SpotifyがApple Watchで直接ストリーミング再生可能に、iPhoneを持たずにランニングできる

Spotifyは米国時間11月3日、Apple Watchアプリでスタンドアロンストリーミングのサポートを開始したことを認めた。この機能のテストは2020年9月に発見されていた(9to5Mac記事)。SpotifyがApple Watchアプリをデビューさせた約2年後の登場となる

スタンドアロンストリーミングに対応しているため、ユーザーはiPhoneをテザリングしなくても、Wi-Fi接続や携帯電話経由でSpotifyの音楽やPodcastを聴くことができる。

スタンドアロンストリーミングに対応していないことは、Spotifyのコアなユーザーにとって不満だった。ランニングなどの運動しているときでも、iPhoneを持っていかなければならなかった。またiPhoneを持って歩くのが面倒なときもある。

これからは、Spotifyのユーザーは自分の手首からBluetoothヘッドフォンやAirPodにストリーミングできるようになる。

ただしアプリでは、一部のユーザーにはまだベータだと表示される。

Apple WatchのSpotifyアプリ(画像クレジット:TechCrunch)

Spotifyアプリのアップデートは9to5Macによって米国で発見された。9月のテストグループに参加していないにもかかわらず、より多くのユーザーがこの機能を目にするようになったという。

Spotifyは、Apple Watchでスタンドアロンでのストリーミング機能を提供する最初の音楽サービスではない。Apple(アップル)自身のサービスであるApple Musicに加えて、Pandoraが2020年2月にスタンドアロンでのストリーミング機能のサポートを始めている

この点においてSpotifyアプリは、YouTube Musicの先を行っている。YouTubeは10月中旬にストリーミング音楽サービスのApple Watch版を発表した(YouTubeブログ記事)ばかりだが、それはYouTube Musicアプリのリモコンのようなものだ。

SpotifyはTechCrunch宛の声明でローンチを認めたが、アップデートに関する公式の発表はまだ行われていない。

「私たちは、デバイスやプラットフォームに関係なく、ユーザーがいつでもどこでも好きなときにSpotifyを楽しめるようすることに注力している。最初のテスト期間を経て、現在はApple Watch上でSpotifyのストリーミング機能を展開しています」とSpotifyの広報担当者は述べている。さらにこの展開がグローバルなものであることも認めている。

Spotifyのウェブサイトによれば、直接ストリーミングするには、Apple Watch Series 3以降、watchOS 6.0以降(7.1以降推奨)と携帯電話接続またはWi-Fiのいずれかが必要になる。

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画像クレジット: Spotify

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyの月間アクティブユーザーが3.2億人超え、ロシアマーケットが貢献

直近の四半期決算発表で、Spotify(スポティファイ)は月間アクティブユーザー数が3億2000万人を超えたと発表した。これは29%増で、ロシアマーケットにおけるサービス開始の成功が貢献している。3億2000万人のうち1億4400万人が有料ユーザーで、こちらは27%増だ。

Spotifyは引き続き、世界最大の音楽ストリーミングサービスだ。そしてかなりの差が開いて2番目にApple(アップル)が位置する。こちらの有料ユーザー数は2019年時点で6000万人だ。一方、Amazon Music(アマゾンミュージック)のユーザー数も5500万人とそれほど差はない。といっても、Amazon(アマゾン)は有料ユーザー数は公表していない(アップルは3カ月の無料トライアル後は有料に移行する)。

堅調な伸びにもかかわらず、Spotifyは四半期決算で約1億1800万ドル(約123億円)の赤字を計上した。黒字だった第3四半期から大きな変わりようだ。同社が挙げた大きな赤字要因は、新規ユーザーを引きつけるための割引プラン提供を続けていることだ。

「当社は、新たなユーザーを加えるか、既存ユーザーに提供しているサービス価格を上げるかによって成長します」と決算発表で述べた。「このエコシステムにおいては、獲得を狙える何十億という消費者がまだいると当社は考えており、より良いツールに投資するつもりです。これがひいてはエンゲージメントにつながり、エンゲージメントが増えれば収益を増やす能力が増します」。

もちろんSpotifyはポッドキャストコンテンツでリーダーとなるべく、かなりの額を投入してきた。過去2年間、Gimlet、Anchor、Parcast、スポーツメディア大企業Ringerなど、テクノロジーやコンテンツの企業買収に何億ドル(何百億円)も投じてきた。四半期決算発表の際、Spotifyは最近買収したJoe Rogan Experienceが英語圏マーケットであっという間に最も人気のポッドキャストになったことを明らかにした。

コメディアンのJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏がホストするポッドキャスト番組「The Joe Rogan Experience」は「オーディエンスの予想を上回るもの(だった)。このポッドキャストの独占回を年末までに開始することを楽しみにしています」とSpotifyは話す。ローガン氏のポッドキャストは即座に議論を巻き起こした。ちょうど今週、陰謀論者のAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏が数多くのこれら問題に再び火をつけた。Spotifyは先日のTechCrunchのコメントリクエストに応じなかった。

そして同社はまた、最近のミュージシャンへの支払いアップと透明性向上の要求にも応じていない。新型コロナウイルスんほパンデミックによってライブ公演で収入を得ることが不可能になっている中で、これはかなり重要な問題だ。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

