30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック

SEOの施策は数あれど、施策の効果が反映されるまではある程度の期間が必要となる場合がほとんどです。

今回の記事はFAQとQ&Aのリッチリザルトについての記事となりますが、たしかにこの施策であれば、効果が反映されるまでの期間は比較的短いと言えるでしょう。ニール・パテル氏いわく、「30分以内で結果が出る」とのことですが、果たしてその内容はいかに。

実装における注意点や、構造化データのテンプレートまで提供されており、非常に興味深い記事となっております。

私はとあるSEOの新しい施策に取り組んでいる。そして、その施策は新しいサイトであろうが、古いサイトであろうが、効果的な施策となっている。

あなたのサイトがほとんどリンクを獲得していなくても、効果が得られる施策だ。

この施策の最も優れている点は、他のあらゆるSEOの施策と異なり、結果を得るまでに数ヶ月も数年間も必要としない点だ。実質的には、30分以内でその効果を確認できるだろう。

そして、非常に興味深いデータがある。私のチームが1万サイトほど確認して、どのくらいのサイトがこの施策を行っているかを把握した。その数は、たったの17サイトである。

言い換えれば、あなたの競合サイトはまだこの施策に気がついていないということだ。

この画期的な施策について、詳しく説明したいと思う。

常に変化を繰り返すGoogleの検索結果

Googleは定期的に変更されるアルゴリズムだけでなく、新しいデザイン要素にも変更を加えている。

例えば、「近くの飲食店」と検索すれば、近くにあるレストランのリストだけでなく、それらレストランの評価もあわせて表示される。

また、特定の人物を検索すれば、Googleはその人物の画像と略歴を表示するだろう。

長い年月をかけて、Googleはユーザーに最適な体験を提供するために、検索結果を変更している。例えば、「2+2」と検索すれば、Googleは「4」という答えを検索結果に表示させる。ユーザーはWebサイトへのリンクをクリックし、訪問する必要はないのだ。

しかし、これらについては、すでにご存知の方も多いだろう。

ここ最近で追加された新しい機能。それは、FAQとアンサーカードだ。

どんなものなのか、説明しよう。「デジタルマーケティング」と検索すると、私のサイトが表示されるはずだ。しかし、私のサイトの表示方法は、他のサイトのそれとは異なった表示となっている。

上記の画像からもおわかりのとおり、Googleは私のサイトからFAQの箇所を特定し、それを検索結果に表示させているのだ。

繰り返しになるが、これを表示させるためには30分とかからない。これほどまでに早く、GoogleはFAQの箇所を特定し、検索結果に表示させてくれるのだ。

文字通り、そのすべてが30分以内に完了する。

また、質問と回答に関連するページを持っているのであれば、アンサーカードをあなたのサイトでも表示させることが可能なのだ。

どのようにして表示させるのだろうか。詳しく見ていこう。

正しいマークアップ方式を選択すること

この施策を行う前に、まずは、schemaのマークアップ方式を正しく選択する必要がある。

FAQページのschemaは、「よくある質問のページ」や「その商品についてのよくある質問が記載されている商品ページ」に使用される。こちらをマークアップすれば、検索結果に表示されるあなたのWebサイトへのリンクの下部に、折りたたみ式のメニューが表示される。

折りたたみ式のメニューをクリックすれば、回答が表示されるという仕組みだ。

また、Google AssistantでのFAQアクションにも採用される可能性もある。その結果、音声検索で何らかの答えを探しているユーザーに対し、その答えを提供できる機会を得ることになるのだ。

Q&Aのschemaは、ユーザーが複数の答えを提供し、どの答えがベストであるかを決定できるページに用いられる。

Q&Aページをマークアップすれば、検索結果にリッチカードを表示させることができ、ベストアンサーに加え、すべての回答を表示させることができる。

それぞれのschemaの正しい使用法をご理解いただけただろうか。

Googleは詳細なガイドラインを公開しており、適切・不適切な使用の両方のケースについて解説してくれている。

Googleの構造化マークアップガイドラインを参照する

GoogleはFAQページのschemaのガイドラインを公開している。

FAQページの構造化マークアップ

FAQページのschemaは、質問と回答のリストが記載されているページに限り、使用することができる。

1つの質問に対し、複数のユーザーが回答できるタイプのページは、Q&Aページのschemaを使用する。

いくつか例を挙げてみよう。

適切な使用にあたるケース

  • サイト運営者が作成し、ユーザーが他の回答を送信できない「よくある質問」のページ
  • よくある質問の一覧を掲載した製品サポートページで、ユーザーが他の回答を送信できないもの

不適切な使用にあたるケース

  • 1つの質問に対して、複数のユーザーが回答を送信できるフォーラムページ
  • 1つの質問に対して、複数のユーザーが回答を送信できる製品サポートページ
  • 1つのページに複数のユーザーが質問と回答を送信できる製品サポートページ
  • FAQページを広告目的に使用しないこと
  • 各Questionに質問のテキスト全体が含まれるようにし、各Answerに回答のテキスト全体が含まれるようにする。質問と回答のテキストの全体が表示される場合がある
  • 質問と回答のコンテンツに、猥褻または冒涜的なコンテンツ、露骨な性表現を含むコンテンツ、暴力的な描写を含むコンテンツ、危険または違法な行為を助長するコンテンツ、差別や中傷にあたるコンテンツが含まれる場合、リッチリザルトとして表示されない場合がある
  • すべてのFAQコンテンツは、参照元のページでユーザーに表示されなければならない

Q&Aページの構造化マークアップ

また、Q&Aのschemaについてのガイドラインはこちらだ。

質問と回答のフォーマットに情報があるページ(1つの質問に対し複数の回答が掲載されている)の場合、Q&Aページのマークアップが使用できる。

Q&Aページでは、ユーザーが質問に対する回答を投稿できるようにしなければならない。

特定の質問に1つの回答しか記載されておらず、ユーザーがその他の回答を投稿できないページの場合は、Q&Aページのマークアップは使用できない。その場合は、FAQページのマークアップを使用する。下記に例を挙げてみよう。

適切な使用にあたるケース

  • 1つの質問に対してユーザーが複数の回答を送信できるフォーラムページ
  • 1つの質問に対してユーザーが複数の回答を送信できる製品サポートページ

不適切な使用にあたるケース

  • サイト運営者が作成し、ユーザーが他の回答を送信できないFAQページ
  • 1つのページにユーザーが複数の質問と回答を送信できる製品サポートページ
  • 質問と回答で構成される利用ガイド
  • 質問と回答で構成されるブログ記事
  • 質問と回答で構成されるエッセイ
  • すべてのコンテンツが対象でない限り、サイトやフォーラムのすべてのページにQ&Aページマークアップを適用しない。例えば、あるフォーラムに多くの質問が投稿されている場合、そのページはマークアップの対象になる。しかし、そのフォーラムに質問以外のページもある場合、そのページはマークアップの対象にならない
  • FAQページなど、1つのページに複数の質問が含まれるページにQ&Aページマークアップを使用しない。Q&Aページマークアップは、1つの質問とその回答に焦点を当てたページに使用する
  • Q&Aページマークアップを宣伝目的で使用しない
  • 各Questionに質問のテキスト全体が含まれるようにし、各Answerに回答のテキスト全体が含まれるようにする
  • Answerマークアップは、質問に対するコメントや他の回答に対するコメントに使用するのではなく、質問に対する回答に使用する。回答でないコメントをAnswerとしてマークアップしない
  • 質問と回答のコンテンツに、猥褻または冒涜的なコンテンツ、露骨な性表現を含むコンテンツ、暴力的な描写を含むコンテンツ、危険または違法な行為を助長するコンテンツ、差別や中傷にあたるコンテンツが含まれる場合、リッチリザルトとして表示されない場合がある

あなたのコンテンツが上記のガイドラインに合致していることを確認したら、次に、schemaを実装する方法とどのタイプを使用すべきかを決定しよう。

どのようにschemaを実装すればよいのか

実装方法は2種類ある。JSON-LDMicrodataだ。

私は、どちらかのタイプを1つ選択し、Webページ全体で一貫して使用することをおすすめする。また、同一のページで2つのタイプを使用することはおすすめしない。

JSON-LDはGoogleが推奨している方法だ。JSON-LDはコンテンツのヘッダー内に実装することができ、実装による時間もそれほどかからない。

他の方法としては、Microdataがある。こちらについては、Webサイト内にコーディング要素を記載することになる。Microdataを実装するのは少し難しい。下記にそれぞれの例を記載しよう。

FAQページの実装例(JSON-LD)

FAQページの実装例(Microdata)

Q&Aの実装例(JSON-LD)

Q&Aの実装例(Microdata)

自身のWebサイトに実装する場合、躊躇(ちゅうちょ)なく、上記のテンプレートを修正して使用してほしい。

もし、適切に実装できているか不安な場合は、Googleの構造化データテストツールを使用しよう。コードスニペット、もしくは実装したページのURLを記載すれば、適切にマークアップできているかを伝えてくれる。

さらに、コード内でエラーや問題があるかどうかのフィードバックもしてくれるのだ。

また、Googleのリッチリザルトテストも試してみるべきだ。構造化データを実装した場合、検索結果でどのように表示されるかを、簡易的に見せてくれる。

30分以内に効果があることを確認する

マークアップをページに実装した後は、Google Search Consoleにログインし、マークアップしたページのURLをページ上部の検索バーに入力しよう。

そうすれば、Googleにクロールをリクエストすることができ、インデックスされる速度も早まるだろう。Search Consoleの「インデックス登録をリクエスト」をクリックすればいい。

一般的には10分以内に反映されることが多いため、実際に検索を行えば、検索結果での表示が変更されていることに気がつくだろう。

この施策を成功させるためには、特定のキーワードですでに1ページ目に表示されているページを選ぶことだ。既にポテンシャルのあるページに施すことで、良い結果を得ることができる。

schemaの実装は、People Also Askと強調スニペットにも影響するのか

この施策をすることで、People Also Askと強調スニペットにも表示されるようになるのか。現状、schemaのマークアップとPeople Also Askや強調スニペットの表示には相関が見られない。

自身のコンテンツに対してこの最適化を行うことにより、悪影響が起きることはなく、検索結果の表示が改善される可能性を得られるだろう。

Googleは、Q&A、FAQ、そしてハウツー系の検索結果の表示方法をテストし続けている。また、こうした内容が書かれているかを理解するために、構造化データを確認している。

まだ初期段階と言える今、この取り組みに参加し、Googleがあなたのページを理解する手助けをすること、また、Googleの実験に参加することは良いことだろう。

音声検索にも影響があるのか

自身の質問に対する答えをモバイルで発見しようとするユーザーは増加し続けているため、音声検索についても関心があることは理解できる。

近い将来、「検索の半数以上が音声検索によるものになる」という説もある。

音声検索において、質問に対する回答は、強調スニペットから引用される傾向が強い。

構造化データを実装し、強調スニペットに採用される機会が増えることで、結果的に、音声検索での露出が増えることにつながるだろう。
※編集部注:構造化データと強調スニペットの関係性については、定かではありません

まとめ:FAQとQ&Aページを構造化マークアップして、競合より優位に立とう

今回紹介した構造化マークアップの施策は非常にシンプルであるが、あなたのブランドの露出を高め、権威性を高めることにつながるだろう。主要な質問ページ、商品ページ、FAQページのすべてに実装するには1日あれば十分だと思う。

私は、検索結果の1ページ目に表示されているページへの実装作業を適宜行っているが、素晴らしい結果が得られている。

また、冒頭で言及したとおり、私のチームが1万サイトを確認したところ、FAQとQ&Aのschemaを実装していたサイトは、わずか17サイトのみであった。

言い換えれば、FAQとQ&Aのschemaを実装しているサイトは1%以下である。競合サイトより優位に立つためのまたとないチャンスだ。

今回ご紹介した施策について、あなたはどう考えるだろうか。実際に実装してみる気はあるだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「Advanced Hack: How to Improve Your SEO in Less Than 30 Minutes」を翻訳した内容です。

Googleがサポートする構造化データとしては比較的新しい、FAQとQ&Aのリッチリザルトの実装についての記事でした。

実装対象となるサイトはかなり限られてしまいますが、まだまだメジャーな施策ではないため、実装すれば他サイトとの差別化にはつながりそうです。

リッチリザルトが表示されることでWebサイトへの流入が減少してしまうという懸念もありますが、「ユーザー体験全体を考えるとどうなのか」という観点で、実装の有無を決定すべきでしょう。

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Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法

Googleの検索結果は日々変化を遂げており、その結果、検索結果上の情報量は増え、よりリッチになっています。

それに伴い、クリックが発生しない検索(ゼロクリックサーチ)が全体の5割を超える地域もあり、サイトへのトラフィックは減少し続けています。
しかし、検索結果がリッチになっていくのを黙って眺めていても仕方がありません。

今回はCXLより、「自身のサイトがよりクリックされやすくするための5つの施策」をご紹介します。

この憂慮すべきデジタルマーケティングのトレンドは、すべてのWebサイト運営者を脅かすだろう。

Googleからのオーガニックトラフィックは消滅しつつある。

さらに、Googleを利用した検索のうちのほとんどは、クリック数がゼロである。

ゼロクリックサーチ(クリックが発生しない検索)は、Googleの検索結果ページの迅速な回答(アンサーボックス)から発生していることが多い。

しかし、Googleは依然として最も効果的なオンライントラフィックの流入源である。世界中の1日の検索回数は35億回以上(年間では、1.2兆回にもなる)であり、Googleの存在は無視できないものである。Googleに乗らないビジネスは存在しない。

検索という行為は、ほとんどの購買行動における始まりである。

また、検索からはトラフィックを無料で獲得でき、スケーラブルかつ持続可能な唯一のソースである。もしかすると、このトレンドは受け入れがたいものかもしれないが、Googleからのトラフィックは代替不可能なものなのだ。

本題に移る。

どうすればGoogle検索を通じてトラフィックを獲得できるのだろうか。

検索スニペットをよりクリックしやすくすることは、改善のファーストアクションとしてふさわしい。

検索結果が1位であっても5位であっても、クリック率の改善は、リンクビルディングや専用の宣伝活動といった大きな投資なしに、純利益へと影響を与える取り掛かりやすい手段である。

Googleの検索結果において、クリック率を改善するためにできることを5つご紹介しよう。

1.検索スニペット内でクリッカブルなリンクを増やす

Eメールマーケティングから学んだ真実がある。

メールに含まれるリンクが多いほど、リンクのクリック数は増える。ユーザーはリンクを見た際、「リンクをクリックしなければならない」と感じるのだ。

リンクはクリックを誘うのである。簡単な話だ。

Googleの検索スニペットにも同じことが言える。

唯一の違いは、検索結果(SERPs)においては、リンクの見た目を編集できないことだ。さらに重要なことは、リンクの数を編集できないことである。

検索スニペットにおいて、クリック可能なリンクが複数表示される可能性を高めるには、2つの方法がある。

ページ内で、クリック可能な目次を作成する

検索スニペット内の「ジャンプリンク」を見たことはあるだろうか。

ジャンプリンクは、ユーザーが探している情報のある部分へと直接誘導する。例えば、以下のようなものだ。

そして、以下はジャンプリンクを生成するページ内リンクである。

Googleのジャンプリンクには、ページの一部を識別する「名前付きアンカー」が表示される仕組みとなっている。
※注:#の付与されたページ内リンク

「名前付きアンカー」を追加するためには、2つの方法がある。

手動で追加する

高速ナビゲーション用のアンカーリンクを作成する。少し手間がかかるが、ユーザビリティとSEOの両方において扱いやすくするために、アンカーとリンク名をコントロールできるのがメリットだ。

目次を自動生成するWordPressプラグインを使用する

h2タグやh3タグに基づいて、クリック可能なアンカー付き目次を記事へ自動的に追加する。プラグインの使い方については、次の記事を参照してほしい。
How to Create a Table of Content in WordPress Posts and Pages

ミニサイトリンク用に最適化する

通称、ナビゲーションクエリには一般的なサイトリンクが表示されるが、ミニサイトリンクがすべての種類の検索に対してトリガーされることがある。

その結果、SERPsにミニサイトリンクを含む検索スニペットが複数表示されるケースが存在する。

サイトリンクは、ページ上のナビゲーションに依存している(また、Googleがクエリに関連したナビゲーションリンクとみなすかどうかという基準もある)。これはKnowクエリにおけるミニサイトリンクの表示である。

ミニサイトリンクをコントロールすることはできないが、ミニサイトリンクが表示される確率を上げることはできる。Googleはページ内の以下の要素を参照して、ミニサイトリンクを生成する。

  • ページ内目次(上にて説明済み)
  • コンテンツの下にある関連コンテンツエリア
    以下は上のスクリーンショットの場合だが、ミニサイトリンクは記事の下にある「関連書籍」エリアから読み込まれている。

アンカー及び関連コンテンツエリアの両方を使用すると、Googleがミニサイトリンクを取得する可能性が高くなる。

2.検索スニペットでさらに単語を太字にする

太字はすぐにユーザーの目を引き付ける。

Googleは、検索スニペット内でキーワードと一致している単語を太字で強調し、ユーザーが最良の結果を選択できるようにしている。

検索スニペット内で太字の単語を増やすと、目立つようになり、クリック数が増える可能性がある。

ターゲットクエリを戦略的に使用する

これは簡単だ。Googleは、ユーザーが検索ボックスに入力したクエリ(またはその一部)を太字にする。

明確な解決策としては、ターゲットとなるクエリをコンテンツで(複数回)使用して、Googleがこれらの単語を検索スニペット内で太字にする機会を増やすことだ。

「キーワードの密度」ではないことに注意してほしい。この概念は長い間忘れられていたはずだが、我々の業界では執拗に登場している。

戦略的なキーワードの使用とは、ページ内の目立つ場所でターゲットとなるクエリを使用し、ページにアクセスした際にクローラーとユーザーがすぐにそのクエリを確認できるようにすることだ。

我々は依然、キーワードリサーチに関する詳細なガイドを作成した。このガイドには、ターゲットクエリを含めるべき場所がリスト化されている。

  • 見出し
  • URLスラッグ
  • ファーストパラグラフ(第一段落)
  • 小見出し

関連するキーワードと同義語を使用する

Googleは、もはや完全なキーワード一致の検索システムを採用していない。最近では、コンテキスト(文脈)から検索クエリを理解している。

具体的には、Googleは検索クエリに密接に関連する単語と類語を理解することができ、それらのワードは検索結果でしばしば強調表示される。

※ブーツ・履物・靴の関連性の高さを判断して、強調表示している

気づかないうちに対応している可能性もある。優れた執筆者の語彙は幅広いため、「クリックへの最適化」を意識せずとも、同義のフレーズや概念を含めてコンテンツを執筆している。

ただし、単語の使用をより戦略的に行うことで、より良いコピーの作成・自然検索ランキングの改善・CTRの向上など、多くの方面に寄与することができるだろう。

キーワードやキーワードに関連した語句を探しやすくするツール

Ahrefs

Ahrefsのキーワードエクスプローラーには、「All keyword ideas」と呼ばれるクールな機能がある。

この機能は、キーワードをより長いフレーズに拡張したものを提供し、コンテンツで使用すべき関連性が高い用語を一覧表示するというものだ。

「All keyword ideas」の除外フィルターを使用すると、メインキーワードを除外した結果を確認することができる。

例:hikingに関連したワードのみを見るためには、hikingという単語が含まれるキーワードを除外すれば良い

Text Optimizer

Text Optimizerは、Googleの検索スニペットのソースに直接アクセスするセマンティックリサーチツールである。そのデータを使用し、密接に関連する用語と概念のリストを生成する。

どの単語を使用するか決定するためには、自身の経験と編集上のルールから判断する必要があるが、少なくとも25単語を選択すれば、自然検索におけるランキングは向上し、検索スニペットのCTRは高くなるだろう。

Text Optimizerは、重要なフレーズを近づけて使用するのにも役立つ。任意の用語をクリックすると、選択した用語を盛り込んだ文章が生成される。

3.コンテンツを適切に構成する

構造化マークアップを使用し、リッチリザルトを最適化する

構造化マークアップとは、Webページにコードを追加し、クローラーが検索結果にとって重要な情報を理解し、抽出・表示することを助けるものである。

実際の検索スニペットに関して、Googleは構造化マークアップの種類のうち、一部をサポートしている。

最もサポートされている構造化マークアップでは、Googleが追加の検索要素にデータを追加するのに役立つ。(例えば、ブランドのナレッジグラフの要素、ビデオや画像カルーセル、レビュー、書評など)

構造化マークアップに記述された内容を検索スニペットに反映させるためには、次のタイプの書式を使用できる。

種類 使用すべき場合 機能
評価とレビュー ツールや製品のレビューがある場合 検索スニペットに、レビューした者の名前と☆の評価が表示される(実装方法による)
ロゴ 常に モバイルの検索結果では、検索リストの横にロゴが表示される
パンくずリスト 常に デスクトップでは、URLに代わるセクションを示すURLパスを作成する(モバイルはマークアップに関係なく表示される)
コース サービス等で利用可能なコースがある場合 ページタイトルの下にコースのリストを表示する
FAQ 検索クエリに関する質問と回答のリストがある場合 検索スニペットの下に折りたたみ式のFAQリストを表示する
How to 詳細なハウツーが含まれている場合 必要な時間・ツール・材料・手順を表示する
Q&A ユーザーが投稿した複数の回答を含む質問がある場合 検索スニペットの下に、ベストアンサーを含めたすべての回答のリストを表示する

多くの比較・要約グラフと表を作る

Googleは、シンプルなテーブルとチャートを好む。そして、ほとんどのケースで、それらを使用してリッチリザルトを作成する。

例えば、次のようなイメージだ。

Googleがチャート内の重要なセクションを太字で強調表示し、ユーザーに対して目立つようにしていることに注目すべきだ

上の画像のリッチリザルトは、以下のテーブルリストによって作られた結果である。

テーブルリストの前にキーワードを交えた小見出しが付いていることに注目してほしい。Googleがテーブルリストを認識するためには重要なものだ

Googleがリッチリザルトを構成する理由を増やすためには、複数のツールと戦術を表にまとめ、ページ内に掲載しておくと良い。

4.タイトルタグを調整する

タイトルタグの調整はあまりにも簡単であるため、重要ではあるが、最初に説明しなかった。

ただし、記事の見出しなどのタイトルタグが、検索順位だけでなく、検索結果のCTRに影響を与えることを認識していない者もいる。タイトルは検索スニペット上において、最も大きいクリック可能な要素である。

タイトルの表記を工夫すること(※)で、ページのタイトルが検索結果で目立てば、CTRは向上することだろう。
※数字やネガティブワードを使う、コロンやハイフンを追加するなど

5.コンテンツを常にアップデートする

Googleはフレッシュなコンテンツを非常に好む。ユーザーも同様だ。Googleが検索結果に日付を表示するのは、これが理由だ。

コンテンツを最新の状態に保つことは、検索順位の上昇やCTRの向上に良い影響を与える。

ただし、コンテンツの中身は変えずに公開日だけを最新にして再公開するのはやめよう。Googleから怪訝な目を向けられるかもしれない。

公開日を最新にするなら、コンテンツにおいて最新の実質的な価値を提供しなければならない。

どの程度の更新が「実質的な価値の提供」にあたるかは議論の分かれるところだが、Ross Hudgensは「最低でも5%以上はコンテンツの中身をブラッシュアップすべきではないか」と提案している。

コンテンツを最新の状態に保つためには、毎月のマーケティング施策の一環として、古いコンテンツの評価と更新をタスク化し、編集スケジュールに入れておくと良い。

ContentCalを使用して、チームを整理し、今後のプロジェクトについて注意喚起を行う。

(ContentCalは、コンテンツのメンテナンスチームを編成するのとは別に、マーケティングチーム全体に再周知し、Googleに新しいシグナルを送信するためのものだ)

コンテンツを最新の状態に保つためのツール

Revive

Animalzは、Googleアナリティクスと連携し、過去12ヵ月間のトラフィックを分析、トラフィックを着実に失っているページを特定する無料のツールを発表した。

シグナルが送られてきたページを更新することにより、検索結果でのパフォーマンスを「Revive(復活)」させることができる。

公開日を新しくすることはクリック率を高めるのに役立つが、更新プロセスの一環として、ツールによって提示されたヒントはすべて考慮した方が良い。

Finteza

Animalzはすべてのコンテンツを確認するが、Fintezaは最もトラフィックの多いページのみをチェックする。履歴にアクセスするためには、しばらくデータを蓄積する必要がある。

データを蓄積したら、アカウントにログインして次の手順を実行する。

  • 「Websites」をクリックし、分析しているサイトのレポートを開く。
  • 左側のパネルで「Sources>Search」に移動し、オーガニックトラフィックレポートにアクセスする。無効にするまで、これはすべてのレポートをフィルタリングする。
  • 「Pages」をクリックし、パフォーマンスの高いページのリストを表示する。クリックが失われているかどうかを明確に確認できる。

レポートは、各ページがサイトにもたらす総トラフィックの割合順に並べられているため、最も重要な資産(ページ)を簡単にチェックできる。

Google Search Console

最後に、Google Search Consoleでは、「検索パフォーマンス」セクション内でCTRレポートを提供している。この機能を使用することで、変動をチェックできる。

折れ線グラフの下にある「ページ」タブをクリックする。次に、クリック数が最小のページをフィルタリングし、トラフィックが最も多いページを注視する。

日付の範囲を指定して比較すると、CTRの変動具合によってページを並び替えることができ、さらに最適化することでより高い効果が得られるページを特定できる。

CTRが低下したページを特定したら、「平均掲載順位」を追加することで、CTRの低下または上昇がランキングの変動によって引き起こされた可能性があるかどうかを確認できる。

次の例では、平均掲載順位は変わっていないが、CTRは大幅に低下している。これは、検索結果の要素への変更がクリックを遠ざけている可能性を示唆している。

そして、SERPを調査することで、コンテンツを最適化することが失われたクリックの回復に寄与するかどうかを確認できる。

結論:コンテンツを最適化し、パフォーマンスを向上させよう

コンテンツを適切に構成し、最新かつ詳細な状態に維持することで、ランキング・CTR・ページ内におけるエンゲージメントが向上する。

この記事で述べた施策のうち、必要なものを実行することで、Googleという不安定ではあるが重要な獲得チャネルにおいて、コンテンツ全体のパフォーマンスを向上させることができるだろう。

この記事は、CXLに掲載された「How to Make Your Google Search Snippets More Clickable」を翻訳した内容です。

検索スニペットにおいて、サイトの詳細をより詳しく、リッチに表示する方法が紹介された記事でした。

タイトルの調整やコンテンツのアップデートといった基本的なことから、構造化マークアップまで、打ち手の幅は意外と広いことがお分かりいただけたかと思います。

SEOの難易度は上がっていますが、依然として重要なチャネルであることは間違いありません。一度に全部を改善するのは難しいですが、できることから少しずつ改善していきましょう。

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キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】

SEO担当者として、常に向き合わなければいけないことは複数ありますが、「施策を考えること」もそのうちの1つではないでしょうか。

「基本的なソースコードの最適化はすでに行っている」、「ここ最近の動向を反映した施策を考えたい」と思われる方も多いと思いますが、「施策リストの中からアイデアを得る」といった方法は有効かもしれません。

そこで、今回は様々な角度でSEOの施策を思いつくことで定評のあるBacklinkoブライアン・ディーン氏の記事を紹介します。SEO施策を考える上でのヒントとなれば幸いです。

※10,000文字ほどあります。

この記事を読むことで、あなたのWebサイトのSEOを改善させるための、正しい方法を学ぶことができるはずだ。

実際、この記事で紹介する17の方法を駆使することで、私は自身のWebサイトのトラフィックを3ヶ月間で21.30%上昇させることに成功した。

最も効果的な手法は何か。

現状、ここで紹介する全ての施策がすばらしい効果をもたらしている。

1.”スニペット・バイト”を駆使して自然検索からの流入を獲得する

過去数週間で、私のサイトは41の異なる強調スニペットに採用されている。

具体的には、下記のとおりだ。

また、このような場合もある。

強調スニペットに採用されるための秘訣は何か。

それは、”スニペット・バイト”と呼ばれる、新しい戦略にある。

その内容を説明しよう。

まず、すでに上位表示されているキーワードを発見する。

なぜ、この作業が重要となるのか。

Ahrefsのデータによると、強調スニペットの99.58%が1ページ目に表示されているコンテンツが採用されている。

つまり、あなたのコンテンツが2ページ目に表示されている場合、強調スニペットに採用される可能性はほぼ0ということができる。

例えば、下記の私のコンテンツは1ページ目に表示されている。

次に、検索結果の上部に表示されている強調スニペットを見てみよう。

また、どのようなタイプの強調スニペットか、同時に確認しよう。

  • 定義タイプ(例:コンテンツマーケティングとは)
  • リストタイプ(例:コンテンツマーケティングツールのTOP10)
  • 表タイプ(例:コンテンツマーケティングツールの価格表)

最後に、強調スニペットのボックスの中にぴったりと収まるように設計されたコンテンツをあなたのページに追加しよう。これが、”スニペット・バイト”だ。

例えば、「nofollow links」というキーワードで私が強調スニペットに採用されることを狙ったとしよう。

その場合、下記のような、強調スニペットに完全にフィットするセクションを作成する。

実際、その成果は出ている。
2週間後、私が作成したセクションが検索結果ページの上部に表示されるようになった。

素晴らしい。

2.シンプルな方法で滞在時間を改善させる

滞在時間はGoogleのランキング要素なのか。

私の見解では、Yesだ。

ユーザーが直ちにあなたのページから去ってしまった場合、「ユーザーはこのページを好んでいない」という明確なシグナルをGoogleに送ることになる。

そして、こうしたシグナルは順位下降を引き起こしてしまうだろう。

疑問点としては、

「どのようにすれば、ユーザーが直帰することを防げるのだろうか」

ということだろう。

答えは、「動画をあなたのページに埋め込む」ことだ。

具体例を挙げよう。いくつかのサンプルページで、動画のあるページとないページの直帰率を比較してみた。

結果は、動画のあるページのほうが、直帰率が11.2%も低かったのだ。

これが、私がほぼ全ての記事に動画を埋め込んでいる理由だ。

ときには、全てのコンテンツで紹介しているステップやアドバイスの全てを動画で解説することもある。

また、特定のトピックにおいて、より詳細な情報をユーザーが学ぶための動画を作ることもある。

結果として、どんな良い結果をもたらすのか。

それは各自で考えてみてほしい。

3.”ゴーストポスト”から競合性の低いキーワードを発見する

1つの事実がある。

多くのツールが提供する「キーワードの競合性」という指標は役に立たないこともある、という事実だ。

なぜなら、キーワードの競合性を決めるためには、ある特定の指標に100%委ねられているからだ。それは、被リンク数である。

被リンク数は重要なのか。

もちろん、重要だ。

しかし、被リンク数はSEOというパズルを解くための1つのピースに過ぎない。1ページ目に表示させるための指標は、下記をベースとしている。

  • 自然検索のクリック率
  • 検索意図への合致
  • ページスピード
  • モバイルフレンドリー
  • その他多くの指標

こうした背景があるため、私はキーワードの競合性スコアを気にしないようにしている。

その代わりに、「ゴーストポスト」を利用しているのだ。

例を挙げてみよう。

数ヶ月前、私は「SEOツール 無料」というキーワードの上位表示を目指していた。

Ahrefsを確認したところ、このキーワードは「非常に難易度が高い」と表示されていた。

ここで諦めるのではなく、新しいテクニックを用いて、この難関なキーワードに挑もうと思った。その新しいテクニックが「ゴーストポスト」である。

まず、簡単な記事を作成し、私のサイトのブログフィードの4番目のページで公開した。

言い換えれば、私はこの記事のプロモーションを一切しなかったのである(「ゴーストポスト」という名前はこれに由来している)。

驚くべきことに、1週間以内でロングテールのキーワード(例:「最高の無料SEOツール」)では1ページ目に表示されるようになった。

その後、ターゲットキーワードにおいても、度々1ページ目に表示されるようになった。

このタイミングで、該当の記事をソーシャルでプロモーションすることにした。

そして、コンテンツの中身もアップグレードさせた。

その結果、この「非常に難易度が高い」キーワードで高順位を獲得することに成功したのだ。

現在、このキーワードにおける私の記事の順位は1位である。

また、このページの被リンク数は、1ページ目に表示されている他のページよりも、かなり少なくなっている。

注:私はAhrefsのキーワードスコアにケチをつけるつもりはない。単純に、キーワードの難易度を測る別の方法を提示しているだけだ。

※つまり、ゴーストポストの趣旨は「とりあえず投稿して様子を見てみよう」というものです。Ahrefsが出している「キーワードの競合性」を盲目に信じるのはやめた方が良い、というメッセージでしょう。

ゴーストポストの説明が終わったところで、次のステップの説明に移ろう。

4.自然検索のCTRを上昇させるためにサイトリンクを活用する

昨年、私は自然検索のCTRを上昇させることを最優先の施策にすると決めた。

しかし、すぐに壁にぶち当たった。

タイトルとディスクリプションの最適化以上に、どのようにしてユーザーのクリックを促すことができるだろうか。

サイトリンクがその答えとなる。

Googleでブランド名の検索を行えば、あなたのサイトの下にサイトリンクがすでに表示されているはずだ。

こうしたサイトリンクを、ブログ記事やECサイトのカテゴリーページまで、その他の多くのページでも表示させることが可能だ。

どのようにすればよいのか。

各コンテンツに目次を設定することだ。

例えば、私がこの記事を公開した際、記事内で紹介しているそれぞれの「コツ」にジャンプするリンクを目次に掲載している。

そして、この記事が5位に表示されるようになると、Googleはこの記事のサイトリンクを表示するようになった。

ご覧のとおり、こうしたサイトリンクは、検索結果で私のサイトを十分に目立たせてくれる。

実際、このページのCTRが14.9%となったのも、サイトリンクが貢献していることは明らかだ。

5.情報のソースとなり、被リンクを獲得する

あるルールを紹介しよう。

ユーザーは「素晴らしいコンテンツ」へはリンクを貼らないというルールだ。

ユーザーは、情報のソースにリンクを貼るのだ。

例えば、私は「Google Search Consoleの活用ガイド」という記事を去年公開した。

そして、この記事は「素晴らしいコンテンツ」であることを自負している。

記事内では、実行可能なアドバイスをふんだんに紹介している。

独自のデザインも採用している。

非常に優れたコンテンツであるにもかかわらず、リンクを貼ってくれたドメインの数は、たったの159だ。

一方、同時期に公開した音声検索における調査記事はどうだろうか。

多くのユーザーが、この記事も「優れたコンテンツ」と認めてくれている。

そして、このコンテンツへリンクを貼ってくれたドメインの数は、764にものぼる。

(Search Consoleの活用ガイドの記事と比べ、4.8倍の数字だ)

