SXSWに「触れ合いロボット動物園」開設―災害で人間を助けるロボット勢揃い

SXSW自体が動物園みたいなものだが、今年はそのインタラクティブ部門にロボット触れ合い動物園が開園している。ロボットは最後には人類を滅ぼすというディストピア的強迫観念も一部に根強いが、ここに集められたロボットは災害時に人間を救けるためのものだ。

オースティンのダウンタウンにあるJW Marriottホテルのボールルームの会場に足を踏み入れると、各種の災害救助ドローンや積み重ね可能なシェルター、被災者と会話できるかわいいボール紙製のボットなどが出迎えてくれる。

このロボット動物園を主催したのはユタ州Heber CityのField Innovation Team (FIT)は災害の際に緊急即応チームと被災者のコミュニケーションを図る新しいテクノロジーを開発しているNPOだが、今年のSXSWのイノベーション賞に選ばれた。 この団体アメリカ・メキシコ国境の密入国者激増の危機福島第一原発事故、ワシントン州Osoでの大規模な土砂崩れなどの際に救援活動を行ってきた。

〔ビデオが表示されない場合は原文をごらんください。〕

〔日本版〕土砂崩れの被災地の上空にクワドコプターを飛ばして3D地形図を作成し救援活動の基礎的情報に役立てた例などが紹介されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


SXSWに来たクールな日本のスタートアップ4チーム紹介―AgIC、SenSprout、exiii、Plen

私は今年のSXSWの取材ではBates Motelの4号室をベースにしている(この話はまた別に)。ここで、この週末、はるばる東京からテキサス州オースティンにやってきたクールなハードウェアのスタートアップをインタビューすることができた。8チームのデモを次々にに見たが、そのうちの4チームには特に強い印象を受けた。

最初のチームはわれわれが以前に紹介したことがあるAgICだ。これはユーザーが銀(Ag)を含有する伝導性の高いインクを使って専用のペンまたはインクジェットプリンターで印刷することによってサーキットボードを自作できるというもの。

AgICは今回のSXSWで回路の大型化をデモした。デモを担当した杉本雅明氏によると、新しいバージョンでは部屋の壁ぐらいのサイズの回路を作成できるという。

またAgICは小型のハードウェア・コントローラーを開発した。ユーザーはこのコントローラーを介して自作したAgIC回路から他の電子機器を操作できる。つまり自作した回路をボタンに使ってほかのエレクトロニクスを動かせるわけだ。「A」の回路を押すと照明が点灯し、「g」の回路でステレオを鳴らすといったことができる。

テクノロジーとしても興味深いが、電子回路がビジュアルに美しいものになり得るというコンセプトが特に面白かった。杉本氏は「壁紙にもできる」と言っていた。

2番めのスタートアップは西岡 一洋、三根一仁、岡田隆太朗、川原圭博の4氏によって創立されたSenSproutだ。

SenSproutは農業のための環境の水分センサーシステムだが、実はセンサーにAgICの回路プリント・テクノロジーを利用している。インクジェットで導電性インクをプリントするだけよいので、従来の水分センサーに比べてはるかに低価格で製造できる。コンセプトの実証研究の段階で、 Wiredが紹介したことがある。2ヶ月前に会社が設立され、SenSproutの商品化を目指している。

SenSproutセンサーのユニークな特長はバッテリーを必要としないことだ。なんとこのセンサーは周囲を飛び交う電波(テレビ、ラジオ、携帯等)を微小な電力に換えて作動する。モニターの結果は、専用アプリで視覚化される。

次に未来的な筋電義手を開発しているexiiiのチームが登場した。共同ファウンダーの近藤玄大、山浦博志、小西哲哉の3氏に加えてプロダクトのユーザーでエバンジェリストの森川氏がデモを行った。eiiiはは家庭の3Dプリンターで出力できる低価格で高機能かつスタイリッシュな義肢の開発を目指している。義肢を必要とする人々すべてが購入できるような製品の市販がチームの目標であり、300ドル程度を目指している。日本では義肢を必要とする人々のうち筋電義肢を実際に利用できているのは、高価格に妨げられて1%程度に留まっているという。

森川氏が実際に装着してデモを行った。森川氏は右腕を一部失っているが、exiiiの義手により500g程度の物体をつかむことができた。またアタッチメントを介してカメラを保持することもできた。

デモセッションの最後はPlen2だった。 Led by 赤澤夏郎、富田敦彦、伊藤 武仙の3氏のチームの目標は「誰でも作れる小さなヒューマノイド・ロボットによりロボットと暮らす未来をみんなに届ける」ことだという。チームはロボットの日常のツールとしての価値を幅広い層に啓蒙しようとしている。

この目標を実現するために開発された小さなロボットはパーツの大部分が家庭で3Dプリント可能だ。ユーザーはモーター部分だけを購入すれば、他のパーツは自分でプリントして組み立てることができる。組み立て済みの完成版も注文できるというが、私には「プリントして自作できるロボット」というコンセプトが面白かった。かわいらしい小さなロボットはスマートフォンやタブレットから操縦でき、歩いたり、踊ったりするほか小さな玩具の車の運転までできる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+