Spotifyが米国でオリジナルのモーニングショーを配信開始

Spotifyの音楽ストリーミングサービスが、地上波ラジオ放送に似てきた。米国時間10月22日、同社初のモーニングショーとして毎日配信される「The Get Up」が米国で公開された(Spotifyリリース)。通勤者向けのよくあるモーニングショーと同様に、この新しいプログラムもホストが進行し、ニュースやポップカルチャー、エンターテインメント、音楽で構成されている。ただSpotifyの場合は、音楽がリスナーに合わせてパーソナライズされる。

しかし、このプログラムは生放送ではない。ラジオで生放送されるモーニングショーでは電話や論戦などリスナーとのやりとりがよくあるが、Spotifyの番組は前もって録音されたものでプレイリストの1つとして提供される。

つまり、平日の朝7時(米国東部時間)に公開され、それ以降ならいつでも聴くことができる。

音楽やおしゃべりなど番組の一部をスキップすることもできる(念のため書いておくと、Spotifyはこの番組をポッドキャストであるとしているが、フォーマットは実際にはラジオ風のホストのおしゃべりと1曲ずつの音楽トラックに分かれている。つまり従来型のポッドキャストというよりはミクストメディアのプレイリストのようなものだ)。

Spotifyのプログラムとラジオ番組の重要な違いは、音楽がリスナーごとにパーソナライズされていることだ。もちろん、必ずしも完璧ではない。通勤中は最新の音楽を聴きたいと思っても、これまでSpotifyで古い音楽を多くストリーミングしていたらモーニングショーにはその傾向が反映される。いまのところ、ジャンルを直接指定して番組を構成する方法もない。

番組を進行するホストは3人いる。ジャーナリストでニュースサイト「Complex」のエディトリアルプロデューサーだったSpeedy Morman(スピーディー・モーマン)氏、「The Kat Call」シリーズで知られるYouTuberのKat Lazo(キャット・ラッソ)氏、Spotifyのカルチャーパートナーシップ責任者で社内タレントのXavier ‘X’ Jernigan(ザビエル・X・ジェーニガン)氏だ。

この新しいプレイリストは平日の朝、米国の無料ユーザーと有料サブスクリプションユーザーを対象に「Made for You」と「Driving」ハブで公開される。Spotifyのサイトから直接アクセスすることもできる

【Japan編集部】現在、本サービスは日本からは再生できない。

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画像クレジット:Spotify

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(翻訳:Kaori Koyama)

SpotifyのiOS 14用ウィジェットはジャケットに合わせて自動的に色が変わる

10月14日、Spotifyは最新のアップデートで待望のiOS 14用ウィジェットを公開した。新しいウィジェットにはスモールとミディアム2つのサイズがあり、最近再生したアーティストやアルバム、ポッドキャストを1タップでアクセスできる。

小さいほうのウィジェットは直前に聞いた曲だけを表示するのに対して、ミディアムサイズのウィジェットは最近の5曲を表示する。4曲が横一列、最新がトップにある。ユーザーは5曲のうち今すぐ聞きたい曲の小さなサムネイルをタップするとSpotifyアプリのページに直接飛べる。

画像クレジット:Spotify widget, screenshot via TechCrunch

もうひとつこのウィジェットで面白いのが、背景の色がサムネールの画像に合わせて自動的に変化することだ。アーティストが赤を着ていると、ウィジェットも赤に変わるといった具合だ。アルバムがブルーならウィジェットもブルーになる。

ただし色の種類は限られているようだ。例えば、サムネール画像のカラースキームがグレイとホワイトの曲、テイラー・スウィフトの「フォークロア」などをストリームしたとき、ウィジェットはデフォルトのSpotify風グリーンシェードになった。

画像クレジット:Spotify widget, screenshot via TechCrunch

ウィジェットのカラフル体験は、ホーム画面で目立たせる効果がありそうだ。ただし、iOS 14ホーム画面を特定のデザインにカスタマイズしている人には問題になるかもしれない。たとえばアプリアイコンをニュートラルシェードやピンク、紫、ブルー、ブラックなどに統一している人などだ。

Etsyトレンドによると、iOS 14パックではニュートラルと秋シェードが現在のベストセラーで、明るいピンクと黒のダークテーマも人気だ。Spotifyのウィジェットはこの種のデザインと衝突する可能性がある。

Spotifyウィジェットへの期待は非常に高く、 ユーザーがiOSホーム画面のカスタマイズを始めると、正式版の公開前にあるサードパーティ音楽ウィジェットメーカーがApp Storeで急上昇した。そのTuneTrackというウィジェットメーカーは、2020年9月19には全体で8位、音楽ジャンルで1位にまで上りつめ、カスタマイズのトレンドに後押しされて数百万ダウンロードを記録した。

新しいSpotifyウィジェットは10月14日からApp StoreでアップデートされたSpotifyアプリの一部として公開される。

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画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotifyが新しいボイスキャプチャーアプリ「Soundtrap」を発表、曲やトラックごとのコラボが可能に

