プロ用お絵描きタブレットのWacomが“コンピュータの周辺機器ではない”自立型製品を予告

surface-pro

写真やアートのプロのための感圧入力機器では長年のリーダーであるWacomが、同社のFacebookアカウント上で、新製品のモバイルタブレットを予告している。それはWacomによれば、お客様の熱心な要望にお応えして、“そのほかのタブレットにはない、プロ用の感圧ペンやスムースなマルチタッチ、HDのディスプレイなどの機能を盛り込んだ”製品、という。

このタブレット製品のためにWacomは1日24時間週に7日間の開発努力を続け、この夏には発売できる、と言われている。Microsoft Surface ProやSamsungのGalaxy Noteなどのタブレットも、感圧方式のスタイラス入力はその技術をWacomに仰いでおり、だから同社自身がモバイル製品に導入しても不思議ではない。しかしこれまでの同社のハードウェア製品はあくまでも周辺機器であり、Bamboo、Intuos、Cintiqなど電源をUSBに依存する描画用パッドもすべて、コンピュータにつないでから使用する。

でも今度出るタブレット製品は、Wacomの初めてのスタンドアロン製品のようだ。Facebook上の予告はプラットホームについて言及していないが、おそらくAndroidだろう。人気WebコミックPenny Arcadeの作者Mike “Gabe” Krahulikが最近、Surface Proとそれが内蔵するWacom技術への愛について長い記事を書いていたから、Windows 8という線も捨てられない。

Wacomの唯一の課題は、スタンドアロン製品を買いやすいお値段にすることかもしれない。Cintiqシリーズの描画パッドの12インチ(12WX)は899ドルだが、本体のほかにコンピュータを必要とする。コンピュータ内蔵の完全自立型Wacomタブレットも、本格的なプロ用仕様ともなればお安くはないだろうが、でもCintiq 12WXが出た2007年に比べると、技術も必要部品も安くなってるはずだ。今日このごろ、スマートフォンとタブレットが世の中に氾濫しているから、高度な技術を狭いところに詰め込む、かつては神業的だった製造技術も、今やそれほど高価なものではない。

今Wacomに詳しい情報を求めているので、情報が入り次第この記事をアップデートしよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

超薄型Xperia Tablet Zは、Sonyの最高傑作タブレットかもしれない


Sonyは奇妙なAndroidタブレットで市場参入に失敗した後、一から出直して違う何かを作るしかなかった。その違う何か、Xperia Tablet Zは、同社の最も平凡なデザインだと言ってもいい。そしてそれは賢明な選択だった。この間違いなく変ではないXperia Tablet Zは、米国での登場に向けて準備中だが、本誌はモバイル・ワールド・コングレス(MWC)会場で、この欲望をそそるほど薄いSonyのタブレットを捕えた。

まず何よりも、もしあなたがミニマリスト的工業デザインのファンならば、大いにこれを気に入るだろう。Sonyの明るい10.1インチ〈リアリティー・ディスプレー〉(1920 x 1200)は間違いなくこのデバイスの顔であり、そこにはSonyロゴと隅の赤外線窓、および見すごしそうな2メガピクセルカメラ以外何もない。ディスプレイはSonyのモバイルBraviaエンジンが駆動していて、これは画面を暗くしないと色がどぎつくなることを意味している。背面は黒いマットの無地で、小さなXperiaロゴと右上隅の8.1メガピクセルカメラだけが見える。さえないと言う人もいるだろうが、「地味」な感じは感触の良さとよく合っている。

Tablet Zはわずか1.09ポンド(494g)で、そのほっそりとしたウェストラインは厚さわずか6.99mmだ。ちなみにiPad miniは、ほんの髪の毛ほど厚い7.22mmだ。重量を極限まで減らすためにSonyはほぼ全面的にプラスチック筺体の採用に踏み切った。そう聞くとちゃちなタブレットの仕様のように感じるかもしれないが、もちろんこのケースにはあてはまらない。非常に軽量であるにもかかわらず、Tablet Zは驚くほど頑丈で高級な手触りだ。端を持ってひねると多少のねじれを感じるので、長い間のうちに何か問題があるかもしれないが、未だ市場にあふれている安っぽいプラスチック製タブレットとは比べものにならない。

