した後でなければ、ハッキリしたことは言えない。しかし、サイトのビジターの意図を分析することなく、特定のキーワードに対するランクを上げるための最適化を行っているだけなら、影響を受けている確率はとても高い。

ハミングバードアップデートは、シグナルの処理自体を改善し、スマートフォンやモバイルデバイス経由の音声による「会話型検索」のクエリを含め、検索結果の質と関連性を高めている。このアルゴリズムは、ワードやフレーズだけにとどまらず、その意味を理解することに全力を注いでいる。

以下に、ハミングバードのメカニズムを解説していく。改良が加えられたアルゴリズムは、恐らく次の試みを行うと思われる:

  • セッション内で実行された、密接に関連する検索を整理する
  • 検索で用いられた用語を分析する
  • 用語や類義語を別のワードと置き換えるためのルールを策定する
  • 精度と関連性に対して、表示された結果を評価する
  • より良い選択肢を反映する最適なページを探す
  • このページをSERPで維持し — 残りは却下する

要するに、ハミングバードの恩恵を受けたいなら、最高のユーザー体験を提供しなければならない — そして、そのためには、ユーザーの意図を深く理解する必要がある。その意味において、ハミングバードは、ページを巧みに、あるいは、早くインデックスするよりも、クエリを書き直すことを重要視していると言えるだろう。

上位にランクインするための最適化を行うだけでは不十分である。フレーズに狙いを定めて、ランキングを維持する取り組みに固執するわけにはいかない。手っ取り早くメリットを得る行為、そして、応急処置は、効かなくなる。ハミングバードによって、オンラインとオフラインの間にある壁は、崩れていくだろう。検索戦略をその他のビジネスの領域と統合しなければならない — さもなければ、今後、大打撃を被ることになる。

奇妙に思えるかもしれないが、経験豊かなマーケッターでさえ、この変化に戸惑っている。だからこそ…

SEOは健在だ

…と自信を持って私は言うことが出来る。検索コンサルティングのマーケティングは、無限に広がっている。今までのSEOコンサルタントの取り組みは、この業界のポテンシャルの氷山の一角でしかない。

一歩下がって、全体像を見る必要がある。

かつて、SEO業者は、キーワードを意識して、ウェブサイトを最適していた。その後、ロングテールのフレーズに対する最適化に着手した。当時は、グーグルの検索結果で、コンテンツを上位にランクインさせることだけを考えていた。

しかし、上位にランク付けされたサイトが、ユーザーの質問/問題を解決する上で適切ではないなら、次の関係者にとって、良い傾向だとは言えない:

  • 求めている情報を見つけることが出来ない検索エンジンのユーザー
  • 質の低い作品に対して、SEOに資金を投じた会社
  • 不満を持つユーザーの信頼を失い、マーケットシェアを逸するグーグル

そこで、何かを変える必要がある。

  • ハミングバードや枠組みの変化を「活用」し、短期および長期において、メリットを得るにはどうすればいいのか?
  • コンテンツマーケティングとインフォメーションアーキテクチャは、この変化した環境において、どれぐらい重要なのだろうか?
  • ハミングバードは、リンク構築やコンテンツマーケティング等の「時代を問わない」戦略にどのような影響を与えるのか?

他にも、不安を抱えている、または、熱心なクライアントから様々な質問が寄せられている。適切な答えを与えられるかどうかは、SEOのエキスパートの実力次第だ。 今こそ、検索マーケッターは、検索やソーシャルだけでなく、PR、コミュニケーション、分析のスキルを兼ね備えたハイブリッドなマーケッターに生まれ変わる必要がある。

SEOの技術的な要素は、今後も重要である。しかし、会社から顧客に焦点を移さなければならない。「キーワード」と「リンク構築」中心の戦略から卒業する必要がある。ウェブ上で容易に見つけてもらえる環境を作り、消費者が利用しているスクリーンに姿を現すことが求められる。顧客候補のニーズを満たす取り組みに全力を注ぐ必要があるのだ。

そこで次の問いを自分自身に投げかけてもらいたい:

  • 顧客候補はどこにいるのか?
  • どのように情報を検索しているのか?
  • グーグルで何を見つけるのか?

この問いに対する答えを見つけなければ、暗い未来を迎えることになるだろう。なぜなら、新しいSEOの世界では:

  • 信頼が王であり、SEOは女王である。そして、ソーシャルメディアが、戦士を輩出するからだ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The New SEO – It’s About People, Intent, & Meaning」を翻訳した内容です。

2012年から続くSEO業界激動の2013年を締めくくり、来年を考える上で、改めて検索エンジンの基本に立ち戻って考えられる良い記事でしたね。ハミングバードについてイマイチぴんと来ていなかったSEOに染まりすぎの方にもその意味と重要性を再認識できる記事だったのではないでしょうか。この記事をベースに考えていけば、今後のSEOも自然に見えてくるはず、、、って結局はセマンテックマークアップ、コンテンツマーケティング、オーソリティ構築、みたいな話になりそうで怖いのですが 汗、全体像を把握し落とし込んだ上での日々の地道な作業が大事ということで。 — SEO Japan [G+]

Eコマースの売り上げを倍増する17のSEOベストプラクティス

クリスマスシーズンを前に日本のEコマース業界も盛り上がってまいりました!今年も(こそ?)クリスマスを自社のEコマースサイトの 売上拡大にフル活用したいウェブマスター&マーケッターにお送りするEコマースの売上を倍増するためのベストプラクティス集をSEO Japanからのクリスマスプレゼントとしていち早くお届け。この手のリスト記事は良くあると思いますが、かなり具体的でEコマースをやりこんでいる方にもヒントになる内容が多くありそうです。 — SEO Japan

SEOを活用すると、Eコマースの売り上げが2倍に増えるとクライアントに初めて伝えた時、なかなか信じてもらえなかった。しかし、ノルウェーで、8つの効果的なSEOのテクニック(日本語)を用いて、SEOでEコマースの収益を2倍に増やした具体例(日本語)を挙げると、態度は一変した。

実感が湧かないかもしれないが、事実である。EコマースSEOとコンバージョンの最適化を行うと、トラフィックと売り上げを2倍に増やすことが出来る。証拠を見せたところ、トラフィックを増やす方法、コンバージョンを高める方法、買い手と交流し、ファンになってもらう方法等について、次々と質問が寄せられた。以下に、特に一般的な疑問、そして、私なりの答えを挙げていく。

Best Practices In E-Commerce SEO

質問 #1:在庫切れの製品にはどう対処すればいいのか?

複数の要因に左右されるが、個人的に推奨する対策を紹介する。

そのままにしておく。 後で在庫が回復するなら、そのままの状態にしておくと良い。削除したり、隠したり、あるいは、交換したりするのはやめよう。また、別の製品を加えたり、ビジターを別のページにリダイレクトする行為も薦められない。

別のアイテムを提案する。 ある製品が売切れたら、その製品との関連性が高い製品をサイトのウィジェットを介して、提案してみる手がある。幾つか例を挙げていく:

  • 別の色の同じ製品
  • 新しいモデルや新しいバージョン
  • その他のブランドの同一の製品
  • 質と価格が一致する同じカテゴリーの別の製品

顧客に素晴らしいサービスを提供すれば、顧客は満足する。また、検索エンジンは、関連するページを発見し、サイトの構造をより正確に理解するようになる。

在庫が回復する日をユーザーに伝える。 製品が在庫に戻る予定日を伝え、ユーザーがいつサイトに戻り、製品を買えばいいのか分かるように工夫しよう。

取り寄せを提案する。取り寄せ注文を行い、製品が届いた時点で送ることを約束する。製品を喉から手が出るほど求めている買い手候補は、数日間余分に待たなければいけないとしても、飛びつくはずだ。

ダメージを和らげる。 在庫が届いたら、値引き価格で提供する等、何らかの慰めを用意する。こうすることで、後で買う気が起きるかもしれない。

質問 #2: 旧品種/期限切れの製品にはどのように対応すればいいのか?

頻繁に新しいモデルやスタイルの製品が届く家電製品やファッション衣料品店のように、あらゆるオンラインショッピングサイトに、二度と入荷しない製品が必ず存在する。

多くのEコマースサイトは、ページを削除して、後は何もしない。SEOの観点では、この行為は薦められない。SEOのバリューを失い、URLをブックマークしてくれたユーザーに、エラーメッセージを与えてしまうからだ。

適切な解決策は、ケースバイケースである。

  1. 期限切れの製品を掲載しているページのURLを301リダイレクトにする。 期限切れの製品が、新しいモデルに差し替えられているなら、301永久リダイレクトを古い製品のページから新しいページに用いる。すると、新しいページをランク付けしてもらいたい旨をグーグルに伝えることが出来る。 この処理のおかげで、SEOのバリューを維持する効果が見込める。
  2. 親カテゴリーにリダイレクトする。 この手法は、ビジターの問題を解決することを意図している。期限切れの製品と同じ意図を持つ関連製品があるなら、その製品の親カテゴリーにビジターを導くことが出来る。
  3. 期限切れの製品のページ、コンテンツ、URLを永久に削除する。 期限切れの製品に密接に関連する製品がないなら、410ステータスコードを使って、当該のページを削除する手もある。このステータスコードは、ページが永久に削除され、二度と戻って来ないことをグーグルに伝える。
  4. URLを再び利用する。 技術の仕様とモデルの番号がバラバラのノーブランド製品を販売しているなら、URLを再び利用することも可能である。こうすることで、ページのオーソリティを維持し、また、グーグルで上位にランクインする確率を高めることが出来る。
  5. 残す必要のある製品に注意する。 特定の製品のページは、既存の顧客、または、リサーチを望む人達に対して、情報を提供するページとしての存在意義を持つ。このタイプの製品のページは残すべきだ。以前購入した買い手が戻り、ページを介して、情報、アドバイス、そして、サービスを得るためだ。

質問 #3: 季節商品にはどのように対応すればいいのか?

製品のカテゴリーを強化することを目指すべきである。製品のカテゴリーに力を入れ、製品ページの説明欄のブレッドクラムおよびリンクを使って、季節商品を製品のカテゴリーに結びつけよう。最もポテンシャルが高く、最も重要な製品のページを最適化し、残りのSEOの予算を使って、製品のカテゴリーを強化しよう。

人気の高い製品を売り出し、その製品に対して大きな需要があることが分かっているなら、URLに「coming soon」(発売間近)ページを加えて、独自のコンテンツを提供し、さらに、通知プログラムおよび予約注文フォームを作成してもらいたい。また、ソーシャルメディアをこのページに統合して、ユーザーが作成したコンテンツを介して、買い手候補を盛り上げる手もある。

1年ごとにリリースし、製品を入れ替えることが分かっているなら、[website.com/category-sub-category/product-name-2012/]のようにURL内に年を加えて、新しいバージョンをリリースしたら、[website.com/category-sub-category/product-name-2013/]に301リダイレクトしよう。

質問 #4: 新製品に対するSEOはどのように行えばいいのか?

良質なインフォメーションアーキテクチャ、ウェブサイトの構造、そして、内部のリンクの構造は、新しい製品のページを上位にランクインさせる上で、絶対に欠かせない。ホームページからカテゴリーのページに、そして、カテゴリーのレベルから製品のページにリンクを張ろう。こうすることで、グーグルに早くコンテンツをインデックスしてもらえるようになる。また、親のカテゴリーのページからもリンクを張るべきである。

ウェブサイトのテーマ(テンプレート)を最適化して、新製品が、必ずホームページに掲載され、見つけてもらい、インデックスしてもらえる環境を作る必要がある。優れた内部リンクの構造により、新製品のページを早い段階でインデックスし、ランク付けしてもらえる。

質問 #5: 固有のコンテンツがほとんどない、または、全くない製品ページにはどのように対応すればいいのか?

Eコマースビジネスには、製品ページのコンテンツを重要視する会社が非常に少ないと言う問題が見られる。多くの会社は、データベースから製品の情報を引き出し、その結果、コンテンツが重複する問題に直面する。

製品の写真しか掲載されていないページもある。これでは、検索エンジンは、ページの内容も、検索エンジンのユーザーに対する関連性も把握することは出来ない。

  1. 特に人気が高い製品にコンテンツを加える。 ウェブ分析ツールを使って、売り上げが多く、人気の高い製品のページを特定し、コンテンツを介して手動で更新していく。
  2. 製品のカテゴリーを強化する。 10万点の製品に対して、テキストを作成することは不可能である。そのため、製品の親のカテゴリーを強化するSEOの取り組みに焦点を絞るべきである。内部リンクの構造、ブレッドクラムを改善し、関連する製品を加えて、検索ボットにサイトの内容を伝えよう。
  3. ユーザーが作成したコンテンツを追加する。 ウェブ上のその他の重複する製品との差別化を効果的に行うことが出来る。満足したユーザーや顧客による推奨やレビューは、SEOキャンペーンを強化するだけでなく、売り上げへのコンバージョンにもプラスの影響を与える。

質問 #6: メーカー側の製品の説明をどのように表示すればいいのか?