2017年にSpotifyに買収されたSoundtrapは、より大きなSpotifyブランドの下でポッドキャスト作成ツールのAnchorと同様の役割を果たしている。Soundtrapは音楽制作に主眼を置くクラウドベースのサービスで、ミュージシャンが離れた場所から曲やトラックごとにコラボレーションできるように設計されている。正直なところ、このような社会的距離感のある瞬間にぴったりのツールだ。

米国時間10月6日朝発表された新しいSoundtrap Captureは、このアイデアをベースにしており、よりモバイル性を高め、作曲プロセスの初期段階に対応している。自身のポッドキャストで多くのミュージシャンにインタビューをしている者として、ボイスメモが作詞作曲においてますます重要なツールになっているという事実は確かなものだ。クリエイティブな分野にいると、自分の時間を作ることができる半面、思いもよらない時にインスピレーションが湧いてくることもある。

多くのミュージシャンにとってスマートフォンは、インスピレーションを歌にしたり、鼻歌にしたりするできる常に存在する白紙の板としてかなり重要なものとなっている。これがCaptureの基本的な原理だ。このアプリは基本的には巨大な赤い録音ボタンのインターフェイスを備える非常にシンプルなボイスメモツールとなっている。ボタンをタップして、ユーザーがひと言歌うと他の人と共有できるトラックとして保存される。オーバーレイを録音することも可能で、ボイスメモとGoogle Docsを合体させたようなものといえる。

このアプリは昨年から開発が進められてきた。春からはベータ版となっており、正直言ってこの時期のリリースは、新型コロナ禍の影響を受けている多くのミュージシャンにとってかなりいいタイミングだ。

このアプリは、インスピレーションの最初の瞬間のために開発されているので、コントロールはかなり制限されている。例えば、トラックのボリュームは調整できるが、ほかのレベルの調整には対応していない。見つけた音のループを作成することもできない。それはそれで楽しくて便利なトリックだが、共同設立者のPer Emanuelsson(パー・エマニュエルソン)氏はTechCrunchに「一般的に後から行われる作曲プロセスの側面と考えている」と語った。

このアプリにはメモ用のライブストレージが搭載されており、今年後半にはメインのSoundtrap Studioアプリに統合される予定だ。

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タグ:Spotify、Soundtrap

画像クレジット:Spotify

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(翻訳:TechCrunch Japan)

SpotifyとChernin Entertainmentがポッドキャストのテレビ番組化・映画化に向け優先交渉権契約を締結

まもなくより多くのSpotify(スポティファイ)ポッドキャストがテレビ番組化・映画化されることになるだろう。米国時間9月24日、Spotifyは、ストリーミング音楽のプロバイダーであり、映画やテレビ番組の制作会社でもあるChernin Entertainment(チャーニンエンターテイメント)と複数年契約を結んだことを発表した。この契約により、合計数千時間のコンテンツに相当する250を超すオリジナルポッドキャストシリーズを収めたライブラリから、Chernin Entertainmentが映画化・テレビ番組化に相応しいコンテンツを特定できるようになる。

両社はすでに、Spotifyが所有するGimlet Media(ギムレットメディア)を通し、連続殺人犯Edward Wayne Edwards(エドワード・ウェイン・エドワーズ)に関するポッドキャストシリーズ「The Clearing」の映像化に向けた取り組みをPineapple Street Media(パイナップルストリートメディア)と共に共同で進めていた。これらの取り組みは今後も引き続き行われるが、今回の契約によりChernin Entertainmentは、世界中から寄せられた数多くのポッドキャストを収めたSpotifyのライブラリにアクセスできるようになる。

Image Credits: Spotify screenshot via TechCrunch

Chernin Entertainmentは現在、「フォードvsフェラーリ」 、「The Planet of the Apes/猿の惑星」トリロジー、「グレイテスト・ショーマン」、「ドリーム」などの映画のほか、「New Girl ~ ダサかわ女子と三銃士」やApple TV+の 「See」、「真相 ~Truth Be Told~」といったテレビ番組の制作でも知られている。同社は、20th Century Fox(20世紀フォックス)との優先交渉権契約を締結することを望んでいたものの、Disney(ディズニー)がFoxの長編映画部門を買収したためこれをなし得なかったが、今春、Netflix(ネットフリックス)との優先交渉権契約を締結した

こうした契約や業界での他の変化により、Chernin Entertainmentは映画、テレビ、その他のデジタルビデオ化が可能な新たなIP(知的財産)を求め、歩み出すこととなった。

一方、ポッドキャストの成長により、オーディオプログラミングは映画やテレビといった他のメディアへの置き換えが可能なオリジナルコンテンツの有望なソースとなっている。このポッドキャスト市場は、SpotifyがGimletThe Ringer(ザ・リンガー)といったポッドキャスト制作会社や、より多くの人がクリエイターになることを可能にするAnchor(アンカー)といったポッドキャスト作成ツールの買収を通し、多額の投資を行ってきた市場である。

「オーディオは、エンターテイメントビジネスにおいて最も急成長中のメディアです。Spotifyは今日、数千時間にもおよぶ250以上のオリジナルコンテンツを収めた、世界最大の手つかずのIPライブラリの1つを所有しています。そして、このライブラリには日々作品が追加され続けているのです」とChernin Entertainment会長兼CEOのPeter Chernin(ピーター・チャーニン)氏は語る。「このコンテンツの宝庫に加え、さらに新たなストーリーが加速度的に追加されており、これにより、魅力的なストーリーや知的財産をスクリーンコンテンツへと置き換える巨大な機会がもたらされます」