Tab Zの防水筺体の中には、4コアSnapdragon S4 Proチップセットおよび2GBのRAMが収められ、私が触っていや殆どの間Tablet Zは遅れを感じさせなかった。モバイル・ワールド・コングレスで数十台ほどのデバイスを一般公開する際、多くの会社はわれわれナードがいじり回しすぎないよう排除しようとする。ここでは違った。私はGoogle Play StoreからQuadrantをダウンロード、インストールして、Tablet Zの実力の片鱗を感じることができた。3回の試行の結果、Tablet Zは7000台前半を維持し最高は7601だった。Nexus 10やAsusのTransformer Pad Infinity TF700は、4000台半ばをさまよっている。

もちろんこれは人工的ベンチマークであり、性能の全体像を表わすものではないが、Xperia Tablet Zがぐうたらでないことは確かだ。

私はたった一つだけ、Xperia Tablet Zに不満がある。SonyがAndroidに被せたカスタムUIだ。古くからの読者ならご存じだろうが私は無垢Androidの支持者であり、Sonyの実装は私に合わなかった。公平を期して言えば、これは他のごちごちゃしたものより軽くて面倒もないので、違う意見もあるだろうが、メニューをたどる際の時々つっかえる感じや、背景画像を設定すると歪む点は問題がある。それでもSonyはこれらを補う気の利いた機能をいくつか追加している。番組案内機能もある万能リモコンアプリや、位置情報付き写真を地球儀に表示する改訂版のギャラリーなどだ。

昨日朝のプレス会見で、Sony Mobileの鈴木国正CEOは、新たな方策として「最先端技術とリソース」をSony Mobileに注ぎ込むことを宣言し、2013年を「ブレークスルーの年」であると自信を持って語った。もちろん実際どうなるかを予言するには早すぎるが、不可能でもない。このXperia Tablet Zは、Sonyにとって稀な(でないことを祈る)原点回帰であり、2013年が同じように吟味されたSony製品であふれることを期待したい。

mwc13-event1

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

取り扱いご注意―AVGによるとスマートフォン・ユーザーの4人に1人はエロティックなコンテンツを保管

smartphone-porn

今日、ソフトウェア・セキュリティーを専門にする企業、AVGが発表した調査によれば、スマートフォン、タブレットのユーザーのなんと25%がエロティックな写真やビデオをデバイスに保管していることが判明した。スマートフォンから銀行残高を確認しているユーザーがわずか36%しかいないのと比べて驚くほど高い割合だ。

AVGはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ブラジルで合計5107台のデバイスを調査したという。

25%という数字は一般ユーザーが秘密性の高い作業をモバイル上で行うのを好まない傾向と奇妙な対照をなしている。AVGの調査ではモバイル・デバイスでオンラインショッピングを行うユーザーは35%、なんらかのオンライン・バンキングは38%だったという。ところが4人に1人のユーザーは浴室での自画撮りヌード写真やパートナーとの親密な行為のビデオをデバイスに保管しておくのは気にならないらしい。

ただし、保管した写真やビデオをオンラインで転送するのはそれほど一般的ではないようだ。そういったコンテンツをそもそもデバイスにいつまでも保管しておくというのが転送が一般的でないことを示唆しているとも言える。a2012年のPewのインターネット報告では、性的意味合いのヌード、セミヌード写真をモバイルデバイスで受け取ったことがあると認めたのは成人ユーザーの15%に過ぎなかった。この数字は2010年5月の調査以来ほとんど変わっていない。結局、一般ユーザーは寝室で写真を撮ってもデバイスにローカルに保存して楽しむだけということなのだろう。スマートフォンは便利な道具だ。いつも持ち歩けて簡単に高画質の写真やビデオが撮れる。これがセルフ・ポルノに使われなかったらそっちの方が驚きだ。

しかし25%のユーザーがデバイスの中に赤面や脅迫の種を保存していながら、iCloudのリモート・データ削除機能やAndroidの同様の機能については70%のユーザーが知らないと回答している。心当たりのある読者も多いだろうが、ともあれデバイスのリモート削除手順については十分な知識を得ておくべきだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

webOSで痛い失敗をしたHP、Androidスマートフォンとタブレットを開発中との報道

ReadWriteの最新の記事によると、HPはモバイル・ハードウェア市場に再参入しようとしているという。Vergeもこの報道を別の情報源から確認したとしている。HPはwebOSを買収してPalmプラットフォームを搭載するタブレットの製造に乗り出し、TouchPadをリリースした。しかしこの製品は無残な失敗に終わり、HPはモバイル・ハードウェア事業から早々に撤退した。