グーグルは、重複するコンテンツを嫌う。メーカーの説明文をそのままコピーするだけでは、コンテンツの重複が起きてしまう。しかし、大規模なショッピングサイトの場合、全ての製品の説明文と仕様を書き直すことは、事実上、不可能である。

ユーザーによるコメントやレビューを加えることで、この問題を回避することが出来る。ユーザーにコメントを求め、ソーシャルネットワークを統合し、ユーザーに体験談を語ってもらうべきだ。満足している顧客は、マーケティングの取り組みを助けてくれる。

  1. 製品ページにコンテンツを加える。 ユーザーの問題を解決することを目指して、コンテンツに個性を与え、コンテンツの質とオリジナリティを高める。情報、画像、動画、または、提案をコンテンツに加えてもらいたい。
  2. コンテンツの「心理」の層を加える。 通常の製品の説明文は、面白味に欠け、専門用語を多用している傾向が見られる。しかし、気持ちや感覚が買い物に大きな影響を与えている。そこで、ストーリーを加え、製品の説明欄に息吹きを吹き込もう。

質問 #7: 製品の多様化にどのように対処すればいいのか?(色やサイズ等)

見た目はほぼ同じだが、色やサイズのバリエーションを持つ製品もある。適切に対処しなければ、コンテンツの重複と見なされてしまい、その結果、ランキングが低迷し、同じ製品のバリエーションの間で共食いが発生する可能性がある。また、誤ったキーワードで、製品が取り上げられてしまう危険もある(レッドジーンズが、キーワード「ブルージーンズ」で格付けされてしまう)。アダム・アウデッテ氏が、このニュアンスについて、レポートの中で分かりやすく説明しているので、参考にしてもらいたい。

ウェブサイトを見直すと、適切なキーワードに対してランク付けされることで、販売数が増える製品が次々に見つかるかもしれない。

質問 #8: カテゴリーページにはどのように対応すればいいのか?

ホームページの次に強力であり、人気の高いのが、カテゴリーページである。

  1. カテゴリーページを個別のホームページとして扱う。 関連性の高い製品ページを含むサイロ、または、ニッチとして対処するべきである。
  2. カテゴリーページにコンテンツを加える。 この記事で取り上げられている優れたアドバイスを参考にしてもらいたい。
  3. ディープリンクを製品ページに構築する。 ソーシャルメディアに加え、ゲスト投稿、コンテンツマーケティング、さらには、広告もプラスに働く。
  4. ソーシャルシェアをタグ付けする。 グーグルプラス、ツイッター、そして、その他のネットワークでのリンクのシェアを狙いを持って実施する。
  5. 見せる/展示する内容をコントロールする。 検索エンジンとユーザーに最高の体験を提供することを意識して、カテゴリーページをデザインする。
  6. 検索フレンドリーなURLを利用する。 検索エンジンに対して、URLの内容に関して分かりやすいヒントを与えつつ、ビジターには有益な情報を提供することが出来るため、この取り組みは、割と早い段階で成果を上げる — ただし、キーワードスタッフィングを避ける必要がある。以下に、カテゴリーページ(および製品ページ)において、特に有効なURLの構造を挙げていく:
  • カテゴリーページ: Website.com/category/
  • サブカテゴリーページ: Website.com/category/sub-category/
  • 製品ページ: website.com/category-sub-category/product-name/

質問 #9: 内部リンク構築と構造をどのように管理すればいいのか?

内部リンク構築は、SEOとランキングに良い影響を与える。しかし、結果を改善するためには、「リンク構築」を行うだけでなく、リンクのアーキテクチャが必要になる。内部リンクは、検索エンジンのスパイダーのみを考慮しているわけではない。ユーザーフレンドリーの度合いもまた重要だ。確固たるリンクアーキテクチャを作成するには、綿密な計画が必要があり、また、時間もかかる

  1. カテゴリーレベルのナビゲーションを用意する。 サブカテゴリーと製品ページの内容をユーザーが判断しやすくなる。周りとの関連性を保つことを心掛けてもらいたい。
  2. カテゴリーレベルで関連する製品にリンクを張る。 意図とニーズを考慮して、ユーザーの視点で考え、さらに、適切なキーワードに対して最適化を行ってもらいたい。
  3. 全てのページとカテゴリーページでブレッドクラムを利用する。 こうすることで、ユーザーとグーグルを、1つ上の階層へとナビゲートし、親のカテゴリーに導くことが出来るようになる。

質問 #10: ユーザーが作成したコンテンツをどのように活用すればいいのか?

製品やサービスに関する正直な意見を恐れているなら話は別だが — 積極的にユーザーが作ったコンテンツを利用するべきである。ユーザーが作ったコンテンツには、SEOのメリットが2点ある:

  • コンバージョン率と売り上げが上がる
  • 独自のコンテンツは上位にランク付けされ、「新鮮さ」をもたらす

ユーザーが作成したコンテンツは、製品ページに盛り込まれると、サイトを活性化し、良いレビューは、売り上げへのコンバージョンを高める。ユーザーは、満足したコミュニティの一員となり、顧客候補は、活気のあるアクティビティを目にすると、製品を買う意欲が高くなる。

  1. 満足したユーザーの「コミュニティ」を作る。 顧客の推薦とレビューを配信する。満足した顧客が投稿したブログの記事をシェアすることも可能だ。また、前向きなレビューを抜粋して、ビジターに信頼してもらうべきである — 信頼は最も重要であり、ソーシャルメディアは、この信頼感を効果的に示す上で役に立つ。
  2. schema.orgを利用する。schema.orgのマークアップ「レビュー」を利用すると、SERP内で個別の製品ページのリスティングの隣に星印を掲載することが出来る。これは、クリックスルー率に影響を与える。
  3. ソーシャルメディアを製品ページに統合する。 インスタグラム、フェイスブックのコメント、ピンタレストのピン、そして、グーグルの+1をサイトに統合して、ソーシャルプルーフ(社会的証明)をアピールすることが可能だ。製品を利用している満足した顧客の写真を投稿することも出来る。

新しいSEO」では、ウェブサイトのテクノロジーよりも、ビジターの気持ちを重要視しなければならない。

質問 #11: SEOをウェブデザインのプロセスに組み込むにはどうすればいいか?

ウェブデザインは、見た目をアピールするだけではない。経験が豊かであり、SEOコンサルタント、アナリスト、コンバージョン率のエキスパート等と協力したことがある、Eコマースサイトのウェブデザインのエキスパートが必要である。エキスパートとして活躍してもらうために、スペースと予算を与えなければならない。

構造をはみ出すページやURLが存在しない状態で、ウェブサイトのデザインとインフォメーションアーキテクチャが、連動するようになると、新しい製品ページを配信する度にサイト全体を強化し、検索スパイダーに早い段階でクロールしてもらえるようになる。また、快適なビジター体験を約束する優れたデザインとコンテンツは、売り上げを増やす。

  1. 計画を怠ると失敗する。 計画の早い段階で、SEOをビジネス/ウェブサイトに組み込む必要がある。サイトがローンチされた後では手遅れであり、ワイヤーフレームやデザインのプロセスに着手する前が理想的だ。良質なカテゴリー/セクションのテンプレートを作り、内部リンクを介して製品ページを宣伝する手法は、とても効果が高い。
  2. Eコマースサイト向けのSEOは、通常のSEOとは異なる。 EコマースSEOには、複数の分野のスキルを持ち、人間の心理、コンバージョン率の最適化、分析、ウェブデザイン、開発、ソーシャルメディアマーケティング、コミュニケーション、コピーライティング、経済、ユーザビリティ、そして、ユーザー体験に造詣が深いコンサルタントが欠かせない。また、最高のEコマースSEOのスペシャリストは、コマースの見解および理解が深く、小売ビジネスの仕組みを十分に精通している。
  3. Eコマースのウェブデザインは、永久に「完成」しない。 A/Bテストを継続的に実施し、最もパフォーマンスの良いバリエーションを探す取り組みが続く。適切な「ツール」も重要だが、最高のコンサルタントやエージェンシーの方が重要度は高い。「安価」なコンサルタントよりも、遥かに多くの売り上げをもたらすことが出来るなら、高価なコンサルタントは高価ではなくなる。

質問 #12: 関連する製品をサイトでどのように整理すればいいのか?

製品ページに関連するアイテムを提示すると、売り上げは増える。Product Information Management(PIM: 製品情報管理)のメタデータは、表示されている全てのアイテムが、関連し、パーソナライズされており、そして、在庫があることを裏付ける。また、ウェブデザイナーとディベロッパーには、内部リンクのアーキテクチャにも力を入れてもらいたい。

  1. 関連させる。 ビジターが、例えば、最新のiPhoneの製品ページに辿り着いたなら、コスト、品質、そして、買い手の特徴に基づき、その他の関連する製品も提案するべきである。最新のグーグルネクサスは、似ているかもしれないが、アップルの愛好家なら、絶対に購入しないはずだ。製品の提案を計測し、最適化する努力が求められる。
  2. 場所と配置。 目立つ、人目を引く場所に製品を掲載する。十分なスペースを与えるべきである。その他の製品の提案で、散らかしてもらいたくはない。また、売り上げが少なく、人気のない製品を目立つ場所に掲載するのもあまり薦められない。

質問 #13: 内部のサイト検索をどのように活用すればいいのか?

信じられないことだが、グーグル検索に対してサイトを最適化するものの、Eコマースサイトのサイト内検索に対する最適化を怠っているサイトがよく見受けられる。内部検索の役割を見過ごす、または、軽視していることが理由だ。スペルをミスした状態での検索、類義語の検索、ハイフンを使った検索、または、誤ったスペースでの検索は、適切な製品ページに導かない。思い当たる節があるなら、改善するべきである。

  1. サイト検索の追跡を有効にする。 サイトでビジターが検索しているキーワードを特定し、当該のキーワードがもたらす収益を計算することが可能なツールを利用する。
  2. 人気の高い検索をカウントする。 これは、製品の人気が高く、収益性が高いことを意味する。また、サイトを尋ねた目的の製品をビジターが見つけていないことを意味する可能性もある。
  3. Crazy Egg等のクリックを計測するツールを使う。 ホームページ、重要なカテゴリーページ、そして、製品ページでのビジターの行動を理解する。
  4. サイト検索の結果ページを「ランディングページ」扱いする。 検索結果は、適切であり、ユーザーの問題解決に貢献している必要がある。検索結果を「noindex」する処理を忘れないように注意してもらいたい。
  5. キーワードリサーチにサイト検索を盛り込む。 ビジターが探している対象を分析し、新製品のアイデアを探そう。また、改善する余地がある領域を見つけ、人気の高い製品を特定し、検索およびユーザビリティの問題点を克服する取り組みも重要である。
  6. サイト検索を試し、エラーを修正する。 発見したキーワードを内部検索に入力し、結果として表示されたページを確認する。誤りを修正すると、売り上げは大幅に増える。
  7. 内部検索を最適化する。 すべての内部検索が、適切な製品を導くことを確認する。そのためには、eコマース内のメタデータを調整する必要がある。メタデータを介して、処理を行うことで、不正確なワードやスペルミスが多く詰まったページを作らなくて済む。

質問 #14: 製品の写真と動画を最適化するにはどうすればいいのか?

写真、画像、そして、動画の質は、製品に対する感情に影響を与える。製品のメリットを顧客候補に感じてもらう取り組みの価値を絶対に軽視するべきではない。

面白い写真は、ピンタレストを含むソーシャルネットワークでシェアされる。写真にタグを付け、コメントを投稿してもらうと、コンテンツをユニークにする効果がある。口コミが広がると、ブランドは力強く成長していく。また、イメージを最適化すると、グーグルの画像検索からトラフィックを引き出すことも可能になる。

  1. 質の高い写真を使う。 ムードを作る写真を使って、顧客候補に何かしらの感情を持ってもらう。このような写真は、売り上げを増やす効果がある。コストは高いものの、人気の高い製品においては、意義のある投資になる。動画はさらに効き目がある。
  2. 画像を最適化する。。ファイル名、altテキスト、キャプション等は、簡潔であり、それでいて、分かりやすい名称を用意する必要がある。イメージの内容の手掛かりをグーグルに与えることが出来るためだ。
  3. オプションをA/Bテストで検証する。 ある写真と別の写真を試し、どちらがコンバージョン率が高いか確認する。

質問 #15: セール中の製品のページをアピールするにはどうすればいいのか?

セール中の製品ページのHTTPヘッダーで、正規のURLを指定する。この処理は、別のURLと重複しており、このページではなく、固有のページをランク付けするようグーグルに合図する効果がある。

質問 #16: モバイルデバイスに対して、どのようにデザインすればいいか?

EコマースSEO戦略において、モバイルは重要な鍵を握っており、決して、無視することは出来ない。MetronetとVaimo NorwayでEコマースの顧客に対して、同僚のケネス・グヴェインが行った調査では、モバイルEコマースは、通常のEコマースよりも、成長率が2-3倍高いことが分かった。生き残りたいなら、モバイル化を推進する必要がある。

すべてのURLのデスクトップ版を提供してもらいたい。一部のユーザーは、モバイルデバイスであっても、通常のウェブ版を好む。モバイル版とウェブ版を切り替えることが出来るように工夫しよう。多くのEコマースサイトに倣って、ホームページに返してしまう行為は認められない

質問 #17: セキュリティはどうすればいいのか?