何が起きているのだろうか。

Google Search Consoleの記事は、リンクを貼りやすい記事ではなかったのだ。

他の誰かがGoogle Search Consoleの記事を書き、「詳細はこちら」としてリンクを貼ること以外、この記事へリンクを貼るための強い理由は存在しない。

一方、音声検索における調査記事については、ブロガーやジャーナリストに、情報ソースを提供したことになる。

これが、数百もの高品質なリンクを獲得できた理由である。

6.商業インテントのあるビッグキーワードをターゲットとする

私がキーワード調査を初めて行った時は、検索ボリュームに注目していた。

調査したキーワードの検索ボリュームが多ければ、「これは私のサイトにとって重要なキーワードだ」と考えていたのである。

今は、そのような考えは一切持っていない。

現在は商業インテントに大きく注力している。

(言い換えれば、Google広告の広告主がクリック数を気にするのと同様だ)

例えば、「リンクビルディングサービス」というキーワードをターゲットしたケースを紹介しよう。

このキーワードの検索ボリュームはそれほど多くはない。

しかし、CPCは$25.00となっている。適切なバイヤーによって作られたトラフィックだろう。

(興味深い事実:私はこのページを「ゴーストポスト」として公開した。結果からわかったことだが、「リンクビルディングサービス」というキーワードは多くのツールが示すほど難易度は高くなかった)

7.YouTube動画を活用して検索結果のより大きな領域を獲得する

コンバージョンにつながる素晴らしいキーワードを発見したとしよう。

その場合は、YouTube動画によるおまけのトラフィックも獲得するべきだ。

例えば、この記事は、「より多くのトラフィックを獲得する方法」というキーワードをターゲットとしている。

不幸にも、この記事の順位は4位で上げ止まってしまった。

より不幸なことに、この記事の上部には3つの動画が表示されてしまっているのだ。

しかし、私はここから挽回してみせる。

このトピックの動画を作成することにしたのだ。

そして、動画を適切な方法で最適化し、検索結果の重要な場所に表示させることを実現させたのだ。

動画を最適化する方法に興味があれば、下記のチュートリアルを確認して欲しい。

動画:YouTube SEO: 9 Actionable Tips for Ranking Videos (2019)

8.”トピック+統計”のキーワードで上位表示させる

これは、かつて多くのWebサイトが大量のリンクを自動で獲得するために使用した、秘密の方法である。

例えば、Student Loan Heroというサイトは「アメリカの学生のローンの統計」というページへのリンクを20,000以上獲得している。

下記に、彼らが実践した施策の内容をそれが成功した理由と併せて紹介しよう。

まず、彼らはブロガーやジャーナリストが取り上げそうなトピックを特定した。この場合は、学生ローンの負債の統計がそれにあたる。

次に、様々なソースを参照した統計情報を集めたページを作成した。

最後に、「学生ローン 統計」というキーワードに合わせた最適化をこのページに対して行った。

その結果、このターゲットキーワードで1ページ目に表示されている。

なぜうまく行ったのだろうか。

考えてほしい。

”トピック+統計”というキーワードで検索する人はどんな人だろうか。

ジャーナリストである。

特に、彼らの記事に記載できる統計データを探しているジャーナリストだ。

そして、そのキーワードで上位表示されれば、非常に多くのリンクを獲得することになるだろう。

非常に優れた方法だ。

9.古いコンテンツをユーザーインテントに即して最適化する

コンテンツの内容を検索者の意図に合致させるべきだという話を以前にしている。

ポイントは下記である。

もし、あなたのサイトが検索者の求めるものでなかった場合、Googleはあなたのサイトを上位表示させることはない。例えどれほど多くのリンクを獲得していたとしても。

例えば、私は下記の記事を2015年に公開している。

お察しの通り、この記事のターゲットキーワードは「SEO キャンペーン」だ。

そして、この記事は1ページ目の中頃に、すぐに表示されるようになった。

ここまでは、悪くない。

しかし、ある日を堺に、この記事の順位とトラフィックが下降し始めた。

このキーワードの優先度はそれほど高くはなかった。そのため、半ばこの状況を無視しており、うまく行けばよいなと思っていたくらいだ。

実際はそうではなかった。

私のコンテンツがユーザーインテントに恐ろしいほど合致していないことに気づいたからだ。

この記事はSEOキャンペーンを複数紹介しているわけではなく、特定の戦略(ゲストグラフィック)について説明している記事だった。

そのため、私は再度構成案を練り直し、はじめから記事を書き直した。

今回は、「SEOキャンペーン」と検索する人が好む内容になっていることを確認した後、記事を公開した。

その結果、新しいバージョンの記事は、同様のキーワードで1位を獲得している。

10.コンテンツパートナーシップを組む

私はコンテンツパートナーシップの大ファンだ。

なぜか。

その理由は、コンテンツパートナーシップをすることで、記事のプロモーションが2倍強力なものになるからである。

考えてみてほしい。

自身のサイトに何らかの記事を公開した際、できるだけ多くの人にその記事を届けようとするだろう。

しかし、あなたは個人(または会社)であるため、リーチ数に限りがある。

誰かとパートナーシップを組めば、それぞれがあなたの新しいコンテンツを届けてくれるようになるのだ。

そのコンテンツを見てくれるユーザー数、リンク数、ソーシャルメディアでの共有数が2倍になる可能性がある。

例えば、今年の初めに私はBuzzSumoとパートナーシップを結び、コンテンツマーケティングについての記事を作成した。

そして、我々はそれぞれのオーディエンスにプロモーションを行ったため、非常に多くのトラフィックを獲得することができたのだ。

11.異なるフォーマットでコンテンツを再利用する

昨年、私は非常に大きなミスをしたことに気がついた。

どんなミスだろうか。

新しいブログ記事を書く際も、Eメール用のニュースレターを書く際も、動画コンテンツを作成する際も、全て0から作成していたのだ。

その結果、たった1つのブログ記事を書き終えるにも14日間かかることもあった。

ちょうどその時、あることを思いついた。

私はすでに、YouTubeチャンネルに非常に多くのコンテンツを保有しており、それらは多くのユーザーに支持されている。

そのため、次に書くブログ記事は、YouTubeチャンネルからの人気のあるコンテンツをベースにすることにした。内容は、より多くのYouTubeの登録者を獲得する方法だ。

もちろん、動画コンテンツをブログ記事に書き起こすのは時間がかかる。

しかし、何もないところから書き始めるより、10倍は早い。

この施策は成功したのか。

大成功であった。

毎月、検索エンジン経由での訪問者を1万5千人も連れてきてくれるのだ。

また、ターゲットキーワードでは3位以内に表示されている。

非常に素晴らしい。

12.リンク切れのリンクビルディングを強化する

私はすでに、リンク切れのリンクビルディングについてのガイド記事を公開している。

そのため、このプロセスを詳細に説明することは避けたいと思う。

その代わり、素晴らしい被リンクを獲得するためにこの戦略をどのように使用したかについて、解説したい。

第一に、私のサイト内でユーザーがリンクを貼りたいと思っているページを探した。そして、下記のCROのガイド記事を選択した。

次に、私はコンテンツマーケティングについて書いてあるサイトを探し出した。そして、Ahrefsで、そのURLを調査した。

そして、「発リンク」をクリックし、「リンク切れ」をクリックする。

その結果、リンク切れのある発リンクの一覧が表示される。

そのリストの中から、私が作成したガイド記事に似ている記事を発見し、このサイトの管理者に連絡を取る。彼らにリンク切れのリンクがあることを連絡し、代わりに私のコンテンツにリンクを貼ってくれることを依頼するのだ。

もちろん、彼らにとってもメリットがある話であるため、快諾してくれる。

これで完了だ。

13.”リンク・インターセクト”から被リンク獲得のチャンスを見つける

リバースエンジニアリングは、リンクビルディングの戦略においては非常に優れた方法である。

しかし、それでも完全なものではない。

つまるところ、あなたのサイトの競合サイトにリンクを貼っているサイトを見つければよいのだ。

そのサイトがリンクを貼っている理由が、特別な関係にあるのか、Eメールでリンク設置をお願いしたのか、それともその他の理由なのか、それらを把握する術はない。

しかし、複数の競合サイトへリンクを設置している場合、その答えの推測を立てることができる。(複数のサイトと特別な関係があるのかもしれないが・・・。)

これが、”リンク・インターセクト”と呼ばれるものだ。

Ahrefsに複数のドメインを入力し、”リンク・インターセクト”機能を使用しよう。

そして、自分のサイトを「リンクしない」の欄に入力しよう。

結果が出た。

複数の競合サイトにリンクを設置しているが、あなたのサイトにリンクを設置していないサイトが確認できる。

競合サイトよりも高品質なコンテンツを公開しているのであれば、こうしたサイトがあなたのサイトへリンクを設置してくれる可能性は十分にあるのだ。

14.全く新しいキーワードをターゲットとする

人気があり、競合性が低いキーワードを発見したくはないだろうか。

誰もがそうだろう。

しかし、疑問がある。

どのようにすればよいのか。

全く新しいキーワードをターゲットにするのだ。

説明をしよう。

競合性の高いキーワードは数多くあるが、その理由は単純であり、多くのサイトが上位表示を狙っているためだ。

しかし、新しいキーワードをターゲットにすれば、競合となる相手は少なくなる。

つまり、検索結果の上位に表示させる可能性が高くなるのだ。

例えば、昨年の夏、私は注目度が増してきていた「音声検索」についてのガイド記事を公開した。

「音声検索」というキーワードは比較的新しかったため(特に「リンクビルディング」など、昔からあるキーワードと比較すれば)、私の記事は1週間以内で1ページ目の下部に表示されるようになった。

そして、現在でも1ページ目に表示されている。

15.コンセプトビジュアルを活用する

この施策は、特にどのサイトに連絡をすることなく、高品質なリンクを獲得する施策だ。

実際、私もこの施策を活用して下記のような被リンクを得ている。

別の例を挙げてみよう。

これら全ては、Eメールでの連絡など一切せずに獲得したリンクだ。

この施策のステップを紹介しよう。

まず、複雑なコンセプトやアイデアの理解を手助けするような素晴らしいビジュアルを用意しよう。

グラフ、チャート、図形、表、など様々なフォーマットが考えられる。

下記に例を挙げてみよう。

次に、あなたが作成したコンテンツにその資料を埋め込もう。

そして、それを求めているユーザーが目にすれば、彼らのサイトで使用するだろう。

あなたがすでに公開しているあらゆるコンテンツでこの施策を取り組もう。

備考:新しいトピックにおけるビジュアル化に注力しよう。こうすれば、そのトピックについて高品質なビジュアルを掲載している数少ないサイトの1つとなれるのだ。

16.キーワードアイデアのために業界の用語集を利用する

何か創造的なキーワードのアイデアはないものか。

業界の用語集を確認しよう。

例えば、この栄養素についての用語集は100以上の用語を扱っている。

このキーワードリストをコピーし、スプレッドシートに貼りつけよう。

または、それらをキーワード調査ツールに貼り付け、新たなキーワードを探すための元データとしよう。

どちらにせよ、用語集は新しいキーワードのアイデアを得るために、非常に優れた方法なのである。

備考:これらのキーワードをGoogleのキーワードプランナーに入力すれば、非常に多くのキーワードリストを手にすることができる。

17.コンテンツキュレーターから被リンクを獲得する

多くの人が他サイトへの連絡に苦労している。下記のような粗悪なメッセージを送っていれば、なおさらだろう。

このメッセージには誤りが沢山ある。

しかし、最も大きな間違いは、私のサイトのどこを見渡してもこのコンテンツへのリンクを貼るに適したページが無いということだ。

そのため、私はこのメールを消去した。

このメッセージがコンテンツキュレーターに届いたのであれば、事態は変わっていたかもしれない。

コンテンツキュレーターとは、読んで字のごとく、特定の業界から最も素晴らしいものを収集している者たちだ。

例えば、私が数ヶ月前に作成した、SEO Marketing Hubもそのうちの1つだ。

このコンテンツキュレーターのサイトに私のコンテンツを目立たせているため、私のサイトへの多くのリンクを獲得できている。

これに勝るものはない。

おまけ1:質問系データベースから質問タイプのキーワードを探す

質問系データベースとは、Answer the Publicのようなものだ。

しかし、私の意見では、Answer the Publicよりも少し良いものだと考えている。

まず第一に、非常に使いやすいからである。

難解なチャートや画像を用いるAnswer the Publicと異なり、質問は非常にシンプルなテーブルにまとめられている。

また、質問系データベースはRedditに投稿された質問に注力しているため、他のツールでは表示されないトピックやキーワードを発見できるだろう。

おまけ2:ブランド名の関連ワードで上位表示を狙う

競合性は低い。検索ボリュームは多い。CPCも素晴らしい。

それはつまり、ブランド名検索である。

例えば、下記の2つのキーワードを見てみよう。

ご覧の通り、「Mailchimp」というキーワードは、「Eメールマーケティング ソフトウェア」というキーワードよりも、280倍検索されている。

これは、多くの領域で言えることだ。

ブランド名は、トピックやカテゴリーの検索以上に、多く検索されている。

ブランド名をターゲットとする唯一のデメリットは、あなたのサイトが1位に表示されることはないという点だ。しかし、それでもターゲットとするに値する価値はある。

こうした理由から、私もブランド名で上位表示されるためのコンテンツを作成するようにした。

例えば、下記のようなBuzzStreamのレビュー記事を作成したのだ。

「BuzzStream レビュー」というキーワードで上位に表示されただけでなく、

「BuzzStream」というキーワードでも上位に表示されるようになった。

さあ、次はあなたの番だ。

この記事で紹介した17の施策の中から、どれを最初に選ぶだろうか。

ブランド名をターゲットにするのか。

スニペット・バイトにするのか。

どの施策を選ぶにせよ、下記のコメント欄にメッセージを残してほしい。
※元記事では、コメント欄にコメントするよう促しています。

この記事は、BACKLINKOに掲載された「17 Ways to Improve Your SEO in 2019」を翻訳した内容です。

相変わらず、ブライアン・ディーン氏は様々な施策を考えることに長けている方だと感じました。実績データを提供している分、説得力がありますし、各施策の説明も丁寧です。

すべての施策をそのまま適用できるケースは稀だと思いますが、記事にあったような施策をうまくカスタマイズし、自社サイトのSEOに活かしてみてはいかがでしょうか。

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Google画像検索を活用し、ECサイトのトラフィックと売上を増加させる方法

Googleの検索エンジンでは、テキストだけでなく、画像や動画といったビジュアルコンテンツを検索することもできます。

しかし、いわゆる一般のSEOに比べ、Google画像検索結果における最適化の手法が注目される機会は少ないのではないでしょうか。

そこで、今回はECサイトなど、画像が重要となるサイトに役立つ「画像検索における最適化」について、Search Engine Journalの記事からご紹介します。

eMarketerの調査によると、アメリカのインターネットユーザーの75%が、商品の購入前に商品画像を検索するとのことだ。商品画像をまったく検索しないユーザーは、わずか3%。

オンラインショッピングにおいて、商品画像は潜在的な顧客に良い印象を与える。

多くの専門家によると、「商品に関する複数の高品質なイメージは、顧客の意思決定における不確実性を減らし、コンバージョン率と返品率を改善する効果がある」という。

JumpshotとMozの調査によれば、Google画像検索のシェアは検索市場全体の26%。

最適化された商品の画像は、ECサイトにおける新規顧客の獲得を促進する効果がある。画像などによって、最新かつ正確な商品の情報を提供することは、Google画像検索において顧客の体験(バイヤーエクスペリエンス)を成功させるためのカギとなる。

Googleの画像検索が、新規のトラフィックを獲得するための絶好の機会を提供する理由は、顧客の体験にある。

Google画像検索の変更点

GoogleはGetty Imagesと提携し、Google画像検索ユーザー向けの新たな検索体験を作り出した。

このパートナーシップを受けて、Googleは画像検索における2つの大きな変更を発表した。以下のとおりである。

  • Googleがインデックスされた画像を表示する方法
  • サイト運営者へのトラフィックの提供方法

Googleのダニー・サリバンはTwitterにて、以下のように述べた。

「Googleは今後、”画像を表示するメニュー”を削除し、”サイトにアクセスするメニュー”へと置き換える。理論的には、Googleの検索結果から他のサイトへとトラフィックを移すことになる」

ECマーケティングの専門家は、Google画像検索を介し、顧客を獲得するための新しいチャネル、または改善されたチャネルを設ける絶好の機会を待っている。

ここでは、商品画像を最適化し、Google検索においてそれらをインデックスに登録させ、購入意欲の高く、高品質なトラフィックを得るための方法を紹介する。

1.画像最適化の基本を把握する(ファイル名とalt属性)

わかりやすいファイル名は、商品イメージを見つけるためのカギとなる。

また、画像には最適化された代替テキストを追加することもできる。ECサイトにおいて、画像が読み込まれなかったときのために、画像にalt属性を指定しておくことは必須である。

また、Googleの検索エンジンはalt属性のテキストを使用して、その画像を理解する。

MVMT Watchesによる商品画像の命名は、すばらしく参考になるものだ。

MVMT Watchesでは、ファイル名と代替テキスト(alt属性)へと、商品名を適切に含めることで、以下のように、画像検索における”1位”を所有している。

画像最適化の基本に関しては、「14 Important Image SEO Tips You Need to Know」を見てほしい。

2.Schemaで画像をマークアップする

構造化マークアップを使用し、リッチな商品画像と商品属性を有効にすると、Googleで商品画像を検索している潜在的な顧客を引き付けることができる。

商品情報の正確さと新鮮さを維持し、顧客が探しているものに関連する最新のアイテムを見つけられるようにしよう。

構造化マークアップを使用し、Google画像検索の結果をショーウィンドウにしてしまおう。

ECブランド、または小売業者にとって必要なのは、構造化マークアップをWebサイトに追加し、Googleが商品画像と関連する属性を確実に理解できるようにすることだ。

Googleは、画像検索などの結果において、詳細な商品情報を提供できるよう、商品ページに構造化マークアップを施すことを推奨している。そうすることで、意欲の高い検索者は、検索結果に表示される商品の価格・在庫状況・レビューを確認できる。

Googleは、構造化マークアップを使用して商品情報に詳細を付与するECサイトに対し、サーチコンソール上で「商品」の新しいレポートを有効にした。

この新しいレポートでは、企業やSEM担当者は、サイトのマークアップに関して保留中の問題を確認できる。問題を修正した後、レポートを通じて、保留中のページを再クロールさせることで、問題が解決できたかどうかを検証できる。

詳細はGoogleの「リッチリザルトのステータスレポート」を確認してほしい。

3.Google検索とGoogle画像検索上に商品情報を表示する

小売業者、またはECサイトのマーケティング担当者にとって、必要なことがもうひとつある。

それは、Google検索とGoogle画像検索結果に表示される商品に関し、正確な情報を取得することだ。

最近、Googleの商品フィードに加えられた変更がある。商品情報をリアルタイムで更新し、購買意欲の高い検索者や、関連するクエリに一致させることができるようになった。

このGoogle商品フィードの新機能は、リアルタイムで適切な商品情報を表示したいと考えている小売業者やマーケティング担当者にとっては朗報であろう。

四半期ごとに商品の在庫を調整するファストファッションブランドや、Google上で限定商品を提供する企業を想像してほしい。

マーケティング担当者は、商品フィードと画像をGoogleのMerchant Centerに簡単にアップロードでき、Google検索とGoogle画像検索の結果へとすぐに表示できるようになった。

画像などの商品情報は、検索クエリとの関連性に基づきランク付けされる上、何より無料で使用できる。この機能はアメリカの企業のみが利用できるが、近いうちに、いくつかの他の国でも公開される予定だ。

4.ナレッジパネルに商品画像を表示する

2019年、メーカーはブランド自身の情報や商品の情報をより詳細に管理できるようになった。

自社商品を製造している企業、OEM、BtoB企業にとって、Googleで商品画像を正確に表示することは、ブランド全体の認知度を高めるために必要不可欠である。

最近、GoogleはGoogle Manufacturer Centerを介して、画像などの商品の情報を更新できることを発表した。

これにより、商品の説明やバリエーションのナレッジパネルに表示できる、画像や動画といったリッチコンテンツを更新できるようになった。

5.顧客にリアルな画像を提供する

UGC(口コミやレビュー)の力を活用して、信頼度とコンバージョン率を高めよう。そのためには、ECサイト全体にユーザーによる画像を追加することだ。

FacebookやInstagramといったプラットフォームに商品を含む画像を投稿するようユーザーに促し、そのコンテンツを商品ページやカートページ(チェックアウトページ)で利用しよう。

Vanity Planet(※)のようなブランドリーダーの行動も参考にしよう。彼らはユーザーのエンゲージメントを促進し、購買客に向けてUGCを共有している。
※海外のコスメブランド

6.画像を圧縮する

最後になるが、画像の読み込みは速いか、速度が最適化されているかどうかを確認しよう。

Webサイトの画像を圧縮するには、TinyPNGなど、多くの役立つツールがある。

また、ほとんどのホスティングプラットフォームは、高速配信のためにCDNサービスを提供している。ファイルサイズを最適化することで、Google画像検索においてインデックスされる確率が向上する。

  1. ファイル名とalt属性を最適化する
  2. Schema.orgで構造化マークアップを行う
  3. Google検索結果上に画像を表示する
  4. ナレッジパネルに商品情報を表示する
  5. 商品が実際に使われている様子を提供する
  6. 画像のサイズを圧縮する

これらの6つの画像検索における戦術を適切に実行することで、ECサイトにおけるトラフィックと売上を向上させることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「The Hidden Opportunity for Ecommerce Websites in Google Images」を翻訳した内容です。

画像検索における最適化の方法について、わかりやすくまとめられた記事でした。

主にECサイト運営者向けの記事ではありましたが、それ以外の方にも決して無関係ではない記事であったように思います。

SEMを考える上では、画像検索やGoogleマイビジネス、リスティング広告など、ユーザーニーズを捉え、より効果的なアプローチを選択していく必要があります。

実務において、同時にすべての施策を走らせることは難しいため、各アプローチの概要を把握した上で、優先順位をつけて取り組んでいきましょう。

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「SEOとPPC広告、どちらが優れているか」、その論争が無意味である理由

SEOとPPC広告、同じWebマーケティングという分野に属することもあり、「SEOとPPCのどちらが有益か」という議論はよく見かけます。

ただし、その方法や目的、得られる結果などは異なるため、最終的には、「それぞれ適切なバランスを取る」ということが理想といえます。

しかし、どちらか一方の事情しか知らなければ、その判断に至ることが難しいかもしれません。

今回は、そんなSEOとPPCの”論争”についてわかりやすく解説した記事を、Search Engine Journalよりお届けします。

ペイド広告と自然検索マーケティングのそれぞれのメリットについて、この業界では長い間議論されてきた。

どちらのほうが優れているのか。

どちらにリソースを注ぐべきか。

個人的には、この議論はずいぶん前に決着がついたと考えている。

結論としては、SEO施策とPPC広告の両方を行うべきであり、両方に注力すべきである。

しかし、近年になり、私のクライアント周辺で再び議論が活発してきている。

理由はわかる。もともとこの議論をしてこなかった場合、上記の結論には納得がいかないこともあるからだ。

それゆえ、SEOとPPCの議論における忘れられたいくつかの事実を解説する機会を与えていただきたい。

1.ペイド広告は自然検索の代替にはならない(逆もまたしかり)

ペイド広告と検索エンジンマーケティングは、それぞれ別の生き物だ。

片方が片方の代替となることはない。それぞれが強みと弱みを持っている。

例えば、ペイド広告は非ブランド系のトラフィックを発生させるには良い手段だ。

PPCの典型的なシナリオはこうだ。

  • ユーザーはあなたのブランドについて何も知らない
  • 彼らは、欲しい商品の検索を行う
  • あなたは、その検索結果の上部に広告を表示させる
  • ユーザーは広告をクリックし、あなたが何を提供してくれるのかを確認する

こうすることで、ユーザーはあなたのブランドとの距離を縮め、コンバージョンへの道のりを進んでいくことになる。

自然検索でもこうしたことは可能なのか。おそらく、可能だ。

しかし、自然検索結果の最上位に位置していても、ページの上部に表示されるとは限らない。※参考:Google検索結果の変化から読み解く「SEOの未来」

せいぜい、ページの中ほどに表示されることだろう。最悪の場合、非常に深い位置に表示されてしまう。

ただし、自然検索結果はブランド系のトラフィックを発生させることができる。

典型的なSEOのシナリオはこうだ。

  • ユーザーはあなたのブランドを知っている
  • 彼らは、あなたのブランド名で検索をする
  • あなたのサイトは検索結果の上部に表示される
  • ユーザーはそれをクリックし、あなたのWebサイトを訪問する

PPCでもこうしたことは可能なのか。可能だ。そして、それがブランド名でもPPCの入札を行うべき理由となる。

しかし、PPC広告が唯一、検索結果に表示されるものだとしたらどうだろう。つまりは、「自然検索結果には何も表示されない」という状況だ。そのような場合、ユーザーはブランドの信憑性を疑ってしまうかもしれない。そのため、理想を言えば、両方において表示させることが最適と言える。

広告と自然検索の両方を表示させることで、あなたのブランドはより強固なものになるだろう。これを目指さない手はない。

2.SEOもPPC広告も無料ではない

PPCに対しては、「PPCは高価である」という議論がよくされる。誰かがあなたの広告をクリックするたびに、あなたはお金を支払わなければならない。もし、プロにアカウントの管理を依頼しているのであれば、彼らに対する費用も発生する。

しかし、多くのSEOのエキスパートは、「SEOも時間がかかり、費用と専門知識が必要となる」と述べるだろう。

SEOを成功に導きたければ、インハウスで行うにしても、外部のコンサルティングを受けるにしても、それなりの対価を支払わなければならない。

3.SEOとPPC広告はゼロサムゲームではない

SEOとPPCの議論においてよくある誤解は、それをゼロサムゲームと認識してしまうことだ。片方への投資を止めれば、もう片方が不足を補う。逆もまた然り、と考えてしまう。

しかし、そのような状況が起こることはめったにない。一般的に、SEOとPPCは互いを食い合う仲ではないのだ。むしろ、「それぞれの領域からそれぞれの結果が生まれる」といったことになる。

これは、私が実際にクライアントへ指摘したことだ。

このクライアントはSEOの代理店と契約を結んでいた。これ自体は別に珍しいことではない。実際、私達はこの取り組みを望んでいた。なぜなら、SEOの成功はPPCの結果にも良い影響を与えること(逆もまた然り)を我々は理解しているからだ。

しかし、このケースでは、SEO担当者が特定のマーケットではPPCを完全に止めることを勧めてきた。彼が言うには、「PPC広告で良いパフォーマンスを出していない領域がある。そこへの広告出稿は不要である」とのことだ。

もし、このクライアントが彼の考えを受け入れた場合、どうなるか。

2018年、全体の29%のセッションを自然検索が獲得し、22%のリードを獲得した。

その一方、PPCは全体の43%のセッションを獲得し、55%のリードも獲得している。

2019年の中期はどうなったか。この頃から、クライアントはSEOへの投資を強めている。

2019年、全体の28%のセッションを自然検索が獲得し、22%のリードを獲得した。

その一方、PPCの数字は大きく変わっていない。全体の46%のセッションを獲得し、55%のリードも獲得している。

ご覧の通り、傾向は2018年と2019年でほぼ同じになっている。

つまり、我々が突然、これらの地域で広告掲載を取りやめていたらどうなっていただろうか。SEOへ再投資していたとしてもだ。

SEOがそのマイナス分を埋め、PPCが獲得していたリードと同程度のリードを獲得していただろうか。おそらく、そうはならなかっただろう。

4.統計情報に騙されるな

SEOとPPC広告を”競合”と捉える場合、片方を信じるものが自身の見解を裏付ける情報を提案することがある。

しかし、すぐに結論に至るのではなく、そうした統計的な情報を注意深く見る必要がある。

例えば、上記とは別のクライアントの場合、PPC広告を完全にストップしようとするSEOコンサルタントがついていた。

彼は、SEOと比べ、「PPCからのトラフィックがサイトへのエンゲージメントを悪くしているという”発見”」に基づいた意見を論じていた。それゆえ、広告につぎ込むマーケティング予算をストップすることをクライアントに求めていたのだ。

我々は、そのSEO担当者が根拠としている情報について懐疑的であった。なぜなら、我々のサイドからは全く異なる見解を得ていたからだ。

最終的に我々は、「PPCのトラフィックの多くが電話キャンペーンによってもたらされている事実を彼が見落としているのでは」と考えた。

言うまでもなく、こうしたキャンペーンで発生したトラフィックはWebサイトへの直接の訪問は発生しない。彼はこの事実をもって、PPCの場合はエンゲージメントが悪いと結論づけていたのだ。

彼の提案はただの善意であった可能性もある。しかし、それは不十分な情報にも基づいた提案にすぎない。

皮肉にも、彼が無視していた重要な指標が別にあった。新規訪問者数だ。

このクライアントの場合、PPCが過去1年間で2,958の新規訪問者を獲得していた。

これに対し、SEOが獲得した新規訪問者は、たったの1,246であった。

もし広告を止めていた場合、PPCが獲得した新規訪問者数はどうなっていただろうか。

おそらく、その数の獲得には至らなかっただろう。

PPCとSEOの議論に対する意見を誰かが論じてきた場合、その人自身はPPCとSEOに関連する全ての情報を見ているか、確認すべきなのだ。

5.トラフィックのみではなく、リードやコンバージョンにも目を配るべし

数字の指標について多く語ってきたが、インターネットに溢れている数多くの統計について、詳細な分析を行えば有益な情報となることを指摘しておきたい。

例えば、2014年にSEO会社のConductorが行った調査を見てみよう。この調査によれば、サイト全体の64%が自然検索によるもので、ペイド広告は6%しか占めていないということだ。

この調査結果から推測されることはなにか。SEOはPPC広告よりも効果的であると言えるのだろうか。その可能性はある。

しかし、問題が2つあることを指摘したい。

  • 第一に、自然検索のトラフィック数はあらゆる類の検索によってもたらされている。
    つまり、広告がまったく表示されない検索も含まれるということだ。
  • 第二に、より重要なことであるが、トラフィックが最終目的なのだろうか。
    我々は、リードやコンバージョンにもっと関心を持つべきではないだろうか。

仮に、世界中の全てのトラフィックを獲得できたとしても、そこにリードやコンバージョンが発生しないのであれば、そのトラフィックは何に役立つのだろうか。

SEOとPPC。選択すべきは両方である

SEOとPPC広告のどちらを選ぶべきかという議論がされた場合、「どちらか一方を選択する」という意見を持つべきではない。

なぜなら、それらは互いに代替となるものではないからだ。

もし、両者に力をいれることができれば、両社の長所を活用してより良い効果を得ることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「SEO vs. PPC: A Few Forgotten Truths」を翻訳した内容です。

「SEOとPPC、どちらが優れているか」という議論に、一つの見解を出した記事でした。

SEOもPPCもWebマーケティングの一施策にすぎず(もっというと、Webマーケティングもマーケティングの中の一部にすぎませんが)、「どちらのほうが優れている」といった判断はそもそも不可能だと思います。

サイトの性格、目的、運営状況によって取るべきマーケティング戦略は異なるため、「SEOとPPC、どちらの施策を行うべきか」も状況によって異なるはずです。その時々に応じた最適なバランスを見つけるよう、努めていきましょう。

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SEO Japan|note

古く、廃れてしまったコンテンツを上位表示させるためにすべきこと

現在のSEOは、かつてのように小手先のテクニックでどうにかなるわけではなく、質の高い記事の掲載が必須項目になっています。

日々、質の高い記事を執筆しているサイトは多いと思いますが、新規で作成するページではなく、古いページのアップデートも、品質向上における良い施策といえます。今回の記事は、過去の記事をアップデートする施策について、ニール・パテル氏が実データを交えながら解説してくれています

実際に行った施策内容を明らかにしてくれており、非常に興味深い記事です。

あなたのサイトへのトラフィックのうち、上位10ページが占める全体の割合はどのくらいだろうか。

おそらく、かなり大きな割合を占めていることだろう。

下記のスクリーンショットを見て欲しい。私のサイトの場合、上位10ページが全体の28.7%のトラフィックを占めている。

おそらくそれほど高い数字ではないだろう。

しかし、私のサイトには5,441ものブログ記事が投稿されている。言い換えれば、0.1%のページが、検索トラフィック全体の28.7%を作り上げているということになる

