App Annieの新しいレポートによれば、スマートフォン利用者は、1年前にくらべてより多くの時間をアプリケーション上で過ごすようになっているようだ。利用するアプリケーション数は、月間30本以上なのだとのこと。インストールしているアプリケーションの3分の1ないし2分の1を使っている計算になるのだそうだ。アプリケーションを利用するのは日々の行動としてすっかり定着しているようで、1日平均でも9本のアプリケーションを利用しているのだとのこと。
アプリケーションの利用が多い国はインド、ブラジル、中国、韓国、アメリカ、フランス、日本、そしてメキシコとなっている(下図参照)。
iPhone利用者は、Android利用者より多くのアプリケーションを利用する傾向もあるようだ。但しゲームについては、Android利用者の方が30%以上多く利用しているのだとのこと。
ところで、ここまでの内容をみて、1日に10本程度のアプリケーションを利用するとは、以前にくらべて多くなったと思う人もいることだろう。 2015年のForrester Researchのレポートによると、アプリケーションストアからダウンロードした「ノンネイティブ」のアプリケーション利用数は5本程度とのことだった(ここでいう「ノンネイティブ」とは、メールやカレンダー、テキストメッセージなどのように、スマートフォンに最初からインストールされていたもの以外のこと)。
ここで注意すべきは、このForresterのレポートからは、プレインストールされているアプリケーションが除外されていることだ。今回のApp Annieのレポートでは、そうしたプレインストールアプリケーションも数に入っている。App Annieのレポートでは、iPhoneではユーティリティ、Androidではツールのジャンルが月間で最も利用されているが、こうしたジャンルで大きな割合を占めるのは、iPhoneではSafari、AndroidではGoogleアプリであるそうだ。
すなわち、App Annieのレポートからプレインストールアプリケーションを除けば、利用アプリケーション数については、かつてのForresterレポートと同様の数値になるというわけだ。
Nielsenのレポートでもいっていたが、すくなくとも今のところは利用するアプリケーション数になんらかのリミットがあるようにも思われる。Nielsenのレポートが出されたのは2015年のことだったが、月間のアプリケーション利用数を26ないし27本としていた。App Annieの最新レポートでは30本程度ということだが、数は大きく変化していないとみることもできる。
こうしたアプリケーション利用本数については「30:10ルール」などという名前も付けられている。すなわち月間利用本数が30本で、1日の利用本数が10本程度になっていることを示すものだ。
ユーティリティやツールについで人気のカテゴリーとしては、ソーシャル・ネットワーク(iOS)、コミュニケーション(Android)、仕事効率化(iOSおよびAndroid)、そしてソーシャル(Android)となっている。デート関連および仕事効率化のアプリケーションが、立ち上げられる頻度が高くなっている。1日あたりの利用回数(セッション数)が4回となっている。
アプリケーションの利用時間は、この2年で伸びている。アメリカにおいては、平均で1日に2時間15分の利用時間となっている。年間でトータルすれば1ヵ月以上の時間をアプリケーション上で過ごす計算になる。韓国、ブラジル、メキシコ、および日本での利用時間はアメリカをさらに上回っている。1日の利用時間が、平均で3時間にも達しているのだ。
ちなみにブラジルおよびメキシコでは、利用時間の半分はソーシャルおよびコミュニケーションジャンルのアプリケーションで締められている。一方で韓国および日本では利用時間の25%がゲームとなっている。
今回の調査によれば、ほとんどの国において利用時間の80%以上はナンバーワン・アプリケーション以外で費やされているとのこと。WhatsAppやFacebookの存在は確かに大きなものではある。しかし新たなアプリケーションで利用時間を獲得することも、まだまだ可能であるようだ。
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(翻訳:Maeda, H)