当然だが、顧客は、インターネットのセキュリティに懸念を持っている。個人情報と金銭的なデータをサイトのオーナーに一任するためだ。そのため、安全であることを保証する必要がある。

ビジュアル面での手掛かりを提供しよう。セキュリティの基準に従っていることを保証するロゴとテキストを表示することが出来る。SSL、Visa、または、その他のセキュリティおよび暗号化の標準や認証の情報を提供するべきである。Eコマースサイトでの買い物が、100%安全であることを分かってもらう必要がある。こうすることで、コンバージョンは大幅に増える。

多くのショッピングサイトが、この情報をページの一番下に隠すか、あるいは、当然だと考え、わざわざ表示する必要はないと誤解している。このような過ちを犯さないでもらいたい。

ベストプラクティスと繰り返し — すべてのEコマースサイトに送る最高のアドバイス

1. 定期的にSEO分析を行う: SEOもEコマースサイトも静止しているわけではない。サイトとコードは変化する。ディベロッパーが、善かれと思って、ある問題を解決するものの、別の問題を作り出してしまうことがある。戦略的なSEOのフレームワーク(日本語)を用いて、全ての取り組みが収益および戦略の目標と一致している点を確かめてもらいたい。

2. グーグルウェブマスターツールを使う: この無料のツールは、SEOの厄介な問題を見つけ、修正する上で役に立つ。次の作業を習慣として行ってもらいたい:

  • 404エラー、ソフト 404エラー、その他の問題を探す
  • SERPでの、ウェブサイト、製品、そして、ページのパフォーマンスを計測する
  • 人気の高いキーワードやフレーズ、人気の高いページ等を把握する

グーグルウェブマスターツール、グーグルアドワーズ、そして、グーグルアナリティクスを活用して、無料で有益な情報を得るべきである。

3. 行動を起こす: データをモニタリングしているだけでは、不十分である。手を加えることが可能なアイテムを探して、改善を続けなければならない。何を探すべきか、そして、その理由を把握してもらいたい。インデックス、コンテンツの重複、グーグルによる手動のペナルティ等の問題点を特定するべきである。その後、すぐに問題の解決に向けて、行動を起こそう。

4. SEOツールに資金を投じる: Moz、Search Metrics、Raven SEO Tools、Deep Crawl等のツールは、問題を特定する上で効果的であり、修正に関する提案を受けることが出来る。行動を起こすことが可能なレポートシステムを策定し、問題を解決するためのルーティンを確立するべきである。すべてのツールが独自の利点を持っている。コンサルタントとして、EコマースSEOを行う際は、幾つかのツールを組み合わせて利用することを薦める。

5. 手動の(サンプル)テストを行う: Screaming Frog SEO Spiderを使って、Eコマースサイトのページとセクションが持つ問題を特定する。特に重要な製品の分野を選び、特定のカテゴリーとサブカテゴリーで分析を行おう。時折、すぐに修正することが可能な、CMSが原因のサイト全体に広がる問題を見つけることが出来る。

6. データ分析は宝の山: あらゆる取り組みを改善することが出来る。しかし、そのためには、リソースが必要である。改善の優先順位を決めるために、分析を行ってもらいたい。ダッシュボードで作業を実施することが可能な情報を整理しよう。

7. モバイル革命を真剣に考慮する: モバイルデバイスは急速に増加している。モバイルサイトの開発の遅れは、オンラインビジネスを滅亡に導く。モバイルユーザーにどのような体験を提供しているのか、どのように改善することが出来るのか、自分自身に問い掛けてもらいたい。

1本の記事でEコマースSEOの全てを網羅するのは不可能である。今回提供したアドバイスは、多くのEコマースサイトが、売り上げと収益を大幅に増やす上で役に立っているものの、あくまでも氷山の一角である。

その他にも有益なアドバイスを持っているなら、コメント欄で提供して頂きたい。どんな意見が飛び出るのか、楽しみにしている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「17 SEO Best Practices That Could Double Your E-Commerce Sales」を翻訳した内容です。

いきなり在庫切れ製品の対応には驚きましたが汗、最近見たリスト記事の中ではトップクラスの実用度を誇る充実した記事でした。ここに書かれていることの幾つかを徹底的に実践するだけでも売上アップには確実に貢献しそうな雰囲気です。私も幾つかECサイトを運営していますし、早速できることから実践して今年のクリスマスを楽しく過ごしたいと思います! — SEO Japan [G+]

2014年はセマンティックマークアップの年になる

2013年も12月に入り、来年のトレンドを考える時期になってしまいました。SEOに関しては今年大きな動きが色々ありすぎて逆に来年の動向が読めてしまう雰囲気でハミングバード、コンテンツ、オーソリティなどが筆頭で上がりますが、それらを実践するにも欠かせないのがセマンティックの正しいマークアップ。今までやった方が良いとはいわれつつも、まだまだ実践できているサイトは少なかった状況とは思いますが、デバイスの多様化、検索の多様化でそろそろ実践が不可欠な時代に入りつつあります。そんな状況の中、ウェブサイトの構造化=セマンティック化の基本について、現状、そして今後の動向を見据えつつわかりやすくまとめてくれた記事をサーチエンジンランドから。– SEO Japan

世界中の情報を整理することを目指した、グーグルによる終わることのない取り組みの中で、今年、最も刺激的だったのは、何と言ってもコンテンツ(ナレッジグラフ経由)とクエリ(アルゴリズム「ハミングバード」経由)の「意味」を理解することが出来るようになった点である。

以前だと、グーグルは、ページ上のワードをユーザーが検索したワードとマッチさせることに依存せざるを得なかった。現在、クエリの意図を、意図に合うページの適性と一致させる革命が起ころうとしている。

Semantic Search & Knowledge Graph: Information Architecture & Website StructureこれはSEO業界に大きな影響をもたらす。この変化について、優秀なSEOのエキスパートと話し合ったところ、セマンティックSEOを新たな視点で評価し、焦点を絞る取り組みが、何度も話題に上がった。

賢明なマーケッター達は、2012年と2013年の戦略において、構造化データマークアップが重要な鍵を握ると考えていた。構造化データのマークアップのトレンド、そして、このトレンドを推す動きは大幅に高まり — 調査の参加者の3人に2人が、構造化データマークアップを2014年にさらに実装する、もしくは、最優先課題に格上げすると答えていたほどだ(2013年9月に行われたClarity Global SEOカンファレンスにて)。

しかし、企業が、セマンティックマークアップの実装または拡大に時間と労力を投じるべきかどうか考えるようになると、次の疑問が浮かび、なかなか前に進めないケースが多い。

セマンティックSEOによってランキングは改善されるのか?

これは誤った疑問であり、マーケッターとしてSEOにアプローチする考え方としても誤っている。

1位になるよりも、2位につける方が、トラフィックは2倍多いと言ったら、1位になることに固執するだろうか?

マーケッターとしての私の最終的な目標は、ランキングで1位に輝くことではない。トラフィック、コンバージョン、そして、収益を最大限まで高めることである(ビジネスに対する「成功」の定義は会社によって異なる)。

この点は意外と忘れられることが多い。なぜなら、過去の検索エンジンの限界によって、ランキングをトラフィック/収益/コンバージョンを同意語として考えるようになっているためだ。これは正しい考え方ではなく、以前から誤っていた — そして、優秀なマーケッターはこの誤りに既に気づいている。

それでは、2014年の計画に留意して、構造化データについて考える際に、考慮してもらいたい3点の疑問を挙げていく:

1. 構造化マークアップは、ユーザー体験とブランドとの交流を改善するのか?

答えは、確実に「YES」である。構造化データによるマークアップは、ビジターには見えないものの、マークアップがSERPに提供するリッチスニペットは、ユーザーに魅力的な体験をもたらす効果がある。

次の2つのリスティングを比較してもらいたい:

regular SERP listing

vs

SERP with structured data

下の結果では、より優れたユーザー体験を提供するために、マークアップが用いられている。クリックする必要もなければ、長い文章を読む必要もなく画像、評価、そして、レビューを一目で見ることが出来る点は、ユーザーにとって大きなメリットである。SERPでのランキングに関わらず、このリッチなリスティングが、上位のランキング競争において、どれだけ目立つか考えてもらいたい。

2. 検索エンジンが今後検索と検索結果を処理する方法と一致しているか?

ここでは推測する必要があるが、答えはYESである。

検索結果の過去の形式 — 関連性の高い順番にサイトを並べていくリスト — は、根本的に欠陥がある。これは、10年間に渡って、検索エンジンが解決を試みてきた課題である。グーグルは、キーワードとの一致を基にしたリストから、様々な意見と感情、新鮮さ、パーソナライゼーション、地域、そして、その他の要因を考慮したリストへと切り換える取り組みを大幅に進歩させている。

セマンティック検索は、クエリの裏側にある意味に応じて、間接的なクエリと直接的なクエリの双方に対応するための取り組みである — つまり、クリックと検索の数を減らし、また、多くのケースでは、クリックを必要としない状態で、ユーザーを質問から答えに導くための挑戦である。

グーグルのナレッジグラフ、インスタトアンサー、そして、グーグルナウから検索愛家の未来を垣間見ることが出来る。このようなテクノロジーを用いることで、間接的なクエリ(行動や環境に応じるクエリ)、そして、直接的なクエリ(入力、または、音声による検索)に応じて、関連する情報を提供することが可能になる。検索エンジンは、リンクのリストではなく、適切な答えを提供する。構造化マークアップの利用によって、検索エンジンは、コンテンツが、現在、そして、今後進化する中で、クエリに対するソリューションをどのように提供しているのか、より正確に理解することが出来るようになる。

3. 収益の改善にプラスに働くのか?

この質問に対しては、「ケースバイケース」と答えておこう。ビジターのコンバージョンに対して適切な取り組みを行い、上位にランクインしているなら(つまり、1ページ目から2ページ目のランキングを確保するための基盤を確立しているなら)、構造化マークアップは、クリックスルー率 — 検索結果ページからのクリックのシェア — を改善する上で確実に有効に働くはずだ。

リッチスニペット(構造化データのマークアップで動く)は、SERPでのクリックスルー率に大きな影響をもたらす。ちなみに、私がSMX Advancedカンファレンスで発表した、グーグル+のオーサーシップのテストでは、作者のマークアップを用いたブログの記事が、マークアップを利用しないブログの記事に比べて、クリック数が2倍以上多かった。

no author markup SERP

2x Lift in Traffic with Authorship Markup!

オーサーシップのマークアップを利用しないページよりもトラフィックは2倍多かった

SEOの基本を押さえる

サイトで技術的な問題、または、コンテンツの問題(ページタイトルが欠けている、リンク切れ、コンテンツの重複)を抱えているなら、まずはこの問題を解決することに力を入れるべきである。検索体験を効果的に変える取り組みに参加する前に、まずはサイトを正常な状態に整理しなければならない。

今すぐに行動を起こしてもらいたい。既存のデジタルなアセット — 動画、レビュー、製品、イベント、地域の店舗の情報 — は、ウェブマスターの代わりに一生懸命働いてくれる。そのためには、検索エンジンに理解してもらえるように、少し手を貸す必要がある。競争に負けたくないなら、2014年のSEO計画には、絶対にセマンティックマークアップを盛り込むべきである。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Roadmap: Adopting Semantic Markup」を翻訳した内容です。

何故、セマンティック化を行うべきか?という疑問にその効果から答えてくれた記事でした。さらに学びたい方にはこちらのセマンティックの全体を描いた記事、セマンティック実際のマークアップ方法についてはschema対応、マニアックなあなたにはGoogleとセマンティックの関係等の記事が追加でおススメです。 — SEO Japan [G+]

Bingの売却を検討するマイクロソフトの次期CEO候補

マイクロソフトCEOであるスティーブ・バルマーが引退が引退をこの夏発表してから、その後継者争いが米国では大きな話題となっていました。最近になって、ようやく何人かの最終候補に絞り込まれ、その結果次第でBingの将来にも影響があるかもしれない?ということで、米国の検索シェアを追っている人には特に気になるマイクロソフトの後継者レースに関する微妙に気になる記事を。ダニー・サリバンのコメント付き。 — SEO Japan

Bing logoマイクロソフトの次期CEOを巡る争いが激化している。今週の始めにお伝えしたように、現在、フォードでCEOを務めるアラン・ムラーリー氏、そして、元ノキアのCEO、スティーブン・エロップ氏(デバイス部門の責任者として、マイクロソフトに復帰)を含む数名が、最終選考に駒を進めている。その中で、エロップ氏は、次期CEOレース争いを有利に進める可能性を秘めた大胆なアイデアを持っているようだ。しかし、反対派によって、不適格と見なされる危うさも持ち合わせている。

ビジネスウィーク誌によると、マイクロソフトのCEOとして「エロップ氏は、恐らく、「オフィス製品」を使って、PCおよびモバイルデバイスにおいて、同社を代表する製品であるウィンドウズ OSの需要を高める戦略から距離を置こうとしている」ようだ。それよりも、エロップ氏は、ノキアの地図プラットフォーム「Here」で試みたように、様々なデバイスやプラットフォーム間で「オフィス」の売り上げと利用者を最大限に増やす取り組みを行う可能性がある。

また、ビジネスウィークは、匿名の情報源の話として、エロップ氏が、ビジネスの焦点を絞るため、メジャーな事業を閉鎖、または、売却することを覚悟していると伝えている。その結果、「検索エンジンのビングを用いたグーグルとの覇権争いは、コストが高いため、打ち切り、また、Xbox等の好調なビジネスも売却する」ことになると見られている。

多くの金融のアナリストも、Xboxがマイクロソフトの他のビジネスから切り離されると推測している。また、一部の専門家は、検索の取り組みに関して、ビングが、グーグルからマーケットシェアを奪えないことは明白であり、投資を続けるのは、コストがかかり過ぎると考えている。

どうやら、マイクロソフトの創設者の一人、ポール・アレン氏もまたXboxとビングを断念するべきだと考えているようだ。広報を通じて、アレン氏は、より多くの利益が期待できるビジネスに焦点を絞る上で、ビングとXboxが邪魔になっていると示唆したことがある。

このような考えが、その他のCEO候補にどの程度浸透しているのかは不明である。しかし、金融アナリストや機関投資家からのプレッシャーを受け続ければ、エロップ氏がCEOに任命されるかどうかに関わらず、同じような決断が下される可能性はある。

エロップ氏が、次期CEOに選ばれ、ビングの売却を真剣に考えると仮定する。その場合、どこの会社に、幾らで売ろうと試みるだろうか?また、ヤフー!との契約は、どうなるのだろうか?売却により、ヤフー!との契約は自動的に破棄されるのだろうか?それとも、ヤフー!は、ビングの買い手と引き続き提携関係を維持するのだろうか?