特に小さいサイトの場合、サイト全体の検索トラフィックを上位10ページが占める割合は、高くなる傾向があるだろう。

この状況は何を意味しているのだろうか。

上位10ページのみに注力し、他のページは無視すれば良いのか。もしくは、新しいコンテンツを機械的に量産する方法に注力すべきなのか

質は量を凌駕する

かつて、私は「多ければ多いほど良い」という考えを持っていた。毎週毎週、新しいコンテンツを量産していたのだ。1日で2記事を公開していた時期もある。

時間がたつにつれ、私のサイトへの検索トラフィックは伸びた。しかし、それほど大きな伸びではなかった。

私は多くの時間をブログ記事の執筆に割いていたが、公開した多くのコンテンツがほとんど上位表示されないことに気がついた。

そこで、私は何をしただろうか。

私は、古く、廃れたしまったコンテンツに注力し、検索トラフィックを上昇させることにしたのだ。

具体的な作業はこうだ。毎週、私は新しいコンテンツを1記事公開するようにした。しかし、私のチームに、平均で23の古いコンテンツをアップデートさせていた。

より頻繁に記事を書いていた時期では、上位10ページの記事が占める全体の検索トラフィックの割合は33%であった。

それ以降、私はサイト全体のトラフィックを107%上昇させ、上位10ページの記事への依存度を13%減少させた。

どのようにして実現させたか。すでに言及したとおり、私が新しいコンテンツの作成に注力している間、私のチームには古く、廃れたコンテンツをアップデートさせていたのだ。

下記に、実際に私のチームが行った内容をひとつずつ解説していきたい。

かつて評価されていたページを探す

Google サーチコンソールを使用すれば、かなり長い期間を遡ってデータを確認することができる。過去16ヶ月のデータを取得できるのだ。

まずは、現在のデータと、昨年の同月のデータを比較してみよう。

「日付」をクリックし、「比較」をクリックしよう。次に、古い期間を選択し(1年前とすべきだ)、今日の日付を選択しよう。

私はしばらくこの作業を続けた。古い期間との比較をすることで、私のチームが古いコンテンツをアップデートする前に、より良い対象を見つけることができるからだ。

上記を選択すれば、下記のようなレポートがでてくるだろう。

まず見つけたいコンテンツは、「かつては多くのトラフィックを得ていたが、現在のトラフィック数は少ない」というページだ。上記の画像からも分かるとおり、Instagramについて書いた私の記事は、昔は多くのトラフィックを得ていたが、今はそうではなくなっている。

ご注意いただきたいのが、私は古い日付を最初に選択している点だ。古いコンテンツのうち、どのコンテンツがかつては良い順位に表示されており、今は順位が下降しているかを把握するためである。

こうすることで、昔はGoogleから高評価を得ていたが、今はそうではなくなっているコンテンツを確認することができる。

次に、Googleから一度も高評価を得ていないコンテンツを探してみよう。

Googleから一度も高評価を得ていないコンテンツを調査する

サーチコンソールに再度ログインし、表示回数は高いが、クリック数は少ないページを探してみよう。

こうしたページを探す最も簡単な方法を紹介しよう。日付を直近28日間に設定し、表示回数、クリック数、CTRの各指標を確認するのだ。

CTRをソートし、昇順(最も低いパーセンテージが上位に、最も高いパーセンテージが下位に表示されるように)に並べ替えよう。

一般的に、このリストの上部に位置するページは、最もポテンシャルが高いページと言える。つまり、Googleはこうしたページを評価し、上位表示しているが、それに見合ったクリック数を獲得していないページとなるからだ。

こうした場合、単純なタイトルタグとメタディスクリプションが要因というわけではない。該当ページのコンテンツの修正が必要になるケースがほとんどだ。

では、高いポテンシャルを秘めたページのリストを作成してみよう。

改善施策に優先順位をつけよう

概して、最も高いポテンシャルのあるページは、「かつては上位に表示されていたが、現在は上位表示されていないページ」ということになる。

過去、Googleはこうしたページを評価していた。つまり、こうしたページに注意深く手を加えれば、再度Googleからの評価を高める可能性があるのだ。

次に高いポテンシャルのあるページは、「表示回数は高いが、CTRは極端に低いページ」となる。しかし、上記のグループのページに比べれば、優先度は低い。

こうしたページの修正は難しい。なぜなら、高いパフォーマンスを発揮した実績がないからだ。

古いコンテンツをアップデートさせる方法

アップデートの対象となるページに優先順位をつけることは完了した。次は、「かつては上位に表示されていたが、現在は上位表示されていないページ」の順位を改善する作業だ。

サーチコンソールにログインし、該当のページを探してクリックし、「クエリ」をクリックしよう。

上位5位に表示されていないキーワードや、表示回数が多いキーワードは修正の対象にふさわしい。記事内容が検索キーワードと関連しているか、確認しよう。

もし関連性が薄ければ、記事内容を修正し、最低でも該当のキーワードを含めることや該当するトピックを追加しよう。

すでに5位以内に表示されているキーワードについては、Ubersuggestを使用しよう。Ubersuggestに該当のキーワードを入力し、キーワードアイデアのレポートをクリックしよう。

レポート内には、該当のキーワードに関連するロングテールのキーワードが表示されているはずだ。

Ubersuggestで取得したロングテールのキーワードに合わせて記事を修正したり、そうしたトピックを含めたりことで、検索トラフィックの上昇が期待できる。

言い換えれば、すでにビッグキーワードで上位表示されていた場合、ロングテールでの上位表示の可能性も高くなる

適切なキーワードを追加し、記事をアップデートしよう。全ての情報が関連していることを確認し、写真を最新のものに替えよう。マルチメディア(関連する内容のYouYube動画を埋め込むなど)も追加できるのであれば、ユーザーの滞在時間も伸ばすことができるだろう。

最後に、コンテンツをアップデートする場合、ターゲットとしているキーワードで上位表示されている他のページよりも、内容を圧倒することを心がけよう。

上記で説明したUbersuggestのキーワードアイデアのレポートを思い出して欲しい。レポートの右側に、該当のキーワードで上位表示されている他のサイトのリストがあるはずだ。

このリストを見ることで、それぞれの国で現在どのサイトが上位表示されているかを確認することができ、実際にそのWebページを閲覧することもできる。こうしたページよりも優れたページを作成しよう。

ユーザー指標

ユーザー行動は、Googleアルゴリズムの中でも最も大きな要素の一つだ。

古いコンテンツをアップデートした場合、ランキング上昇の手助けのために、ユーザーからのシグナルも最適化したいと思うはずだ。

ユーザー指標改善の良い例として、タイトルタグメタディスクリプションの最適化が挙げられる。

例えば、Googleで検索した全てのユーザーが、1位に表示されているページではなく、2位に表示されているページをクリックした場合、それらの行動指標は2位に表示されているページはより関連性が高いということをGoogleに伝えることになり、結果として2位に表示されているページが1位に表示されるようになるだろう。

実際に、Googleはそうした変更を行っているはずだ。

魅力的な訴求文を作成でき、競合サイト以上に多くのユーザーがクリックしてくれれば、あなたのページが上位に表示されるようになるはずだ。上位表示を実現するためには、下記の2記事を参照して欲しい。

私は何年もタイトルタグとメタディスクリプションのテストを行っているが、下記のようなキーワードを含めるとCTRの増加を手助けすることがわかっている。

  • 〇〇とは何か(What is)
  • 最高の(Best)
  • 驚くべき(Amazing)
  • 【リスト】([lists])
  • 〇〇の方法(How to)
  • 無料(Free)
  • あなた(You)
  • ヒント(Tips)
  • なぜ(Why)
  • トリック(Tricks)
  • 素晴らしい(Great)

Clickflowを使用してメタタグのA/Bテストを行うのも良いだろう。

再度宣伝することをお忘れなく

コンテンツは最新の内容になり、クリックを促すためのメタタグの最適化も完了した。次は、あなたのコンテンツのプロモーションを行おう。

「なぜ、古いコンテンツのプロモーションをするのか。」とお考えの方もいるだろう。

事実上、アップデートしたコンテンツは、もはや古いコンテンツではないのだ。

まずは、公開日、もしくは、最新更新日をWordPressでアップデートしよう。

こうすることで、あなたのコンテンツが更新され、より関連性が高まり、最新の情報になっていることを検索エンジンが知ることができる。

次に、記事のプロモーションを行おう。新しい記事を世界中に共有しない手はないはずだ。

最も簡単な方法は、ソーシャルでの共有だ。通常、私はFacebook、Twitter、LinkedInで共有しているが、あなたが活動しているソーシャルの中で何を選んでもよい。

Googleはソーシャルシグナルを見ていないが、Bingは見ている。加えて、ソーシャル経由であなたのページに訪問したユーザーがリンクを貼ってくれる可能性があり、それはランキングに影響を与えるだろう。

この施策をさらに進めたいのであれば、Meed Edgarをチェックしてみよう。私はこのツールを使用して、古いコンテンツのソーシャル共有のスケジュールを立てている。手動で作業を行う必要はなくなるし、リマインダーも設定しなくてよくなる。

ソーシャルでの共有に加え、あなたのオーディエンスにメールを送付しよう。

トラフィックの早急な獲得と古いコンテンツに新しい息吹を与えるための素晴らしい方法だ。

下記に私が使用しているサンプルを記載するので、参考にしてほしい。

タイトル:全く新しいブログで6ヶ月以内に1万流入を得る方法

仮に、トラフィックを獲得するための100個のすべきことを伝えたところで、あなたは実行してくれないはずだ。

私だってしたくない。することとしては多すぎるからだ。

簡潔に物事を行う精神のもと、これだけ(記事へのリンクを貼る)を行って欲しい。さすれば、1万流入を獲得できるだろう。

こちらに書かれていることを実践しても1万流入を得られなかった場合、無料であなたの手助けをすることを約束する。

そう述べるまでに、私はこの記事に対する自信がある。

ニール・パテル

単純なテキストベースのメールにすれば、開封率は30%上がり、クリック率も6%上昇している。悪くない結果だ。

また、Subscribersのようなツールを使用すれば、プッシュ通知を送ることもできる。下記は私の記事をプッシュ通知した際の結果だ。たった1回のプッシュ通知で7,000流入を追加で獲得できている。

(ホワイトな)リンクビルディングを忘れてはならない

最後のステップは、リンクビルディングだ。Backlinksを使用して、競合の記事へリンクしている人を探し出そう。

競合ページのURLを貼り付け、ドロップダウンメニューから”URL”を選択すれば、該当のページへリンクを貼っているサイトを確認することができる。

これらのサイトに連絡を取り、自身のページへリンクを貼ってくれることを依頼しよう。

最も簡単な方法は、スカイスクレイパー・テクニックを使用することであり、その方法はこちらの記事に記載されている。

参考記事:スカイスクレイパー・テクニック。14日間で検索トラフィックを110%増加させた、リンクビルディングのケーススタディ(SEO Japan)

結論:古いコンテンツのアップデートに時間を費やそう

作成した記事数が150ほどになったら、新しいコンテンツの作成だけでなく、多くの時間を古いコンテンツのアップデートに費やすべきだ。

1,000ページ以上のサイトの場合は、80%以上の時間を古いコンテンツのアップデートに費やしたほうがよい。

古く、廃れたしまったコンテンツのランキングを上昇させるためには、かつては上位表示されていたが、今は上位表示されていないコンテンツから注力すべきだ。

こうしたページをアップデートすれば、1ヶ月~2ヶ月ほどで結果が出てくるだろう。その後、表示回数が高く、CTRが低いコンテンツに着手すればよい。

古いコンテンツのアップデートか、新しい記事の作成か、あなたの時間をどちらに費やすかを判断しよう。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How to Rank Your Old, Outdated Content」を翻訳した内容です。

バックリンクの獲得がSEOの最も重要な施策である時期が過ぎた後、コンテンツへの注目が高まり、多くの記事を量産するサイトが散見されました。

しかし、量産された記事の品質は低いことが多く、期待した通りのパフォーマンスにならないケースも多かったと思います。

言うまでもないことですが、現在のSEOではユーザーに目を向ける必要があり、コンテンツの質も向上させなければなりません。新鮮な情報を掲載した記事は重要ですが、過去に作成した記事のアップデートも、品質向上における重要な施策です。

自身のサイトの”資産”を有効活用するため、過去記事のアップデートにはぜひ取り組んでいきましょう。

Googleが「検索結果をシェア可能にする機能」をテスト中

Googleは絶えず新しいUIをテストしています。大きな変更もあれば、その逆もまた然りです。
今回は、どうやら「検索結果をシェアできるようにする機能」のテスト中とのこと。
本実装されるかはまだわかりませんがが、頭の片隅に留めておくと良いかもしれません。

Googleは、また検索結果の新機能をテストしている。

何人かがTwitterで、Google検索結果の共有を可能にする機能のスクリーンショットを共有している。

この新機能には、「共有・キャッシュ・新しいウィンドウで開く」の3つのアイコンがある。

シェア機能のイメージ

以下がTwitterで見つけたスクリーンショットである。

シェア機能の使い方

シェア機能のベータテストが行われている場合、検索結果の右上にある3つの点をクリックすることでアクセスできる。

Googleは絶えず新しいユーザーインターフェイスをテストしているため、運が良ければこのGoogleのテストに参加することができるだろう。

シェア機能の何に注目すべきか

Googleは長年にわたり、Google+やその他の方法で検索結果のシェアを試みてきた。これはGoogleによる再試行である。

この新機能がローンチされるかどうか、断言はできない。

また、この新機能は、ユーザーが「検索する」以外の形で検索結果にアクセスする手段となることだろう。

Googleの検索結果のインターフェイスが変わると、Webサイトへの流入に影響が及ぶ可能性がある。

ただ、これはテスト段階にあるようにみえるが、それでも流入に大きな影響を及ぼすインターフェイスとなるようには思えない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google may be testing shareable search results snippets」を翻訳した内容です。

Googleは「検索結果をシェアできるようになる新機能」のテスト中とのことでした。
日々検索結果(SERPs)を眺めていると、様々な発見がありますが、「シェア機能」はありそうでなかった新しい切り口になります(Google+はありましたが)。

若い人ほど、TwitterやInstagramなどのSNSで検索する傾向が強くなっているようですが、この新機能はGoogle検索の利用者をさらに増やす一手となるのでしょうか。今後の動向が気になる記事でした。

Googleの品質評価ガイドラインは、検索ランキングの仕組みを解説したものなのか?

Googleが公表し、度々更新されている品質評価ガイドライン。Googleの「Webサイトの品質」に対する考えを読み解くことができるものであり、SEO担当者以外でも目を通された方は多いと思います。

非常に重要な資料であることは間違いないのですが、「読むとGoogleのアルゴリズムの中身がわかる」や「順位をあげるための方法が書かれている」といった資料ではありません。

では、我々は「品質評価ガイドラインをどのようにとらえるべきか」「サイト運営にどう活かすべきか」、これらを解説したSearch Enjine Journalの記事を紹介させていただきます。

※参考:Google 品質評価ガイドライン解説(2019年5月版)|電通デジタル

昨今のSEO業界では、Googleのコアアルゴリズムへの答えを、品質評価ガイドラインの中から見出そうとする動きが見られる。

果たして、品質評価ガイドラインには、Googleのアルゴリズムを把握する手がかりが書かれているのだろうか。もしくは、それはサードパーティの品質評価者へ、Webサイトを評価する方法を教えるためのマニュアルに過ぎないのだろうか

品質評価ガイドラインはE-A-T(Expertise:専門性、Authority:権威性、Trustworthiness:信頼性)という概念が記された文章である。SEO業界にいる者には、「専門性・権威性・信頼性」が欠けていることが、特定のWebサイトにおけるトラフィックの減少の理由であると信じている者がいる。

E-A-Tを満たすサイトへの評価

Googleが専門性、権威性、信頼性のあるサイトに良い順位を与えているという考えは、決して非論理的な考え方ではない。

E-A-Tが欠けているサイトは、Googleのアップデートによってネガティブな影響を受ける可能性がある。

品質評価者と著者の経歴

品質評価ガイドラインは、品質評価者に対し、コンテンツの著者が専門家であることを確かめるため、著者の経歴を確認することを求めている(資格を保有しているか、受領歴はあるか など)。その理由は、「品質評価者がコンテンツの著者の信頼性を確認する方法を理解してほしい」と、Googleが望んでいるからだ。

SEO業界にいる者は、著者の経歴を強力なランキングシグナル(指標)として扱うこともある。Googleのウェブマスターヘルプフォーラムを覗けば、著者の経歴の欠如をサイトの順位下落の要因としているSEO担当者を発見できる。

著者の経歴と信頼性を強力なランキングシグナルとして認識し、「これらのシグナルが欠けていることがランキングの下降を引き起こしている」とするSEO担当者がいるのだ。

Google検索のトップは品質評価ガイドラインをどのように説明しているか

Google検索のトップであるベン・ゴメス氏は、「品質評価ガイドラインはランキングを生成するアルゴリズムについて書かれているものではなく、Googelが望む検索結果になっているかどうか、人間の評価者からのフィードバックを得ることが目的だ」と述べている。彼は、品質評価ガイドラインを読むことを時間の無駄とは思ってはいないが、他にも考えるべきことがあるとも述べている。

Google検索のヴァイス・プレジデントであるベン・ゴメス氏のCNBCによるインタビューについて、ビル・スラウスキ氏がTwitterで言及している。ベン・ゴメス氏は、「品質評価ガイドラインは、Googleのアルゴリズムを説明したものではない」と述べている。

Googleのヴァイス・プレジデントが語った内容

「品質評価ガイドラインは、我々が”検索アルゴリズムをどうしていきたいか”を示したものとみなすことができる。」とGoogle検索、アシスタント、ニュースのヴァイス・プレジデントがCNBCに語っている。「品質評価ガイドラインは、検索エンジンのアルゴリズムがどのようにして検索結果を順位づけしているか、については書かれていない。基本的には、アルゴリズムがすべきことを示した内容となっている。」

ベン・ゴメス氏のインタビューはこちらで読むことができる。

品質評価ガイドラインはランキングシグナルを説明していない

品質評価ガイドラインは、アルゴリズムの実験をレビューする方法を、品質評価者に指南するためのドキュメントとして存在している。

品質評価ガイドラインには、ランキングシグナルを解説する内容は記されていない。非専門家へ、Webサイトをレビューする方法を伝えている。それだけだ。

品質評価ガイドラインは、評価方法を伝えているもの

アルゴリズムを分析するために品質評価ガイドラインを使用することは、間違った使い方である。

品質評価ガイドラインは、「Googleが高品質なWebサイトをどのように説明しているか」について書かれているのである。

品質評価ガイドラインには、ランキングシグナルやGoogleのアルゴリズムの要素については書かれていない。つまり、Wikipedia、ニュースサイト、Yelpのようなレビューサイトなどを確認するよう、品質評価者に求めていたとしても、Googleがそれらをランキングシグナルとして使用しているわけではない。

「Googleのアルゴリズムの変更が機能しているかどうか」を評価する目的で、サイト品質の確認を、品質評価者に求めていることを意味しているのだ。Googleが、品質評価者の直感ではなく、公平な視点による評価を求めることは、非常に理にかなったことである。

おそらく、これが、Googleが品質評価者に該当のサイトや著者が信頼に値するかを見極めるために、第三者視点での評価を依頼している理由だ。評価者の主観的な判断より、よっぽど強固な証拠となるからだ。

品質評価ガイドラインは、SEOのバイブルではない

品質評価ガイドラインは、検索エンジンのアルゴリズムの仕組みを示す内容を提供しているわけではない。

Googleのアルゴリズムを理解する目的でこのドキュメントを使用することは、誤ったことである。品質評価ガイドラインをもとにアルゴリズムを読み解こうとすると、間違った結論を導き出してしまうだろう。

品質評価ガイドラインは、高品質なWebサイトを作成する手助けとなるアイデアを含んでいる。しかし、特定のランキングシグナルについての説明は記述されていない。

品質評価者への最適化は不要である

品質評価ガイドラインを読んだことのある者は多いだろう。

そして、「品質評価者やGoogleが自身のサイトをどのように評価するのか」と、不安を覚える者もいる。そのため、彼らは品質評価ガイドラインに書かれている内容に従うことで、”品質評価者に対して”サイトを最適化しようとしている。

しかし、アルゴリズムの向かっている方向と、品質評価ガイドラインの目的は、必ずしも一致しない。

ジョン・ミュラー氏も品質評価者の役割について、以下のとおりに説明している。

Googleのチームがアルゴリズムに改善を加えた場合、その改善結果をテストする。品質評価者は、そのテストの手助けをしてくれているのだ。

我々は品質評価者へ、改善が行われた場合と行われなかった場合の検索結果ページのリストを渡す。そして、彼らにそれらの検索結果を見てもらい、どちらの検索結果が良いか、理由を添えて判断してもらっている。

その判断の手助けとなるために、我々は品質評価ガイドラインを作成しているのだ。

品質評価ガイドラインは、品質評価者が検索結果を評価する手助けとなるために存在している。特定のランキングシグナルについて言及しているわけではない。

品質評価者は、ランキングに直接的な影響を与えていない

品質評価者による評価は、「特定のサイトのランキングに対し、直接の影響を与えていない」と、ジョン・ミュラー氏は述べている。

その理由は、品質評価者はGoogleのアルゴリズムを評価しているのであって、特定のWebサイトを評価しているわけではないからだ。彼らがWebサイトを確認する目的は、「アルゴリズムの変更がどの程度うまくいっているか」を評価するためである。

ジョン・ミュラー氏の説明

品質評価による評価がただちにあなたのサイトや特定のサイトに対し影響を与えることはない。

彼らに対し、なにか対策をする必要はないのだ。品質評価者への最適化は必要ない。

我々は、各Webページの関連性を理解するため、Web全体を自動的、アルゴリズム的に評価したいと考えている。品質評価者は、そうした我々のアルゴリズムの改善の手助けをしてくれているのだ。

品質評価者の仕事は、ランキングとは独立している

「我々は品質評価者に特定のページの評価を求めているが、そのことに対し、サイト運営者が危惧することはない」とジョン・ミュラー氏は述べている。

品質評価者があなたのサイトの特定のページを評価しているのか、また、彼らは何をしているのか、ということについて心配する必要はない。

なぜなら、品質評価者が行っていることは、Webサイトを順位づけすることと、完全に独立しているものだからだ。

Googleに関する特許や論文を調査する

Googleのアルゴリズムの内部を考察するのであれば、特許や論文を参考にしたほうがよい。検索エンジンや大学は、彼らの発見を守るため、特許を申請している。Googleは、スタンフォード大学などと同様、多くの論文を公表している。マイクロソフトも同様だ。

特許や論文内にある検索エンジンが使用しているテクノロジーの理解に苦しむ人は多いだろう。それらは簡単に理解できるものではなく、論文に書かれているテクノロジーが実際に使用されているかどうかもわからない。

しかし、論文が公表されたという事実は、「ランキングシグナルとして実際に使用されるかもしれない」という仮説として捉えることもできる。論文の存在は、ただの仮説をアップグレードすることにつながるし、実際にその技術が使用されることだってありえるのだ。

検索エンジンの特許

特許や論文の探し方がわからない場合は、ビル・スラウスキ氏のSEO by the Seaを読むといい。何か新しい特許があれば、彼が記事を書いてくれるだろう。

SEOの都市伝説と真実

品質評価ガイドラインに関連した多くの理論は、特許や論文の内容に基づいたものではない。

例えば、「著者の経歴が強力なランキングシグナルであり、サイトの順位下落の要因として十分な要素である」という理論は、論文や特許の内容に基づいたものではない。

明確な根拠のないランキングシグナルを信じるということは、この地球が平であると信ずるものと同じ領域にいると考えられる。これは都市伝説のようなものであって、事実や根拠に基づくものではないのだ。

品質評価ガイドラインに記載されていることが、必ずしもランキングの基準であるとは限らない。

※ジョン・ミュラー氏による、品質評価ガイドラインの説明の動画はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=MD6ABXMMuaI&feature=youtu.be&t=707)から視聴できる。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Quality Raters Guidelines and Google Ranking Signals」を翻訳した内容です。

品質評価ガイドラインは、かつては非公表(それでもリークされていましたが・・・)でしたが、現在は誰でも閲覧できるようになり、非常にオープンな資料となっています。それに伴い注目度も増している感がありますが、それゆえ、「品質評価ガイドラインを読めば、検索結果での順位を上げることができる」と考える方も増えているかもしれません。

記事では、しつこいくらいに「品質評価ガイドラインとランキングに直接の関係はない」と述べていますが、大事なことなので繰り返し強調しているといった意図を感じます。

品質評価ガイドラインは非常にボリューミー(しかも英語)な資料であるため、しっかりと読み込んだにもかかわらず、誤った理解をしてしまうと非常にもったいないです。Webサイトの状況によって異なりますが、適切な理解をもって活用するべきでしょう。

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【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと

新しく作成したコンテンツが素早くインデックスされれば、その分検索からの流入機会も増加するため、SEOの施策としては非常に重要です。

Googleにインデックスされるために必要な施策は複数考えられますが、その中で最も効果的な施策は何でしょうか。

結論から申し上げると、「考えられるあらゆる施策を行うべき」となりますが、個別の施策の効果を検証することで、よりその重要性が理解できると思います。今回の記事はニールパテル氏が実際に行った検証実験の結果という非常に興味深い内容となっています。要注目です。

 

私が特定のトピックでブログ記事を書くと、何が起きるだろうか?

大抵の場合、コンテンツを公開した日と同じ日にGoogleにインデックスされ、1週間以内で上位表示される。

上記画像で確認いただけるが、私のサイトのドメインスコアは94であり、633,791本の被リンクを獲得している。(自身のサイトのドメインスコアと被リンクの本数に興味があれば、被リンクチェックツールにあなたのサイトのURLを入力して確認してほしい。)

しかし、私のサイトほどドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトの場合、どういったことが起こるだろうか?

インデックスされるまでの期間が長く、思ったほど上位に表示されない可能性もある。

しかし、この状況を変えることもできるはずだ。しかも、時間がかかり多くの労力が必要とされるリンクビルディングを手法として数えることなく。

そこで私は、ドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトにおける、最も理想的な施策を探し出すため、ちょっとした実験を行うことにした。

5ヶ月ほど前、私のメールリストの一部を利用し、私の実験に参加してくれるメンバーを募った。

ご想像の通り、数千ものWebサイトのオーナーが参加してくれることとなった。その中から、効果的な実験を行うため、ドメインスコアが30未満かつ、被リンク数が40本未満というサイトを対象とした。

こうしたサイトで新しく作成したコンテンツの順位を上げることができれば、非常に良い結果が生まれたと言えるだろう。

さらに、「domain.wordpress.com」のような、サブドメインを使用しているサイトも対象外とした。

こうした基準で選考すると、983サイトが対象となった。そのうち、347サイトが返信がなかったり、実験期間の関係上辞退したりして、最終的には636サイトが実験に参加することになった。

コンテンツをGoogleにすばやくインデックスさせるための実験

実験に参加してくれるすべてのサイトに対し、コンテンツを1つ作成するよう、依頼した。コンテンツの内容や書き方などの注文はしていない。1,800~2,000単語の記事を書くことを依頼しただけだ。

記事の長さについては厳格に規定した。自然にキーワードが含まれる十分な長さを想定したためだ。また、10,000単語以上の非常に長いコンテンツを書いた場合、上位表示されるキーワード数が多くなってしまう可能性が高まることを防ぎたかったためだ。

それぞれのサイトに30日以内にコンテンツを作成し、公開してくれるように依頼した。コンテンツの公開後、30日以内にUbersuggestを使用して、該当の記事のURLを調査している。TOP100、50、10以内に、どのくらいの数のキーワードで順位づけされているかを確認するためだ。

同様の調査を、コンテンツの公開から60日後にも行っている。大きな変化があるかを確認するためだ。

現在、Ubersuggestのデータベースには1,459,103,429キーワードの情報が格納されている。これらのデータは世界中から集められたもの(月間の検索ボリュームが10程度のキーワードも多く含まれている)であるが、今回の実験では、英語サイトのみを対象としている。

全サイトは9つのグループに分けられ、それぞれのグループに大体70サイトを割りあてている。その施策が順位上昇に影響があるかを見極めるため、それぞれのグループに行う施策は1つのみとした。

各グループの内訳は以下のとおりだ。

1.コントロールグループ

このグループでは、コンテンツの作成以外の施策は行っていない。その他のグループに行った施策と比較するためだ。

2.サイトマップグループ

このグループに所属しているすべてのサイトにサイトマップを作成する。サイトマップに公開した記事のURLを記載し、サーチコンソールからの送信も行う。

3.内部リンクグループ

以前公開された記事から今回公開した記事に対し、内部リンクを3本追加した。

4.URL検査グループ

サーチコンソールから特定のURLへのクロールとインデックスをGoogleにリクエストすることができる。「URL検査」と呼ばれる機能であるが、このグループに所属している記事からのリクエストを送信している。

5.ソーシャルシェアグループ

Facebook、Twitter、LinkedIn、Pinterest、Redditでプロモーションを行った。

6.Chromeでの検索グループ

Chromeブラウザのアドレスバーに直接該当のURLを入力し、そのサイトを検索することを40名の方々に依頼した。デスクトップとモバイルの両方を対象としている。

このグループを追加した目的は、Chromeブラウザからの訪問がランキングに影響を与えるかを調べてみたかったためだ。

7.メタタググループ

このグループに所属しているすべてのサイトに対し、私のチームがタイトルタグとメタディスクリプションを最適化した。それぞれの記事の内容にあわせて最適化を行ったが、キーワードを含めるだけでなく、よりクリックされるような表現に注力している。

8.URLの最適化グループ

キーワードを含めるよう、また、50文字以内の長さにするよう、URLを最適化した。

9.全施策グループ

上記で説明したすべての施策を、このグループに所属しているサイトに対し、行った。

結果データの分析に入る前に、注意事項を伝えておきたい。

我々は特定のグループの施策が、他の施策に影響を受けないよう、最大限の考慮をしている。例えば、サイトマップのグループに所属していないサイトへは、サーチコンソールから既存のサイトマップを削除している。

実験結果

①コントロールグループ

ドメインスコアが30以下のサイトが1ヶ月、2ヶ月でGoogleにランクインしたキーワード数はどれくらいだろうか?

このグループに対しては何の施策も行っていない

  • 縦軸:キーワード数
  • 横軸:順位
  • オレンジ:記事が公開されてから30日後
  • グリーン:記事が公開されてから60日後

被リンクがほとんどなく、ドメインスコアも低いサイトが順位づけられるキーワード数はどれくらいあるだろうか。私はその数にショックを受けた。

しかし、時間が経つにつれ順位づけられるキーワード数が増えることについては驚きではなかった。オレンジの線はコンテンツの公開から30日後、また、グリーンの線は60日後の順位付けられたキーワード数を表している。

②サイトマップグループ

XMLサイトマップの必要性はご存知だろう。ドメインスコアが低い場合はなおさらだ。少なくとも、データではそう示されている。

記事はサイトマップに記載され、サーチコンソールで送信されている

被リンク数が少なく、ドメインスコアも低い場合、Googleはあなたが望むほど頻繁にクロールしてくれないかもしれない。

しかし、サイトマップを送信することで、インデックスまでのプロセスを加速させることができる。あなたのサイトが特定のキーワードで順位づけされるまでの期間を短縮することができるのだ。

③内部リンクグループ

リンク、リンク、そして、リンク。全てのサイトが高順位を獲得するために必要なものだ。理想を言えば、外部サイトからのリンクが望まれるが、それらを獲得するのは困難だ。そのため、我々は内部リンクが順位に与える影響を調べることにした。

古いコンテンツから新しいコンテンツに内部リンクを追加することで、新しいコンテンツがより早くインデックスされる手助けとなり、順位にも好影響を与える。

特に、新しいコンテンツとの関連性があり、すでに順位づけされているコンテンツからの内部リンクは効果的である。

新しいコンテンツへ3本の内部リンクを設置している

内部リンクを3本設置した記事は、XMLサイトマップを送信しただけの場合と比べ、1ページ目に表示されるキーワード数が多かった。

④URL検査グループ

サーチコンソールのURL検査ツールは、コンテンツを素早くインデックスさせるための簡単な方法だ。

サーチコンソールにログインし、ページ上部の検索バーに該当の記事のURLを入力する。すると、下記の画面が表示されるだろう。

「インデックス登録をリクエスト」のボタンをクリックすれば完了だ。

このグループに所属する記事はサーチコンソールから手動でインデックス登録をリクエストされている

URL検査の施策は、サイトマップの施策と似た結果となった。

⑤ソーシャルシェアグループ

私のサイトで起こる現象だが、新しいコンテンツを作成し、それがソーシャルでバズった場合、Googleでの順位も急上昇する傾向がある。少なくとも、非常に短い期間においては。

しかし、数週間後、その記事の順位は落ちる傾向にある。

私のサイトの場合、十分なサンプルサイズとは言えず、また、順位が短期間で急上昇する理由は多くある。

それでも、ソーシャルシェアが順位に与える影響を見ることは、非常に興味深い。

このグループに属する記事は、Facebook、Twitter、Linkedin、Pinterest、Redditのプロモーション施策が行われている。

コントロールグループと比べ、ソーシャルシェアグループの順位状況は良かった。しかし、私のサイト(NeilPatel.com)と同様、順位が伸び続けるのではなく、2ヶ月目に順位が下降する傾向にあった。

ソーシャルシェアによる順位への直接的な影響はないかもしれない。

しかし、より多くのユーザーにコンテンツを見てもらうことで、被リンクを獲得するチャンス、ブランド名検索の増加、ロイヤリティの上昇機会、などが増加する可能性がある。

⑥Chromeでの検索グループ

Googleは、Google AnalyticsとChromeのデータを順位付けに使用している、と主張する者は多くいる。

しかし、今回の実験では、それを証明することはできなかった。

ランダムで選んだ40人のユーザーへ、該当の記事をChromeで直接検索することを依頼した。ユーザーには、該当の記事以外の記事をクリックをし、少なくとも2分間滞在することを依頼し、この施策を1週間続けた。

40人のユーザーによって、該当の記事URLをChromeブラウザで検索してもらう

順位状況はコントロールグループとほぼ一緒だった。

⑦メタタググループ

内部リンクのグループと非常に似た結果となった。そして、2ヶ月後の順位は他のグループよりも良かった。

タイトルとディスクリプションの内容にキーワードが含まれていて、クリックを訴求する内容に最適化する

ユーザー行動に関連する指標はGoogleのアルゴリズムの重要な箇所である。競争力のあるタイトルとディスクリプションを作成できれば、クリック率の上昇が見られ、最終的には順位上昇も期待できるだろう。

メタタグの改善によって順位を上昇させたいのであれば、正しいキーワードを含めるだけでは不十分である。

クリック率を増加させる内容にする必要があるが、それについては、「新規コンテンツの作成とリンクビルディング以外で上位表示を加速させる方法(英語記事)」を参照してほしい。

⑧URLの最適化グループ

こちらのグループは、URLの長さがGoogleの順位に影響を与えるかを調べることを目的としている。

URLを50文字程度にし、キーワードを含める

上記のデータを見る限り、URLの最適化も順位に影響を与えていそうだ。内部リンクやメタタグの施策ほどではないが、影響自体はあることがうかがえる。

SEOフレンドリーなURL(https://neilpatel.com/blog/seo-urls/)を作成するコツは、1つか2つのキーワードを含め、短いURLにすることだ。

下記のような、長く、説明しすぎなURLにするべきでない。

「neilpatel.com/blog/how-to-optimize-your-meta-tags-for-search-engines」
*検索エンジンのためにメタタグを最適化する方法

こうしたURLは、超ロングテールでの順位が良くなるが、よりビッグなキーワード(上記の例では「メタタグ」など)の順位状況は芳しくない傾向がある。ビッグキーワードで上位表示を狙うのであれば、下記のようなシンプルなURLが好ましい。

「neilpatel.com/blog/meta-tags/」

短いURLの利点は、ビッグキーワードでもロングテールでも上位表示しやすいことだ。

結論(⑨すべての施策を行ったグループ)

今回の調査でわかったことは、メタタグ、URL内部リンク、ソーシャルシェア、サイトマップなど、小さな施策でも順位への影響は確認できるということだ。

しかし、特に新しいコンテンツでの上位表示を狙うのであれば、今回の施策のうちの1つを行えばよいというわけではなく、全ての施策を行うことが重要になる。

今回の調査で行った全ての施策を行うグループ

上記のグラフで示されている通り、全ての施策を行ったグループの順位状況が一番良かった。もちろん、XMLサイトマップとURL検査のように、効果が重複してしまう施策もあるが。

また、全ての施策を行ったとしても、劇的に順位状況を改善できるものでもない。SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。

新しいコンテンツと古いコンテンツの両方で順位を改善させたいのであれば、あらゆる施策を行うことが必要だ。

今回の調査で行った施策の中に、画期的な施策は含まれていない。

しかし、それぞれのデータを見て、どの施策が順位に与える影響を確認することは非常に興味深い。

今回の調査について、あなたはどう思うだろうか?

