Facebook、トレンド記事の偏見疑惑を否定しつつ、手続きの改善を約束

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Facebookは今日(米国時間5/23)、トレンド記事機能に関する公式質問、具体的には担当チームが過去数週間にわたり、保守的意見を抑制したり、一部の記事を恣意的に浮上させたりしたとする疑惑に回答した。

公開されたプレスリリースおよび、ジョン・スーン上院議員(サウスダコタ州・共和党)に直接送られた書簡((PDF)で、Facebookは疑惑を否定しつつも、批判を鎮めるであろう内部手続きの変更をいくつか発表した。

当社で調査した結果、トレンド記事に掲載された記事の選択に、組織的な政治的偏見の証拠は見つからなかった。実際、アナリストの報告によると、トレンド記事に採用された保守的記事と自由主義的記事の比率は事実上等しかった。

同時に、この種の調査で予想されるように、われわれの調査は、当社のガイドラインやポリシーの実施に関して、個別の不適切な行動や意図的でない偏見があった可能性を排除できない。

具体的にFacebookは、記事がいつ、どのように「浮上」「ブラックリスト化」されたか、「改変」、修正を要求されたかを調べ、その結果比率は「リベラルと保守で事実上等しかった」。

問題の一端は、告発につながった匿名の元トレンド記事編集者の証言にあるように、監視の欠如であり、要するに管理体制の悪さにある

手続きの変更の一つは、「レビューチームの管理と監視の強化」― おそらく、監視チーム自身の監視の強化だろう。なぜなら見張りの見張りは、編集チームが明らかな非編集環境に閉じ込められているこの種の状況では極めて重要だからだ。

形式的手続きの追加に加え、トレンド記事の選択手順も刷新される:

  • レビュワーが頼っていた巨大なRSSフィードリストは廃止される ― ただし、代わりに何で使用するのかは不明。
  • レビュワーは、トップ10ニュース会社内での順位(このリスト自体が前項の通りもはや存在しない)だけに基づいて「重要度」を割り当てることができなくなる。
  • Facebookのトレンド記事の「ヘルプセンター」ページが改訂され、機能の説明を正確にした ― 何らかのAIかアルゴリズムが決めていると思っていた人は、誤解を捨てられる。

ハッシュタグや地域ニュースがトレンド記事へと浮上する正確な手続きに興味のある人は、スーン上院議員への書簡を読まれたい。そこには従来知られていなかった詳細が記されているが、その多くはもはや陳腐化している。具体的な偏見疑惑 ― 例えば、Glenn Beck(この件に関する彼とFacebookとの面談について興味深い見解を書いている)に関する記事が抑制された ― についても言及されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Twitterに対抗して「人気の話題」をサイドバーに表示―当面英語圏に提供

Facebookは昨年8月にウェブとモバイルでTwitter風のTrending Topics(人気の話題)のテストを開始していたが、今日(米国時間1/16)、このTrendingを右サイドバーのトップに組み込んだ新デザインを正式にリリースした。

現在、新デザインが公開されているのはアメリカ、イギリス、カナダ、インド、オーストラリアだ。個人別にカスタマイズされた「現在もっとも大きい反響を呼んでいる単語、フレーズ」のリストには、それぞれに反響を呼んだ理由が簡単に解説してある。項目をクリックすると 友達からのコメント、関連ページ、フォローしている相手の公開投稿などが表示される。

TrendingセクションがFacebookのユーザーに好評であれば、ユーザー・エンゲージメントを改善するのはもちろん、それより重要な点だが、Facebookを新たなリアルタイムのニュース源として認識させる効果があるだろう。Facebookはニュース性という点では長年Twitterに水をあけられていた。

人気の話題:Facebook対Twitter

FacebookのTrendingセクションは説明が入るためTwitterのシンプルなリストに比べていくぶん煩雑に見えるものの、その分わかりやすいというメリットもある。Twitterの人気の話題リストはなぜこのテーマが話題になっているのか理解に苦しむことがよくある。たとえばサッカーファン以外は#SuperDraft;というハッシュタグがメジャーリーグ・サッカーのドラフトのことだとすぐには分からない。

Facebook版では24項目をリストするだけでなく、たとえばクリチャーノ・ロナウドであれば「レアル・マドリードで昨年大活躍し、今年のFIFA欧州年間最優秀選手賞を獲得した」という説明が入る。

Facebook Trending (Left) vs Twitter Trending Topics (Right)

私の取材に対して「Facebookはユーザーに対する豊富なデータを利用して個人別にカスタマイズした「人気の話題を提供する。Facebook全体での反響の大きさと個人の関心の双方を考慮している」と語った。

ただし、項目をクリックした後で表示されるFacebookのTrendingページ(上のスクリーンショット)はTwitterに比べてシンプルだ。ここに表示されるのはページ、著名ユーザー、フォローを許可しているユーザーからの投稿へのリンクの一覧だ。TwitterのTrendingのページのほうが写真やフォローのすべきユーザーの推薦などが入っており、わかりやすい。

しかもTwitterはリアルタイム・ニュースのメディアとして確立されており、またほとんどの投稿が公開であるということもあって、Trendingの内容も豊富でリアルタイム性も高いようだ。

[アップデート:Facebook Trendingを実際に利用してみた]

さきほど私のところでもTrendingが使えるようになったので、実際に使ってみた感想を報告しよう。「人気の話題」に簡単な解説がつくのは便利だが、内容の選択がパーソナル化されているという感じはあまりしなかった。私は熱心なスポーツファンではなく選手はチームをフォローしたりスポーツ関連の投稿を「いいね!」したり共有したりしたことは一度もない。それなのにトップにスポーツ選手のスキャンダルの話題が2項目も入っていた。

また24項目のうち10項目はニュースメディアの記事へのリンク、あるいはまるごと引用した投稿へのリンクで埋まっていた。こうしたことからみて、このセクションがTwitterのようなユーザーからの投稿のトレンドを知る場というよりニュースメディアや著名人の配信チャンネルになりのえはないかと懸念される。

TwitterのRTに比べてFacebookのシェア・ボタンは利用される率が低い。そこで著名人でないユーザーからの投稿はたとえ面白いものでもなかなか広まらない。

また時間の逆順での表示が必ずしも守られていないので、現在何が起きているかをリアルタイムで知るというようり高度3000メートル上空からの鳥瞰図のような印象を与える。両者の目的と実現手法にはやはりかなりの違いがあるようだ。

TwitterのTrendingがその瞬間の世界の鼓動を伝えるのに対してFacebookのTrendingは「その日の大きな事件の見出し」だ。双方それぞれに役立つ。

もちろんFacebookのTrendingはきわめて初期のバージョンであり、ユーザーからのフィードバックを受けて今後どのように改良されていくか注目だ。いずれにせよFacebookのTrendingの有用性が高まるためにはもっと公開投稿が増える必要があるだろう。

公開の対話をモニタする

実際、それこそ現在Facebookが懸命に努力している目標だ。昨年マーク・ザッカーバーグはハッシュタグ認証ユーザー投稿のエンベッドなどTwitterの機能を次々にコピーしてFacebookに取り入れた。’またニュースフィードをTwitter式に時間の逆順に最新の投稿をトップに表示するように変えた。またビジネスパートナーがfirehose(全投稿のフィード)にアクセスしやすくした。最近ではスポーツニュースのフィルターサイト、SportStreamを買収している。

こうした一連の動きはすべてFacebook上で公開の対話を盛り上げることが狙いだ。 Twitterはテレビの人気番組、アカデミー賞などの発表、スポーツ試合などを巡って膨大な投稿を吸い上げている。こうした公開の対話は広告ターゲティングの精度を改善するためにも重要な要素となる。

火曜日のスタンフォード大学でのインタビューでザッカーバーグはFacebookの新たな目標は人口知能を利用して世界の現状を理解するモデルを構築することだと述べた。この野心的計画を実現する上でもTrendingの収集と正確な分析、そして何より公開の会話の強化は必須となるだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


惜しみなくFacebookは奪う?! モバイルウェブ利用者向けにトレンド・トピックの提供をテスト中

Facebookがハッシュタグを導入してしばらくになる。また、プレスイベントなどでも「リアルタイム・コンテンツ」ということを強調している。いずれももともとはTwitterで使われた表現だが、他にも「Twitter風」の仕組みを試しているようだ。

何の話かといえば「トレンド」(trending topics)だ。TechCrunchからの問い合わせに対し、確かにトレンド・トピックを一部の利用者に対して表示しているとの回答があった。本件を最初に報じたのはAllThingsDだ。

新機能についてのFacebookからの説明を掲載しておこう。

Facebook上でトレンド・トピックを表示する実験を開始しました。アメリカ国内のごくわずかの利用者のみを対象に行なっているものです。またモバイルサイトのみで提供しています(m.facebook.com)。これはあくまでもテスト目的のものであり、細かな仕様などの定まったものではありません。より広範囲に公開することになれば、改めて発表を行いたいと思います。

Facebookが言うように、ごく限られた範囲に提供しているベータ的機能なので、一般公開されるにしても、細かい部分は変わる可能性が高い。ただ現状では、多くのコメントがついているものが「トレンド」としてピックアップされているようだ。表示されるトピックをタップすると、友だちの投稿はもちろん、該当トピックスについて一般公開にて意見を寄せている人の投稿もみることができる。

トレンド・トピックはTwitterでは2008年夏に導入された。そして2010年には有料のPromoted Trendsが導入された。このPromoted Trendsの費用は、現段階で1日あたり20万ドルにもなっているとのことだった。企業・ブランドからの収入はもちろん売り上げの小さからぬ部分を占めるようになっている。Facebookも、閉じた人間関係の中だけでなく、よりパブリックな情報を扱うようにして、リアルタイムの情報を入手する場所としての価値をあげようとしている。トレンド・トピックもその一環で、利用者により魅力的なコンテンツを提供してマネタイズのための要素としたい考えだ。

但し、トレンド・トピックは、フィード上でのノイズともなり得る。モバイル環境では、既にプロモート・ポストや広告なので、友人やネットワークからの情報が見づらい状態になってしまっている。そういう不満の声がありそうだという予想もあって、まずはごく小さな利用者層を対象にテストを行なっているのだろう。友だちや家族からの投稿と、そしてリアルタイムニュースやエンタテインメント情報の表示量バランスを探ろうとしているわけだ。トレンド・トピックが全利用者向けに公開されることになるかどうかはまだわからない。しかしFacebookは変わり続けており、今後はいったい何をTwitterから奪いとろうとするのか、興味深いところだ。

掲載したスクリーンショットはAllThingsDに掲載されたものを拝借している。

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(翻訳:Maeda, H)