マイクロソフトは、実際にフェイスブックにビングを売却しようと試みたものの、フェイスブックが断ったと言われている。しかし、これは、グラフ検索が導入される前の話である。フェイスブックは、現在、ビングの売却として、最も可能性が高く、オファーがあれば、もっと真剣に検討するだろう。また、フェイスブックが、数十億ドル規模になると見込まれる買収を行う上で、必要な資金を持っている点も注目に値する。

マリッサ・メイヤー率いるヤフー!は、買い手の資格を持っているだろうか?非常に高い買い物になるが — マイクロソフトから検索を買い戻すことが出来れば、大きな勝利だと言えるだろう。ヤフー!が持つアリババの株は、200億ドル以上の価値を持つ。この株を換金すれば、ヤフー!がビングを買うことは不可能ではなくなる。

その他にも買い手はいるだろうか?ヨーロッパの企業、アジアの企業はどうだろうか? ビングにとって、最高の会社、そして、最高に合う場所はどこだろうか?コメント欄で、是非、意見を聞かせてもらいたい。

ダニー・サリバンのコメント: マイクロソフトが、あっさりとビングを放棄することが出来ると考えているなら、現実を見てもらいたい。マイクロソフトにとって、検索は欠かすことの出来ないサービスである。検索は、ウィンドウズフォン、ウィンドウズ OSのプラットフォームに深く統合されている。つまり、マイクロソフトのあらゆる製品に検索が用いられており、その検索を動かしているのは、ビングなのだ。

マイクロソフトが降参し、タオルをリングに投げ入れるとしたら、どのような選択肢がマイクロソフトには与えられるのだろうか?グーグルと手を結ぶことは出来ない。 マイクロソフトが、(アップルのように)敵を受け入れたと仮定しても、連邦取引委員会(FTC)が、ヤフー!とグーグルの提携に待ったをかけた点を考慮すると、同じような規制の問題が、マイクロソフトがグーグルにビングを譲渡する際にも発生するだろう。

マイクロソフトは、グーグル + ヤフー!の提携を遅らせるためにFTCに協力した。しかし、今度は、グーグルとの提携を推し進めるマイクロソフトに対して、FTCが牙をむく構図が生まれる。

グーグルがダメなら、ビングの買い手が現れ、新たなオーナーと提携を組み、ライセンス契約を結ぶしか選択肢はなくなる。この方が可能性は高い。私もグレッグと同じように、フェイスブックが候補に挙がると思う。しかし、ヤフー!の方が魅力は上である。マイクロソフトと同じように検索の名残があり、検索を熟知するマリッサ・メイヤーCEOが率いているためだ。

格安の価格なら、メイヤーCEOは、マイクロソフトからビングを買う可能性はある。もう一つの可能性としては、アップルが、グーグルとの完全な決別を望み、マイクロソフトが運営するビングよりも、ヤフー!が運営するビングに魅力を感じるケースである。

マイクロソフトが、この検索エンジンに用いたコストの内訳を明らかにしていない点を考慮すると(その多くは、過剰なマーケティングに費やされている可能性がある)、ビングの売却が経済的な面で難航すると言わざるを得ない。しかし、ここで思い出してもらいたい点が一つある。ヤフー!の投資家は、「検索をアウトソースして、節約」する取り組みを既に行ったものの、収益が増えるわけではなく、ただ検索のシェアを失っただけであった。

ビングを放棄するだけで、突然、収益が増えるとは考えにくい。しかも、マイクロソフトが抱える、最も革新的な製品の一つを諦めることになる。しかし、ソフトウェアの販売への投資を増やし、ハードウェアの販売に対する新しい方針が、マイクロソフトに明るい未来をもたらすと考えているなら、ビングを手放す決断は、理に叶っているのかもしれない。

グレッグ・スターリングによるコメント: マイクロソフトは、「ビングを放棄」することは出来ないと私も思う。また、ダニー・サリバンが説明してくれたように、検索を必要としているはずである。売却の反対派は、マイクロソフトが、戦略として、検索を製品へ統合している点を挙げるだろう。

しかし、売却先から、マイクロソフトに有利な条件でライセンス契約を結び、ビングを戻すことも不可能ではない。また、ダニー・サリバンも指摘していたように、売却相手として、最もフィットするのはヤフー!だと思う(役割が逆転する)。また、アップルも魅力的な候補であるが、最終的に、検索エンジンを自分で管理するよりも、提携を結ぶ方針をマイクロソフトは望むだろう。

ビングが売りに出される場合、バイドゥやアリババ等のアジアの企業も候補になる可能性がある。また、可能性はゼロに近いものの、ロシアの検索エンジン、ヤンデックスも控えている。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Potential Microsoft CEO Elop Would Consider Selling Bing」を翻訳した内容です。

後継者レースに関してはまだまだ様々な可能性があるようですが、サリバンのコメント読むに誰がなっても簡単には売られないだろう、という話でした。デバイスの多様化、OSの多様化、コンピュータの利用シーンの多様化、、、検索サービスの重要性はユーザーにとってもプラットフォーマーにとっても増していると思いますし、私自身も簡単には巨額の投資を続けてここまでどうにか育て上げた検索サービスを簡単には手放さない気もするのですが。そんなことを考えてしまうのは常人の思考レベルであって、次期マイクロソフトCEOの頭にはもっと壮大で先見性のある考えがあるのかもしれませんが。Bingがマイクロソフトに残るにしろ他社に売却されるにしろ、Googleの圧倒的シェアは脅かすような存在に育ってくれるとそれはそれで検索マニアの傍観者としても、検索マーケティングに関わる実務者としてもよりエキサイティングな話ではありますし、良い形で継続・進化していってくれることを願うばかりです。 — SEO Japan [G+]

2014年版 SEOの計画書 – ハミングバード、コンテンツ、オーソリティに注目

気づいてみれば2013年も後わずか、そろそろ来年のSEO戦略について考える季節がやってきました。ということで、サーチエンジンランドが来年SEOに取り組んでいく上で重要視すべきポイントをわかりやすくまとめてくれた記事を。2013年の振り返り記事としても使えそうな内容です。 — SEO Japan

もう11月である。つまり、来年のSEO計画を練る時期がやってきた。グーグルのハミングバードのおかげで、インターネットマーケッターとSEOのエキスパートは、コンテンツとオーソリティに力を入れるようになり、また、この新しいアルゴリズムが、キーワードの関連性とリンク構築に与える影響について真剣に考えるようになった。

同時に、SEOの関係者は、ビングに対する有効な戦略を見出すことが出来ずに苦労しているようだ。今年は、SEO計画書を2度に渡って提供する。本日は、ハミングバードとコンテンツ戦略について、来月は、ソーシャル、ローカル、モバイル、インターナショナル、そして、その他の検索のバーティカルを取り上げていく。

それでは、早速始めよう。

アルゴリズム

グーグル自体、そして、大勢の優秀なリサーチャーのおかげで、グーグルの検索アルゴリズムについて、多くの情報を知ることが出来る。しかし、グーグルは、検索マーケッターに知ってほしい情報だけ明かし、後は、秘密にしている。現実として、クエリを投稿し、検索結果が表示されるまでのあらゆる出来事に関して、表面上のことしか分かっていない。

input query

3つの情報源

1. グーグル経由の情報

グーグルは、ウェブマスターの役に立ちたいと本気で望んでいる。実際に、効果的なSEOを行うために欠かせない、多くの率直で、有益な情報を提供している。グーグルのビジョンは、良質なマーケティングの取り組みと一致しているため、グーグルのアドバイスに耳を傾ける価値はあると言えるだろう。また、かつて、グーグルは、ベストプラクティスを推奨した結果、悪意のある最適化の手法によって打ち負かされた過去を持つ。そのため、グーグルは、スパムするサイト、ランキングの信頼性を悪用するサイト、質の低いコンテンツを配信するサイト、もしくは、グーグルの利用規約を違反するサイトを特定し、ペナルティーを課す取り組みを改善してきた。この点からも、やはりグーグルの意見には、注目する価値があると言えるだろう。

その一方で、– とどめの一撃になるかもしれないが — グーグルの広報が、アルゴリズムに関する情報を明らかにする、あるいは、ベストプラクティスに対する提案を行う際は、必ず意図があると推測するべきである。

グーグルは、特定のタイプの検索結果を提供し、それ以外のタイプの結果を阻止することを目指したビジョンを広めようとしている。出来るだけ質の高い結果を提供するためにアルゴリズムを作る取り組みも重要だが、グーグルは、独自のプロパガンダを用いて、グーグルが求めるタイプのコンテンツ(トピック、記事の質、そして、クローラビリティ)を作るよう企業に促している。

グーグルの広報は、海千山千であり、明かす情報と明かすべきではない情報の判断を巧に下すことが出来る。個人的なアイデアと意見を持って会議室に入り、合意したメッセージのみを持ち帰る能力を持っているのだ。

2. 観察

検索エンジンのランキングの改善に関する情報の多くは、経験と観察から得ている。だからこそ、SEOを、科学と芸術で構成される技術だと私は考えている。SEOに携わる者として、私達はお互いの有益な体験と不利益な体験に依存し、トレンドを見つけ、その影響を理解している。例えば、リンクやソーシャルメディアでの言及を獲得しやすいコンテンツのタイプを理解するには、積極的な実験よりも、個人の体験、そして、共有する経験が重要になる。

今までは、グーグルの自然検索アルゴリズムを打ち負かすために観察が行われることが多かった。その結果、リンクホイール、コンテンツネットワーク、そして、コンテンツのスピニング等の手法が編み出された。今後の観察の焦点は、トリックではなく、ベストプラクティスに注がれるだろう。B2BやB2Cのサイトにはどのタイプのコンテンツが有効なのか、「上位のランキングに相応しい」製品ページを作るにはどうすればいいのか、あるいは、SEOにマイナスの影響を与えずにビジターを追跡するにはどうすればいいのか等の質問に対する答えが求められている。

3. 相互関係

相関関係テストは、有益な情報をもたらす。リサーチャーは、検索に関するグーグルのメッセージ、そして、数値化できるものなら手当たり次第、SEOの観測結果を調査する。HTML、ソーシャルメディアサイト、コンテンツのパターン等を調査し、特定し、計測可能な要素を見つけようと試みる。

あらゆる潜在的なシグナルを整理し、多数のデータポイントの計測データをまとめ、ランキングの結果やサイトのトラフィックと比較し、最後に、成果を発表する。相関関係が原因を保証するわけではないが、相関関係テストがもたらす見解が、評判が高く、有益である理由は明白だ。

ハミングバード

それでは、グーグルの最新のアルゴリズム、ハミングバードに注目する。ハミングバードは、検索結果の90%に影響を与える。グーグルは、ユーザーに伝える1ヶ月前から、これまでのアルゴリズムをハミングバードに取り換えていたが、そのことに誰一人として気づかなかった。

SEOの関係者が気づかなかった理由の一つとして、大きな変化が起きていたのは、ロングテールのクエリであった点が挙げられる。ロングテールは、検索クエリの大きな部分を占めるものの、クエリが入力される頻度は少ない。検索量が少なく、また、グーグルはリファラーデータを(not provided)として提供していないため、マイナーな結果が目立たないのは致し方ないと言えるだろう。

これは、クエリ内の個別のワードを文書にマッチさせるよりも、フレーズの意味をコンセプトにマッチさせるグーグルの方針と一致している。

しかし、ハミングバードに気づかなった本当の理由は、全く新しいアルゴリズムではあるものの、基本的に過去のアルゴリズムと同じだったからではないだろうか。グーグルの検索アルゴリズムに触れる際は、基本的に数式のセットに言及していることになる。毎年、グーグルは、数百点の変更をアルゴリズムに対して加えている。数年間でどれだけ多くの変更が行われるのか想像してもらいたい。過去のセクションを書き直すものもあれば、完全に新しいセクションを加えるものもある。変更が構築されていくと、アルゴリズム全体は、より複雑になり、最適ではなくなっていく。

そのため、グーグルがすべてのピースの再編成を行い、最適化を行い、今後の改善のための道を確保することは理に叶っていると言えるだろう。メンテナンス、または、春の大掃除のようなものだ。これは、個人的な憶測だが、特にグーグルが積極的にテストを行った上で、アルゴリズムのアップデートを実施している点を考慮すると、過大な解釈ではないと思う。

また、アルゴリズムに対する、今後のアップデートの追加およびテストを行いやすくする特徴をハミングバードは持つ。いかなる環境においても、あまりにも多くの変更点を試すと、混乱を起こし、結果を評価することが出来なくなってしまう。グーグルは、望む改善点をリストにまとめているはずであり、ハミングバードはこのリストを意識して、構築されたのではないだろうか。ハミングバードによって、グーグルは、今後の変更をより早く、そして、より多く実施することが出来るようになると推測される。

そのため、ハミングバードは、確かにコンテキストを特定する力に幾つかアップデートを加えているものの、基本的には、再編成、最適化、そして、今後の改善への下準備だと私は考えている。

現在の検索エンジンのアルゴリズムを活用するには

SEOの関係者は、コンテンツとオーソリティに対して関心を持っている。

コンテンツ

コンテンツに関しては、コンセプトを利用し、各コンセプトを目立たせ、そして、4つの領域のコンテンツ戦略を採用することが、鍵になるだろう。

コンセプトの利用

現在のコンテンツを確認し、ユーザーが考え、検索を行う構造にマッチするフレーズを利用しているかどうかを確かめると手っ取り早い。例えば、Centurylink – Quick Bill Payの代わりに、Pay Your Centurylink Bill Onlineを利用する方が良い(実際には、Centurylinkは、Pay Your Bill Onlineのヘルプページを持っているが、言いたいことは分かってもらえるはずだ)。

