AIを活用したVFXスタートアップ「Wonder Dynamics」がシリーズAで11.4億円を調達

Wonder Dynamics(ワンダー・ダイナミクス)は、AI(人工知能)とクラウドサービスを使って「リビングルームレベル」のクリエイターが「ブロックバスターレベル」のビジュルエフェクトを作れるようにすることを目標にしているが、その内容はベールに包まれている。豪華なアドバイザーを誇る秘密主義の同社は、2022年の製品公開を前に1000万ドル(約11億4000万円)のシリーズAラウンドを完了した。

同社を創業したのは、Nikola Todorovic(ニコラ・トドロビッチ)氏と俳優のTye Sheridan(タイ・シェリダン)氏だ。2人は数年前、映画で一緒に仕事をした際に映画製作ツールの民主化が必要だという信念を共有したことから力を合わせることになった。もちろん、高解像度カメラとコンピューティングパワーによる編集や色調整など、すでに多くのツールは価格も難易度も下がっている。

しかし、本格的VFX(ビデオエフェクト)は別物であり、昨今のカメラとディスプレイの高解像度化とCG(コンピュータグラフィックス)の質向上によって、費用と参入障壁は高いままだ。

Wonder Dyanamicsは、AIとクラウドサービスを利用して、この状況を改善するVFXプラットフォームだが、その正確な内容は未だ秘密裏に隠されている。

「私たちのプラットフォームはまったく新しいプロセスを利用していて、CGやVFXコンテンツを作るのに必要な技術知識をもたないコンテンツクリエイターのための完全なソリューションです」とトドロビッチ氏は説明した。「プロフェッショナルなアーティストのために、制作物は既存のワークフローやソフトウェア(Unreal、Blender、Mayaなど)にエクスポートすることができる。機能はポストプロダクション(撮影後の編集作業)に特化していますが、ハードウェア要件や制作に必要な追加作業を劇的に減らします」。

関連記事:インディーズ映画制作者にAIを活用したVFXを提供するWonder Dynamicsが2.7億円を調達

2022年のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)で実物を見れば詳細がわかるだろうが、心配な人はそれまでの間、アドバイザーとしてSteven Spielberg(スティーブン・スピルバーグ)氏とJoe Russo(ジョー・ルッソ)氏の名前があることに慰められるかもしれない。もちろん、2人ともベテラン監督であり、作品の見栄えにはうるさい。特にルッソ氏(および兄のAnthony Russo[アンソニー・ルッソ]氏)は、絶対必要な場面以外、CGよりも操演(特撮の一種)を好むことで知られている。

「開発を進めるにつれ、これはビジュアルエフェクトだけのソフトウェア以上のものになるとわかりました」とシェリダン氏がプレスリリースで語った。「当社のプラットフォームは映画、テレビだけでなくビデオゲームやソーシャルメディア・コンテンツ、さらにはメタバースでも利用できる可能性があります」。

後半の用途は、新たな出資者であるEpic Games(エピックゲームズ)とSamsung Next(サムスン・ネクスト)にとってさらなる正当化材料になるだろう。今回1000万ドルのラウンドをリードしたのはHorison Ventures(ホライゾン・ベンチャーズ)で、シードラウンドで出資したFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)とMaC Venture Capital(マック・ベンチャー・キャピタル)も参加した。

画像クレジット:Hiretual

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

トロントのVFXスタートアップMARZが約5.9億円を調達し、AI技術ソリューションを開発へ

テクノロジーとビジュアルエフェクト(VFX)のスタートアップであるMonsters Aliens Robots Zombies(モンスター・エイリアン・ロボット・ゾンビ – MARZ)は、シリーズA資金として530万ドル(約5億9800万円)を調達した。この投資は、Round13 Captial(ラウンド13・キャピタル)が主導し、Rhino Ventures(ライノ・ベンチャーズ)とHarlo Equity Partners(ハーロ・エクイティ・パートナーズ)が参加した。MARZは今回の資金調達を、中核となるVFX事業の成長と、「 VFX用AI」技術ソリューションの開発を加速させるために使用する予定だ。

トロントを拠点とするこのスタジオは2018年に立ち上げられ、ストリーミング戦争に拍車をかけたVFXのキャパシティ不足や、それに伴うオンデマンドコンテンツの爆発的な増加、加入者数の増加を促進する上でのVFXの重要性など、エンターテインメント業界が直面するいくつかの課題に対処することを目的としたAIソリューションを開発している。