この記事は、Neil patel.comに掲載された「How to Rank New Content Faster」を翻訳した内容です。

記事で言及されている「SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。」という箇所が全てを物語っていると感じます。

かつては、SEO施策の中でも明らかに効果があるものが存在し、そちらに注力する傾向がありましたが、今はそうはいきません。考えつく限りの、あらゆる施策を行う重要性を改めて実感できる記事でした。

【調査データと考察】一切クリックされない検索は全体の49%。今後は少数の圧倒的勝者にトラフィックが集中する

Googleが、検索結果で表示される情報をよりリッチにしていく傾向が続いていますが、「自社サイトへのクリックが奪われてしまう」といったWebマスター側の懸念はよく聞きます。

先日、若者を中心としたユーザー行動の調査結果の記事を紹介させていただきましたが、今回は検索全体の調査記事となります。SEO JapanではおなじみのSearch Engine Landから、Jumpshot社が行った調査データをもとに、ランド・フィッシュキン氏が見解を述べている記事を紹介いたします。

SEO担当者としても非常に気になるトピックですが、その調査結果は、いかに。

Jumpshot社による調査によると、Googleの検索エンジンを利用した検索行動全体において、そのうちの49%は自然検索結果をクリックせずに検索行動を終えるものである。

しかし、自然検索結果へのクリック数は、広告へのクリック数の12倍に昇る。

部門にもよると思うが、3年前と比べ、今日のマーケターはおそらく複数のポジションを任せられていることだろう

これは、SparkToroの創立者であり、Googleのクリック率の調査についての記事を執筆したランド・フィッシュキン氏がSearch Engine Landに語ってくれた言葉だ。

マーケティング調査会社のJumpshot社から提供されたデータによれば、Google検索でクリックが発生しないケースは、ここ3年間で上昇傾向にあるとのことだ。

Jumpshotが計測しているデータを分析した結果、2019年の第一四半期では、米国のGoogleで行われた検索のうち、48.96%がクリックされなかったという。この数字からは、2016年の第一四半期と比較し、12%も増加していることが読み取れる。

また、2019年の第一四半期で行われたGoogle検索のうち、41.45%がGoogle以外のWebサイトへのリンクをクリックしており、5.9%がGoogleの所有するWebサイトへのリンクをクリックしている。クリックをしたユーザーのみに絞り込むと、12%がGoogleの所有するWebサイトへのリンクをクリックしている。

「旅行、ホテル、フライト、歌詞など、あなたがGoogleが参入を決意した市場にいる場合、検索市場の覇者であるGoogle企業は市場における競合相手となり、多くの機会を奪っていくだろう」。これは、前述のランド・フィッシュキン氏がニューヨークで行われたSMX Eastのキーノートで語った言葉である。

Googleで検索をした後、ユーザーはどこをクリックするのか(2019年第一四半期)

  • 黒:クリックが発生しない検索・・・48.96%
  • 青:Google以外のサイトへの自然検索結果のクリック・・・41.45%
  • 紺:Google以外のサイトへの広告のクリック・・・3.58%
  • ピンク:Googleのサイトへの自然検索結果のクリック・・・5.90%
  • その他:Googleのサイトへの広告のクリック・・・0.11%
  • データソース:JumpshotとSparkToro

(データ情報:10億回の検索、1,000万のモバイルとデスクトップのデバイス)

自然検索結果のクリックへの侵食

Jumpshot社の算出によると、2019年の第一四半期では、615億回のクリック(自然検索、かつ、ブラウザベース)が発生している。同社が算出した、2016年の第一四半期のクリック数は756億回であったため、20%近い減少となっている。

Googleの自然検索からのトラフィックの機会(2016年~2019年)

  • 赤:自然検索結果のGoogle以外のサイトへのクリック(モバイル)
  • 青:自然検索結果のGoogle以外のサイトへのクリック(デスクトップ)
  • データソース:JumpshotとSparkToro

(データ情報:1,000億回の検索、1,000万人のモバイルとデスクトップのデバイス)

自然検索結果へのCTRは減少し、広告へのCTRは上昇している

自然検索結果へのCTRは13%減少し、47.4%となっている。しかし、広告へのCTRは75%上昇し、3.69%となっている。

デスクトップよりもモバイル検索の方が状況は厳しい

クリックが発生しない検索と広告のクリックの増加はモバイルにおいて顕著だ。

また、上記のグラフで示されているとおり、検索トラフィックの獲得機会も、デスクトップと比べ、モバイルのクリック数の減少が大きくなっている。全体の検索はモバイルの方が多いため、ブランドにとっての影響は大きい。

フィッシュキン氏は、この状況の一部を「Googleの検索結果画面の積極的な機能強化と(強調スニペットによる)インスタントアンサーによるもの」と考えている。広告も、モバイルの画面では、スマートフォンのファーストビューの大部分を占めている。

参考:調査の概要

この記事で使用された図は、アメリカ国内で、1,000万のデスクトップとAndroidのデバイス環境で行われた、10億以上のブラウザ検索のデータを元に作成されている。

「iOSデバイス」「Google検索アプリ」「音声検索のみのデバイス」「モバイルアプリへランディングする」などの検索は含まれていない。

少数の圧倒的勝者に富と検索が集中する

クリックが発生しない検索は、ユーザーが求める情報が、検索結果画面で表示される場合に起こる

これは、Googleが様々な強調スニペットを提供することで実現される。

SEO InhouseのCEO、そして、Search Engine Landのエディターでもあるジェシカ・バーマン女史は、SMX Advancedのキーノートにて、「Googleは検索エンジンとしての側面を弱め、ポータルとしての側面を強化している」という考えを披露している。また、検索結果画面の変更に対し、企業が準備すべきことも提言している。

「”強調スニペットの高機能化”と”クリックが発生しない検索の増加”というトレンドは、より資金のあるブランドにとって有利な状況になるのか?」という問いに対し、フィッシュキン氏は、「そうかもしれない。しかし、国内のビジネスを取り巻く環境を反映しているともいえる」と返答している。

比較的小規模なブランドも強調スニペットやリッチリザルトに採用される場合もあるが、(資本力のある企業が有利になるという)あなたの分析は概ね正しい。

Google検索からのトラフィックは、さらに少数の巨大な勝者へと流れるだろう。

公平に言うと、このトレンドは、アメリカの経済の全般のトレンドとも言える。富の集中と検索の集中は相関している。

また、どちらももたない弱者は、よりGoogleを批判する傾向にある。

なぜ、我々は検索結果上のクリック数の減少を気に掛ける必要があるのか?

検索の半分が検索結果に表示されるリンクをクリックせず、その内の12%がアルファベット社(Googleの持株会社)の保有する資産へと導かれる状況において、自然検索における窮地と考えるマーケターもいるだろう。特に、旅行予約やフード・デリバリーなど、Googleと競合する業界においては。

しかし、Googleが検索結果上で自社サービスを展開していることを楽観的に見るべき理由も存在する。

「Googleと直接競合していない分野と比べると、クリックされる機会は少ないかもしれないが、競合している分野よりも検索者は多く存在するだろう」と、フィッシュキン氏は指摘する。

また、強調スニペットへの最適化や構造化データの実装などは、Web上の発見性(見つけやすさ)と検索者の行動に対する、効果的な施策となりうる。

Googleのビジネスモデルについては司法省も関心があり、厳しい監視下におかれている。この流れを断ち切るポジションにいるマーケターも存在するだろう。

「多くの報道の関心を引き寄せ、政府機関がGoogleを注視している状態ではあるが、マーケターとパブリッシャー(発信者)がGoogleの行動に影響を及ぼす機会はあるだろう」と、フィッシュキン氏は述べている。

こうしたマーケターによる貢献が、検索業界の覇者(Google)が”公平で、開かれており、健全な競争が保持される環境”を作る手助けとなればいいと考えている。

この記事は、Search Engine landに掲載された「49% of all Google searches are no-click, study finds」を翻訳した内容です。

米国のユーザーが対象、また、iOSデバイスが含まれていないなどの条件はありますが、検索ユーザーの行動を推し量る上では有用な調査であったと思います。

Googleの検索結果の変更は賛否両論あると思いますが、検索ユーザーの行動の変化は事実として受け止めるべきでしょう。

「重要なキーワードの順位を死守する」だけでなく、「複数キーワードでの上位表示獲得」や「コンバージョン増加のための施策」など、SEO戦略自体を拡大させていきたいと、改めて思える記事でした。

Wayback Machineに新機能「Changes」が追加。コンテンツの追加と削除の差分が比較可能に

Wayback Machineは、任意のURLにおける過去のWebページを閲覧できるツールです。

今回、Wayback Machineに過去のコンテンツの変更を比較・分析できる新機能「Changes」が追加されました。これはSEOやサイト改善を行うWeb担当者にとって、有用な機能となりそうです。

新機能「Changes」、その概要をご紹介します。

Wayback Machineの新機能「Changes」では、同じURLを異なる日付で比較し、変更・追加、または削除されたコンテンツを確認できる

Wayback Machineは、特定のURLにおけるコンテンツの変更履歴を、ユーザーが識別しやすくするために設計された「Changes」という名前の新しい機能のベータ版を追加した。「Changes」はコンテンツの追加と削除を黄色と青色で強調表示する。

「Changes」の使い方

Wayback Machineにアクセスして、特定のURLを入力した後、Enterを押す。

SEO Japanの例

次に、URLボックスの下にある「Changes」ボタンをクリックすると、カレンダービューがロードされる。そこで、Wayback Machineが撮った2つのスクリーンショットを比較することができる。

(SEO Japanの例。黄色が削除、青色が追加を示す。記事が更新されて過去の記事が2ページ目以降に行くと、削除された扱いとなるようです。)

インターフェイス

以下は、比較したい2つのスクリーンショットを選択した時のインターフェイスの画像である。

※黄色が「コンテンツの削除」、青が「コンテンツの追加」。緑になっている箇所は、コンテンツの削除と追加が同時に行われたことを示している。

現在、Changesはベータ版である

現在、「Changes」はベータ版であり、十分な機能があるとはいえない。

コンテンツの削除は黄色で強調表示され、コンテンツの追加は青色で強調表示される。

なお、現段階で、このツールは正しく機能していないため、正確性や安定性に欠けることがある。

Changesはどのような用途に有用か

「Changes」は、SEO担当者が以下のような目的で使用する上で、優れたツールである。

  • 新規ドメインの調査
  • 新規クライアントのサイト履歴の分析
  • リンク分析
  • コンテンツ分析

サイラス・シェパードは自身のTwitterで以下のように述べた。

もし、サイト変更を診断・追跡するためにWayback Machineを使用したことがあるのであれば、あなたにとって、Changesの追加は素晴らしいアップグレードになるだろう

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Wayback Machine adds ‘changes’ feature」を翻訳した内容です。

Wayback Machineの新機能「Changes」の概要をご紹介しました。

コンテンツの追加や削除を視覚的に確認できるのは、とてもありがたいですね。Changesはまだベータ版とのことですが、今後より使いやすくなっていくことでしょう。

サイト改善において、「自社やクライアントのサイトがどのように変更されてきたのか」を把握することは非常に重要です。ぜひサイト改善に役立ててみてはいかがでしょうか。

【ビギナー向け】サイト内検索のデータからユーザーニーズを発見し、サイト改善に活用しよう

Webサイトの改善策として重要な、しかし、忘れられがちな「サイト内検索」。

今回の記事は、この「サイト内検索」の重要性を解説した記事となります。「サイト内検索」が頻繁に利用されるサイトとあまり利用されないサイトがあるとは思いますが、しっかりと分析をすれば、意外な改善点が浮かび上がることもあります。

改善点の手がかりとなりうる「サイト内検索」。その活用法を振り返ってみましょう。

Webサイトへの訪問客は、改善につながる多くのデータを残してくれている。こうしたデータをコンテンツ改善の計画に役立てよう。

多くのマーケターが活用しきれていないが、最も基本的で価値のあるデジタルマーケティングツールが一つある。サイト内検索だ。

あなたのサイト内でユーザーが検索している情報から学ぶべき内容は多い。マーケターはこのデータを分析し、ユーザー体験の改善やより多くのリード、顧客、売上の獲得に活かすべきである。

サイト内検索とは?

サイト内検索は、特定のキーワードやフレーズを入力することで、ユーザーがWebサイト内で探している情報を提供する機能である。

サイト内検索を利用することで、ユーザーは目的の情報に直接アクセスすることができ、サイト内のナビゲーションを使用するよりも早く到達できることもあるだろう。

Google Analyticsのレポート

Google Analyticsは「行動」内で「サイト内検索」のレポートを提供している。このデータを見ることで、Webマスターとマーケターは、自身のサイトのコンテンツをユーザーがどのようにして探しているかを理解することができる。

「サイト内検索」のレポートは、ユーザーについての非常に価値ある情報を提供している。下記に抜粋してみよう。

  • ユーザーがWebサイト上のコンテンツを探す際に使用したキーワード
  • ユーザーが検索を開始したページ
  • 検索した後、ユーザーがアクセスした目的のページ
  • 検索した後のユーザーの滞在時間
  • 検索をした後、サイトを離脱したユーザーの割合

下記は「サイト内検索キーワード」のGoogle Analyticsのレポートの例である。
※元記事では「サイト内検索のカテゴリ」のレポートと記載されていますが、画像から「サイト内検索キーワード」のレポートと判断しました。

また、下記は、「検索ページ」のレポートの一例である。

サイト内検索のレポートへのアクセス方法

自身のWebサイトでユーザーがどのようにして検索しているかを見るためには、Google Analyticsのビューの設定で、「サイト内検索」をオンにする必要がある。

備考:URLに検索カテゴリのクエリの文字列が含まれている場合、サイト内検索のカテゴリもオンにする必要がある。

サイト内検索のデータを活用する最適な方法

トップページのコンテンツを最適化する

トップページはユーザーのニーズに沿って設計されるべきである。サイト内検索で最も頻繁に使用されているキーワードを確認しよう。

現状のトップページは、「そのキーワードに関連するコンテンツが含まれているか」、また、「サイト内検索で使用されたキーワードがコンテンツ内でも使用されているか」という点を確認しよう。

トップページにてユーザーが探している情報を提供することで、自然検索結果の順位改善や、トラフィックや見込み客の増加などが期待できるだろう。

サイト内検索のデータを確認した結果、多くのユーザーが特定の商品やサービスを探していることがわかった場合、トップページからこの商品やサービスについての情報に簡単にアクセスできるようにしよう。

トップページのスライダー、コンテンツのウィジット、該当ページへのリンクのデザインなどが改善の対象となるかもしれない。

追加コンテンツの必要性を特定する

サイト内検索のデータを確認することで、ユーザーにとって重要となるトピックを特定することができるだろう。

サイト内検索のデータをもとにWebサイトを改善したり、ターゲットユーザーが必要としている情報をコンテンツに追加したりするなどの計画を立てることができる。

サイト内検索のデータを利用することで、ユーザーのニーズとコンテンツのギャップを特定することができ、ユーザーが最も関心のあるトピックをコンテンツに追加することができる。

例えば、Webサイトには商品に関連する情報は豊富にあるが、ユーザーが求めているのはサポートやサービスについての情報、といったことも起こりうる。

サイト内検索はユーザーについての直接的で、アクショナブルなデータを提供してくれる。このデータをもとに、Webサイトの改善についての優先度を決定したり、サポートやサービスについての追加情報の作成を判断したりすることが可能だ。

Webサイトのナビゲーションを改善する

ナビゲーションはユーザーが目的の情報に簡単にたどり着くことができよう、設計すべきだ。ユーザーが際限なくサイト内検索を使用するといった状況を作るべきではない。

サイト内検索は、「最も検索された」という観点で、貴重なデータを提供してくれる。ナビゲーションの選択肢から、ユーザーが求めるコンテンツを発見でき、アクセスできるようにしよう。

頻繁に検索されるコンテンツは、サイト内の奥深くに設置すべきではない。目的のページにたどり着く前に、ユーザーに対し多くの経路を通過し、複数のクリックを強いることになってしまうからだ。上記の例では、「サービスとサポートのページは、メインのナビゲーション内に含めるべき」と判断できる。

サイト内検索の結果ページを改善する

サイト内検索のデータを分析した結果、多くのユーザーがサイト内検索を使用した後、サイトから離脱してしまっていることがわかったとしよう。その場合、サイト内検索の結果ページを改善すべきかもしれない。

まずは、最も頻繁に検索されるトピックやキーワードの検索結果画面から確認すべきだ。

  • 関連性のあるページを返しているか
  • 検索結果ページのナビゲーションは見やすいか
  • 複数のデバイスやブラウザで適切に表示されているか

こうした条件を満たしていないのであれば、下記の項目を確認してみよう。

  • ユーザーが検索する情報に基づいて、サイト内のコンテンツの配置を見直す
  • コンテンツを最適化し、頻繁に検索されるキーワードが含まれているようにする
  • 適切な結果を返すように、サイト内検索のアルゴリズムを深く理解する

目的のページの選択と改善

Google Analuyticsのレポートのプライマリディメンションにて、「検索のリンク先ページ」を選択できる。「検索のリンク先ページ」とは、ユーザーがサイト内検索を行なったのち、直接アクセスしたページのことである。

「検索のリンク先ページ」を読み、そのページはユーザーが探している内容を提供しているコンテンツであるかを確認しよう。

コールトゥアクション(CTA)に関連するように目的のページを改善すれば、ユーザーは次のアクションを起こしやすくなり、必要な情報を得て、あなたへの問い合わせを行うかもしれない。

サイト内検索のデータを分析する方法

Webマスター(Web担当者)とマーケティング担当者は、サイト内検索のデータをカスタマイズすべきだ。下記のような指標を設定し、カスタムレポートを作成できる。

  • メディア:ユーザーが訪問した際の流入元
  • ランディングページ:ユーザーがランディングしたページ
  • 開始ページ:ユーザーが検索を開始したページ
  • 検索キーワード:ユーザーが入力した検索キーワード
  • 検索のリンク先ページ:ユーザーがサイト内検索を行った後、訪れたページ
  • 検索回数の合計:該当のキーワードで検索されたユニークな数

このカスタムレポートはサイト内検索のファネルとして活用でき、サイト内検索を使用したユーザーのサイト内の遷移を明らかにする。サイト内検索のユーザージャーニーの一例を記載しよう。

サイト内検索を通じて、ユーザーは非常に重要なデータをWebサイトに提供してくれる。

ユーザーニーズの把握、Webサイトの全般的な改善、見込み客への必要なデータの提供、コンテンツ作成のプランなどに、サイト内検索のデータを活用しよう。

サイト内検索という、あなたが手にすることができる、最も基本的で価値のあるツールの一つを忘れてはならない。

この記事は、Search Engine landに掲載された「Back to basics: How to capitalize on site search insights」を翻訳した内容です。

サイト内検索の機能を充実させることはもちろん、実際にユーザーが残してくれたデータを元に、サイトの設計やコンテンツの見直しをすることも重要です。

ユーザーへのアンケートやA/Bテストも必要ですが、サイト内検索のデータも決して無視することはできません。

Webサイトの改善策として、サイト内検索のデータを活用できていない方は、これを機にデータを確認してみてはいかがでしょうか。

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SEO Japan|note

ユーザーの検索意図を分析し、Webサイトを最適化する3つのアクション

SEOにおいて、ユーザーの検索意図(インテント)の理解が重要であることは、もはや常識と言っても過言ではないでしょう。

しかし、その性質上、概念的な話に終止することも多く、具体的な施策に落とし込むまでのハードルは高くなっています(もちろん、キーワードやサイトのジャンルによって可変するため難しい部分はあるのですが・・・)。

今回の記事は、ユーザーの検索意図を扱った記事となりますが、比較的豊富な具体例を提示してくれています。SEO施策の良いヒントになれば幸いです。

※今回の記事は、10,000文字超と長くなっておりますので、お時間のある時にお読みいただければと思います。

検索者はどんな答えを求めているのか?

安定的で価値のある検索トラフィックを得るために、あなたはより適した答えを提供しなければならない。

ユーザーの検索意図を満たすことは、Googleの根本的な目的である。

しかし、アルゴリズムが常にユーザーの検索意図を満たせているわけではない。バックリンク(被リンク)やキーワードのような要素は、「そのWebページがユーザーの検索意図を満たしているか」についての指標とされてきた。

Googleにとっても、あなたのサイトにとっても、ユーザーの検索意図への最適化は長期の課題である。検索、そして、クリック後のユーザー行動において、ユーザーの検索意図に合致したページは、検索エンジンのみに最適化されたページよりも、高いパフォーマンスを得るだろう。

文中に特定のキーワード群を使用することや、キーワードに合致したアンカーテキストの使用などではなく、「ユーザーを幸せにすること」への注力がSEOの戦略となる。

この「ユーザーを幸せにすること」を具体的なアクションに落とし込むためには、下記の3つを知る必要がある。

  • Google(検索エンジン)はどのようにしてユーザーの検索意図を定義しているのか
  • 検索意図に対して、ターゲットキーワードをどのように評価すべきか
  • ユーザーの検索意図のデータに対し、何を行うべきか

1.Google(検索エンジン)はどのようにしてユーザーの検索意図を定義しているのか

Googleにとって、ユーザーの検索意図を理解することは、有益な検索結果を作成するための鍵となる。また、検索市場での優位性の維持と成長、さらにはより多くのユーザーに広告を見てもらうことにもつながる。

ユーザーの検索意図は、クエリ(キーワード)によって、3つのパターンに分けられる。

  • 情報型(Informational)
    何かを学ぶためのキーワード(例:マラソンの練習方法)
  • 取引型(Transactional)
    何かを購入するためのキーワード(例:マラソンシューズ オンライン 注文)
  • 案内型(Navigational)
    特定のWebサイトに行くためのキーワード(例:ランナーズワールドトレーニングプラン)

過去の研究では、80%のクエリが情報型クエリであり、別の取引型・案内型のクエリは10%づつと見積もられていた。

Googleの最新の品質評価ガイドラインでは、検索意図は4つに分けられている。

  • 知りたい(Know)
    「Knowクエリの検索意図は、特定のトピックについての情報を発見することである。ユーザーは何かについて、より多くを知りたがっている。」
  • したい(Do)
    「Doクエリの検索意図は、目標を達成すること、または、電話での何らかのアクティビティを行うことである。目標やアクティビティとは、ダウンロード、購入、獲得、エンターテイメント、Webサイトへやアプリへの関わり、などが挙げられる」
  • 特定のウェブサイト(Website)
    「Websiteクエリの検索意図は、ユーザーが求める特定のWebサイトやWebページへ到達することである。」
  • ヴィジット イン パーソン(Visit-in-person)
    「近くの情報や結果を尋ねるクエリもある(例:ビジネス、組織、その他「近くの」に関連する場所)」

Knowクエリの例をGoogleのガイドラインから抜粋。これらの情報型クエリが検索の多くを占めている(ソース

ガイドラインでは、2つのサブタイプも定義している。

  • シンプルなKnowクエリ(Know Simple)
    「シンプルなKnowクエリは、事実や図表など、特定の答えを求めているクエリです。答えとなる情報は正確で完結しており、比較的狭い領域(つまりはスマートフォンの画面サイズ)で表示されることが可能です。概して、多くの人が正確であると賛同する答えであり、1つか2つのセンテンスや短いリストで表せるものであれば、それらはシンプルなKnowクエリと呼ぶことができます。」
  • デバイスアクション(Device Action)
    「デバイスアクションのクエリは、特別な種類のDoクエリです。ユーザーはスマートフォンに対して、なんらかのアクションを要求します。デバイスアクションのクエリで検索するユーザーは、車中など、ハンズフリーでスマートフォンを操作する可能性があります。デバイスアクションのクエリは、明らかな行動を含むワードであり、検索意図も明確です。」

多くのキーワードは上記のいずれかに分類されるが、そうではないキーワードもある。

ユーザーの検索意図が曖昧な場合はどうなるか

Googleは時間を経るにつれ、検索意図が特に不明瞭なクエリにおいて、ユーザーの検索意図を解析する技術を高めてきた。(2013年のハミングアップデートは、Googleによるユーザーの検索意図の理解の大きな改善として、しばしば引用される。)

ビル・スラゥスキ氏は検索意図が曖昧なクエリの明確な例を挙げている。

仮に、誰かが「ニューヨーク ピザ サニーベール」というキーワードをGoogle、Yahoo、Bingの検索ボックスに入力した場合、その意図を明らかにすることは非常に困難である。

1.サニーベールという場所に近い、ニューヨークにあるピザ屋。
2.サニーベールと呼ばれる場所にある、ニューヨークスタイルのピザ屋。
3.サニーベールにある、ニューヨークピザという場所(お店)。
4.その他。

ケビン・インディグ氏は、「長いクエリほど検索意図は曖昧ではなくなる」としている。

音声検索の場合、曖昧さは無くなる傾向がある。なぜなら、音声検索は、通常のテキストでの検索よりも、長いクエリとなる傾向があるからだ。

また、セールス(購入)に近づくにつれ、クエリは長くなり、不明瞭ではなくなる傾向もある。始めは、「コーヒー グラインダー」で始まるクエリも、購入に近づくにつれ、「コニカル式 グラインダー レビュー」といったクエリで検索されるようになるのだ。

位置情報(IPアドレス)は、検索履歴や日時などと同様、検索エンジンにとって、ユーザーの検索意図を理解するための手がかりとなる。例えば、「花」などのような曖昧なクエリでも、2月14日と7月14日では、検索結果は変化するだろう。

サッカーのチャンピオンズリーグ準決勝当日では、「チャンピオンズリーグ」というクエリに対し、試合結果、トップストーリー、Twitterのカルーセルなどが検索結果に並ぶ。しかし、この検索結果が長期間続くことはないだろう。

複数の検索意図が混ざったクエリもあるため、検索意図の分類分けは「確率」と理解されるべきだろう。

サイト運営者にとっては、不明瞭さはアドバンテージとなりうる。

例えば、ジャスティン・ブリッグ氏はフォーラムやその他のユーザーによるメディアサイト(UGM)は、「いつGoogleが”良い結果”にリーチしたか」を明らかにするとしている。検索意図が不明瞭なクエリにしっかりと返答できれば、トラフィックも上昇するだろう。

ユーザーの検索意図を分類する手段は他にもある。主体的(Active)と受動的(Passive)の分類だ。

主体的な検索意図と受動的な検索意図

A.J.コーン氏によると、「主体的な検索意図は、クエリの文章によって明示的に表現されている」とのことだ。

しかし、「主体的な検索意図=そのクエリの唯一の検索意図」ではない。そして、ユーザーを満足させるためには、受動的な検索意図も満たさなければならない。

受動的な検索意図は、クエリの文章では明確に表現されていない。受動的な検索意図を特定するためには、「ユーザーは次に何を検索するか?」と何度も自問することが重要だ。

コーン氏の例によると、「自電車用 トレイル ウォールナットクリーク」というクエリでは、サイクリングに適したトレイルのリストが欲しいと明示的に表現されている(主体的な検索意図)。また、地図・トレイルのレビュー・写真など、暗に意味されているものもある(受動的な検索意図)。

「受動的な検索意図を満たすことは、ユーザーのエンゲージメントとコンバージョンに寄与する」とコーン氏は述べている。

主体的なインテントがファネルの上部に位置するとすれば、受動的な検索意図はエンゲージメントとコンバージョンに関わっている。それは、自身のブランドを構築する手段であり、ユーザーをコンバート(転換)させ、検索エンジンに頼り切った状態への勝利となる。

コーン氏によると、主体的な検索意図・受動的な検索意図については補足があるという。

私がよく見る間違いは、主体的な検索意図と受動的な検索意図を同等に扱ってしまうことだ。もしくは、クエリの内容と検索意図を適切に解釈することに注意を払っていないことだ。SEO担当者として、クエリから検索意図を読み取ることが、今まで以上に求められている。

では、キーワードから検索意図を特定するためには、何をすればよいのか。

2.検索意図に対してターゲットキーワードをどのように評価すべきか

検索意図が明確なキーワードは大量にある。

例えば、「ポータブル 電話 充電器 レビュー」といったキーワードの検索意図は明らかだ。

ファネルの下部に該当するクエリは、より多くの情報を提供する傾向があるため(また、インテントの曖昧さも少ない)、検索意図の評価はより早い段階のファネルの方が困難となる。こうした情報型クエリの検索ボリュームは概して多い。サイトやブランドの認知獲得のカギとなるはずだ。

小規模なサイトにとって、検索意図の評価は比較的容易である。手動の作業でも十分だろう。しかしながら、大規模なサイトにとっては、スケール化が課題となる。下記に、それぞれの対応策を記載する。

ユーザーの検索意図を手動で評価する方法

検索結果ページ(SERPs)を見てみよう。そこには何が表示されているだろうか。全ての検索結果が同じ検索意図を反映させているだろうか。

もしくは、潜在的な検索意図を満たすため、広範囲に対応しているだろうか。

検索結果の画面で、Googleはその手の内を明かしている。上位に位置する検索結果は、それらがユーザーに求められているという、十分な証拠となっている。

  • どのようなタイプのサイトが上位に表示されているか
    ex.個人のサイト・まとめサイト・個人ブログ・行政や大学のサイト
  • 上位表示されているページにはどのようなコンテンツが掲載されているか
    ex.長文形式のコンテンツ・端的な説明・画像・動画
  • そのページで最初に答えられている質問は何か
    ex.ヘッダーに含まれているテキスト、もしくは、含まれていないテキストは何か
    どのようなサブトピックが扱われているか、扱われていないか

「ベストレストラン リッチモンド バージニア」という検索結果では、2つのインテントを満たそうという考えが読み取れる。

  • Googleのレビューが記載されたローカルマップのリスト
    「ローカルのレストランに電話をかけたい・訪れたい」と考えているリッチモンドにいる検索者
  • 「ベスト レストラン」を掲載しているまとめサイトへの青いリンク
    「複数の選択肢を閲覧したい」と考えているあらゆる場所(リッチモンドに限らない)にいる検索者

この検索結果から読み取れることは、「自然検索結果の中で、自身のレストランのWebサイトを表示させようと考えない方が良い」ということだ。

あなたがレストランを経営しており、Webサイトを「最適化」することで、こうした検索結果で上位に表示させようというプロジェクトは、失敗に終わるだろう。

※補足:ユーザーが求めているのは「良いレストランを紹介しているサイト」であり、「特定のレストランの公式サイト」ではないため。「特定のレストランの公式サイト」はユーザーの検索意図に合致しない可能性が極めて高い。

このプロセスは非常にシンプルで直感的ではあるが、スケール化は難しい。では、数千ものページの検索意図を把握するためには、何をすればよいか。

検索意図の分析・評価作業をスケールさせる方法

AhrefsMozSEMRushなどのSEOツールでは、特定のキーワードの検索結果の特徴を測定してくれる。これらの特徴は、検索意図の把握をスケール化させる一つの方法となりうる。

すでにこうしたツールでキーワードを測定しているのであれば、結果をエクスポートし、検索結果の種類をもとに検索意図をカテゴライズできる。例えば、以下のとおりである。

  • 強調スニペットを表示している検索結果であれば、シンプルなKnowクエリである可能性が高い。
  • CPC(Cost / Click)が高い検索結果であれば、ファネルの下部に位置する、もしくは、取引型クエリである可能性が高い。
  • 広告が表示されない検索結果であれば、ファネルの上位に位置する、情報型クエリである可能性が高い。
  • マップを表示する検索結果であれば、ヴィジット イン パーソンの検索意図がある。

業界によって、それぞれの特徴が異なる検索意図を表すヒントとなるだろう。キーワードをサンプリングし、それらの複数の検索結果の特徴を抽出し、検索意図を読み取ってみる。

例えば、10,000キーワードの検索意図を分析したいのであれば、50キーワードをサンプルとして抽出し、それらの検索結果の特徴を分析する。その後、分析した検索意図を残りのキーワードに、プログラム化して割り振る。

その他としては、「検索意図別にキーワードの修飾語句をふるい分けする」という方法がある(サンプルのリストはこちら(英語))。現在はMozの一部であるSTATの調査によれば、「特定の修飾語句を含むサジェストは、検索意図の各領域に属する」ということだ。

検索意図の4カテゴリーと、対応する修飾語(ソース)

検索意図別に修飾語句をカテゴライズすることで、検索意図のふるい分けのスケール化が可能となる。

大量のキーワードリストがある場合は、N-gram toolを使用して、そのリストから共通の修飾語句を特定することができる。最も共通しているフレーズが、ふるい分けのベースとなるだろう(また、スプレッドシートで自動的にタグが付与されるようにすればよい)。