多くのサイト、特に企業のウェブサイトは、フレーズではなく、タイトルとヘッドラインのキーワードを強調する近道を採用している。総合的なタイトルを試して、トラフィックが増加するかどうかをチェックしている。しかし、ウェブサイトの間で人気が高い、フレーズを省略するこの取り組みは、検索エンジンが、自然な言語をより正確に理解することが出来るようになるにつれ、マイナスの影響を与えるようになるかもしれない。

すべてのピースを目立たせる

あらゆるコンセプトにおいて、コンテンツの全てのピースに力を入れるべきである。キーワードやキーフレーズに対する支柱となるページを作成し、このページに最適化したアンカーテキストを用いてリンクを張るコンテンツを投稿していく手法が、コンテンツ戦略としてSEOの関係者の中で浸透している。確かに効果的ではあるが、サポートするコンテンツの全てのページが、独自のコンセプトに焦点を絞っている点を確認する必要がある。

同じトピックを5つの異なる形式で書き、支柱の記事にリンクを張り、このページを上位にランク付けさせようとしているなら、最も適切な文書を特定する検索エンジンの取り組みを難しくしている可能性がある。

プロジェクト管理を例にとって考えてみる。プロジェクト管理のベストプラクティスに対する支柱ページを作成したとする。サポートするページで重複を完全に避けることは不可能かもしれないが、それでも明確に分離し、各ページが独り立ちすることが出来るように工夫する必要がある。アジャイルプロジェクト管理の基礎ウォーターフォールプロジェクト管理の基礎等の記事を盛り込むことも可能だ。

ただし、プロジェクト管理のベストプラクティスプロジェクト管理の基本プロジェクト管理の基礎等の記事でサポートするべきではない。なぜなら、全て基本的に同じだからだ。今までは、それぞれのページが異なるキーワードをターゲットにしていたとしても、現在、グーグルは、事実上、同じである点を理解している、あるいは、理解しつつあると言えるだろう。

検索エンジンは、ワードとフレーズから距離を置き、コンセプトを重要視しつつあるため、同じトピックを異なるキーワードを使って何度も取り上げる取り組みの効果は、低下の一途をたどる。事実、優れたユーザー体験とは言えないため、このタイプの戦略が、今後のパンダの標的にされるかどうか、よく考える必要があるだろう。

4つの領域のコンテンツ戦略を利用する

自然の検索トラフィックを、良質なコンテンツと人気によって得られる二次的なメリットだと考えると、4つの領域のコンテンツ戦略 — それぞれが独自の目的を持つ — の仕組みを容易に理解することが出来るはずだ:

SEO Content Plan

SEO コンテンツ計画

左上: 製品またはサービスの販売 右上: カスタマーサポート 中央: コンテンツ計画 左下: 会社の情報 右下: 教育、情報、リソース

万能型のコンテンツ戦略が理想的だが、ビジネスによっては、5つ目、または、6つ目のコンテンツの領域が有効に働く場合もある。

多くのウェブビジネスは、3つの領域で健闘しているものの、教育、情報、リソースに欠けるサイトがあまりにも多い。この4つの領域は、キーワードをターゲットに選び、オーソリティを獲得しつつ、同時に知名度と信頼度を高めることが出来る領域である。適切に実施すれば、SEOおよびマーケティングファンネルの一番上の層に力を与える。

オーソリティ

リンクは、SEOにおいて、今も尚最高のオーソリティのシグナルとして君臨している。過去3年間、検索エンジンとSEOのエキスパートは、ソーシャルメディアのオーソリティのシグナルを繰り返し強調してきた。ソーシャルは確かに重要であり、検索エンジンはソーシャルシグナルを重要視する方向に向かっているものの、約束を果たしているとは言い難い状況である。グーグルの広報は、かつての意気込みと比べると、トーンダウンしていると言わざるを得ない。どうやら、グーグルが思い描いていたほど、順調には進んでいないようだ。

私は今後も、自分の会社にとって理に叶うメジャーなサイト(フェイスブック、グーグル+、リンクトイン、ピンタレスト、ツイッター、そして、ユーチューブ)で、強固な存在感を確立する方針を薦めている。ターゲットのオーディエンスに接触することが出来るなら、小さなネットワークやサイトにも参加するべきである。しかし、ソーシャルメディアでリンク構築を代用させてもらいたくない。やはり、コンテンツの作者とパブリッシャーに接触し、自分の記事とコンテンツを言及してもらい、リンクを張ってもらえるように要請するべきだ。リンクに値するコンテンツを一定して提供しよう。

  • ソーシャルメディア => オーディエンスの構築
  • 関係の構築 & 要請 => リンク構築

ツイッターのツイートやフェイスブックのいいね!が、リンクをもたらすなどと期待するべきではない。ソーシャルメディアユーザーの大半は、コンテンツのパブリッシャーではない。業界または分野によっては、ソーシャルメディアのインフルエンサーが含まれない可能性もある。運良く、ニュースメディアが、最新の製品のリリースを取り上げる時しか、リンクを得ることが出来ないなら、オーソリティを巡る戦いで競合者に敗北を喫することになる。

グーグルは、ブランドを贔屓し、ソーシャルメディアでの言及の回数に応じて、オーソリティを与えていると言う指摘を耳にしたことがあるかもしれない。私自身、グーグルが、ブランド名の巨大なデータベースを維持し、人気が高まりつつあるブランドを特定する方法を編み出していると確信している。しかし、ブログの記事やプレスリリースを配信する度に、安定してツイートを獲得することが出来ないなら、この方法で十分なランキングオーソリティを獲得するには、ブランドが小さい、または、弱いと言わざるを得ない。私はこの取り組みを知っていて損はない取り組みに分類し、読者とリンクを獲得する作業に精を出すようにしている。

意図的なリンク構築プログラムを実施してもらいたい。

アーキテクチャ & URL

現時点では、ウェブアーキテクチャに対する推奨事項に変更はない。シンプルで、論理的なアーキテクチャ、組織図のようなアーキテクチャが理想である。巨大なエンタープライズサイト、または、メディアサイトではないなら、ホームページから4回のクリックで、全てのページにアクセスすることが可能な構造を採用してもらいたい。

URLにも同じことがいえる。特に変化は起こらないだろう。シンプルに、そして、人間のユーザーが読めるようなURLを利用するべきだ。パラメータの利用を最低限に抑える、または、削除してしまおう。利用するなら、順番において一貫性を保つように工夫してもらいたい。

カノニカル

昨年の夏、グーグルは、重複するコンテンツについて心配する必要はないと指摘していた。しかし、グーグル以外にも検索エンジンは存在することを忘れないでもらいたい。そのため、カノニカルの問題を無視するとある程度のリスクが発生する。各ページが独自のURLを持つように、または、正しいURLを示すカノニカルの指示を出すよう今後も心掛けてもらいたい。パラメータを利用するなら、グーグルおよびビングのウェブマスターツールの設定を確認し、全てのリンクでパラメータが同じ順番になるように注意する必要がある。

来月のコラムでは、各種の検索バーティカルを取り上げ、推奨事項を紹介していく。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Playbook: Google Hummingbird, Content & Authority」を翻訳した内容です。

SEO Japanの読者の方にはかなりシンプルな内容だったかと思いますが、前段のアルゴリズムの情報源についての文章は、混沌のSEOの時代に改めて道筋を失わないためにも噛みしめて読みたい内容でした。各項目の具体的内容については今後新たな記事が出てくるようですし、追って紹介していきたいと思います! — SEO Japan [G+]

セマンティック検索を無視できない10の理由

最近、エンティティ検索やセマンティック検索関連の話題を多く紹介しているSEO Japanですが、今回はセマンティック検索が今後ますます流行るであろう理由を具体的な事例もふまえて考えてみた興味深い記事をサーチエンジンランドから。いまいちセマンティック検索を理解しきれていない人にも分かりやすい内容となっています。 — SEO Japan

検索が、Vogueの9月号で特集されている。9月号は是が非でも読んでもらいたい — なんとグーグルグラスを装着するモデルが10ページに渡り掲載されているだけでなく、ヤフーのCEO、マリッサ・メイヤー氏が大々的に取り上げられ、モデル顔負けの存在感を放っているのだ。

Search Is In Vogue

Vogueの検索特集

グーグルグラス、そして、検索業界の最新のトレンドは、「ホット」である。もはやギーク特有の領域ではなくなり、オシャレで流行の最先端に位置する存在となった。

テクノロジー(そして、ファッション)は、「今後、絶対に欠かせなくなるアイテムを提供する」と言う意味では同じである。今月のVogueを検索業界で絶対に必要になるアイテムの兆しと考慮すると、次世代の検索 — つまり、セマンティック検索 — は、間もなくマーケッターにとって欠かせないツールになると推測することが出来る。

1. セマンティック検索 = アンサーエンジン

ナレッジグラフ(または、あらゆるエンティティグラフ)は、検証され、確認が取れた、内部の構造化されたデータで構成されている。そして、このデータが、アンサーエンジンの潤滑油となる。

アンサーエンジンへの進化は、自然であり、検索エンジンの長期的な目標である。なぜなら、アンサーエンジンは、結果のリストを通した検索よりも、優れたユーザー体験をもたらすためだ。また、答えは、通常のコンピュータのスクリーンではなく、代替的なデバイス(グーグルグラスや時計等)での表示に向いている。

適切な形式で、適切なタイミングに、適切な情報が提供されるようになれば、大幅に利便性が向上するはずである。これは、グーグルナウおよびグーグルナウのカード形式で提供されている — ちなみに、グーグルグラスは、この形態のデバイスの最終的な製品ではない(実際に、グラスオミックスを始めとする取り組みが行われている)。

近い将来、エンティティグラフの検索結果で「見つけてもらえる」ように、ナレッジグラフでエンティティとして存在することが必須になる。

Answer Engines

アンサーエンジン

2. セマンティック検索 = コンピュータが判読可能

セマンティックウェブ、つまり、HTMLのページに埋め込まれた構造化マークアップは、特定のトピック/テーマに関する情報を検索エンジンのクローラーが読むことが出来るようにする役目を持つ。

このマークアップをウェブサイトに盛り込んで(まずはschema.orgから着手する)、ターゲットのオーディエンスが検索エンジンに尋ねる質問の答えを提供するように心掛けてもらいたい。

3. セマンティック検索 = SERPの表示の強化 & 支援

検索エンジンは、セマンティックテクノロジーを活用して、より優れたユーザー体験を作り出す。グーグルのリッチスニペット、ビングのタイル、そして、ヤフー!のサーチモンキーの結果は、全て「表示を強化」することをモットーに掲げており、SERPをユーザーにとって魅力的にする — その結果、とりわけクリックスルー率が改善される効果が見込まれる。カルーセルおよびナレッジグラフの結果もまた、目覚ましいユーザー体験を作り出す「表示の強化」に貢献している。

デバイスごとに最適化するのが、理想的な表示のメカニズムである。このユーザーインターフェースは、A/Bテストタイプの実験をリアルタイムで実施し(グーグルは、通常、24点のテストを一度に実施している)、それぞれのGUIに対する最適なユーザー体験/レスポンスを特定することが可能である。

(最も正確であり、最も細かく、しかも)最新、そして、最高のセマンティックマークアップを利用する必要がある。こうすることで、新たなスニペット、または、強化された構造化デ-タが検索結果に反映される度に、何もしなくても後押ししてもらえるようになる。

4. セマンティック検索 = ウェブページの認証

検索エンジンは、適正な構造化データを抽出して、ページの内容が妥当である点を認証する。この認証は、ウェブページに対する信頼をさらに高める効果がある。

ページのコンテンツと構造化マークアップは、データフィードやAPIを介して提供する情報と一致させる必要がある。その結果、コンテンツの認証をさらに進めるだけでなく、さらにデータソースが増え、ウェブページ上で機械の学習/トレーニングが可能になる。

schema.orgのマークアップが、人間のユーザーに提供しているコンテンツと一致していること、そして、APIやデータフィードを介して提供している情報と一致することを確かめてもらいたい。

5. セマンティック検索 = ソーシャルメディアの採用

グーグルの検索エンジンは、セマンティック検索を通して、会社に対して、グーグルプラスへの加入を促している。

ブランドや会社に対してグーグルプラスのページを作成すると、知名度や認知度が上がり、また、グーグルプラスのページを高く評価すると、ナレッジグラフでその会社が存在することを裏付ける効果が見込める。

もはや絶対に必要ではなくなったが、rel=publisherをウェブサイトに実装し、グーグルプラスのページにリンクを張ろう(詳細はこのページで確認してもらいたい)。

You need to be defined as an Entity to be found in an Entity Graph search

エンティティグラフ検索では、エンティティとして認めてもらう必要がある。

6. セマンティック検索 = グーグル+オーサーシップ リッチスニペット

グーグル+は、オーサーシップのおかげで、個人による利用が進んでいる。

オーサーシップマークアップを使うと、認証済みのオーサーに対するビジビリティが上がるだけでなく、オリジナルのコンテンツの功績を直接作者に認めることが出来るようになる。その結果、別のサイトからコンテンツを盗用するサイトは、最終的にオーソリティが減っていく(その結果、ランキングに影響が出る可能性がある)。

パブリッシャーは、時間を割いて、オーサーシップマークアップとschema.orgのarticleマークアップを適切に実装するべきである(articleは、SERPで「in-depth article」(詳細な記事)として提示される確率を上げる)。

7. セマンティック検索 = 内部の構造化データ

内部の構造化データ(信頼されているソースによって検証され、認証されたデータ)は、推測や推奨等、様々な用途に活用される可能性がある。グーグルは、この手の「ビッグデータ」の利用を極めている。ただし、結果に対して活用する際のあらゆるデータの法則 — GIGO(ゴミを入れたら、ゴミしか出てこない)を忘れないでもらいたい。