MARZの共同創業者兼共同社長のJonathan Bronfman(ジョナサン・ブロンフマン)氏は、TechCrunchにメールで「今回の資金は、現在開発中の2つのAI製品を含む 『VFX用AI』ソリューションの研究開発を加速するために使用します。これに伴い、資金はそれぞれ当社の研究、エンジニアリング、製品組織における主要な人材の採用に充てられます。また、この資金は、当社のハードウェア能力とインフラストラクチャの成長にも使用され、AIの研究開発を有意義に短縮するとともに、当社の両AI製品のキャパシティ効率を向上させるのに役立ちます」と述べている。

ブロンフマン氏は、資金の大半を独自のAIソリューションの開発に充てる一方で、従来のVFXサービス事業の成長を加速させるための資金でもあり、MARZのAI事業との相乗効果が期待できると述べている。

同社は、立ち上げから3年間で、Marvel(マーベル)の 『ワンダビジョン』、HBOの 『ウォッチメン』、Netflix(ネットフリックス)の『アンブレラ・アカデミー』、Apple TV+の 『インベージョン』など、88のプロジェクトを手がけてきた。MARZは、1年目に13件、2年目に21件、3年目に54件のプロジェクトを完了した。

MARZは、2019年に45人だった従業員が現在194人にまで増え、今後1年間でチームを300人にまで増やす予定だ。現在の従業員のうち、4分の1以上が機械学習や人工知能に注力している。MARZはトロントを拠点としているが、バンクーバー、ウィニペグ、モントリオール、マドリッド、ロサンゼルス、メルボルン、ロンドン、モスクワ、ムンバイ、メキシコシティなど、世界の各都市に拠点を置く分散型の従業員を擁するリモートファーストの企業だ。

「私たちの使命は、VFXを一般化させることであり、そうすることで、世界中のクリエイターが可能な限り野心的なビデオコンテンツを制作できるようにすることです。それが、ストリーミングサービスやハリウッドスタジオ、ゲームスタジオ、メタバース開発者、あるいはソーシャルメディアのコンテンツにVFXを統合したいと考えている才能ある新進気鋭のクリエイターであっても同様です」とブロンフマン氏は綴っている。

同社は、VFXとゲーム技術の両方に統合された、自動化されたAI駆動の製品群を作る予定だ。ハリウッドに対しては、MARZの製品でより野心的なコンテンツを作成できるようにすることを目指している。最終消費者のような他の市場について、MARZのソリューションは、VFXを史上初めてアクセス可能なものにすることを目指している、とブロンフマン氏は述べている。

Round13 CapitalのパートナーであるBrahm Klar(ブラーム・クリア)氏は、「MARZは、業界で最も急速に成長しているVFXスタジオのひとつであり、テクノロジーを活用して、最高の製品を記録的なタイムラインで提供することで定評があります。カナダで最も成功している投資家たちと一緒にMARZと提携することで、我々はチームと密接に協力して、これまでのような同社の並外れた成功を築くことができるのです。」と述べている。

画像クレジット:MARZ

[原文へ]

(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Netflixがストレンジャー・シングスやマーベル作品などの視覚効果を担当した独Scanline VFXを買収

Netflixが、ミュンヘンの視覚効果スタジオScanline VFXを買収た。買収の完了は規制当局の承認とその他の条件により2022年の第1四半期を予定しているが、買収の価額は公表されていない。Scanlineはこれまで「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」や「Cowboy Bebop(カウボーイビバップ)」など、Netflixのオリジナル作品をいくつか手がけている。また同スタジオはMarvelとDCの多くの作品にも特殊効果を提供している。

1989年に創業されたScanlineは、バンクーバーとモントリオール、ロサンゼルス、ロンドン、ミュンヘン、シュトゥットガルトにオフィスを持つ。同社は「Stranger Things 4」「Blood Red Sky(ブラッド・レッド・スカイ)」「Slumberland」「The Gray Man(グレイマン)」「The Adam Project(アダム&アダム)」そして「 Don’t Look Up(ドント・ルック・アップ)」といったNetflix作品を手がけている。Netflix以外では同社は「Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)」や「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」「Black Panther(ブラックパンサー)」「Captain Marvel(キャプテン・マーベル)」「Iron Man 3(アイアンマン3)」「キャプテン・アメリカ / ザ・ウィンター・ソルジャー」「Zack Snyder’s Justice League(ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット)」「Joker(ジョーカー)」などなどに特殊効果を提供している。