キーワードの修飾語句のカテゴライズは、特定の地域のコンテンツにレビューを載せたサイトや何百もの似た商品のあるサイトなど、大量に類似したコンテンツがあるサイトに特に有益である。

また、キーワードの修飾語句は、あなたが追跡すべきキーワードを増やす際も有益である。

つまり、検索意図を特定する目的としては、「キーワードに出会う場所を探すだけでなく、キーワードにあわせてコンテンツを拡大していくこと」が重要になる(詳細は後述する)。

Mozの記事では、商品についての情報型クエリで使用される修飾語句の例を載せている。

  • 「商品名」:X
  • 「商品名」とは何か:what is X
  • 「商品名」は何に役立つのか:how does X work
  • 「商品名」の使い方:how do I use X

手動にしろ、自動にしろ、タグ付けの最終結果は、検索意図ごとに分類されたキーワードのリストとなる。

Twitterの内容:非常に喜ばしい。既存のリソースの助けを借りることで、ユーザーの検索意図をベースに、自動的にキーワードを分類する公式(仕組み)を作成できた。

Googleが提唱する4つの検索意図のモデルを採用するか、またはそれ以外を採用するかは、あなた次第だ。

例えば、あなた自身のユーザージャーニーをもとにキーワードを分類しても良い。それは、ユーザーの検索意図のデータを用いてできる価値の高い作業の内の1つなのである。

3.ユーザーの検索意図のデータに対し、何を行うべきか

ユーザーの検索意図のデータは、

  • 即時の調査
  • キーワード測定の改善
  • ビジネスにフォーカスした要素をレポートに付与する

などの作業をサポートする。また、コンテンツの選択、コンテンツ戦略、Webデザインにも影響を与える。

調査と評価にユーザーの検索意図のデータを使用する

1.バイヤージャーニーに沿ったコンテンツの配置

Think with Googleの以下の主張が興味深い。

ユーザーは即時の答えを得るためにデバイスを利用する。また、彼らが検索を行う際、自身の検索意図を表現し、伝統的なマーケティングファネルを再構築する。

顧客は検索エンジンを使用し、検討段階を経て、購入に至る。

あなたは、こうした検索意図をあなたのファネルに配置するべきだ。その結果は、長いビジネスにおけるゴールをベースとした、検索行動の評価を行うフレームワークとなるはずだ。

例えば、サイト内の全てのブログ記事が「情報型(infomational)」の検索意図に属していても、その内のいくつかは異なる認知の段階のユーザーに提供されているかもしれない。

マーケティングファネルと検索クエリの関係(ソース)

キーワードをカスタマージャーニーに落とし込むことにより、検索意図のセグメントはよりよいものになる。

カスタマージャーニーをベースとしたキーワードの検索意図の分類分けは、キーワードの測定やレポートと同様、競合調査にも役に立つ。

2.競合調査により、コンテンツのギャップを把握する

ユーザージャーニーのどの段階において、課題があるか。

競合が満たす検索意図で、自社が満たしていない検索意図はどこか。SEMRushやAhrefsなどのツールは、キーワードベースの競合比較が可能だ。

自身のドメインといくつかの競合サイトのドメインを入力する。そして、あなたが検索意図ごとに分類したキーワードの修飾語句でフィルタをかける。

例えば、AhrefsとMozは、「ハウツー関連(how to)」のクエリで、SEMRushを圧倒していることが確認できる。

修飾語「how to」で検索した際の結果(Ahrefs)

この分析手法であれば、ファネルのそれぞれの段階でのパフォーマンスを比較できる。同時に、競合とのギャップを埋めるためのリストを手にすることにもなる。

競合調査を行うことで、あなたのサイトが高順位を獲得すべきキーワードも特定できるだろう。

キーワード調査を行うことで「あなたが高順位を獲得したいキーワード」はあぶり出されるが、「Googleが別の検索意図を注力していること」も把握できる。(個別サイトの運営者であれば、ターゲットキーワードをどれだけ獲得できているかも確認できる。逆もまた然り。)

3.インテントをベースとしたランキングの追跡

トピックごとにキーワードをレポートする(例:「Xというプロダクトでは良い順位だが、Yというプロダクトでは苦戦している」)のではなく、マーケティングファネルをベースとしたパフォーマンスを測定するべきだ。

例えば、複数の商品において、「ファネルの下部に位置するキーワードでは良い順位だが、ファネルの上部に位置する情報型のクエリでは苦戦している」といった具合だ。

検索意図をもとにした測定をすることで、「コンテンツ拡大・新しいページの作成・ページデザインの調整」などの優先順位をつけることができる。

ページデザインと作成のために検索意図のデータを使用する

4.主体的と受動的の両方の検索意図に答えるコンテンツを追加する

ユーザーが持つ、どのような疑問に答えることができるか。次に彼らが持つであろう疑問とは、どんなものだろうか。

Googleのナレッジカードは検索意図を集約した完璧な例である」と、コーン氏は主張する。ナレッジカードは、クエリへの答えを提供し、また、価値のあるコンテクストも提供しているのだ。

例えば、レストラン名の検索の場合、ナレッジカードは非常に多くの疑問に答えている。

  • どんな種類のレストランか
  • 値段は高いか
  • どこにあるか
  • お店までの移動手段は
  • 電話番号
  • 予約は可能か
  • どんなメニューがあるか
  • 料理の質は高いか
  • 現在は開店しているか
  • 近くに他のレストランはないか

レストランのナレッジパネルの例。非常に長い

既存のページを拡大する場合もあれば、まだ満たしていない検索意図のために新たなページを作成する場合もあるかもしれない。

「既存ページの拡大」か「新しいページの作成」かを決定するために、検索ボリュームがヒントになることもある。サブトピックの検索ボリュームが大きければ新しいページを作成し、小さければ既存のページを拡大するとよいだろう。

ブリッグス氏はページ作成のためのフレームワークを共有してくれている。

トピックについて複数の側面をカバーすることを心がけながら、広範囲でしっかりとした記事をまずは作成するという手法を採っている。順位が良くなるまで待ち、サーチコンソールからキーワードを6~15個を取得する。こうしたキーワードは別途記事を作成すべき、ロングテールキーワードの有力候補となる。

また、大規模なサイトであれば検索ボリュームが大きく、競合性の高いキーワードを狙うべきとしている。

反対に、小さいサイトであれば、ロングテールのキーワードをターゲットにし、そのトピックの権威性を獲得した後に、競合性の高いキーワードを狙うべきとしている。

5.検索結果画面でより多くのクリックを獲得するためにコンテンツを調整する

Googleが定義するシンプルなKnowクエリに強調スニペットについてのヒントが隠れている。

  • 1~2センテンスの長さ
  • 短いリスト
  • 「正確で完全」なレスポンス
  • モバイルのスクリーンにきちんと収まる

強調スニペットはSEOを行う上でターゲットの対象となりやすい。強調スニペットは検索結果での露出を高め、多くのクリックをもたらしてくれるからだ。

しかし、自然検索と強調スニペットが同時に存在することにより、お互いの流入を奪い合ってしまうという状況も生んでしまう。

ユーザーの検索意図が「答えをすばやく得たい」というものであり、クリックが発生しないのであれば、強調スニペットへの最適化はユーザー(とGoogle)を満足させることになる。

しかし、強調スニペットへの最適化は、究極的にはすべてのサイトへの自然検索からの流入をなくしてしまうことにもなる(ランド・フィッシュキン氏は、これを囚人のジレンマ(※)と呼んでいる)。

※補足:強調スニペットと自然検索結果は、互いに検索結果をよりよくするものであるものの、結果としてインプレッションを奪い合ってしまう状況にあること。

強調スニペットへの最適化は意義のあるものだ。

しかし、その価値は、特にモバイルにおける「URLの認知」に限定され、クリック増は期待できないかもしれない。

強調スニペット以外にもCTRを向上させるための方法はあり、ランド・フィッシュキン氏がその戦略を明かしている。それは、ターゲットキーワードを捨ててでも、「検索意図に合わせてページタイトルとメタディスクリプションを記載する」というものだ。

この戦略にはリスクがあるが、競合性の高い業界で「負け犬」となっているサイトにとっては、活路となる可能性がある。

1ページ目の下部に表示されるチャンスがあるならば、(検索エンジンにではなく)ユーザーに向けたページタイトルとメタディスクリプションを書いてみるといい。他のサイトとの差別化になり、より多くのクリックを獲得でき、また、検索エンジンにポジティブなシグナルを送ることができるだろう。

6.主体的なインテントをまずは満たすページを設計する

コーン氏は「適切な経験を提供するために、検索意図の優先順位を理解することは非常に重要だ。この点が、コンテンツとデザインにおける、「従来」の検索と異なる点であろう。」と主張する(参考)。

SEOにとっては、ページのデザインは2つの意味で重要となる。

  • 主体的な検索意図に対し、明確に、即時に答える
  • 受動的な検索意図に対し、論理的な情報の優先順位を提供する

Knowクエリへの対応のUX的な具体例は以下のとおりである。

  • ヘッダータグ・大きいフォント・目立つブロックなどで、明確に答えを提供しているか
  • ユーザーが次に持つであろう疑問に対し、サブトピックで答えられているか
  • 取引型クエリに対し、次に進むためのボタン(購入ボタンなど)は、クリックしやすく発見しやすいか

これらはUXの基本的な原則であるが、検索のパフォーマンスにも影響を及ぼす。

答えをすぐに見つけられなかったユーザーは、検索結果画面に直帰してしまうだろう。「UXがランキング要素である」というトピックは、一定の事実を含んでいるのだ。もちろん、このトピックは議論を呼ぶトピックではあるが。

たとえば、レシピサイトにて、目的のレシピに到達するまで、ページを長い間スクロールすることにユーザーは耐えなければならない。

ページ上部にテキスト情報が検索エンジンのために提供されているからだ(そして、それはレシピについての凡庸なエッセイにすぎないことが多い)。

「SEOのためだけのテキスト情報」は、レシピのようなバーティカルサイトにおいて有効である。なぜなら、検索エンジンは、どのレシピで作ると美味しいチョコレートチップクッキーが出来上がるか、区別をつけられないからだ。

ジョン・ミュラー氏は、「ユーザー体験を犠牲にしてまで、検索エンジンのためのコンテンツを作成すべきでない」としている。

しかし、「どの程度検索エンジンを意識すべきか」についての議論は尽きない。この戦略は、未だに効果的であるからだ。

SEOに関する議論で学ぶべきは、「長い目で物事をみる」ということだろう。

Googleは、補助的なテキストが余分である場合、それに価値を与えることは好まない。「SEOのためだけのテキスト」が現在において有効であったとしても、徐々にその必要性は低くなっていくだろう。

また、ランキングとユーザー行動にどのような影響を与えるかを測るため、定期的にSEOのためだけのコンテンツを削除するテストを行ってみると良いだろう。

結論:ユーザーの検索意図の分析と活用方法

キーワードを選定し、ユーザーの検索意図に最適化する

コーン氏のこの格言は、ユーザーの検索意図をSEOの施策に落とし込むための、最高の要約と言えるだろう。ページ作成において、キーワード選定が出発点であることは変わらない。

しかし、ユーザーの検索意図を考慮することは、そのページのあり方についての判断材料となりうるだろう。

関連するキーワードのリストを作成し、検索意図ごとにカテゴライズする(現在、ターゲットにしているか、そうでないか)。検索意図をもとにしたキーワードのカテゴライズを行うことで、「ユーザージャーニーのどの部分で結果を得ているか」「結果を得ていないかを確認することができる。

結論として、ユーザーの検索意図のデータは、

  • 既存ページのコンテンツ拡大の優先度付け
  • 新規ページ作成の必要性の判断
  • 主体的な検索意図を明確にし、即時に解決できるページデザインの構築

このような施策に有用であるといえる。

この記事は、CXLに掲載された「Search Intent: How to Analyze and Optimize Your Site」を翻訳した内容です。

SEOにおける「キーワード」は過去も現在も重要です。しかし、その解釈や検索意図(インテント)の把握など、キーワードは単純に測定するだけの対象ではなくなっています。

キーワード毎に可変する検索意図(インテント)ですが、修飾語句をヒントに分類分けするなど、すぐにでも実践できそうな内容がありました。

大規模サイトではなかなか難しい作業も、記事にあったような工夫を行うことで、検索意図の把握をより正確かつ効率的にしていけるのではないでしょうか。

Google検索結果の変化から読み解く「SEOの未来」

つい先日、モバイル検索でのレイアウト変更が発表されました(ソース)。ランキングアルゴリズムと同様、Googleは検索結果のレイアウトを常に変化させており、SEO担当者としては必然的に注視すべき領域となります。

今回の記事では、ここ最近の変更とそれから導き出される見解を、ニール・パテル氏が披露してくれています。SEOの未来とは、いかに。

SEOについて考える時、また、ここ5年間での変化について考える時、あなたは何を思い浮かべるだろうか?

「Googleの検索結果での高順位獲得が困難になった」ということではないだろうか。

しかし、自然検索結果からの流入獲得が困難になったのは、なぜだろうか。

多くのSEO担当者は、「それはGoogleがより複雑なアルゴリズムを構築したからだ」と答えるだろう。

彼らは、過去にはあまり重要視されていなかったページスピード・ブランドクエリ・その他何百という要素に目を向けている。

しかし、それでは話半分に終わってしまう。

SEOが困難になった理由として、Googleのアルゴリズムの変化は、その一部分に過ぎない。

この記事では、多くのSEO担当者は語っていないが、それでもあなたが注意すべき事柄について言及する。なぜなら、それらは「SEOの未来」につながる話だからである。

常に変化するGoogleのレイアウト

Googleで検索した際、あなたは何を目にするだろうか。

いくつかの自然検索結果、そして、いくつかの広告であるはずだ。

自然検索結果と広告は、Googleが長い間表示し続けていたものだ。この核となるコンセプトは大きく変化していない。

しかし、長期間においては、Googleは小さな調整を続けており、それらが積み重なった結果、大きな変化を生み出している。

過去数年のGoogleの検索結果の変化を見てみよう。幸運なことに、Orbit Mediaは2012年、2014年、2015年とランダムな調査を行っており、それぞれの年代の検索結果と現在の検索結果のレイアウトの比較を行っている。

2013年から2019年までの検索結果の比較

  • 左:1位の表示位置は、ページ上部から330ピクセル下に表示されている。
  • 右:1位の表示位置は、ページ上部から1050ピクセル下に表示されている。

2013年と2019年の大きな違いは、以下のとおりである。

  • 自然検索結果の1位の表示位置が大きく下がっている
  • デザインの観点からも、広告ははっきりと区別されていた。
    しかし、現在はより自然検索結果に混じっている。

では、2014年と2019年とを比較してみよう。

  • 左:1位の表示位置はページ上部から150ピクセル下に表示されている。
  • 中:通常のファーストビューの表示領域
  • 右:1位の表示位置はページ上部から650ピクセル下に表示されている。

そして、2015年と2019年だ。

  • 左:1位の表示位置はページ上部から150ピクセル下に表示されている。
  • 中:通常のファーストビューの表示領域
  • 右:1位の表示位置はページ上部から630ピクセル下に表示されている。

大きなトレンドは、自然検索結果の表示がファーストビューの下部に押し下げられたことだ。おおよそ、3.3倍という数字になっている。

これは、非常に大きな変化である。

現在の検索結果には、マップ、ナレッジパネル、画像や動画など、ユーザーが求めているとGoogleが判断した様々な要素が表示されている。

強調スニペットとサイトへの流入の減少

別の大きなトレンドとしては、強調スニペットの表示が挙げられる。強調スニペットはあなたのサイトにトラフィックを与えてくれるかもしれないが、検索者が求める情報を提供するため、あなたのサイトへのクリック(流入)が発生しない場合もある。

「世界で一番大きな木(the largest tree in the world)」という検索をしてみよう。

もちろん、私はlivescience.comへのリンクをクリックし、答えを求める可能性もあるだろう。

しかし、あえてlivescience.comのサイトに訪問する理由はあるだろうか? Googleはすでに答えを私に提示しているのに。

自然検索結果が下部に押し下げられ、そして、クリックせずとも、回答の一部をGoogleがユーザーに提供している。こうした状況は、自然検索結果のクリック率が徐々に減少することを意味している。

1ページ目に表示される自然検索結果の数の変化

質問をさせていただこう。

1ページ目に表示される自然検索結果の数はいくつか?

おそらく、あなたは10と答えるだろう。

かつてはそうだったかもしれない。しかし、あなたが10個の検索結果を最後に確認したのはいつのことだろうか。

Googleは1ページ目に表示される自然検索結果の数を5.5%少なくしている(参考)。もちろん、10個のリンクが表示されることは多いが、それでも、かつてほどではなくなっている。

自然検索結果の表示が10個以下の検索結果数

以下は、自然検索結果の変化をグラフ化した資料だ。

18%! これが、自然検索結果の表示数が10個以下になる割合である。

かつてが2%であったことを考えると、驚くべき数字だ。

Googleがレイアウトテストを行っている他の要素

レイアウトのテストとしては非常に小規模ではあるが、自然検索結果が全く表示されない場合もある(SEMrush Twitter)。

広告は表示されているが、自然検索結果は1つも表示されていない

しかし、Googleはこれをミスだとしている(参照)。表示すべき自然検索結果がないと判断されており、同時に、広告も表示されないはずだ。

今後も、Googleはより多くのレイアウト変更の実験を行い、その内のいくつかは、恒久的な変更になるだろう。

SEOの未来について語る前に、一つ確認をしておきたい。

Googleは、株式公開企業である。そのため、驚くべきプロダクトを作成することが彼らの目標となるわけだが、同時に、彼らは利益を上げる必要がある。

広告の売上のための変更を行ったとしても、彼らを責めることはできない。

「ユーザー体験を損なってしまう」、といった批判をするかもしれない。しかし、果たしてそれは正しいのだろうか?もしそういった批判が正しかったとすれば、ユーザーはBingやその他の検索エンジンを使用するようになるはずだ。

私は、Googleを毎日使用している。自然検索結果がクリックしづらくなったかもしれないが、ユーザーとして、彼らは驚くべき体験を提供していると考えている。

SEOの未来予測と仮説

Googleはただ盲目的にレイアウトの変更を行っているわけではない。実験をし、ユーザー調査を行い、検索者が求めるものを把握し、それを提供している。

過去数年間におけるレイアウトの変更に基づき、いくつかの仮説を立ててみよう。

1.新たなリッチスニペットの登場

ユーザーは自身が抱えている問題に対する答えを可能な限り早く得たいと考えている。より早く答えを提供できるとGoogleが判断した場合、将来のレイアウト変更によって、より多くの種類のリッチスニペットが登場するかもしれない。

2.音声検索によるクリック率の低下

Comscore社によれば、2020年までに検索全体の50%が音声検索になるとのことだ。音声検索の結果、ユーザーがあなたのサイトに訪問してくれると単純に予測すべきではない。

3.ユーザーは広告を無視することに慣れている

Googleがどれだけ自然検索結果の表示を下部に掲載しても、ユーザーは広告を無視することに慣れている。Googleが広告と自然検索結果の区別を曖昧にしても、多くのユーザーは自然検索結果をクリックするだろう。

4.世界では43.9%の人が、インターネットにアクセスできていない

Googleが世界の検索エンジン市場を独占していることは明らかだ。しかし、世界の56.1%の人しか、インターネットにアクセスできていない。より多くの人がオンラインになれば、より多くの人がGoogleを使用するだろう。それは、より多くの人があなたのサイトをクリックするようになる、ということを意味している。

言い換えれば、SEOは不要になるのではなく、それどころか、驚異的なチャネルであるままなのである。ここ1ヶ月の私のサイトのトラフィックを見て欲しい。

月間で4,362,165の流入がある。この流入数のうち、Googleを始めとした検索エンジンからの流入がどれほどあるかを想像してみて欲しい。

2,343,362流入である。

つまり、SEOが全てのトラフィックの53.71%を占めているのだ。非常に大きな流入数である。

Googleの絶え間ない変更のおかげで、私のサイトへのトラフィックは減少していると思ってはいないだろうか。実際は、増加しているのである。

1年前、私のサイトへのGoogleからの流入数は月間で1,088,251であった。Googleのアルゴリズム変更によりSEOは難しくなり、自然検索結果の表示が下部に押し下げられても、流入数は増加し、2,343,362流入までに至っている。

集客チャネルをSEOのみに依存すべきではない

私はGoogleが好きであるし、SEOに未来があると考えているが、それでも依存すべきではない。あなたがどれほど優秀なSEO担当者であったとしても、成功は確約されていないのだ。

あなたにもきっと馴染み深い企業を例に挙げてみよう。Airbnbだ。

自宅、もしくは、自室を貸し出すというコンセプトはAirbnbが生み出したアイデアではないことをご存知だろうか。

AirbnbとVRBOの集客チャネル比較

Airbnbでなければ、誰が「自宅or自室を貸し出す」というアイデアを思いついたのだろうか。

VRBOだ。彼らはAirbnbがこのアイデアに至る13年も前に、このビジネスモデルを思いついている。

ここに興味深い事実がある。SEOにおいては、どちらが勝者なのか。

驚くべきことに、勝者はVRBOである。

Googleの検索結果の順位という領域では、VRBOはAirbnbを長期間において圧倒している。下記にAirbnbではなく、VRBOが上位表示されているキーワードを記載する(注:英語での検索結果)。

  • ヒルトン ヘッド レンタル
  • オーシャンシティ メリーランド レンタル
  • ケープコード レンタル
  • キャビン レンタル
  • バケーション 家
  • バケーション レンタル
  • バケーション 家 レンタル

Airbnbも多くのキーワードで上位表示されている。しかし、その多くがブランド名に関連したキーワードだ。

AirbnbはSEOに頼らず、ライバルを圧倒している。13年後、彼らが市場に参入したとき、その状況を作り上げていた。

Airbnbは優れたプロダクトとオムニチャネルへの注力を行った

では、Airbnbはどのようにして勝者となったのか。

最も大きな理由は、彼らがより優れたプロダクトを作成したことだろう。

さらに、彼らはオムニチャネルに注力したということだ。SEO、PPC、機内のモニターでの広告も含め、あらゆる主要なチャネルでの露出を試みたのだ。

SEOは、もちろん、必要だ。

しかし、トラフィックや収入のソースとして、依存すべきではない。多様性が求められるのだ。Googleからの評価をあげるためのみならず、あなたがコントロールすることができない、消費者行動のために必要なのだ。

将来、人々は検索エンジンを使用することを好まなくなるようになるかもしれない。彼らが他の手段を選ぶようになれば、あなたもその動きに適用しなければならなくなる。

また、たった一つのチャネルから大きなビジネスを構築することは、もはや不可能と言えるだろう。

もちろん、Facebookはリファラで、QuoraはSEOで、Dropboxはソーシャルメディアで、それぞれの成功の場所を築いたという例はある。しかし、こうした状況はもはや起こりえないだろう。こうした企業を成功に導いた施策が、あなたの企業にあてはまるということは保証できない。

今日のマーケットで勝者となるためには、あらゆるチャネルの最適化が必要となる。

SEO依存からの脱却とオムニチャネルへのアプローチ

Googleは、マーケターやビジネスオーナーとしては好ましくない変更を、これからも加えていくだろう。しかし、それは、SEOが不要になったことを意味するものではない。

私のトラフィックの推移をご覧いただきたい。Googleが常にアルゴリズムを変更したとしても、自身のサイトへのトラフィックを伸ばすことは可能だ。

未来を憂う必要はない。予測することは困難であり、避けて通れないものばかりなのだから。

現実的な解決策はたった一つだ。オムニチャネルのアプローチを採り、特定のチャネルへ依存することをやめよう。

Google検索の現在のレイアウトから、あなたはどんな未来を導き出すだろうか。

この記事は、Neil Patelに掲載された「How Google’s New Layout Predicts the Future of SEO」を翻訳した内容です。

Googleがレイアウトを変更する理由は、ユーザー行動の反映が主となりますが、「Googleの変更によって、ユーザー行動が変化する」といった場合もあるかもしれません。ときには、全ての変更がうまくいくわけではなく、ユーザーの行動が変化するどころか、不満が生まれる場合もあるでしょう。

Googleですら、こうした試行錯誤を続けているため、自身のWebサイトも様々な検証を行うべきと感じました。オムニチャネルの施策を含め、メディア戦略に非常に参考になる記事でした。

【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない

「検索結果にGoogleが提供するコンテンツが増えるにつれ、自身のサイトへの流入が奪われる」といった意見はよく聞きます。

しかし、これらの意見はWebマスターやSEO担当者からの意見がほとんどであり、「実際のユーザーはどう思っているのか?」といった調査はありませんでした。

今回の記事は、実際のユーザーを対象にした調査についての記事になります。非常に興味深い、その調査結果とは? 必見です。

「検索順位0位」が常に勝者とは限らない。検索結果上の情報を選別する目の肥えたユーザーの存在が明らかになった。

検索結果のエンゲージメントについての消費者調査が、Path Interactive社によって行われた(参照)。

調査結果によると、自然検索結果はまだまだユーザーの関心を得ているが、若いユーザーは強調スニペットやナレッジパネルのコンテンツで情報を得ており、その場合は、検索結果上のサードパーティサイトへのクリックは発生していないようだ。

この現象は、「クリックが発生しない検索結果」と呼ばれており、多くのパブリッシャーが懸念していた現象だ。

複数の国(回答の72%がアメリカから)から回答を得られた今回の調査では、「今日の消費者が検索結果に存在する複数のGoogleが提供するコンテンツに対し、どのように関わり合っているか」を明らかにすることを目的としている。

Path Interactive社のSEOディレクターであり、今回の調査記事の執筆者でもあるリリー・レイ氏は、「デジタルマーケティング界隈の人々のGoogleの検索結果の変更に対しての考えはよく聞いている。しかし、技術的な知識に乏しい一般的な検索者からの意見を聞く機会はあまりなかった」、と述べている。

全体的に、今回の調査では明確な区別が発見されたわけではなかった。読者の方にとっては、安心できる結果かもしれないし、もしくは、危機感を覚える結果であるかもしれない。

回答者の年齢は13歳から70歳であり、自らを「多少は技術的な知識や知見がある」と称する人が大半である。

①年齢別の自然検索結果への対応

Source:Path Interactive(2019)

  • 赤:通常、1位か2位の検索結果をクリックする
  • オレンジ:1ページ目をざっと眺め、最も関連性のあるものをクリックする
  • 黄:信頼しているWebサイトやブランドのコンテンツを探し、それをクリックする
  • グレー:1ページ目に掲載されている複数のページを閲覧する
  • 濃いグレー:2ページ目、3ページ目、4ページ目と、可能な限りの検索結果を確認する
  • 黒:検索結果における自身の行動を意識していない

※調査母数は2,129。統計学的には95%の妥当性はあるが、99%まではいかない。

自然検索結果は強く好まれている

「広告と自然検索結果のどちらを優先的にクリックするか?」という質問に対して、72%が「自然検索結果」と答えている。

また、その内の47%がほとんど、もしくは、全く広告をクリックしないと答えている。広告も自然検索結果も同様にクリックする、と答えたのは19%だった。

年配のユーザーほど、1ページ目以下の検索結果も確認する傾向がある。

しかし、逆説的ではあるが、年配のユーザーほど広告と自然検索結果の区別をつけてはいないようだ。

若いユーザーは、強調スニペットが表示された際、「クリックしない」という行動を取っているようだ。年配のユーザーは、スニペット以上に、他のサイトへのリンクの情報を見ている傾向がある。

しかし、ほぼ3/4(72.5%)の回答者が、スニペットを「信頼性がある」、もしくは「信頼に足る」と回答している。

②強調スニペットが表示された際、あなたは普段どうしていますか?

Source:Path Interactive(2019)

  • 赤:スニペットをざっと読み、クリックすべきページがあるかを、スクロールして確認する
  • オレンジ:答えによっては検索をやめるし、さらに検索をする場合もある
  • 黄:スニペットを読み、より多くの情報を得るために、関連する青いリンクをクリックする
  • グレー:スニペットを読み、答えが見つかったと判断し、関連する青いリンクはクリックしない。

※調査母数は2,464。統計学的には95%の妥当性がある。

ナレッジパネルとリッチリザルト

回答の内容は、ナレッジパネルの場合と非常に似ていた。大多数(92.1%)の検索者はナレッジパネルを見ている。その中で、55%が他のリンクを探すが、37%がナレッジパネルを見ることで「私の検索意図は満たされた」と考え、クリックしない。

③ナレッジパネルの情報があなたの疑問への答えとなっていた場合、あなたはどうしますか?

Source:Path Interactive(2019)

  • 赤:求める答えを発見できたため、検索を終える
  • オレンジ:ナレッジパネルの情報は確認するが、引き続き検索結果のリンクを確認する
  • 黄:ナレッジパネル内の情報に疑問をもつため、他の検索結果のリンクを確認する
    グレー:わからない

リッチリザルトに対しても同様の質問をしている。

しかし、今回はその内容に満足し、それ以降の検索行動を取らないというユーザーは少数派(14%)であった。43%がリッチリザルトを他のページの情報と併用している。

そして、驚くべきことに、33%がリッチリザルトの内容を無視し、通常の検索結果を求めていた。

④求人、ローカルイベント、フライト、レシピなどの情報をGoogleが提示した際、通常はどのような行動を取りますか?

Source:Path Interactive(2019)

  • 赤:それらの情報を使用する場合もあるが、検索結果の他のリンクをクリックする
  • めに、検索結果の閲覧を続ける
  • オレンジ:通常はそれらの情報を無視し、検索結果の他のリンクを探す
  • 黄:私は、それらの情報が助けとなり、正確であると考えているため、通常は他の検索結果のリンクを探すことはない
  • グレー:それらの情報を見ているかどうか意識していない(判断がつかない)
  • 濃いグレー:Googleが提供するそれらの情報を信じていないため、他の検索結果のリンクを探す

Googleへの不満はあるか

「Googleへの不満はあるか?」という質問に対し、25%が「ない」と答えている。驚くべきことに、75%が何らかの不満を感じていた。選択形式での質問であったが、回答は下記の通りである。

  • Googleは広告を多く表示しすぎている・・・24.1%
  • 大企業による情報を優先的に表示している(結果として中小企業による情報がでてこない、出づらい)・・・17.3%
  • Googleが提供する情報が多すぎる(通常の青いリンクのほうを好む)・・・17.3%
  • ユーザーがGoogleとどう関わっていくかという将来の予測は好きではない・・・7.5%
  • 検索結果の品質が低い、不正確、偏見がある・・・5.5%

このような調査結果を我々が考慮すべき理由

年代に縛られることもあるが、こうした調査を行うことで、Googleの検索結果の様々な要素への態度や行動を明らかにすることができる。

若いユーザーは、広告に興味がない傾向が強いが、ページ上部に表示されるGoogleが提供するコンテンツで満足し、クリックが発生しないことも多い。年配のユーザーは、広告もクリックするが、より多くの情報を探すことに熱心で、1ページ目以下の検索結果も見ることがある。

今回の調査結果が、Googleが提供するスニペット、ナレッジパネル、その他のコンテンツがサードパーティのサイトへのクリックを奪うと非難する人々への反対意見になりうるかもしれない。

しかし、それだけではユーザー行動の全てを説明できるわけではない。

検索結果の進化とともに、ユーザー行動はより多様化し、より選り好みされることになるだろう。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Younger users rely on snippets and knowledge panel, often don’t click, survey says」を翻訳した内容です。

調査対象のユーザーの大半がアメリカのユーザーであるため、日本での状況とは完全に一致しないかもしれません。

しかし、年代によって検索結果に表示される情報の受け取り方が異なるのは非常に興味深く、自身がターゲットとしている属性のユーザー行動については深く考察したいと思いました。

今後も、ユーザー行動の変化に併せGoogleの検索結果も変化していく(逆もまた然り)と思いますが、SEO担当者としてはその変化を的確に捉え、願わくばチャンスとなる施策を実行したいところです。

テクニカルSEOの優先順位。あなたが今取り組むべきは、どの段階か?

インデックス率の改善、メタタグの最適化、CTR向上のための施策。SEOにおけるテクニカルな領域は非常に広範囲です。もちろん、全ての領域を最適な状態にすることが望ましいですが、そのためには領域ごとの優先度をつけることが効果的でしょう。

自身のサイトが今取り組むべき領域はどこか。現状把握に役に立つ記事を紹介します。

技術的な進歩と実装方法の理解を深めるために、テクニカルSEOに求められる内容に優先順位をつけよう。そして、あなたが次に取り組むべき内容を理解しよう。

何をもってして、「最高のWebサイト」と定義することができるだろうか?
健全で、SEOのポテンシャルを十分に発揮している機能的なサイトがベースとしているものはなんだろうか?