SpotifyがTechCrunchに語ったところによると、この契約には、いくつのポッドキャストを映像化するかについての明確な数の取り決めは含まれていないが、Spotifyではかなりの数になると見込んでいる。収益配分の詳細など、契約の具体的条件も公開されていないが、この契約では、Chernin Entertainmentが映像化を見送ったプログラムについては、Spotifyが他の制作会社と映像化を進めることを禁止する条件は含まれていない。またマーケティングやプロモーションへの取り組みについても具体的な取り決めはなされておらず、Spotifyによると、これらについては、プロジェクトごとに処理することになるという。

Spotifyの250にのぼるオリジナル番組を収めたライブラリ、そして数週間後、数カ月後に継続的にリリースされるコンテンツそのものが、依然としてこの契約の中心である。しかし、Spotifyによると、両社がそのグループの枠を超え、映像化に共に取り組むシナリオもあるとのことである。

その目的は、どういった種類のプログラムが映画やテレビ番組へうまく置き換えられるかを発見することである。Spotifyはこの点について、Spotifyの多彩なコンテンツ、データ分析能力、クリエイターからのアクセスが同社に有利に働くと考えていると語った。

Spotifyのオリジナルポッドキャストライブラリには現在、さまざまなジャンルの人気番組が収められおり、これがこの契約の一番の資産である。さらにSpotifyは、先に開発した分析専用ツールにより、その番組の視聴状況を確認するデータを活用することができるようになる。

例えば、Spotifyは現在Spotify for Podcasters(スポティファイ・フォー・ポッドキャスターズ)を通して、ポッドキャスターが自らの番組の視聴状況を確認したり、他の匿名化された視聴者データを追跡できるようにしている。今後、同社はこのデータを使用して、映像化が成功しそうなものを特定できるようになる。Spotifyは複数の制作会社を所有しているため、より大規模な映像化に適したビジョンを持つクリエイターを特定する作業を支援することも可能だ。

Spotifyのポッドキャストコンテンツが映画化またはテレビ番組化されるのはこれが初めてではない。同社は現在Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)向けの「ホームカミング」の映像化や、HBO Max(HBOマックス)向けの「The Two Princes」、Prime Video向けの「The Horror of Dolores Roach」といった今後のプロジェクトを含め、様々な制作段階のプロジェクトを12件抱えている。

SpotifyとChernin Entertainmentは、本日発表された契約を契機として進められることになる最初のプロジェクトについて何ら発表を行ってはいないが、通常の企画と制作のタイムラインを踏まえると、そうしたコンテンツがお目見えするのは、最も早くて2021年になるだろう。

「Spotifyでは、オーディオの驚異的な成長が世界で最も才能に溢れたクリエイターたちを今後も魅了し、ポッドキャストがオリジナルIPの最高の到達点になることを確信しています。当社が引き続きコンテンツに対する志を拡大させて行く中、チャーニン氏や彼の優秀なチームと手を組むこととになったことに期待を膨らませています。当社がこれらのストーリーをさまざまなメディアを通し世界中の視聴者に配信して行くにあたり、Chernin Entertainmentは完璧なパートナーと言えます。私たちは、ソース素材としてのポッドキャスト新時代の到来を共に告げようとしています」とSpotifyのコンテンツおよび広告事業責任者のDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は語った。

関連記事:音声配信アプリ「stand.fm」が配信者の収益化を支援する「月額課金チャンネル機能」開始
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タグ:Spotify エンターテインメント ポッドキャスト

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(翻訳:Dragonfly)

アプリメーカーがApp Storeの規約変更に向けて一丸で闘う「Coalition for App Fairness」が発足

多くのトップアプリメーカーが団結して、アップルによるApp Storeの支配、さらにはグーグルによるPlayストアの支配に対抗するための活動画始まった。米国時間9月24日、Epic Games、Deezer、Basecamp、Tile、Spotifyなどを含む13のアプリパブリッシャーが、「Coalition for App Fairness」(公正なアプリのための連合)を立ち上げた。この新しい組織は、各アプリストアのプロバイダーにポリシーを変更させるか、最終的にはアプリストアを規制に追い込むかのいずれかに焦点を当てた、各社がすでに進めている取り組みを組織化したものとなる。

例えばEpic Gamesは現在、App Storeの手数料ガイドラインをめぐってアップルを相手に訴訟を起こしている。またBasecampは、自社開発のHeyメールアプリがアップルのアプリ内購入プラットフォームを使用しないことを理由に、アップルにアプリのアップデートをブロックされたことで、両者が公の場で争うことになった。このグループに含まれる他のアプリメーカーは、以前に公の声明を通じてアップルの慣行に反対する発言をしており、一部のアプリメーカーはまた議会に不満を伝えている。

Coalition for App Fairnessの新しいグループに含まれるのは、Basecamp、Blix、Blockchain.com、Deezer、Epic Games、European Publishers Council、Match Group、News Media Europe、Prepear、Protonmail、SkyDemon、Spotify、Tileの合計13社。