そのため、スパム丸出しの手法を利用する行為も、グーグルに無効な情報やゴミのような情報を与える行為も認められない。こんなことをしていては、グーグルに信頼してもらえなくなる。SEOに携わる者として、どのようなマイナスな影響が押し寄せるか、よく理解しているはずである。劣悪な情報ほどひどいものはない。

8. セマンティック検索 = 検索の未来

内部の既に明らかになっている事実、そして、「コンテキスト」または「知識ベースの区分」により、コンピュータ(および検索エンジン)は、新たな情報を引き出すことが可能になる。また、有望な推論メカニズムと共に用いることで、未来の知的な「スタートレック」型コンピュータが誕生する。最低でも、既にグーグル等の検索エンジンは、「セマンティックネットワーク」またはナレッジグラフを行き来して、基本的なつながりを導いている。

このポテンシャルについてよく考えてもらいたい(SFの世界の話と思われていたこと)。そうすれば、検索の未来が見えてくるかもしれない。

9. セマンティック検索 = schema.orgのオントロジー

検索エンジンが、schema.orgのオントロジー(または、コンピュータ内のボキャブラリーやコンセプトの描写)を活用する際、このようなコンセプトは、事実上、言語には依存していないことになる。

その良い例がDARPA TIDES プログラムである。また、グーグルは、様々な言語で「リッチスニペット」をサポートしている — このページを参考にする限り、中国語、チェコ語、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、そして、トルコ語に対応しているようだ。

そのため、別の言語圏の消費者をターゲットにしているなら、リッチスニペットの対応言語を確認するべきである(ターゲットのオーディエンスなら、その国の言語で構造化マークアップを実装することが可能だ)。

10. セマンティック検索 = ユーザーの意図を理解する

検索エンジンは、セマンティック検索を使って、ユーザーの意図をより正確に理解する。これは、最も重要なポイントの一つに挙げられる。

ユーザーの居場所、検索履歴、デバイスのタイプ、日常的な習慣等は、ユーザーが質問した際に、検索エンジンがその意図を理解する上で、全て役に立つ。

「コンテキスト」が追加されると、検索エンジンは、クエリを絞り込み、抽出した情報を明確に定義し、答えに対する検索のスペースを限定し、そして、当然ながら、適切なタイミングで、適切な答えをユーザーに提供しやすくなる。

台頭著しいインターネットならではなの「物事」等の要素を加えていくと、検索エンジンにとって、どれだけ有益であるか、そして、検索の要素として、どれだけ重要なのかが見えてくるのではないだろうか?これ自体、記事のトピックになる。

Both Search & Social Entity Search Engines want to precisely define user intent and output (attractive) structured data displays

検索 & ソーシャルのエンティティ検索エンジンは、共にユーザーの意図を正確に明示し、(魅力的な)構造化データを出力することを望んでいる

ユーザーの意図をより正確に特定すると考えられているシグナルは他にも数多くある。このタイプの(または、少なくとも、さらに分かりやすい)シグナルを意識し、オーディエンスをターゲットにする際に考慮してもらいたい。

まとめ

要するに、セマンティック検索は、検索業界の一大ムーブメントとして頭角を現しており、SEOのベストプラクティスを活用したいと望むなら、絶対に理解してもらいたい。恐らく、セマンティックSEOは、SEOの関係者がこのコンセプトを活用する仕組みを描写する用語として、使われるようになるのではないだろうか。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「10 Reasons Why Search Is In Vogue: Hot Trends In Semantic Search」を翻訳した内容です。

セマンティック検索の関連記事を多く紹介してきましたが、ここまでセマンティック検索の基本を理解できる記事は初めてかもしれません。これを読めば中長期的には無視できないどころから、検索の主流となっていくことが容易に想像できるセマンティック検索、その基本概念を理解しつつ、サイトで対応できる所は少しずつ取り組んでいきたいところです。– SEO Japan [G+]

エンティティ&セマンティック検索が導く未来のSEO

今後の検索マーケティングを乗り切る上で欠かせないのがエンティティ/セマンティック検索の概念と理解。少し前に紹介したエンティティを制する者が未来のSEOを制すというセマンティック検索の専門家へのインタビュー記事の続編を今回はご紹介。もはや従来の「検索」を超える様々な場面でユーザーに最適な回答を提供する「アンサー」エンジンに進化しつつあるGoogleの本質を理解できる素晴らしい内容。 — SEO Japan

先月、私はベテランのセマンティック検索のストラテジストであるバーバラ・スターにインタビューを行った。この記事の中で、エンティティ検索に焦点を絞り、検索の未来を想像してもらいたいと読者の方々にお願いした。スター氏と私は、関連性の高い、コンピュータが認識可能な「エンティティ」を利用して、具体的で、よく絞り込まれたクエリに対する答えを提供する「アンサーエンジン」について議論を行った。

ハミングバード

10月26日、グーグルは、ハミングバードアップデートを実施し、アンサーエンジン化をさらに進めた。ダニー・サリバンは、ハミングバードアルゴリズムに関するライブブログの中で、古いアルゴリズムのパーツを維持しながらも、グーグルが、急速にセマンティックウェブのテクノロジーを採用していると指摘していた。これは、「テキストリンク」から、「答え」に進化するためのグーグルのソリューションである。このシステムは、検索用語ではなく、ユーザーの意図に焦点を絞るセマンティックテクノロジーに重点を置いているため、より正確な結果を、より早く提示することが可能になる。

グーグルのアンサーエンジンへの方針転換を振り返ってみよう。まず、ナレッジグラフを導入し、続いて、音声検索、そして、グーグルナウが登場した。全て答えを提供するための取り組みであり、時には質問を予測することも出来る。答えを提供するため、グーグルは、キーワードではなく、エンティティに頼る。

そもそも「エンティティ」って何?

エンティティとは、人物、場所、そして、物事を指す。エンティティを紹介する上で、グーグルのナレッジグラフがエンティティグラフであり、これは、セマンティック検索(あるいはエンティティ検索)を活用する最初の試みであったことを理解してもらいたい。

それでは、「エンティティ検索」とは何なのだろうか?簡単に言うと、エンティティ検索とは、検索クエリに答えるために、認証された情報源を割り当てつつ、ボットが、ユーザーの意図を正確に理解するためのメソッドである。

data_humans_machines

非構造化データ vs 構造化データ

過去20年間、インターネット、検索エンジン、そして、ウェブユーザーは、非構造化データに対処しなければならなかった。非構造化データとは、所定のデータモデルによる整理、もしくは、分類を行っていないデータのことである。このように、検索エンジンは、ウェブページ内のパターン(キーワード)を理解することは可能だったものの、ページに対して意味を与えることは出来なかった。

セマンティック検索は、各情報をエンティティとしてラベル付けして、データを分類するためのメソッドを提供する — これが、構造化データと呼ばれるものだ。 大量の非構造化データを含む小売の製品データを例にとって考えてみよう。データの構造化を進めると、小売店やメーカーは、非常に詳細で正確な製品データを検索エンジン(マシン/ボット)に見てもらい、理解してもらい、分類してもらい、そして、認証した情報の文字列として、まとめてもらえるようになる。

セマンティック検索やエンティティ検索が、改善するのは、小売製品のデータだけではない。schema.orgのschemaの種類に注目してもらいたい — このschemaは、構造化されたデータによるウェブ(固有の識別子を持つエンティティ)を作るための技術的な言語であり、機械による認識が可能になっている。機械が理解することが可能な構造化データは、曖昧ではなく、信頼性が高い — ウェブ上のその他のつながりを持つデータソースと比較して、照合を行うことも可能である。

構造化データ、 トリプル & トリプルストア

セマンティック検索は、フェイスブックのオープングラフプロトコルのようなボキャブラリ、もしくは、RDFaやマイクロデータのようなシンタックスを使って、構造化データを作成する。構造化データは、トリプルストアからのインポートおよびエクスポートが可能である。この点を詳しく説明していこう…

トリプルストアとは、トリプルの保存および回収を行うためのデータベースである。トリプルストアには、大量のトリプルを保存することが出来る。

トリプルとは何だろうか?簡潔にまとめると、Subject(主語)、Predicate(述語)、そして、Object(目的語)を含む、あらゆる文を構成する3つのパーツの組み合わせである。トリプルとは、基本的に、主語-述語-目的語で構成された、リンクで結ばれたエンティティのことである。主語は、人物/物事であり、動詞が示す行動を遂行する。述語は、主語が実行する行動である。そして、目的語 は、行動の対象となる人物/物事である。

トリプルの例を挙げる: ケラー夫人は、代数を教えている。

ケラー夫人 → 主語 → エンティティ

代数 → 目的語 → エンティティ

教えている → 述語または関係 → エンティティを結びつける

トリプルは、Uniform Resource Identifier(URI: 情報資源の場所を示す記述方式)として表現される。アンサーエンジンは、トリプルストアの大規模なデータベースにアクセスし、無数の主語、目的語、そして、述語を結び、関係を形成する。その結果、内部で認証されたデータ、そして、信頼された文書(構造化データ)を結ぶ関係を確認して、クエリに対する正確な答えが提供されるようになる

リンクから答えへ

グーグル、ビング、ヤフー!等の機械が理解することが可能なschemaタイプを使って、この論理とテクノロジーを拡大していくと、IBMのワトソンコンピュータのような、キーワードやアンカーテキストリンクを利用することなく、質問に答えることが可能な「アンサーエンジン」が生まれる。

構造化データは、ページのコンテンツの意味に関する詳細な情報を、容易に処理して、ユーザーに提示することが可能な方法で、検索エンジンに提供する力を持つ。

データの理解 vs データのインデックス

ここで、再び、「エンティティとは何か?」と言う質問に戻ろう。グーグルのナレッジグラフにおいて、エンティティとは、セマンティックデータのオブジェクトであり(schemaのタイプ)、それぞれのエンティティが固有の識別子を持つ。また、意味を表す現実の世界のトピックの属性に基づいた、特性の集合体であり、当該のトピック、そして、その他のエンティティとの関係を現すリンクでもある。

2010年7月、グーグルがメタウェブを買収した時、データベース「フリーベース」には、1200万点のエンティティが存在した。2012年6月の時点で、グーグルのナレッジグラフは、5億点のエンティティを記録し、エンティティ間の関係は35億点に達していた。その後の16ヶ月間で、大幅にボリュームはアップしているはずだ。

機械が認識することが可能な構造化データをウェブに加えることで、データを「インデックス」する能力に対して、データを「理解」する検索エンジンの能力は大幅に高まり、アンサーエンジンを介して、質問に対してより正確な答えを獲得する上で、2つの大きな進歩をもたらすようになる:

  1. ユーザーの意図を理解する上で、遥かに優れたメソッドを用いることが出来るようになる
  2. 巨大な構造化データのデータベースから、ユーザーに対して最も信頼性が高く、最も正確な答えにマッチする、認証された構造化データを引き出すことが出来るようになる。

キーワードのインデックス vs 自然な言語の理解

SEOのエキスパート、セマンティックのストラテジスト、そして、検索エンジンは、– 「ウェブサイトを支援して、非構造化データをインデックスさせる」取り組みから「機械が認証することが可能な構造化データをウェブ上で提供して、ウェブサイトを支援する」取り組みへと移ろうとしている。

エンティティの抽出

例を挙げるため、そして、少し深く掘り下げるため、以下にイメージを掲載する。このイメージから、「Place」(場所)に対するschemaのタイプの階層、そして、そのバリエーションを多少見ることが出来る — Courthouse(裁判所) vs. Embassy(大使館) vs. Apartment Complex(アパート) vs. Canal(運河)。このように、エンティティの抽出が、セマンティック検索を動かす中心的な取り組みであることが、このイメージには鮮明に表れている。そのため、エンティティこそが、検索のビジビティの未来そのものだと言っても過言ではない。オーソリティ、信頼性、ファインダビリティ等もその中に含まれる。

schema.org Place hierarchy

schema.org “Place” 階層 – Protege

セマンティックコミュニティ、学界、W3C、情報学者、グーグル、ビング、ヤフー!、企業の優れたウェブサイト、SEOのエキスパート、ウェブディベロッパー、ウェブデザイナー、インタラクティブエージェンシー等は、セマンティックテクノロジーを使ってツールを作り、セマンティックマークアップをウェブに実装して、セマンティック検索の改善に既に着手している。

セマンティックマークアップを使ってデータとコンテンツを見えるようにする

過去3年の間に口を酸っぱくして言ってきたことだが、セマンティックマークアップを使って、全てのビジネスのデータとデジタルコンテンツに検索エンジンが容易にアクセスすることが可能な環境を作るべきである。

ビジネスのデータは、リッチメディアの動画コンテンツ、製品のレビューや評価、場所や連絡先情報、専門分野の詳細、特売、製品の情報等で構成されている。繰り返すが、schema.orgのschemaのタイプをチェックしてもらいたい。

セマンティックマークアップをサイトに実装すると、ビジネスのデータを検索エンジン、ウェブアプリ、カーナビ、タブレット、モバイルデバイス、アップルの地図アプリ、Siri、イェルプの地図、リンクトオープンデータ等のマシンが読めるようになるためだ。

セマンティックマークアップは、ビジネスのデータをまるでチョコレートのように検索エンジンに提示する — 検索エンジンは、大いに気に入り、最後まで食べきる。検索エンジンは、データを隅から隅まで理解し、SERPでのユーザー体験を向上させるため、データを集める情報を心得ている。また、検索エンジンが、構造化データを使って、より関連性の高い検索結果を提供する一方で、CTRが上がるため、ウェブマスターもまたメリットを得ることが出来る。