マーケットとキーワードの調査、E-A-T、検索意図に合致したコンテンツ、バックリンク、などなど。

しかし、こうしたサイトに共通していることは、テクニカルSEOの要件を十分に満たしているということである。

自身のサイトに求められるテクニカルSEOの領域に優先度をつけよう。優先度順にピラミッドを作成した場合、下部の要件を満たしていなければ、その上部の要件を満たすことは難しいだろう。それぞれの段階で検索エンジンへの対処内容は異なっている。

それは、

  1. クローラビリティ(Crawlability)
  2. インデキサビリティ(Indexability)
  3. アクセシビリティ(Accessibility)
  4. ランカビリティ(Rankability)
  5. クリッカビリティ(Clickability)

の5つに分けることができる。

ピラミッドの図の中のそれぞれの段階で求められる内容をしっかりと理解すれば、テクニカルSEOに対する恐怖心を払拭することができるし、優れたWebサイトを作る上でSEOが果たす役割が過小評価されることもないだろう。

※1 上部2領域が最適化(改善要素)の対象
※2 下部3領域が基本要件(阻害要素の排除)の対象
(当記事では、下から順に解説がされます)

①テクニカルSEOの基本:クローラビリティ(Crawlability)

上記のピラミッド画像の最下部に位置するテクニカルSEOの基本要件は、URLのクローラビリティである。

クローラビリティでは、URLが検索エンジンに発見される状態になっているか、という領域を扱う。検索エンジンがクロールできないURLであっても、ユーザーはサイトのナビゲーションを通じて、閲覧できることもあるかもしれない。

しかし、検索エンジンのボットには発見されていないため、検索結果にそのURLが表示されることはない。

それゆえ、クロール可能なURLとは、

  • 検索エンジンに存在が知られている
    検索エンジンはリンクを辿る、サイトマップを読み込むなどして、URLを発見する。
  • ボットのアクセスを禁止していない
    robots.txtのファイル内に特定のページやディレクトリへのクロールを禁じていた場合、多くの検索エンジンのボットはその指示に従ってしまう。
  • クロールバジェットの上限以下になっている
    多くのサイトでは当てはまらないが、Googleのアルゴリズムによって割り当てられたクロールの「予算(バジェット)」は、サイトのパーツによっても消費される。そのため、特定のURLへのクロールの遅延や問題を引き起こすこともある。

テクニカルSEOの監査を始める際、インデックスされていないページを特定し、その理由を調査しよう。もちろん、意図的にそうしている場合もあるが、エラーが原因の場合もあるだろう。エラーの場合は、修正することにより、すぐに改善結果が見られるだろう。

クロールバジェットは公開されておらず、定量化することは難しい。基本原則は、クロールにかかるコストを最適化し、重要なページの(検索エンジンに把握させる)優先度を高めることで、検索エンジンからの流入増加が期待できるというものだ。

テクニカルSEOとしては、ページがどのように発見され、どう優先度をつけるか、という部分を改善する。その結果、クロール率の改善が見られるだろう。

ページグループごとのクロールの分布。グレーの「Other」は重要でないカテゴリー。多くのクロールバジェットが重要ではないページに費やされている。Source:OnCrawl

②インデキサビリティ(Indexability)

クローラビリティの次に優先度が高いものは、インデキサビリティである。

インデックス可能なURLとは、検索エンジンが持つWebページのカタログ(一覧)に含まれ、検索結果のページに表示される可能性があるURLとなる。URLがクロールされたとしても、様々な要素により、インデックスの対象とならない場合がある。

もっともわかりやすい例を挙げると、メタロボットの記述やロボットテキストの指示となる。

ページのグループ毎のインデックス状況。Source:OnCrawl

同様のコンテンツでより権威のあるバージョンが他にある場合も、インデックスの阻害となる。インデックスが阻害される要素として、具体的には下記の状態が該当する。

  • 重複コンテンツ
  • Canonical(正規化)の宣言
    印刷用ページやモバイル版ページなど、代替バージョンがある場合(Mobile First Indexに該当している場合は、デスクトップ版ではなく、モバイル版のページがインデックスされる)。
  • リダイレクト

適切なページがキチンとインデックスされているかを確認するために、インデックスに関わる要素が適切にセットアップされ、適切なページに設定されているかを確認することがテクニカルSEOの範囲となる。

③アクセシビリティ(Accessibility)とWebサイトのパフォーマンス

アクセシブルなURLとは、表示と描画が容易であるURLのことだ。

クロールとインデックスが可能なURLといえど、検索エンジンのボットがクロールを試みる際、アクセシブルではないという場合もある。ランク付けはされている、

しかし、アクセシビリティの問題が依然として残っている場合、検索結果において、マイナスの評価を受ける可能性がある。

ボット、そしてユーザーへ向けたアクセシビリティとは、下記のような広い範囲が対象となる。

  • サーバーのパフォーマンス
  • HTTPステータス
  • ロードタイム、ページサイズ
  • JavaScriptのレンダリング
  • サイト構造内のページの深さ
  • 孤立したページ
  • スパムやハッキングへの対応

ここでの目標は、アクセシビリティとパフォーマンスの指標がSEOに悪い影響を与えてしまう”しきい値”を発見することだ。そして、全てのページが、少なくとも、最低限の水準を満たしている状態にすることだ。

この目標を達成するために様々なツールを使用することになるだろう。サーバーのダウンタイム、ボットとユーザーに提供されるHTTPステータス、ページがリクエストされたときのリソース(CSS、JS、画像など)のサイズ、TTFB、FCP、TTLBなどのロードタイムの指標。このような数値を取得できるツールが必要となるだろう。

※デスクトップ版とモバイル版におけるレスポンスタイムの平均とリソース量。Source:OnCrawl

孤立したページや深すぎる階層のページへのリンクの設置を行うことになるかもしれない。また、優れたコンテンツであり、キーワードの最適化もしっかり行っているページでも、スクリーンリーダーに対応しておらず、多くのユーザーの目に触れられていないといった場合は、アクセシビリティを考慮する必要もある。

アクセシビリティの問題も解決されているのであれば、テクニカルSEOの基本要件は満たしていると言えるだろう。これらが最適化されていないサイトのSEOは非常に困難なものになる。優先度に従って施策を進めていくが、悪影響のある要素の排除から改善要素へと、対象は変化していく。

④ランカビリティ(Rankability):順位を改善するためのテクニカルSEOにおける役割

ランカビリティは最適化の領域に含まれる施策だ。SEOの土台を固めるための施策ではないため、テクニカルSEOのアドバンスレベル(次のレベル)と考えられる場合もある。

クローラビリティ、インデキサビリティ、アクセシビリティが十分に満たされたURLが順位づけされることは明らかだ。この時点で非常に良い順位を与えられている場合もあるだろう。

しかし、多くの場合、少しの工夫によって順位の状況はさらに良くなるはずである。

リンク獲得による順位上昇

それが内部リンクであるか外部リンクであるかに関わらず、リンクは人気のあるページから人気のないページへと、ページの重要性とトラフィックを渡すという性質がある。

それゆえ、バックリンクを精査し最も有益なリンクプロフィールを決定すること、また、ページの評価を促進するために内部リンクを構築することがテクニカルSEOの領域となる。

内部リンクは、クロールの頻度(新規作成や更新したコンテンツからのリンクを構築することで古い記事の新鮮さを強化する)やコンバージョン(高いコンバージョン率を誇るページへユーザーを遷移させる)を改善するだけでなく、ページの重要性を渡し、コンテンツサイロ(*1)の構築の手助けとなる。

*1 コンテンツを関連性に基づいて配置・整理する構造

ページごとのリンク数におけるSEOトラフィックの分布。50リンクを超えるとページのアクティビティが増える。Source:OnCrawl

関連性の最適化による順位上昇

関連し合うコンテンツ同士を内部リンクでつなげることにより作成されたコンテンツサイロは、単体のページで成し遂げる以上の順位上昇を、コンテンツのグループ化によって達成する。

コンテンツサイロは、ロングテールのキーワードと関連し合うコンセプトに注力したページによって、流入が発生するキーワードを拡大させながら、深く専門性の高いグループとなる。

他のページと比べ、キーワードの使用率、使用される単語数、テキストとコードの比率など、特定のキーワードグループにおける品質の指標となるものや、危険視号となる指標を見てみるのもいいだろう。

⑤クリッカビリティ(Clickability):SEOとユーザー行動の架け橋

テクニカルSEOが扱う最後の領域は、ユーザーがあなたのサイトをよりクリックしてくれる状況を作ることだ。

通常の検索結果以外の場所や、よりリッチな(見栄えの良い)表現方法なども対象となる。

リスト、テーブル、見出しなどは検索エンジンがコンテンツを理解するのに役立ち、強調スニペット、カルーセルなどに採用されることもある。

同様に、Schema.orgを始めとした構造化データの実装は、検索結果における表示方法をリッチにしてくれる。

  • パンくずリスト
  • レビュー
  • 商品情報(値段や在庫数など)
  • イベント情報(開催日、場所など)
  • レシピ情報(サムネイル、評価、調理時間、カロリーなど)
  • 同サイトの重要ページへのサイトリンク
  • 検索結果画面上での検索機能

同様に、画像や動画に適切なマークアップを施すことで、画像検索や動画検索での優位性を得られる。

検索意図の関連性とコンテンツのユニーク性はユーザーを惹きつける要素だ。これらは抽象的な概念であるが、ツールを駆使するなどして分析し、改善することは可能だ。機械学習などの技術は、検索意図やクリック行動に適用され、AIを用いたコンテンツ作成も考えられている。

OnCrawlではCTRのリッチデータの影響を明らかにできる。

その一方で、類似性の分析による重複コンテンツや検索意図との不一致を把握するためにテクニカルSEOが果たす役割もあるだろう。

最後に、テクニカルSEOは相関性を発見する目的で、Webサイトの特性とユーザー行動のデータの分析を行うこともできる。あなたのWebサイトがユーザーを惹きつける状況を一つでも多く作ることが目的だ。

この戦略は、ページやWebサイトの構造と、ユーザー行動の指標(直帰率、滞在時間、CTRなど)との驚くべき相関関係をあきらかにすることもある。

技術的な改善を実施する

テクニカルSEOを実施するにあたり、基礎的な内容の理解であれば、技術職で働いた経験が求められているとは限らない。

クロール、インデックス、ランキング、クリックに問題がある場合、SEOの他の領域(コンテンツ・外部評価)は、これらの問題の解決に適していない。こうした問題を特定し、解決することが、テクニカルSEOが果たす役割である

OnCrawlのようなソリューションを使用することで、コンテンツ、ログファイル、検索データなどのデータをダッシュボードで管理し、どこから改善すべきか理解しやすくなるだろう。

クロールされたページ、ランクインしたページ、アクティブなページの分布。Source:OnCrawl

あなたのサイトは、SEOの優先度のピラミッド内のどの段階に位置するだろうか?

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The technical SEO hierarchy of needs」を翻訳した内容です。

複雑で広範囲なテクニカルSEOの領域をうまくまとめてくれた記事でした。

基本的な最適化に加え、Googleが新規でサポートする領域についても、積極的に改善を進めていきたいです。実装や修正にはエンジニアのサポートが必要となるケースも多いと思いますが、今回の記事のようなロードマップを用意しておけば、スケジューリングの把握にも役立ちそうです。

改めて、自身のサイトにおけるテクニカルSEOの現状を振り返ってみてはいかがでしょうか?

CROとSEO。あなたが今すぐ取り組むべきは、どちらか?

かたやコンバージョン、かたや検索エンジン。対象は違えど、最適化が目的であることは共通しています。

しかし、CROとSEOはそれぞれがマイナスの影響を与えてしまうといった考え方も散見されます。過去においてはそういった状況が生まれていたかもしれませんが、現在はそれぞれが補い合う(むしろ高め合う)といった関係性のほうが正しいと感じています。特にSEOは「Search Experience Optimization」であるという認識も浸透し、ユーザーに目を向ける施策と考えるべきでしょう。

今回はCROとSEOの関係性を改めて考えさせられる記事を紹介します。

※CRO=コンバージョン率最適化
※SEO=検索エンジン最適化

※今回の記事は、14,000文字弱と非常に長いものとなっておりますので、ぜひまとまった時間のある時に読んでいただければと思います。

検索意図に沿わない記事をGoogleはどのように評価するか

Webサイトへのトラフィックが急増した際の喜びは驚くべきものだ。

その理由は、ソーシャルメディアで拡散されているからかもしれないし、検索エンジンからのトラフィックが継続的に増加しているからかもしれない。

しかし、Webサイトの分析ツールのアカウントにログインした後、大きな衝撃を受けるかもしれない。

そして、

一気に落胆してしまうこともあるだろう。

なぜなら、そうしたページビューの増加が、あなたのビジネスに何一つ貢献していないことがわかったからだ。

 

・・・。

 

コンバージョンがまったくない、といった場合もあり得る。

そして、あなたはその理由を探るべく、より深い分析を行う。

ここで明らかになった事実は、上位表示させたいと願っている、あなたのビジネスにとって重要なターゲットキーワードからのトラフィックがまったくないということだった。

かのブライアン・ディーン氏(https://backlinko.com/)でさえ、この状況に陥ったことがある。彼は、「高品質 バックリンク(high quality backlinks)」というキーワードをターゲットに設定し、「ゲスト投稿をしないで高品質なバックリンクを獲得する方法(How to Get High Quality Backlinks[Without Guest Posting])」という記事を作成した。

その後、何が起こったのだろうか?

この記事は、「ハイになる方法(how to get high)」というキーワードで6位に表示されることからスタートした。

非常におもしろい。

しかし、その後、このキーワードにおける順位は12位まで下降した。

さらに、14位まで下降する。

そして、25位。最終的には33位まで下降した。

ターゲットキーワードとの関連性がなく、エンゲージメントの低い記事はいずれ順位が下降する

なぜGoogleは、「ハイになる方法(how to get high)」というキーワードで、彼の記事の順位を下降させたのだろうか?

彼の記事はターゲットキーワードとの関連性がなかったのだ。ハイになりたい人は、リンク構築などに全く興味が無いはずだ。

しかし、Googleのアルゴリズムは、どのようにして彼の記事を上位表示し、その後に順位を下降させるという判断を下したのだろうか?

ブライアン氏は、その答えを彼のGoogleアナリティクスのデータから発見している。彼のサイトにおける、ページの平均滞在時間は2分57秒だった。

しかし、「ゲスト投稿をしないで高品質なバックリンクを獲得する方法」の記事においては、平均の半分以下であった。たったの1分12秒である。

この記事へのエンゲージが低いと言えることは明らかではないだろうか? ハイになりたい人たちは、通常、バックリンクについて気にも留めていないだろう。

つまり、インターネット上の全ての人々があなたの顧客ではないのである(私が初めてのビジネスをローンチした際、同じ過ちをしていた)。あなたは、SEOとCROにおけるターゲット・オーディエンスを定義する必要がある。そのために、ペルソナの作成が有益だろう。

多くのキーワードから流入を獲得するだけでは、多くの利益を上げられない

しかし、私が最も主張したい内容は、「多くのキーワードから流入を獲得するだけでは、多くの利益を上げられない」、ということだ。コンバージョンの最適化も必要になるのだ。

あなたのサービスやプロダクトに興味がある、質の高い訪問客を獲得するためには、業界特有のキーワード(※)をターゲットに設定する必要がある。これこそが、コンバージョン最適化である。
※ロングテールキーワードのコンバージョン率は高い

ショートテールとロングテールのコンバージョン率を表すグラフ。ロングテールになるほど、コンバージョン率は高くなる。

より多くの顧客を獲得するために、一定のトラフィックを失う必要があることも覚悟すべきだ。

にわかには信じられないだろうか?

そういった方のために、1つの例を挙げてみよう。

ウィリアム・リード氏は、彼の顧客のWebサイトの流入成長がゆっくりと鈍化していることに気がついた。6ヶ月間で、10-13%しか成長しなかったのである。

分析を進めたところ、月間の検索数が50,000のキーワードで1ページ目に表示されていることを発見した。しかし、このキーワードは、彼のクライアントのサービスと深い関係のないキーワードであった。

そして、ウィリアム氏と彼のクライアントは、このキーワードの順位をゆっくりと下げることを試みた。また、偶然訪れたわけではない、訪問する意図を持った人々からのトラフィックを獲得することに集中した。

この施策を行うことで、ウィリアム氏のクライアントのWebサイトのトラフィックは減少していった。

しかし、彼らの利益は増加した。

馬鹿げた話しだろうか?

SEOとCROを組み合わせ、高い利益の獲得を実現する

下記のグラフを見てほしい。

※1 Revenue・・・収益
※2 Ranking・・・順位

この事実は、「最初からあなたの労力と費用をコンバージョン目的のための施策に費やすべき」ということを意味しているのだろうか?

いや、そうではない。

一定の訪問客がいなければ、最適化の対象すらいなくなってしまうからだ。

これが、私がKISSMetricsCrazyEgg、そしてNeilPatel.comにて、Webサイトの最適化を行い、100,000人の訪問客を獲得することに注力した理由だ。しかし、トラフィックが成長するかたわら、オプトインとリードマグネットを用い、リードの獲得の準備も進めていた。下記にコンバージョンファネルを記載する。

CRO(コンバージョン率最適化)とSEO(検索エンジン最適化)はお互いを傷つけ合うものではない。自社におけるこの2つの部署は互いに施策を進め、コンバージョン・ファネルを通じて、高い利益獲得を実現すべきなのだ。

SEOとCROにおける、3つのステージとフレームワーク

「CRO(コンバージョン率最適化)とSEO(検索エンジン最適化)は共存共栄でき、高い利益獲得を実現できること」を明らかにすることが、この記事の目的である。

その目的を達成するため、3つのステージのフレームワークを用意した。より多くのバックリンクを獲得すべき段階か、より多くのランディングページを作成すべき段階かを判断し、コンバージョン率の最適化とWebサイトの最適化を導くためだ。

ステージ1:十分に練られたコンテンツ・マーケティングとリンクビルディング・キャンペーンの実施。

あなたのWebサイトに掲載しているページの多くは、顧客の生活に価値を与え、信頼を獲得し、業界内の権威を確立するために存在している。

ファネルの上部に位置する、話題になるような高品質のブログを思い浮かべてほしい。

NeilPatel.comでもいい(もちろん)。Quick SproutCopybloggerProBloggerでも良いだろう。

こうしたサイトが全ての記事において、商品(無料トライアルも含む)や有料コースの紹介をユーザーに表示しているだろうか?

そんなことをすれば、ユーザーは不快に思うことだろう。

Webサイトのエンゲージメントを下げ、結局は売上も減少してしまうことだろう。

お金を稼ぐことがビジネスを行う唯一の目的であるべきではない。ターゲットオーディエンスの人生に価値を提供することも目的とすべきだ。

ラミット・セシ氏がI Will Teach You To Be Richのサイトで、98%のコンテンツを無料で提供しているのはそのためだ。

私は98%のコンテンツを無料で提供している。私が無料で提供しているコンテンツが、他のどの有料コンテンツよりも優れた内容になることを目指している。

私もユーザーに価値を提供するためのコンテンツ作成に数千ドルを投じ、それらを無料で公開している。これが、コンバージョンファネルにおける第一歩となるのだ。

Mozのメンバーは、かつて、SEO目的のページとコンテンツマーケティングがコンバージョンを導くものと信じていた。こうしたページに訪れた新規の訪問者が、無料トライアルを試し、Mozのソフトウェアを購買し、APIの利用契約を結んでくれると考えていたのだ。

その後、Mozのメンバーは、このような短絡的な考えは良くないと気づき始めた。彼らには、訪問客をコンバージョンへと促す、よく練られたランディングページが必要だったのだ。

マーケターとして、検索者のクエリを満たすためのみに設計された、教育的なコンテンツ(下記のMozのページのように)から何を得られると考えるだろうか?

  • 検索者のクエリを満足させるために設計されている。
  • リンク、共有、エンゲージメントの構築を狙っている。
  • コールトゥアクションは存在しない。

ターゲットオーディエンスを教育し、彼らが課題を乗り越える手助けをする。

ただ、それだけだ。

そして、どのような結果をもたらすか、あなたはすでに理解しているはずだ。

あなたのWebサイトを訪問し、記事を読むだけのユーザーもいるだろう。

もちろん、記事にコメントを残したり、ソーシャルメディアでシェアをしてくれたり、何らかの方法でWebサイトとの交流を行ったりするユーザーもいるだろう。

しかし、大多数のユーザーは記事を読み、去っていくはずだ。

90-9-1のルール」をご紹介しよう。90%のオーディエンスはただの傍観者であり、あなたのコンテンツへの関わりは薄いだろう。

この段階で行える唯一の戦略は、コンテンツのアップグレードやリード獲得を、初回訪問者に対しEメールアドレスとの引き換えに提供することだ。こうすることで、再訪問によるトラフィックを生み出してくれるメンバーを獲得することになる。

あなたはこう考えるかもしれない。

「無料のコンテンツを提供したところで、私のビジネスにおけるROIはどうなるのか?無料トライアルの利用獲得でもないのに?」

あなたのオーディエンスへ価値を無料で提供することは、コンバージョンファネルの初期段階における関係性として非常に良好である。見込み客をファネルの内側へと導き、さらに奥へと促すことも可能だ。

自然検索からの流入の多くは、あなたのブランドへの信頼性を構築するものであり、それは無料のトライアルを開始する前に必要とされるものだ。Mozの場合、ユーザーが彼らの製品の無料トライアルを申し込む前に、平均で7.5回の訪問があるという。

こうした、無料トライアルの前段階の訪問は、MozのWebサイトのどこで発生するのだろうか?

ランド・フィッシュキン氏の言葉を引用しよう。

(無料トライアルの前段階の訪問は)4/5回はコンテンツで発生する。製品ページでもなければ、価格表やその他ファネルのどのページでもない。その内の2回はソーシャルからの訪問であり、自然検索からの流入は非常に少なく、残りの1回か2回はダイレクトの流入だ。

もし、コンバージョンに注力した考えを持っているのであれば、Webサイトへの訪問の多くが無駄なものであると考えるかもしれない。自然検索からの流入の多くが、コンバージョンにつながっていないという考えだ。

しかし、MozのWebサイトへ2~3回しか訪問していないユーザーが無料トライアルを開始したらどうなるだろうか?

おそらく、彼らの多くがMozの無料トライアルを十分に使いこなすことができず、有料版へのアップグレードも行わないだろう。

そのため、Mozはコンテンツマーケティングとコンバージョンファネルを明確に線引している。

これにより、高品質のコンテンツを作成し、バックリンクを獲得し、コンバージョン最適化を考慮し、SEOを実践するという、ビジネス上の大きなインパクトにつながるだろう。

この形式のWebサイトの最適化は、Webサイトの信頼性にポジティブに作用し、Google目線での権威性の獲得にもつながるだろう。

コンバージョン最適化を目的として商品ページを作成した場合でも、そのページへのリンクビルディングを行わずに、ターゲットキーワードで1ページ目に表示されることもあるだろう。

この説明のためにECサイトでの例を挙げたい。

下記は「men’s tuxedos(男性用タキシード)」の検索結果だ。Nordstrom’sのページが1位に表示されている。このページが最も多くのリンクやソーシャルメディアでのシェアを獲得しているからではない。Nordstrom’sのSEOとサイト全体の権威性が理由となっている。

ランド・フィッシュキン氏の解説を記載しよう。

Nordstrom’sはオンライン・オフラインの両方で高い評判を得ている。ブランド自体とWebサイト全体におけるポジティブな指標だ。

  • 上位表示とコンバージョンの両方が必要
  • 価値のある情報と明確なコンバージョンの導線
  • ホストドメインが構築してきた権威性を活用している

新しくECサイトを構築する計画がある人は、「相手がNordstrom’sでは・・・。」と考えるかもしれない。「Nordstrom’sのようなこの業界における権威性はないし、予算だって比較にならない」と。

新しいECサイトが毎月何百万ドルも稼いでいるAmazonのような相手に打ち勝つことは可能だろうか?

答えは、Yesだ。

ブライアン・ディーン氏が紹介している、クリス・ローセン氏の例は非常に興味深い。デンマークのとあるECサイトが、一単語も記事を書かずに上位に表示されたのだから。彼が保有するJustBuyIt.comは消費者向けの電気商材を扱っている。

彼は、全くコンテンツを書かずに、どのようにして上位表示を達成したのだろうか?

彼は、業界内で引っ越し、または、閉鎖されたWebサイトへのリンクを貼っているサイトを探した。そして、そうしたサイトのオーナーに連絡をとり、自身の商品・カテゴリーページにリンクを設置することを依頼したのだ。

ブライアン・ディーン氏はこれを、Moving Man’s Methodと呼んでいる。SEOにおいて、鍵となる方法だろう。1時間ほどの作業でクリス氏はJustBuyItの被リンク数を劇的に上昇させることができた。

コンテンツに関連性のあるリンクを獲得したことで、そうしたリンクからの流入とコンバージョンを大きく向上させた。

ブライアン・ディーン氏作成の下記の動画を視聴すれば、こちらのリンクビルディングの手法がより良く理解できるだろう。

Youtube:Advanced SEO Strategy That Gets Results

SEOとWebサイトの最適化・コンテンツマーケティングについて理解を深めたいのであれば、下記の2記事をおすすめする。

この段階では、SEOの技術的な最適化も行うべきだろう。検索エンジンにあなたのWebサイトをインデックスしやすくしてくれるようにすることが目的だ。私が執筆した、「ビギナー向け技術的SEOのスタートガイド(英語)」を参照して欲しい。

  • Technical:テクニカル
    技術的なSEO。この領域のSEOは、検索エンジンがあなたのコンテンツをクロールし、インデックスしやすくするための施策がメインとなる。
  • Off-Page:外部施策
    サイト外のSEO。この領域のSEOは、外部のWebサイトからあなたのサイトへのリンクを獲得するための施策がメインとなる。関連性があり、権威性のあるWebサイトからの自然なリンクは、「そのWebサイトへの投票」となり、検索エンジンによる信頼性の獲得につながる。
  • On-Page:内部施策
    サイト上のSEO。この領域のSEOは、Webサイト上のコンテンツ作成がメインとなり、関連するキーワードへの最適化を目指すことになる。訪問者への「ユーザー体験」をより良いものにすることが鍵となる。

SEOとコンテンツマーケティングの施策を行うことで、Webサイトの最適化の結果、トラフィックが上昇していくことだろう。これは、オンラインとオフラインの両方で、広告への費用を抑えることにつながるだろう。

備考:インプレッションがベースとなるモデルのビジネスを行うWebサイトについて
このステージ以上のことを望む必要はないだろう。なぜなら、より多くの時間をユーザーがあなたのWebサイトで過ごし、直帰率を下げ、多くのトラフィックが生まれること自体がコンバージョンとなるためだ。

Googleアナリティクスでこちらをゴールに設定しよう。コンバージョンファネルを意識しつつ、より多くのトラフィックを獲得し、Webサイトの最適化に注力しよう。

広告の設置場所のテストも必要だ。私が執筆した「バナー広告をより多くの人に見てもらうために」を、まずは参照して欲しい。コンバージョンファネルとコンバージョンの最適化を検討するさいに、大きな手助けとなるはずだ。

備考:SEOの成果を見極めるために3ヶ月間待ち、その後、ステージ2に進むといったやり方を私は推奨しない。可能であれば、Webサイト最適化、SEO、コンテンツマーケティング、コンバージョン最適化は、並行して行われることが理想だ。

Webサイトの最適化とオンラインマーケティングに唯一の方法などはない。広告の予算が潤沢にある場合、ランディングページを作成し、広告キャンペーンを行い、多くのリード獲得を目指せばいい。これは効果的なコンバージョン最適化の手法である。しかし、インバウンドマーケティングは、伝統的なアウトバウンドマーケティングと比べ、リードあたりのコストが62%も少ないという事実(参照)を知っておくべきだろう。

ステージ2:CROの無いSEOは存在しない。逆もまた然りだ。両者は手を取り合って進めることができるのだろうか?

権威性の構築と関連のあるコンテンツからのリンク獲得を行い、ブランド構築のためのコンテンツ作成も完了している段階だろう。願わくば、十分な量のEメールリストを保持しており、Webサイトへのトラフィックも順調に伸びている状態が望まれる。

これは、まさに、ビジネスを開始する前にターゲットとなるオーディエンス間で評判を構築しているためのアプローチである。

しかし、Webサイトの最適化とSEO戦略を用いてトラフィックを獲得する理由はどこにあるのだろう?

自然検索からのコンバージョンを獲得するために他ならない。より正確に表現すると、自然検索の流入から収益を得るためである。

あなたは、自身のWebサイトを、ただコストを垂れ流す存在にはしたくないはずだ。

CROをSEOの敵と考えるべきではない。両者は共存することが可能なチームであるのだ。

オンラインの体験の90%が検索から開始されるが、マーケティング費用の全てを検索結果における上位表示を獲得するためだけに使うことはできないだろう。

特定のキーワードにおける順位とは、究極的には虚しい指標となってしまう。あなたはすでに、自然検索へのスムーズなナビゲーションと最高の体験の提供に注力すべきことを理解しているはずだ。そうすれば、顧客があなたのWebサイトに何のために訪問したかが理解できるようになる。

CROの重要性を説明するために、私自身のビジネスの事例を紹介したい。

Crazy EggというWebサイトの事例だが、こちらのトップページの最適化を行うために、CROのエキスパート達を雇用した。

彼らはコンバージョン率を30%高めるという偉大な結果を残した。

どのようにして彼らはこの数字を達成したのだろうか?

彼らは、簡潔であったトップページを長文形式の訴求コンテンツに変容させた。改修されたページは20倍ほどの長さになった。

※トップページを改修し、長文化した図

私は長い形式のコンテンツの効果を信じていたため、非常に喜んでいた。長いマーケティングコピーであれば、ユーザーのあらゆる疑問や目的に対応できると考えていたのだ。そして、それは常にコンバージョンにおいても良い結果を生むと考えていた。

この時までは・・・。

長い形式のトップページのヒートマップを見てみると、ページ下部(価格が記載されている箇所)に向かってエンゲージメントを獲得できているわけではないということに気がつく。

※ヒートマップの色が赤から青に変わるにつれ、エンゲージメントが下がっていることを示す

Copyhackersのジョアンナ氏の説を引用したい。

彼女はセグメント化した顧客のSEO調査を行い、また、テスト用に4つのタイプのトップページを作成した。

そう。短いコンテンツも含まれている。

結果はどうだっただろうか?

最も効果的だったコンテンツは、表面的なストーリーのない、簡潔なコンテンツだった。最も効果的だったコンテンツの長さは60%ほどであり、訪問者が抱える主要な関心事と目的には回答できており、コンバージョンファネルに沿って設計されていた。Webサイト最適化の偉大な事例だったと考えている。

自然検索からのトラフィックにおけるコンバージョンは13%も増加した。

そして、長い形式のコピーはあらゆる状況で効果的であるという私の仮説は間違いであったことがわかった。簡潔なマーケティングが成功することについては、「ロングコピー対ショートコピー – どちらがよりベターか?(英語)」に詳細を記載している。

これこそが、私が自身のWebサイトのテストを行うために、CROコンサルタント達を$252,000で雇用した理由である。Webサイトへのトラフィック単体では、ビジネスの成功を判断するためには、信頼できない指標となってしまうのだ。

一日に10,000の流入があるが、数秒で離脱してしまうユーザーが多いという場合、何が原因となっているのだろう?

もしかしたら、CROがSEOにマイナスの影響を与え、自然検索結果からの流入が減少してしまうということを恐れているかもしれない。

そこで、Webページのランキングに影響する要素を見てみよう。そして、CROのテストで必要な箇所も確認してみよう。

  • KW(Keyword & On-Page)・・・キーワードとオンページ
  • CQ(Content Quality)・・・コンテンツの品質
  • DA(Domain Authority)・・・ドメインの権威性
  • PA(Page Authority)・・・ページの権威性
  • UD(User & Usage Data)・・・ユーザーデータ
  • SP(Spam Analysis)・・・スパム分析

CROは上記のSEOに関連する要素のうち、3つの領域の変更にすぎない。よほど怪しい施策を行わない限り、ドメインとページの権威性が失われることはないはずだ。

CROのための変更は、これら3つの要素(キーワードとオンページ、コンテンツの品質、ユーザーデータ)の変更に過ぎない

CROのスプリットテストを行い、ページのコンテンツ、キーワードの使用率などを変更してみよう。

これらの要素を、検索エンジン経由で訪問するユーザーに最も関連するバランスを取ることができれば、コンバージョン率も高まるだろう。

しかし、こうした変更は、ただ単にコンバージョンを増加させるものではない。

コンバージョンの最適化、エンゲージメント、ページ滞在時間なども増加させるだろう。なぜなら、検索経由のユーザーはよりあなたのページに興味を持つはずだからである。

そして、

サイトの滞在時間と直帰率はランキングに影響することをご存知だろう(画像)。

CROのためのキーワードの変更などがSEOにマイナスの影響を与えると考える必要はないだろう。

さらに、SEOとCROのチームが手を取り合いながら議論できる、全体的なマーケティング戦略の施策のための2つのアイデアを紹介したい。

1.検索結果の広告で、実際にユーザーがランディングしたデータを活用する

厳格なテストの結果、あなたの現状のコンテンツはユーザーの意図に即していないことがわかったとする。

この結果を受けて、SEO担当者は何をすべきか?

オーディエンスが実際に使用する用語を含め、検索エンジン経由のユーザーの期待に沿うように、コンテンツの最適化を進めるのだ。Webサイトを居心地のいい場所にし、コンバージョン最適化を用いて目的を明らかにさせるのだ。

ケイト・モーリス氏が、非常に優れた例を提供してくれている。PPCキャンペーンからのCROがオンページSEOにおける改善を提供してくれるという内容だ。

2.ブライアン・ディーン氏による、クラシックな手法だ。彼が作成した、トラフィックを獲得するためのコピーライティングのリストを見てみよう(参照)。

まずは簡単な質問から始めよう。検索結果におけるより多くのクリックを獲得したくはないだろうか?

もちろん、Yesだろう。

より高いCTRはより多くのトラフィックを生み、最終的にはランキングにも影響する。

検索結果画面に表示されるスニペットは、メタ・ディスクリプションの内容が反映されることはご存知だろう。

下記で、最適化されたスニペットとそうではないスニペットの比較をしてみよう。

  • 上部・・・最適化されていないスニペット
  • 下部・・・最適化されたスニペット

どちらがより多くのクリックを獲得できるかは、明らかだろう。

メタ・ディスクリプション内にターゲットキーワードを含めるのはよいことだ。しかし、160文字のテキストで、ユーザーの関心を惹かなければならない。

ユーザーが抱える問題に対するソリューションがあるということを、どのようにして訴求すべきか?

検索結果画面でのCTRを高めた実績のある単語やフレーズを使用するのだ。

そうした単語やフレーズはどこにあるのだろう?

それは、アドワーズの文言の中にある。

こうした広告はマーケティング会社が多くのコストを投じて作られており、300%を超えるROIをもたらしている。

彼らは数千のスプリットテストを行い、顧客へ最も効果的に訴求できる言葉を選び、クリックを獲得している。これを使わない手はない。

あなたのスニペット文をより効果的にするため、こうしたワードをメタ・ディスクリプションに含めるのだ。

例を挙げてみよう。

ブライアン・ディーン氏の「リスト構築」の記事のスニペットを下記に記載する。

※訳:あなたがメーリングリストを作るのに使える、とてつもなく実用的なリスト構築戦略。より多くのメール購読者を得るならこちらをクリック

それほど魅力的な内容ではない。

タイトルタグは見切られており、メタタグの内容も意味をなしていない。

ブライアン氏は彼の記事の主題である「リスト構築」をアドワーズで調べてみた。

そして、「リスト構築」というキーワードは、「Eメールリスト」という単語とよく使われていることを発見した。

彼は、「Eメールリスト」という単語をメタ・ディスクリプションに含めた。

そして、「構築」や「成長」といった単語もよく使用されていた。

こうしたアイデアを自身のメタ・ディスクリプションに含めてみた。

非常にシンプルではなかろうか?