Coalition for App Fairnessのウェブサイトでは、同グループは、アプリストアの30%の手数料構造のような反競争的な慣行や、何十億ものアップルデバイスにソフトウェアを配布できないことなど、同団体が個人の自由を侵害していると見ている主要な問題について詳述している。

グーグルは、アプリをPlayストア以外で配布する、いわゆるサイドロードを許可しているので、この点でについては標的にはなっていない。実際のところ同団体の取り組みは、アップルのビジネスをターゲットにしている。

もちろん、アプリ経済におけるアップルの成功の大部分は、アプリがどのように作られ、デザインされ、レビューされ、配布されるかを厳しく管理していることに起因する。xApp Storeではジャンクやスパムが排除されることが多く、アプリのレビューは自動化された技術ではなく、主に人間が管理している。また、アップルのアプリ開発者は、アプリの外観や使い勝手、許可されているコンテンツの種類、アプリの動作を管理するガイドラインにも従わなければならない。アプリ内購入に関する同社のルールは顧客体験にもつながっており、アプリ内での購入は親指を押すかボタンをタップし、iPhoneを見るだけで簡単に決済できる。

その一方でアップルガイドラインは、顧客獲得、検索広告、支払いの処理などをApp Storeに頼る必要がない企業にとっては、あまり自由度が高くない。そういった企業は、独自のアプリやサービス、独自のインフラストラクチャを構築できるが、iOSの顧客にリーチするためにアップルのプラットフォームを使用するしか方策がないのだ。

Spotifyのグローバルアフェアーズの責任者兼最高法務責任者のHoracio Gutierrez(ホラシオ・グティエレス)氏は「世界中の執行機関、規制当局、立法者がアップルの反競争的な行動を調査する中、The Coalition for App Fairnessは、消費者の選択肢を保護し、すべての人のための公平な競争の場を作るための努力の中で、アプリやゲーム開発者の声となるでしょう」と述べている。

同団体はまた、業界全体で制定されることを望む10項目の「App Store Principles」のリストを発表している。これには、アプリストア以外の場所でアプリを配信することができること、自社のデータを競合に利用されないように保護すること、開発者向けのドキュメントへタイムリーにアクセスできること、正当なビジネス目的のためにアプリを通じてユーザーとコミュニケーションを取る権利、アプリストアの決済システムを利用することを要求しないこと、不公正な料金を支払うことを要求しないことなどが含まれている。

同団体に参加するメンバーの個別の声明も公式ウェブサイトで公開されている。中でもおそらく最も重要なのは、新しいメンバーを募集する仕組みを立ち上げたことだろう。アップルのやり方に同じように抑圧されていると感じているアプリメーカーは、フォームに必要事項を記入して参加を申し込むことができる。同団体は「大小すべての開発者に参加を呼びかけました」と述べている。

アップルはCoalition for App Fairnessの立ち上げについて直接コメントしなかったが、米国時間9月24日にApp Store関連の新しい情報を公開した。その中には、App Storeについてのページのデザイン変更、開発者の利益に焦点を当てたページの追加、アプリ開発者プログラムが提供する利点の概要、アップルビデオパートナープログラムとその適用方法を説明する新しいサイトなどが含まれる。

アップルは一部のプログラムについて、透明性を欠いている傾向がある。公式声明を発表したり、ブログ記事を書いたり、プレスリリースを発表したりする代わりに、ルールが変更されたときの背景について簡単に説明する新しいウェブサイトを立ち上げるなどして対応してきた。App Storeの問題についてコメントを求められても、アップルが公式発表することはめったにない。

しかし、最近行われた反トラスト法の聴聞会でアップルの内部事情が明らかになり、Amazon(アマゾン)との特別な契約をどのようにしたか、どのアプリを委ねるかをどのように決定したか、複雑な決定をどのように処理したかが明らかになった。

この行為に対する反発は何年も前から沸き起こり、規制当局の調査のおかげでいまや頂点に達しつつある。しかし、アップルと戦うすべての企業が、必ずしも彼らを救うために戦っているわけではない。アップルがEpicやSpotifyと密かに特別契約を結んでいたら、App Storeの乱用について聞いたことがなかったかもしれない。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Spotifyにアーティストのバーチャルイベントの予定がわかるリストが登場

Spotifyはバーチャルイベントに前向きだ。同社は米国時間9月15日、Spotifyアプリにバーチャルイベントのリストを加えたことを発表した(Spotifyリリース)。もちろんそれはライブのストリーミングだが、これで好きなアーチストがライブでプレイする時間がわかる。リストはアーチストのプロフィールの「On Tour」やSpotifyの「Concerts」で見ることができる。

以前、TechCrunchはSpotifyのこの計画について詳しく採り上げたが、本日よりその機能が正式にスタートする。

Spotifyによると、アーティストはTwitch、Instagram Live、YouTube Live、ホスティングされたウェブサイトなど、どのようなプラットフォームでも自分のイベントのストリーミングをリストアップできるようになるという。

画像クレジット:Spotify

その他のバーチャルイベントは、SpotifyとSongkick、Ticketmasterとの既存のパートナーシップで、プラットフォームに自動的にインポートされる。