HPはwebOSを使ったスマートフォンVeer 4Gも売りだしたこともある。 しかしこれも消費者の関心を呼ぶことはできなかった。HPはこの失敗後もモバイル・ハードウェア市場への復帰を狙っていたようだ。ReadWriteの情報源によると、NVIDIATegra 4チップを搭載したAndroidタブレットが間もなくリリースされるという。またAndroidベースのスマートフォンも計画されているらしい。Vergeは「順序ほぼそのとおりだが、スケジュールはまだ変更の可能性がある」としている。

Meg WhitmanはHPのCEOに就任した際に、「途上国の多くの人々にとってスマートフォンが入手しうる唯一のコンピュータとなっている事実をも考え合わせ、HPは最終的にこのような人々をも助けるようなスマートフォンを提供していく」と語った。しかし、しかし後にWhitmanは製品のリリースは2013中には行われないと述べた。

しかし2011にWhitmanは「HPはwebOSベースのタブレットを2013年に再リリースする」という意味の発言をしている。HPがWhitmanのスケジュールに合わせるために、自社の独自OS(webOSは現在オープンソースになっている)ではなく、Androidベースの製品の開発に方針を転換した可能性は十分ある。

最初に痛い失敗を経験したとはいえ、HPがモバイル・ハードウェア市場に復帰を試みるのは不思議ではない。モバイルはまさにコンピュータ産業の未来であり、AppleのiPadは一夜にしてほとんど独力でノートなどの既存のモバイル・コンピュータを圧倒して巨大なタブレット市場を成立させた。HPは2012年第4四半期の業績が予測を下回るなどハードウェア事業の不振が続いている。

しかしタブレットもHPにとって救いの神となるかどうかは不明だ。Android版タブレット市場にはまだiPad’シリーズに対抗できるような人気機種が出ていない。しかも市場にはライバル製品は無数に出まわって消費者の注意を分散させている。HPであろうと誰であろうとAndroidタブレットで成功するには既存のライバルよりはっきり高性能で価格にも魅力がある製品を開発しなければならない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Appleの128GB iPad、販売開始―来週リリース予定のMicrosoftのSurface Proに先制パンチ

apple-128gb-ipad

Appleは128GB iPadの販売を開始した〔2/6現在日本サイトではWiFiモデルのみ2-3営業日で出荷。WiFi+無線モデルは掲載されているもののまだ予約を受け付ていない〕。

これはRetinaディスプレイを装備する第4世代のiPadシリーズへの新たな機種の投入となる。9.7インチのフルサイズiPadとしてはこのストレージ容量の拡大で7.9インチの大人気の弟分との違いを際立たせる必要があったのだろう。しかしもっと重要なのは、近く発売となるMicrosoftのSurface Proとの能力差を少しでも埋めたいという狙いに違いない。

Surface ProがiPadのライバルだって? とんでもない! と考える読者も多いだろう。Surface Proはあくまでコンピュータだ。Windows 8そのものを搭載し、OfficeやPhotoshop、その他なんであれWindowsアプリが走る。CPUは十分強力なIntel Core i5だ。こちらもストレージは最大128GBが予定されている。フルサイズのUSBを含む各種入出力ポート、手書き用のスタイラスも用意される。

しかしiPadは発売の当初から現在まで既存のWindowsデバイスと直接のライバル関係だったことは一度もない。逆にSurface Proが得意だと主張している各種のエンタープライズ業務にもiPadは進出している。明らかにiPadのビジネス・ユーザーはWindowsアプリのサポートを必要としていない―必要としているのはApple流の新しい仕事のやり方だ。

しかしエンタープライズの膨大な既存システムは容易なことでは消えてなくならない。こうしたレガシー・システムに縛られているユーザーにとってはSurface Proには多くの魅力があることは間違いない。しかしイノベーションに熱心なグループはやはりiPadを選びたいと思うだろう。こうした層にはストレージ容量が倍増されたiPadは最適だ。価格も安くはないが、Surface Proクラスを上回るほどではない。しかもSurface Proに較べてバッテリー駆動時間は2倍だし、Surface Proは実際にユーザーが利用できるストレージ容量が少ないという問題を抱えている。

128GB iPadはSurface Proより約1週間早くリリースされた。このタイミングは多分に偶然だろうが、いずれにせAppleはMicrosoftの新製品をさほど恐れている様子はない。ただストレージ容量の点だけはエンタープライズ向け教育向けとしてSurface Proに対抗して拡大する必要を感じたかと思える(スペックとしては対等、現実の容量としてProを上回ることに成功している)。MicrosoftはSurface ProによってAppleのエンタープライズ市場への進出を防ぐ防波堤にしたいところだろうが、128GBモデルという先制パンチを受けて、果たして期待された役割を果たせるのか注目だ。.

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+