このようにして、ブライアン・ディーン氏は、より多くのクリックを獲得するマーケティングワードのリストを作成したのだ。

ここで、彼の戦略をあなたが行う場合に有用となるツールを紹介しよう。

効果のあるメタディスクリプションを作成するためのツール

i.Spyfu.com

(日本語非対応と思われる)

キーワードを入力し、ページ下部までスクロールしよう。

入力したキーワードの全てのアドワーズ広告が表示される。下記は、「keyword research」の結果だ。

ii.Yoast SEO
ワードプレスを使用しているのであれば、この非常に強力なツールを使用することでメタ・ディスクリプションの編集が容易になるだろう。アドワーズの文言から得たアイデアを組み込めばいい。

※Yoast SEOを使うと、タイトルやメタディスクリプションなどの項目を記事ごとに容易に変更することができる。日本語対応もされている

備考:A/Bテストを行うために、ユーザーごとに違うコンテンツを提供することが、Googleを混乱させてしまうと心配する必要はない。Googleボットにも、ユーザーと同じコンテンツを表示させてあげればよい(クローキングをしないということだ)。

そして、A/Bテストのために使用するURLには、rel=canonicalを設置しよう。その他のアドバイスは、「WebサイトのテストとGoogle検索(Google Webmaster Central Blog)」を参照して欲しい。GoogleもA/Bテストの実施を勧めている。Google自身も彼らのコンテンツに対するテストを行っているのだ。

ステージ3:CROとSEOの争いを終わらせよう。比類なきユーザー体験を訪問者に提供することに注力しよう。

Webサイトを根幹から見つめ直した場合、CROもSEOもユーザーに注力することが求められていることに気がつくだろう。検索エンジンのボットに提供するものではないのだ。検索エンジンのアルゴリズムを騙す行為は、安定的でなく、効果的でもない。

5年前まではCROとSEOに影響を与える異なる要素があり、ユーザー体験は組み込まれていなかった。しかし、Googleのアルゴリズムは常に進化している。

複数のアップデートの結果、SEOとCROは共に最高のユーザビリティを顧客へと届けることに主眼を置くものになった。

ページスピードはランキング決定の重要な要素であり、遅いページはコンバージョンにも影響する(1秒の遅れは売上の7%の喪失に値する)。

付加価値を与える内容と関連性のあるコンテンツは上位表示させるために重要な要素だ。同様に、より多くのコンバージョンを得るためには、強力な価値の提案が必要であり、それは説得力と関連性のあるコピーによって作られる。そうすることでしか、見込み客をコンバージョンファネルの次のステップに導くことができない。

人工的なリンク構築はもはや意味をなさない。権威性のあるページからのリンク獲得が重要だ。コンバージョンへと導くリンクを獲得することは、ランキング上昇の強力な後押しとなる。

適切な見出しタグを使用して、コンテンツの優位性をつける。ユーザーの期待に沿うため、目次の掲載はSEOにおいても有効だ。あなたが届けたいメッセージの順番を注視することになるため、コンバージョンの増加も期待できる。

数千ドルの費用をユーザー体験のために投資することは、理にかなっているだろうか?

ユーザー体験におけるROIについては、下記の動画を視聴して欲しい。

Youtube:The ROI of User Experience

かつて、私はユーザー体験(UX)をSEOの未来だと考えていた。今では、ユーザー体験がどれほど重要か、あなた自身が実感していることだろう。

「オンラインマーケティング(online marketing)」の検索結果を見て欲しい。私のWebサイトであるQuick Sproutが1位に表示されている。ForbesやWikipediaといった、権威のあるサイトよりも上位なのだ。

ページ単位の指標を確認してみると、私の記事が最も多くのリンクを獲得しているわけではないことがわかる。ページの権威性のスコアも、最上位ではない。

しかし、私のWebサイトは最高品質のユーザー体験を提供しているはずだ。独自のグラフィックの作成や各領域のエキスパートを採用するために、$40,000の費用を投資した結果である。

似たような例を紹介しよう。デレック氏は、彼の顧客にアピールするために、エレガントでシンプルなデザイン設計のために、$25,000を彼の新しいブログに投じた。優れた考えを持ち、受領歴のあるデザイナーを徹底的に探したのだ。

パーソナル化された体験をオーディエンスへと届けるその他の例として、パット・フライム氏の例を挙げよう。彼は、135,000名のEメールリストの管理をAweberからInfusionsoft、そして、Convertkitへと変更した。

彼はなぜこのようなことをしたのだろう?

定期購読者にパーソナル化された体験を届けるためだ。彼らの興味に即して、最も関連性のあるコンテンツのみを提供するのだ。

短期的なコンバージョンの増加に注視すべきでない。ネガティブなメッセージのポップアップでEメールのリストを増やしても、長期的な関係を結ぶことはできないだろう。

(訳:あなたの肌を破壊し続ける驚くべき32の物質:健康的な肌を手に入れる)

長期的な成功を目指そう。

あなたが提供する価値に説得されたユーザーの生涯価値は、騙すことによってEメールのリストに追加されたユーザーのそれと比べ、非常に高いものとなるだろう。

顧客により良い体験を提供することは、顧客のロイヤリティにも寄与し、コンバージョンの最適化を導くものだ。ハーバードビジネスレビューによると、カスタマーリテンションを5%あげることが、収益を25%増加させることになる。

これが、ユーザー体験の最適化がCROの中心に位置づけられている理由である。ユーザー体験の重要な要素をベースとして、あなたのWebサイトを設計しよう。

結論:SEOとCROは共存共栄の関係である

Webサイトへのトラフィックが充分でない場合は、ステージ1のキラーコンテンツの作成から取り掛かろう。なぜなら、コンバージョンの最適化は、コールトゥアクションのボタンの色、位置、サイズ、フォントなどの変更によってのみ達成されるものではないのだから。

顧客の調査から始め、自身のブランドをアピールしよう。よく練られた、訴求力のある言葉を作成しよう。ターゲットとなる顧客があなたのブランドを発見すれば、あなたはシンプルなコンバージョンへの道筋を提供する。こうした一連の作業が、コンバージョンの最適化となる。

A/Bテストを行うに足る、十分なトラフィック量はあるだろうか? そうであれば、ステージ2に進んで欲しい。SEOとCROから得られた両方のデータを活かすことで、高いエンゲージメントと売上を達成する手助けとなるだろう。

究極的には、ターゲットオーディエンスのユーザーインテントを満たすことになるのだ。コンバージョンを最適化し、高品質で関連性のあるコンテンツの作成に努め、最高の体験を顧客に提供することだ。

CROとSEOは常に共存できる関係であることを忘れないで欲しい。CROのテストを行い、フラッシュを使用したWebサイトが高いコンバージョンであったとしても、SEOを破滅させるものではない。

ケイト氏は、SEOを安定させたままコンバージョンの最適化を行うための5つのステップを紹介してくれている。

全体的なマーケティング戦略を採用することで、より良質な訪問客を獲得することができる。SEOとCROをうまく統合させることは、あなたのビジネスのオンラインマーケティングの目標達成の手助けとなるはずだ。

この記事を読むことで、CROとSEOは対立するマインドセットではないことをご理解いただけたと思う。

さあ、次はあなたの番だ。あなたのデジタルマーケティングの戦略は、ユーザー体験を考慮に入れたものとなっているだろうか? CROがSEOの手助けとなる(逆もまた然り)事例をお持ちの場合は、ぜひ共有していただきたい。

この記事は、NEILPATEL.comに掲載された「CRO vs SEO: Which One Should You Focus on Right Now?」を翻訳した内容です。

記事中にもありましたが、Googleのアルゴリズムは常に変化・進化を続けており、検索エンジンを騙す手法は淘汰され続けています。反対に、ユーザーに目を向けるべき傾向は加速し続け、今後もこの傾向は変わらないはずです。

CROもSEOも、その手法や指標は違えど、ユーザー体験を第一に考えることは共通でしょう。

Webサイト最適化の名の下、それぞれの施策を効率よく組み合わせていければ理想ですね。

アイオイクス株式会社では、SEOとCROを中心としたコンサルティングサービスを行っております。

ご興味のある方は、ぜひ一度サービスページをご覧ください。

Web上の”評判”は、いかにして、SEOにおける主要なランキング要素となったのか?

Googleのランキング決定の仕組みは複雑さを増しており、その全てを把握することは非常に困難です。その中でも、Web上の”評判”や、それに関わる品質の算出方法が単純なロジックで作られているとは考えづらいです。

今回の記事は、Googleの品質評価のアルゴリズムに関する非常に難解なトピックを扱っておりますが、得られる考えは特別なものではないと考えています。結論としては、「適切だと思われることはすべて行うべき」ということになりますが、記事の最後には、その重要性を再確認できるものと思われます。

※今回の記事は、15,000文字弱と非常に長いものとなっておりますので、ぜひまとまった時間のある時に読んでいただければと思います。

検索結果上のトップの座を維持したいのであれば、Webサイトのユーザービリティとコンテンツの品質の算出方法について学ぶ必要があるだろう。

私は、10年以上前から、Googleが自然検索のランキングに品質スコアを使用する可能性を唱えてきた。また、GoogleがWebサイトの品質を定量化するための複数の方法と、定量化のために不可欠となる特定の要素についても意見を述べてきた。

ここ最近のコアアルゴリズムの更新やメディック・アップデート、また、Googleによる品質評価ガイドラインの公開は、そのビジネスの評判がSEOにおける鍵となることを示唆している。Googleの自然検索のランキングにおける品質の定量化の仕組みに興味があれば、この記事を読み進めてほしい。

Googleが品質スコアを自然検索に用いる可能性を私が初めて示唆したのは2007年のことだった(外部記事:Google Quality Scores for Natural Search Optimization)。

また、次のようなページの重要性についても意見を述べてきた。

  • 我々について(About Us)のページを充実させることで、そのWebサイトの背後に誰がいるかをユーザーが知ることができる。
  • よくできたお問い合わせ(Contact Us)ページは信頼性を高める。
  • さらには、より良いユーザービリティとユーザー体験、コピーライトの宣言、適切なつづりと文法。

Googleのアルゴリズムがどの方向に進化していくのかは、こうした要素から読み取れるのだ。

Googleの「品質評価者のためのガイドライン(Quality Evaluators Guidelines)」、または、「品質評価ガイドライン(QRG:Quality Rating Guidelines)」に書かれていることは、上記の私の主張と近しい内容となっている。

Googleの品質評価ガイドラインと最近のアップデートとの関連性

品質評価ガイドラインに記載されている品質に関する要素は、Googleの検索順位により大きな影響を与えているようになっている。

このようなことを言うと、「まいったなー。彼は品質評価ガイドラインについて見当違いの発言をしているよ」と思われるかもしれない。

他方で書かれているとおり、また、(過去の流出も含め)品質評価ガイドラインが公開されて以来、Googleは評価者による点数はランキングに直接の影響を与えない、と明言しているからである。特に、ジェニファー・スレッグ氏は、ダニー・サリバン氏から「人間の評価者による評価は、アルゴリズム用の機械学習に使用されていない」という証言を得ている(外部記事:Google Does Not Use Quality Raters for Machine Learning Algos)。

彼はTwitterでの返信(ツイートへのリンク)にて、「我々はそのように用いていない」と発言しているのだ。ダニー・サリバン氏はさらに、「評価者のデータはレストランが用いるフィードバック用のメッセージカードのようなものだ。レストランはそれによって、彼らの”レシピ”がうまくいっているかどうかを確認している」と続けている(ツイートへのリンク)。

重要事項:評価者は検索結果のランキングのコントロールはできない。評価者によるデータは我々のアルゴリズムに用いられていない。我々は評価者によるデータを、レストランが提供したディナーのフィードバックを受け取るような形で用いている。そのフィードバックは、我々の検索”レシピ”がうまく機能しているかを知る手助けとなるのだ。

多くの人がガイドラインで言及されている特定の事柄をランキングシグナルのように扱っている。特に、Googleが”E-A-T”と呼ぶ、専門性(Expertise)、権威性(Authority)、信頼性(Trust)については顕著だ。

例えば、マリー・ハイネス氏は、品質評価ガイドラインで言及されている事柄がランキング要素に影響している可能性を主張している。例えば、BBB(*1)のランキングや著者の評判といった要素だ。

もちろん、この主張に反対している者もいる。また、Googleのジョン・ミュラー氏は、Googleは著者の評判を調査しておらず(YouTube)、BBBのランキングのような格付けも使用していない(YouTube)と述べている。

*1 Better Business Bureau:アメリカの商事改善協会

同時に、Google社員はWebマスターに対し、「ただ品質のみに注力すべし」とアドバイスを送っている。そして、可能な限り高品質なコンテンツを作成するために、品質評価ガイドラインを読むことも勧めている。これは、昨年10月のコアアルゴリズムの更新が行われたさい、ダニー・サリバン氏が言及したことでもある。

優れたコンテンツ作成のためのアドバイスとして、Googleの品質評価ガイドラインを読むことを勧める。評価者は、Googleのアルゴリズムが適切な検索結果を提供しているかについてのフィードバックを与えてくれる人々であり、我々が行った変更がうまく行っているかを確認する手助けとなっている。

そして、Google検索・Googleアシスタント・GoogleニュースのVPであるベン・ゴメス氏も昨年のインタビューで下記のように述べている(外部記事:We sat in on an internal Google meeting where they talked about changing the search algorithm — here’s what we learned)。

品質評価ガイドラインを「我々がアルゴリズムを向かわせたい場所」と捉えることができる。品質評価ガイドラインにはアルゴリズムがどのようにしてランキングを作成しているかについて書かれているわけではない。しかし、アルゴリズムが行うべき根本的な内容について書かれている。

論点をうまくズラされているようにも感じる。GoogleはWebサイトの品質をアルゴリズムによってどの程度正確に判断できているのか。もちろん、これにはある程度主観的とも思える、専門性・権威性・信頼性・評判も含まれている。Googleのアルゴリズムはこうした概念を定量的な基準に落とし込まなければならない。また、そうした基準は測定可能であり、競合しているサイトやページ間の比較も可能である必要がある。

過去のアルゴリズムのいくつかは、このプロセスを指し示していたと思う。そして、人々がGoogleに尋ねた質問の内容、Google社員が様々な形で返答した内容、人々がその返答を解釈した内容に齟齬があったとも考えている。多くの推測が、考えの浅い、理論的な要素に注力していたようだ。その中には、Google社員が直接否定していた要素も含まれている。

もし、Googleが人間の評価者にサイトのE-A-Tを算出するように依頼し、しかし、検索結果のランキングにはそれらを組み込まないのであれば、アルゴリズムは何を使用しているのだろうか?BBBの格付け、ユーザーレビュー、信用のあるリンクの分析、などを使用しているというのは非常に限定的な意見だろう。

同様に、Googleはリンクの信頼性の分析(Producing a ranking for pages using distances in a web-link graph)やクエリの分析(Site quality score)のみに品質の算出方法を求めているわけではないだろう。Googleは、明らかに、単純なリンクやクエリの分析以上の要素を考慮にいれているはずだ。もちろん、リンクやクエリの分析の要素もある程度は含まれているはずではあるが。

GoogleによるWebサイトの品質評価に関わる特許

Googleが過去に取得した特許の内容を把握することが、彼らが実際に品質評価に使用している要素を推測する手助けとなるだろう。実際の要素とかなり近しいはずであるし、それらは機械学習の技術を用いている。”Webサイトの品質シグナルの生成(Website Quality Signal Generation)”がそれにあたる。

また、この特許が取得された2013年に、ビル・スラウスキ氏によってそのあらすじがまとめられている(外部記事:How Google May Rank Web Sites Based on Quality Ratings)。Webサイトの品質を測るための方法、また、分析アルゴリズムがそうした評価とWebサイトのシグナルを関連付ける方法について説明されている。定量的なシグナルと人間によって算出された評価との関連性を自動的に特定する仕組みだ。そして、特徴的なシグナルからモデルを生成するのである。

こうした各モデルは、まだ評価付されていないWebサイトとの比較に用いられ、品質評価をそうしたWebサイトに付与するために使用される。これについての説明(以下に記載)は非常に魅力的なものである。

評価者(人間)はWebサイトを閲覧するためにインターネットに接続できる環境にあり、各Webサイトの評価付けを行う。評価者はWebサイトの評価を、評価入力装置(rating input device)を通して、品質分析サーバー(quality analysis server)に送信することができる。

品質分析サーバーは、評価入力装置から、Webサイトの評価を受け取り、それをシグナル・ストア(signal store)に格納する。Webサイトの評価はURLと、また、評価付けされたWebサイトと近しい他のWebサイトのシグナルと関連付けられる。

品質分析サーバーは、Webサイトの品質評価とWebサイトのシグナルの関連性を特定し、その関連性を表すモデルを作成する。

さらに、品質分析サーバーは評価付けされていないWebサイト(例えば、品質評価を示すシグナルが欠落しているサイト)を発見するためにシグナル・ストアを検索する。品質分析サーバーは、評価付けされていないwebサイトが品質評価に関連するシグナルを有しているかどうかを判断し、評価付されていないサイトへモデルを適用する。そのモデルのアプリケーションが算出された品質評価となる。

品質分析サーバーは、モデルによる算出された品質評価を、該当のWebサイトに適用する。算出された品質評価は、他のアプリケーションによって使用される目的で、シグナル・ストアに格納される、追加されたWebサイトのシグナルとなる。

検索エンジンは、シグナル・ストアに格納された、Webサイトのシグナルを使用することができる。検索結果におけるふるい分けと並び順を決定するために、格納されたそのWebサイトの品質評価を元に、使用するのだ。

例えば、一定のしきい値を下回る品質評価を持つサイトをふるい分けするために使用される。また、検索デバイスによって返されたWebサイトは、格納された品質評価したがって順位づけされている。

格納された品質評価が高いWebサイトは、品質評価が低いWebサイトよりも検索結果に表示される優先度が高くなっている。

特許の内容には品質評価に用いられているであろう要素の例が、いくつか記載されている。

文法の正確さ、Webページで記載されているテキストのスペル、不適切な素材の有無、空白や不完全なページの有無、その他Webサイトの品質に影響を与える要素、などが品質評価の要素として使用される。

ここに記載されている内容が、まさに品質評価ガイドラインに記載されている内容であることに気がつくだろう。

しかし、特許の内容に非常に説得力が有るという理由は、これだけではない。Webサイトの評価を算出するための方法とランキングを決定づけるために使用される品質スコアの生成方法について、非常にロジカルなフレームワークで説明されているからなのである。比較的小規模なサンプルからモデルが生成され、そのモデルが他の複数の似たWebサイトに対し横断的に使用できる、という方法について説明されているのだ。

あなたが品質スコアを作りたいと思うページがあると仮定しよう。例えば、健康について書かれている情報記事、つまりは、品質評価ガイドラインでYMYL(Your Monery or Your Life*2)と説明されているページだ。Googleは上記で言及した、測定可能なシグナルを使用することができる。

例えば、コンテンツの量、ページのレイアウト、広告の数、ページ内の広告の表示位置(アバブ・ザ・フォールドやインタースティシャル。つまり、広告がメインコンテンツに対し紛らわしかったり煩わしかったりしないか)、サイトについてのレビュー、サイトと異なる場合のコンテンツ作成者のレビューや被リンク、ページからの発リンク(コンテンツ作成者の特定や情報のソースの参照)、サイトやページの被リンク(ページランク)、主要なキーワードの検索結果におけるクリック率、ページのコンテンツ・検索結果のスニペット・メタディスクリプションとページ上部のヘッドラインやタイトルの一致性、などのサイトの信頼性を指し示す要素だ。

*2 金融や医療など、誤った情報を与えてしまうことで、ユーザーの人生に大きな影響を与えかねない領域

複数の同様のページのテストの後、Googleは品質シグナルの組み合わせのモデル(または、パターン)を作成し、スコア値を算出する。そして、健康系のトピックを扱った記事ページが、ある一定の基準を満たしたページランクのようなシグナル、同様のページのコンテンツのレイアウトや量、内部リンクに由来するページランク、クリック率、ユーザーレビューを保持していたとする。

この場合、Googleは算出された品質スコアを、人間による評価を一切しないで、割り当てることができるのだ。Googleはこのようなモデルを、複数の異なるタイプのページに対し、作成していると考えられる。

  1. 複数のWebページ
  2. 品質評価者
  3. スコア付け
  4. 品質分析サーバー
    品質スコアとWebサイトのシグナルの関連性を特定し、その関係性を表すモデルを作成する
  5. 品質スコアと関連付けられたモデルの生成
    モデルは同様のページと比較され、品質スコアが割り当てられる
  6. 品質スコアは検索結果におけるランキングに影響する

この一連の流れにGoogleが機械学習の技術を組み込んでいると思われる理由は、データ内の品質スコアの関連性と紐付いているからである。このデータとは、異なる重み付けを手動で設定する単純なトグルのようなものではない。特定のシグナルに対し重み付けを行う煩わしい作業ではないのだ(例えば、特定の品質スコアのレベルを持つ健康系のトピックは最低でもXのページランクを持ち、最低でもこのくらいのリンク数を持つ、といったものではない)。

機械学習の技術を用いることで、評価システムはより複雑な関連性を特定できるのだ(例えば、ページランクがNからNN、CTRがXからXX、レイアウトが特定のタイプ、の場合は特定の品質スコアを付与するといった具合だ)。

特許の内容がその可能性を指し示している。

モデルはWebサイトのシグナルとサポートベクター回帰を実装した機械学習のサブシステムを用いるWebサイトの品質評価に由来するものである。

本質的に、これは機械学習の階層を生み出す。モデルは共通の階層の全てのページの特定、品質スコアの算出、そして、同質、または同様のスコアを同質のクラスのページへの適用などに使用される。

Googleがデータを該当のページから直接インプットするかどうか、また、それらの品質評価者の評価が機械学習システムに組み込まれるかどうかは大きな問題ではないと考えている。Googleは様々な種類のページの”モデル”を使用し、品質評価がどのようにそれらを算出したかを確認し、手動でその重み付けを調整できる。

しかし、Googleが保持し、好きに使用できる莫大な火力を考慮に入れると、私は全く意味を成さないと考える。事実、エリック・エンジ氏やマーク・トラファガン氏(外部記事:Why Google Uses Machine Learning in Search – Here’s Why #176)のように、多くのSEO分析者がGoogleは機械学習の技術をコンテンツのランキングに用いていると考えているし、Googleもクエリの解釈のみに使用しているわけではないとアナウンス(外部記事:FAQ: All about the Google RankBrain algorithm)している。

コアアルゴリズムの変更により順位が下落したサイトに対しGoogleが提供する曖昧なアドバイスの説明にもなる。サポートベクター、または、ニューラルネットワークは非常に包括的なスコアを伴うのだ。そのため、特定の現象に対しての原因を考えるさい、なにか特定のシグナル、もしくは複数のシグナルを指摘することは、不可能であるといえるのだ。その原因は非常に複雑なモデルに内包されており、とても抽象的なものであるからだ。

算出されたモデルが検索結果のランキングに適用された後、その検索結果に対し、Googleは品質評価者による評価付けを再度行う。これを繰り返し行うことで、検索結果を調整し、時間をかけてより良いものにしていくのだ。

Googleが品質スコアに組み込むと考えられるシグナルは非常に複雑である。下記に記載してみよう。

ページランク

または、その進化系のシグナル。リンクの品質や信頼性も含むかもしれない。

ユーザーレビューの感情

Googleの品質評価ガイドラインはレビュー数に一定のしきい値を設けていることを示唆している。そのため、あるビジネスやWebサイトの総レビュー数が比較的少なかった場合、非常に曖昧で状態を正確に表していないため、Googleはそれらを無視するという選択をするかもしれない。

Googleは感情分析の調査を長いこと行っており、それを実施するための特許も取得している(Domain-specific sentiment classification)。過去にはローカルリストに表示もしていた(外部記事:Google Highlights Review Sentiments On Local Place Pages)。現在、ランキングに使用しているかどうかについてははっきりとしていない(外部記事:Google Suggests They Use Off-Site Sentiment Analysis For Ranking)。

しかし、実質的にはGoogleは感情を使用することを明示している(外部記事:Google Suggests They Use Off-Site Sentiment Analysis For Ranking)。GoogleがWebサイトの評判をランキングアルゴリズムに組み込んでいるのであれば、感情分析無しで、どうやってランキングの調整を行っているのだろうか? 品質評価の算出はいくぶん不明瞭なものであるが、感情分析は、その分析と仕様の対象として、比較的明確であるだろう。

メンションの感情

人々はあなたのプロダクトについてSNSやEメールで言及しているだろうか? ソーシャルメディアの”バズ”は人気度を測る指標であり、そこでの感情も同様に品質の測定となりうる。

クリック率(または直帰率)

クリック率がランキング要素であるかどうかについての議論は長いことされてきている。

しかし、広告のクオリティスコアに使用されているのであれば、自然検索のランキングにも使用されているのではないだろうか? ウォール・ストリート・ジャーナルによって事故的に発表(外部記事:FTC Google Probe Recommendation)されてしまった2012年の情報公開法(freedom-of-information-act)にて、Googleの旧サーチクオリティ・チーフであるウディ・マンバー氏が下記のように言及したのだ。

ランキングはクリックデータに影響される。例えば、特定のクエリで80%のユーザーが2位に表示されているWebサイトをクリックし、1位に表示されているWebサイトをクリックする人が10%しかいなかった場合、人々が求めているのは2位に表示されているWebサイトであるといえる。こうした状況が発見された場合、我々はその順位を入れ替える可能性がある。

CTRがランキングに影響することを説明する調査もあれば、影響はないとする調査もある。もし、CTRが品質スコアの一部でしかない場合、CTRは直接のランキング要素ではなく、これが調査によって異なる結果が出る説明となるかもしれない。

広告の位置が占める割合や煩わしさ

全ページのどれくらいの領域が広告によって占められているだろうか? Googleは、良いしきい値と悪いしきい値を計算しているかもしれない。どのくらいの数の広告があるか、メインコンテンツを過度に侵食していないか、インタースティシャルや閉じることのできないオーバーレイであるかどうか、スコロールしても広告が追ってくるだろうか。このような広告の煩わしさの程度が算出されている可能性がある。

自身を説明する情報の欠落

理想を言えば、Webサイトは”我々について(About)のページ”や”お問い合わせ(Contact Us)ページ”を持つべきである。我々について(About)のページはどのような会社であるかを説明し、欲を言えば、写真とともに優秀な会社のメンバーも掲載したい。

お問い合わせ(Contact Us)のページは可能な限りの量の問い合わせ先の情報を掲載する。番地を含む住所、電話番号、お問い合わせフォームなどだ。会社メンバーのページからソーシャルメディアやLinkedinのページへのリンク(逆もまた然り)も設置したい。Webサイトに訪れたものの、その裏側には誰がいるかがわからない状態ほど、悪いものはない。

ECサイトや金融系サイトにおける重要な要素

HTTPSは必須条件だ。

しかし、単純にHTTPSかどうかである以上のことをGoogleは見ていると、私は考えている。なぜなら、暗号化やその設定は全てが同一ではないからだ。

Googleクロームは不備のあるHTTPSに対し、警告を表示するようになっている。ECサイトや金融情報を提供しているサイトは、利用規約、個人情報の扱い、カスタマーサービスへの問い合わせ先などの情報を記載するべきだ。また、ヘルプセクションやリターンポリシーも重要だろう。かつて、私はトラストバッジ(Trust Badges*3)を目立たせるようにしていた。

おそらく、Googleはトラストバッジ自体をWebサイトの品質評価には使用していないだろうが、ユーザーにとって信頼性を高めることになるし、セールスを強化するという効果も期待できるだろう。

*3 データの収集を適格に行っていることを証明する印

Webサイトのスピード

言うまでも無いが、かつてページスピードは広告のクオリティスコアの要素であった。そして、今日の自然検索結果においては、品質評価の一種として用いられている。

定期的なレビューと更新

品質評価ガイドラインでは、特定のタイプの記事や情報サイトは、必要に応じて定期的に見直され、更新されることに言及している。医療、法律、金融、税についてのアドバイスなどが該当する。

もし、自身のサイトがこのようなタイプの情報を掲載しているのであれば、定期的に内容を見直し、変更が加えられた場合には、該当の記事の目立つところに、”更新日”を記載することを勧める。同様に、Webサイトを横断してフッターに記載されているCopyrightの更新漏れも、品質の測定に関わっているかもしれない。更新がされていないと、Webサイト自体が更新されておらず、最新情報が記載されていないと判断されてしまうかもしれない。

その他の要素としては、欠陥のあるウィジットやアプリの使用、画像切れやリンク切れのページ、最近の情報と掲載しつつも明らかに古いコンテンツへのリンクの掲載、などが挙げられる。

コンテンツがない、または、価値のないコンテンツ

Googleは、クロールしたさいに出くわした空白のページ、十分な内容がないコンテンツの割合を確認することができる。Webサイトの大部分でエラーが発生している場合、更新を怠っており、メンテナンスも不十分であるという事実を示すことになる

価値のないコンテンツが放置されているサイトでは、非常に優れた記事が1記事あったとしても、ユーザーは他のページをクリックし、不満足な状態のコンテンツに出くわす可能性が高まってしまう。

ポルノ、悪意のあるコンテンツ、不愉快なコンテンツ、詐欺ページ

これについて多くを言及する必要はないだろう。このようなタイプのコンテンツは、非常に低い品質評価を受ける可能性が急激に高まってしまう。自身の品質スコアを急激に落としたい場合は、このようなコンテンツを追加するといいだろう。

注意したいことは、Webサイトは他のサーバーからひっぱってこられた、このようなコンテンツを表示する広告にも責任を負う必要があるということだ。自身のサイト内に何が表示されているか、細かいところまで配慮する必要があるだろう。

ページランクのスコア算出方法が使用されている可能性

品質スコアの仕組みにおける興味深い観点として、品質スコアはリンク先のページやドメインの品質スコアと関連している可能性が挙げられる。

品質スコアはリンクグラフ全体の総数から繰り返し計算され、これはページランクアルゴリズムの算出方法に近しいものとなっている。これにより、品質スコアの値の重み付けがされ、高品質なコンテンツであることの確証が得られ、品質の低いコンテンツが検索結果の奥底に表示されるようになるのだ。

メディックアップデート(*4)で影響を受けたサイトの観測

バリー・シュワルツ氏がメディック・アップデートで影響を受けたサイトの調査を公表している。私も簡単な調査を行ったが、メディック・アップデートで影響を受けたサイトは、品質スコアに影響を与えるであろう要素や、品質評価ガイドラインで言及されている要素が欠落していることに気がついた。

*4 2018年8月1日にGoogleが実施したアップデートの俗称。医療・健康系のサイトが大きな影響を受けたとされている。

Prevention.com

我々についてのページがない。無限スクロールが採用されており、プライバシーポリシーや規約についてのページが読み込まれていない可能性がある。お問い合わせページが記載されているのは別のドメイン。記事の執筆者の評判を見てみると、必ずしも医療系の専門家ではない。非常に大きな広告やサイドバーのモジュールはとても煩わしい。

Gcflearnfree.org

リダイレクトされ、スタッフ紹介はアニメーション、テキストがなく、電話番号や住所の記載もない。コンタクトフォームは、人であることを認証するためのボタンをクリックした後でのみ、表示される。

Minted.com

カスタマーサービスへの問い合わせの電話番号が見つけにくく、サブドメインへリダイレクトされる。

Buoyhealth.com

我々についてのページがトップページへリダイレクトされる。電話番号、住所、スタッフ情報の記載がない。ロゴの画像も奇妙だ。

VeryWellHealth.com

驚くべきことに、このサイトはHON(Health On the Net Foundation*5)コードを取得しており、医師が執筆している。なぜ、このサイトが影響を受けてしまったのだろうか? 受賞歴の記載あり。医師が監修したジャーナリズムあふれる記事。我々について(About us)のページはもっと目立たせるべきだろうか?

問い合わせのための電話番号や住所の記載はない。記事ページには広告が多すぎる。ページ上部のアコーディオン式の広告を煩わしく感じるユーザーは多いだろう。また、ロゴのリンクシステムが非常に奇妙だ。画像のマップは検索エンジンが理解するのは難しいだろう。

*5 信頼のある医療情報であることを証明する非営利機関

GoodRX.com

我々についてのページの記載内容が不十分で、パブリックサービスの警告文のように読めてしまう。彼らが何者であるかが書かれていない。サイト全体としては正しいことをしている。

Spine-health.com

HONコードを取得している点は素晴らしい。電話番号と住所の記載はない。お問い合わせページは別のドメイン。ページのフッターには別の名前のリンクがある。

NaturalFoodSeries.com

トップページはほぼ無限スクロールのような作り。我々についてのページとお問い合わせページがなく、電話番号と住所などの記載もない。

私がこれらのサイトを確認したのは数週間前であるから、すでに何らかの変更を加えている可能性はある。また、その中で順位が回復したサイトもあるかもしれない。上記で私が言及した項目が、欠落している項目の全てではない。我々についてのページを追加したことで、全ての問題が解決されるわけではないだろう。

ランキングシグナルについてのメッセージ

過去、また、この記事で私が言及したシグナルは、非常に議論をうむ内容であるだろう。私の意見に反対する者もいるだろう。

しかし、私の意見は、SEOの専門家がランキング要素であると信じていたものと、Googleがそうではないと否定したものとの乖離についての説明に非常に近しいものとなっているはずだ。

Google社員はときおり意味論のゲームに興じると私は考えている。彼らは、議論を生む要素(CTRや感情分析など)は直接のランキング要素ではないと発言する。なぜなら、こうした要素は品質スコアの複雑な評価システムの説明となる場合と、説明とならない場合もあるからだ。

例えば、私の品質スコアに対する推測が実際の仕組みに近しかった場合を考えてみよう。同様のトピックで異なる2つのページが有り、関連性やCTRは高い。

しかし、その他の要素の組み合わせにより、どちらか一方の品質スコアが、もう一方よりも、非常に高くなる可能性もある。別のケースでは、高いCTRによって高品質と判断される場合もあるだろう。

高品質なページのモデル(パターン)は、ダニー・サリバン氏が表現した”検索のレシピ”であるようだ。異なるタイプのページの品質スコアを決定するために、複数の要素が異なる組み合わせと重み付けをされているのである。

サポートベクター回帰やニューラルネットワークを使用することにより、品質スコアのリバースエンジニアをほぼ不可能なものにするだろう。

なぜなら、それらは非常に全体的で包括的なものであるからだ。品質スコアはゲシュタルトである。これが、アルゴリズムの影響を受けてしまったサイトに対し、Googleが「全体的な品質を向上するように努めよう」や「最高品質のコンテンツの作成に注力しよう」のような非常に曖昧なアドバイスを送る理由にもなっている。

技術的なSEOを無視すれば、品質スコアの低いサイトがその順位を改善するために、1つや2つの改善ですむことはほとんどないだろう。グレン・ゲイブ氏がアルゴリズムの更新に影響を受けたサイトを調査した後、次のメッセージを残している。

「サイトオーナーは特定の、単一の要素を注視すべきではない。下降した理由が、たった1つの要素、といったことは絶対にないのだから」

あなたのサイトの品質スコアを改善するために

では、品質スコアが非常に複雑で全体的なものであることを理解することが、自身の品質スコアを改善するために、どのように役立つのだろう?

良いお知らせとして、多くのSEOのガイダンスは非常にわかりやすい。技術的に”健全な”SEOを実装し、エラーページやブランクページを極力少なくする。不必要で、内容の薄いコンテンツを削除する。ガイドラインに違反したリンクビルディングは行わない。

SEOは、それ自体が全体的で包括的な取り組みとなっている。自身のサイトを最適化するために正しいと思われる全てのことを行おう。ユーザーがあなたのサイトは最新の状態に保たれていると感じる要素を確認しよう。我々についてのページ、お問い合わせページ、プライバシーや規約、カスタマーサービス、そして、コンテンツ自体を適切なタイミングで更新する。

技術的なSEOの要素に加え、ユーザビリティ、ユーザー体験、カスタマーサービス、コンテンツの品質などをより良いものにする必要がある。

自身のサイトを厳しく査定し、うまくいっていない箇所の特定と、改善を進めよう。ユーザーの目線を持って自身のサイトを評価し、ユーザーのニーズを満たすためのコンテンツを作成しよう。否定的なレビューへも対応し、自身のサイトを好ましく感じてくれたユーザーからのレビューを引き出そう。自身のサービスとクライアントとの軋轢がるのであれば、その軋轢を生む要因を除外し、カスタマーサービスの慣習を改善しよう。

あなたは最高のコンテンツを作成する必要があり、コンテンツ作成には、最高のコンテンツ作成者の獲得が必要となる。

最後に、自身のコミュニティと積極的に関わることで、先進的なレピュテーション・マネジメントに取り組もう。オンラインでもオフラインでも、長い期間、継続的に行うのだ。ソーシャルメディアへのエンゲージを高め、こうしたチャネルでの露出機会を増やす。評判形成のため、専門家としてのアドバイスを、オンラインで無料にて提供しよう。あなたの業界のプロフェッショナルなグループの一員となろう。プロとして振る舞い、オンラインで感情的になることは避けよう。

こうした試みをすることで、品質スコアにとって良いシグナルを発生させることができ、いずれ大きな利益を獲得することになるだろう。

スタートアップのための最新コンテンツマーケティングを伝授

【編集部注】これは、Extra Crunchに掲載されているスタートアップのための専門家による最新アドバイスの無料サンプルです。このテーマで執筆をご希望される方は、ec_columns@techcrunch.comまでお問い合わせください(Extra Crunchは現在、英文記事のみのサービスです)。

成長著しい優秀なマーケターであっても、コンテンツマーケティングがうまく行かないことがある。その多くは、4年前の古びた戦術を、いまだ漫然と使っている。

ここでは、SEOで今年最も成功した事例の背景にある実際のデータを、あらゆる雑音を排したかたちで届けする。

私たちは、Growth MachineBell Curve(私の会社)という2つのマーケティング代理店で、クライアントが示したコンテンツマーケティングの効果を調査した。これらの代理店は、Perfect Keto、Tovala、Framer、Crowd Cow、Imperfect Produce、その他100社あまりの企業を成長させてきた。

それらのクライアントは、どんなコンテンツを書いているのか? 検索エンジンの掲載順位を上げるために、どのような最適化(SEO)をしているのか? 読者から顧客へのコンバージョンをどのように行っているのか?これからみなさんにお伝えするのは、ほとんどのスタートアップがブログの運営方法を間違えているということだ。

月間の閲覧者数15万件を記録するCupAndLeaf.comの戦略を参考に見ていこう。

短い文章で深く書く

以前、Googleは、良質な記事を見分けて積極的に紹介する技術を持ち合わせていなかった。彼らのアルゴリズムは、「コンテンツファーム」の質の悪い記事に振り回されていたのだ。しかし、それはもう過去の話。

今日、Googleは本来の社命に戻りつつある。それは「世界の情報を整理して、あまねくアクセス可能にし、利用しやすくする」というものだ。言い換えれば、現在Googleは、良質な記事を確実に見分けることができる。ではどうやてて? 強いつながりを示すエンゲージメントの兆候をモニターしているのだ。ブラウザーの「戻る」ボタンをクリックすると、Googleはそれを検知する。これは、閲覧者が記事を読もうとクリックした直後に離脱して、前のページに戻ったことを示す。

これが度重なると、Googleはその記事の掲載順位を下げる。質が低いと判断されるのだ。例えば、下の図は(古い)Googleウェブマスターツールの画面だ。記事の質の評価プロセスが示されている。この例では「デザインパッケージのアイデア」というキーワードで検索できるある記事の掲載順位の推移がわかる。Googleは最初に25ポイントを与えている。

しかし、時間が経過するにつれて閲覧者のエンゲージメントが低下し、Googleは次第にこの記事の掲載順位を下げ、最終的にはこの画面でわかるとおりの結果になっている。

教訓は?閲覧者のエンゲージメントを保つために質の高い記事を書くこと。それ以外は、ほとんどが雑音だ。私たちのクライアントを研究するうちに、エンゲージメント率の高い記事を書くための4つの法則がわかった。

1.記事の優先度を上げる検索クエリを書き込む

記事の中で、検索クエリがうまく使われていない場合がある。下の画像は、「personalized skincare」(個別のスキンケア)の検索結果だ。

見てわかるとおり、Googleは記事(article)よりもクイズ(quiz)を優先させている。そのため、個別のスキンケアに関する記事を書く前に、こうした下調べをしておかないと、時間を無駄にすることになる。なぜならこのところ、Googleは一部の検索クエリで、地元のお勧め、動画、クイズなど、読み物以外のタイプの順位を上げるようになっているからだ。原稿を書き始める前に、気を落ち着けて調べておこう。

2.閲覧者がコンテンツから得られるものを正確にタイトルに入れ込む

閲覧者が製品を買いたくてサイトに訪れるのなら、ぜひとも製品のリンクを入れたい。レシピを探しているのなら、それを提供する。タイトルが示しているとおりの内容を、閲覧者に提示しなければならい。そうでなければ閲覧者は離脱する。Googleは離脱の回数を数えているので、それが増えれば順位が落とされる。

3.検索者に結論を与える記事を書く

目標は、あなたのサイトが人々の検索の旅の終点になることだ。つまり、あなたの記事を読んだ人が、Google検索に現れた他のサイトを見に行かなかったとしたら、あなたのサイトはその人が求めていたものを提供したとGoogleは推論する。それは、検索者を最短距離で目的地に導くというGoogleの第一の使命でもある。

検索者の旅を終わらせるには、次の2つの技を使う。探していると思われる項目すべてをカバーする、十分に詳しい情報を提供する。探している情報に関連する可能な限りのページにリンクを張る。そのために私たちはClearscopeを使っている。記事の検索順位に大きく影響する決定的な情報を確実に見つけてくれるツールだ。

4.詳しいながら簡潔な文章を書く

2019年、最も検索順位が高かったブログに共通しているものは?前書きを省き、段落を短くして要点を書くことだ。さらに、滞りなくナビゲーションできるよう「目次」も備えている。

それを真似よう。読本の形から抜け出すのだ。私たちのクライアントで、パフォーマンスが高いブログを書いている人たちは、みなそうしている。

詳しく知りたい方は、Extra CrunchのJulian Shapiroの記事「What’s the cost of buying users from Facebook and 13 other ad networks?」(Facebookと他の13の広告ネットワークからユーザーを買うコストは?)と「Which types of startups are most often profitable?」(最も利益率の高いスタートアップのタイプは?)をお読みいただきたい(英語のみ)。

バックリンクよりもエンゲージメントを優先させる

データの調査から、もうひとつ、「バックリンク」に関する大きな発見があった。バックリンクとは、他所から自分のサイトへのリンクを意味するマーケティング用語だ。

4年前、SEOの世界では、バックリンクと、質の高いサイトからのリンクの多さを表す「ドメインレーティング」(0から100のポイントで示される)が重要とされていた。当時は、バックリンクを気にすることが正しかったのだ。

現在は、私たちのデータによれば、バックリンクに以前ほどの力は見られない。たしかに助けにはなるが、それはしっかりとしたコンテンツがあっての話だ。ほとんどのコンテンツマーケターは、まだそこに気がついていない。下の画像は、ドメインレーティングが非常に低い中小企業が、今日の巨大企業を打ち負かした様子を示している。

ここからわかるとおり、バックリンクがなくても、Googleは喜んで高い順位を与えてくれるということだ。Googleはサイトのエンゲージメントの強さから判断しているので、あなたのサイトにTechCrucnhからのリンクがなくても関係がない。

Googleには、googleアナリティクス、Google検索、Google広告、そしてGoogle Chromeのデータがあり、あなたのサイトに対する検索者のエンゲージメントがどれほどあるかをモニターしている。信じて欲しい。あなたのコンテンツのエンゲージメントを知りたければ、Googleにはいくらでも方法があるのだ。バックリンクに頼る必要などないのだ。

だが、バックリンクが役立たずだと言っているわけではない。私たちのデータは、バックリンクには、かなり低くなってはいるものの、まだ価値があることを示している。とりわけ、バックリンクがあれば、Googleの「考慮」にいち早く入ることができる。権威ある関連性の高いサイトからのバックリンクがあれば、Googleは安心してあなたのページにテストトラフィックを送ることができる。通常は数カ月かかるところを、もしかしたら数週間で来る。

「テストトラフィック」とは、こういうことだ。記事を公開してから数週間が経つと、Googleがそのサイトの存在に気がつき、そのページを関連するキーワードの検索結果の上位に試験的に表示する。そして、そのページへの検索者のエンゲージメントをモニターする(戻るボタンをすぐにクリックしないか)。エンゲージメント率が高いとわかれば、そのページの露出度が徐々に高められ、検索順位も次第に上がってくる。良いバックリンクがあれば、このプロセスが数カ月から2、3週間程度に縮まる可能性がある。

数よりもコンバージョンを優先させる

エンゲージメントは最終目標ではない。それは本来の目的、つまり登録、購読、購入(マーケターは「コンバージョン・イベント」と呼ぶ)を促すための前処理に過ぎない。サイトの来訪者がコンバージョンに至る過程は3種類ある。

ショート:最初の記事を読んですぐにコンバージョンする。

ミディアム:最初の記事と、さらにいくつかの記事を読んで、最後にコンバージョンする。

ロング(これがもっとも多い):ニュースレターを購読して、後で戻ってくる。

ショートまたはミディアムの率を高めるには、ブログ記事の文章、デザイン、行動の誘因を最適化しなければならない。私たちは、それを実施する際の2つのルールを特定した。

1.滑らかに売り込みにつなげる

記事の後半に至るまでに宣伝を入れてはいけないと、私たちのデータは示している。なぜか?導入部分に宣伝を入れてしまうと胡散臭くなるからだ。また、良い記事に読者が引き込まれるほど、あなたのブランドに対する親近感や信頼感が高まる。そうなれば、宣伝が始まっても読み飛ばされることが少なくなる。

2.売り込みの言葉を宣伝らしくしない

ほとんどのブログは、製品の売り込みを、大きくて邪魔くさいバナー広告のような形で組み入れている。私たちのデータによれば、こうした視覚的に派手な宣伝は、反射的に拒絶される。そうではなく、製品を通常のテキストのリンクとして組み入れるのだ。他の文章のリンクとまったく同じスタイルにする。健康ブログのWoodpathは、Amazonの販売ページへの誘導をうまく処理している。

ページビューではなくファネルで考える

最後になるが、私たちのクライアントの中でも最高のパフォーマンスを誇る企業は、Googleアナリスティックのデータよりも、読者の満足度に重点を置いている。読者に電子メールを送ってくれるよう促し、それに対して電子メールを「段階的」に連続して送っている(ドリップ)。理想的には、これによってブランドの信頼が高まり、最終的に来訪者のコンバージョンが実現する。

彼らは、来訪者に広告で「リターゲティング」しているのだ。そうして、来訪者がブログで読んだ記事の内容に深く結びついた製品を、広告を使って売り込んでゆく(FacebookとInstagramは、こうしたトラフィックの区分に必要な大まかな操作手段を提供している)。リターゲティング広告について詳しく知りたい方は、私の「Growth Marketing」(成長マーケティング)ハンドブックを読んでいただきたい(本文は英語)。

リターゲティングは大きな力になる。FacebookやInstagramに100社を超えるスタートアップの広告を出すうちに判明したのだが、リターゲティングで購入に至るまでのコストは、私たちのサイトを見たことがない人に広告を打って購入させた場合の3分の1に留まる。

ブログのトラフィックではひとつも結果を出せなかったクライアントでも、サイトを見てくれた人をリターゲティングしただけで数千件という結果を出すことがある。

まとめ

月間5万件の来訪者を誇るブログが、何も得られないということもある。つまり、数ではなく、来訪者とのエンゲージメントを優先させるべきなのだ。もっとも重要な指標「ヒーローメトリクス」を、来訪者あたりの収益と総収益に置くことだ。そうすれば、重要な中間目標、つまりコンバージョンを考えている来訪者を惹きつけることから目が離れずに済む。

そうした来訪者をサイトにつなぎとめるのだ。そして、彼らを説得しコンバージョンに導く。手短に言えば、人を行くべきところへ導き、その行程の摩擦をできる限り小さくする仕事をGoogleに手伝わせることだ。

Julian Shapiroのその他の記事はExtra Crunchに掲載されています。スタートアップへの最先端のアドバイスを記事にして発表したいとお考えの方は、Extra Crunch編集部(ec_columns@techcrunch.com)までお知らせください(英文のみ)。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

グロースにおけるSEOの役割

検索エンジンからの流入を拡大し、自社のWebサイトへの訪問者、ひいては顧客を増加させる手段として、SEOは非常に有効な手法の一つです。しかし、SEOにかかわる領域は複雑・拡大化する一方であるため、SEO担当者のみでその全てを賄うことは困難です。そのため、複数の専門領域を持つメンバーから成るチーム作りが解決策の1つとなるでしょう。
今回は、グロース戦略におけるSEOの役割と、施策を実現するためのチーム作りまで、幅広く取り扱った記事を紹介します。事業会社内でSEOをやることの重要性を改めて気づかされる内容となっています。– SEO Japan

SEOは、グロース戦略の一部として、ユーザー獲得のフェーズで使用できる最も大きな仕掛けの内の1つであろう。

AARRR (Acquisition:ユーザー獲得, Activation:利用開始, Retention:利用継続, Referral:紹介, Revenue:収益)のような他のフレームワークを好む方もいるだろうが、こうしたフレームワークは、すべからく、「Acquisition:ユーザー獲得」から始まっている。Webサイトやアプリに訪問してもらうことで、自身の製品を顧客に知ってもらうのだ。そして、自然検索からのトラフィックは、Webサイトやアプリへの訪問を促すチャネルの中で、最大規模のものである。過去数年間、様々なマーケティングやグロース(SEO)のチームと仕事を行い、自然検索からのトラフィックを可能な限り最大化させることに注力してきた。この記事では、そのような経験から私が学んだことを披露したいと思う。

記事要点まとめ

SEOチームとは、ビジネスを加速させるために、自然検索からの流入と露出を生み出すグロース組織の1つである。
コンテンツ・リンク・キーワードの調査、Webサイトの技術的監査、コンテンツ作成、PR・認知・ブランドキャンペーンなどを担当する。
最高のSEOチームは、組織を横断するメンバー(デザイナー、コンテンツ作成者、SEO担当者、エンジニアなど)から構成されるチームである。

彼らは、ツール、予算、経営メンバーからのサポートを必要とする。
こうしたサポートを得ながら、SEOチームは、新しい製品の開発、各種実験の実施、大規模データセットの適用など、ビジネスを加速させるための施策の大きな助けとなる。
また、彼らはリンクの争奪や低品質コンテンツの作成など古い手法には手を出さず、むしろ他のチームを助けアイデアを拡大させ、自然検索における露出を最大化させるための施策を実施するのである。

グロース戦略全体におけるSEOの位置づけ

グロースチームがある”新しい”会社では、SEOチームは複数あるチームの1つとして存在する。もしくは、他のマーケティングチャネル(PaidやReferrals)か、他のファネル(リテンションやライフサイクル)の一部として存在しているだろう。こうしたグロースチームが共通して注力していることが1つある。より多くのデータと新しい機会を駆使することで、可能な限りの速さでビジネスを加速させる助力となることだ。

SEOはどのようにしてグロースに貢献するのか?

新規顧客

人々はインターネット上のあらゆる場所で検索を行う。そのため、SEO担当者も、Google・Bing・Yahooのような検索エンジンの領域外にも注意を向けている。Quora・Instagram・Facebookはもちろん、YouTubeでの露出を高めるためにできることはなにか?ということまで思いを馳せるのだ。SEOチームは、会社が構築してきたプロダクトやサービスについて、今まで一度も検索したことのないユーザーを可能な限り追いかけている。

ブランド認知・CLTVの向上

AppleやAirbnbなどのように、ブランド認知度が非常に高い企業もある。ユーザーはその製品やサービスについて詳しく、アカウントも既に保有している場合も多い。そのため、こうした企業は、自身の業界内でのユーザーに注視しており、彼らに自身の製品を再発見させることで、ブランド認知やライフタイムバリュー(CLTV)を向上させようとしている。

自然検索における露出の向上

こうしたチームは、ビジネスの成長にどのように貢献しているのだろうか?そのプロセスはどういったものなのだろうか?


SEOのプロセス
1.キーワード調査
2.Webサイトの技術的監査
3.分析とレポート
4.競合・リンク調査
5.コンテンツ作成

どのようにして実験を実施するか?

SEOの施策が進めば進むほど、SEO自体が製品の中に組み込まれるため、より多くの時間を自身の指標に影響を及ぼす領域に費やすことになるだろう。多くのトラフィックが発生している大規模なサイトの場合、SEOの実験を行い、何が効果的で何が効果的でないかを発見することは比較的容易だろう(しっかりとした環境設定とデイリーで5,000以上の流入が必要となる)。しかし、新規ビジネスの場合、時間をかけていくことで、どの施策が有効でどの施策が有効でないのかを発見できるようになっていくのだ。

つまりは、規模の問題である

これまでの話は、いわゆる通常のSEOについての話と言えるだろう。多くの場合、(そして、このことが事態を複雑化させることになるのであるが)、状況が目まぐるしく変わる環境に身をおいているだろうし、業界自体の変化も激しいはずだ。こうした流れに食らいつきながら、リソースを規模化させ、チームをグロースさせ、自身の指標を上昇させなければならない。成長を示す何らかの指標が必要であるし、可能な限りの速度でSEOが成長しているという実感を持たなければならないのだ。

改善対象は何か?何に取り組むべきか?

  • キーワード調査: オーディエンスが何を探しているか、それを把握することから始めよう。業界やビジネス領域内のキーワードでの順位は気になるだろうが、それ以上に、成長の機会についても知りたいはずだ。サイトの規模が大きければ大きいほど、グロースの機会は大きくなるだろう。グロースチームが存在する場合、そのポテンシャルを調査するためにより多くの時間を投資することになりそうだ。
  • Webサイトの技術的監査: インデックスされるべきページがすべてインデックスされているか、技術的な施策がすべて実施されているか、自身のサイトについて確認したことはあるだろうか?おそらくは無いだろう。こうした確認を行うことで、内部リンクの設計を改善したり、注視しているページに適切なタグを追加したり、などの機会が発見されるはずだ。
  • 分析とレポート: おそらく、あなたは組織の一員であるはずだ。そのため、進捗や機会、各種数値に対してどのような影響を与えたかを説明をする必要があるはずだ。場合によっては、それは、あなたがWeb上の分析に対しての責任を負っていることを意味するだろう。
  • 競合・リンク調査: 競争を勝ち抜くため、リンクやメンションを求めてはいないだろうか?現状のリンクは綺麗な状態だろうか?コンテンツやメディアへの言及を得られる機会はどこにあるのだろうか?自分だけで、追い求めることは可能だろうか?PRやマーケティングチームの協力が必要だろうか?SEO担当者として、これらの質問に対して、回答できるようにすべきだろう。多くの場合、自身の業界で何が起こっているのかは分析できるはずであるし、コンテンツに対する機会がどこにあるかも導き出せるはずだ。前述の「キーワード調査」、「分析とレポート」で得られたデータを駆使し、取り組んでみよう。
  • コンテンツ作成: 新規顧客へのコンテンツやランディングページを作成する能力がある場合は、より多くのキーワードと見込み顧客を獲得するために、コンテンツ作成に時間を割くはずだ。最近では、より多くの立場のメンバーが、コンテンツ戦略に加わる傾向を感じている。こうした傾向の中、闇雲にユーザーを追い求めるのではなく、ユーザーが実際に使用するキーワードを提示するなどして、他のチームを助けることができるはずだ。

SEOチームの体制作り

SEOチームをどのように作り、成長させていけばよいのか?SEOチーム、また、組織自体が、その目標を達成するために何が必要であるかを見ていこう。

グロースハック、グロースマーケティング、ブランド、IT・・・SEOはどこに当てはまる?

SEOチームについてのディスカッションを行う場合、彼らが組織内のどこに位置づけられるのか、というトピックがよく持ち上がる。その答えは、組織によって変わるものだ。純粋なWeb業界とハードウェアの製造会社では、組織内の位置づけもかわるだろう。最近のトレンドでは、SEOチームはグロースチームの一部として見られることが多いようだ。ブランドにおけるユーザー獲得に大きく貢献することが、その理由だ。横断的な組織の場合、主体的に動く能力と、SEOの成長(もちろん、スパム的な手法ではなく)を達成するために必要なあらゆる領域の責任と権利を有しているはずだ。

SEOチームはグロース戦略において、何に取り組むのか?

これについては、会社ごとに異なるだろう。有益な答えではないのだが、事実なのだ。The Next Web社では、SEOチームはマーケティングにかかわるさまざまな取り組みを行っているが、技術的な課題に向き合うことが多い。コンテンツに関しては、編集チームが細心の注意のもと、作成を手がけている。我々は、サイトやプラットフォームの技術的なセットアップを中心に取り組んでいるのだ。アーキテクチャの修正や、すべての施策がそうあるべき状態を保つことができているかを確認している。

SEOチームの役割は何か?

一言で表すと、横断的機能、と言えるだろう。私が見てきた中で最高のチームは、SEOスペシャリスト、エンジニア、コンテンツ作成者、デザイナーによって構成されたチームだった。彼らが一堂に会すことで、驚くべき製品やコンテンツを生み出し、多くの自然検索経由によるトラフィックを獲得していたのだ。それぞれの担当を下記に記載しよう。

  • SEOスペシャリスト: 肩書はスペシャリストである必要はない。マネージャーやリーダーや、その他なんでも良い。ポイントは、チームを導き、利用可能なデータから機会を特定する役割を果たすことだ。検索からの潜在的な流入、ランキングデータ、技術的な監査なども担当する。
  • エンジニア/デベロッパー: SEOチームを保有する会社は、概して、大規模なサイトを運営しているはずだ。そのため、サイトに変更を加えるさいは、サイトの運営を手助けする目的が伴う。こうした場合、デベロッパーによる手助けが必要となるだろう。
  • デザイナー: マーケティングチームなど、その他のチームの状況にもよるが、フルタイムのデザイナーを雇う必要は、必ずしもないはずだ。しかし、今後公開する予定の機能やコンテンツは、その見た目も素晴らしいものでなければならない。あなたのデザインのスキルがどれほどのものかはわからないが、私はプロのデザイナーのレベルには(不幸にも)達してはいない。
  • コンテンツ作成者: SEO施策はコンテンツが必要だ。記事、ブログ、翻訳、最適な見出しなど、名前は自由につけてかまわない。あなたが望むものをクリエイティブな手法で具現化することができるコピーライターがいなければ、あなたの目的も達成できない。

他のチームの協力は?

SEOはあなた一人で行うものではない。大きな組織の中、あなた一人でSEOに取り組んだところで、失敗することは目に見えているだろう。理由は単純で、ボトムラインに影響を与えるほどの十分な施策をこなせないからだ。組織が大きくなればなるほど、組織間を横断する取り組みが必要となるだろう。加えて、SEO施策を前進させるために、SEOの知識、ツールの活用、他のチームの協力などが重要となる。

別のチームの協力を得ることで、幅広い領域の知識を得ることができる。このことが、コンテンツの作成やキャンペーンの実行などを可能にするのだ(グロースのSEOチームではよく見られるが、ブランドのマーケティングチームでは当てはまらないこともある)。

SEOチームの成功とはなにか?

自然検索での露出を高めながら、事業の目標達成を加速させることが成功と言える。最終的には、事業の成功につながるような、事業と関連したトラフィックの獲得を目指すことになるはずだ。さまざまなプラットフォームでの上位表示を目指すだろう。YouTube、Facebook、Googleなどが対象になるが、事業の利益を発生させることが最終的な目的となる。そして、それはあなたの上司が最も興味をもつものでもある。事業に対し、あなたはどれほどの利益をもたらすことができるのか?これを達成することが、あなたの成功を意味することになるだろう。

SEOチームの成功は、どのように定義されるのか?

SEO担当者にとっての主要なゴールは、事業に関連したより多くの自然結果からのトラフィックを獲得することだ。しかし、このゴールに到達するまでに多くのKPIが存在する。そして、これらのKPIは直接事業に影響を与えるものではない。私が関わってきたSEOチームも、多くのKPI(クロール数、リンク数、ページの品質、エラー数など)モニタリングしていた。SEOチームのゴールにおいて、障害となるものがないかを確認するためだ。

昨年、SEOにおける適切な指標の選び方、また、SEOのパフォーマンスを測るための適切な指標についての記事を書いているので、そちらも参考にして欲しい。

検索のロードマップを作成し、管理する

何に取り組むべきか?

取り組むべき事項は多々あるが、大きく3つに分類することが可能だ。もちろん、事業によってはさらに考えるべき項目も存在する。しかし、多くの場合は、下記の3つの領域でカバーできるはずだ。

  • プロダクト: あなたのサイトにおける、修正が必要な箇所や追加のページが必要な箇所のすべてが該当する。詳細な技術的監査が必要かもしれないし、全く新しいサイトの構築や、URL構造の変更が必要になるかもしれない。完璧な成功を目指すために、開発者の協力は必須となるだろう。
  • コンテンツとプロモーション: 自社の事業や製品を説明するために、コンテンツやデータなどが必要となるだろう。ときには、サードパーティ製のデータ(市場やEコマースなど)が求められるし、編集者によって作成されたパブリッシャーとしての独自コンテンツが求められることもある。重要なことは、それらを作成した後、プロモーションを行うべきということだ。初回のキャンペーンは成功したが、その後、広がりを見せることは無いといったケースを多く見てきた。拡散せず、その後のプロモーション施策もなければ、そのキャンペーンはそこで終了してしまうだろう。
  • 分析とレポート: 自分が作り上げた検索からのトラフィックが、事業にとって価値を与えるものであることは理解しているだろう。大企業におけるSEOのプロジェクトの場合、事業に与える影響や価値の内容は明らかだろう。そのため、適切な指標を使用し、適切なツールから得られたデータで分析をすればいい。また、今後どのような価値を事業に与えることができるか、どこに機会があるのか、を調査することも可能だろう。

他にどのようなリソースが必要となるか?

  • ツール: 自分自身ですべてを行うことは不可能だ。Webサイトの技術的監査をサポートするツール(ScreamingFrog、Botify、Deepcrawl、SEORadarあたりが私のお気に入りだ)、キーワード調査をサポートするツール(SERPmetrics、AuthorityLabs、Google Adwords Keyword Toolなど)、そして、リンクデータを測定するツールも必要かもしれない。Google Search ConsoleやBing Webmaster Toolsも忘れてはならない。詳細は後述するが、分析作業も忘れてはならない。深い洞察とデータを詳細に分析するため、アナリストのサポートを求めることもあるだろう。
  • 予算: 予算の対象は、ツールの使用料、コンテンツ作成のための人件費、その他自社では賄うことができないために発生する外注費などが含まれる。多くの場合、予算はコンテンツ作成のために使われるだろう。コピーライター、デザイナー、動画作成者の協力を得て、独自のコンテンツを作成するためだ。
  • 協力:
    • エンジニア: 大企業においては特にであるが、SEO施策のためだけではなく、グロースチームの一員として、エンジニアの協力が必要となるはずだ。
    • チーム: 別チームのメンバーも大きな助けとなるだろう。大企業の場合、毎週のように新しい人と会だろうが、彼らもまた、SEOチームのサポートとなってくれるのだ。受付担当がすぐれたライターになる場合もあるし、経理チームがツールのための予算を抑えてくれる知恵をくれる場合もあるし、インフラのチームがログファイルを提供してくれる場合もあるし、直接の関わりがなくとも、SEOチームに貢献してくれることが多くあるはずだ。
  • 経営陣: 他チームからのサポートとして、最も必要なサポートと言えるだろう。SEOがグロース戦略にどのような影響を与えるか、あなたが取り組んでいる内容が事業の前進にどう関わっているか、などを理解し、管理してくれる存在は必要だ。彼らはあなたに、達成すべきゴールについての質問をしてくるだろうが、これは当然のことだ。彼らは(あなたがそれを忘れない限り)あなたに給料を与えるため、あなたの取り組みが事業にとってどのような価値を与えてくれるのかを理解する必要があるのだ。

優先度の付け方は?

詳細な調査を行うことで、どのような機能やコンテンツが不足しているかが明らかになるだろう。しかし、多くの場合、自社の事業領域においてどのようなキーワードが必要かを明らかにすることが重要だ。Google Search ConsoleやBing Webmaster Toolsを使用し、ターゲットキーワードのボリュームはどのくらいであるか、また、現在のパフォーマンスはどの程度のものなのか、などのデータを集める必要がある。

*左から:平均の検索ボリューム、現状のCTR、順位ごとの最も高いCTR

また、逆を言えば、現在は上位表示されていない領域における、将来的な機会を把握することでもある。そして、ターゲットキーワードのグループを再編成し、どの領域にリソースを注力すべきかを、判断するのだ。

しかし、これだけでは、まだ手を付けていない領域における機会を特定したにすぎない。最終的には、現在保有するアセット(プロダクトやコンテンツ)を最適化しなければならない。ここでは、どの領域を注力すべきか、優先度を設ける必要がでてくる。既存リソースの活用、すでに取り組んでいる領域における新しいリソースの構築、まだ取り組んでいない領域における新しいリソースの構築(つまりは、実験)の3軸をもとに、優先度をつけるべきだろう。

結果はどのように分析する?

可能な限り、事業に関係する指標に注視すべきだ。それらが、あなたが一員として参加しているグロースチムにおける、また、事業における価値となるはずだ。未だに、獲得したリンク数を指標にしているSEO担当者をよく見かける。しかし、リンク数自体は、利益を生み出すものではない。結局の所、事業に貢献している指標をベースとすべきなのだ。

そうであれば、結果をどのように分析すればいいのか?どのくらいの流入を獲得し、どのくらいのコンバージョンを達成したか、を見るべきだろう。これらが事業における利益に直結することになるからだ。NPOの場合は、寄付の金額や寄付をしてくれた人数を見ればいいだろう。こうした数値が、組織のメンバー(CEO、SVP、VP、ディレクター、マネージャーなど)が気にかけている数値なのだ。

まとめ

この記事では、グロース戦略におけるSEOの役割、また、グロースチームにおいてSEOはどうあるべきか、について説明してきた。

  • SEOチームは検索からのトラフィックを増加させ、検索結果における露出を高めることを目的とし、グロースチームの一員となっている。そして、多くの企業にとって、このことが事業の成長を加速させる手助けとなる。
  • 理想的なSEOチームは横断的な機能(デザイナー、コンテンツ作成者、SEO、エンジニア)を保有するメンバーから成る。彼らが求めるサポートは、ツール、予算、そして経営陣からのサポートだ。
  • こうしたチームを構築するために、高い能力を保有するメンバーを募集するべきだが、しっかりとしたサポートも与えるべきだ。組織にとってチャネルを管理するためだけのチームである必要はない。適切に構築されれば、SEOチームは戦略的で独創的なディレクションを組織に提供することができるはずだ。

皆さんは自身の組織で、どのようにしてSEOチームを構築するだろうか?どのようなメンバーを割り当て、どのようにして組織の全体的な成長戦略に貢献できるだろうか?このテーマに対するあなたの意見をぜひ聞かせて欲しい


この記事は、CXLに掲載された「The Role of SEO in Growth」を翻訳した内容です。


組織の規模、ビジネスの領域、リソースの量などによって、SEOチームの役割や担当領域は様々です。
しかし記事内でも指摘されていたように、最終的には「どの程度事業へ貢献しているか?」が求められるということは共通しているはずです。
不確定要素や外的要因などが多く含まれるSEOだからこそ、その重要性や役割を組織全体に対して発信共有することが重要です。
他チームからの支援や理解を得るための努力は、継続して行っていきたいものです。