最後に

セマンティック検索が、浸透するにつれ、セマンティックマークアップを利用することで、グーグルがナレッジグラフに対して必要とするエンティティの情報をグーグルに与えることが出来るようになり、その結果、検索エンジンは、様々なデバイスでユーザーのクエリに、より適切な答えを提供するようになる。セマンティックマークアップの採用が増加しても、キーワードに焦点を絞ることは可能だ。ただし、未来のSERPでビジビリティを確立するには、セマンティック検索を理解し、そして、受け入れて、正しく構造化データを利用する能力を高めていく必要がある。

検索エンジンは、ユーザーのクエリに対して、より正確な答えを提供するため、機械が読むことが可能なコンテンツを求めている。 ユーザーは、デスクトップ/ラップトップよりもスマートフォン/タブレットを優先し、パーソナライズドされた答えを求めている(Monetate – 2013年第一四半期 ショッピングサイト)。

そのため、SEOの関係者は、セマンティックテクノロジーおよびエンティティ検索のコンセプトを理解しなければならない。まずは、バーバラ・スターが投稿した「検索が台頭する10の理由」を参考にして、すぐに実行に移せる10点の作業に取り掛かってもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Future SEO: Understanding Entity Search」を翻訳した内容です。

部分的に理解が難しい点もありましたが、パラグラフ毎にトピックが整理されており初心者にも理解しやすい記事だったと思います。検索エンジン自体が 「ウェブサイトを支援して、非構造化データをインデックスさせる」取り組みから「機械が認証することが可能な構造化データをウェブ上で提供して、ウェブサイトを支援する」方向性に移りだしているとはいえ、ウェブサイトの構造化対応は今後必須となっていくのでしょう。進化し続ける検索エンジン、我々も頑張って勉強して最前線の検索マーケッターとして走り続けていきたいものです(大変ですが・・・)。– SEO Japan [G+]

マーケティング・ファンネルをSEOに活用する方法

ファンネルといえばガンダムを思い出す人も多そうですが、本来の意味は「じょうご(漏斗)」、集客から申し込みまでのコンバージョンプロセスを考える時に常とう手段で使われるメタファーですね。その過程で様々なチャンネルや手法が利用されるわけですが、今回はマーケティング全般に幅を拡げた上でユーザーとの関係性をファンネルに落とし込み、かつSEOに焦点を当て、その価値と活用法を探ってみようという大人な記事を。 — SEO Japan

今月のコラムでは、コンテンツマーケティング戦略について探っていく — SEOに関連しているためだ。多くの企業が、マーケティングファンネルの購入の部分に必要以上に焦点を当てているが、これは間違いである。

PPCでは現金が配置を買う

SEOを取り上げる前に、まずは、対照的なアプローチとして、PPCを見ていく。有料検索の世界では、検索エンジンのオーディエンスにアクセスする権利を借りていることになる。つまり、ブランディングが目的ではないなら、コンバージョンとROIが最も優先される。そのため、購入する意思が高いキーワードから始めるのが妥当な方針だと言えるだろう。販売目的のキーワードをシリンダーの全ての段階に展開したら、セールスファンネルを上に移動し、欲望にマッチするキーワードを狙って、入札を始めるプロセスに移る。

限界まで入札を行ったら、信頼に密接に関わる検索クエリを購入する。このPPCのキーワードの選出プロセスは、マーケティングファンネルの一番上 — 認知 — にたどり着くまで継続する。セールスファンネルから着手し、上に向かって進むのは、ファンネルの下のセクションを初めに限界まで活用しない状態では、ROIの低いキーワードに入札するしか、選択肢がなくなってしまうためである。

潤沢な予算を持っていると仮定しても、購入向け、そして、キャンペーンやランディングページを最適化するためのキーワードには、限りがあるはずだ。そのため、 いずれ、支出を減らし、また、セールスに出来るだけ大勢のユーザーを向かわせることを目指したマーケティングファンネルの高い位置でのキャンペーンに歯止めを掛けなければならなくなる。現金が配置を買うため、PPCの場合はこの戦略が功を奏する。

Marketing Funnel

様々なマーケティングファンネルやセールスファンネルが考案されており、その中には非常に複雑なものもある。

上から、認知、信頼、欲望、セールス、顧客のサポート、維持 & アップセル

SEOにおいてはオーソリティが必要

自然な検索においては、現金でビジビリティを買うことは出来ない。その代り、オーソリティと関連性が貨幣の役割を果たす。オーソリティは、リンク、そして、ソーシャルメディアでのシェアから得られる。ここで注意してもらいたい点がある — 有料検索では現金とキーワードを結びつけることが出来るものの、リンクとキーワードの間には相互的な関係はほとんど存在しない。事実、最もコンバートする自然のキーワードは、リンクの価値がもっとも低い可能性がある。

最高のPPCのキーワードに対して、ページのコンテンツをSEOするほど、容易ではない。オーソリティが欠ける状態では、コンテンツは上位にランク付けしてもらえない。

オーソリティを理解する

自然検索では、– ページとドメイン — の2つのタイプのオーソリティが存在する。ページのオーソリティは、文書に向けられたリンクの本数から得られる。オーソリティの要素を幾つか挙げていく:

  • 文書に向けられた内部リンクの本数
  • サイトのウェブの構造における、文書の配置
  • 文書に向けられた外部のリンクの本数
  • 文書にリンクを張るドメインの数
  • 文書にリンクを張るページそれぞれのオーソリティの量(外部リンクの本数で割る)

ドメインのオーソリティ、または、サイトワイドのオーソリティは、ページのオーソリティの総計である。同じように、このタイプのオーソリティにおいて重要な要素を挙げていく:

  • ウェブサイトが持つ全てのページオーソリティの合計
  • 外部からのリンクを受けているページの合計
  • ウェブサイトが新たにリンクを受け、人気が高くなっている点を証明する、新鮮さや速さ等のトレンド

ソーシャルメディアのリンクおよびブランドの言及の回数もオーソリティの構築に貢献する。コンバージョンの量、そして、メッセーンジャーの影響力が特に重要だと見られているが、インパクトに関して詳しいことは分かっていない。

要するに、オーソリティの大半は、外部から得られる。だからこそ、SEOのプロセスにおいて、リンク構築が重要視されているのだ。

リンクに値するコンテンツ vs コンバージョンの高いコンテンツ

オーソリティとリンクの価値を理解したら、リンクに値するコンテンツについて検討し、SEOの最適化戦略を立案する工程に移る。

eショッピングサイトでは、コンバージョンの高いページは、リンクに値しないと言う不都合な事実が存在する。例えば、ビリヤードの機器を販売しており、ボール、キュー、備品、そして、台が多数掲載されたカタログを持っていると仮定しよう。各製品のページをそのキーワードで上位にランクインさせることは重要だが、大量の被リンクが集まる可能性は低い。

反対に、適切に球を打つ方法等、ベーシックなhow to記事から、トーナメントに向けて、テーブルのサイズを変えていく方法等の上級者向けの情報を含む、記事、そして、参考になる資料が多数提供されたブログをウェブサイトで運営していると仮定する。面白い記事は、多数のリンク、そして、ソーシャルシェアを獲得することが出来るかもしれないが、多数の製品の販売につながる確率は低い。セールスページを上位にランクインさせたいため、ブログの記事をコンバージョンの高いキーワードに対して最適化したくはないはずだ。

次にソフトウェアのスタートアップ会社を例にとって考えてみる。毎年、大規模な製品を1点リリース、または、アップグレードして、オーソリティの高いニュースメディアのリンクを獲得している。それは良い傾向だが、その他の364日間はどんな調子だろうか?このスタートアップが、検索エンジンが見返りを与える、新たなリンクとソーシャルシェアを継続的に獲得するには、どうすればいいのだろうか?

コンバージョン率が最も高いのは製品ページであり、一方、最も多くのリンクが寄せられるのは、製品やサービスを買うかどうかは別として、ビジターが読みたい、参考にしたい記事や参考になる情報である。そして、マーケティングファンネルで、リンク構築のポテンシャルが最も高いのは、ファンネルの最上階に位置する認知レベルである。

SEOがインバウンドマーケティングになる

カタログページの最適化だけ、あるいは、優れたガイドや指南書の作成だけでは不十分であり、ウェブサイト全体のコンテンツと宣伝の双方に取り掛かる必要がある。

マーケティングファンネルの各階層に対して、次の質問に答えていってもらいたい

  • どのキーワードがフィットするか?
  • どのようなタイプのコンテンツをビジターは期待しているのか?
  • どのコンテンツをビジターに見てもらいたいのか?
  • どの検索の意図をビジターは満たしたいのか?(ナビゲーショナル、インフォメーショナル、コマーシャル、トランザクショナル、エンターテイメント)
  • マーケティングファンネルをどのように下ってもらうのか?
  • コンテンツを宣伝することは可能か?どのように宣伝するのか?

次に、各レベルに対するコンテンツ計画を、続いて、獲得および維持計画を策定していく。以下に例を挙げる:

ビジターを「認知」から「信頼」に移ってもらう

  • 参考になる情報、業界のニュース、そして、製品のニュースを通して、ビリヤードの愛好家を集める。
  • テキストの記事、動画、オンラインセミナーを提供する。
  • ホームページとソーシャルメディアのアカウントでコンテンツを宣伝する。
  • リンクの獲得を目指した価値の高いコンテンツに関して、影響力の高い友人にeメールで報告する。
  • eメール経由でブログに購読してもらう、または、限定の勉強になるコンテンツ、そして、特売情報を掲載する週刊のニュースレターに登録してもらって、名前とeメールアドレスを獲得する。
  • ファンネル全体に取り組む。

Marketing Funnel

各レベルに対するコンテンツ計画を作り、その後、SEOを行う。

リンク構築と外部への宣伝を組み合わせるのは、難しい。だからと言って、諦めてもらいたくない。また、SEOに特化したコンテンツの作成も中止してもらいたくない。マーケティングファンネルの全てのレベルで良質なコンテンツを用意し、ビジターを認知から購入に向けて、進んでもらう必要がある。この中には、記事、ガイド、ケーススタディ、ホワイトペーパー、動画、オンラインセミナー、スライドショー等が含まれる。

ドメインのオーソリティのおかげで、リンクがなくても、高いランキングを獲得することが出来る可能性がある。ドメインのオーソリティが確立されていくと、作成し、キーワードを意識して最適化したページは、上位にランクインし、さらに、トラフィックを獲得するようになるかもしれない。時間はかかるかもしれないが、その努力に値する見返りを得られることが出来る。

また、カスタマーサポートを無視するべきではない。充実したヘルプのセクションは、自然なトラフィックの源として貢献する効果が見込める。顧客に参加する機会を与えてもらいたい。投げ掛けられた質問に対する答えをブログで提供したり、コンテストに参加させたり、あるいは、褒美として、参加者限定のコンテンツを用意したりする等、手を打つべきである。そして、リンクを顧客のソーシャルメディアのアカウントで容易にリンクをシェアすることが可能な環境を作って、顧客をファンに変えるべきである。

繰り返すが、まずは良質なオンラインマーケティングプログラムを策定し、次にSEOに取り掛かる必要がある。キーワードのリサーチによって、具体的な記事やページに関するヒントを得られたら、マーケティングに真摯に取り組みつつ、いち早くこのようなコンテンツを配信していく必要がある。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How To Use The Marketing Funnel For SEO & Inbound Marketing」を翻訳した内容です。

簡潔ながら、中々に「わかった」記事だったと思います。この種のマーケティングファンネルは最近流行のインバウンドマーケティング的発想の根本に位置するものとも思いますが、その中でSEOを単なる検索エンジンでの上位表示手法として捉えるか、またはSEOをより深く理解し、その検索視点の発想を様々な局面で活かせるかどうかで、インバウンドマーケティングの成果も大きく変わってくるんだろうな、、、としみじみ感じた内容でした。 — SEO Japan [G+]

ハミングバードはリンク構築を絶滅の危機に追い込むのか?

ハミングバードに関連する多くの記事が出ている米国と比較し、日本ではリリース時はウェブメディア全般的に数多く取り上げられましたがその後はSEO的なインパクトも薄かったとあってか話題になることがありません。とはいえ、従来のキーワードを多分に意識したSEO戦術を駆使してきたウェブマーケッターであれば、その長期的な影響力は気になる所です。今回はハミングバードとリンク構築に関連した考察記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

Did Hummingbird Eat Link Building?

ハミングバードはリンク構築を葬ったのか?

パンダが質の低いコンテンツを踏み潰し、ペンギンが質の低いリンクを凍らせ、今度は、ハミングバードがリンク構築を食い散らかそうとしているのだろうか?

ハミングバードは、単なるアルゴリズムのアップデートではない。どちらかと言うと、整備を一新し、見えないところで、グーグルをより早く、そして、より賢くするための取り組みである。また、ハミングバードの導入によって、今後さらに多くの変化が導き出されることになる。

今回は、リンク構築における、ハミングバードの影響について探っていく。

オンラインマーケッターにとってハミングバードとは?

塗装ではなく、新たなエンジンが搭載されたと考えるべきである。このエンジンは、誰も気づかなかったが、30日間にわたって既に稼働しており、検索結果の90%に影響を与えている。ハミングバードは、全てのユーザーに、より早く、より適切な結果を与えることを目指している。この点に関しては、ダニー・サリバンが、分かりやすく説明(日本語)している:

グーグル曰く、ハミングバードは、既存のパーツと新しいパーツで構成された新しいエンジンであり、10年前のテクノロジーを用いて10年前の需要に応えるためではなく、現在の検索の需要に応えることを念頭に置いて、整備されている。

その他のアルゴリズムのアップデートとは異なり、ハミングバードの発表が行われた日、設立15周年に関する記事をブログに投稿したグーグルは、SEOコミュニティを非難することも、是正することも、指導することもしなかった。その代わり、以下のポイントを含む、直感的なユーザー体験の改善を介して、ユーザーの生活を向上させることに焦点を絞っていた:

  • ナレッジグラフのアップデート(比較および絞り込み)
  • 会話型の、異なるプラットフォームをまたぐ検索
  • モバイル検索体験の改善

ハミングバードは、ユーザーを何よりも重要視したアルゴリズムだと言えるだろう。

ハミングバードはSEOを永久に変えたのか?

ハミングバードは、グーグルが設立当初から進んできた方針をさらに(大きく)前進させている — つまり、ユーザーに出来るだけ早く、絶対的な最高の結果を提供する取り組みだ。

このアップデートでは、検索クエリの裏側にある意味をより深く理解し、適切な結果を提供することを目標の一つに挙げている — 例えば、家で[pizza]を検索する場合、レシピを探している可能性があるが、携帯電話で[pizza]と検索を行う際は、近場のピザ屋を急いで探していると考えられる。また、会話型検索も重要視されている — 「グーグルと交わす[会話]をもっと自然に流れるようにする必要がある」(グーグルの設立15周年を祝う記事より)。

つまり、先見の明のあるSEOのエキスパート、そして、オンラインマーケッターは、今までと同じゴールを目指せばよい。オーディエンスが探しているものを、早く、容易に手に入れられる環境を作り出す必要があるのだ。

ハミングバードはリンク構築を完全に葬ったのか?

そういうわけではない。被リンク構築は健在だ。しかし、リンク構築の定義は、変える必要がある。Distilledを設立したウィル・クリッチロー氏が言っているように、「リンク構築と言う名称は、妥当ではない」。その理由を説明していく。

品質の低いコンテンツにペナルティを与え、阻止することを目指したパンダ、そして、質の低い「リンク構築」に歯止めをかけたペンギンを思い出してもらいたい。ハミングバードは、この2つのアップデートとは、一線を画している。ダニー・サリバンが、上述した詳細な記事の中で指摘しているように、ハミングバードが検索結果の特定を行うために利用する200点のシグナルの中には、今もページランクが含まれている。しかし、リンク構築は、今までの取り組みとは姿を変えている。

今までのリンク構築は終わった。それでも、リンク構築は続いていく。

ハミングバードがリンク構築に与える影響

直接的な変化は少ないが、間接的な変化は広範に及ぶ。

SEOの当事者は、リンクを含む要素を利用して、グーグルをだまし、自分のウェブサイトが、実際よりも信頼されており、有益だと考えさせることが可能であった。しかし、ハミングバードによって、検索結果の絶対的なフォーカスが再びエンドユーザーに移り、もはやグーグルを騙すことは出来なくなった。平均レベル以下のコンテンツに対するリンク構築は、失敗する。どれだけ多くのリンクを向けさせたところで、グーグルは、直帰率の高さ、自然なソーシャルシェアの欠如を含む、その他の各種の品質のシグナルに気がつく — 恐らく、ハミングバードによって、グーグルは今まで以上のスピードで、このようなシグナルを検知しているのだろう。

SEOの取り組みは、すべてエンドユーザーに焦点を絞るべきである。リンク構築を行う上で、ユーザーに対して、真の(大きな)価値を提供することに、力を入れるべきである。そのサイトは1000本のリンクを獲得する価値はあるのか?1000サイトのリンクの候補先にメールを送りつけ、リンクを要請することで、価値は得られるのか?リンク構築を活用して、全ての段階でより多くの価値を提供するには、どうすればいいのか?

具体的なニーズ(つまりロングテール)を満たすこと、そして、長期的に信頼してもらう(詳細)ことを意図した、質の高いコンテンツについて考えてもらいたい。

ハミングバードの導入後、グーグル+の重要性は上がったのか?

グーグル+の代表者は、次のように指摘している — 「グーグル+は、グーグルのユーザー体験を改善するソーシャルネットワークの要です。」グーグル+の代表者は、ハミングバードに関する話をした際、グーグル+には触れなかったものの、状況を考慮すれば、両者の間に何かしらの関係があることが見えてくる。好きか嫌いかに関わらず、グーグル+の重要性はますます高くなるはずだ — グーグル+を軽視していたなら、考えを改めるべきである。

ハミングバードの導入後にリンク構築を変えるべきではない理由

ハミングバードの登場を理由に、リンク構築の公式を「更新」する方針は、大きな誤りである。例えば、「50%はブランド名のリンク、30%は部分的に一致するリンク、20%は完全一致のリンク」と言う公式を基にリンク構築を行ってきたと仮定する。しかし、ハミングバードが導入されたことを受け、この公式を「70%はブランド名のリンク、20%は部分的に一致するリンク、そして、10%を完全一致のリンク」のように、多少安全な公式に変えた方が無難だと考えたくなるかもしれない。

このような柔軟性にかけるリンク構築の公式は、危険な時代遅れの考え方に基づいている。そうではなく、次のような新しい「公式」を試してもらいたい:

  • 素晴らしいコンテンツを作成する
  • 業界のインフルエンサーと知り合いになる
  • 適切なオンラインのコミュニティに貢献する
  • 適切な場合、有益なコンテンツのシェアを友達に頼む
  • リンクの大半を受動的に(つまり自然に)獲得することに力を入れる

まとめ

リンク構築は、今でも重要ではあるが、万能型のお決まりの戦略は、危険である。リンク構築を全体的なマーケティング、そして、コンテンツマーケティングの計画に組み込む方針こそが、長期的に有効な唯一の戦略であり — 新たなチャンスを生み出す。

(ストックイメージ: Shutterstock.com ライセンス契約の下、編集を加えて利用)

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Did Hummingbird Eat Link Building?」を翻訳した内容です。

変えるべきなのか、変えないべきなのか、わかるようでわからない内容といいますか、1プロフェッショナルの雑感といった記事でしたね。ハミングバード襲来後も、まだまだテクニックに頼った意図的なSEOは内部しかり外部しかり通用する部分は多分にあると思いますが、中長期的にコンテンツ・イズ・キングが建前でなく本音で言い切れる世界にはなっていくのでしょう。短期的にはテクニックに頼ることも重要ですが、Google、そしてユーザーの意図を見極めた上でウェブマーケティングに取り組んでいきたいですね。 — SEO Japan [G+]

ハミングバードがB2Bのサイトに与える影響

Googleのハミングバードアルゴリズムに関する記事を多数紹介してきたSEO Japanですが、今回はB2Bサイトの視点からハミングバードの影響力を考えてみたB2Bマーケッターには気になる記事をサーチエンジンランドからご紹介。 — SEO Japan

先日デビューしたハミングバードアルゴリズム(日本語)は、B2B企業が、検索においてサイトを宣伝する手法を大きく変えることになるだろう。多くの大規模なB2B企業は、SEMよりも、従来的なマーケティングの手法に多くの資金を投資する傾向が見られる。なぜなら、B2B業界は、インターネット上の競争がさほど激しくないためだ。

数千ドルを支払って、基本的なSEOの取り組みを済ませると言う考えは、B2Bの企業にとって、今後、効果的とは言えなくなる(もともと効果的ではなかったのだが)。

前回のコラムでは、SEMを行う価値がないと考えているB2Bに対して、SEMを実施する方法を説明した。また、先日は、自然なCROシステムの構築について、コンバージョンを重要視するクライアントに向けて、コラムを投稿した。 今後は、コンテンツマーケティングとSEO戦略の歩調を合わせ、ハミングバードが注入された検索の世界で、勝負しなければならない。 

google hummingbird

B2Bサイトにとってハミングバードとは?

詳細に入る前に、まずはハミングバードがB2Bサイトに与える影響について説明する。2つの会社、工業オートメーションサービスのプロバイダと工業オートメーション機器のメーカーを例にとって説明していく。

この2つの会社では、ハミングバードが導入される前、キーワード戦略で、ともに[industrial automation](工業オートメーション)をターゲットにしていた。双方の会社に関連する、優先順位の高い、ロングテールのキーワードの多くに、このフレーズが含まれていたためだ。

[industrial automation]に対する最適化を行うことで、[industrial automation services]、[industrial automation equipment]、そして、[industrial automation consulting]等のキーワードフレーズに対して、上位にランクインする効果が見込めた。ロングテールのバリエーションに対して、上位に食い込むことに特に問題はなかった。 

しかし、ハミングバードの導入により、キーワード[industrial automation]は、どちらの会社にとっても、ターゲットにするほどの価値はなくなった。ハミングバードのアルゴリズムは、検索のユーザーの意図を基にサイトを評価し、会話の中で現れる関係に応じて、ページのランク付けを行う。

メーカーの職員が、[industrial automation](工業オートメーションについて話す際、通常は、人件費の削減、稼働時間の向上、運営管理、または、信頼性の回復等に言及している。基本的に、– 工業オートメーションの機器やサービスを提供している会社ではなく、このような目的を達成する方法に関する記事を求めていると言えるだろう。

この点に気づいていない方に知ってもらいたい点がもう一つある。これは、グーグルがハミングバードアルゴリズムを作り出した理由そのものでもある。そもそも、機器やサービスは、別々の会社が提供する完全に異なるアイテムであり、同じ用語で上位にランクインするべきではない。ショートテールの検索結果もまた多様であり、ユーザーを十分に関連するコンテンツに導くことが出来なかった。 

一方、メーカーの職員が、工業オートメーションの機器やサービスについて話をしている場合は、例の2つの会社のいずれかを取り上げている可能性が高い。B2Bサイトがメリットを得られるのは、このケースである。

グーグルは、意図を巧みに見分けることが可能になるため、[industrial automation](工業オートメーション)を取り上げるサイト、そして、サービスや機器に関連するキーワードを狙うサイトの間の競争は少なくなる。ハミングバードは、B2Bの会社が競争する上で、公平な世界を作り出したと言っても過言ではない。ホワイトハットなSEO戦略を実践してきたなら、戦略に少し調整する必要はあるものの、全体的にこの新しいアルゴリズムからメリットを得られるだろう。

キーワードのランキングを維持する

キーワード[industrial automation]に対して、今後も上位にランクインしたいと仮定する。ショートテールのキーワードを検索するビジターに対する関連性は低くなったものの、このフレーズに関するコンテンツを作成することによって、業界を引っ張るリーダーとしての地位を確立する効果は期待できる。しかし、ハミングバードの登場により、ハードルは高くなった。

ここで頼りになるのが、コンテンツマーケティングと分析である。先程も指摘した通り、工業オートメーションを話題に上げている人達は、工業オートメーションのメリットと利用について、会話を交わしている可能性が高い。再び2つの会社の例に注目しよう。過去のコンテンツ戦略は、サービスや製品に関連するコンテンツを主にに取り上げ、同時に、[industrial automation]で上位にランクインすることを狙うものであった。

今後は、[industrial automation]のトピックに関して(製品やサービスとは異なる)新しいコンテンツを作成する必要がある。このショートテールのフレーズを検索し、話題にする人達に対して、品質の高い情報を提供することに力を入れてもらいたい。まずは、アナリティクスを使って、グーグルがキーワードのデータの提供を中止する前に、ユーザーがサイトを探すために用いていたキーワードを確認しよう。また、サイトの検索の利用にも注目してほしい。

[industrial automation]を含むキーワードを探して、製品やサービス以外のユーザーの関心事を発見しよう。次に、このキーワードを使って、新しいコンテンツに対するトピックのリストを作成していく。このトピックは、ブログの記事、ソートリーダーシップ(新たな考えを示すための秘策)、ソーシャルメディアの投稿を含むあらゆるオンラインコンテンツマーケティングの形式に用いることが出来る。

キーワード戦略を多様化する

ショートテールのキーワードに狙いを絞ることに力を入れていたなら、今こそ、方針転換するべきである。タイトルタグ、ヘッダー、そして、コンテンツに調整を行い、ロングテールのキーワードをターゲットにしてもらいたい。

このようなショートテールの用語を、ユーザーに価値を提供するコンテンツに再び割り当て、ロングテールのキーワードを製品ページやサービスページに活用しよう。こうすることで、ハミングバードに準拠するだけでなく、総合的にユーザー体験を改善し、より関連性の高い検索を呼び込むことが出来るようになる。キーワードの方針を評価する上で、直帰率が良い目安になる。直帰率が下がったなら、正しい方向に進んでいると言えるだろう。

結果

このコラムで紹介した戦略とセオリーを私はしばらく実践している。過去1年間に渡って、検索のトレンドが変化するにつれ、私は自分が考える検索の未来を見据えて、戦略を調整するようになった – その未来こそがハミングバードであったのだ。

ハミングバードの告知が行われたのはつい最近であったが、実際にグーグルがこのアルゴリズムを導入したのは約1ヶ月前(日本語)であった。ハミングバードが導入されて以来、私が上述した戦略を実践に移した全てのサイトで、自然のトラフィックが平均して20%増加している。また、ショートテールのキーワードに対するランキングも改善されているが、その一方で、上位にランクインするページは、製品やサービス中心のサイトから、ソートリーダーシップやブログの記事に変わっていた。

(イメージ: Shutterstock.com – ライセンス契約の下、利用している)

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Hummingbird’s Impact On B2B Sites」を翻訳した内容です。

ハミングバードにより、Googleがより文章の意図や意味を理解できるようになったため、単純な特定のキーワードフレーズを意識したSEOやページ制作は意味がなくなった、、、というB2Bに限らない趣旨の内容でした。最終的な検索エンジンの目指す姿、そしてSEOの未来形ではあるのでしょうが、さてさてこれがどこまで現状現実的なのかは正直私もわかっていなかったりもする私でもありました。皆さんの意見はいかがでしょう? — SEO Japan [G+]