Songkickからアップロードされるバーチャルイベントは、アーティストのプロフィールとコンサートハブの両方に自動的に表示されるようになる。また、アーティストは自分のイベントを「Artist Pick」に乗せることもできる。

同社によると、Ticketmasterの一部のイベントはSpotifyにも掲載されるとのことだ。

画像クレジット:Spotify

コンサートのようなリアルでの集まりが制限されており、大手チケットサービスの多くが新型コロナウイルスの流行以降、オンラインとバーチャルイベントにフォーカスを写していることを考えると、Spotifyの動きは驚くべきものではない。またアーチスト自身も、オンラインでファンとつながろうと努めている(The Wall Street Journal記事)。彼らは、ライブをストリーミングしたり、コンサートを有料でライブストリーミングを行うことが多い。しかし現在のところバーチャールコンサートビジネスは、失われたツアーの収益の一部でしかなく(Billboard記事)、完全に代替できるものではない。

「ほとんどのツアーが2021年まで延期され、オンラインコンサートが行われている中、Spotifyはファンがバーチャルイベントを簡単に知ることができるようにしたいと考えています」とSpotifyは発表している。

この機能はアーチストのプロフィールと、デスクトップなら「Browse」、モバイルなら「Search」のにある「Concerts」から利用できる。

関連記事:Spotifyがバーチャルイベント機能を開発中、コロナ禍で収入減のアーティストをサポート

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Spotify

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyがバーチャルイベント機能を開発中、コロナ禍で収入減のアーティストをサポート

新型コロナウイルスの感染蔓延は、音楽産業に甚大な影響を及ぼした。ライブのパフォーマンスやコンサートで生計を立てていたアーティストたちは突然足場を失い、収入の確保が難しくなっている。Spotify(スポティファイ)で開発中の新機能は、アーティストが陥っているそうした状況を改善するのに役立つかもしれない。有料のライブ音楽イベントを通じてアーティストとファンを再びつなげるという試みだ。ただし、パンデミック以前のようにファンがライブコンサートを見つけるようにするのではなく、今回は新機能がファンに予定されている「バーチャルイベント」をお知らせする。

この機能は、リバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が最初に気付いたもので、展開されているSpotifyアプリではまだ利用できない。

新機能をとらえたウォン氏の写真には、韓国の人気アーティスト「BTS」のSpotifyプロフィールページが写っていて、そこには新しい「今後のバーチャルイベント」セクションがある。イベントをタップすると、ファンはBTSが9月19日にバーチャルイベントに登場するとの情報を得られる。ここでのイベントはBTSが公演することになっている2020 iHeartRadio Music Festival(iHeart Radioプレスリリース)だ。。写真では、このイベントのチケット取り扱いパートナーはSongkickとなっている。

ライブコンサートの代わりにバーチャルイベントを掲載するという変更は、Spotifyにとって難しいものではないだろう。同社はすでにチケットを扱うTicketmaster、Songkick、Resident Advisor、Eventbrite、AXS、そして日本のeplusなどのパートナーと協業している(Spotify FAQサイト)。これらのチケットサイトは、会場でのイベントが新型コロナの影響で延期されたり中止を余儀なくされたりする中で(政府によるロックダウン下ではイベント開催は法律違反になりさえした)、事業を継続させるためにパンデミック中でもバーチャルイベントを扱ってきた。

ファンとアーティストの橋渡しという点で、Spotifyは長い歴史を持つ。同社は2015年にコンサート・ディスカバリー機能を加えた(Variety記事)。ベントのチケットを直接販売してはいないが、リストデータを使い、またユーザーのロケーションに基づいて関心がありそうなファンにコンサートを提案することができる。そしていま、同社はこうしたレコメンデーションをより広範なものにしようとしている。バーチャルイベントでは、近くにいる人だけでなくさまざまな場所にいるファンが参加できる。

バーチャルイベント機能を立ち上げるためには、Spotifyはバーチャルイベントのリストにアクセスできるよう、パートナーとの既存の契約にわずかな変更を加えるだけでいいはずだ。パンデミックの状況からするに、パートナー企業がそうしたオファーを却下するとは考えにくい。契約を新たにすることは、アーティストにとってお気に入りのプラットフォームになるというSpotifyの大きな目標に近く。

画像クレジット:Jane Manchun Wong via Twitter

いまひとつ分からないのは、Spotifyがバーチャルイベントの追加を社会が通常に戻るまでアーティストの収入確保をサポートする一時的な方法と考えているのか、あるいは長期的にバーチャルイベントマーケットの成長が見込めると考えているのかだ。

現在のところ、バーチャルイベントはパンデミックの影響を受けているアーティストを支えている(Wall Street Journal記事)が、それはほとんどのライブコンサートの代替となるものではない。もちろん、いくつか例外はある。BTSのようなグループは1回のバーチャル公演で2000万ドル(約21億円)を売り上げることができるが、これは稀な例だ。大半のアーティストは、新型コロナウイルスの感染蔓延によってかなりの損失を受けている。これはLive Nation(ライブネーション)の直近の四半期決算からも明らかで、同社の売上高はパンデミックによる公演中止で98%減となった(Billborad記事)。