今後のプロジェクトとしては、Scanlineは「The Batman(ザ・バットマン-)」「The Flash(フラッシュ)」「Aquaman and the Lost Kingdom(アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム)」「Black Adam(ブラックアダム)」「Moonfall(ムーンフォール)」などに関わっている。Netflixによると、今後もScanlineは独立の企業体を維持し、今のクライアントの仕事も行っていく。

Netflixのスタジオ運用担当副社長Amy Reinhard(エイミー・ラインハルト)氏によると、Scanlineはその複雑でフォトリアリスティックな効果と、バーチャルプロダクションにおける専門的技能で知られている。ラインハルト氏のブログ記事によると、NetflixはScanlineのパイプラインとインフラストラクチャとワークフォースに投資して、ScanlineのEyeline Studiosがバーチャルプロダクションにおいて「視覚が為しうることの限界を押し広げようとしている営為を継続してサポートしていく」という。

ラインハルト氏はさらに続けて「弊社のVFXのニーズに関しては世界中の他の多くのスタジオにも依存を続け、弊社のクリエイターたちが世界でもっとも革新的な技術にアクセスできる状態を維持したい。そしてそれにより、弊社の会員のみなさまに、最先端のすばらしい物語をこれからも引き続きお届けしたい」と述べている。

NetflixによるScanlineの買収は、このストリーミング大手がますますプロダクションの内製化に力を入れようとしている間に行われた。2018年にNetflixはAlbuquerque Studiosを買収し、2020年は自社プロダクションへの支出をさらに増やして、すでに巨大なスタジオの300エーカーの増築に10億ドル(約1148億円)を投資すると発表した。その投資とさらに1億5000万ドル(約172億円)の資本支出により、新しいステージを10、ポストプロダクションサービス、大道具等工場、野外撮影所、訓練施設、衣装部、食堂喫茶などが増設される。

そして同社は最近では、ゲームスタジオまで買い上げた。それは9月に買収したNight School Studioだ。このインディーのゲームデベロッパーは「Oxenfree」のような物語性のあるゲームで知られ、Disney Interactiveの元シニアゲームデザイナーSean Krankel(ショーン・クランケル)氏と、Telltale GamesのリードライターだったAdam Hines(アダム・ハインズAdamuhainzu)氏により2014年に創業された。

画像クレジット:Sam Wasson/Getty Images

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ゲームエンジン開発Unityが数々の大作映画を手がけた視覚効果のWeta Digitalを約1850億円で巨額買収

ゲームエンジンの開発で知られるUnity(ユニティ)は、Peter Jackson(ピーター・ジャクソン)氏が共同設立した有名な視覚効果会社のWeta Digital(ウェタ・デジタル)を、16億2500万ドル(約1850億円)もの巨額で買収すると発表した。

その名前を知らなくても、Weta Digitalの作品を見たことがある人は多いだろう。「ロード・オブ・ザ・リング」から「アバター」や「シャン・チー/テン・リングスの伝説」など「ぜひ映画館で見るべきだ」といわれるような映画では、Weta DigitalがVFXで大きな役割を果たしている可能性が高い。

これまでWeta Digitalは、視覚効果を生み出すアーティストのチームであると同時に、アーティストが使用するツールの多くを開発するエンジニアのチームでもあった。Unityが買収するのは、これらのツールとエンジニアチームであり、その一方で視覚効果のアーティストチームは、独自の新しい組織に分割される予定だ。

今回の買収により、Weta Digitalの275人以上のエンジニアが、Unityに加わることになる。VFXアーティストは、ピーター・ジャクソン氏が引き続き過半数を所有する新会社「Weta FX」にスピンアウトする。両社は今後も協力関係を続けていく予定で、Unityはこの先、Weta FXが「メディア・エンタテインメント分野における最大の顧客」の1つになると見ているという。

