SunriseのMeetは、カレンダー内蔵キーボード

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スマートフォンのカレンダーアプリとメールアプリを行ったり来たりして予定を決めている人は多いだろう。会議のスケジューリングは長年悩みの種だが、人気カレンダーアプリのSunriseは、新たな機能Meetでこの問題に取り組んでいる。これは、SunriseがMicrosoftに買収されて以来最初の主要リリースだ。

共同ファウンダー・CEOのPierre Valadeが最初にMeetのことを私に話したのは1年以上前だった。数々の試行錯誤を経てある興味深いデザインに落ち着いた。Meetは、AndroidおよびiOSのサードパーティー・キーボードとして動作し、使っているアプリを離れることなく日程を調べ相手に送ることができる。

私はMeetのいくつかのバージョンを見てきたが、それは興味深い製品ケーススタディーだった。まず、彼らはSunriseを効率的なスケジューリングツールにするためにチャット機能が必要だと考えた。2人にとって都合の良い日時と場所を決めるのに、話し合わないなどあり得ない。しかし人々は、GmailやWhatsAppやiMessageから乗り換えてはくれないだろう、ということでこのアイデアを諦めた。

しばらくの間、Meetは新しいアプリでもあった。起動するとフルスクリーンのカレンダーが表示される。何ステップかで空き時間と連絡先を選んでミーティングのリクエストを送信できる。当時Valadeは私に、ユーザーがミーティングのスケジュールを決めるのにキーボードを使わなければならないのはおかしい、と言っていた。

しかしiOS 8は、Sunrise Meetにとってとりわけ有用となる機能を導入した ― サードパーティー製キーボードだ。Meetの最終版は、キーボードに内蔵されたカレンダーだ。そしてこれが実に具合良く働く。

しくみはこうだ。メールを読んでいて誰かがあなたに会いたがっているとする。返信ボタンを押し、返事を書いたらSunriseキーボードに切り替える。カレンダーから都合の良い時間を選び完了を押す。Sunriseはリンクを生成してメールに追加する。そしてこれは、どのお気に入りメッセージングアプリでも他のどんなアプリでも同じように使える。

受け取った人がリンクをタップした時、2種類のシナリオがある。もしSunriseを使っていれば、Sunriseが起動されカレンダーに提案された日時が表示される。ユーザーは承認するか別の日時を提案できる。

受け手がSunriseを使っていない場合でも、会社はインストールを強要しない。単にブラウザーで日時を確認すれば受信箱に招待メールが届く。すべてがブラウザー内で進むが、体験はDoodleを使うよりずっと良い。

そして、日時の提案はリアルタイムで更新されるので、空いていたスロットに予約を入れれば、空きリストから消える。これは受け手にもわかる。
全体を通じてユーザー体験は非常に洗練され簡単に使える。実にうまくカレンダーとと統合されているので、私はあらゆるミーティングに今すぐ使いたい。これは会社を大きく成長させるツールではないが、Microsoftに1億ドルで買収された(TechCrunch調べ)ニューヨーク拠点のスタートアップにとって、今は心配することではないだろう。

デスクトップではあまりうまく働かないが、MeetはSunriseのウェブアプリやデスクトップアプリでも利用できる。今日のニュースは、MicrosoftがSunriseに力を入れていることを意味しているので、既存ユーザーは今後もカレンダーアプリのアップデートを期待できそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Officeのクラウド化に向けてMicrosoftの変身続く―カレンダー・アプリのSunriseを1億ドル以上で買収

Microsoftは自らを再発明する努力を続けている。その過程には自社のものより優れたサービスを提供するスタートアップの積極的な買収が含まれる。その最新の例がカレンダー・アプリのSunriseの買収だ。われわれの情報源によると、買収価格は1億ドル以上だという。

Sunriseはモバイルとデスクトップの双方で、異なるプラットフォームのカレンダーを統合、同期して運用できる一連の生産性ツールを提供しており、iPhone、iPad、 Android、Mac App Storeに加えてウェブ版がサポートされている。

ユーザーはGoogle、iCloud、Microsoft Exchangeのカレンダーを通じてSunriseにアクセスできる他、多数のサードパーティーのアプリと連携が可能だ。このクロス・プラットフォーム、クロス・デバイスのサポートがSunriseの重要なセールスポイントとなっている。

Microsoftは最近、Windows以外のライバルのプラットフォームのサポートを積極的に進めている。たとえばWindows 10版に先駆けて、Apple iOS向けにタッチ・フレンドリーなOfficeをリリースしている。

われわれの情報源によると、Microsoftは当面Sunriseを独立のプロダクトとして残しながら、そのテクノロジーを将来のアプリ開発のために役立てるということだ。これはMicrosoftが2億ドルで買収したメール・アプリのスタートアップ、Acompliの場合と同様の方針といえる。この買収の成果は、先週発表されたAndroid版、iOS版の新しいOutlookに現れている。

この2件の買収はMicrosoftが伝統的なOfficeパッケージの枠を超えてモバイル版の生産性ツールに力を入れていることを示している。Microsofttはコンシューマ向け、エンタープライズ向けの双方でソフトウェアのスタンドアローン販売からクラウド・サービスへとビジネスモデルを戦略的に転換中だ。そのためには現代のスマートフォン・ユーザーがOfficeを毎日利用さざるを得ないように誘導していく必要がある。2件で合計3億ドルに上る買収はそのための不可欠な投資なのだろう。

アップデート: われわれの取材に対してMicrosoftはコメントを控えた。

Sunriseは2012年の創立で、これまでに820万ドルの資金を調達している。投資家は以下のとおり。Balderton Capital、Resolute.vc、NextView Ventures、Lerer Ventures、SV Angel、BoxGroup、500 Startups、John Maloney、Slow Ventures、David King、Andrew Kortina、Adam Nash、Elliot Shmukler、Hunter Walk、Gustaf Alströme、Loic Le Meur、Bill Lee、Adam Mosseri

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+