パンデミック前、ライブ公演はミュージシャンが稼ぐ主要な手段だった。ミュージシャンの収入の75%がライブの公演によるものと推計されている。だがこの数カ月ですべてが様変わりした。皆が知っているように、ライブイベントは中止になったから。

一部のアーティストは「チップ入れ」を置くなどして演奏を試みたり、Facebook Liveで小さなパフォーマンスを流したりしたが、いずれもこれまでのパフォーマンスやコンサートのような規模ではなかった。そうした中で、大きなイベント運営者や専門のストリーミング企業、大手の音楽サービス会社が乗り出してきた。

実際、Spotifyのライブイベントのテストは、音楽ストリーミング企業が似たような動きを展開している中でのものだ。

ちょうど米国時間8月26日にeMusicは、「バーチャルコンサートと収益を上げるためのプラットフォーム」とうたうeMusicLiveを立ち上げようと、7Digitalとの提携を発表した。繰り返しになるが、バーチャルでライブパフォーマンスを開催する方法を構築するだけでなく、アーティストがそうした手法で稼げるようにするのが狙いだ。

また8月25日には、Napster(ナップスター)を所有するRhapsody(ラプソディ)が没頭型音楽パフォーマンススタートアップのMelodyVRに買収された(未訳記事)。MelodyVRはバーチャルコンサートパフォーマンスを展開している。同社はまた、大規模な集会を禁止する新型コロナ規則が展開されるなかで、Live Nationやその他の大手イベントプロモーターともイベント開催で協力している。MelodyVRはバーチャルコンサートをギアに持ってくるという大きな野望を抱いていて、ここにビデオ体験とともに膨大なストリーミングカタログを提供するというメリットを加えようとしている。

MelodyVRの他に、音楽産業との結びつきを深めているTwitch(ツイッチ)もバーチャル音楽パフォーマンスサービスの構築に関心を持っている(CNCB記事)と報道されている。また、Apple(アップル)が2018年に密かにPlatoon(プラトーン)を買収したことも忘れてはいけない。Platoonは、おそらくライブパフォーマンスの開発という名のもとにアップルが人材を見つけて獲得したり、アーティストと協業したりするのをサポートできるA&R専門家の集団だ。

こうした各社の取り組みは何年にもわたって収益を着実に増やし、ライブストリームマーケットを前に進めるのに役立つかもしれない。Billboardが報じたように、バーチャルコンサートプラットフォームStageIt(ステージイット)のデータによると、ファンは2011年に30分のライブストリームに平均3.75ドル(約400円)を払った。この額は今では16.50ドル(約1760円)に増えている。パンデミック前に、PricewaterhouseCoopers(プライスウォーターハウスクーパース)は、ライブの音楽イベントが2020年に288億ドル(約3兆700億円)を売り上げると予測していた(Wall Street Journal記事)。しかしバーチャルステージに取り組む中で、Spotifyがこのマーケットの可能性を取りに行くかどうかはまだわからない。

同社は今後の展開についてコメントしていない。

画像クレジット: stockcam / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

SpotifyのユーザはQ2に増加し3億人に近づく、コロナ禍で広告売上は依然苦戦

Spotify(スポティファイ)のビジネスが新型コロナウイルスのパンデミックから継続的に影響を受けていることが、7月29日の2020年第2四半期決算発表で明らかになった。良いニュースもあった。ソーシャルディスタンスを保ちながら娯楽を求めてストリーミングサービスを利用するユーザーが増え、月間アクティブユーザーは29%増加し2億9900万人に達した。有料会員数もウォール街が予想した1億3640万人を上回り、1億3800万人に増加した。だがパンデミックが広告ビジネスにマイナスの影響を与え、同四半期の広告売上は前年比21%減の1億3100万ユーロ(約170億円)となった。

Spotifyの売上高の大部分(約90%)を占めるプレミアムプランは、同四半期は17%増加して17億6000万ユーロ(約2200億円)に達した。同社は成長の要因を、より高額なファミリープラン会員の増加、新しい2人向けのデュオプラン、ロシアなどの新しい市場へのプラン拡大などによるものと考えている。

また同社はユーザーのリスニング時間も新型コロナの健康危機前のレベルに戻ったと強調した。パンデミックの影響で第1四半期当初、デイリーアクティブユーザーとリスニング時間が減少した。在宅勤務や子供のホームスクーリングなど、ユーザーが突然のライフスタイルの変化への対応を迫られたためだ。本日のSpotifyの発表によると、6月30日の時点でラテンアメリカを除く世界のすべての市場で消費時間が「新型コロナ前のレベル」に回復した。ラテンアメリカではグローバルな健康危機の前のレベルを6%下回る水準にとどまっている。

リスニング時間の回復は、EUやアジア太平洋地域など新型コロナの拡大が鈍化している地域が主導したと同社は指摘した。また、政府のロックダウンや在宅勤務により利用が鈍化した他の地域でも伸びた。例えば車内利用は4月の最低時点で新型コロナ前の50%にまで減少していたが、同四半期末では10%未満の下落にとどまった。

マイナス面として、Spotifyの広告売上は同四半期を通じて低下した。新型コロナ危機前より市場全体が慎重になったためだ。同社はこの傾向が年間を通じて続くと見込む(ロイター記事)。この影響により同四半期の売上高は市場予想に届かなかった。売上高は13%増の18億9000万ユーロ(約2340億円)だったが、アナリスト予想は19億3000万ユーロ(約2400億円)だった。