その一方でUnityは、Weta Digitalの数多くの自社製ツールの開発を引き継ぐ予定だ。例えば「City Builder」(「キングコング」などの映画で破壊された巨大な3D都市をプロシージャルに生成する)「Manuka」(最終バージョンですべてが非常にリアルに見えるようにするために役立つ物理シミュレーションを行うカスタムレンダラー)「Gazebo」(より高速なリアルタイムレンダラーで、アーティストが時間のかかる最終レンダリングの前にシーンを正確にプレビューするために使用される)、そして他にも、キャラクターを動かすためのリギング、顔のアニメーションやレンダリング、モーションキャプチャーの処理、髪の毛 / 毛皮 / 煙 / 何千年も前に放棄された都市の景観に生え茂る植物などをシミュレートするためにチームが構築した独自の技術のすべてだ。

Wetaの「City Builder」ツール(画像クレジット:Unity/Weta Digital)

なぜWetaなのか?UnityのSVPであるMarc Whitten(マーク・ウィッテン)氏に電話して、彼の考えを聞いてみた。

「10年前を思い出してみてください」と、彼はいう。「これは2Dの話ですが、どれだけの写真が撮影されていたか。きっと膨大な数でしょう。しかし、それから10年後……今はさらに驚異的に増えています。3Dも同じようなものではないかと私は思います」。

「ただし、1つ違いがあります」と、彼は続けた。「10年前の私でも、写真を撮ることはできると思っていました。今、2Dで同じように写真を撮ることができます。しかし、実際にはそれは10年前と大きく異なります。なぜなら、私がiPhoneのシャッターボタンを押すたびに、iPhoneは私を(写真家に)変身させるために、おそらく500万行の超高度なコードを実行しているからです。しかし、3Dでは、現在、個人的に何かをモデリングすることはほとんどできません。これからの10年で私たちがやるべきことは、同じアプローチを取ることです。つまり、この信じられないほど深い技術を、簡単に使えるようにすることです」。

言い換えれば、つまり、Unityは3Dでの構築をより簡単にする必要性が高まっていると考えており、それはWetaが過去数十年を費やして追求してきたことなのだ。

この買収契約の一環として、UnityはWeta Digitalが長年にわたって構築してきた膨大なデジタル資産のカタログも取得することになる。それは、都市や自動車、人々の3Dモデルから、雨の中で火から出る煙の仕組みを決定するアルゴリズムや、動物の群れが木々の間をどのように移動するかのシミュレーションまで、1つ1つ挙げれば切りがないほど膨大だ。これらのすべてが、潜在的にはUnityの製品に組み込まれ、クリエイターがそれを基に制作できるようになる可能性があるというわけだ。もっとも、ウィッテン氏は「明確に認められるIP」は含まれないので、次に開発するゲームに(ロード・オブ・ザ・リングの)Gollum(ゴラム)をドラッグ&ドロップできるようにはならないだろうと指摘している。

これ以前にUnityが行った最大の買収は、2021年の8月にParsec(パーセク)を3億2000万ドル(約365億円)で買収したことだった。当時、ウィッテン氏はこの買収がUnityのより大きなクラウドへの野望の一環であることを示唆していたが、今回の買収にも同じことが言えるだろう。

「(Weta Digitalの)ツールは……まさにこのパイプラインです」と、ウィッテン氏は述べている。「それぞれのツールは個々に強力ですが、このパイプラインに沿って連携すると、すべてが実にうまく機能します。あるツールで変更を加えれば、他のツールで照明や合成を行ったときに、それが正しい形で現れます。複数の人が本当に簡単に一緒に作業できます」。

「その先に私たちが考えているのは」と、同氏は続けた。「アーティストがMaya(マヤ)やHoudini(フーディニ)、Unityの中で作業をするときに、これらのクラウド機能が直接接続できるようにすることです」。

「このパイプラインをクラウドで利用可能にして、どこにいてもすぐに接続できるようにすることが重要であると、私たちは考えています」。

Unityによれば、この買収は2021年の第4四半期中に完了する見込みだという。Weta DigitalのCEOを務めているPrem Akkaraju(プレム・アッカラジュー)氏は、新たに設立されるWeta FXのCEOとして留任し、CTOのJoe Marks(ジョー・マークス)氏は、Weta DigitalのCTOとしてUnityに移籍する予定だ。

画像クレジット:Unity/Weta Digital/20th Century Fox

原文へ

(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ライオンが美白ハミガキによる白い歯を疑似体験できるTikTokの「ブランドエフェクト」を公開

ライオンが美白ハミガキによる白い歯を疑似体験できるTikTokの「ブランドエフェクト」を公開

TikTok for Business(ティックトック・フォー・ビジネス)とライオンは6月14日、2021年3月に発売した美白ハミガキ「Lightee」(ライティー)のPR施策として「明るく白い歯」を疑似体験できるオリジナルのブランドエフェクト(Branded Effect)を共同開発し、6月13日よりハッシュタグチャレンジ「#顔の印象は歯で変わる」を開始したと発表した

TikTokのブランドエフェクトとは、2D・3D・ARなど様々なクリエイティブコンテンツにより、ブランドの世界観や商品の機能性を「体感的」に提供するというデジタルブランド体験機能。ライオンの場合は、「歯の色が明るいことが顔の印象まで明るく見せる」という同社の調査データに着目し開発したものという。「顔の印象は変わるのよ、歯で」という台詞をきっかけに、歯が白く、肌のトーンも明るくなり、「可愛く盛られた」自分の姿を確認できる。

ライオン エクスペリエンスデザイン 西岡勢奈氏は、「ご自身でも実際に『歯が白く明るいと、顔の印象も明るく見える』ということを体感いただくとともに、『Lightee』の認知を獲得することを目的に、オリジナルエフェクトの開発および、#チャレンジを実施させていただきました。オリジナルエフェクトの中では、CMにご出演いただいている中村アンさんのセリフに合わせて、印象が実際に変わることを疑似体験いただけます。ぜひ、エフェクトを通して印象がどれだけ変わるのかお試しいただき、実際にLighteeも使って頂けたら嬉しいです」と話している。

@kaneko_miyuこの美白*ハミガキ「ライティー」のエフェクトめちゃくちゃ白くなるwみんなも試してみて!#顔の印象は歯で変わる #PR *歯本来の白さへ

♬ #顔の印象は歯で変わる – Lightee(ライティー)

関連記事
TikTokが米国ユーザーの「顔写真や声紋」を含む生体情報の収集を表明
バーチャル美容アプリYouCam MakeupのPerfect Corpが52億円調達
ファンケルが銀座本店のリニューアルオープンに伴い「ARメイクアップシミュレーター」採用
コーセーが「NAIL HOLIC」ブランド全色を試せるネイル試着AI+ARアプリ配信、季節限定色や発売前の新色も
資生堂がMS TeamsやZOOMで最新メイクを楽しめるARフィルター提供、カメラアプリ「Snap Camera」経由

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:SNS / ソーシャル・ネットワーキング・サービス(用語)TikTok(製品・サービス)VFX / ビジュアルエフェクト(用語)美容(用語)ライオン(企業)日本(国・地域)

インディーズ映画制作者にAIを活用したVFXを提供するWonder Dynamicsが2.7億円を調達

最近の映画作品には必ずと言っていいほど視覚効果が必要とされているが、インディペンデントクリエイターには、最高のCGを手に入れるための資金やノウハウが不足していることが多い。VFXエンジニアのNikola Todorovic(ニコラ・トドロヴィッチ)氏と俳優のTye Sheridan(タイ・シェリダン)氏が設立したWonder Dynamics(ワンダー・ダイナミクス)は、AIを活用することで、予算の少ない映画制作者でもそうしたプロセスを利用できるようにすることを目指している。このたび同社が、その実現のために250万ドル(約2億7000万円)を調達した。

同社の設立は、2017年にシェリダン氏とトドロヴィッチ氏がRodrigo Garcia(ロドリゴ・ガルシア)監督の映画「Last Days in the Desert」の撮影現場で出会ったことがきっかけとなった。彼らは、大規模なスタジオ映画で利用されていたツールを、誰でも使えるようにすることにチャンスがあると考えたようだ。

Wonder Dynamicsは、そのツールが正確には何をするものなのかについては、とても口が堅い。Deadline(デッドライン)ニュースでMike Fleming Jr(マイク・フレミング・ジュニア)氏は、その限定的なデモを見た上で「ほどほどの予算で世界を創造する分野の、どのような部分で価値を発揮できるかがわかります。対象のプロセスを、すばやくしかも従来のコスト構造の何分の1かで、行うことができるようになるでしょう」と語った。だがそのコメントを読んでも何かが詳しくわかったよう気はあまりしない。

シェリダン氏とトドロヴィッチ氏はWallace Pro(ウォーレス・プロ)という名のこのシステムについて、仕上げや特定の効果ではなく、ある種のVFXの煩雑な作業を代行してくれるものだと説明した(彼らは私が送った質問に2人で答えてくれた)。

「私たちは、CGキャラクターやデジタルワールドを含むコンテンツのプロダクションとポストプロダクションの両方のプロセスを、大幅に高速化するAIプラットフォームを構築しています。プラットフォームの目的は、プロセスの『客観的』な部分を自動化して、アーティストに創造的な『主観的』作業を任せることで、こうしたプロダクションに関連するコストを削減することです」と彼らは語っている。「こうすることで、予算を上回るビジョンを持つ映像制作者に、より多くの機会を与え、力を与えることができればと考えています。多くは説明しませんが、このシステムはアーティストの具体的なニーズに応じて、映画制作の3つのステージ(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)すべてに適用することができます」。

こうしたことから、彼らのシステムはワークフローを改善するものだと思われる。それを使うことで広く使われているエフェクトを実現するための時間が短縮され、そのために必要な費用が削減されるのだ。はっきりさせておきたいのは、これはWonder Dynamicsが別途開発中の、映画プロダクションの過程でバーチャル・インタラクティブ・キャラクターを作成するための、特定目的の製品(間違いなく同社の初期アプリケーションではあるが)とは違うものだということだ。

この技術は小規模なテストが行われているが、2021年の後半にはプロダクションに投入できる機能を備える予定だ。「この技術を一般に公開する前に、この技術を使用する最初の映画制作者を厳選して、高いレベルの映画が制作できるかどうかを確認したいのです」と彼らはいう。第一印象は大切だからだ。

今回の250万ドル(約2億7000万円)のシードラウンドにはFounders Fund、Cyan Banister、Realize Tech Fund、Capital Factory、MaC Venture Capital、Robert Schwab(ロバート・シュワブ)氏が参加した。シェリダン氏とトドロヴィッチ氏は「テクノロジーと映画の交差点にいる私たちは、この2つの産業が将来的にどれだけお互いに依存するかを理解している投資パートナーを得たいと思っていました」と語る。「Founders Fundと並んで、MaC Venture CapitalやRealize Tech Fundにも協力してもらえたことは幸運でした。両ファンドのおかげで、シリコンバレーとハリウッドのベテランを組み合わせたユニークなファンドを得ることができました」。

ご想像のとおり、Wonder Dynamicsはこの資金を、エンジニアリングとVFXチームの規模を拡大し、製品のさらなる開発と拡張を行う……それがどういう製品であるにせよ。

まあ彼らのアドバイザリーボードがきちんと機能していれば、間違いを犯すことは難しいだろう。彼らは「私たちは、非常に幸運なことに、AIと映画の両方の分野から最も優秀な人材を迎えることができました」と彼らは語っているが、それは決して誇張ではない。現在のアドバイザリーボードに含まれているのは、Steven Spielberg(スティーブン・スピルバーグ)氏とJoe Russo (ジョー・ルッソ)氏(映画制作とイノベーションに関する明らかな天才)、UCバークレー校ならびにGoogleのAngjoo Kanazawa(アンジュ・カナザワ)氏とMITのAntonio Torralba(アントニオ・トラルバ)氏(ロボットと自律性に関する長年のAI研究者)、そして「会社をどのように前進させるかを考えているときに、豊富な知識を提供してくれる」映画界や金融界の数多くの人たちだ。

AIは多くのハイテク企業や企業の内部に深く組み込まれて、その業界ではしっかりとした収益源となっているが、クリエイター主導の映画やテレビの世界では、まだ縁遠い概念のままだ。それでも、「The Mandalorian(マンダロリアン)」の撮影に使用されたILMのStageCraft(ステージクラフト)のようなハイブリッド制作技術は、従来の3Dモデリングやゲーム制作に使用されていた技術が、映画制作にも十分適用できることを示している、それどころか場合によってはライブ配信さえも可能なのだ。NVIDIA(エヌビディア)やAdobe(アドビ)といった先駆者たちが示しているように、AIはますます世界の一部になってきていて、それが映画に取り込まれるのは必然のように思える。たとえそれが正確にはどのような形になるかを今いうのは難しいとしても。

関連記事:「マンダロリアン」シーズン2撮影用のリアル空間を創り出す巨大な高解像度LEDディスプレイをILMが公開

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:映画VFX動画撮影 / 動画編集Wonder Dynamics資金調達エンターテインメント

画像クレジット:Wonder Dynamics

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)