「前四半期は世界的な健康危機により売上高が著しく減少した。特に3月の最後の3週間で当社の見通しと比べて20%以上落ち込んだ」と同社は株主への書簡(PDF文書)で述べた。「業績は4~5月は予想を下回ったが、6月は大幅に上回った。4~5月の累計で広告売上は前年比25%減だったが、6月の業績は大幅に改善し前年比12%減にとどまった」。

現在、広告は売上の主な原動力ではないが、同社のポッドキャスティングビジネスの戦略の重要な一部だ。同社は最近、 Kim Kardashian West(キム・カーダシアン・ウエスト)氏、Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏、Michelle Obama(ミシェル・オバマ)氏、DC and Warner Bros.(DCとワーナーブラザーズ)、TikTokスターのAddison Rae(アディソン・レイ)氏などとの独占契約に多額の投資を行った。同社は積極的に資金を使っている。例えば、伝えられるところによればジョー・ローガン氏との契約には1億ドル(約105億円)以上かかったようだ(Wall Street Journal記事)。

また、この分野への投資の一環として、独自のポッドキャスト広告を販売するほか、ポッドキャストの作成、編集、配信のためのツールに取り組んでいる。例えば同社は、ポッドキャストの収益化を狙った新しい広告テクノロジーを開発している。一例は同社が最近テストしているアプリ内オファー(未訳記事)で、ユーザーはSpotifyアプリからいつでもオーディオ広告に表示されるクーポンコードやその他のオファーを使用できる。

最近ではビデオポッドキャストにも投資した。Streaming Ad Insertion(ストリーミング広告挿入)テクノロジーも、この夏米国の広告主にも広く利用可能になる予定だ。それから、Omnicom Media Group(オムニコム・メディア・グループ)との2000万ドル(約21億円)の広告提携を発表した。同社によれば、ポッドキャスト広告の提携としては史上最大の全世界ベースでの戦略的提携だという。

Spotifyは、全体として同四半期のポッドキャスト広告の実績は予想を上回り、その傾向が7月は続いていると語った。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

Sptotifyのパーティーモードがリモート利用可能に

米国時間7月28日、Spotify(スポティファイ)は、最近提供開始したリスト共有機能のGroup Session(グループセッション)をアップデートを発表(Spotifyニュースリリース)した。5月にスタートしたGroup Session(未訳記事)はいわゆる「パーティーモード」機能で、利用者が共同プレイリストにリアルタイムで曲を追加したり、他のユーザーのデバイスで再生されている曲を制御したりできる。発表当時Spotifyは、ソーシャルディスタンス命令は出ているが、この機能は隔離された家族や少人数のグループなどが利用するのに便利だと説明していた。

しかし今回のアップデートは、Group Sessionを本格的に新型コロナウイルス時代に対応させるものだ今後プレミアムユーザーは、同じ場所にいなくても、同じプレイリストやポッドキャストを同時に聞くことができる。これまでこの機能を使うためには、ユーザーが物理的に同じ場所にいる必要があり、共通プレイリストに加わるためには自分のデバイスでバーコードをスキャンしなければならなかった。

これからは、Group SessionのホストからメッセージアプリやSMS、ソーシャルメディアをなど通じて送られてきた「join」(参加する)リンクをクリックすれば、2~5名のユーザーがGroup Sessionに参加できる。ホストは、Spotifyアプリのプレイ画面の左下隅にある「Connect」メニューから「Start a Group Session」を選んでリンクを取得して友達や家族におくることができる。

招待された人はリンクをクリックするかSpotifyのコードをスキャンしてセッションに参加できる。

セッションが始まったら、ホストとゲストはリストにある曲を一時停止、再生、スキップ、選択したり自分で追加したりできる。誰かが変更すれば参加者全員のデバイス上で直ちに反映される。

Group Sessionは昨年開発中(未訳記事)であることが発見(@wongmjane投稿)された。新型コロナウイルス蔓延よりずっと前だ。当初は、Spotifyにパーティー好きや大学のルームメイトなどのソーシャルユーザーをプレミーム会員にアップグレードさせるための機能として考えられていた。しかし、ソーシャルディスタンス令が続くいま、パーティーモードを必要とする人はほとんどいない。

Soptifyは、ユーザーが物理的に近くにいなくてはいけないという条件があるために機能が利用されていないと見て、リモート利用も可能にしたものと思われる。

しかし、もっと大きい制約はGroup Sessionがプレミアムユーザーに限られていることだ。

現実はといえば、友達と(バーチャルに)会って音楽を聞く時間のある人は、ほとんどが無料アカウントの若者であり、新機能を試すこともできない。Group Sessionは無料ユーザーでも共有リストに参加できるようにして、機能で有料ユーザーと差をつけることを考えるべきだ。

Group Sessionに有料ビデオ広告を組み合わせて、スポンサーのお知らせを見た後一定時間参加できるようにすることも考えられる。

Group Session機能はまだ公開ベータ状態なので、まだ開発、テスト中ということなのだろう。Spotifyによると、新機能はプレミアムユーザー全員が本日から利用できるとのこと。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook